JPH11116292A - 石炭灰を主原料とする土木資材の製造方法及び装置 - Google Patents
石炭灰を主原料とする土木資材の製造方法及び装置Info
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Abstract
を加えて混練し、成形、養生して固化体とすることによ
り、低コストで路盤材、埋立資材等の土木資材を製造す
る。 【解決手段】 石炭灰にCaO/(SiO2 +Al2 O
3 )重量比が0.06〜0.2となるように、品質管理
装置22で石灰供給機30を制御することにより石灰を
加えて調整混合物とするとともに、この調整混合物に生
石灰に換算した石灰の0.2〜1.0倍の重量の石膏
を、品質管理装置22で石膏供給機18を制御すること
により加えて石膏調整混合物とし、同時にこの石膏調整
混合物に混練水を加えて混練した後、混練物を成形し、
ついで、成形物を常温〜55℃で養生した後、水蒸気養
生して、高強度の固化体を得る。
Description
から排出される石炭灰に石灰(消石灰又は/及び生石
灰)及び石膏を適正量加え、水で混練した後、成形、養
生して固化・安定化させることにより、路盤材、埋立資
材等の土木資材を製造する方法及び装置に関するもので
ある。
(フライアッシュ)は、セメント原料等として約50%
が再利用され、残りは廃棄物として埋立処分されてい
る。一方、石炭は燃料としての需要が高まっており、石
炭火力発電所等の新設・増設により灰量が増大してい
る。国土の高度利用が進んでいる我国では、今後、灰捨
て場の確保がますます困難になり、また、灰処理費用が
高騰してくると考えられ、大量発生が予想される石炭灰
の再資源化・有効利用技術の開発が要望されている。
体)を製造する方法として、例えば、特公昭64−14
17号公報に記載されているように、石炭灰60〜85
重量%、消石灰10〜25重量%、2水石膏8〜25重
量%からなる混合粉体に、水を添加して混練した後、こ
の混練物を型枠又は成形容器を用いて成形し、ついで、
この成形体を80〜100℃の常圧水蒸気で養生処理方
法が知られている。
石炭焚流動層ボイラへ供給する脱硫剤としての石灰石量
を、燃焼灰中の生石灰量が10〜30wt%となるよう
に、石炭中の灰分量及び/又は石炭中の硫黄分量に応じ
て調整し、成分調整された燃焼灰を水と混練し、混練物
を成形した後、養生する流動層燃焼灰を原料とする固化
体の製造方法が記載されている。
417号公報記載の方法は、微粉炭焚ボイラからの石炭
灰に、その性状によらず一定量の消石灰及び石膏を添加
するものであり、この方法では、灰の組成によって添加
材(消石灰及び石膏)が必要以上に消費されコスト高と
なったり、逆に、添加材が少なく強度不足の固化体とな
ったりする。また、上記の特開平8−59311号公報
記載の方法は、石炭焚流動層ボイラからの石炭灰から粒
状固化体を製造し路盤材とするものであり、この方法で
は、路盤材の材料である灰の組成は成り行き任せで、固
化体の強度をコントロールすることはできず、灰組成に
よっては不良品が大量にできてしまうことになる。
で、本発明の目的は、石炭灰の組成に応じた適正な量の
添加材(石灰及び石膏)を加えることで、最低限の添加
材量で固化体に必要な強度を発現させるようにすること
により、固化体強度をコントロールすることができ、こ
のため、多種の石炭灰に対応することが可能で、かつ、
固化体製造コストを低減することができ、しかも、有害
重金属が水和物に固定されるので安全性を確保すること
ができ、この結果、微粉炭焚ボイラ等からの石炭灰を大
量有効利用することができる石炭灰を主原料とする土木
資材の製造方法及び装置を提供することにある。
めに、本発明の石炭灰を主原料とする土木資材の製造方
法は、石炭灰にCaO/(SiO2 +Al2 O3 )重量
比が0.06〜0.2となるように石灰(消石灰又は/
及び生石灰)を加えて調整混合物とするとともに、この
調整混合物に生石灰に換算した石灰の0.2〜1.0
倍、望ましくは0.25〜0.75倍の重量の石膏を加
えて石膏調整混合物とし、同時にこの石膏調整混合物に
混練水を加えて混練した後、混練物を成形し、ついで、
成形物を常温〜55℃で養生した後、水蒸気養生して、
高強度の固化体を得るように構成されている(図1〜図
7参照)。石灰として消石灰(Ca(OH)2 )を用い
る場合は、Ca(OH)2 を生石灰(CaO)に換算し
て、CaO/(SiO2 +Al2 O3 )重量比が0.0
6〜0.2の範囲になるように消石灰を添加する。この
値が0.06未満の場合は、水和反応が十分に進行せ
ず、固化体の強度が低くなり、良質な土木資材とはなら
ず、一方、0.2を超える場合は、添加材コストが高く
なるとともに、SiO2 やAl2 O3 不足となり、固化
体の強度は低くなり、良質な土木資材とならない。な
お、石炭灰、石灰、石膏、水の混合順序は問わず、要
は、最終的にこれらが混練されれば良い。
の重量比で0.2〜1.0倍、望ましくは0.25〜
0.75倍である。なお、消石灰を添加する場合は生石
灰に換算された値を基準とする。石膏添加量が下限未満
の場合は、水和反応が十分に進行せず、固化体の強度が
低くなり、一方、上限を超える場合は、添加材のコスト
が高くなるとともに、未反応の石膏が残存し、固化体の
強度が低くなる。また、混練水としては工業用水又は海
水が用いられ、石膏混合物100重量部に対して20〜
50重量%が加えられる。この場合、30〜60℃の温
水を用いることが好ましい。温水を用いる場合は、固化
体の強度、安定性が向上し、また、冬季、寒冷地におい
ても安定した固化体の品質を確保することができるとい
う利点がある。また、海水を用いる場合は、固化体の強
度がさらに大きくなるという利点がある。
突き固め成形等で所定の形に成形され、その後、常温か
ら55℃の範囲で5〜24時間養生し、さらに60〜9
8℃の飽和水蒸気下で10〜24時間養生する。「常温
〜55℃」における上限の55℃は、強度の低い混練
物、成形物が急激な水和反応による膨張により、クラッ
クが発生しない場合を考慮した値である。常温〜55℃
における養生処理では、水和反応物によって有害重金属
が固定され、埋立判定基準を満足させることができる。
さらに、水蒸気養生処理を行うことにより、水和反応が
より進行し、かつ、遊離石灰がなくなり、有害重金属が
より固定されて、土壌環境基準を満足させることができ
る。養生処理した固化体は、破砕されて粒径40mm以
下、詳しくは、0.05〜40mmの粒度分布を有する粒
状固化体とされて、路盤材、埋立資材等の土木資材とし
て有効利用される。
イラで燃焼させる石炭の灰分組成、例えば、灰分のCa
O/(SiO2 +Al2 O3 )重量比に基づいて制御す
るように構成したり、又は、石炭灰を電気集塵機のホッ
パや中継ホッパ等のホッパ下又は気流搬送過程で採取
し、石炭灰の蛍光X線によるCaO/(SiO2 +Al
2 O3 )重量比の測定、石炭灰スラリーのpHの測定及び
石炭灰スラリーの導電率の測定の少なくともいずれかを
行い、該測定値に基づいて石灰及び石膏の添加量を制御
するように構成する。また、石膏として、排煙脱硫装置
から得られた石膏を用い、この石膏を石炭灰の一部又は
石灰の一部とともに粉砕して、ブレーン比表面積を25
00cm2 /g以上としたものを石炭灰に添加することが
好ましい(図4〜図7参照)。なお、系外から石膏を搬
入して用いることも、勿論可能である。また、石灰とし
て、石灰石及び貝殻の少なくともいずれかを焼成して生
石灰とし、この生石灰を粉砕してブレーン比表面積を2
500cm2 /g 以上としたものを用いる場合もある(図
6、図7参照)。ここで、ブレーン比表面積とは、JI
S R 5201(セメントの物理試験方法)に示され
ているブレーン空気透過装置を用いて測定された値で、
粒子の細かさを示す指標を言う。石膏や石灰のブレーン
比表面積が2500cm2 /g 未満の場合は、水和反応性
がよくなく、得られる処理物(固化体)の圧縮強度が十
分でなく、重金属の溶出の可能性が生じる。ブレーン比
表面積が大きくなるに従って水和反応性がよくなって、
固化体の圧縮強度が高まるものの、経済的に不利にな
る。したがって、ブレーン比表面積の上限は限定される
ものではないが、実用上、10,000cm2 /g を上限
とすることが好ましい。
製造装置は、石炭焚ボイラからの排ガスを導入して排ガ
ス中に含まれる石炭灰を捕集する集塵機と、捕集された
石炭灰を導入し石灰、石膏及び水とともに混練する混練
機と、混練機からの混練物を成形する成形機と、成形機
からの成形物を養生する養生装置とを備えた石炭灰処理
装置において、ホッパ又は気流搬送過程で採取された石
炭灰のCaO/(SiO2 +Al2 O3 )重量比の測
定、石炭灰スラリーのpHの測定及び石炭灰スラリーの導
電率の測定の少なくともいずれかを行う品質管理装置を
設け、この品質管理装置により石炭灰に添加する石灰及
び石膏の量を制御することができるように、この品質管
理装置と石灰供給機及び石膏供給機とが連動接続され
て、石炭灰−石灰−石膏系混合物からなる固化体を得る
ようにしたことを特徴としている(図1、図4、図6参
照)。
焚ボイラからの排ガスを導入して排ガス中に含まれる石
炭灰を捕集する集塵機と、捕集された石炭灰を導入し石
灰、石膏及び水とともに混練する混練機と、混練機から
の混練物を成形する成形機と、成形機からの成形物を養
生する養生装置とを備えた石炭灰処理装置において、前
記石炭焚ボイラで燃焼させる石炭の炭種の灰分組成から
CaO/(SiO2 +Al2 O3 )重量比を計算し石炭
灰に添加する石灰及び石膏の量を決定する品質管理装置
を設け、この品質管理装置により石炭灰に添加する石灰
及び石膏の量を制御することができるように、この品質
管理装置と石灰供給機及び石膏供給機とが連動接続され
て、石炭灰−石灰−石膏系混合物からなる固化体を得る
ようにしたことを特徴としている(図3、図5、図7参
照)。これらの土木資材製造装置において、養生装置の
後流に、養生物を破砕するための破砕機を設けて、石炭
灰−石灰−石膏混合物からなる粒状の固化体を得るよう
に構成することが好ましい。
高強度の固化体とならず、大半は廃棄されており、性状
が安定していない等の理由で大量有効利用が殆ど行われ
ていない。しかし、石炭灰には可溶性のSiO2 、Al
2 O3 が多く含まれているために、石灰や石膏を添加す
るとポゾラン反応が促進され、不溶性のC−S−H(ケ
イ酸カルシウム水和物)ゲルやエトリンガイトを生成し
高強度の固化体となる。また、灰中の重金属は、エトリ
ンガイトやC−S−H中に取り込まれ、化学的に安定化
される。このように、石炭灰を固化・安定化し路盤材、
埋立資材等の土木資材とすることで大量有効利用を図る
ものである。また、それぞれの灰組成に応じた適正な量
の石灰及び石膏を加えることで、最小限の石灰添加量及
び石膏添加量で必要な強度を発現させる。目標の一軸圧
縮強度を100kg/cm2 とすると、石灰添加量は消石灰
で2〜9%、石膏添加量は1〜6%である。このよう
に、石灰及び石膏の添加量を制御することにより固化体
強度をコントロールすることができ、多種の石炭灰に容
易に対応することができる。
燃焼させる石炭の灰分組成に基づき石灰及び石膏の添加
量を決定するか、又は、石炭灰をホッパ下もしくは気流
搬送管より採取し、手分析又はオンラインで蛍光X線に
よるCa、Al、Siの分析、石炭灰スラリー(例え
ば、10%スラリー)のpH測定及び導電率測定の少なく
とも一つを行い、分析値又は/及び測定値に応じて石灰
添加量及び石膏添加量を決定する。なお、pH及び導電率
は石炭灰中のCa量と相関関係がある。石灰系の添加材
としてはセメントも考えられるが、セメント添加では同
一強度を発現させるために添加材量(セメント量)が消
石灰添加の場合の2〜2.5倍になり、セメントは消石
灰の約1/2のコストであるので添加材コストはほぼ等
しいが、灰重量ベースで考えると、消石灰又は生石灰を
使用することで固化体製造コストの低減を図ることがで
きる。
造装置に石灰石や貝殻を焼成する焼成炉(流動層炉、シ
ャフト炉等)を併設し、石灰石や貝殻を焼成して生石灰
とすることにより、添加材コストをさらに低減させるこ
とができる。このとき、焼成用燃料として、発電所から
排出される廃油、スラッジ等を燃料の一部とすれば、焼
成コストをさらに低減できるだけでなく、発電所のゼロ
エミッションにも貢献することができる。さらに、前述
のように、エトリンガイト(3CaO・Al2 O3 ・3
CaSO4 ・32H2 O)等の水和生成物が多く生成
し、有害重金属が水和物に固定されるため、環境基準に
より定められた安全基準を確保することができる。
て説明するが、本発明は下記の実施の形態に何ら限定さ
れるものではなく、適宜変更して実施することができる
ものである。図1は本発明の実施の第1形態による石炭
灰を主原料とする土木資材の製造装置を示し、図2は図
1における固化体製造プラント(固化体製造装置)を示
している。図1及び図2において、石炭(例えば、微粉
炭)はボイラ(例えば、微粉炭焚ボイラ)10等の石炭
燃焼装置に供給されて燃焼し、ボイラからの燃焼排ガス
は集塵機、例えば、電気集塵機(EP)12に導入され
て排ガス中に含まれる石炭灰(フライアッシュ)が捕集
される。除塵された排ガスは石灰石スラリー等を吸収液
とする湿式脱硫装置等の脱硫装置14に導入されて排ガ
ス中の硫黄酸化物等が除去される。除去された硫黄酸化
物等は石膏として回収され、石膏ホッパ16に一旦貯留
される。石膏ホッパ16の石膏は、石膏供給機18によ
り固化体製造プラント20に供給される。
理装置22でサンプリングされて石炭灰ホッパ24に搬
送(例えば、気流搬送)され、一旦貯留される。石炭灰
ホッパ24の石炭灰は、石炭灰供給機26により固化体
製造プラント20に供給される。28は消石灰又は生石
灰を一時貯留するための石灰ホッパで、この石灰ホッパ
28の石灰は、石灰供給機30により固化体製造プラン
ト20に供給される。また、同時に、固化体製造プラン
ト20に混練水が供給される。品質管理装置22は、石
炭灰ホッパ24下の石炭灰供給機(切り出し装置)2
6、石灰ホッパ28下の石灰供給機(切り出し装置)3
0及び石膏ホッパ16下の石膏供給機(切り出し装置)
18をコントロールして、所定量の量を固化体製造プラ
ント20に供給するように構成されている。これらの供
給機18、26、30としては、テーブルフィーダー、
スクリュウフィーダー、ロータリーフィーダー等が用い
られる。
うに、混練機32、成形機34、養生装置36及び破砕
機38からなっている。混練機32としては、逆流式高
速混練機(アイリッヒミキサ)、ヘンシェルミキサ、水
平軸回転混練機、振動式混練機(バイブロミキサ)等の
撹拌造粒が可能な機種以外に、縦軸高速回転混練機(ピ
ンミキサ等)等が適している。成形機34としては、ブ
リケットマシンのような高圧タイプ、押出タイプ、ブロ
ックマシン等のような低圧タイプが適している。また、
養生装置36は、常温又は常温近傍の温度(常温〜55
℃)で養生処理する常温養生処理部、及び60〜98℃
の飽和水蒸気雰囲気で養生処理する水蒸気養生処理部か
らなっている。養生装置36としては、固化体を載せた
ラックが順次出口へと移動しつつ養生処理を行うタイ
プ、コンベアで搬送しながら順次下方へ移行させつつ養
生処理を行うタイプ、縦軸に接合した撹拌翼で撹拌しな
がら順次下方へ移行させつつ養生を行うタイプ等を適用
することができる。また、破砕機38としては、ハンマ
ーミル、インペラーブレーカ、インパクトクラッシャ等
の衝撃式のものが適している。
石炭灰のCaO/(SiO2 +Al2 O3 )重量比の測
定、石炭灰スラリーのpHの測定及び導電率の測定の少な
くともいずれかを行い、CaO/(SiO2 +Al2 O
3 )重量比が0.06〜0.2となるように石灰添加量
を制御し、かつ、石膏添加量が生石灰に換算した石灰の
0.2〜1.0倍になるように石膏添加量を制御するよ
うに構成されている。
置において、石炭灰を電気集塵機のホッパ、中継ホッパ
等のホッパ下又は気流搬送過程で採取し、石炭灰のCa
O/(SiO2 +Al2 O3 )重量比、石炭灰スラリー
のpH及び導電率の少なくともいずれかを測定し、測定値
に基づいて、CaO/(SiO2 +Al2 O3 )重量比
が0.06〜0.2の範囲の所定値となるように、か
つ、石膏量が生石灰に換算した石灰の0.2〜1.0倍
の範囲の所定値となるように、供給機26、30、18
を制御して、混練機32へ供給する石炭灰量、石灰量及
び石膏量を調節する。同時に、混練機32に石炭灰・石
灰・石膏混合物100重量部に対して20〜50重量%
の水を加えて混練する。ついで、混練物を成形機34で
所定の形状(例えば、アーモンド状、円柱状、ブロック
状等)に成形した後、成形物を養生装置36で常温〜5
5℃の範囲で5〜24時間養生し、さらに、60〜98
℃の飽和水蒸気下で10〜24時間養生する。そして、
養生物を破砕機38で不定形の40mm以下(0.05〜
40mm)の粒状体とする。破砕処理により、破砕処理物
(粒状体)の修正CBRが80%以上となり、路盤材、
埋立資材等の土木資材として有効利用することができ
る。ここで、修正CBRとは、路盤材などの土木資材と
して用いられる粒状材料の強さを示す指標で、大きい
程、強さがすぐれており、JIS A 1211(路床
土支持力比(CBR)試験方法)に示す方法に準じて、
3層に分けて各層92回突固めたときの最大乾燥密度に
対する所要の締固め度に相当する水浸CBRを言う。
資材製造装置を示している。本実施形態は、実施の第1
形態における品質管理装置22の代りに、ボイラで燃焼
させる石炭の灰分のCaO/(SiO2 +Al2 O3 )
重量比から石炭灰に添加する石灰添加量及び石膏添加量
を決定し、添加量を制御する品質管理装置22aを設け
たものである。石炭の種類により、燃焼灰の組成はほぼ
一定しているので、この灰組成又はCaO/(SiO2
+Al2 O3 )重量比を品質管理装置22aに入力し、
石炭灰のCaO/(SiO2 +Al2 O3 )重量比が
0.06〜0.2の範囲の所定値となるように、かつ、
石膏量が生石灰に換算した石灰の0.2〜1.0倍の範
囲の所定値となるように、供給弁26、30、18を制
御して、混練機32へ供給する石炭灰量、石灰量及び石
膏量を調節する。他の構成及び作用は、実施の第1形態
の場合と同様である。
資材製造装置を示している。本実施形態は、排煙脱硫石
膏を粉砕するためのミル40を併設したものである。す
なわち、排煙脱硫石膏は湿潤状態にありハンドリング性
が悪く、かつ、結晶が大きいので、約2倍量の石炭灰を
石炭灰ホッパ24から石炭灰供給機42によりミル40
に供給し、石膏と混合して粉砕する。ミル40として
は、振動ミル、ボールミル、ローラミル等が用いられ
る。なお、石炭灰をミル40に供給する代りに、石灰ホ
ッパ28からの石灰を石灰供給機44を介してミル40
に供給しても良い。石膏と石炭灰との混合粉砕物、又は
石膏と石灰との混合粉砕物は、石膏混合物ホッパ46に
一旦貯留された後、石膏混合物供給機48により固化体
製造プラント20に供給される。品質管理装置22は、
サンプリングされた石炭灰のCaO/(SiO2 +Al
2 O3 )重量比、石炭灰スラリーのpH及び導電率の少な
くともいずれかを測定し、測定値に基づいて、CaO/
(SiO2 +Al2 O3 )重量比が0.06〜0.2の
範囲の所定値となるように、かつ、石膏量が生石灰に換
算した石灰の0.2〜1.0倍の範囲の所定値となるよ
うに、供給機26、30、42、48、又は供給機2
6、30、44、48を制御して、混練機32へ供給す
る石炭灰量、石灰量及び石膏量を調節する。他の構成及
び作用は、実施の第1形態の場合と同様である。
資材製造装置を示している。本実施形態は、実施の第3
形態における品質管理装置22の代りに、ボイラで燃焼
させる石炭の灰分のCaO/(SiO2 +Al2 O3 )
重量比から石炭灰に添加する石灰添加量及び石膏添加量
を決定し、添加量を制御する品質管理装置22aを設け
たものである。他の構成及び作用は、実施の第2、3形
態の場合と同様である。
資材製造装置を示している。本実施形態は、石灰石又は
/及び貝殻を焼成して生石灰を製造する焼成炉50を併
設したものである。一般に、石炭火力発電所は海に隣接
した地域に設けられており、冷却水としての海水の取出
口等から大量の貝殻が得られるので、この貝殻又は石灰
石を焼成炉50(例えば、流動層炉、シャフト炉等)に
投入し、焼成して生石灰(CaO)を製造し、生石灰ホ
ッパ52に一旦貯留する。この生石灰は粒子状であるの
で、粉砕した後に固化体製造プラント20に供給する必
要がある。このため、生石灰ホッパ52からの生石灰を
生石灰供給機54によりミル56(例えば、振動ミル、
ボールミル、ローラミル等)に供給し、同時に石膏ホッ
パ16からの石膏を石膏供給機18によりミル56に供
給して粉砕し、石膏・生石灰ホッパ58に一旦貯留した
後、石膏・生石灰供給機60により固化体製造プラント
20に供給する。品質管理装置22は、サンプリングさ
れた石炭灰のCaO/(SiO2 +Al2 O3 )重量
比、石炭灰スラリーのpH及び導電率の少なくともいずれ
かを測定し、測定値に基づいて、CaO/(SiO2 +
Al2 O3 )重量比が0.06〜0.2の範囲の所定値
となるように、かつ、石膏量が生石灰に換算した石灰の
0.2〜1.0倍の範囲の所定値となるように、供給機
26、54、18、60を制御して、混練機32へ供給
する石炭灰量、生石灰量及び石膏量を調節する。本実施
形態では、生石灰の粉砕と石膏の粉砕とをミル56で同
時に行う場合を示しているが、生石灰の粉砕と石膏の粉
砕とを別のミルで、個別に行うように構成する場合もあ
る。この場合は、実施の第3形態におけるように、石膏
は石炭灰の一部と混合されて粉砕されるように構成する
ことが好ましい。他の構成、作用は、実施の第1、3形
態の場合と同様である。
資材製造装置を示している。本実施形態は、実施の第5
形態における品質管理装置22の代りに、ボイラで燃焼
させる石炭の灰分のCaO/(SiO2 +Al2 O3 )
重量比から石炭に添加する石灰添加量及び石膏添加量を
決定し、添加量を制御する品質管理装置22aを設けた
ものである。他の構成及び作用は、実施の第2、5形態
の場合と同様である。
特徴とするところをより一層明確にする。 実施例1 表1に示すCaO/(SiO2 +Al2 O3 )重量比が
0.058の石炭灰A100重量部に、消石灰4.6重
量部、ブレーン比表面積が3000cm2 /g の石膏3.
2重量部を加えて、CaO/(SiO2 +Al2 O3 )
重量比を0.10とした混合粉体100重量部に対して
26重量部の温水(50℃)を加えて逆流式高速型混練
機で混練し、混練物を突き固め成形し、ついで、50℃
で15時間養生した後、95℃で15時間養生を行って
固化体を製造した。固化体の圧縮強度は115kg/cm2
であり、有害重金属溶出量も土壌環境基準を満足した。
0.025の石炭灰B100重量部に、生石灰4.0重
量部、ブレーン比表面積が3000cm2 /g の石膏3.
0重量部を加えて、CaO/(SiO2 +Al2 O3 )
重量比を0.072とした混合粉体を用いて、実施例1
と同じ条件で固化体を製造した。固化体の圧縮強度は1
00kg/cm2 であり、有害重金属溶出量も土壌環境基準
を満足した。
採取した石炭灰Bの10%スラリーのpHを自動測定した
ところ、10.8であった。この値に基づいて、土木資
材製造装置の消石灰供給量及び石膏供給量をコントロー
ルした。詳しくは、石炭灰85重量部に対し消石灰6重
量部を逆流式高速型混練機に供給し、排煙脱硫石膏3重
量部を石炭灰15重量部とともに振動ミルで粉砕してブ
レーン比表面積を3000cm2 /g とした石膏混合物1
8重量部を上記混練機に供給し、混合粉体のCaO/
(SiO2 +Al2 O3 )重量比を0.079とした。
この混合粉体100重量部に対して24重量部の温水
(50℃)を加えて混練し、混練物を低圧振動成形機で
0.5kg/cm2 Gの圧力で振動を加えながら、□400
×100H 〔mm〕の成形体とし、ついで、約40℃で8
時間、98℃で15時間養生を行い、固化体を製造し
た。固化体の圧縮強度は107kg/cm2 であり、有害重
金属溶出量は土壌環境基準を満足した。
し、クラッシャランC−40相当の粒状固化体を得た。
粒状固化体の修正CBRは105%、すり減り減量は3
5%で、砕石路盤材規格を満足した。なお、クラッシャ
ランC−40とは、クラッシャ(破砕機)で割った(破
砕した)後の粒状体で、最大粒径が40mmで路盤材等に
用いられる材料のことを言う。
い場合の例である。表1に示す石炭灰A100重量部
に、消石灰4.6重量部、石膏0.5重量部を加えて、
実施例1と同じ方法で固化体を製造した。固化体の圧縮
強度は60kg/cm2 であり、有害重金属溶出量はCr6+
が0.06mg/l で、土壌環境基準値の0.05mg/l
を越えた。
が本発明における範囲より少ない場合の例である。表1
に示す石炭灰B100重量部に、消石灰3.0重量部、
石膏2.0重量部を加えた混合粉体のCaO/(SiO
2 +Al2 O3)重量比を0.052とし、実施例1と
同じ方法で固化体を製造した。固化体の圧縮強度は43
kg/cm2 であり、有害重金属溶出量は、Seが0.01
5mg/lで土壌環境基準値の0.01mg/l を越えた。
で、つぎのような効果を奏する。 (1) 石炭灰を主原料とする固化体の製造時の石灰添
加量及び石膏添加量を、石炭灰のCaO/(SiO2 +
Al2 O3 )重量比が一定値になるように、かつ、石膏
量が生石灰の一定倍になるように制御して適正量とする
ことにより、効率よく目標強度の固化体を得ることがで
きる。 (2) 固化体製造時の石灰添加量及び石膏添加量を適
正量(最小量)とすることで、固化体製造コストを最小
限に抑えることができる。また、相対的に大量の石炭灰
を処理することができる。 (3) 多炭種灰に対応することができ、石炭灰性状に
よらず所定品質の固化体が安定的に得られ、路盤材、埋
立資材等の土木資材として有効利用することができる。 (4) 固化体製造時に必要な石灰、燃料等を石炭焚火
力発電所からの廃棄物でまかなうように構成する場合
は、発電所のゼロエミッションを図ることができる。
とする土木資材の製造装置を示す概略構成図である。
概略構成図である。
とする土木資材の製造装置を示す概略構成図である。
とする土木資材の製造装置を示す概略構成図である。
とする土木資材の製造装置を示す概略構成図である。
とする土木資材の製造装置を示す概略構成図である。
とする土木資材の製造装置を示す概略構成図である。
Claims (10)
- 【請求項1】 石炭灰にCaO/(SiO2 +Al2 O
3 )重量比が0.06〜0.2となるように石灰を加え
て調整混合物とするとともに、この調整混合物に生石灰
に換算した石灰の0.2〜1.0倍の重量の石膏を加え
て石膏調整混合物とし、同時にこの石膏調整混合物に混
練水を加えて混練した後、混練物を成形し、ついで、成
形物を常温〜55℃で養生した後、水蒸気養生して、高
強度の固化体を得ることを特徴とする石炭灰を主原料と
する土木資材の製造方法。 - 【請求項2】 固化体を破砕して、粒径40mm以下の粒
状固化体とする請求項1記載の石炭灰を主原料とする土
木資材の製造方法。 - 【請求項3】 混練水として、30〜60℃の温水を用
いる請求項1又は2記載の石炭灰を主原料とする土木資
材の製造方法。 - 【請求項4】 石炭灰に添加する石灰及び石膏の量を、
ボイラで燃焼させる石炭の灰分のCaO/(SiO2 +
Al2 O3 )重量比に基づいて制御する請求項1、2又
は3記載の石炭灰を主原料とする土木資材の製造方法。 - 【請求項5】 石炭灰をホッパ下又は気流搬送過程で採
取し、石炭灰のCaO/(SiO2 +Al2 O3 )重量
比の測定、石炭灰スラリーのpHの測定及び石炭灰スラリ
ーの導電率の測定の少なくともいずれかを行い、該測定
値に基づいて石灰及び石膏の添加量を制御する請求項1
〜4のいずれかに記載の石炭灰を主原料とする土木資材
の製造方法。 - 【請求項6】 石膏として、排煙脱硫装置から得られた
石膏を用い、この石膏を石炭灰の一部又は石灰の一部と
ともに粉砕して、ブレーン比表面積を2500cm2 /g
以上としたものを石炭灰に添加する請求項1〜5のいず
れかに記載の石炭灰を主原料とする土木資材の製造方
法。 - 【請求項7】 石灰として、石灰石及び貝殻の少なくと
もいずれかを焼成して生石灰とし、この生石灰を粉砕し
てブレーン比表面積を2500cm2 /g 以上としたもの
を用いる請求項1〜6のいずれかに記載の石炭灰を主原
料とする土木資材の製造方法。 - 【請求項8】 石炭焚ボイラからの排ガスを導入して排
ガス中に含まれる石炭灰を捕集する集塵機と、捕集され
た石炭灰を導入し石灰、石膏及び水とともに混練する混
練機と、混練機からの混練物を成形する成形機と、成形
機からの成形物を養生する養生装置とを備えた石炭灰処
理装置において、 ホッパ又は気流搬送過程で採取された石炭灰のCaO/
(SiO2 +Al2 O3 )重量比の測定、石炭灰スラリ
ーのpHの測定及び石炭灰スラリーの導電率の測定の少な
くともいずれかを行う品質管理装置を設け、この品質管
理装置により石炭灰に添加する石灰及び石膏の量を制御
することができるように、この品質管理装置と石灰供給
機及び石膏供給機とが連動接続されて、石炭灰−石灰−
石膏系混合物からなる固化体を得るようにしたことを特
徴とする石炭灰を主原料とする土木資材の製造装置。 - 【請求項9】 石炭焚ボイラからの排ガスを導入して排
ガス中に含まれる石炭灰を捕集する集塵機と、捕集され
た石炭灰を導入し石灰、石膏及び水とともに混練する混
練機と、混練機からの混練物を成形する成形機と、成形
機からの成形物を養生する養生装置とを備えた石炭灰処
理装置において、 前記石炭焚ボイラで燃焼させる石炭の炭種の灰分組成か
らCaO/(SiO2+Al2 O3 )重量比を計算し石
炭灰に添加する石灰及び石膏の量を決定する品質管理装
置を設け、この品質管理装置により石炭灰に添加する石
灰及び石膏の量を制御することができるように、この品
質管理装置と石灰供給機及び石膏供給機とが連動接続さ
れて、石炭灰−石灰−石膏系混合物からなる固化体を得
るようにしたことを特徴とする石炭灰を主原料とする土
木資材の製造装置。 - 【請求項10】 養生装置の後流に、養生物を破砕する
ための破砕機を設けて、石炭灰−石灰−石膏混合物から
なる粒状の固化体を得るようにした請求項8又は9記載
の石炭灰を主原料とする土木資材の製造装置。
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