JP2003340494A - 加圧流動床石炭灰を用いた固化体及びその利用方法 - Google Patents

加圧流動床石炭灰を用いた固化体及びその利用方法

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JP2003340494A
JP2003340494A JP2002150399A JP2002150399A JP2003340494A JP 2003340494 A JP2003340494 A JP 2003340494A JP 2002150399 A JP2002150399 A JP 2002150399A JP 2002150399 A JP2002150399 A JP 2002150399A JP 2003340494 A JP2003340494 A JP 2003340494A
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coal ash
pressurized fluidized
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bed coal
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Masao Tomari
正雄 泊
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Kitakyushu Foundation for Advancement of Industry Science and Technology
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  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 産業廃棄物のうち比較的発生量が多くかつ埋
め立て処分されており、埋め立て処分地の確保が逼迫し
てきている建設汚泥と、石炭火力発電所等からの加圧流
動床燃焼方式による石炭灰を建設資材化すること。 【解決手段】 建設汚泥に、加圧流動床燃焼方式による
石炭灰を混合、これを混練して固化処理するかまたは、
建設汚泥に加圧流動床燃焼方式による石炭灰を混合し撒
水を伴う造粒又は圧縮成型を行う固化処理を施してなる
固化体。請求項2に記載の発明は、上記固化体をそのま
ま又は水硬性を有しない廃コンクリート骨材、天然骨
材、製鋼スラグ等と混合して水硬性路盤材、埋め戻し材
等として用いることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建設汚泥ならびに
火力発電所等から排出される加圧流動床燃焼方式による
石炭灰を用いた固化体及びその利用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】我国は循環型社会を目指して、資源の再
使用(リユース)、廃棄物の発生抑制(リデュース)、
再生利用(リサイクル)、原料の再循環使用(マテリア
ルリサイクル)を推進している。産業廃棄物は年間約4
億トン発生しており、このうち建設業界からの発生が約
25%を占めている。廃棄物の最終処分量は1990年
度実績で4408万トンであったが、2010年度には
900万トンと1990年度実績の20%にまで削減す
る目標値が設定され、資源のリサイクル化が推進されて
いる。
【0003】土木建設工事に伴い発生する汚泥の量は、
東京都市圏で年間約1000万トン(1995年度)で
あり、全国では年間約1800万トンと推定されてい
る。現状では、これら建設汚泥は、主として他県に運搬
し埋め立て処分されている。しかしながら、近年、埋め
立て処分費が高騰してきている処から、建設汚泥脱水ケ
ーキにセメント等の固化剤を混合したり、加熱・焼成し
て埋め戻し材として活用する等の研究が、建設9団体等
で進められている。しかし、建設汚泥は付着水分が多く
べとべとしており、セメント系固化剤のみでは(水/セ
メント)比が高い問題のほか、建設汚泥に有機物が多く
含まれている場合、固化強度が発現され難い問題があ
る。加えて、東京都市圏を中心に、建設汚泥処分地の確
保が困難となってきている。
【0004】一方、石炭火力発電所等においては、微粉
炭燃焼方式や流動床燃焼方式が主体であったが、近年、
加圧流動床燃焼方式のボイラーの稼働が増加してきてい
る。加圧流動床燃焼方式の複合発電設備は、加圧流動床
燃焼ボイラーで、石炭と石灰石を混合した燃料を加圧
(約14kgf/cm)下に燃焼させ、発生した水蒸
気でタービンを回して発電すると共にボイラーからの排
ガスでガスタービンを回して電力を発生する発電設備で
ある。この加圧流動床燃焼方式の複合発電設備は、石炭
と石灰石を混合した燃料を用いることおよびボイラー内
の燃焼温度が約870℃と低いことから、既存の火力発
電設備に比し、SO、NOの排出量を少なくできる
ことならびに熱効率が40%〜42%と高いという特長
をもっている。
【0005】これら微粉炭燃焼方式、流動床燃焼方式、
および加圧流動床燃焼方式による石炭灰を各々比較する
と、 (1) 微粉炭燃焼方式による石炭灰 微粉砕した石炭を高温(約1450℃〜1500℃)で
燃焼させるので未燃焼炭素の含有量は少なく、F・Ca
O(フリーライム)の量も少ない。球状粒子が多く、セ
メント混和材(フライアッシュセメント用)にまた、粗
粒部分はセメント原料として活用され、他は埋め立て廃
棄されている。 (2) 流動床燃焼方式による石炭灰 SO、NOの排出量を低減させかつ発電設備の熱効
率を向上させるため、石灰石(粉末或いは粒径10mm
以下)と石炭(粒径25mm以下)とを衝突させながら
低温(約850℃〜870℃)で燃焼させるので未燃焼
炭素、F・CaO(フリーライム)が多く、若干石膏
(CaSO)を含有している。セメントに混合する
と、急結性となって使用できない。ごく一部セメント原
料として活用されているが、大部分は埋め立て廃棄され
ている。 (3) 加圧流動床燃焼方式による石炭灰 SO、NOの排出量を低減させまた、発電設備の熱
効率を向上させるべく、石灰石粉末、石炭粉末を混合さ
せるか或いは混合した後微粉砕したものを加圧(約14
kgf/cm)下に低温(約850℃〜870℃)で
燃焼させるから未燃焼炭素分が少なく、CaSO(石
膏)やF・CaO(フリーライム)が多く角張った、比
表面積の非常に大きな粒子状物が多い。加圧流動床燃焼
方式による複合発電設備は、今後、石炭火力発電所の新
設・改造で増加すると予想されている。
【0006】石炭灰の発生量は年間約499万トン(1
998年度実績)であり、有効利用されているのは年間
約355万トン(約71%)であって、残り144万ト
ン(約29%)は埋め立て処分されている。有効利用さ
れているもののうちセメント原料(粘土代替)が約20
8万トン(石炭灰発生量の約42%)と最も多く、フラ
イアッシュセメント混和材が20万トン(石炭灰発生量
の約4%)で合わせて発生量の46%に相当する。コン
クリート二次製品向け、セメント建材向け、生コンクリ
ート添加用を加えると約254万トンと、発生量の51
%になる。
【0007】他方、川砂の採取は禁止されており、海砂
についても禁止されているか或いは禁止を検討している
自治体が多い。而して砂は、中国や韓国、朝鮮人民共和
国等からの輸入に頼っている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、多量に発生
している産業廃棄物であって主として埋め立て処分され
ている建設汚泥を、水硬性路盤材や埋め戻し材として活
用すべく、その水分調整要素さらには固化剤として、今
後、石炭火力発電所等からの排出量が増大する加圧流動
床燃焼方式による石炭灰を活用して前記水硬性路盤材や
埋め戻し材、サンドパイル用砂の混合材等に利用でき
る、加圧流動床燃焼方式による石炭灰を用いた固化体及
びその利用方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の請求項1に記載の発明は、建設汚泥に加圧流動床石炭
灰を加えて混練後固化処理するか又は、建設汚泥に加圧
流動床石炭灰を加えて撒水を伴う造粒または圧縮成型を
行う固化処理を施してなる加圧流動床石炭灰を用いた固
化体である。
【0010】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の固化体をそのまま又は、水硬性を有しない廃コンクリ
ート骨材、天然骨材、製鋼スラグと混合して、水硬性路
盤材、埋め戻し材等として利用することを特徴とする加
圧流動床石炭灰を用いた固化体の利用方法である。
【0011】請求項3に記載の発明は、建設汚泥に、加
圧流動床石炭灰およびセメント、古紙解砕物、高分子吸
水材、石灰、石膏の1種または2種以上を加えて混練後
固化処理するか又は、撒水を伴う造粒または圧縮成型を
行う固化処理を施してなる加圧流動床石炭灰を用いた固
化体である。
【0012】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
の固化体をそのまま又は、水硬性を有しない廃コンクリ
ート骨材、天然骨材、製鋼スラグと混合して、水硬性路
盤材、埋め戻し材等として利用することを特徴とする加
圧流動床石炭灰を用いた固化体の利用方法である。
【0013】請求項5に記載の発明は、乾量換算で、建
設汚泥に対し内分(重量)で、加圧流動床石炭灰:15
%〜25%、セメント:0%〜20%、古紙解砕物:0
%〜1%、高分子吸水材:0%〜2%、石灰:0%〜
0.3%、石膏の1種または2種以上を加えて混練後固
化処理するか又は、撒水を伴う造粒または圧縮成型を行
う固化処理を施してなる加圧流動床石炭灰を用いた固化
体である。
【0014】請求項6に記載の発明は、請求項5に記載
の固化体をそのまま又は、水硬性を有しない廃コンクリ
ート骨材、天然骨材、製鋼スラグと混合して、水硬性路
盤材、埋め戻し材等として利用することを特徴とする加
圧流動床石炭灰を用いた固化体の利用方法である。
【0015】請求項7に記載の発明は、請求項1、請求
項3、および請求項5に記載の加圧流動床石炭灰を用い
た固化体に、水硬性を有しない廃コンクリート骨材、天
然骨材、製鋼スラグを配合し、該配合物を水硬性路盤材
とするときは加圧流動床石炭灰を用いた固化体の配合割
合を40%以下とし、埋め戻し材とするときは最大全量
とすることを特徴とする加圧流動床石炭灰を用いた固化
体の利用方法である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明をその好ましい実施
形態に則して説明する。
【0017】本発明の、加圧流動床燃焼方式による石炭
灰を用いた建設汚泥の固化体は、建設汚泥と加圧流動床
石炭灰を混合し、必要に応じてこれに水を加えて混練し
た後、型枠に装入して固化処理して得るかまたは、ペレ
タイザーを用いて撒水しながら造粒してペレットとしこ
れを固化させるか或いは混練物を製団機によってブリケ
ットにするか圧縮成形機を用いて板状成型物として固化
させて製造する。
【0018】請求項5に記載の加圧流動床燃焼方式によ
る石炭灰を用いた建設汚泥の固化体は、建設汚泥(乾量
換算)に対し内分(重量)で、加圧流動床燃焼方式によ
る石炭灰を15%〜25%含有している。加圧流動床燃
焼方式による石炭灰が15%未満では、混練物が水分過
多となり成型が困難となる。一方、25%を超える加圧
流動床燃焼方式による石炭灰を加えると混練物がばさつ
き造粒や成型が困難となるのみならず固化体の機械的強
度も低下する。
【0019】セメントは混練物の硬化能を増強せしめる
べく20%以内の範囲で配合される。混練物の硬化能の
点からセメントの配合量は20%で十分であり、それを
超える配合量は、コスト上昇要因となるのみである。
【0020】古紙解砕物や高分子吸水材は、建設汚泥の
水分を吸収し建設汚泥と加圧流動床燃焼方式による石炭
灰の混練を行い易くすべく添加される。古紙解砕物は1
%以内の範囲で添加される。古紙解砕物は比重が低く1
%を超えて添加すると、古紙解砕物の嵩比率が大きくな
り過ぎるとともに固化体の機械的強度を低下させる。高
分子吸水材は紙おむつ等に用いられているが、高分子吸
水材も比重が低く1%を超えて添加すると、高分子吸水
材の嵩比率が大きくなり過ぎるとともに固化体の機械的
強度を低下させまた、高分子吸水材は高価でありコスト
上昇要因となる。
【0021】石膏は、建設汚泥と加圧流動床燃焼方式に
よる石炭灰の混練物の硬化能を増強すべく0.3%以内
の範囲で添加される。加圧流動床燃焼方式による石炭灰
は本来、石膏(CaSO)を多く含んでおり、石膏配
合量調整用として0.3%で十分でありまた、石膏それ
自体高価であってコスト面からも0.3%を超える添加
は好ましくない。
【0022】請求項7に記載の、加圧流動床燃焼方式に
よる石炭灰を用いた建設汚泥の固化体の利用方法にあっ
ては、固化体を水硬性路盤材として用いるときは、固化
体の配合割合を40%以下としている。40%を超えて
多量に配合すると、他の骨材の配合量が小となり水硬性
路盤材の一軸圧縮強度を低下させる。
【0023】
【実施例】建設汚泥、加圧流動床燃焼方式による石炭灰
等の原料として、F市内においてシールド工法で建設工
事を施工しているO社から建設汚泥脱水ケーキを約10
0kg、加圧流動床燃焼方式による石炭灰を約50k
g、K電力(株)O発電所から微粉炭燃焼方式の石炭灰
を約50kg、I社から流動床燃焼方式の石炭灰を約5
0kg入手し、これら各原料(試料)を縮分(抜き取り
採試)し、105℃〜110℃に保持した恒温乾燥機中
で約30時間の乾燥を施した後、付着水分を測定して試
料とした。また、古紙解砕物((株)ジャパンクリエイ
ティブ製商品名「あんしん君」)、高分子吸水材(三菱
化学(株)製商品名「ソイルハート」)、市販の普通セ
メント、高炉セメント、高炉水滓粉末、試薬一級の生石
灰、および石膏(CaSO)を準備した。
【0024】上記試料の化学分析値および主含有鉱物を
表1に示す。化学分析は、JIS 5202に則って行
った。また、含有鉱物の分析は、粉末X線回折装置(理
学電機製)によって行った。さらに、加圧流動床燃焼方
式による石炭灰の粉末X線回折チャートおよび測定条件
を、図1に示す。また、建設汚泥、各石炭灰の金属イオ
ン溶出試験結果を表2に示す。溶出試験は、環境庁告示
方法(13号ロ)によった。さらに、原子吸光分析(日
本ジャーレルアッシュ社製、フレーム原子吸光AA−8
80Mark2)およびIPC発光分析装置(IPC1
000)でAsを、ジフェニールカルバジド吸光光度法
によってCr を測定した。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】上記各原料を表3−1、表3−2に示す組
み合わせおよび配合割合で秤量、混合し、この混合物に
水を添加(34重量%〜35重量%)してJISに規定
される練り鉢を用いて匙で混練した後、プラスチック製
型枠(2.9cmφ×6.5cm長さ)に3層に分け
て、バイブレータの適用下に充填し、表面を鏝でなでて
平坦にし、約24時間自然養生した後脱型し、水道水を
入れた容器中に保存し、材齢日に重量を測定して一軸圧
縮強さ測定用供試体とした。圧縮強さの測定は、圧縮強
さ測定機(島津製作所製、AG500E−AutoGr
aph)によって行った。一方、表3−1、表3−2に
示す組み合わせおよび配合割合の原料混合物に水を加え
てJISモルタルミキサーで混練した後、JIS型枠
(10cmφ×20cm長さ)にバイブレータの適用下
に充填して固化させた後、脱型して供試体を得た。この
供試体を粗砕して路盤材型枠に3層に分けて、ランマー
を25回落下させて詰め、路盤材試験を行った。
【0028】
【表3−1】
【0029】
【表3−2】
【0030】他方、表3−1、表3−2に示す組み合わ
せおよび配合割合の原料混合物に、該混合物の約10%
に相当する水を加えてJISモルタルミキサーで予備混
練した後、試験用パンペレタイザー(直径:50cm、
深さ:10cm、回転速度:20rpm)を用いて撒水
しながら、約5mmφのペレットを主体として造粒を行
った。また、上記混合物を、試験用製団機(長:20m
m×幅:20mm×厚さ:12mm、荷重:4125k
g、2方向側圧:4300kgf/cm)および試験
用圧縮成形機(縦:10cm×横:10cm×厚さ:
0.7cm、圧力:100kgf/cm)で成型し
て、ブリケットおよび板状成型品を得た。これら成型品
を、雨や水がかからないようビニールシートで覆い、約
24時間養生した後屋外に出して自然養生し約30日後
に20mm篩で分級し、オーバーサイズをジョークラッ
シャーで約10mm以下に粗砕して前記分級品と混合し
路盤材試験試料とした。試料をJIS型枠(10cmφ
×12。7cm長さ)に3層に分けて、ランマーを25
回落下させて充填し、スリーブで脱型して12時間湿空
養生後、材齢日まで水中養生し、JISコンクリート圧
縮試験機で圧縮強さを試験した(n=3)。さらに、J
IS A1104に則った比重、吸水率の測定および、
環境庁告示方法(13号ロ)に従った金属イオン溶出試
験を行った。
【0031】ペレタイザーによって得られたペレットの
吸水率、表乾比重および圧裂強度ならびに練り鉢を用い
て原料配合物に水を加えて匙で混練しプラスチック製型
枠に充填、固化させて得た成型物、製団機で製造したブ
リケット、および圧縮成形機によって得た板状成型物な
ど成型物を混合したものの吸水率、表乾比重、圧縮強
さ、および路盤材試験における一軸圧縮強さを、表4に
示す。
【0032】
【表4】
【0033】また、成型物(一軸圧縮強さ測定後の)、
環境庁告示方法(13号ロ)による金属イオン溶出試験
結果を、表5に示す。
【0034】
【表5】
【0035】建設工事において、シールド工法による施
工に際しては、ベントナイト(モンモリロナイト系)を
用いるので、シールド工法によって得られる建設汚泥
は、通常の岩石やこれらの風化物に比し、NaO、K
Oの含有量が若干多い。一方、加圧流動床燃焼方式に
よる石炭灰は、他の燃焼方式による石炭灰に比し、Ca
SOを25重量%〜29重量%と多く含有している。
しかし、未燃焼炭素(C)が少なく微粉炭燃焼方式によ
る石炭灰と同等であるが、加圧流動床燃焼方式にあって
は、燃焼過程で脱硫を進行せしめるべく石灰石を使用し
ているので、流動床燃焼方式による石炭灰並みにCaO
を多く含有している。表3−1および表4における配合
No.1から明らかなように、建設汚泥を単味で成型物
やペレットにしても殆ど固化強度を発現しない。しか
し、建設汚泥にセメントを配合して成型物やペレットを
得る固化処理を施すと、固化強度を発現する。表3−1
および表4における配合No.2とNo.3ならびにN
o.4とNo.5の比較から明らかなように、セメント
の配合量が増すほどまた、高炉セメントよりも普通セメ
ントの場合の方が固化体の圧縮強度が高い。
【0036】建設汚泥に配合する石炭灰としての、微粉
炭燃焼方式による石炭灰、流動床燃焼方式による石炭
灰、および加圧流動床燃焼方式による石炭灰の比較にお
いては、表3−1および表4における配合No.6、N
o.7、およびNo.8から明らかなように、固化体の
圧縮強度は、微粉炭燃焼方式による石炭灰、流動床燃焼
方式による石炭灰、および加圧流動床燃焼方式による石
炭灰の順に高くなっている。
【0037】原料配合物に、生石灰、石膏を少量(各々
約2%)配合すると、表3−1および表4における配合
No.6とNo.9ならびにNo.7とNo.10の比
較から明らかなように、微粉炭燃焼方式による石炭灰、
流動床燃焼方式による石炭灰ともかなり圧縮強度が高く
なっている。しかし、表3−1および表4における配合
No.8とNo.11から明らかなように、加圧流動床
燃焼方式による石炭灰の場合は、圧縮強度は僅かしか高
くなっていない。これは、加圧流動床燃焼方式による石
炭灰は、本来、石膏、石灰を多く含有しており、その上
の添加による効果が殆どないためである。
【0038】表3−1および表4における配合No.1
8、No.19、およびNo.20から明らかなよう
に、混合物に、セメントと高炉水滓粉末を併せて配合す
ると、固化体の圧縮強度が非常に高くなる。わけても、
加圧流動床燃焼方式による石炭灰の場合の圧縮強度が高
い。
【0039】表3−1および表4における配合No.2
4、No.25、およびNo.26から明らかなよう
に、建設汚泥の水分調整用に古紙解砕物((株)ジャパ
ンクリエイティブ製「あんしん君」)を用いると、固化
体の強度が若干高くなっている。加圧流動床燃焼方式に
よる石炭灰の場合に最も高くなっている。同様に、建設
汚泥の水分調整用として高分子吸水材(三菱化学(株)
製「ソイルハート」)を添加したものは、表3−1およ
び表4における配合No.33、No.34、およびN
o.35から明らかなように、古紙解砕物を添加した場
合よりも圧縮強度が高くなっており、加圧流動床燃焼方
式による石炭灰の場合に最も高くなっている。しかしな
がら、古紙解砕物や高分子吸水材は高価であり、この点
を考慮する必要がある。
【0040】このようにして得られた固化物の金属イオ
ン溶出試験を行ったが、表5から明らかなように、重金
属イオンの溶出は認められなかった。原料配合物に石灰
を含んでいることおよびセメントを配合するので溶出溶
液のpHは約12〜12.4と高いけれども、環境上問
題はない。
【0041】JISに規定される天然骨材、廃コンクリ
ート骨材、転炉スラグ骨材(蒸気エージング処理したも
の)に、建設汚泥、加圧流動床燃焼方式による石炭灰等
から得られた成型物を混合し、JISコンクリート型枠
(10cmφ×20cm長さ)に充填して約1カ月間自
然養生した後、ジョークラッシャーで粗砕し篩によって
分級してこれらを混合し路盤材試験を行った。使用骨材
等の粒度分布を表6に、これらの配合割合、一軸圧縮強
度、水浸膨張率の測定結果を、表7に示す。また、一軸
圧縮強度測定後の供試体を環境庁告示方法(13号ロ)
に従って溶出試験を行った結果を、表8に示す。
【0042】
【表6】
【0043】
【表7】
【0044】
【表8】
【0045】転炉スラグはF・CaO(フリーライ
ム)、F・MgO(フリーマグネシア)等を含有してお
り、そのまま路盤材として用いると膨張・崩壊するため
早期に安定化させる必要がある。転炉スラグの安定化手
段として、蒸気エージングを施したり、珪酸塩質の岩
石、硼珪酸塩含有物、石炭灰、アルミドロス等を投入し
て安定鉱物を生成させる手段がある。しかしながら、こ
の安定化によって、水硬性粒度調整スラグ(HMS:hy
draulically&mechanically stabilized slag)の規格に
合格しなくなる。勿論、表7における配合No.a、
b、cに見られるように、廃コンクリートからの骨材や
天然骨材も水硬性は殆どない。
【0046】しかし、建設汚泥、加圧流動床燃焼方式に
よる石炭灰、普通セメント、高炉セメント、高炉水滓粉
末等を配合し、混練、固化させた固化体を粗砕後、上記
転炉スラグ、廃コンクリートからの骨材や天然骨材等に
30%配合し路盤材試験を行った処、表7における配合
No.d以下に見られるように水硬性を発現し、一軸圧
縮強度:約23kgf/cm〜28kgf/cm
示した。
【0047】表8から明らかなように、上記配合物から
の重金属イオンの溶出は全く認められなかった。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、産業廃棄物のうち発生
量が比較的多くかつ埋め立て処分されており、埋め立て
処分地の確保が逼迫している建設汚泥と、今後、その発
生量が増大すると考えられる石炭火力発電所からの石炭
灰わけても加圧流動床燃焼方式による石炭灰を、水硬性
路盤材や埋め戻し材として活用することができる。
【0049】請求項2、請求項7に記載の発明によれ
ば、廃コンクリートや転炉スラグを利用して一軸圧縮強
度の高い路盤材を得ることができる。
【0050】請求項3乃至請求項6に記載の発明によれ
ば、建設汚泥の水分の多寡に拘わらず水分調整を行いつ
つ、圧縮強度の高い水硬性路盤材や埋め戻し材を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】加圧流動床燃焼方式による石炭灰粉末のX線回
折チャートを示すグラフ
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09K 17/34 C09K 17/34 P E01C 3/00 E01C 3/00 //(C04B 28/02 C04B 18:30 18:30 18:10 A 18:10 24:24 Z 24:24 18:24 Z 18:24 22:06 Z 22:06 22:14 B 22:14) C09K 103:00 C09K 103:00 Fターム(参考) 2D051 AD08 AF01 AF02 AF03 AF04 AF05 AF14 AF15 AG09 CA10 4D004 AA02 AA12 AA32 AA33 AA36 AA43 AB01 AC05 BA02 CA03 CA14 CA15 CA45 CB21 CC11 CC13 CC17 DA03 DA10 4D059 AA09 BG00 BJ00 CC04 DA05 DA06 DA56 DA64 DA66 DA70 DB40 EB11 4G012 PA02 PA23 PA26 PA27 PA29 PA30 PA33 PB03 PB11 PC04 4H026 CA01 CA06 CB03 CB07 CB08 CC05

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建設汚泥に加圧流動床石炭灰を加えて混
    練後固化処理するか又は、建設汚泥に加圧流動床石炭灰
    を加えて撒水を伴う造粒または圧縮成型を行う固化処理
    を施してなる加圧流動床石炭灰を用いた固化体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の固化体をそのまま又
    は、水硬性を有しない廃コンクリート骨材、天然骨材、
    製鋼スラグと混合して、水硬性路盤材、埋め戻し材等と
    して利用することを特徴とする加圧流動床石炭灰を用い
    た固化体の利用方法。
  3. 【請求項3】 建設汚泥に、加圧流動床石炭灰およびセ
    メント、古紙解砕物、高分子吸水材、石灰、石膏の1種
    または2種以上を加えて混練後固化処理するか又は、撒
    水を伴う造粒または圧縮成型を行う固化処理を施してな
    る加圧流動床石炭灰を用いた固化体。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の固化体をそのまま又
    は、水硬性を有しない廃コンクリート骨材、天然骨材、
    製鋼スラグと混合して、水硬性路盤材、埋め戻し材等と
    して利用することを特徴とする加圧流動床石炭灰を用い
    た固化体の利用方法。
  5. 【請求項5】 乾量換算で、建設汚泥に対し内分(重
    量)で、加圧流動床石炭灰:15%〜25%、セメン
    ト:0%〜20%、古紙解砕物:0%〜1%、高分子吸
    水材:0%〜2%、石灰:0%〜0.3%、石膏の1種
    または2種以上を加えて混練後固化処理するか又は、撒
    水を伴う造粒または圧縮成型を行う固化処理を施してな
    る加圧流動床石炭灰を用いた固化体。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の固化体をそのまま又
    は、水硬性を有しない廃コンクリート骨材、天然骨材、
    製鋼スラグと混合して、水硬性路盤材、埋め戻し材等と
    して利用することを特徴とする加圧流動床石炭灰を用い
    た固化体の利用方法。
  7. 【請求項7】 請求項1、請求項3、および請求項5に
    記載の加圧流動床石炭灰を用いた固化体に、水硬性を有
    しない廃コンクリート骨材、天然骨材、製鋼スラグを配
    合し、該配合物を水硬性路盤材とするときは加圧流動床
    石炭灰を用いた固化体の配合割合を40%以下とし、埋
    め戻し材とするときは最大全量とすることを特徴とする
    加圧流動床石炭灰を用いた固化体の利用方法。
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