JPH11115640A - 自動車用ルーフキャリア - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】荷の上げ下ろしや荷物の固定が容易に行え、荷
の上げ下ろしの際及び格納時のスペースをほとんど必要
としない作業性のよい且つ省スペースの自動車用ルーフ
キャリアを提供すること。 【解決手段】先端にラック１を設けた一対の回動腕２の
基端を、後部にノッチを有する自動車のトランク室Ｔ前
端付近両側に、支点部材３で回動自在に装着するととも
に、ラック１の上下位置を保持するラック保持機構５、
６を設けた自動車用ルーフキャリアで、荷の上げ下ろし
が容易にできるばかりでなく、低い位置で荷物Ｌをラッ
ク１に固定できるので、荷物Ｌの固定が容易にでき、更
にラック１を設けた一対の回動腕２の基端を、後部にノ
ッチを有する自動車のトランク室Ｔ前端付近両側に回動
自在に装着したので、荷の上げ下ろしの際及び格納時の
スペースをほとんど必要としない、省スペースのルーフ
キャリアを提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、自動車、殊に後部
にノッチ（切欠き状の空間）を有する自動車におけるル
ーフキャリアに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】自動車における補助的な荷物置場とし
て、通常ルーフラックや背面キャリヤ等が用いられてい
る。しかし従来のルーフキャリアは、車高の低い乗用車
等でも、ルーフキャリアに搭載した荷物を固定する際反
対側までは手が届きにくいので一々廻り込む必要があ
り、作業性が悪い。

【０００３】また、前記背面キャリアでは自動車の後方
視界を妨げるのみならず、雨天時等には後輪の撥ね上げ
た汚泥等によって荷物がよごれ易いという問題点があ
る。また、背面キャリヤによって実質的な車輛全長が増
加し、車輛の取り回しが悪化するおそれがある。

【０００４】そこで、例えば実開昭６０−１６１６４８
号公報又は実開平２−６４４５４号公報に記載されたよ
うなルーフキャリヤが考案されている。前者は、ルーフ
に支持され、後部にローラを備えたベース部材と、一端
がベース部材に垂直方向に回動自在に、且つその他端の
回動軌跡がほぼベース部材のローラ側端部を通るように
取付けた揺動レバーと、一端側が揺動レバーの他端に、
また他端側がローラを介して各ベース部材に係合したキ
ャリア部材とからなり、キャリア部材の水平状態から垂
直状態間を移動可能としたものである。

【０００５】また、後者は、ルーフ上に配設され、前部
にローラ部材を有するキャリア本体と、ルーフの後部か
ら車体後面にわたって設けられ、ローラ部材が摺動可能
に嵌合される略Ｌ字状のスライドレールと、一端がルー
フキャリア本体の後端部に取り付けられ、他端が車体後
面側に回動自在に軸支されたレバー部材を備えていて、
ルーフキャリア本体は、使用操作時ルーフ上を後方に移
動して車体後面に沿って降下するよう構成されたもので
ある。

【０００６】前記両者によれば、荷物の固定等は比較的
低位置で行え、ローラ及びレバーによって荷物のルーフ
への荷揚げ、同ルーフからの荷降しが小さい力で容易に
行えるとしているが、各レバーの支点がルーフ上にある
ため荷の上げ下ろしの動作が大きく、また比較的上方で
行われるので、実際には大きな省力は期待できない。ま
た荷の上げ下ろしの動作が大きいことは、自動車の後方
に大きなスペースを必要とし、また前記ルーフキャリア
の格納時にも通常の車体から突出し、実質的な車輛全長
が増加し、取り回しが悪い、

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】よって、本発明が解決
しようとする課題は、荷の上げ下ろしや荷物の固定が容
易に行え、荷の上げ下ろしの際及び格納時のスペースを
ほとんど必要としない作業性のよい且つ省スペースの自
動車用ルーフキャリアを提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明自動車用ルーフキャリアでは、先端にラック
を設けた一対の回動腕の基端を、後部にノッチを有する
自動車のトランク室前端付近両側に回動自在に装着する
とともに、前記ラックの上下位置を保持するラック保持
機構を設けた。

【０００９】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図１乃至図
５により詳細に説明すると、１はラックで、例えばアル
ミニウムパイプ等で矩形の枠形に構成され、枠内には、
枠１ａの補強と荷の固定のために、枠１ａと同材質の複
数本の補助バー１ｂが溶接等で固定されている。この補
助バー１ｂはゴムバンドなどに換えてもよい。２は一対
の回動腕で、ラック１と同材料で構成され、その先端側
は、前記ラック１の枠１ａの短い対辺より突出するよう
該枠１ａに溶接等で固着するとともに、その基端はＬ字
形２ａに形成し、端部に二股部２ｂを設けている。

【００１０】先端にラック１を設けた前記回動腕２は、
後部にノッチを有する自動車Ａにおけるトランク室Ｔの
前端付近の両側に支点部材３を固定した上、前記回動腕
２の二股部２ｂを前記支点部材３に嵌装し、二股部２ｂ
と支点部材３との間にピン４を通して回動自在に配設す
る。前記回動腕２は上記状態において、ラック１を自動
車ＡのルーフＲ側に回動したときにラック１が水平状態
で後記する上のラック保持機構５に接し、且つ回動腕２
が自動車Ａの後部Ｋにほぼ並行となり、またラック１を
自動車Ａの後方へ回動したときにラック１がほぼ垂直状
態（正確にはやや前に傾いている状態）で後記する下の
ラック保持機構６に接するように、回動腕２の長さ、ラ
ック１との角度、Ｌ字形基端２ａの長さ、前記支点部材
３の位置等が決められるのである。

【００１１】５、６は各々上及び下のラック保持機構
で、上のラック保持機構５は前記の如く、ラック１を自
動車ＡのルーフＲ側に回動したときにラック１をルーフ
Ｒ上に水平に保持固定するもので、図の例では自動車Ａ
の左右のＤポストＤ上に固定されている。また、下のラ
ック保持機構６は前記の如く、ラック１を自動車Ａの後
方へ回動したときにラック１がほぼ垂直状態となるよう
保持固定するもので、図の例では自動車Ａのトランク室
Ｔの後面両側に固定されている。なお、７は車体、例え
ばＤポストＤと前記回動腕２間に張架したガスばねで、
図２の状態でラック１を前記保持機構６に代わり、ある
いは保持機構６とともにラック１を支持し、またラック
１をルーフＲ側に回動するとき助力するもので、単に引
張ばねでもよい。前記ガスばね７は、ラック１を下の位
置に支持するだけであれば、ワイヤに換えてもよい。

【００１２】前記ラック保持機構５、６のうち、殊に上
のラック保持機構５は、荷が軽いものに限られ、自動車
が路面状態のよいところのみ走行するのであれば、合成
樹脂製で、ラック１の枠１ａがきつく嵌合する窪みをも
つものでもよいが、それ以外では安全サイドに立って、
次のようなロック機構をもつものを備えるのがよい。即
ち、図３以下に示すロック機構付保持機構は、自動車Ａ
側に固定される一対のピン部材８と、ラック１または回
動腕２に取付けられた一対のロック部材９とからなり、
図３の例ではピン部材８を左右のＤポストＤ上のルーフ
Ｒに、例えばクッション（図示せず）を挾んで固定し、
またロック部材９は、ラック１をルーフＲ側に回動した
とき、前記ピン部材８に対応するラック１の左右所定位
置に取付けたものである。

【００１３】また図４の例では、ラック１を支持するた
めの一対のクッション部材１０を左右のＤポストＤ上の
ルーフＲに固定した上、ピン部材８はラック１をルーフ
Ｒ側に回動したとき、回動腕２が対応する自動車Ａの後
部Ｋの左右所定位置に固定し、またロック部材９は前記
ピン部材８に対応する位置で、回動腕２に取付けたもの
である。なお、１１はロック解除ボタン、１２は同ケー
ブルである。

【００１４】図５は前記ロック部材９の一例を示す概略
図であり、ロック部材９は、ほぼ中央に一方側に開いた
ロート状の開口９１を形成した本体９２と、該本体９２
にピン９３で回動自在に支持され、且つ常時は巻きばね
９４により前記開口９１内に先端のピン係合部９５ａが
突出するよう付勢されたフック９５と、同じく本体９２
にピン９６で回動自在に支持され、常時は小引張ばね９
７によって図５で時計方向に付勢され、その先端の引掛
け部９８ａが前記フック９５の突起９５ｂと係合する解
除レバー９８とから構成され、該解除レバー９８のレバ
ー部９８ｂは前記ケーブル１２を介し解除ボタン１１に
連結されている。

【００１５】次に、本発明ルーフキャリアの作動をロッ
ク機構付保持機構をもつ例で説明すると、まづ図１の状
態に或るラック１を降ろすため解除ボタン１１を引く
と、ケーブル１２により前記ロック部材９の解除レバー
９８が小引張ばね９７に抗して図５で反時計方向に回動
し、引掛け部９８ａがフック９５の突起９５ｂからはず
れる。このため、フック９５が巻きばね９４により図５
で時計方向に回動し、先端のピン係合部９５ａがピン部
材８のピン８ａを開放する。ここで、手でラック１また
は回動腕２を支えながら図１の矢印のように支点部材３
を中心に回動させ、ラック１が下の保持機構６に当接す
るまで降ろす。このとき、前記ガスばね７または前記引
張ばねがあればラック１を支える。

【００１６】図２の状態において、荷Ｌをラック１の、
例えば補助バー１ａに適当なゴムバンドＧで固定する。
このとき、自動車Ａの後部からの荷Ｌの突出量は僅かで
あり、荷Ｌをラック１に固定する作業スペースも小さ
い。ラック１に荷Ｌを固定したら、図２の矢印のように
ラック１をルーフＲ側に回動し（このとき前記ガスばね
７または引張ばねがあれば、ラック１の押し上げを助力
する）、最終的には次のようにロック部材９をピン部材
８に係合してロックせしめる。

【００１７】即ち、ロツク部材９は、ロート状の開口９
１がピン部材８のピン８ａを捉えてその進入を許し、ピ
ン８ａはフック９５を巻きばねネ９４に抗して図５で反
時計方向に回動し、やがて所定位置まで進入したところ
で巻きばね９４の付勢力でピン係合部９５ａに係合し、
また前記解除レバー９８の引掛け部９８ａが、小引張ば
ね９７によりフック９５の突起９５ｂに係合してロック
が完了する。ラック１がロックされた状態では、図２の
仮想線のように荷ＬはルーフＲ上に装架され、このとき
図４のように、ラック１がルーフＲ上でクッション部材
１０に支持された上ロックされ、あるいは図３のように
ラック１がロックと同時に支持される。

【００１８】

【発明の効果】本発明に係るルーフキャリアは、先端に
ラックを設けた一対の回動腕の基端を、後部にノッチを
有する自動車のトランク室前端付近両側に回動自在に装
着するとともに、前記ラックの上下位置を保持するラッ
ク保持機構を設けたので、先端にラックを設けた一対の
回動腕の基端を、自動車のトランク室前端付近両側に回
動自在に装着したことにより、荷の上げ下ろしが容易に
できるばかりでなく、低い位置で荷物をラックに固定で
きるので、廻り込まずに荷物の固定が容易に行うことが
でき、更にラックを設けた一対の回動腕の基端を、後部
にノッチを有する自動車のトランク室前端付近両側に回
動自在に装着したことにより、荷の上げ下ろしの際及び
格納時のスペースをほとんど必要としない、省スペース
の自動車用ルーフキャリアを提供する効果もある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明自動車用ルーフキャリアの一実施形態の
全体構成図で、格納状態を示すもの。

【図２】本発明自動車用ルーフキャリアの一実施形態の
全体構成図で、荷をラックに載せてからルーフ側に移動
するまでを示すもの。

【図３】本発明自動車用ルーフキャリアの他の実施形態
を示す要部構成図。

【図４】本発明自動車用ルーフキャリアの更に他の実施
形態を示す要部構成図。

【図５】本発明自動車用ルーフキャリアに使用するロッ
ク機構の概略図。

【符号の説明】

１ ラック ２ 回動腕 ３ 支点部材 ２、７
ａ、９３、９６ ピン ５、６ ラックの保持機構 ７ ガスばね ８ ピ
ン部材 ９ ロック部材 １０ クッション部材 １１ ロ
ック解除ボタン １２ ケーブル ９１ ロート状の開口 ９２ 本
体 ９４ 巻きばね ９５ フック ９７ 小引張りばね ９８ 解除レ
バー Ａ 自動車 Ｄ Ｄポスト Ｋ 後部 Ｒ ルーフ Ｔ トラ
ンク室。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】先端にラックを設けた一対の回動腕の基端
   を、後部にノッチを有する自動車のトランク室前端付近
   両側に回動自在に装着するとともに、前記ラックの上下
   位置を保持するラック保持機構を設けたことを特徴とす
   る自動車用ルーフキャリア。
2. 【請求項２】前記ラック保持機構のうち、ラックの下位
   置を保持する機構が、前記自動車の車体と前記ラック又
   は回動腕の間にばねまたはワイヤを張設したものである
   ことを特徴とする請求項１記載の自動車用ルーフキャリ
   ア。
3. 【請求項３】前記ラック保持機構のうち、ラックの上位
   置を保持する機構が、ロック機構を有するものであるこ
   とを特徴とする請求項１または請求項２記載の自動車用
   ルーフキャリア。