JPH11115322A - 熱転写受容シート - Google Patents

熱転写受容シート

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JPH11115322A
JPH11115322A JP9281562A JP28156297A JPH11115322A JP H11115322 A JPH11115322 A JP H11115322A JP 9281562 A JP9281562 A JP 9281562A JP 28156297 A JP28156297 A JP 28156297A JP H11115322 A JPH11115322 A JP H11115322A
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Japan
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layer
resin
film
receiving sheet
thermal transfer
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JP9281562A
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Inventor
Koji Narita
光司 成田
Yoshio Mizuhara
由郎 水原
Yoshihiro Shimizu
良浩 清水
Shigeo Hayashi
滋雄 林
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New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】染料熱転写プリンターで画像を記録しても、カ
ールの発生が殆どなく、画質が良好で、かつコスト的に
も有利な熱転写受容シートを提供する。 【解決手段】セルロース芯材層2と、前記セルロース芯
材層の一方の面に形成されたフィルム層3と、前記フィ
ルム層上に形成されかつ染料染着性樹脂を主成分とする
受容層4とを有する熱転写受容シート1において、前記
セルロース芯材層と前記フィルム層が、酢酸ビニル含有
量が3%〜15%のエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂を
主成分とする樹脂層5を介して積層されていることを特
徴とする熱転写受容シートである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱転写受容シートに
関するものである。更に詳しく述べるならば、本発明
は、サーマルプリンター、特に染料熱転写プリンターに
適し、カールの発生が殆どなく、画質が良好で、かつコ
スト的にも有利な熱転写受容シート(以下、単に受容シ
ートと記す)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、サーマルプリンター、特に鮮明な
フルカラー画像がプリント可能な染料熱転写プリンター
が注目されてきた。染料熱転写プリンターは、染料イン
クシートに、受容シートの染料染着性樹脂を含む受容層
を重ね合わせ、サーマルヘッドなどから供給される熱に
より、染料層の所要箇所の染料を所定濃度だけ受容層上
に転写して画像を形成するものである。インクシート
は、イエロー、マゼンタおよびシアンの3色、あるいは
これにブラックを加えた4色の染料からなる。フルカラ
ー画像は、インクシートの各色の染料を受容シートに順
に繰り返し転写することによって得られる。
【0003】このようなサーマルヘッド付プリンターに
おいて、良好なプリント印画を得るために、一軸ないし
二軸延伸フィルムや多層構造フィルム(例えば合成紙)
などのシート上に、染料染着性樹脂を主成分として含む
画像受容層を形成した受容シートが用いられることが多
い。上記のようなシートは、厚さが均一で、柔軟性があ
り、しかもセルロース繊維からなる紙に比べて熱伝導度
が低いなどの利点があり、このため、均一で濃度の高い
転写画像が得られるという長所がある。
【0004】しかし、こよのうな延伸処理をしたフィル
ムや合成紙をシート状基材として用いた受容シートに熱
転写記録を施すと、熱によりフィルムの延伸応力が開放
されて、熱収縮し、その結果受容シートのカール(プリ
ントカール)が大きくなりプリンター中の走行が困難と
なり、また得られるプリントの商品価値を著しく低下さ
せる等の欠点があった。
【0005】このようなシート状基材に由来する問題点
を改善するために、紙基材やPETフィルムなどのよう
に熱収縮性の小さな芯材の両面に、上記の一軸ないし二
軸延伸フィルムを積層貼着して、基材表裏のフィルムの
テンションバランスをとることで、基材のカールをコン
トロールする方法が試みられている。しかし、PETフ
ィルムを芯材として用いた場合、高画質な受容シートが
得られるが高価なものとなってしまう、一方、紙基材を
芯材として用いた場合、高画質の受容シートが得られて
いないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、各種のサー
マルプリンターに対して、優れた印画適性を有し、プリ
ントカールの発生が殆どなく、しかも低コストの熱転写
受容シートを提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記問題
点を解決するために、主として受容シートの構成につい
て鋭意検討した結果、セルロース芯材層の一方の面に、
フィルム層、染料染着性受容層を順次積層した構成を含
む熱転写受容シートにおいて、エチレン酢酸ビニル共重
合体樹脂を主成分とする樹脂層を介して、セルロース芯
材層とフィルム層を積層することにより、低コストでプ
リントカールが少なく、かつ記録画質の良好な受容シー
トが得られることを見出した。
【0008】本発明の熱転写受容シートは、セルロース
芯材層2と、前記セルロース芯材層の一方の面に形成さ
れたフィルム層3と、前記フィルム層上に形成されかつ
染料染着性樹脂を主成分とする受容層4とを有する熱転
写受容シート1において、前記セルロース芯材層と前記
フィルム層が、酢酸ビニル含有量が3%〜15%のエチ
レン酢酸ビニル共重合体樹脂を主成分とする樹脂層5を
介して積層されていることを特徴とする熱転写受容シー
トである。
【0009】前記フィルム層3が熱可塑性樹脂を主成分
とする延伸フィルムであり、且つ密度が1.0以下であ
る熱転写受容シートである。前記フィルム層3が、熱可
塑性樹脂を主成分とする多層構造の延伸フィルムである
熱転写受容シートである。更に、セルロース芯材層2の
フィルム層3を積層しない面に、ポリオレフィン樹脂を
主成分とする背面樹脂層6を設けた熱転写受容シートで
ある。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明では、受容シートの支持体
として、セルロース芯材層2とフィルム層3の多層構造
基材を使用する。通常、セルロース芯材層とフィルム層
の積層にはドライラミネート法が行われる。その際に用
いられる接着剤としては、ポリエーテル系、ポリエステ
ル系などの高分子樹脂成分に、ポリイソシアネート系、
エポキシ系等の硬化剤を配合したものが挙げられる。し
かしながら、これらの接着剤を用いて、セルロース芯材
層上にフィルム層を積層した支持体を受容シートに仕上
げた場合、セルロースシート表面の繊維形状に基づく凹
凸がフィルム表面上にも転写され、この凹凸により記録
ヘッドの熱の伝達が不均一となるため、画像部分におい
て白抜け等が起こり十分に鮮明な画質が得られなかっ
た。
【0011】本発明においては、セルロース芯材層2と
フィルム層3を積層する際に、いずれかの層に、酢酸ビ
ニル含有量が3%〜15%のエチレン酢酸ビニル共重合
体樹脂を主成分とする樹脂層を押し出しながら、同時に
セルロース芯材層とフィルム層とを積層することにより
支持体が得られる。このような支持体を用いた受容シー
トは記録画質が極めて向上する。その理由としては、使
用する酢酸ビニル含有量が3%〜15%のエチレン酢酸
ビニル共重合体樹脂を主成分とする樹脂は、柔らかいた
めに、ラミネートに用いることにより、セルロースシー
トの凹凸がレベリングされ、フィルム層表面が平滑に保
たれるだけでなく、記録ヘッドとの密着性が向上し、記
録ヘッドの熱の伝導が均一となるため、鮮明な画像とな
ると考えられる。
【0012】積層に用いられるエチレン酢酸ビニル共重
合体樹脂は、酢酸ビニル含有量が3%〜15%である必
要がある。因みに、3%未満だと結晶構造がとりやす
く、弾性力があがり、表層側へのカールが発生しやすく
なり、15%を越えると溶融押し出し時の熱により、エ
チレン酢酸ビニル樹脂が分解し、酢酸臭が発生したり、
押し出し機内に分解物が残留しやすくなるなど好ましく
ない。押し出しラミネート量としては、エチレン酢酸ビ
ニル共重合体樹脂を主成分とする樹脂層の厚みが、3〜
100μm程度、より好ましくは5〜60μmとなるよ
うに調整される。
【0013】なお、本発明の効果を損なわない限り、エ
チレン酢酸ビニル共重合体樹脂以外の熱可塑性樹脂を、
適宜併用することも可能である。例えば、高密度ポリエ
チレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリブテン、ポリペンテン等のポリオレ
フィン系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレンテレフ
タレート等のポリエステル系樹脂、ナイロン系樹脂、ポ
リウレタン系樹脂等が挙げられる。また、例えば白色度
調整のために、無機微粒子、有機微粒子、蛍光増白剤等
が使用され、さらに帯電防止剤、熱安定剤、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、光安定剤等の添加物を配合してもよ
い。
【0014】本発明で使用するセルロース芯材層2とし
ては、木材パルプを主成分とするシート状パルプ基材
が、適度な断熱性、クッション性を有し、かつコスト的
にも有利なこと等から好ましく用いられる。例えば、広
葉樹パルプ、針葉樹パルプ、広葉樹針葉樹混合パルプ等
の各種木材パルプが、また、クラフトパルプ、サルファ
イトパルプ、ソーダパルプ等通常使用されているパルプ
からなる原紙が使用できる。原紙を抄造後、これにカレ
ンダーにて圧力を印加して圧縮するなどして表面平滑性
を改善したものが好ましい。また原紙の坪量は、50〜
250g/m2が好ましい。
【0015】原紙は、通常の紙用各種添加剤、例えば乾
燥紙力増強剤(カチオン化澱粉、カチオン化ポリアクリ
ルアミド等)、サイズ剤(脂肪酸塩、ロジン、マレイン
化ロジン、カチオン化サイズ剤、反応性サイズ剤等)、
填料(クレー、カオリン、チタン等)、湿潤紙力増強剤
(メラミン樹脂、エポキシ化ポリアミド樹脂等)、定着
剤(硫酸アルミニウム、カチオン化デンプン等)、PH
調節剤(苛性ソーダ、炭酸ソーダ等)などの1種以上を
含んでもいてもよい。また原紙は水溶性高分子添加剤、
サイズ剤、無機電解質、吸湿性物質、顔料、染料、PH
調節剤などの1種以上を含む処理液でタブサイズ、又は
サイズプレスされたものであってもよい。原紙には、必
要に応じて顔料を含有した塗工層を有してもよい。具体
的には、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート
紙、片艶紙、含浸紙、板紙等が挙げられる。
【0016】また、セルロース芯材層2の裏面(フィル
ム層及び受容層を積層しない面)、もしくは両面を、耐
水性、熱可塑性樹脂で塗工又はラミネートにより被覆処
理していてもよい。特に、ポリオレフィン樹脂を押し出
しラミネート法により形成した背面樹脂層6を形成する
と、セルロース芯材への吸湿が抑えられ、湿度に対する
カール安定性が向上するため好ましい。ポリオレフィン
樹脂としては、例えばエチレン、α−オレフィン類、例
えばプロピレンなどの単独重合体、及び前記オレフィン
の少なくとも2種の共重合体から選ばれ、これら各種重
合体の2種以上を併用することも可能である。また、例
えば白色度調整のために、無機微粒子、有機微粒子、蛍
光増白剤等が使用され、さらに帯電防止剤、熱安定剤、
酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等の添加物を配合
してもよい。
【0017】本発明において、シート状芯材層上に積層
されるフィルム層3としては、印画された画質の均一性
や階調性の点から、ポリエチレン、ポリプロピレン等の
ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレートなどのポ
リエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリスチレ
ンなどを主成分とするフィルム基材が使用される。好ま
しくは、熱可塑性樹脂を主成分とする延伸フィルムで密
度が1.0以下のもの、とりわけ多層構造延伸フィルム
からなる合成紙が好ましく用いられる。多層構造延伸フ
ィルムは、表面層、中芯層の他に、裏面層等を含むこと
ができる。
【0018】合成紙の一例としては、無機微粉末を15
〜45重量%含有するポリオレフィン二軸延伸フィルム
を中芯層とし、この中芯層の表面に無機微粉末を0〜1
0重量%含有するポリオレフィンの二軸延伸フィルムを
最外表面層として0.3〜1.5μmの厚みで設けた複
層構造の合成樹脂フィルムが挙げられる。さらに、中芯
層の裏面側には、二軸延伸ポリオレフィンフィルム層を
有していてもよい。例えば、中芯層用組成物をシート状
に押出し、このシートの片面又は両表面の表面層組成物
を積層した多層樹脂シートをポリオレフィンの融点より
低い温度で同時に、又は逐次に縦方向及び横方向にそれ
ぞれ4〜12倍延伸することにより中芯層に多数のミク
ロボイドを生成させ、圧縮性が良好で、表面層及び裏面
層が平坦な延伸フィルムとなる。特に、受容層が形成さ
れる側の最外表面層が、実質的に無機微粉末を含まず
(0〜5重量%)、且つ実質的にミクロボイドを有しな
いものが好ましい。
【0019】合成紙全体の厚みは、15〜150μmが
好ましく、表面層、裏面層と中芯層の各層の厚さは、表
面層と裏面層の合計の厚さが多層構造樹脂フィルムの全
厚みの5〜40%で、中芯層の厚さが90〜50%であ
ることが好ましい。表面層と裏面層の厚さが厚すぎると
中芯層の圧縮特性を生かすことができず、薄すぎると表
面平滑性が低下し、ヘッドと受容シートとの密着性が不
安定となる傾向がある。
【0020】セルロース芯材層とフィルム層からなる積
層支持体の厚さは、20〜400μmの範囲、とりわけ
100〜300μm程度が好ましい。因みに、支持体の
厚さが20μm未満であると、得られる受容シートの機
械的強度が不十分となるばかりでなく、その硬さや、変
形に対する反発力が不十分となり、印画の際に生じる受
容シートのカールを十分に防止できないという不都合を
生ずることがある。また厚さが400μmを越えると、
得られる受容シートの厚さが過大になることがある。所
定容積のプリンターでは、受容シート収容容積に限度が
あり、受容シートの厚さの増大は、当然プリンター内蔵
受容シート収容枚数の低下を招く。この場合、所定枚数
の受容シートを収容しようとすれば、プリンターの容積
を大きくしなければならず、プリンターのコンパクト化
が困難となる。
【0021】本発明の受容シートにおいては、フィルム
層上にインキリボンの染料を受容するために受容層を有
する。受容層は、染料染着性の高い樹脂からなり、更に
架橋剤、融着防止剤、および紫外線吸収剤等を適宜加え
た層である。染料染着性の高い樹脂としては、セルロー
ス系樹脂、アセテートブチレート系樹脂およびポリエス
テル系樹脂等が用いられる。また、架橋剤としては、イ
ソシアネート化合物およびエポキシ化合物等、紫外線吸
収剤としては、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン
系、フェニルサリシレート系およびシアノアクリレート
系化合物等、融着防止剤としては、アクリルシリコン系
樹脂、さらに滑剤および離型剤等が用いられる。これら
受容層成分は架橋剤を介して架橋反応を起こすものが好
ましい。受容層の塗工量は0.1〜20g/m2 、好ま
しくは2〜10g/m2の範囲が好ましい。受容層は、
セルロース芯材層とフィルム層の積層した積層支持体の
フィルム層上に塗布形成するが、積層前のフィルム層上
に予め塗布形成しておき、後からセルロース芯材層を積
層することも可能である。
【0022】また、セルロース芯材層2の裏面側(フィ
ルム層を積層しない面)、或は、背面樹脂層6の上に
は、走行性向上、静電気の防止、受容シート相互の擦れ
による受容層の損傷防止、さらにはプリントした受容シ
ートを重ね置きしたときの受容層からそれに接触隣接す
る受容シート裏面への染料移行の防止などを目的とする
背面塗工層7が形成されていてもよい。背面塗工層7に
は、接着剤として有効な樹脂が含まれ、且つ、この樹脂
は、受容シートの走行性、受容層面の傷つき防止の為に
も有効なものである。このような樹脂としては、アクリ
ル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール
樹脂、アルキッド樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂
等、並びにこれらの樹脂の反応硬化物を用いることがで
きる。
【0023】好ましくは背面塗工層7に帯電防止処理の
ために各種の導電剤を添加することができる。導電剤と
しては、カチオン系ポリマーを用いることが望ましい。
カチオン系ポリマーとしては、一般的にポリエチレンイ
ミン、カチオン性モノマーを含むアクリル系重合体、カ
チオン変性アクリルアミド系重合体およびカチオン澱粉
等を用いることができる。また、例えば白色度調整のた
めに、無機微粒子、有機微粒子、蛍光増白剤等が使用さ
れ、さらに帯電防止剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線
吸収剤、光安定剤等の添加物を配合してもよい。背面塗
工層7の塗工量は、0.3〜1.5g/m2 程度であ
る。因みに0.3g/m2 未満であると、受容層と裏面
とが擦れ合った時受容層の傷つきを十分に防止できない
ことがあり、また1.5g/m2 を越えると、効果が飽
和し不経済である。
【0024】本発明における受容層をはじめ各塗工層
は、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ゲート
ロールコーターなど公知のコーターを用いて塗工、乾燥
して形成することができる。
【0025】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
に説明するが、勿論本発明はこれによって限定されるも
のではない。尚、実施例中の「部」および「%」は、す
べて「重量部」および「重量%」を示す。
【0026】実施例1 フィルム層として、ポリオレフィンを主成分とし、無機
顔料としての炭酸カルシウムを含む2軸延伸された厚さ
60μmの多層構造フィルム(商標:ユポ60JXY,
王子油化合成紙製:密度0.6)を、セルロース芯材層
として厚さ150μmの上質紙を用意した。多層構造フ
ィルムの片面にエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂(商
標:ミラソン(EVA),三井石油化学製,酢酸ビニル
含有量 10%)を30μmの厚さに押し出しラミネー
トし、上質紙を積層して、積層支持体を得た。積層支持
体のフイルム上に、下記受容層用塗液を、固形分塗工量
が8g/m2となるように塗工、乾燥(120℃,1分
間)して受容層を形成した。さらに、このシートを10
枚重ねて、60℃のオーブン中でイソシアネートの架橋
を進め、受容層積層フィルムを得た。
【0027】次に、厚さ100μmの上質紙の表面側
に、中密度ポリエチレン(商標:ネオゼックス4015
0C,三井石油化学製,密度 0.94)を30μmの
厚さに押し出しラミネートし、さらにラミネート面側に
下記背面被覆用塗液を、固形分塗工量が3g/m2とな
るように塗工、乾燥して背面被覆層を形成して、熱転写
受容シートを得た。
【0028】 「受容層用塗液」 ポリエステル樹脂(商標:バイロン200,東洋紡社製) 100部 シリコーンオイル(商標:KF393,信越シリコン社製) 3部 イソシアネート(商標:タケネートD−140N,武田薬品社製) 5部 トルエン 300部
【0029】 「背面被覆層用塗液」 アクリル酸エステル共重合体 (商標:プライマールWL−81,ロームアンドハース社製) 100部 エポキシ樹脂(商標:エポコートDX−225,シェル化学社製) 5部 導電剤(商標:サフトマーST1000,三菱油化社製) 50部 変性エタノール 1420部
【0030】実施例2 実施例1において、多層構造フィルム(商標:60JX
Y,王子油化合成紙製)に代えて、多層構造フィルム
(商標:トヨパールP−4255,東洋紡社製,密度
0.65)を用いた以外は、実施例1と同様にして熱転
写受容シートを作製した。
【0031】実施例3 ラミネート紙芯材層と受容層積層フィルムの積層におい
て、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂(商標:ミラソン
(EVA),三井石油化学製,酢酸ビニル含有量 10
%)の代わりに、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂(商
標:ミラソン(EVA),三井石油化学製,酢酸ビニル
含有量 6%)を用いた以外は、実施例1と同様にして
熱転写受容シートを作製した。
【0032】実施例4 ラミネート紙芯材層と受容層積層フィルムの積層におい
て、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂(商標:ミラソン
(EVA),三井石油化学製,酢酸ビニル含有量 10
%)を30μm設ける代わりに、50μmにした以外は
実施例1と同様にして熱転写受容シートを作製した。
【0033】比較例1 ラミネート紙芯材層と受容層積層フィルムの積層におい
て、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂(商標:ミラソン
(EVA),三井石油化学製,酢酸ビニル含有量 10
%)の代わりに低密度ポリエチレン(商標:ミラソン1
1P,三井石油化学製)を用いた以外は、実施例1と同
様にして熱転写受容シートを作製した。
【0034】比較例2 ラミネート紙芯材層と受容層積層フィルムの積層におい
て、低密度ポリエチレン(商標:ミラソン11P,三井
石油化学製)の代わりに、ポリウレタン系接着剤(商
標:AD−593,東洋モートン社製)を用いた以外
は、実施例1と同様にして熱転写受容シートを作製し
た。
【0035】評価 上記各実施例および比較例で得られた受容シートについ
て、それぞれ下記の方法により測定を行い得られた結果
を表1に示す。
【0036】〔画像の均一性〕厚さ6μmのポリエステ
ルフィルムの上に昇華性染料をバインダーとともに含む
インク層を設けたイエロー、マゼンタ、シアンの3色そ
れぞれのインクシートを受容シートに接触させ、市販の
熱転写ビデオプリンター(商標:VY−50,日立製作
所製)を用いて、サーマルヘッドで段階的に加熱するこ
とにより所定の画像を受容シートに熱転写させ、各色の
中間調の単色および色重ねの画像をプリントした。この
受容シート上に転写された記録画像について、マクベス
反射濃度計RD−914(商標)を用いて、印加エネル
ギー別に反射濃度を測定し、光学濃度(黒)が1.0に
相当する階調部分の記録画像の均一性について、(1)
濃淡ムラの有無、および(2)白抜けの有無などについ
て目視観察した。上記、評価結果が特に優秀なものを
5、良好なものを4、普通のものを3、少し欠陥のある
ものを2、欠陥の著しいものを1とした。
【0037】〔プリントカール測定法〕上記、プリンタ
ーで印画した後、20℃65%条件下で10分放置後、
4角のカールを測定し、その平均値をプリントカールと
しての指標とした。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】本発明は、各種のサーマルプリンターに
対して、優れた印画適性を有し、プリントカールの発生
が殆どなく、表面の光沢性が良好で、しかも低コストの
熱転写受容シートを提供するもであって、産業界に寄与
するところは大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱転写受容シートの層構成を説明する
ための断面説明図である。
【図2】本発明の熱転写受容シートの層構成を説明する
ための断面説明図である。
【符号の説明】
1:熱転写受容シート 2:セルロース芯材層 3:フィルム層 4:受容層 5:樹脂層 6:背面樹脂層 7:背面塗工層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 滋雄 東京都江東区東雲1丁目10番6号 王子製 紙株式会社東雲研究センター内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セルロース芯材層2と、前記セルロース芯
    材層の一方の面に形成されたフィルム層3と、前記フィ
    ルム層上に形成されかつ染料染着性樹脂を主成分とする
    受容層4とを有する熱転写受容シート1において、前記
    セルロース芯材層と前記フィルム層が、酢酸ビニル含有
    量が3%〜15%のエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂を
    主成分とする樹脂層5を介して積層されていることを特
    徴とする熱転写受容シート。
  2. 【請求項2】フィルム層3が熱可塑性樹脂を主成分とす
    る延伸フィルムであり、且つ密度が1.0以下である請
    求項1記載の熱転写受容シート。
  3. 【請求項3】フィルム層3が、熱可塑性樹脂を主成分と
    する多層構造の延伸フィルムである請求項1または2記
    載の熱転写受容シート。
  4. 【請求項4】セルロース芯材層2のフィルム層3を積層
    しない面に、ポリオレフィン樹脂を主成分とする背面樹
    脂層6を形成する請求項1〜3の何れか一項に記載の熱
    転写受容シート。
JP9281562A 1997-10-15 1997-10-15 熱転写受容シート Pending JPH11115322A (ja)

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JP9281562A JPH11115322A (ja) 1997-10-15 1997-10-15 熱転写受容シート

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