JPH11115124A - 積層ポリプロピレンフィルム - Google Patents

積層ポリプロピレンフィルム

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JPH11115124A
JPH11115124A JP28671397A JP28671397A JPH11115124A JP H11115124 A JPH11115124 A JP H11115124A JP 28671397 A JP28671397 A JP 28671397A JP 28671397 A JP28671397 A JP 28671397A JP H11115124 A JPH11115124 A JP H11115124A
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茂 田中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 帯電防止性と滑り性に優れ、また透明性にも
優れ、各種包装用途に適した積層ポリプロピレンフィル
ムを提供する。 【解決手段】アイソタクチックインデックス(II)が
92%以上のポリプロピレン樹脂層(B層)の両面に、
平均粒径4μm以下の架橋有機粒子を含有した結晶融解
熱量が40〜90J/gのポリプロピレン樹脂層(A
層)が積層されたフィルムであって、表面抵抗値が1
4.0logΩ以下であり、フィルムを重ねて摩擦した
ときの静摩擦係数が0.7以下であることを特徴とする
積層ポリプロピレンフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層ポリプロピレ
ンフィルムに関するものである。更に詳しくは、帯電防
止性、滑り性、透明性に優れた積層ポリプロピレンフィ
ルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリプロピレンフィルムは、
製膜性、透明性、および防湿性に優れていることから、
広く包装用途に用いられてきている。包装用途の多くが
帯電防止性を必要とし、ポリプロピレン樹脂に帯電防止
剤を添加混合して帯電防止性を付与している。
【0003】しかしながら、ポリプロピレン樹脂は結晶
化度が高いために添加した帯電防止剤がフィルム表面に
移行し難く、包装用フィルムとして実用上必要とされる
表面抵抗値14.0logΩ以下とするために、帯電防
止剤を余分に添加し、また製膜工程での蒸散量を計算し
て余分に添加するため、コスト高となっている。さら
に、余分に添加された帯電防止剤によって滑り性が悪化
するために、滑剤や粒子を多量に添加することによっ
て、フィルムの透明性がそこなわれるという問題があっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、帯電防止性
および滑り性に優れた積層ポリプロピレンフィルムを提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に鋭意検討した結果、アイソタクチックインデックス
(II)が92%以上のポリプロピレン樹脂層(B層)
の両面に、平均粒径4μm以下の架橋有機粒子を含有し
た結晶融解熱量が40〜90J/gのポリプロピレン樹
脂層(A層)が積層されたA層/B層/A層の構成フィ
ルムであって、表面抵抗値が14.0logΩ以下であ
り、フィルムを重ねて摩擦したときの静摩擦係数が0.
7以下であることを特徴とする積層ポリプロピレンフィ
ルムによって、上記課題が達成された。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のアイソタクチックインデ
ックス(以下IIと略称する)が92%以上のポリプロ
ピレン樹脂層(B層)とは、IIが92%以上の結晶性
ポリプロピレン樹脂単体、もしくは本発明のフィルムを
製造することにおいて生じた屑を該B層に自己回収する
ために、IIが92%以上の結晶性ポリプロピレン樹脂
と結晶融解熱量が40〜90J/gのポリプロピレン樹
脂の混合樹脂および/または他のポリオレフィン系樹脂
の混合樹脂であってもよい。該B層のIIは、92%以
上である必要があり、好ましくは94%以上である。該
B層のIIが92%未満では、フィルムのヤング率が低
くなり、熱寸法安定性に劣るためにスリット、印刷、ラ
ミネート加工などの二次加工性に劣るので好ましくな
い。
【0007】IIが92%以上のポリプロピレン樹脂層
(B層)のメルトフローインデックス(以下MFIと略
称する)は1〜15g/10分の範囲にあることが望ま
しい。このようなポリプロピレン樹脂を用いることによ
り、フィルムの結晶化度が高くなり、力学特性や熱寸法
安定性が向上して二次加工性が向上する。
【0008】本発明の該B層の表面に積層されるポリプ
ロピレン樹脂層(A層)の結晶融解熱量は40〜90J
/gの範囲であることが必要であり、好ましくは50〜
80J/gの範囲であることが押出や製膜工程での帯電
防止剤や滑剤の蒸散を抑制し、製膜後のコロナ放電処理
によって帯電防止剤の発現性が良好となり、また表層部
の結晶性が抑制されてトータルヘイズも小さくなり透明
性が良好となる。該A層の結晶融解熱量が40J/g未
満では、フィルムを重ね合わせたときの静摩擦係数が大
きくなって滑り性に劣り、また製膜中での金属ロールや
二次加工時の金属ロールとの滑り性が悪くて擦り傷がで
き、透明性が悪化するので好ましくない。また結晶融解
熱量が90J/gを超えると、該B層に添加した帯電防
止剤や滑剤の表層への移行が少なく、コロナ放電処理後
の帯電防止性が悪化するので好ましくない。
【0009】結晶融解熱量は40〜90J/gの範囲の
ポリプロピレン樹脂とは、結晶融解熱量は40〜90J
/gの範囲ポリプロピレン樹脂単体及び/又は結晶融解
熱量の異なる2種類以上のポリプロピレン樹脂との混合
樹脂であってもよい。また、フィルム特性を悪化させな
い程度に他のα−オレフィン樹脂を少量添加あるいは共
重合されたものでもよい。
【0010】該A層のIIは、95%以下であることが
好ましく、さらに好ましくは92%以下である。該A層
のIIが95%を超えると結晶化度が高くなり、透明性
が悪化するので好ましくない。
【0011】また該A層にはあらかじめ帯電防止剤およ
び滑剤は添加しないことが好ましく、該B層に添加した
帯電防止剤および滑剤が押出や製膜工程で該A層に移行
して、帯電防止性と易滑性を発現させるようにし、帯電
防止剤および滑剤の製膜工程中での蒸散を抑制すること
が好ましい。
【0012】該A層の一層あたりの積層厚みは0.2μ
m以上が好ましく、さらに好ましくは0.5μm以上で
ある。また、全積層フィルム厚みの1/3未満であるこ
とが好ましい。さらに好ましくは1μm以上、全積層フ
ィルム厚みの1/5未満である。該A層の一層あたりの
積層厚みが0.2μm未満では、該A層に移行した該B
層の帯電防止剤や滑剤が押出や製膜工程において蒸散し
て、表層の帯電防止剤や滑剤の濃度が低下して表面抵抗
値が高くなるので好ましくない。また、該A層の積層厚
みが全積層フィルム厚みの1/3を超えると、該B層に
添加した帯電防止剤および滑剤の表面へのブリードアウ
ト性が低下して表面抵抗値が高くなるので好ましくな
く、またフィルムのヤング率も低下して二次加工性が悪
化するので好ましくない。
【0013】次に架橋有機粒子とは、高分子化合物を架
橋剤を用いて架橋させた粒子であって、例えば、ポリメ
トキシシラン系化合物の架橋粒子、ポリスチレン系化合
物の架橋粒子、アクリル酸系化合物の架橋粒子、ポリウ
レタン系化合物の架橋粒子、ポリエステル系化合物の架
橋粒子、フッソ系化合物の架橋粒子、もしくはこれらの
混合物を挙げることができる。その中でも特にポリメタ
クリル化合物の架橋粒子(以後架橋PMMA粒子と略称
する)が、ポリプロピレン樹脂との親和性がよくて好ま
しい。また本発明の特性を悪化させない程度に金属化合
物の無機粒子を少量添加混合してもよい。
【0014】架橋有機粒子および無機粒子の平均粒径は
4μm以下の範囲が好ましい。平均粒径が4μmを越え
ると粒子の脱落やフィルム同士を擦った時にフィルム表
面に傷がつきやすくなるので好ましくない。添加量は
0.5重量%以下が選択され、好ましくは0.3重量%
以下である。添加量が0.5重量%を越えると、フィル
ム表面が粗れ過ぎて透明性が悪化するので好ましくな
い。
【0015】また次に該B層および/またはA層に含有
される帯電防止剤は特に限定されないが、例えば、ベタ
イン誘導体のエチレンオキサイド付加物、第4級アミン
系化合物、アルキルジエタノールアミン脂肪酸エステ
ル、グリセリン脂肪酸エステル、ステアリン酸モノグリ
セリド、ステアリン酸ジグリセリドなど、もしくはこれ
らの混合物を挙げることができる。この中でもアルキル
ジエタノールアミン脂肪酸エステルとグリセリン脂肪酸
エステルを併用したものが好ましい。
【0016】滑剤とは、JIS用語で表現されている熱
可塑性樹脂の加熱成形時の流動性、離型性をよくするた
めに添加されるもので、加工機械の金属面とポリマー表
面、またポリマー同士の間の摩擦力を調節するために添
加されるものである。例えばステアリン酸アミド、エル
シン酸アミド、エルカ酸アミド、ステアリルエルカアミ
ド等のアミド系化合物など、もしくはこれらの混合物が
挙げられる。
【0017】本フィルム中の帯電防止剤と滑剤の合計含
有量は0.3〜2.0重量部、好ましくは0.5〜1.
5重量部が帯電防止性と滑り性の点で好ましい。
【0018】また本発明の3層積層フィルムのA層、B
層の全層あるいは一部の層に、必要に応じて上記以外の
少量の造核剤、熱安定剤、酸化防止剤などを添加せしめ
てもよい。例えば造核剤としては、ソルビトール系造核
剤、有機リン酸エステル金属塩系造核剤などが0.5重
量%以下、熱安定剤としては2,6−ジ−第3−ブチル
−4−メチルフェノ−ル(BHT)などが0.5重量%
以下、酸化防止剤としてはテトラキス−(メチレン−
(3,5−ジ−第3−ブチル−4−ハイドロオキシ−ハ
イドロシンナメ−ト))ブタン(Irganox 10
10)などを0.5重量%以下で添加してもよい。
【0019】次に本発明の3層積層フィルムの表面に、
コロナ放電処理を施し、フィルム表面の濡れ張力を35
mN/m以上に上げることは、印刷性、接着性、帯電防
止剤および滑剤のブリードアウト性を向上させるため好
ましく採用することができる。この時のコロナ放電処理
時の雰囲気ガスとしては、酸素、空気、炭酸ガス、ある
いは窒素/炭酸ガスの混合系などが好ましく、特に経済
性の点で空気中でコロナ放電処理をすることが好まし
い。
【0020】本発明のフィルムの表面抵抗値は14.0
logΩ以下であることが必要であり、好ましくは1
3.0logΩ以下である。表面抵抗値が14.0lo
gΩを超えると、埃が付着したり、フィルムを製袋して
重ねたときに、静電気によって袋がずれたり、くっつい
たりして取り扱い性に劣り、また製袋品に内容物を詰め
るときに内容物が袋に付着するという問題がおこりやす
い。
【0021】また本発明のフィルムを重ねて摩擦したと
きの静摩擦係数は0.7以下であることが必要であり、
好ましくは0.5以下である。静摩擦係数が0.7を超
えるとフィルム表面に傷がつき易く、また巻取性や二次
加工時にシワが入るなどして、取り扱い性に劣るので好
ましくない。
【0022】本発明のフィルムの透明性を表すフィルム
1枚のトータルヘイズは、2.0%以下であることが好
ましく、さらに好ましくは1.5%以下である。トータ
ルヘイズが2.0%を超えると製袋品に内容物を詰めた
ときに、内容物の見栄えが悪くなり、商品価値が低下す
るので好ましくない。
【0023】また本発明のフィルムは、無延伸フィル
ム、一軸延伸フィルムおよび二軸延伸フィルムのいずれ
であってもよいが、製袋品の内容物保護の点で二軸延伸
フィルムであることが好ましい。
【0024】次に、本発明のフィルムの製造方法につい
て一例を挙げて説明するが、本発明がこの例に限定され
るものではないことはもちろんである。
【0025】まず、B層樹脂としてアイソタクチックイ
ンデックス(II)が92%以上のポリプロピレン樹脂
と結晶融解熱量が40〜90J/gのポリプロピレン樹
脂の混合樹脂に帯電防止剤と滑剤を添加して押出機に供
給し、260℃の温度で溶融混合させ、A層樹脂とし
て、実質的に帯電防止剤および有機滑剤を添加しない
で、結晶融解熱量が40〜90J/gのポリプロピレン
樹脂に架橋有機粒子および/または無機機粒子を添加し
て別の押出機に供給して260℃の温度で溶融混合さ
せ、それぞれ瀘過フイルターを経た後、スリット状の三
層積層口金でA層/B層/A層に共押出積層してフィル
ム状に成形し、該フィルムを25〜60℃に保った金属
ドラムに巻き付けて冷却固化せしめ無延伸積層フィルム
を得た。次いで、該無延伸積層フィルムを150℃に保
たれたオーブンに通して予熱し、引き続き該積層フィル
ムを130℃以上にに保ち周速差を設けたロール間に通
し、長手方向に4倍以上に延伸してただちに50℃以下
に冷却する。引き続き該延伸フィルムをテンターに導い
て、170℃以上の温度で予熱し、引き続き160℃以
上の温度で幅方向に7倍以上に延伸し、次いで幅方向に
5%以上の弛緩を与えつつ、155℃以上の温度で熱固
定をして二軸延伸積層フィルムを得た。次に該無延伸積
層フィルムおよび二軸延伸積層フィルムを50℃以上に
保たれたロールに通し、10W・分/m2以上で該B層
表面にコロナ放電処理を施して巻き取る。
【0026】また本発明の積層フィルムは、目的に応じ
てエンボス加工、印刷、蒸着、押出ラミネーション加
工、および他の樹脂フィルム、紙、布などと張り合わせ
加工を行って用いることができる。
【0027】
【特性値の測定法】本発明の特性値は次の測定法によ
る。
【0028】(1)アイソタクチックインデックス(I
I) 試料を130℃で2時間真空乾燥する。その後室温に戻
し、これから重量W(mg)の試料をとり、ソックスレ
ー抽出器に入れ沸騰n−ヘプタンで12時間抽出する。
次にこの試料を取り出しアセトンで十分洗浄した後、1
30℃で6時間乾燥しその後室温で重量W’(mg)を
測定し次式で求める。
【0029】II=(W’/W)×100(%)
【0030】(2)メルトフローインデックス(MF
I) JIS K−6758のポリプロピレン試験方法(23
0℃、2.16kgf)で測定した値を示した。
【0031】(3)結晶融解熱量 各試料についてSeiko Instrment社製熱
分析装置S11型を用いて、サンプル重量5mgを室温
(23℃)より、20℃/分の昇温速度で昇温していっ
た際に、結晶の融解に伴う融解吸熱ピークの開始点から
終了点までを結晶融解熱量として求めた。
【0032】(4)積層厚みおよび添加粒子の粒径 電解放射型走査出電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて
フィルム断面構成観察を行い、各積層厚みと添加粒子の
平均粒径を測定した。粒子の平均粒径としては、FE−
SEMでの観察画面中の粒子100個の長径を測定し、
その平均値を平均粒径とした。
【0033】(5)フィルム表面の濡れ張力 JIS K−6768の方法で測定した。
【0034】(6)積層フィルム中の帯電防止剤および
滑剤の含有状態 二次イオン質量分析装置(独、ATOMIKA社製 A
−DIDA3000)を用いて、帯電防止剤および有機
滑剤中に含まれる元素の積層フィルムの厚み方向の分析
を行った。
【0035】(7)表面抵抗値 KAWAGUCHI ELECTRIC WORKS社
製GIGAOHMMETR−VE40とRESISTI
VITY CHAMBRE−P601を用いて、温度2
3℃、湿度63%の雰囲気中で測定して求めた。
【0036】(8)静摩擦係数 ASTM−D1894−63に準じて、フィルムの両面
を重ねて摩擦させた時の静摩擦係数(μs)を測定し
た。
【0037】(9)フィルムのトータルヘイズ ASTM−D1003に準じて、フィルム1枚のトータ
ルヘイズを測定した。
【0038】(10)フィルムのヤング率 ロール状に巻かれたフィルムを10mm幅の短冊状に切
断して、測定長を50mmとしてテンシロン(東洋測器
製)に装着し、引張速度20mm/min、チャート速
度500m/minで立ち上がり曲線をチャート紙に記
録させる。チャート紙の基点から立ち上がり曲線に接線
を引いた後、基点より25mmの点で垂線を引き、接線
と垂線の交点を強力として読み取る。そして、ヤング率
(GPa)を次式により算出する。
【0039】ヤング率(GPa)=[強力(kg)×試
長(mm)×チャート速度(mm/min)]÷[引張
速度(mm/min)×25mm×フィルム厚み(m
m)×フィルム幅(mm)]×9.807×10-3
【0040】(11)二次加工性 二軸延伸ポリプロピレンフィルムに、25μmの無延伸
ポリプロピレンフィルムを接着剤で積層し、長さ100
0mのフィルムを製袋機にかけたとき、フィルムにシワ
が入らず、製袋品の形状がよくて、表面に擦り傷のない
ものを○とし、フィルムのヤング率が低いためにシワが
入ったり、表面に擦り傷が入って透明性が悪化したもの
を×として評価した。
【0041】実施例1 本発明のA層の樹脂として、結晶融解熱量が48J/g
のポリプロピレン樹脂(II=87%、MFI=2.7
g/10分)に、架橋有機粒子として粒径2μmのポリ
メタクリル酸系重合体の架橋粒子(架橋PMMA)を
0.12重量%添加し、一軸押出機に供給して260℃
で溶融させた。次にB層の樹脂組成として、該A層樹脂
とアイソタクチックインデックス(II)が96.5%
のポリプロピレン樹脂(MFI=2.3g/10分)の
混合樹脂に、帯電防止剤としてアルキルジエタノールア
ミン脂肪酸エステルとグリセリン脂肪酸エステルの混合
物を0.8重量%添加し、もう1台別の一軸押出機に供
給して250℃で溶融させた後に、それぞれ瀘過フイル
ターを経た後に三層成形口金にてA層/B層/A層とな
るように口金内で合流させてシート状に押出して、20
℃の温度に加熱した金属ドラムに巻き付けて冷却し、厚
さ1000μmのシートを得た。
【0042】次いで、該シートを150℃に保たれたオ
ーブンに通して予熱し、引き続き該シートを133℃に
保ち周速差を設けたロール間に通し、長手方向に5.0
倍に延伸してただちに室温に冷却する。引き続き該延伸
フィルムをテンターに導いて、170℃の温度で予熱
し、引き続き162℃で幅方向に10倍に延伸し、次い
で幅方向に8%の弛緩を与えつつ、162℃の温度で熱
固定をした後、該フィルムを80℃以上に保たれたロー
ルに通し、空気中で12W・分/m2でフィルム両面に
コロナ放電処理を施して巻き取った。この時のA層/B
層/A層の厚み構成比は1/18/1μmであった。
【0043】このときのフィルムを40℃で1日エージ
ングした後に品質を評価して表1に示した。得られたフ
ィルムは表面抵抗値が低くて帯電防止性に優れ、また滑
り性および透明性にも優れ、さらに二次加工性にも優れ
た積層ポリプロピレンフィルムであった。
【0044】実施例2 本発明のA層の樹脂として、結晶融解熱量が70J/g
のポリプロピレン樹脂(II=90%、MFI=2.9
g/10分)に、架橋有機滑剤として粒径2μmのポリ
スチレン系重合体の架橋粒子(架橋PS)を0.15重
量%添加し、一軸押出機に供給して250℃で溶融させ
た。次にB層の樹脂組成として、該A層樹脂とアイソタ
クチックインデックス(II)が98.5%のポリプロ
ピレン樹脂(MFI=3.2g/10分)の混合樹脂
に、帯電防止剤としてアルキルジエタノールアミン脂肪
酸エステルとグリセリン脂肪酸エステルの混合物を0.
6重量%添加し、もう1台別の一軸押出機に供給して2
50℃で溶融させた後に、それぞれ瀘過フイルターを経
た後に三層成形口金にてA層/B層/A層となるように
口金内で合流させてシート状に押出して、30℃の温度
に加熱した金属ドラムに巻き付けて冷却し、厚さ750
μmのシートを得た。
【0045】次いで、該シートを130℃に保たれたロ
ールに通して予熱し、引き続き該シートを135℃に保
ち周速差を設けたロール間に通し、長手方向に5.0倍
に延伸してただちに室温に冷却する。引き続き該延伸フ
ィルムをテンターに導いて、175℃の温度で予熱し、
引き続き165℃で幅方向に10倍に延伸し、次いで幅
方向に8%の弛緩を与えつつ、165℃の温度で熱固定
をした後、該フィルムを50℃以上に保たれたロールに
通し、空気中で15W・分/m2で該B層表面にコロナ
放電処理を施して巻き取った。この時のA層/B層/A
層の厚み構成比は1/13/1μmであった。
【0046】このときのフィルムを40℃で1日エージ
ングした後に品質を評価して表1に示した。得られたフ
ィルムは表面抵抗値が低くて帯電防止性に優れ、また滑
り性および透明性にも優れ、さらに二次加工性にも優れ
た積層ポリプロピレンフィルムであった。
【0047】実施例3 本発明のA層の樹脂として、結晶融解熱量が48J/g
のポリプロピレン樹脂(II=87%、MFI=2.7
g/10分)(35重量%)と、結晶融解熱量が100
J/gのポリプロピレン樹脂(II=97%、MFI=
2.3g/10分)(65重量%)の混合樹脂に、架橋
有機粒子として粒径1μmの架橋PMMAを0.10重
量%添加し、一軸押出機に供給して260℃で溶融させ
た。次にB層の樹脂組成として、該A層樹脂とアイソタ
クチックインデックス(II)が98.5%のポリプロ
ピレン樹脂(MFI=3.2g/10分)の混合樹脂
に、帯電防止剤として第4級アミン化合物とグリセリン
脂肪酸エステルの混合物を0.5重量%と、オレイン酸
アミド0.1重量%添加し、もう1台別の一軸押出機に
供給して250℃で溶融させた後に、それぞれ瀘過フイ
ルターを経た後に三層成形口金にてA層/B層/A層と
なるように口金内で合流させてシート状に押出して、3
0℃の温度に加熱した金属ドラムに巻き付けて冷却し、
厚さ750μmのシートを得た。
【0048】次いで、該シートを130℃に保たれたロ
ールに通して予熱し、引き続き該シートを135℃に保
ち周速差を設けたロール間に通し、長手方向に5.0倍
に延伸してただちに室温に冷却する。引き続き該延伸フ
ィルムをテンターに導いて、175℃の温度で予熱し、
引き続き165℃で幅方向に10倍に延伸し、次いで幅
方向に8%の弛緩を与えつつ、165℃の温度で熱固定
をした後、該フィルムを50℃以上に保たれたロールに
通し、空気中で15W・分/m2で該B層表面にコロナ
放電処理を施して巻き取った。この時のA層/B層/A
層の厚み構成比は1/13/1μmであった。このとき
のフィルムを40℃で1日エージングした後に品質を評
価して表1に示した。
【0049】得られたフィルムは表面抵抗値が低くて帯
電防止性に優れ、また滑り性および透明性にも優れ、さ
らに二次加工性にも優れた積層ポリプロピレンフィルム
であった。
【0050】比較例1 実施例3において、該A層を積層せずにB層樹脂組成と
して、アイソタクチックインデックス(II)が98.
5%のポリプロピレン樹脂(MFI=2.5g/10
分)に、無機粒子として粒径4μmの合成ゼオライトを
添加した以外は実施例1と同様にして厚さ15μmの単
膜フィルムを得た。このときのフィルムを40℃で1日
エージングした後に品質を評価して表1に示した。得ら
れたフィルムは滑り性および透明性に劣り、また二次加
工性にも劣ったフィルムであった。 比較例2 A層樹脂として、結晶融解熱量が110J/gのポリプ
ロピレン樹脂(MFI=2.7g/10分)に、架橋有
機粒子として粒径6μmの架橋PSを0.15wt%添
加し、一軸押出機に供給して270℃で溶融させた。次
にB層の樹脂組成として、該A層樹脂とアイソタクチッ
クインデックス(II)が82%のポリプロピレン樹脂
(MFI=3.0g/10分)の混合樹脂とした以外は
実施例1と同様にして、厚み構成1/18/1μmの二
軸延伸積層フィルムを得た。このときのフィルムを40
℃で1日エージングした後に品質を評価して表1に示し
た。
【0051】得られたフィルムは、A層およびB層に帯
電防止剤を含有しているが、該A層のmmmmが高いた
めに帯電防止剤の発現性に劣って表面抵抗値が高く、ま
たA層中の粒子の径が大きいために、二次加工時にフィ
ルム表面の粗大突起の削れや粒子の脱落が起こってフィ
ルム表面に傷がつき、さらに該B層のアイソタクチック
インデックス(II)が低いためにフィルムが伸びてシ
ワ入ったりして、二次加工性に劣ったフィルムであっ
た。
【0052】比較例3 A層樹脂として、結晶融解熱量が32J/gのポリプロ
ピレン樹脂(MFI=5.6g/10分)を用いた以外
は、実施例1と同様にして二軸延伸積層フィルムを得
た。このときのフィルムを40℃で1日エージングした
後に品質を評価して表1に示した。
【0053】得られたフィルムは、A層およびB層に帯
電防止剤を含有し、表面抵抗値が低くて帯電防止性に優
れているが、該A層のmmmmが低すぎるために静摩擦
係数が大きくて滑り性に劣り、フィルムに擦り傷ができ
て積層フィルムの透明性が悪く、また二次加工性にも劣
ったフィルムであった。
【0054】比較例4 実施例1において、A層の積層厚みを4μm、B層の厚
みを7μmとした以外は実施例1と同様にして積層フィ
ルムを得た。このときのフィルムを40℃で1日エージ
ングした後に品質を評価して表1に示した。得られたフ
ィルムは、該A層の積層厚みが厚過ぎるために、B層に
添加された帯電防止剤のフィルム表面へのブリードアウ
ト性が悪化して帯電防止性に劣り、またフィルムのヤン
グ率が低下して二次加工性も悪化した。
【0055】
【表1】
【0056】
【発明の効果】本発明のフィルムは、帯電防止性、滑り
性、透明性に優れ、また二次加工性に優れることから、
各種包装用途に適した積層ポリプロピレンフィルムを提
供することができた。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アイソタクチックインデックス(II)が
    92%以上のポリプロピレン樹脂層(B層)の両面に、
    平均粒径4μm以下の架橋有機粒子を含有した結晶融解
    熱量が40〜90J/gのポリプロピレン樹脂層(A
    層)が積層されたA層/B層/A層の構成フィルムであ
    って、表面抵抗値が14.0logΩ以下であり、フィ
    ルムを重ねて摩擦したときの静摩擦係数が0.7以下で
    あることを特徴とする積層ポリプロピレンフィルム。
  2. 【請求項2】A層が、結晶融解熱量が40〜90J/g
    のポリプロピレン樹脂と結晶融解熱量が90J/gを超
    えたポリプロピレン樹脂との混合樹脂であることを特徴
    とする請求項1に記載の積層ポリプロピレンフィルム。
  3. 【請求項3】A層の一層あたりの積層厚みが0.2μm
    以上であり、かつA層の合計厚みが全積層フィルム厚み
    の1/3未満であることを特徴とする請求項1もしくは
    請求項2に記載の積層ポリプロピレンフィルム。
  4. 【請求項4】架橋有機粒子が架橋ポリスチレン粒子、架
    橋ポリメタクリレート粒子、架橋シリコン粒子、もしく
    はこれらの混合物であることを特徴とする請求項1に記
    載の積層ポリプロピレンフィルム。
  5. 【請求項5】少なくともB層に、帯電防止剤および/ま
    たは滑剤を含有してなることを特徴とする請求項1に記
    載の積層ポリプロピレンフィルム。
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