JPH10180963A - 積層フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

積層フィルムおよびその製造方法

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JPH10180963A
JPH10180963A JP9268826A JP26882697A JPH10180963A JP H10180963 A JPH10180963 A JP H10180963A JP 9268826 A JP9268826 A JP 9268826A JP 26882697 A JP26882697 A JP 26882697A JP H10180963 A JPH10180963 A JP H10180963A
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layer
polypropylene resin
film
laminated film
laminated
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JP9268826A
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Shigeru Tanaka
茂 田中
Takashi Ueda
隆司 上田
Itsuo Nagai
逸夫 永井
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の積層フィルムにより、帯電防止性と透
明性に優れ、またヒートシール性にも優れ、各種包装用
途に適した積層フィルムを提供する。 【解決手段】メソペンタッド分率が92%以上の基層ポ
リプロピレン樹脂層(A層)の少なくとも片面に、メソ
ペンタッド分率が70〜90%で、融点(Tm)が15
5℃以上、結晶化温度(Tmc)が100℃以上の表層
ポリプロピレン樹脂層(B層)を積層されてなる積層フ
ィルムを製造することにより、B層の表面抵抗値が10
14Ω/□以下であり、トータルヘイズが2.0%以下で
あることを特徴とする積層フィルムを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層フィルムに関
するものである。更に詳しくは、帯電防止性および透明
性に優れた積層フィルムおよびその製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリプロピレンフィルムは、
製膜性、透明性、および防湿性に優れていることから、
広く包装用途に用いられてきている。包装用途の多くが
帯電防止性を必要とし、ポリプロピレン樹脂に帯電防止
剤を添加混合して帯電防止性を付与している。
【0003】しかしながら、一般にフィルムに添加され
ている帯電防止剤や有機滑剤は、押出時や製膜時に蒸散
して製膜工程を汚し、また作業環境を悪くするという問
題がある。またポリプロピレン樹脂は結晶化度が高いた
めに添加した帯電防止剤がフィルム表面に移行し難く、
包装用フィルムとして実用上必要とされる表面抵抗値1
14Ω/□以下とするために、帯電防止剤を余分に添加
し、また製膜工程での蒸散量を計算して余分に添加する
ため、コスト高となっている。さらに、余分に添加され
た帯電防止剤によって滑り性が悪化するために、無機お
よび/または有機滑剤を添加することによって、フィル
ムの透明性がそこなわれるという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、帯電防止剤
の蒸散による製膜工程や作業環境の汚染が少なく、帯電
防止性および透明性に優れた積層フィルムを提供するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に鋭意検討した結果、下記の構成を有する本発明によっ
て上記課題は工業的に有利に達成された。本発明は、メ
ソペンタッド分率が92%以上の基層ポリプロピレン樹
脂層(A層)の少なくとも片面に、メソペンタッド分率
が70〜90%で、融点が155℃以上、結晶化温度が
100℃以上の表層ポリプロピレン樹脂層(B層)が積
層されていることを特徴とする積層フィルムおよびその
製造方法である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明におけるポリプロピレン樹
脂のメソペンタッド分率とは、ポリプロピレンの立体規
則性を反映するものである。一般にポリプロピレンはア
イソタクチックの構造をとっており、ポリプロピレンの
隣接している2繰り返し単位の構造が、立体的にメソ
(meso)と呼ばれる構造をしている。そしてこのポ
リプロピレンを13C−NMRで測定することにより、こ
のアイソタクチックな立体規則性を評価することができ
る。一般的には、ポリプロピレン分子鎖における5個の
繰り返し単位の立体配座(ペンタッド、pentad)
で表し、上記のメソ構造が並んだメソペンタッド分率
(以下mmmmと略称する)で表現されている。なおm
mmmは、T.HAYASHIらの報告[POLYME
R、Vol.29、138〜143(1988)]に記
載の方法で、13C−NMRから求めることができる。
【0007】本発明のmmmmが92%以上の基層のポ
リプロピレン樹脂層(A層)とは、mmmmが92%以
上のポリプロピレン樹脂単体、もしくは本発明のフィル
ムを製造することにおいて生じた屑を該基層に自己回収
するために、mmmmが92%以上のポリプロピレン樹
脂とmmmmが70〜90%のポリプロピレン樹脂の混
合樹脂層および/または後記するポリオレフィン系共重
合樹脂の混合樹脂層であってもよい。A層のmmmm
は、92%以上である必要があり、好ましくは94%以
上である。A層のmmmmが92%未満では、フィルム
のヤング率が低くなり、熱寸法安定性にも劣るためにス
リット、印刷、ラミネート加工などの二次加工性に劣る
ので好ましくない。A層のアイソタクチックインデック
ス(以下IIと略称する)は好ましくは94%以上、さ
らに好ましくは96%以上である。
【0008】またA層のメルトフローインデックス(以
下MFIと略称する)は1〜15g/10分の範囲にあ
ることが望ましい。このようなポリプロピレン樹脂を用
いることにより、フィルムの結晶化度が高くなり、力学
特性や熱寸法安定性が向上して二次加工性が向上する。
【0009】次に、基層のポリプロピレン樹脂層(A
層)に積層される表層ポリプロピレン樹脂層(B層)の
mmmmは70〜90%の範囲であることが必要であ
り、好ましくは75〜88%の範囲である。これによ
り、押出や製膜工程での帯電防止剤や滑剤の蒸散を抑制
し、製膜後のコロナ放電処理によって帯電防止剤の発現
性が良好となり、また表層部の結晶性が抑制されてトー
タルヘイズも小さくなり透明性が良好となるので好まし
い。
【0010】B層のmmmmが70%未満では、表層面
同士を重ね合わせたときの静摩擦係数が大きくなって滑
り性に劣り、また製膜中での金属ロール滑り性が悪くて
擦り傷ができ、透明性が悪化するので好ましくない。一
方、mmmmが90%を超えると、該基層に添加した帯
電防止剤や滑剤の表層への移行が少なく、コロナ放電処
理による帯電防止剤のブリードアウト促進効果が低下し
て帯電防止性が悪化するので好ましくない。
【0011】メソペンタッド分率が70〜90%の表層
ポリプロピレン樹脂(B層)とは、メソペンタッド分率
が70〜90%のポリプロピレン樹脂単体およびメソペ
ンタッド分率の異なる2種類以上のポリプロピレン樹脂
との混合樹脂であってもよい。また、フィルム特性を悪
化させない程度に他のα−オレフィン樹脂を少量添加あ
るいは共重合されたものでもよい。
【0012】さらに、B層のポリプロピレン樹脂の融点
(以下Tmと略称する)は155℃以上で、結晶化温度
(以下Tmcと略称する)が100℃以上であることが
必要である。Tmが155℃未満ではブロッキング剪断
力が高くなり、ロール状に巻き取ったフィルムを高速で
巻き出す時にフィルム破れが起こるので好ましくない。
また、Tmcが100℃未満では、製膜速度が150m
/分以上の高速製膜時に、横延伸後のテンター出口から
ワインダー間でフィルム表面が完全に結晶化せずに、ワ
インダーの金属ロールへの粘着が起こるので好ましくな
い。
【0013】B層にはあらかじめ帯電防止剤および滑剤
は添加しないことが好ましく、A層に添加した帯電防止
剤および滑剤が押出や製膜工程でB層に移行して、帯電
防止性を発現させるようにし、帯電防止剤および滑剤の
製膜工程中での蒸散を抑制することが好ましい。
【0014】B層の一層あたりの積層厚みは0.2μm
以上、好ましくは0.5μm以上であり、全積層フィル
ム厚みの1/3未満であることが好ましい。B層の一層
あたりの積層厚みが0.2μm未満では、押出や製膜工
程において、A層に添加された帯電防止剤や滑剤の蒸散
を抑制することが不十分であり、またB層の積層厚みは
全積層フィルム厚みの1/3未満とすることが、A層に
添加した帯電防止剤および滑剤の表層への移行により帯
電防止性および滑り性を良好とするのに好ましく、また
ヤング率低下や二次加工性の低下も防ぐので好ましい。
【0015】また本発明の積層フィルムで、該表層を積
層した該基層のもう一方の片面に、ヒートシール性を有
するポリオレフィン系共重合樹脂層(C層)を積層し
た、B層/A層/C層の3層構成とすることができる。
【0016】C層に用いられるポリオレフィン系共重合
樹脂層とは、ポリプロピレンを主成分とする重合体であ
ることが、ヒートシール強度の点で好ましい。その中で
も、プロピレンを主成分とした他のα−オレフィンとの
ランダム共重合体が透明性の点で好ましく使用できる。
共重合するα−オレフィンモノマーとしては、エチレ
ン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチルペンテン−
1、ヘキセン−1、オクテン−1等があげられ、エチレ
ン、ブテン−1が特に好ましい。α−オレフィンモノマ
ーの共重合量としては3〜15重量%の範囲がヒートシ
ール力が強くて好ましく、エチレンモノマーの場合は2
〜6重量%、ブテン−1モノマーの場合は3〜15重量
%の範囲が好ましい。
【0017】具体的な実施態様としては、エチレン−プ
ロピレン共重合体(以下EPCと略称する)、エチレン
−プロピレン−ブテン−1共重合体(以下EPBCと略
称する)、プロピレン−ブテン−1共重合体(以下BP
Cと略称する)などが挙げられる。
【0018】C層は、A層に添加した帯電防止剤や滑剤
が、押出および製膜工程で移行し、また滑り性付与のた
めに無機粒子および/または架橋有機粒子を添加混合し
た樹脂組成とすることが好ましい。
【0019】またC層の融解熱量は、30〜100J/
gの範囲であることが好ましく、より好ましくは50〜
80J/gの範囲でとすることが、ヒートシール性と滑
り性の点で好ましい。
【0020】本発明におけるB層/A層/C層の構成
で、C層の積層厚みは1〜5μmの範囲がヒートシール
強度と滑り性のために好ましく、かつ全体厚みの1/1
0以上1/3以下が好ましい。
【0021】C層樹脂のメルトフローインデックス(M
FI)は1〜20g/10分の範囲が押出製膜性が良好
となり好ましく、より好ましくは3〜10g/10分で
ある。
【0022】次にA層およびB層および/またはC層に
含有される帯電防止剤は特に限定されないが、例えば、
ベタイン誘導体のエチレンオキサイド付加物、第4級ア
ミン系化合物、アルキルジエタノールアミン脂肪酸エス
テル、グリセリン脂肪酸エステル、ステアリン酸グリセ
リドなど、もしくはこれらの混合物を挙げることができ
る。
【0023】また滑剤とはとくに限定されないが、例え
ば有機滑剤として、ステアリン酸アミド、エルシン酸ア
ミド、エルカ酸アミド、オレイン酸アミド等のアミド系
化合物など、もしくはこれらの混合物が挙げられる。ま
た、無機滑剤として、金属化合物の無機粒子特にゼオラ
イトが好ましく用いられる。
【0024】本フィルム中の帯電防止剤と滑剤の含有量
は0.3〜2.0重量%が好ましく、0.5〜1.0重
量%が帯電防止性と滑り性の点でより好ましい。
【0025】本発明のフィルムに添加される無機粒子と
は、金属化合物の無機粒子である。例えばゼオライト、
炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、シリ
カ、珪酸アルミニウム、カオリン、カオリナイト、タル
ク、クレイ、珪藻土、モンモリロナイト、酸化チタンな
どの粒子、もしくはこれらの混合物を挙げることができ
る。また、架橋有機粒子としては高分子化合物を架橋剤
を用いて架橋した粒子である。例えば、ポリメトキシシ
ラン系化合物の架橋粒子、ポリスチレン系化合物の架橋
粒子、アクリル系化合物の架橋粒子、ポリウレタン系化
合物の架橋粒子、ポリエステル系化合物の架橋粒子、フ
ッソ系化合物の架橋粒子、もしくはこれらの混合物を挙
げることができる。
【0026】無機粒子および架橋有機粒子の粒径は0.
5〜6μmの範囲が好ましい。粒径が1μm未満では滑
り性が悪くなり、6μmを越えると粒子の脱落やフィル
ム同士を擦った時にフィルム表面に傷がつきやすくなる
ので好ましくない。無機粒子および/または架橋有機粒
子の添加量は、0.02重量%〜0.5重量%の範囲で
あることが好ましく、より好ましくは0.05重量%〜
0.2重量%の範囲とすることが耐ブロッキング防止
性、滑り性および透明性やヒートシール性の点で好まし
い。
【0027】本発明の積層フィルムのA層、B層、C層
の全層あるいは一部の層に、必要に応じて上記以外の少
量の造核剤、熱安定剤、酸化防止剤などを添加せしめて
もよい。例えば造核剤としては、ソルビトール系造核
剤、有機リン酸エステル金属塩系造核剤などが0.5重
量%以下、熱安定剤としては2,6−ジ−第3−ブチル
−4−メチルフェノ−ル(BHT)などが0.5重量%
以下、酸化防止剤としてはテトラキス−(メチレン−
(3,5−ジ−第3−ブチル−4−ハイドロオキシ−ハ
イドロシンナメ−ト))ブタン(Irganox 10
10)などを0.5重量%以下で添加してもよい。
【0028】次に本発明の積層フィルムのA層、B層お
よび/またはC層表面に、コロナ放電処理を施し、フィ
ルム表面の濡れ張力を35mN/m以上に上げること
は、印刷性、接着性、帯電防止剤および滑剤のブリード
アウト性を向上させるため好ましく採用することができ
る。この時のコロナ放電処理時の雰囲気ガスとしては、
酸素、空気、炭酸ガス、あるいは窒素/炭酸ガスの混合
系などが好ましく、特に経済性の点で空気中でコロナ放
電処理をすることが好ましい。
【0029】本発明のB層の表面抵抗値は1014Ω/□
以下であることが好ましく、さらに1013Ω/□以下で
あることが好ましい。表面抵抗値が1014Ω/□を超え
ると、埃が付着したり、フィルムを製袋して重ねたとき
に、袋がずれたり、くっついたりして、取り扱い性に劣
り、また製袋品に内容物を詰めるときに内容物が袋に付
着するという問題がおこりやすい。
【0030】本発明のフィルムの透明性を表すフィルム
1枚のトータルヘイズは、2.0%以下であることが好
ましく、さらに好ましくは1.5%以下である。トータ
ルヘイズが2.0%を超えると製袋品に内容物を詰めた
ときに、内容物の見栄えが悪くなり、商品価値が低下す
るので好ましくない。
【0031】また本発明の積層フィルムは、無延伸フィ
ルム、一軸延伸フィルムおよび二軸延伸フィルムのいず
れであってもよいが、製袋品の内容物保護の点で二軸延
伸フィルムであることが好ましい。
【0032】次に、本発明のフィルムの製造方法につい
て一例を挙げて説明するが、本発明がこの例に限定され
るものではないことはもちろんである。
【0033】まず、基層(A層)樹脂としてメソペンタ
ッド分率が92%以上のポリプロピレン樹脂とメソペン
タッド分率が70〜90%のポリプロピレン樹脂の混合
樹脂に帯電防止剤と滑剤を添加して押出機に供給し、2
70℃の温度で溶融混合させ、表層(B層)樹脂とし
て、実質的に帯電防止剤および滑剤を添加しないメソペ
ンタッド分率が70〜90%で、融点が155℃以上、
結晶化温度が100℃以上のポリプロピレン樹脂に無機
粒子および/または架橋有機粒子を添加して別の押出機
に供給して、260℃の温度で溶融混合させ、それぞれ
瀘過フイルターを経た後、スリット状の三層積層口金で
B層/A層/B層に共押出積層してフィルム状に成形
し、そのフィルムを30〜80℃に保った金属ドラムに
巻き付けて冷却固化せしめ無延伸積層フィルムを得た。
【0034】次いで、その無延伸積層フィルムを130
℃に保たれたロールに通して予熱し、引き続きその積層
フィルムを130℃以上に保ち周速差を設けたロール間
に通し、長手方向に4倍以上に延伸してただちに室温に
冷却する。引き続きその延伸フィルムをテンターに導い
て、165℃以上の温度で予熱し、引き続き160℃以
上の温度で幅方向に7倍以上に延伸し、次いで幅方向に
5%以上の弛緩を与えつつ、160℃以上の温度で熱固
定をして二軸延伸積層フィルムを得た。
【0035】次に無延伸積層フィルムおよび二軸延伸積
層フィルムを30℃以上に保たれたロールに通し、20
W・分/m2以上でB層表面にコロナ放電処理を施して
巻き取る。
【0036】また本発明の積層フィルムは、目的に応じ
てエンボス加工、印刷、蒸着、押出ラミネーション加
工、および他の樹脂フィルム、紙、布などと張り合わせ
加工を行って用いることができる。
【0037】
【特性値の測定法】本発明の特性値は次の測定法によ
る。
【0038】(1)メソペンタッド分率(mmmm) 測定溶媒として1,2,4−トリクロロベンゼンを用
い、13C−NMRを測定する。得られたスペクトルの帰
属およびmmmmの計算については、T.Hayash
iらが行った方法[Polymer,29,138(1
988)]に基づいて行い、百分率で表示した。なお積
層フィルムについては、表層を剥離するか、または削り
とり、上記と同じ方法にて測定すればよい。
【0039】(2)アイソタクチックインデックス(I
I) 試料を130℃で2時間真空乾燥する。その後室温に戻
し、これから重量W(mg)の試料をとり、ソックスレ
ー抽出器に入れ沸騰n−ヘプタンで12時間抽出する。
次にこの試料を取り出しアセトンで十分洗浄した後、1
30℃で6時間乾燥しその後室温で重量W’(mg)を
測定し次式で求める。
【0040】II=(W’/W)×100(%)
【0041】(3)メルトフローインデックス(MF
I) JIS K−6758のポリプロピレン試験方法(23
0℃、2.16kgf)で測定した値を示した。
【0042】(4)積層厚みおよび粒子の粒径 電解放射型走査出電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて
フィルム断面構成観察を行い、各積層厚みと粒子の粒径
を測定した。
【0043】(5)フィルム表面の濡れ張力 JIS K−6768の方法で測定した。
【0044】(6)積層フィルム中の帯電防止剤および
滑剤の含有状態 二次イオン質量分析装置(独、ATOMIKA社製 A
−DIDA3000)を用いて、帯電防止剤および有機
滑剤中に含まれる元素の積層フィルムの厚み方向の分析
を行った。
【0045】(7)表面抵抗値 KAWAGUCHI ELECTRIC WORKS社
製GIGAOHMMETR−VE40とRESISTI
VITY CHAMBRE−P601を用いて、温度2
3℃、湿度63%の雰囲気中で測定して求めた。
【0046】(8)滑り性 ASTM−D1894−63に準じて、フィルムの両面
を重ねて摩擦させた時の静摩擦係数を測定し、静摩擦係
数(μs)が0.7以下を滑り性良好として○とし、
1.0以上を滑り性不良として×とし、その中間を△と
して評価した。
【0047】(9)フィルムのトータルヘイズ ASTM−D1003に準じて、フィルム1枚のトータ
ルヘイズを測定した。
【0048】(10)帯電防止剤および滑剤の蒸散性 A層樹脂組成として、ポリプロピレン樹脂に帯電防止剤
および有機滑剤を添加し、またB層および/またはC層
の積層厚みを変更して積層フィルムを製膜する際に、添
加剤の蒸散による発煙状態と製膜工程の汚れを観察し、
押出時およびテンターでの横延伸の蒸散による発煙がな
く、また縦延伸ロールの汚れのないものを○とし、押出
時およびテンターでの横延伸の蒸散による発煙があり、
またキャスティングドラムおよび縦延伸ロールの汚れが
あったものを×として評価した。 (11)フィルムのヤング率 ロール状に巻かれたフィルムを10mm幅の短冊状に切
断して、測定長を50mmとしてテンシロン(東洋測器
製)に装着し、引張速度20mm/min、チャート速
度500m/minで立ち上がり曲線をチャート紙に記
録させる。チャート紙の基点から立ち上がり曲線に接線
を引いた後、基点より25mmの点で垂線を引き、接線
と垂線の交点を強力として読み取る。そして、ヤング率
(GPa)を次式により算出する。
【0049】ヤング率(GPa)=[強力(kg)×試
長(mm)×チャート速度(mm/min)]÷[引張
速度(mm/min)×25mm×フィルム厚み(m
m)×フィルム幅(mm)]×9.807×10-3
【0050】(12)融点(Tm)、結晶化温度(Tm
c)、結晶融解熱量(ΔHu) セイコー電子工業(株)製ロボットDSC(示差走査熱
量計)RDC220を用い、サンプル5mgを室温より
20℃/分の昇温速度で昇温する際に、結晶の融解に伴
う吸熱ピークの頂点を融点(Tm)とし、結晶融解熱量
(ΔHu)はその面積から求めた。この面積は、昇温す
ることによりベースラインから吸熱側にずれ、さらに昇
温を続けるとベースラインの位置までもどるまでの面積
であり、融解開始温度位置から終了温度位置までを直線
で結び、この面積をコンピュータ処理して求めた。なお
複数の吸熱ピークが観察される場合は、これらの和を結
晶融解熱量とした。ついで、280℃の溶融保持温度ま
で昇温し、5分間保持した後に20℃/分の冷却速度に
て冷却していった時に、結晶化に伴う潜熱ピーク温度を
結晶化温度(Tmc)とした。
【0051】(13)ヒートシール性 積層フィルムのヒートシール層面どうしを重ね合わせ
て、ヒートシーラの片面加熱法にて、シール温度120
℃、シール圧力1kg/cm2、シール時間1秒の条件
でヒートシールを行った。このヒートシールしたサンプ
ルを幅1.5cmに切り出して、テンシロンを用いて3
00mm/分の速度でシール面を90度剥離するときに
要した力が、100g/1.5cm以上のものを○、5
0g/1.5cm以下のものを×、その中間のものを△
として評価した。
【0052】(14)二次加工性 接着層が積層された積層フィルムは単独で、またヒート
シール層のない積層フィルムは、片面に25μmの無延
伸ポリプロピレンフィルムを接着剤で積層し、長さ10
00mのフィルムを製袋機にかけたとき、フィルムにシ
ワが入らず、製袋品の形状がよいものを○とし、フィル
ムのヤング率が低くまた滑り性が悪いためにシワが入っ
たりして製袋品の形状が悪くなったものを×として評価
した。
【0053】
【実施例】本発明を実施例により説明する。
【0054】実施例1 本発明の表層(B層)の樹脂として、メソペンタッド分
率(mmmm)が85.1%で、融点(Tm)が161
℃、結晶化温度(Tmc)が104℃のポリプロピレン
樹脂(II=85%,MFI=2.2g/10分)に、
架橋有機粒子として粒径2μmのポリメタクリル酸系重
合体の架橋粒子(架橋PMMA)を0.15重量%添加
し、一軸押出機に供給して270℃で溶融させた。次に
基層(A層)の樹脂組成として、該B層樹脂とメソペン
タッド分率(mmmm)が98.5%のポリプロピレン
樹脂(II=98%,MFI=2.5g/10分)の混
合樹脂に、帯電防止剤としてステアリル−ジ−β−ヒド
ロキシエチルベタインとアミノステアリン酸ナトリウム
塩とヒドロキシルアミンの混合物を0.5重量%、有機
滑剤としてステアリン酸アミドを0.1重量%添加し、
もう1台別の一軸押出機に供給して260℃で溶融させ
た後に、それぞれ瀘過フイルターを経た後に三層成形口
金にてB層/A層/B層となるように口金内で合流させ
てシート状に押出して、30℃の温度に加熱した金属ド
ラムに巻き付けて冷却し、厚さ750μmのシートを得
た。
【0055】次いで、そのシートを130℃に保たれた
ロールに通して予熱し、引き続きシートを135℃に保
ち周速差を設けたロール間に通し、長手方向に4.75
倍に延伸してただちに室温に冷却する。引き続きその延
伸フィルムをテンターに導いて、170℃の温度で予熱
し、引き続き160℃で幅方向に10倍に延伸し、次い
で幅方向に8%の弛緩を与えつつ、165℃の温度で熱
固定をした後、50℃以上に保たれたロールに通し、空
気中で25W・分/m2でB層表面にコロナ放電処理を
施して巻き取った。この時のB層/A層/B層の厚み構
成比は1/13/1μmであった。本フィルムを1時間
連続製膜し、口金出口およびテンター出口からの帯電防
止剤の発煙状態と縦延伸ロールの汚れ状態を観察したと
ころ、発煙およびロール汚れがなかった。このときのフ
ィルム組成と構成を表1に示し、フィルム品質特性を表
2に示した。
【0056】得られたフィルムは、A層およびB層に帯
電防止剤を含有し、表面抵抗値が低くて帯電防止性に優
れ、また積層フィルムのトータルヘイズが低くて透明性
に優れ、また滑り性にも優れ、さらに二次加工性にも優
れた積層フィルムであった。
【0057】実施例2 本発明の表層(B層)の樹脂として、メソペンタッド分
率(mmmm)が88.5%で、融点(Tm)が162
℃、結晶化温度(Tmc)が107℃で、ポリプロピレ
ン樹脂(II=90%,MFI=1.9g/10分)
に、架橋有機粒子として粒径2μmのポリスチレン系重
合体の架橋粒子(架橋PS)を0.12重量%添加し、
一軸押出機に供給して270℃で溶融させた。次に基層
(A層)の樹脂組成として、該B層樹脂とメソペンタッ
ド分率(mmmm)が99.5%のポリプロピレン樹脂
(II=99%,MFI=3.5g/10分)の混合樹
脂に、帯電防止剤としてグリセリン脂肪酸エステルとア
ルキルジエタノールアミン脂肪酸エステルを1:1の割
合に混合して1.0重量%添加し、もう1台別の一軸押
出機に供給して260℃で溶融させた後に、それぞれ瀘
過フイルターを経た後に三層成形口金にてB層/A層/
B層となるように口金内で合流させてシート状に押出し
て、50℃の温度に加熱した金属ドラムに巻き付けて冷
却し、厚さ1250μmのシートを得た。
【0058】次いで、そのシートを135℃に保たれた
ロールに通して予熱し、引き続き140℃に保ち周速差
を設けたロール間に通し、長手方向に5.0倍に延伸し
てただちに室温に冷却する。引き続きその延伸フィルム
をテンターに導いて、175℃の温度で予熱し、引き続
き165℃で幅方向に10倍に延伸し、次いで幅方向に
8%の弛緩を与えつつ、165℃の温度で熱固定をした
後、50℃以上に保たれたロールに通し、空気中で30
W・分/m2で該B層表面にコロナ放電処理を施して巻
き取った。この時のB層/A層/B層の厚み構成比は1
/18/1μmであった。本フィルムを1時間連続製膜
したところ、口金出口およびデンター出口からの帯電防
止剤の発煙状態と縦延伸ロールの汚れ状態を観察したと
ころ、発煙およびロール汚れがなかった。このときのフ
ィルム組成と構成を表1に示し、フィルム品質特性を表
2に示した。
【0059】得られたフィルムは、A層およびB層に帯
電防止剤を含有し、表面抵抗値が低くて帯電防止性に優
れ、また積層フィルムのトータルヘイズが低くて透明性
に優れ、また滑り性にも優れ、さらに二次加工性にも優
れた積層フィルムであった。
【0060】実施例3 本発明の表層(B層)の樹脂として実施例1の樹脂組成
を用い、基層(A層)樹脂として、実施例1のB層樹脂
とA層樹脂と後記のC層樹脂を1:12:2の比率で混
合して用い、A層のもう一方の片面に積層するC層樹脂
として、エチレン−プロピレンランダム共重合体(EP
C)(エチレン共重合量=4.6重量%)に、無機粒子
として粒径4μmの酸化珪素を0.05wt%添加し
て、それぞれ別々の押出機に供給し、270℃の温度で
溶融させた後に、実施例と同様に三層成形口金にてB層
/A層/C層となるように口金内で合流させてシート状
に押出した以外は、実施例1と同様にして厚み構成1/
12/2μmの二軸延伸積層フィルムを得た。本フィル
ムを1時間連続製膜し、口金出口およびデンター出口か
らの帯電防止剤の発煙状態と縦延伸ロールの汚れ状態を
観察したところ、発煙およびロール汚れがなかった。こ
のときのフィルム組成と構成を表1に示し、フィルム品
質特性を表2に示した。
【0061】得られたフィルムは、A層、B層およびC
層に帯電防止剤を含有し、該B層の表面抵抗値が低くて
帯電防止性に優れ、また積層フィルムのトータルヘイズ
が低くて透明性に優れ、また滑り性、ヒートシール性に
も優れ、さらに二次加工性にも優れた積層フィルムであ
った。
【0062】実施例4 本発明の表層(B層)の樹脂として、メソペンタッド分
率(mmmm)が73%で、融点(Tm)が160℃、
結晶化温度(Tmc)が103℃のポリプロピレン樹脂
(II=86%,MFI=1.9g/10分)と、メソ
ペンタッド分率(mmmm)が96.5%のポリプロピ
レン樹脂(II=97%,MFI=2.5g/10分)
の混合比率が1:2の混合樹脂に、架橋有機粒子として
粒径2μmのポリメタクリル酸系重合体の架橋粒子(架
橋PMMA)0.15重量%添加し、一軸押出機に供給
して270℃で溶融させた。
【0063】次に基層(A層)の樹脂組成として、該B
層樹脂とメソペンタッド分率(mmmm)が99.5%
のポリプロピレン樹脂(II=99%,MFI=3.5
g/10分)の混合樹脂に、帯電防止剤としてグリセリ
ン脂肪酸エステルとアルキルジエタノールアミン脂肪酸
エステルを1:1の割合に混合して0.8重量%添加
し、もう1台別の一軸押出機に供給して260℃で溶融
させた後に、それぞれ瀘過フイルターを経た後に三層成
形口金にてB層/A層/B層となるように口金内で合流
させてシート状に押出して、50℃の温度に加熱した金
属ドラムに巻き付けて冷却し、厚さ1250μmのシー
トを得た。
【0064】次いで、そのシートを135℃に保たれた
ロールに通して予熱し、引き続き該シートを140℃に
保ち周速差を設けたロール間に通し、長手方向に5.0
倍に延伸してただちに室温に冷却する。引き続きその延
伸フィルムをテンターに導いて、175℃の温度で予熱
し、引き続き165℃で幅方向に10倍に延伸し、次い
で幅方向に8%の弛緩を与えつつ、165℃の温度で熱
固定をした後、50℃以上に保たれたロールに通し、空
気中で30W・分/m2で該B層表面にコロナ放電処理
を施して巻き取った。この時のB層/A層/B層の厚み
構成比は1/18/1μmであった。本フィルムを1時
間連続製膜したところ、口金出口およびデンター出口か
らの帯電防止剤の発煙状態と縦延伸ロールの汚れ状態を
観察したところ、発煙およびロール汚れがなかった。こ
のときのフィルム組成と構成を表1に示し、フィルム品
質特性を表2に示した。
【0065】得られたフィルムは、A層およびB層に帯
電防止剤を含有し、表面抵抗値が低くて帯電防止性に優
れ、また積層フィルムのトータルヘイズが低くて透明性
に優れ、また滑り性にも優れ、さらに二次加工性にも優
れた積層フィルムであった。
【0066】比較例1 実施例1において、該表層(B層)を積層せずに基層
(A層)樹脂組成の単膜とした以外は実施例1と同様に
して厚さ15μmの単膜フィルムを得た。本フィルムを
1時間連続製膜し、口金出口およびデンター出口からの
帯電防止剤の発煙状態と縦延伸ロールの汚れ状態を観察
したところ、発煙がみられ、ロール汚れがあった。この
ときのフィルム組成と構成を表1に示し、フィルム品質
特性を表2に示した。得られたフィルムは、製膜中での
帯電防止剤の蒸散が多いために該A層中の帯電防止剤含
有量が少なく、表面抵抗値が高くて帯電防止性に劣り、
また粒子の含有量が少なくて滑り性にも劣るために二次
加工性に劣ったフィルムであった。
【0067】比較例2 表層(B層)樹脂として、メソペンタッド分率(mmm
m)が96.5%で、融点(Tm)が161℃、結晶化
温度(Tmc)が111℃のポリプロピレン樹脂(II
=97%,MFI=2.0g/10分)に、架橋有機粒
子として粒径2μmの架橋ポリスチレン粒子を0.05
wt%添加し、一軸押出機に供給して270℃で溶融さ
せた。次に基層(A層)の樹脂組成として、B層樹脂と
メソペンタッド分率(mmmm)が85.5%のポリプ
ロピレン樹脂(II=96%,MFI=2.3g/10
分)の混合比率が1:5の混合樹脂とした以外は実施例
1と同様にして厚み構成2/12/2μmの二軸延伸積
層フィルムを得た。本フィルムを1時間連続製膜し、口
金出口およびデンター出口からの帯電防止剤の発煙状態
と縦延伸ロールの汚れ状態を観察したところ、発煙およ
びロール汚れはなかった。このときのフィルム組成と構
成を表1に示し、フィルム品質特性を表2に示した。得
られたフィルムは、A層およびB層に帯電防止剤を含有
しているが、該B層のmmmmが高いために帯電防止剤
の発現性に劣り、該B層の表面抵抗値が高く、また該A
層のmmmmが低いために二次加工性に劣った積層フィ
ルムであった。
【0068】比較例3 表層(B層)樹脂として、メソペンタッド分率(mmm
m)が65.8%で、融点(Tm)が149℃、結晶化
温度(Tmc)が93℃のポリプロピレン樹脂(II=
90%,MFI=5.8g/10分)を用いた以外は、
実施例1と同様にして二軸延伸積層フィルムを得た。本
フィルムを1時間連続製膜し、口金出口およびデンター
出口からの帯電防止剤の発煙状態と縦延伸ロールの汚れ
状態を観察したところ、発煙およびロール汚れはみられ
なかった。このときのフィルム組成と構成を表1に示
し、フィルム品質特性を表2に示した。得られたフィル
ムは、A層およびB層に帯電防止剤を含有し、B層の表
面抵抗値が低くて帯電防止性に優れているが、融点、結
晶化温度およびmmmmが低すぎるために静摩擦係数が
大きくて滑り性に劣り、フィルムに擦り傷ができて積層
フィルムのトータルヘイズが高くなり、また二次加工性
にも劣った積層フィルムであった。
【0069】比較例4 実施例1において、基層(A層)に帯電防止剤を添加せ
ず、表層(B層)に帯電防止剤を添加した以外は実施例
1と同様にして積層フィルムを得た。本フィルムを1時
間連続製膜し、口金出口およびデンター出口からの帯電
防止剤の発煙状態と縦延伸ロールの汚れ状態を観察した
ところ、発煙がみられ、またロール汚れがあった。この
ときのフィルム組成と構成を表1に示し、フィルム品質
特性を表2に示した。得られたフィルムは、製膜中での
帯電防止剤の蒸散が多いためにA層およびB層中の帯電
防止剤と有機滑剤の含有量が少なく、表面抵抗値が高く
て帯電防止性に劣り、滑り性にも劣った積層フィルムで
あった。
【0070】比較例5 実施例2において、表層(B層)の積層厚みを5μmと
して、フィルムの厚み構成をB層/A層/B層=5/1
0/5μmとした以外は実施例2と同様にして積層フィ
ルムを得た。本フィルムを1時間連続製膜し、口金出口
およびデンター出口からの帯電防止剤の発煙状態と縦延
伸ロールの汚れ状態を観察したところ、発煙およびロー
ル汚れはみられなかった。このときのフィルム組成と構
成を表1に示し、フィルム品質特性を表2に示した。得
られたフィルムは、B層の積層厚みが厚いために、フィ
ルム表面の帯電防止剤濃度が低くて表面抵抗値が高くな
り、また二次加工性にも劣った積層フィルムであった。
【0071】比較例6 比較例1の基層(A層)樹脂単膜フィルムの両面に、接
着剤として武田薬品(株)製ポリウレタン系接着剤(主
剤“タケラック”A−971/硬化剤“タケネート”A
−3=9/1)をコーティングバーを用いて、厚さ4μ
m塗工して、厚さ25μmの実施例1の表層(B層)樹
脂組成の無延伸フィルムを貼り合わせた後、40℃・2
日エージングして硬化させた。このときのフィルム組成
と構成を表1に示し、フィルム品質特性を表2に示し
た。得られたフィルムは、B層に帯電防止剤を含有して
いないために、表面抵抗値が高くて帯電防止性に劣り、
無延伸フィルムのラミネート加工により透明性も悪化
し、またB層の合計厚みが全積層フィルムの1/3以上
となり二次加工性にも劣った積層フィルムであった。
【0072】
【表1】
【0073】
【表2】
【0074】
【発明の効果】本発明の積層フィルムは、メソペンタッ
ド分率が92%以上のポリプロピレン樹脂に帯電防止剤
および有機滑剤を添加した基層の少なくとも片面に、実
質的に帯電防止剤を添加しないメソペンタッド分率が7
0〜90%で、融点(Tm)が155℃以上、結晶化温
度(Tmc)が100℃以上のポリプロピレン樹脂を積
層したことにより、押出および製膜での帯電防止剤と滑
剤の蒸散を抑制し、帯電防止性と透明性に優れ、各種包
装用途に適した積層フィルムを提供することができた。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // B29K 23:00 B29L 7:00 9:00

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】メソペンタッド分率が92%以上の基層ポ
    リプロピレン樹脂層(A層)の少なくとも片面に、メソ
    ペンタッド分率が70〜90%で、融点が155℃以
    上、結晶化温度が100℃以上の表層ポリプロピレン樹
    脂層(B層)が積層されていることを特徴とする積層フ
    ィルム。
  2. 【請求項2】メソペンタッド分率が92%以上の基層ポ
    リプロピレン樹脂層(A層)の両面に、メソペンタッド
    分率が70〜90%で、融点が155℃以上、結晶化温
    度が100℃以上の表層ポリプロピレン樹脂層(B層)
    が積層されていることを特徴とする請求項1記載の積層
    フィルム。
  3. 【請求項3】メソペンタッド分率が92%以上の基層ポ
    リプロピレン樹脂層(A層)の片面に、メソペンタッド
    分率が70〜90%で、融点が155℃以上、結晶化温
    度が100℃以上の表層ポリプロピレン樹脂層(B層)
    が積層され、A層のもう一方の面にポリオレフィン系共
    重合樹脂層(C層)が積層されていることを特徴とする
    請求項1記載の積層フィルム。
  4. 【請求項4】メソペンタッド分率が70〜90%で、融
    点が155℃以上、結晶化温度が100℃以上の表層ポ
    リプロピレン樹脂層(B層)が、メソペンタッド分率の
    異なる2種類以上のポリプロピレン樹脂の混合樹脂であ
    ることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の積層
    フィルム。
  5. 【請求項5】少なくとも基層ポリプロピレン樹脂層(A
    層)に帯電防止剤が添加され、表層ポリプロピレン樹脂
    層(B層)に無機粒子および/または架橋有機粒子が添
    加されたことを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載
    の積層フィルム。
  6. 【請求項6】表層ポリプロピレン樹脂層(B層)の一層
    あたりの積層厚みが0.2μm以上であり、かつ合計厚
    みが全積層フィルム厚みの1/3未満であることを特徴
    とする請求項1〜5いずれかに記載の積層フィルム。
  7. 【請求項7】表層ポリプロピレン樹脂層(B層)の表面
    抵抗値が1014Ω/□以下であり、トータルヘイズが
    2.0%以下であることを特徴とする請求項1〜6いず
    れかに記載の積層フィルム。
  8. 【請求項8】メソペンタッド分率が92%以上の基層ポ
    リプロピレン樹脂に帯電防止剤を添加した層(A層)の
    片面または両面に、実質的に帯電防止剤を添加しないメ
    ソペンタッド分率が70〜90%で、融点が155℃以
    上、結晶化温度が100℃以上のポリプロピレン樹脂に
    無機粒子および/または架橋有機粒子を添加した表層
    (B層)を共押出積層し、B層にコロナ放電処理を施し
    てB層に帯電防止性を発現させることを特徴とする積層
    フィルムの製造方法。
  9. 【請求項9】メソペンタッド分率が92%以上の基層ポ
    リプロピレン樹脂に帯電防止剤を添加した層(A層)の
    片面に、実質的に帯電防止剤を添加しないメソペンタッ
    ド分率が70〜90%で、融点が155℃以上、結晶化
    温度が100℃以上のポリプロピレン樹脂に無機粒子お
    よび/または架橋有機粒子を添加した表層(B層)を共
    押出積層し、A層のもう一方の面にポリオレフィン系共
    重合樹脂に無機粒子および/または架橋有機粒子を添加
    した層(C層)を共押出積層し、B層にコロナ放電処理
    を施して該表層に帯電防止性を発現させることを特徴と
    する積層フィルムの製造方法。
  10. 【請求項10】基層(A層)の片面または両面に、実質
    的に帯電防止剤を添加しないメソペンタッド分率の異な
    る2種類以上のポリプロピレン樹脂を混合して、見掛け
    のメソペンタッド分率を70〜90%としたポリプロピ
    レン樹脂に、無機粒子および/または架橋有機粒子を添
    加した表層樹脂層(B層)を共押出積層することを特徴
    とする請求項8〜9いずれかに記載の積層フィルムの製
    造方法。
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