JPH11115112A - 撥水性及び導電性を有する熱可塑性樹脂シ−ト - Google Patents

撥水性及び導電性を有する熱可塑性樹脂シ−ト

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JPH11115112A
JPH11115112A JP28185997A JP28185997A JPH11115112A JP H11115112 A JPH11115112 A JP H11115112A JP 28185997 A JP28185997 A JP 28185997A JP 28185997 A JP28185997 A JP 28185997A JP H11115112 A JPH11115112 A JP H11115112A
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sheet
thermoplastic resin
resin
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thickness
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JP28185997A
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Nobumitsu Suda
信光 須田
Shigenobu Hiraiwa
重信 平岩
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Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】本発明の課題は、導電性のない熱可塑性樹脂シ
−トに導電性及び撥水性を兼備させた水洗浄における水
切り乾燥性の大幅に改善された熱可塑性プラスチックシ
−トやそれを用いて成形される成形物類を提供すること
にある。 【解決手段】熱可塑性樹脂基材シ−トの表面に、熱可塑
性樹脂100重量部に対し15〜35重量部の範囲内の
導電性カ−ボンを含有する熱可塑性樹脂組成物の導電層
及びその上に撥水性熱可塑性樹脂層を順次積層させる
か、フッ素系樹脂と熱可塑性樹脂との混合樹脂又はフッ
素系単量体を共単量体として共重合させたフッ素含有共
重合体に、該樹脂100重量部当たり15〜35重量部
の範囲内の導電性カ−ボンを含有せしめた組成物の被覆
層を0.1 〜20μmの厚さに形成させてなる撥水性及び導
電性を有する熱可塑性樹脂シ−ト。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、撥水性及び導電性
を有する熱可塑性樹脂シ−トに関し、特に、精密機械や
電子部品等の導電性トレ−や導電性キャリアテ−プ等の
形成に好適に使用し得るシ−トに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、熱可塑性樹脂の成形物表面に
は、静電気が容易に発生し、帯電してその静電気による
各種の不都合が避けられないため、成形物自体に、ある
いは表面に導電性を付与する各種手段が採られている。
そのような手段として、樹脂に導電性物質を添加混合す
る方法や樹脂シ−トの表面に導電性物質の層を設けて静
電気の帯電を防止する方法が広く利用されている。その
ような導電性のシ−トは、一般に、導電性トレ−や導電
性キャリアテ−プに成形されて精密機械や電子部品等の
輸送用容器として使用されている。
【0003】近年、精密機械や電子部品の技術分野で
は、一層高度な精密さが要求されるようになり、かかる
社会的要求に従って、使用される導電性トレ−や導電性
キャリアテ−プでは、微細なごみや埃,機械や人の油脂
あるいはプラスチック製品などへの各種添加物等が極度
に嫌われるようになった。そのため、プラスチックシ−
ト加工工場やトレ−,キャリアテ−プ等の加工工場で
は、作業場をクリ−ンに保つことが要求され、そのよう
な設備や装置に莫大な費用が投じられている。そのよう
なクリ−ン化によって、シ−ト製造時にはクリ−ン性が
保持されるが、例えば、シ−トを更にトレ−やキャリア
テ−プに成形加工する際に、あるいはデリバリ−等にお
いて揮発物質や微細ごみ等が付着するので、精密機械や
電子部品の導電性機能に悪影響を与えるという不都合が
回避できない。
【0004】現在、電子部品用のトレ−やキャリアテ−
プの素材として、ポリスチレン系樹脂,塩化ビニル系樹
脂,オレフィン系樹脂及びポリエステル樹脂テ−プやシ
−ト等が代表的に使用されているが、導電性を付与して
使用されるそれらのシ−トあるいはトレ−やキャリアテ
−プは、使用に際し、その表面を洗浄して微細な付着物
等の汚れを除去しクリ−ンにする洗浄作業が行われる。
その洗浄には、クリ−ンな純水を洗浄水として用いる超
音波洗浄が一般に採用されているが、疎水性樹脂シ−ト
類の洗浄水切りが非常に優れているのに対し、導電性プ
ラスチックシ−ト類の表面の洗浄水の水切れは極めて悪
く、乾燥に長時間を要するため、特別な乾燥装置又は広
い乾燥場所が必要であり、生産性が著しく阻害されるの
で、工業的に不利である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の課題
は、水洗浄における水切り乾燥性の大幅に改善された導
電性の熱可塑性プラスチックシ−トやそれを用いてつく
られる成形物類を提供することにある。また、本発明の
他の課題は、導電性のない熱可塑性樹脂シ−ト及び成形
物に導電性及び撥水性を兼備させる方法を提供すること
にある。本発明のその他の技術的課題は、以下の記載か
ら更に明らかになるであろう。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、特
に、前記特許請求の範囲の請求項1及び請求項3にそれ
ぞれ記載された構成要件を要旨とするものである。しか
して、本発明は、熱可塑性樹脂のシ−トや、トレ−,キ
ャリアテ−プ等の成形品の表面に導電性被覆層及びその
上に更に撥水性熱可塑性樹脂層を積層形成させること、
及びフッ素系樹脂含有撥水性樹脂に導電性を付与した樹
脂組成物の層を形成されることにより、導電性と共に撥
水性を併有し、しかも成形品への成形性の良好な熱可塑
性樹脂シ−トを提供し得たことに技術的特徴がある。本
発明に係る撥水性及び導電性を有する熱可塑性樹脂シ−
ト類は、優れた水切れ性、従って純水による優れた洗浄
・乾燥性を有し、そのシ−トでつくられた成形物は、精
密機器及び電子部品の技術分野で使用するのに極めて有
用且つ望ましいものである。このように本発明に係る撥
水性及び導電性を有する熱可塑性樹脂シ−トは、実質的
にこれらの成形物を包含するものであり、以下単に本発
明シ−ト又は本発明のシ−トと略称することがある。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明のシ−トを構成する基材シ
−ト樹脂類は、加工されたシ−ト状物や成形物類を提供
し得る物性を有する熱可塑性樹脂であれば特に制限され
ないが、例えば、塩化ビニル系樹脂,ポリオレフィン樹
脂,塩化ビニリデン系樹脂,ポリカ−ボネ−ト,ポリビ
ニルアルコ−ル,ポリスチレン,ABS樹脂,AS樹脂
及びポリエチレンテレフタレ−トのようなポリエステル
系樹脂類を代表的に挙げることができる。これらの樹脂
は、通常、それらに添加使用されることが知られた添加
剤類を配合調整した組成物を用いて基材シ−トに成形さ
れる。また本発明においては、そのシ−ト表面に樹脂導
電層が積層状に形成されるので、その層との密着接合性
を高めるために基材樹脂シ−トの表面に、微細エンボス
処理を施したり、コロナ放電処理やプラズマ処理をする
ことができる。
【0008】また、上記基材シ−トの表面に形成される
導電性樹脂層には、基材樹脂シ−トと親和性のある熱可
塑性樹脂がバインダ−として使用され、そのバインダ−
樹脂に導電性付与量のカ−ボンが配合される。この導電
層の厚さは、カ−ボン含有割合によって多少変化する
が、通常、0.1 〜20μmの範囲が実用的である。その厚
さが不足すると、シ−ト表層の表面固有抵抗値が高くな
り、静電気が発生し易くなるので好ましくなく、厚すぎ
るとトレ−やキャリアシ−ト等の形成性が低下するので
不都合である。好ましい層厚は、0.5 〜10μmの範囲で
ある。
【0009】上記バインダ−樹脂に配合される導電性カ
−ボンとしては、通常知られたカ−ボン類が包含され、
例えば、ケッチェンブラック,ファ−ネスブラック,チ
ャンネルブラック及びアセチレンブラックなどが挙げら
れる。これらの導電性カ−ボンは、通常、0.05〜1μm
程度の粒子径のものが好適に使用される。また、そのカ
−ボン配合量は、バインダ−樹脂 100重量部当たり15〜
35重量部の範囲が実用的である。配合添加量が15重量部
未満では、満足し得る導電性が得られ難く、表面抵抗値
が高くなって静電気が発生し易くなるので好ましくな
い。また、35重量部を超えると層形成性が低下してトレ
−やキャリアシ−ト等の形成に不適切となる。導電性カ
−ボンの好ましい配合量は、バインダ−樹脂 100重量部
当たり18〜30重量部である。
【0010】本発明の第一のシ−トの基材シ−トの表面
に形成される導電層のバインダ−樹脂としては、例え
ば、酢酸ビニル系樹脂,スチレン系樹脂,(メタ)アク
リル系樹脂,エチレン系樹脂,塩化ビニル系樹脂,塩化
ビニリデン系樹脂,ポリエステル系樹脂,ポリウレタン
系樹脂,ポリビニルアルコ−ル系樹脂及びエポキシ系樹
脂などが挙げられる。これらのバインダ−樹脂類は、基
材樹脂シ−トに親和性を有することが重要であって、基
材シ−トの樹脂に対して自由に選択して組合わされる
が、通常、同じ又は同類の樹脂の組合せが有利に採用さ
れる。また、バインダ−樹脂は、単独種でもよいが、必
要に応じて、こられの樹脂の二種以上を組合せた樹脂組
成物として使用することができ、また、それらの構成単
位としての単量体の複数種を重合させた共重合体類も好
適に使用できる。
【0011】導電層を形成するバインダ−樹脂として好
都合に使用し得る、特に好ましい熱可塑性樹脂は、アク
リル・ウレタン系樹脂である。この系統の樹脂類は、疎
水性樹脂一般に対して親和性を有するので極めて好都合
である。その具体例として、例えば、メチル(メタ)ア
クリレ−ト,エチル(メタ)アクリレ−ト,イソブチル
(メタ)アクリレ−ト,n−ヘキシル(メタ)アクリレ
−ト,(メタ)アクリルアミドなどのアクリル系単量体
と、ポリエ−テル系,ポリエステル系,ポリカ−ボネ−
ト系やエポキシ変性タイプのウレタン化合物との共重合
体、又は前記アクリル系単量体から得られたアクリル系
樹脂とウレタン化合物から得られたウレタン樹脂とのプ
ラスチックアロイ、あるいは上記共重合体とプラスチッ
クアロイとの混合物が挙げられる。
【0012】更に、上記導電層の面に積層状に適用され
る撥水層の形成に用いられる熱可塑性樹脂としては、例
えば、テトラフルオロエチレン,ヘキサフルオロプロピ
レン,ビニリデンフロライド,ポリクロルトリフルオロ
エチレン,フッ化ビニル及び三フッ化エチレン等の単量
体類の単独重合体又は二種以上の二元,三元あるいはそ
れ以上の多元共重合体類が包含される。これらの樹脂で
形成される撥水層の厚さは、実用的には、0.1 〜20μm
の範囲が有利に採用される。0.1 μmより薄いと満足し
得る撥水効果が得られず、20μmを超えると表面抵抗値
が高くなり導電性が低下するので不都合である。好まし
い厚さは、0.2 〜10μmの範囲である。
【0013】これらの導電性カ−ボン含有導電層を基材
シ−ト表面に形成させる方法は、バインダ−樹脂を溶解
する有機溶剤に溶解させてカ−ボンの所定量を加えて均
質に混合し、これを通常知られた塗布手段、例えば、グ
ラビアコ−ト,グラビアリバ−スコ−ト,シルクコ−
ト,バ−コ−ト,スプレ−法や浸漬法等等を用いて、そ
の乾燥層厚が上記範囲内になるように、塗布量をコント
ロ−ルして塗布,乾燥される。撥水層の形成もまた同様
に、フッ素系樹脂を溶剤に溶解した溶液を塗布し、乾燥
して形成される。
【0014】また、本発明の第二のシ−トは、非導電性
熱可塑性基材シ−トの表面に、フッ素系樹脂と熱可塑性
樹脂との混合樹脂、又はフッ素系単量体を共単量体とし
て共重合させたフッ素含有共重合体樹脂に、該樹脂 100
重量部当たり15〜35重量部の範囲内の導電性カ−ボンを
含有せしめた導電性組成物を 0.1〜20μmの厚さの被覆
層に形成させて成るものである。この導電性被覆層は、
フッ素系樹脂と熱可塑性樹脂との混合樹脂バインダ−の
場合には、0.5 〜10μmの厚さが好ましく、フッ素含有
共重合体の場合には、0.1 〜20μmの厚さが好ましい。
上記フッ素系樹脂混合物は、本発明の第一のシ−トの導
電性樹脂 100重量部にフッ素系樹脂を10〜200 重量部添
加してなる撥水性能を付与させた混合物が包含される。
上記添加量が10重量部未満では充分な撥水効果が得られ
ず、200 重量部以上では、満足し得る導電性が得られな
いので不都合である。また、フッ素含有共重合体の場合
には、第一のシ−トの導電性樹脂 100重量部に10〜200
重量部を添加した樹脂組成物が包含される。この範囲量
を逸脱する添加量では、同様に、撥水性や導電性が不足
するので好ましくない。
【0015】本発明のシ−トには、基材シ−トの一方の
面又は両方の面に表面全面にわたって導電性と撥水性を
併有する被覆層を形成させることができるが、本発明の
それらのシ−トは、使用対象や使用方法等によって適宜
使い分けられる。例えば、片方の面に積層したものは、
大型導電トレ−,ブリスタ−パック,マガジンパック等
に好都合に使用され、両面に積層層を形成したものは、
小型積重ねトレ−,キャリアテ−プ,タブテ−プ等の成
形物として有用である。このように本発明のシ−トは、
上記のような精密機器や特に、各種電子部品類の容器等
として好適に使用される。
【0016】
【実施例】次に、具体例により、本発明を更に詳細に説
明する。なお、具体例中の%及び部数は、特に、記載が
ない限り重量による。
【0017】実施例 1 厚さ0.7 mmのポリエステル樹脂基材シ−ト(長瀬産業
社製の商品名:NAGASE A−PET SHEET
タイプN)の両面に、導電層及び撥水層を積層形成さ
せた。導電層は、ポリエステル系樹脂に、その100 重量
部に対し、導電性カ−ボンとしてケッチェンブラック
(平均粒子径 0.3μm)18重量部を加え、シクロヘキサ
ンとMEKの等容量混合溶剤1000重量部に加えて調製し
たカ−ボン含有樹脂液をグラビアコ−タ−で基材シ−ト
表面に6μmの厚さに塗布し、乾燥させて厚さ 0.6μm
の導電層を得た。また、その導電層の面に、ポリ塩化ビ
ニル樹脂の5%溶液をグラビアコ−タ−で約6μmの厚
さに塗布し、乾燥させて、厚さ0.3 μmの撥水層を積層
状に形成させた。この操作をシ−ト裏面にも同様に行っ
て導電層及び撥水層を形成させた。得られたシ−トは、
電子部品等の容器として優れた表面導電性及び撥水,乾
燥性を有するものであった。また、そのシ−トのキャリ
アテ−プへの加工性は極めて良好であった。
【0018】なお、シ−ト及びその成形品の導電性及び
撥水性はそれぞれ次の測定機を用いて、表面固有抵抗及
び接触角として測定し、評価した。 [導電性] 「表面固有抵抗」:表面をコンパレ−タ−付き表面抵抗
計(三菱化学社製のMCP−TESTER)で測定。 [撥水性] 「接触角」 :表面を接触角計(共和界面科学社製のC
A−X型)で測定。
【0019】導電性及び撥水性並びにシ−トの成形性に
ついての評価は、次の通りである。 [導電性の評価] ○:表面固有抵抗値が、1×104 Ω〜1×1010Ωの範囲
のもの ×:表面固有抵抗値が、1×104 Ω未満又は1×1010Ω
より大きいもの [撥水性の評価] ○:接触角が75°以上 ×:接触角が75°未満 更に、この撥水性は、50℃の洗浄水を超音波洗浄器に用
意し、シ−ト及び成形品を洗浄水中に1分間浸漬させ、
その後、これを取出した時の水切れを目視によって判断
することもできる。
【0020】[成形性]シ−トを送り込んで成形された
キャリアテ−プの底面の厚みやテ−プの送りピッチを目
視で判断し、次の判定基準によって評価した。 ○:成形品の底面の厚みの変化が少なく、偏肉が少な
い。キャリアテ−プの送りピッチが正確。 ×:成形品の底面の厚みの変化が大きく、偏肉が大き
い。キャリアテ−プの送りピッチにバラツキがある。
【0021】実施例 2 厚さ0.3 mmのポリスチレン基材シ−ト(電気化学工業
社製の商品名:クリアレン)の両面に、導電層及び撥水
層を積層形成させた。導電層として、アクリル−ウレタ
ン系樹脂と、その100 重量部に対し、平均粒子径 0.3μ
mのケッチェンブラック18重量部とをMEKとトルエン
の混合溶剤1000重量部に加えて均質な混合液を調製し
た。これをグラビアコ−タ−を使用して、ポリスチレン
基材シ−ト表面に6μmの厚さに塗布し乾燥させて、厚
さ 0.6μmの導電層を得た。また、その導電層の面に、
ポリ塩化ビニル樹脂の5%THF溶液をグラビアコ−タ
−を用いて約6μmの厚さに塗布し、乾燥させて厚さ
0.3μmの樹脂撥水層を形成させた。この操作をシ−ト
裏面にも同様に操作して、導電層及び撥水層を積層状に
形成させた。得られたシ−トは、電子部品等の容器とし
て優れた表面導電性及び撥水,乾燥性を有し、そのシ−
トのキャリアテ−プへの加工性は良好であった。
【0022】比較例 1 実施例1において、基材シ−トの両面に形成させた導電
層のそれぞれの乾燥厚さを0.05μmに形成させた以外
は、全く同様にして導電層と撥水層を積層形成させた。
得られたシ−トは、成形性及び撥水性は優れていたが、
導電性の劣るものであった。
【0023】比較例 2 実施例1において、基材シ−トの両面に形成させた導電
層の厚さを20μmにした以外は、全く同様にして両面積
層シ−トを製造した。得られたシ−トは、導電製及び撥
水性に優れているが、成形性が劣っていた。
【0024】比較例 3 実施例1において、基材シ−トの両面に、厚さ0.01μm
の撥水層を形成させた以外は、全く同様にして両面積層
シ−トを製造した。得られたシ−トは、導電性及び成形
性に優れているが、撥水性の劣るものであった。
【0025】比較例 4 実施例1において、基材シ−トの両面に、厚さ5μmの
撥水層を形成させた以外は、全く同様にして両面積層シ
−トを製造した。得られたシ−トは、成形性及び撥水性
に優れているが、導電性の劣るものであった。
【0026】実施例 3 厚さ0.7 mmのポリエステル樹脂基材シ−ト(長瀬産業
社製の商品名:NAGASE A−PET SHEET
タイプN)の表裏両面に、ポリエステル系樹脂に、そ
の100 重量部に対し、導電性カ−ボンとして平均粒子径
0.3μmのケッチェンブラック15重量部及びフッ素系樹
脂(住友スリ−エム社製の商品名:THV200P)50重
量部をMEK 500重量部に希釈した後、これをグラビア
コ−タ−を使用して、約3μmの厚さに塗布し、乾燥さ
せて、厚さ 0.8μmの導電撥水性層を得た。得られたシ
−トは、電子部品等の容器として優れた表面導電性及び
撥水,乾燥性を有するものであり、そのシ−トのキャリ
アテ−プ等への成形品加工性も優れていた。
【0027】実施例 4 実施例3と同様にして、ポリエステル基材シ−トへの被
覆層形成材料として、ポリエステル系樹脂にフッ素系単
量体をグラフト共重合させた樹脂と該樹脂 100重量部に
対し、導電性カ−ボンとして平均粒子径 0.3μmのケッ
チェンブラック18重量部を溶剤1000重量部に加えた液を
基材シ−トにコ−ティングし、乾燥させて厚さ 0.5μm
の被覆層を得た。このシ−トは、導電性,成形性及び撥
水性に優れていた。
【0028】比較例 5 実施例3において、ポリエステル基材シ−トの両面に、
厚さが 0.1μmの乾燥塗膜を形成させた以外は、全く同
様にして撥水層及び導電層を積層したシ−トを形成させ
た。得られたシ−トは、成形性に優れているが、導電性
及び撥水性には劣っていた。
【0029】比較例 6 比較例5において、ポリエステル基材シ−トの両面に、
厚さ15μmの乾燥塗膜を形成させた以外は、全く同様に
操作して撥水性及び導電性のシ−トを形成させた。得ら
れたシ−トは、導電性及び撥水性に優れているが、成形
性は劣るものであった。
【0030】比較例 7 比較例5と同様に操作して、ポリエステル基材シ−トの
両面に、厚さ0.05μmの乾燥塗膜を形成させた。得られ
たシ−トは、成形性に優れているが、導電性及び撥水性
には劣っていた。
【0031】比較例 8 比較例5と同様に操作して、ポリエステル基材シ−トの
両面に、厚さ30μmの乾燥塗膜を形成させた。得られた
シ−トは、導電性及び撥水性に優れているが、成形性に
劣るものであった。
【0032】比較例 9 実施例1において、厚さ 0.3mmのポリエステル基材シ
−トの両面に、導電層として厚さ 0.6μmの乾燥塗膜を
形成させた。得られたシ−トは、導電性及び成形性に優
れているが撥水性に劣るものであった。
【0033】比較例 10 実施例2において、厚さ 0.3mmのポリスチレン基材シ
−トの両面に、導電層として、厚さ 0.6μmの乾燥塗膜
のみを形成させた。得られたシ−トは、導電性及び成形
性に優れているが撥水性に劣るものであった。
【0034】比較例 11 厚さが 0.7mmの前記ポリスチレン基材シ−トについ
て、上記各種項目の測定し評価項目を調べた。その結
果、成形性及び撥水性に優れているが、導電性の劣るこ
とが確認された。
【0035】上記実施例及び比較例で得られたそれぞれ
のシ−ト及び成形品についての測定値及び判定評価を下
掲表1及び表2にまとめた。表1は、疎水性熱可塑性樹
脂基材シ−トの表面に導電層及び撥水層の二層を積層形
成させた熱可塑性樹脂シ−ト及びその成形物についてま
とめ、また、表2は、単層被覆層の熱可塑性樹脂シ−ト
についてまとめた。なお、両表に、比較を容易にするた
めに、比較例9〜11を併記した。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【発明の効果】本発明の撥水性と導電性を有するプラス
チックシ−ト及び成形加工品は、純水洗浄,乾燥性に優
れるので、微細なほこりやごみ等を嫌うICなどの精密
電子部品用導電トレ−やキャリアテ−プとして、あるい
は精密機械類の容器等として極めて有用であり、本発明
の実用的価値は高い。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂基材シ−トの表面に、熱可
    塑性樹脂100重量部に対し15〜35重量部の範囲内
    の導電性カ−ボンを含有する熱可塑性樹脂組成物の導電
    層及びその上に撥水性熱可塑性樹脂層を順次積層してな
    ることを特徴とする撥水性及び導電性を有する熱可塑性
    樹脂シ−ト。
  2. 【請求項2】 前記熱可塑性樹脂導電層が 0.1〜20μm
    の範囲内の厚さに、また撥水性熱可塑性樹脂層が、0.05
    〜2μmの範囲内の厚さに形成されることを特徴とする
    請求項1に記載の熱可塑性樹脂シ−ト。
  3. 【請求項3】 非導電性熱可塑性基材シ−トの表面に、
    フッ素系樹脂と熱可塑性樹脂との混合樹脂又はフッ素系
    単量体を共単量体として共重合させたフッ素含有共重合
    体に、該樹脂100重量部当たり15〜35重量部の範
    囲内の導電性カ−ボンを含有せしめた組成物の被覆層を
    0.1 〜20μmの厚さに形成させたことを特徴とする請求
    項1に記載の熱可塑性樹脂シ−ト。
JP28185997A 1997-10-15 1997-10-15 撥水性及び導電性を有する熱可塑性樹脂シ−ト Pending JPH11115112A (ja)

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JP28185997A Pending JPH11115112A (ja) 1997-10-15 1997-10-15 撥水性及び導電性を有する熱可塑性樹脂シ−ト

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JP (1) JPH11115112A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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