JPH11115096A - 樹脂積層金属板およびその製造方法 - Google Patents

樹脂積層金属板およびその製造方法

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JPH11115096A
JPH11115096A JP28153797A JP28153797A JPH11115096A JP H11115096 A JPH11115096 A JP H11115096A JP 28153797 A JP28153797 A JP 28153797A JP 28153797 A JP28153797 A JP 28153797A JP H11115096 A JPH11115096 A JP H11115096A
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layer
resin
sheet
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metal plate
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JP28153797A
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Tetsuo Horiuchi
哲雄 堀内
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Mitsubishi Plastics Inc
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Mitsubishi Plastics Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 (1)長期間に亘って高温多湿下で使用して
も、層間剥離が生じ難く、耐久性に優れた樹脂積層金属
板(化粧鋼板)、および、(2)その樹脂積層金属板(化
粧鋼板)の工業的有利な製造を提供する。 【解決手段】 金属板の表面に、接着剤層(A)、塩化
ビニル樹脂層(B)、印刷インキ層(C)、接着剤層
(D)、ポリエステル樹脂層(E)の順に構成されてな
る樹脂積層シートであって、塩化ビニル樹脂層(B)と
印刷インキ層(C)に含有される有機溶剤の量が、20
0mg/m2以下にされてなる樹脂積層金属板を特徴とす
る。 【効果】 上記課題が解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂積層金属板お
よびその製造方法に関する。さらに詳しくは、鮮映性が
優れ、特に浴室ユニット壁面材および天井材のように、
長期間に亘って高温多湿環境下で使用され、耐久性が要
求される用途に好適な樹脂積層金属板およびその製造法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、金属板の表面に樹脂フィルムまた
はシート(以下、単に「樹脂シート」または「シート」
ということがある)を積層した化粧鋼板は、電気製品用
資材、建築用資材その他各種の分野で広く用いられてい
る。化粧鋼板は、金属板の表面に積層された樹脂シート
により意匠性が付与されるが、近年、印刷を施した樹脂
シートの表面に透明な樹脂フィルムを積層して、深み感
と表面の平滑性により、光沢感があり優れた意匠性を有
する樹脂積層金属板(以下、「化粧鋼板」ということが
ある。)が実用化されている。
【0003】金属板の表面に樹脂シートを積層した化粧
鋼板の積層用樹脂シートとしては、印刷を施した塩化ビ
ニル樹脂製のシートが用いられることが多い。この塩化
ビニル樹脂製のシートの上に積層される透明な樹脂フィ
ルムとしては、化粧鋼板の使用目的に応じて、塩化ビニ
ル樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル系樹脂などのフィ
ルムから選択される。中でもポリエステル系樹脂フィル
ムは、表面硬度が高く耐溶剤性にも優れることから、広
く使用されている。
【0004】金属板の表面に樹脂シートを積層した樹脂
積層金属板を製造する際には、樹脂シートを加熱する
が、この際、印刷層および塩化ビニル樹脂シート中に残
留している有機溶剤分が気化することがある。この有機
溶剤分は、印刷層を設ける際に用いられる印刷インキに
由来するものであることから、塩化ビニル樹脂製のシー
ト中での有機溶剤の分布は、シートの印刷層寄りに多く
含まれるものと考えられ、有機溶剤分の気化は主に印刷
層付近で発生すると考えられる。
【0005】製品の樹脂被覆金属板の表層の透明樹脂シ
ートが、有機溶剤の透過性に優れているかまたは吸収し
やすいものである場合には、気化した成分は表層の透明
樹脂シートを透過して層外に移動したり、表層の透明樹
脂シートに吸収されて問題とはならないが、ポリエステ
ル系樹脂のように有機溶剤を透過しにくく、かつ吸収し
にくい樹脂フィルムの場合には、残留有機溶剤がこれら
の層の界面に滞留し、層間での小さな気泡の生成、剥が
れなどの原因になることがある。
【0006】特に、樹脂積層金属板の光沢感を向上させ
るために、印刷インキにパールやマイカ、アルミニウム
などメタリック感のある外観の印刷面が得られる無機系
の添加物を配合した場合には、これらの無機物の周辺に
微少な空隙が形成され易く、この微少な空隙を起点とし
てポリエステル樹脂シートの浮き上がりを生じることが
多かった。また、このような製品は、仮に金属板との積
層の際に肉眼で判別できるような浮きあがり現象がない
場合でも、沸騰水に浸漬すると、容易に層の界面に小さ
な気泡が生成したり、ポリエステル樹脂層の浮き上がる
などの欠点があった。
【0007】このような欠点を排除する方法として、印
刷インキの塗布量を減らして残留する有機溶剤量を減少
させたり、パールやマイカ、アルミニウムなどのいわゆ
るメタリック感のある外観の印刷を避けるなどの方法が
ある。しかし、後者の場合は意匠性に乏しくなり、製品
は魅力に欠け商品価値が低下するという欠点があった。
更には、印刷層を耐溶剤性に優れたポリエステル樹脂シ
ートの裏面側に設ける方法が用いられることがあるが、
この場合は印刷層を設けた後、容易に有機溶剤分を除去
できるためこのような問題はないが、専用の印刷装置を
用いる必要があるため、価格が高くなったり、量産性に
欠けるなどの不利な点がある。
【0008】
【発明が解決しようとした課題】本発明は、このような
従来技術の上記欠点を排除した方法を提供することを目
的として鋭意検討の結果、本発明を完成するに至ったも
のである。本発明の目的は、次の通りである。 1.長期間に亘って高温多湿環境下で使用しても、層間
剥離が生じ難く、耐久性に優れた樹脂積層金属板(化粧
鋼板)を提供すること。 2.上記樹脂積層金属板(化粧鋼板)を工業的に有利に
製造する方法を提供すること。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明では、金属板の表面に複数層より構成される
樹脂積層シートが積層されてなる樹脂積層金属板におい
て、上記の樹脂積層シートが、接着剤層(A)、塩化ビ
ニル樹脂層(B)、印刷インキ層(C)、接着剤層
(D)、ポリエステル樹脂層(E)の順に構成されてな
り、かつ、上記(B)層および(C)層に含有される有
機溶剤の量が、200mg/m2以下とされてなることを特
徴とする、樹脂積層金属板を提供する。
【0010】本発明では、さらに、金属板の表面に複数
層より構成される樹脂積層シートが積層されてなる樹脂
積層金属板を製造するにあたり、上記の樹脂積層シート
が、接着剤層(A)、塩化ビニル樹脂層(B)、印刷イ
ンキ層(C)、接着剤層(D)、ポリエステル樹脂層
(E)の順に構成し、かつ、(C)層および(B)層に
含有される有機溶剤の沸点をTw℃、(B)層を構成す
る樹脂の溶融温度をTb℃とするとき、予め(C)層の
施された(B)層を、式、Tw≦T≦Tb、を満たす樹
脂温度T℃に再加熱し、有機溶剤量を200mg/m2以下
とした後、(D)層および(E)層の順に積層すること
を特徴とする、樹脂積層金属板の製造方法を提供する。
【0011】
【発明の実施の態様】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係る樹脂積層金属板おいて金属板とは、ステン
レス板、溶融亜鉛メッキステンレス板、ニッケルメッキ
ステンレス板、錫メッキステンレス板、アルミニウム
(合金)板などが挙げられる。金属板の厚さには特に制
限がないが、1〜5mmの範囲で選ぶことができる。
【0012】本発明に係る樹脂積層金属板は、上記金属
板の表面に複数層より構成される樹脂積層シートが積層
されてなる。樹脂積層シートは、接着剤層(A){以
下、単に(A)層ということがある}、塩化ビニル樹脂
層(B){以下、単に(B)層ということがある}、印
刷インキ層(C){以下、単に(C)層ということがあ
る}、接着剤層(D){以下、単に(D)層ということ
がある}、ポリエステル樹脂層(E){以下、単に
(E)層ということがある}の順に構成されてなる。
【0013】塩化ビニル樹脂層(B)は、硬質、半硬質
および軟質の塩化ビニル樹脂組成物より製造される。塩
化ビニル樹脂を半硬質、軟質とするには、可塑剤を配合
すればよい。可塑剤の種類には特に制限がなく、代表的
なものとしてはジオクチルフタレート(DOP)、ジベ
ンジルフタレート、ジブチルフタレート、ブチルベンジ
ルフタレート、ジブチルフマレートなどが挙げられる。
塩化ビニル樹脂層(B)のシートは、その厚さは印刷イ
ンキ層(C)を設けることができる厚さであればよく、
通常80〜250μmの範囲で選ばれる。中でも、10
0〜150μmの範囲が経済的にも好ましい。
【0014】印刷インキ層(C)は、製品の樹脂積層金
属板の意匠性を向上させるように機能をする。印刷イン
キには、ビニル系、アクリル系、ウレタン系などのビヒ
クルに金属粉、無機系、有機系顔料などを練り込んだも
のが好適である。印刷インキは、印刷に適した粘度に調
整するため、有機溶剤によって希釈するのが好ましい。
有機溶剤としては、トルエン、キシレン、酢酸エチル、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、イソブ
タノールなどが挙げられる。
【0015】塩化ビニル樹脂層(B)の上には印刷イン
キ層(C)を形成する。この(B)層の上に(C)層を
形成するには、グラビアロールなどにより印刷する方法
が採用される。印刷した後には、印刷面を温風および赤
外線ヒーターによる乾燥し、キュアされる。乾燥する際
の温度は、通常、塩化ビニル樹脂の軟化点以下の温度で
行われるので、印刷インキに含まれる有機溶剤分の沸点
に達することはなく、印刷インキ層の内部および(B)
層と(C)層との界面付近には溶剤分が多く含んだ状態
となっていることが多い。印刷インキ層(C)を形成し
た塩化ビニル樹脂層(B)は、ポリエステル樹脂層
(E)と積層する迄に、一旦ロール状に巻回して保管さ
れるのが一般的であり、ロール状にして保管されている
状態では、有機溶剤分が揮発することはなく、蓄積され
たまま残存することになる。
【0016】樹脂積層シートを形成するポリエステル樹
脂層(E)は、印刷インキ層(C)を視認するためには
透明であることが好ましく、可視光線透過率が85%以
上であると印刷柄の鮮映性が優れるので特に好ましい。
(E)層の厚さは、塩化ビニル樹脂層との積層作業が容
易に遂行されるのであればよく、通常は20〜100μ
mの範囲で選ばれる。
【0017】樹脂積層シートは、上記(B)層の上に
(C)層を形成し、さらにその上に(E)層を形成する
際に、接着剤による接着剤層(D)を形成し接着する。
(D)層を形成する接着剤としては、プラスチックフィ
ルム同士を接着する際に従来から知られている接着剤が
使用できる。具体的には、ポリエステル系接着剤、アク
リル系接着剤、エポキシ系接着剤、酢酸ビニル系接着剤
などが挙げられる。(D)層は、異なる接着剤で複層に
形成することもできる。(C)層の上に接着剤層(D)
を形成しこの上にポリエステル樹脂層(E)を積層する
には、(D)層の種類により種々変わるが、ドライラミ
ネーション、ヒ−トラミネーションなどによることがで
きる。
【0018】本発明に係る樹脂積層金属板を製造するに
は、まず、上記の様に(B)層の上に(C)層、(D)
層および(E)層を順次積層した樹脂積層シートとする
が、(E)層に(D)層を形成し、(B)層の上に形成
した(C)層に積層する方法が採られる。この方法によ
ると、(C)層の形成された塩化ビニル樹脂層(B)が
有機溶剤分の沸点以上に加熱されることは少ない。
【0019】本発明に係る樹脂積層金属板を製造するに
は、次に、金属板の表面に上記4層よりなる樹脂積層シ
ートを積層する。この際、両者の間に接着剤層(A)を
介在させて積層する。金属板と樹脂積層シートの(B)
層との間に介在させる接着剤は、接着剤層(D)を形成
する接着剤と同種であってよい。接着する際の温度条件
は、通常200℃前後で行われるが、このとき印刷イン
キ層(C)、塩化ビニル樹脂層(B)に含まれる有機溶
剤分が加熱により気化する。
【0020】このとき、印刷インキ層(C)は接着剤層
(D)を介してポリエステル樹脂層(E)に覆われてい
るため、気化した有機溶剤分は印刷インキ層(C)は接
着剤層(D)中に微少な気泡を形成することとなる。溶
剤分が多量の場合にはこの気泡が(E)層の裏面に沿っ
て連続したものとなり、(E)層剥離の原因となった
り、剥離には至らない場合であっても、常温では気泡は
微少なものとなるものの、(E)層の裏面に残ることに
なる。
【0021】(E)層の裏面に残存した微少な気泡は、
通常の環境下においては使用上何ら支障とはならない
が、高温多湿環境、特に浴室ユニットの壁面および天丼
材などに用いられる場合、耐久性の目安を評価する沸騰
水浸漬試験において、この微少な気泡を起点としてポリ
エステル樹脂層(E)の剥離が生じ、製品の商品価値を
低下させる場合がある。このような剥離の発生を防止す
るためには、印刷インキ層(C)の形成された塩化ビニ
ル樹脂層(B)から有機溶剤分を微少な気泡を形成しな
いレベルまで低減することが必要である。
【0022】(C)層の形成された塩化ビニル樹脂層
(B)から、有機溶剤分を低減させるためには、本発明
方法ではロール状に巻回したものを巻き戻しつつ、含ま
れている有機溶剤分の沸点以上に再加熱{(C)層およ
び(B)層は、キュアのために加熱されているので、有
機溶剤を飛散させるための加熱を「再加熱」という}す
る。再加熱する方法としては、熱風炉、赤外線ヒーター
炉、加熱されたロールなどを通過させるなどがあるが、
再加熱する際に塩化ビニル樹脂層(B)の形状を元のま
まに維持するためには、塩化ビニル樹脂層(B)の融点
を超えてはならないという制約があるので、加熱された
ロールを通過させる方法が、温度調節が容易であるので
好適である。
【0023】実験によれば、再加熱により有機溶剤を飛
散させて上記(B)層および(C)層に含有される残存
量を200mg/m2以下とすると、製品に微少な気泡が発
生し難いことが分った。実験によれば、さらに、(C)
層および(B)層に含有される有機溶剤の沸点をTw
℃、(B)層を構成する樹脂の溶融温度をTb℃とする
とき、予め(C)層の施された(B)層を、式、Tw≦
T≦Tb、を満たす樹脂温度T℃に再加熱し、有機溶剤
量を200mg/m2以下とした後、(D)層および(E)
層の順に積層すると残留有機溶剤分が少なく、製品に微
少な気泡が発生せず、沸騰水浸漬試験において(E)層
の剥離が発生し難くなることが分った。再加熱する際の
温度を溶融温度をTb℃以下とすることにより、(B)
層の形状を元のままに維持することができ、(C)層お
よび(B)層に含有される有機溶剤の沸点をTw℃以上
とすることにより、有機溶剤を効果的に飛散させること
ができる。
【0024】図1は、本発明に係る樹脂積層金属板の厚
さ方向に直角に切断した断面の正面図である。図におい
て、1は金属板、2は接着剤層(A)、3は塩化ビニル
樹脂層(B)、4は印刷層(C)、5は接着層(D)お
よび6はポリエステル樹脂層(E)である。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体
的に説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、以
下の記載例に限定されるものではない。なお、以下の記
載例において、樹脂積層金属板の外観の評価試験は、次
に記載の方法で行ったものである。
【0026】(1)樹脂積層シート中の残留溶剤の定量分
析:ガスクロマトグラフィー法によって定量分析し、mg
/m2で表示した。 (2)樹脂積層金属板の外観:製品を肉眼で観察し、判定
基準を実用上有害な欠陥がないものを○、実用上支障が
あるものを×、としてそれぞれ表示した。 (3)沸騰水に3時間浸漬後の外観:JIS A−441
0に規定されている耐煮沸性試験の方法に準拠し、95
℃以上の沸騰水に3時間浸漬した後、製品の外観を肉眼
で観察する方法で、判定基準は上記 (1)の場合と同様と
した。
【0027】[実施例1]塩化ビニル樹脂(重合度=1
000、溶融温度をTbは約185℃である)100重
量部に対し、可塑剤(DOP換算)28重量部、安定
剤、顔料を配合したものを原料とし、カレンダー成形法
で厚さ120μのシートを製造した。この塩化ビニル樹
脂のシート{(B)層}に表面に、トルエン、酢酸エチ
ル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、イ
ソブタノールなどの有機溶媒によって希釈されたパール
色のインキによって、グラビア印刷法によって印刷し、
抽象柄を印刷した。得られた印刷塩化ビニル樹脂シート
{(B)層に(C)層を形成したもの}に含まれ残留溶
剤分を分析し、その結果は、第1表に示した通りで、合
計447mg/m2であった。
【0028】この印刷塩化ビニル樹脂シート{(B)層
に(C)層を形成したもの}を、160℃に加熱した金
属ロールの表面に沿わせて30秒間加熱した。加熱後の
印刷塩化ビニル樹脂シートに含まれる残留溶剤分は、第
1表に示した通りで128mg/m2に減少していた。この
印刷塩化ビニル樹脂シートの(C)層の上に、可視光線
透過率が85%の2軸延伸ポリエステルフィルム(厚さ
25μ){(E)層}を、ウレタン系接着剤{(D)
層}を介して積層し、樹脂積層シートを得た。
【0029】この樹脂積層シートを、予めポリエステル
系接着剤層{(A)層}を塗布した溶融亜鉛メッキ鋼板
に200℃でロールで押圧しつつ積層して、製品の樹脂
積層金属板を得た。得られた製品の樹脂積層金属板は、
室温に長期間放置した状態では微少な気泡、フクレ、剥
離などの実用上有害な欠陥は生じなかった。また、この
樹脂積層金属板を上記の評価方法に従って95℃以上の
沸騰水に3時間浸漬したところ、同様に微少な気泡、フ
クレ、剥離などの実用上有害な欠陥は生じなかった。
【0030】[実施例2]塩化ビニル樹脂(重合度=1
000)100重量部に対し、可塑剤(DOP換算)2
3重量部、安定剤、顔料を配合したものを原料とし、カ
レンダー成形法で厚さ120μのシートを製造した。こ
の塩化ビニル樹脂のシート{(B)層}に表面に、トル
エン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトン、イソブタノールなどの有機溶媒によって希
釈されたパール色のインキによって、グラビア印刷法に
よって印刷し、茶系統色の石目柄を印刷した。得られた
(B)層と(C)層よりなる印刷塩化ビニル樹脂シート
に含まれ残留溶剤分の合計は、270mg/m2であった。
【0031】この印刷塩化ビニル樹脂シートを、実施例
1におけると同様にして加熱処理した。加熱後のシー卜
に含まれる残留溶剤分は、80mg/m2に減少していた。
このシートから、実施例1におけると同様の手順で、樹
脂積層金属板を作成した。得られた積層金属板は、室温
に長期間放置した状態では微少な気泡、フクレ、剥離な
どの実用上有害な欠陥は生じなかった。この樹脂積層金
属板を、実施例1におけると同様にして耐煮沸性試験を
実施したところ、同様に微少な気泡、フクレ、剥離など
の実用上有害な欠陥は生じなかった。
【0032】[比較例1]実施例1に記載の例におい
て、印刷塩化ビニル樹脂シートを金属ロールの表面に沿
わせての加熱処理をしなかった他は、同例におけると同
様の手順で樹脂積層金属板を作成した。得られた樹脂積
層金属板は、表層のポリエステル樹脂フィルムが部分的
に剥離が発生しており、実用に供することはできなかっ
た。
【0033】[比較例2]実施例2に記載の例におい
て、印刷塩化ビニル樹脂シートを金属ロールの表面に沿
わせての加熱処理をしなかった他は、同例におけると同
様の手順で樹脂積層金属板を作成した。得られた積層金
属板は、室温に長期間放置した状態ではフクレ、剥離な
どの実用上有害な欠陥は生じなかった。一方、この樹脂
積層金属板をJIS A−4410に規定されている耐
煮沸性試験の方法によって、95℃以上の沸騰水に3時
間浸漬したところ、端部から表層のポリエステル糸樹脂
フィルム{(E)層}に浮き上がりが生じており、外観
が悪く実用に供することはできなかった。なお、有機溶
媒の分析結果と、樹脂積層金属板の外観、沸騰水浸漬後
の外観の評価結果をまとめて表−1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】表−より、次のことが明らかとなる。 (1)本発明の実施例に係る樹脂積層金属板は、ポリエス
テルフィルム{(E)層}を積層する前に加熱すること
により、印刷塩化ビニル樹脂シートに残存する有機溶媒
量が200mg/m2以下となっているので、沸騰水浸漬試
験を行っても微少な気泡、フクレ、剥離などの実用上有
害な欠陥は生じない。 (2)これに対して、ポリエステルフィルム{(E)層}
を積層する前に加熱していない比較例のフィルムは、印
刷塩化ビニル樹脂シートに残存する有機溶媒量が200
mg/m2以上と多いので、沸騰水浸漬試験を行うと微少な
気泡、フクレ、剥離などの実用上有害な欠陥が生じる。
【0036】
【発明の効果】本発明は、次の様な特別に有利な効果を
奏し、その産業上の利用価値は極めて大である。 1.本発明に係る樹脂積層金属板(化粧鋼板)は、長期
間に亘って高温多湿環境下で使用されても、小さな気泡
や層間剥離が生じ難く、耐久性に優れている。 2.本発明に係る樹脂積層金属板の製造方法によれば、
予め(C)層の施された(B)層を、式、Tw≦T≦T
b、を満たす樹脂温度T(℃)に加熱し、有機溶剤量を
200mg/m2以下とした後、(D)層および(E)層の
順に積層するので、製品は長期間に亘って高温多湿環境
下で使用されても外観が変化せず、耐久性に優れた製品
が得られる。
【0037】3.本発明に係る樹脂積層金属板の製造方
法によれば、(C)層と(E)層との界面に微細な気泡
が生じることがないので、メタリック感のある外観の印
刷インクの使用を避ける必要がなく、意匠性に優れ商品
価値の高い樹脂積層金属板が得られる。 4.本発明に係る樹脂積層金属板の製造方法によれば、
(B)層の表面に予め(C)層を形成するので、(E)
層に印刷インキ層を形成する場合のように専用の印刷装
置を用いる必要がなく、従来の印刷装置を使用すること
ができ経済的に有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る樹脂積層金属板の厚さ方向に直
角に切断した断面の正面図である。
【符合の説明】
1:金属板 2:接着剤層(A) 3:塩化ビニル樹脂層(B) 4:印刷層(C) 5:接着層(D) 6:ポリエステル樹脂層(E)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属板の表面に複数層より構成される樹
    脂積層シートが積層されてなる樹脂積層金属板におい
    て、上記の樹脂積層シートが、接着剤層(A)、塩化ビ
    ニル樹脂層(B)、印刷インキ層(C)、接着剤層
    (D)、ポリエステル樹脂層(E)の順に構成されてな
    り、かつ、上記(B)層および(C)層に含有される有
    機溶剤の量が、200mg/m2以下とされてなることを特
    徴とする、樹脂積層金属板。
  2. 【請求項2】 金属板の表面に複数層より構成される樹
    脂積層シートが積層されてなる樹脂積層金属板を製造す
    るにあたり、上記の樹脂積層シートが、接着剤層
    (A)、塩化ビニル樹脂層(B)、印刷インキ層
    (C)、接着剤層(D)、ポリエステル樹脂層(E)の
    順に構成し、かつ、(C)層および(B)層に含有され
    る有機溶剤の沸点をTw℃、(B)層を構成する樹脂の
    溶融温度をTb℃とするとき、予め(C)層の施された
    (B)層を、式、Tw≦T≦Tb、を満たす樹脂温度T
    ℃に再加熱し、有機溶剤量を200mg/m2以下とした
    後、(D)層および(E)層の順に積層することを特徴
    とする、樹脂積層金属板の製造方法。
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JP28153797A Pending JPH11115096A (ja) 1997-10-15 1997-10-15 樹脂積層金属板およびその製造方法

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JP (1) JPH11115096A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007261113A (ja) * 2006-03-29 2007-10-11 Dainippon Printing Co Ltd 化粧シート
JP2007268854A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Dainippon Printing Co Ltd 化粧シート
JP2009108505A (ja) * 2007-10-26 2009-05-21 Panasonic Electric Works Bath & Life Co Ltd 浴室用壁パネル

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