JPH11114963A - レリーフ型回折光学素子製造用型 - Google Patents

レリーフ型回折光学素子製造用型

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JPH11114963A
JPH11114963A JP28475697A JP28475697A JPH11114963A JP H11114963 A JPH11114963 A JP H11114963A JP 28475697 A JP28475697 A JP 28475697A JP 28475697 A JP28475697 A JP 28475697A JP H11114963 A JPH11114963 A JP H11114963A
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relief
mold
optical element
relief type
type diffractive
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JP28475697A
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Takeshi Hidaka
猛 日高
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Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高効率のレリーフ型回折光学素子を容易に製
造できるレリーフ型回折光学素子製造用型を提供する。 【解決手段】 表面に複数のゾーンを有する所望のレリ
ーフ型回折光学素子を製造するのに用いる型5におい
て、所望のレリーフ型回折光学素子のレリーフ断面形状
を反転させたレリーフパターンの各ゾーンの谷部に空気
溜まり部22を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、表面に複数のゾ
ーンを有する所望のレリーフ型回折光学素子を製造する
のに用いる型に関するものである。
【0002】
【従来の技術】回折光学素子(DOE)は、優れた収差
補正能力を有し、光学系を小型軽量化できることから、
様々な分野でその応用が期待されている。このような回
折光学素子、例えばレンズ作用を有する回折レンズは、
図17に平面図を示すように、表面に同心円状の連続す
るレリーフパターンを形成することで実現できる。
【0003】ところで、回折光学素子は、一般に複数の
次数の回折光を生成するため、このような回折レンズ
を、例えば結像光学系に用いると、不要な回折光がゴー
ストやフレアーの原因となって好ましくない。その点、
レリーフ型の回折光学素子は、断面形状によって、生成
する複数の回折光の割合を制御することができる。例え
ば、断面形状を鋸歯形状にすれば、所望の次数の回折効
率をほぼ100%にすることができる。このように、実
用的なレリーフ型の回折光学素子を実現するためには、
その断面形状の制御が極めて重要な課題となる。
【0004】また、回折光学素子を様々な分野で実用的
に使用していくためには、安価に大量に生産できること
も重要な課題である。その点、レリーフ型回折光学素子
は、型を用いて製造できるので、量産性とコストとの両
方の要求を満たすことができる。なお、本明細書では、
レリーフ型回折光学素子のレリーフパターンの溝一つ一
つをゾーンと呼ぶことにする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
レリーフ型回折光学素子製造用型は、その断面形状が、
例えば図18に示すように、所望のレリーフパターンを
反転しただけの形状となっている。なお、図18に示す
断面形状は、図17に示すレリーフパターンのD−D′
線断面の形状に対応している。このため、この型1を用
いてレリーフ型回折光学素子を製造すると、図19に示
すレリーフパターンの転写工程で、型1の各ゾーンおよ
び中心部が成形材料で閉塞されると、ゾーンの谷部およ
び中心部に空気3が残留し、この残留空気3の影響でレ
リーフ型回折光学素子2の各ゾーンの山部および中心部
が転写されにくくなる。その結果、製造されたレリーフ
型回折光学素子2は、図20に示すように、各ゾーンの
山部および中心部が鋭角ではなく、丸み4を有する形状
となってしまう。
【0006】このようなレリーフ型回折光学素子2は、
その断面形状が所望の形状とは異なることから、所望の
特性が得られない。特に、上記のように、型1の断面形
状が角部を有する場合には、もともと成形材料は角部
(特に尖った角部)に進入しにくい性質を持つため、そ
の影響は大きい。したがって、図18に示した凸作用を
有するレリーフ型回折レンズ製造用の型に限らず、図2
1に示すような凹作用を有するレリーフ型回折レンズを
製造する型10においても、製造されるレリーフ型回折
レンズの各ゾーンの山部において同様の問題が生じるこ
とになる。
【0007】このような問題を解決する方法として、例
えば、成形材料であるガラスやプラスチックスの温度を
上げて粘性を低下させたり、形状を転写する際の押し込
み荷重を大きくすることや、真空加圧法で製造すること
が考えられる。しかし、成形材料の温度を上げたり、押
し込み荷重を大きくすると、型の耐久性の低下や、製造
されるレリーフ型回折光学素子内に歪みが残留し易くな
るという問題が生じ、また、真空加圧法では量産性の低
下や装置が複雑になるという問題が生じることになる。
【0008】この発明は、上述した従来の問題点に着目
してなされたもので、高効率のレリーフ型回折光学素子
を容易に製造できるよう適切に構成したレリーフ型回折
光学素子製造用型を提供することを目的とするものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に係る発明では、表面に複数のゾーンを有
する所望のレリーフ型回折光学素子を製造するのに用い
る型において、前記所望のレリーフ型回折光学素子のレ
リーフ断面形状を反転させたレリーフパターンの各ゾー
ンの谷部に空気溜まり部を設けたことを特徴とするもの
である。
【0010】このように、所望のレリーフ型回折光学素
子のレリーフ断面形状を反転させたレリーフパターンの
各ゾーンの谷部に空気溜まり部を設ければ、転写の際に
各ゾーンの谷部に残留しようとする空気は空気溜まり部
へ抜けることになる。したがって、この型を用いてレリ
ーフ型回折光学素子を製造すれば、空気溜まり部のない
従来の型を用いて製造する場合に比べて、成形される各
ゾーンの山部を、比較的低荷重の押し込み圧で、丸みの
ない鋭角な形状とすることができるので、高い光学性能
を有するレリーフ型回折光学素子を容易に得ることが可
能となる。このような効果は、例えば、図1に示すよう
なブレーズ化した凸型のレリーフ型回折レンズ7を製造
する場合に特に顕著となる。
【0011】この発明の一実施形態においては、上記の
空気溜まり部を、前記谷部に沿って連続的に設ける。
【0012】このように、空気溜まり部を各ゾーンの谷
部に沿って連続的に設ければ、谷部に残留しようとする
空気は谷部に対し均一に空気溜まり部へ抜けることにな
る。したがって、製造されるレリーフ型回折光学素子
は、その各ゾーンの山部がバラツキのない形状となる。
【0013】さらに、この発明の一実施形態において
は、上記の空気溜まり部を、前記谷部に沿って断続的に
設ける。
【0014】このように、空気溜まり部を各ゾーンの谷
部に沿って断続的に設ければ、空気溜まり部を連続的に
設ける場合に比べて、残留空気が抜けにくくなる。した
がって、成形時に比較的大きな荷重をかけることができ
るので、転写性を向上させることができる。
【0015】さらに、この発明の一実施形態において
は、レリーフパターンが中心谷部をも有する場合におい
て、上述したように各ゾーンの谷部に空気溜まり部を設
けるのに加えて、レリーフパターンの中心谷部にも空気
溜まり部を設ける。
【0016】このように、レリーフパターンの中心谷部
にも空気溜まり部を設ければ、型の各ゾーンの谷部およ
び中心谷部に残留して転写性を低下させようとする空気
が、空気溜まり部へ抜けるようになる。したがって、成
形される各ゾーンおよび中心の山部は、比較的低荷重の
押し込み圧で、だれのない鋭角な形状となるので、空気
溜まり部のない従来の型を用いた場合に比べて、中心部
が凸型形状の高い光学性能を有するレリーフ型回折光学
素子を容易に得ることができる。
【0017】さらに、請求項2に係る発明では、表面に
複数のゾーンを有する所望のレリーフ型回折光学素子を
製造するのに用いる型において、前記所望のレリーフ型
回折光学素子のレリーフ断面形状を反転させたレリーフ
パターンの各ゾーンに空気抜け穴を設けたことを特徴と
するものである。
【0018】このように、所望のレリーフ型回折光学素
子のレリーフ断面形状を反転させたレリーフパターンの
各ゾーンに空気抜け穴を設ければ、転写の際に各ゾーン
の谷部に残留して転写性を低下させようとする空気は、
空気抜け穴を通して型の外へ抜けることになる。したが
って、この型を用いてレリーフ型回折光学素子を製造す
れば、空気抜け穴のない従来の型を用いて製造する場合
に比べて、成形される各ゾーンの山部を、比較的低荷重
の押し込み圧で、丸みのない鋭角な形状とすることがで
きるので、高い光学性能を有するレリーフ型回折光学素
子を容易に得ることが可能となる。
【0019】この発明の一実施形態においては、各ゾー
ンに沿って連続的に細溝を設け、その細溝に前記空気抜
け穴を形成する。
【0020】このように構成すれば、転写時に各ゾーン
に残留しようとする空気は、そのゾーンに沿って型外部
へ容易かつ均一に抜けるので、成形される各ゾーンの山
部に形状のバラツキのないレリーフ型回折光学素子を容
易に製造することが可能となる。
【0021】さらに、この発明の一実施形態において
は、レリーフパターンが中心谷部をも有する場合におい
て、この中心谷部にも空気抜け穴を設ける。
【0022】このように、レリーフパターンの中心谷部
にも空気抜け穴を設ければ、型の各ゾーン谷部および中
心谷部に残留して転写性を低下させようとする空気は、
空気抜け穴を通して型の外へ抜けるので、空気抜け穴の
ない従来の型を用いてレリーフ型回折光学素子を製造す
る場合に比べて、比較的低荷重の押し込み圧で、成形さ
れる各ゾーンの山部を、鋭角でだれのない形状にするこ
とができ、高い光学性能を有する凸型形状のレリーフ型
回折光学素子を容易に製造することが可能となる。
【0023】さらに、請求項3に係る発明では、表面に
複数のゾーンを有する所望のレリーフ型回折光学素子を
製造するのに用いる型において、該作製用型が多孔質材
料からなることを特徴とするものである。
【0024】このように、レリーフ型回折光学素子作製
用型を多孔質材料をもって構成すれば、型の各ゾーン谷
部や中心谷部に残留して転写性を低下させようとする空
気は、型材を通して外へ抜けるので、多孔質材料以外の
材料で形成された従来の型を用いてレリーフ型回折光学
素子を作製する場合に比べて、比較的低荷重の押し込み
圧で、成形される各ゾーンの山部を、鋭角でだれのない
形状にすることができる。したがって、高い光学性能を
有するレリーフ型回折光学素子を容易に製造することが
可能となる。
【0025】この発明の一実施形態においては、上述し
たレリーフ型回折光学素子製造用型を用い、光学材料を
成形する工程を含んでレリーフ型回折光学素子を製造す
ることを特徴とするものである。
【0026】このようにすれば、高い光学性能を有する
レリーフ型回折光学素子を容易に得ることができる。
【0027】さらに、この発明の一実施形態では、上記
のように空気抜け穴を形成した型や多孔質材料で形成し
た型を用いてレリーフ型回折光学素子を製造するにあた
り、上記の空気抜け穴や多孔質材料の穴を通して型に空
気を送ったり、あるいは型から空気を吸引する工程を含
むことを特徴とするものである。
【0028】かかるレリーフ型回折光学素子の製造方法
によれば、例えば、レリーフ型回折光学素子を成形後、
空気抜け穴や多孔質材の孔を通して型に空気を送ること
により、レリーフ型回折光学素子を容易に離型すること
ができる。また、空気抜け穴や多孔質材の孔を通して型
から空気を吸引することにより、プレス成形用光学材料
を吸引力により容易に取り上げることができる。したが
って、レリーフ型回折光学素子製造の自動化を容易に行
うことができ、これにより高い光学性能のレリーフ型回
折光学素子を容易に得ることが可能となる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて、図面を参照して説明する。図2〜図4は、この発
明に係るレリーフ型回折光学素子製造用型の第1実施形
態を示すもので、図2は平面図、図3は図2のA−A′
線断面図、図4は図3の部分拡大図である。この型5
は、鋸歯断面形状の同心円状のレリーフパターンを有す
る凸型のレリーフ型回折レンズを製造するのに用いるも
ので、製造すべき所望のレリーフ型回折レンズのレリー
フ断面形状を反転させたレリーフパターンの各ゾーンの
谷部に形成した空気溜まり部22を有する。空気溜まり
部22は、各ゾーンの斜辺部20に対してわずかに窪ん
だ空間で構成し、各ゾーンの谷部の円周に沿って連続的
に形成する。また、レリーフパターンの中心谷部にも、
同様に、中心空気溜まり部16を形成する。
【0030】次に、この実施形態の型5を用いるレリー
フ型回折レンズの製造方法について、図5(a)〜図5
(d)を参照しながら説明する。先ず、図5(a)に示
すように、型5の上部にプレス成形用光学材料17を配
置して、該光学材料17および型5を加熱する。その
後、図5(b)に示すように、上部からプレス成形用光
学材料17の粘性、および該光学材料17と型5とのぬ
れ性に対して適当なプレス荷重を加えて、光学材料17
を各ゾーンに入り込ませて、所望の形状を転写する。
【0031】ここで、プレス成形用光学材料17が各ゾ
ーンに入り込んで所望の形状に転写される際、各ゾーン
の谷部には転写の妨げとなる空気(残留空気3)が残留
しようとするが、この残留空気3は、図5(c)に示す
ように、空気溜まり部22に溜まるので、転写の妨げと
はならない。同様に、中心谷部に残留しようとする空気
も、中心空気溜まり部16に溜まり、転写の妨げになる
ことはない。さらに、上部から適当なプレス荷重を加え
ているので、谷部に入り込んだ光学材料17の表面は、
表面張力等によりゾーン谷部空間の空気溜まり部22の
ほぼ入り口付近で保持され、その角部はほぼ所望の形状
となる。したがって、転写終了後、プレス成形用光学材
料17および型5を冷却してから、図5(d)に示すよ
うに離型すれば、所望の鋸歯断面形状を有する凸型のレ
リーフ型回折レンズ7を得ることができる。
【0032】このように、この実施形態によるレリーフ
型回折レンズ製造用型5を用いてレリーフ型回折レンズ
を製造するようにすれば、型5のレリーフパターンをプ
レス成形用光学材料17に転写する際に、型5の各ゾー
ンの谷部および中心谷部に残留しようとする空気3は、
空気溜まり部22および中心空気溜まり部16にそれぞ
れ溜まることになるので、転写パターンの断面形状を容
易に高精度で制御することができる。したがって、良好
な光学性能を有する凸型の所望のレリーフ型回折レンズ
7を容易に製造することができる。
【0033】図6は、この発明に係るレリーフ型回折光
学素子製造用型の第2実施形態を示す断面図である。こ
の型11は、鋸歯断面形状の同心円状のレリーフパター
ンを有する凹型のレリーフ型回折レンズを製造するのに
用いるもので、第1実施形態におけると同様に、製造す
べき所望の凹型のレリーフ型回折レンズのレリーフ断面
形状を反転させたレリーフパターンの各ゾーンの谷部
に、空気溜まり部22を形成する。なお、この型11
は、凹型のレリーフ型回折レンズ製造用型で、中心に谷
部がないので、ここには空気溜まり部を設ける必要がな
い。
【0034】したがって、この実施形態による型11を
用いて、凹型のレリーフ型回折レンズを製造するように
すれば、第1実施形態で説明したと同様の作用により、
良好な光学性能を有する凹型の所望のレリーフ型回折レ
ンズを容易に得ることができる。
【0035】図7〜図9は、この発明に係るレリーフ型
回折光学素子製造用型の第3実施形態を示すもので、図
7は平面図、図8は図7のB−B′線断面図、図9は図
8の部分拡大図である。この型8は、鋸歯断面形状の同
心円状のレリーフパターンを有する凸型のレリーフ型回
折レンズを製造するのに用いるもので、製造すべき所望
のレリーフ型回折レンズのレリーフ断面形状を反転させ
たレリーフパターンの各ゾーンの谷部の対称な2箇所
に、それぞれ外部に連通して形成した空気抜け穴19を
有する。なお、各空気抜け穴19は、ゾーン幅に比べて
充分小さい径で形成する。また、レリーフパターンの中
心谷部にも、同様に、充分小さい径の中心空気抜け穴2
1を形成する。
【0036】この型8によれば、そのレリーフパターン
をプレス成形用光学材料に転写する際に、型8の各ゾー
ン谷部および中心谷部に残留して転写性を低下させよう
とする空気は、それぞれ空気抜け穴19および中心空気
抜け穴21を通して型8の外へ抜けるので、比較的低荷
重の押し込み圧で、成形される各ゾーンの山部を、鋭角
でだれのない形状にすることができる。したがって、高
い光学性能を有する凸型のレリーフ型回折レンズを容易
に製造することができる。
【0037】また、図10に示すように、上記のレリー
フ型回折レンズ製造用型8を成形型保持治具14により
保持し、真空ポンプ取り付け口15から真空ポンプ等を
用いて空気を抜くようにすれば、空気抜け穴19および
中心空気抜け穴21から残留空気を迅速かつ確実に抜く
ことができるので、より小さな押し込み荷重での成形が
可能となる。また、成形後に、真空ポンプ取り付け口1
5から空気を送り込むようにすれば、成形後のレリーフ
型回折レンズの離型性が良くなり、型8の冷却速度も速
めることができる。
【0038】さらに、図10に示すようにしてレリーフ
型回折レンズを製造するようにすれば、型形状を転写す
るプレス成形用光学材料を、型8のブレーズ形状を有す
る面に吸引力により保持できるので、成形時におけるプ
レス成形用光学材料の位置ズレを有効に防止することが
できると共に、型8のブレーズ形状を有する面にプレス
成形用光学材料を吸引力により取り上げることができる
ので、型成形の自動化を行う際にも有効となる。
【0039】図11は、この発明に係るレリーフ型回折
光学素子製造用型の第4実施形態を示す断面図である。
この型12は、鋸歯断面形状の同心円状のレリーフパタ
ーンを有する凹型のレリーフ型回折レンズを製造するの
に用いるもので、第3実施形態におけると同様に、製造
すべき所望の凹型のレリーフ型回折レンズのレリーフ断
面形状を反転させたレリーフパターンの各ゾーンの谷部
の対称な2箇所に、それぞれ外部に連通して空気抜け穴
19を形成する。なお、この型12は、凹型のレリーフ
型回折レンズ製造用型で、中心に谷部がないので、ここ
には空気抜け穴を設ける必要がない。
【0040】したがって、この実施形態による型12を
用いて凹型のレリーフ型回折レンズを製造するようにす
れば、第3実施形態で説明したと同様の作用により、良
好な光学性能を有する凹型の所望のレリーフ型回折レン
ズを容易に得ることができる。勿論、この型12を用い
て、図10に説明したようにしてレリーフ型回折レンズ
を製造することもできる。
【0041】図12および図13は、この発明に係るレ
リーフ型回折光学素子製造用型の第5実施形態を示すも
ので、図12は平面図、図13は図12のC−C′線部
分拡大断面図である。この型13は、鋸歯断面形状の同
心円状のレリーフパターンを有する凸型のレリーフ型回
折レンズを製造するのに用いるもので、製造すべき所望
のレリーフ型回折レンズのレリーフ断面形状を反転させ
たレリーフパターンの各ゾーンの谷部に沿って連続的に
形成した細溝24と、各細溝24の対称な2箇所にそれ
ぞれ外部に連通して形成した空気抜け穴25とを有す
る。なお、各細溝24は、ゾーン幅に比べて充分小さい
幅で形成する。また、レリーフパターンの中心谷部に
も、同様に、充分小さい径の中心空気抜け穴21を形成
する。
【0042】この型13によれば、各ゾーンの谷部に細
溝24を形成したので、第3実施形態に比べ、型13の
レリーフパターンをプレス成形用光学材料に転写する際
に、各ゾーンの谷部に残留しようとする空気が外部へ容
易かつ均一に抜けるようになる。したがって、成形され
る各ゾーンの山部に形状のバラツキが殆どない高い光学
性能を有する凸型のレリーフ型回折レンズを容易に製造
することができる。勿論、この型13を用いて、図10
に説明したようにしてレリーフ型回折レンズを製造する
こともできる。
【0043】図14および図15は、この発明に係るレ
リーフ型回折光学素子製造用型の第6実施形態を示すも
ので、図14は断面図、図15は図14の部分拡大図で
ある。この型18は、鋸歯断面形状の同心円状のレリー
フパターンを有する凸型のレリーフ型回折レンズを製造
するのに用いるもので、製造すべき所望のレリーフ型回
折レンズのレリーフ断面形状を反転させた断面形状のレ
リーフパターンを有し、型全体が多孔質材料からなる。
【0044】この型18によれば、そのレリーフパター
ンをプレス成形用光学材料に転写する際に、型18の各
ゾーン谷部および中心谷部に残留して転写性を低下させ
ようとする空気は、型材の多孔質材料の孔23を通して
外部へ抜けることになる。したがって、比較的低荷重の
押し込み圧で、成形される各ゾーンの山部を、鋭角でだ
れのない形状にすることができるので、高い光学性能を
有する凸型のレリーフ型回折レンズを容易に製造するこ
とが可能となる。勿論、この型18を用いて、図10に
説明したようにしてレリーフ型回折レンズを製造するこ
ともできる。
【0045】この実施形態によれば、上述した実施形態
におけるように、空気溜まり部、空気抜け孔や細溝を形
成する必要がないので、型の製作が容易になる。
【0046】なお、この発明は、上述した実施形態にの
み限定されるものではなく、幾多の変形または変更が可
能である。例えば、第3〜第5実施形態においては、各
ゾーンに対応して2つの空気抜け穴を形成するようにし
たが、このような空気抜け穴は各ゾーンに対応して少な
くとも一つ形成すればよい。ただし、大きなレリーフ型
回折レンズを製造する型の場合等には、例えば、図16
に示すように、各ゾーンに対応して4つあるいは8つの
空気抜け孔19を設けたり、外周のゾーンほど多数の空
気抜け穴を設けるようにするのが好ましい。また、第5
および第6実施形態では、凸型のレリーフ型回折レンズ
を製造するための型としたが、同様にして凹型のレリー
フ型回折レンズを製造するための型を構成することもで
きる。
【0047】さらに、上述した各実施形態において、鋸
歯断面形状を有するレリーフパターンの斜辺部20は、
直線に限らず、製造すべき回折レンズの位相関数を反映
した曲線とすることもできる。また、この発明は、レリ
ーフ型回折レンズ製造用型に限らず、種々のレリーフ型
回折光学素子を製造するのに用いる型に有効に適用でき
ると共に、光学部材の一部に、例えば瞳分割して異なる
レリーフ型回折光学素子を形成したり、回折格子を形成
する場合にも有効に適用することができる。
【0048】さらに、第1〜5実施形態においては、任
意の型材料、例えばWC(タングステンカーバイド)、
SiC(シリコンカーバイド)、NiP等を用いること
ができ、それに応じて製造すべきレリーフ型回折光学素
子の材料を選択することができる。例えば、型材料とし
て、WCやSiCを用いた場合には、レリーフ型回折光
学素子材料としてガラスを用いることができ、NiP等
を型材料として用いた場合には、レリーフ型回折光学素
子材料としてプラスチックを用いることができる。
【0049】さらに、第1,第2実施形態においては、
各ゾーンの谷部に沿って空気溜まり部22を連続的に設
けたが、これを断続的に設けることもできる。このよう
に構成すれば、空気溜まり部22を連続的に設ける場合
に比べて、残留空気が抜けにくくなるので、成形時に比
較的大きな荷重をかけることができ、転写性をより向上
させることができる。
【0050】付記項 1.請求項1記載のレリーフ型回折光学素子製造用型に
おいて、前記空気溜まり部を、前記谷部に沿って連続的
に設けたことを特徴とするレリーフ型回折光学素子製造
用型。 2.請求項1記載のレリーフ型回折光学素子製造用型に
おいて、前記空気溜まり部を、前記谷部に沿って断続的
に設けたことを特徴とするレリーフ型回折光学素子製造
用型。 3.請求項1、付記項1,2のいずれか一項記載のレリ
ーフ型回折光学素子製造用型において、前記レリーフパ
ターンは中心谷部を有し、この中心谷部に空気溜まり部
を設けたことを特徴とするレリーフ型回折光学素子製造
用型。 4.請求項2記載のレリーフ型回折光学素子製造用型に
おいて、前記各ゾーンに沿って連続的に細溝を設け、そ
の細溝に前記空気抜け穴を設けたことを特徴とするレリ
ーフ型回折光学素子製造用型。 5.請求項2または付記項4記載のレリーフ型回折光学
素子製造用型において、前記レリーフパターンは中心谷
部を有し、この中心谷部に空気抜け穴を設けたことを特
徴とするレリーフ型回折光学素子製造用型。 6.請求項1〜3、付記項1〜5のいずれか一項記載の
レリーフ型回折光学素子製造用型を用い、光学材料を成
形する工程を含んでレリーフ型回折光学素子を製造する
ことを特徴とするレリーフ型回折光学素子の製造方法。 7.請求項2,3、付記項4,5のいずれか一項記載の
レリーフ型回折光学素子製造用型を用いてレリーフ型回
折光学素子を製造するあたり、前記空気抜け穴または多
孔質材料の孔を通して型に空気を送ったり、あるいは型
から空気を吸引する工程を含むことを特徴とするレリー
フ型回折光学素子の製造方法。
【0051】
【発明の効果】この発明では、所望のレリーフ型回折光
学素子のレリーフ断面形状を反転させたレリーフパター
ンの各ゾーンの谷部に、転写の際に空気が溜まらないよ
うにレリーフ型回折光学素子製造用型を構成したので、
高効率の所望のレリーフ型回折光学素子を容易に製造す
ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るレリーフ型回折光学素子製造用
型を用いて製造されるレリーフ型回折光学素子の一例を
示す断面図である。
【図2】この発明の第1実施形態を示す平面図である。
【図3】図2ののA−A′線断面図である。
【図4】図3の部分拡大図である。
【図5】第1実施形態の型を用いるレリーフ型回折レン
ズの製造方法を説明するための図である。
【図6】この発明の第2実施形態を示す断面図である。
【図7】同じく、第3実施形態を示す平面図である。
【図8】図7のB−B′線断面図である。
【図9】図8の部分拡大図である。
【図10】第3実施形態の型を用いるレリーフ型回折レ
ンズの製造方法の一例を説明するための図である。
【図11】この発明の第4実施形態を示す断面図であ
る。
【図12】同じく、第5実施形態を示す平面図である。
【図13】図12のC−C′線部分拡大断面図である。
【図14】この発明の第6実施形態を示す断面図であ
る。
【図15】図14の部分拡大図である。
【図16】この発明の変形例を説明するための図であ
る。
【図17】レリーフ型回折レンズの平面図である。
【図18】従来の凸型のレリーフ型回折レンズ製造用型
の断面図である。
【図19】図18に示す型を用いるレリーフ型回折レン
ズの製造方法を説明するための図である。
【図20】図18に示す型を用いて製造されるレリーフ
型回折レンズの問題点を説明するための図である。
【図21】従来の凹型のレリーフ型回折レンズ製造用型
の断面図である。
【符号の説明】
3 空気 5 凸型のレリーフ型回折レンズ製造用型 7 凸型のレリーフ型回折レンズ 8 凸型のレリーフ型回折レンズ製造用型 11 凹型のレリーフ型回折レンズ製造用型 12 凹型のレリーフ型回折レンズ製造用型 13 凸型のレリーフ型回折レンズ製造用型 14 成形型保持治具 15 真空ポンプ取り付け口 16 中心空気溜まり部 17 プレス成形用光学材料 18 凸型のレリーフ型回折レンズ製造用型 19 空気抜け穴 20 斜辺部 21 中心空気抜け穴 22 空気溜まり部 23 多孔質材料の孔 24 細溝 25 空気抜け穴

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に複数のゾーンを有する所望のレリ
    ーフ型回折光学素子を製造するのに用いる型において、
    前記所望のレリーフ型回折光学素子のレリーフ断面形状
    を反転させたレリーフパターンの各ゾーンの谷部に空気
    溜まり部を設けたことを特徴とするレリーフ型回折光学
    素子製造用型。
  2. 【請求項2】 表面に複数のゾーンを有する所望のレリ
    ーフ型回折光学素子を製造するのに用いる型において、
    前記所望のレリーフ型回折光学素子のレリーフ断面形状
    を反転させたレリーフパターンの各ゾーンに空気抜け穴
    を設けたことを特徴とするレリーフ型回折光学素子製造
    用型。
  3. 【請求項3】 表面に複数のゾーンを有する所望のレリ
    ーフ型回折光学素子を製造するのに用いる型において、
    該製造用型が多孔質材料からなることを特徴とするレリ
    ーフ型回折光学素子製造用型。
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