JPH11112400A - 中継放送機 - Google Patents

中継放送機

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JPH11112400A
JPH11112400A JP9264743A JP26474397A JPH11112400A JP H11112400 A JPH11112400 A JP H11112400A JP 9264743 A JP9264743 A JP 9264743A JP 26474397 A JP26474397 A JP 26474397A JP H11112400 A JPH11112400 A JP H11112400A
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JP
Japan
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signal
delay time
broadcast wave
signal delay
relay broadcaster
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Application number
JP9264743A
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English (en)
Inventor
Naoki Chiba
直紀 千葉
Hiroyuki Kimura
浩之 木村
Takashi Maruyama
高志 丸山
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Japan Radio Co Ltd
Original Assignee
Japan Radio Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 送信空中線から受信空中線への回り込みを減
らすことで同一周波数による中継放送を可能にし、中継
放送機設置時の設置場所検討や環境調査の労力を減ら
す。 【解決手段】 送信空中線16から受信空中線10への
回り込みを検出する。その結果に応じ、受信空中線10
から受信増幅部12、可変減衰器18、電力増幅部1
4、送信空中線16、無線伝搬路を経て受信空中線10
に戻るループのループ利得を抑制し、発振を防ぐ。ある
いは、電力増幅部14の出力を受信増幅部12の入力に
帰還する帰還回路を設け、この帰還回路の特性を調整す
ることによって回り込みに係る成分を補償する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、受信した放送波を
増幅して送信するブースタ型の中継放送機に関する。
【0002】
【従来の技術及びその問題点】直交周波数分割多重(Ort
hogonal Frequency Division Multiplex:OFDM)方式
は、図16に示すように互いに直交関係にある複数の副
搬送波を用いる多重方式であり、副搬送波同士でその周
波数成分が互いに重なり合うため、周波数利用効率が高
いという利点を有している。この方式を採用することに
より、電波資源の有効利用と両立させながら、単一の主
搬送波を用いたネットワーク即ち単一周波数ネットワー
ク(SFN:Single Frequency Network)を実現すること
ができる。そのため、日本をはじめとして、OFDM方
式を用いた次世代ディジタル地上波放送システムが構想
乃至開発されている。
【0003】このような放送システムを実現するため、
放送局又は他の中継放送機から送信された放送波を受信
及び増幅し、他の中継放送機又は利用者装置に送信する
ブースタ型の中継放送機が検討されている。ブースタ型
の中継放送機は、一般に、図17に示されるような装置
構成を有している。この図の装置は、放送波を受信する
ための受信空中線10、受信空中線10によって受信さ
れた放送波を周波数変換及び増幅するための受信増幅部
12、受信増幅部12にて増幅された放送波を更に電力
増幅及び周波数変換する電力増幅部14、並びに電力増
幅された放送波を送信するための送信空中線16を備え
ている。このような構成の中継放送機において問題とな
るのは、送信空中線16から送信された放送波の一部が
同じ中継放送機の受信空中線10によって受信される現
象、即ち回り込み現象が生ずることである。この回り込
みによって、受信空中線10から受信増幅部12、電力
増幅部14、送信空中線16及び無線伝搬路を経て受信
空中線10に戻るループが構成されてしまい、このルー
プは、次の式
【数1】 G(dB)=Ar(dB)+Ap(dB)−U(dB) ただしAr:受信増幅部12の利得 Ap(dB):電力増幅部14の利得 U(dB):回り込みに係る減衰量 にて与えられるループ利得G(dB)が0(dB)を上
回ったときに、発振してしまう。一旦発振が生じてしま
うと正常な中継放送が行えなくなるため、中継放送機を
設けるに際しては、送信空中線16と受信空中線10の
結合度を適宜設定したりあるいは中継放送機の設置場所
周辺の環境について詳細な調査を行う必要があるため、
設置に際して多大な労力を要することになってしまう。
【0004】
【発明の概要】本発明の目的の一つは、受信した放送波
を同一周波数で再輻射する無線中継放送機等において、
回り込みの影響を抑え発振が生じないようにすることに
より、設置場所の検討や設置環境の調査その他に要する
労力を低減することにある。また、本発明の目的の一つ
は、次世代放送システムとして構想されているOFDM
方式を用いたディジタル地上波放送システムの特質を利
用して、上述の目的を達成することにある。即ち、本発
明は、所定頻度でヌルシンボルが挿入されているディジ
タルデータを、OFDM方式に従い複数の副搬送波が多
重される放送波にて搬送し、利用者に提供する放送シス
テムを前提としている。更に、本発明は、ブースタ型の
中継放送機、即ち、放送局又は他の中継放送機から送信
された放送波をその受信空中線にて受信し、受信した放
送波を増幅し、増幅した放送波をその送信空中線から他
の中継放送機又は利用者装置に送信する増幅系統を備え
た中継放送機を、前提としている。
【0005】本発明の特徴の一つは、送信空中線から受
信空中線への放送波の回り込みの程度乃至性状を、所定
頻度で挿入されているヌルシンボル又はOFDM方式の
特質を利用して検出し、その結果に基づき増幅系統の動
作を調整する調整手段を備えることにある。本発明にお
いては、このような調整手段を設けることによって、受
信空中線から増幅系統、送信空中線及び無線伝搬路を経
て受信空中線に至るループの発振を、好適に防止し、中
継放送機の設置場所の検討やその設置環境の調査に要す
る労力を低減することを可能としている。
【0006】本発明は、さまざまな形態にて実現するこ
とができる。例えば、中継放送機を構成する増幅系統
に、その減衰量を可変調整可能な可変減衰器又はその利
得を可変調整可能な可変利得増幅器を設けた場合には、
受信空中線から増幅系統、送信空中線及び無線伝搬路を
経て受信空中線に至るループのループ利得を、0(d
B)未満に抑えることによって、このループの発振を防
止する、という形態を採ることができる。この場合、調
整手段は、ヌルシンボルを受信している期間における放
送波の受信信号強度を回り込みに係る信号強度として検
出し、検出した信号強度が所定レベルを上回ったとき
に、可変減衰器の減衰量を増加させ又は可変利得増幅器
の利得を低減させることにより、ループ利得を0(d
B)未満に抑え込む。言い換えれば、ヌルシンボルを受
信している期間においては、放送波の受信強度が低下す
るはずであるから、ヌルシンボルを受信している期間に
おいて有意なレベルの信号を受信したときには、その信
号は回り込みによって生じているものと見なすことがで
き、その信号の強度に応じて可変減衰器の減衰量又は可
変利得増幅器の利得を調整すれば、上述のごとく発振を
防止することが可能である。
【0007】また、送信空中線から送信すべき放送波の
一部を送信空中線前段から分岐し、受信空中線にて受信
された放送波と共に増幅系統に入力する帰還回路を、増
幅系統に付設するとよい。この帰還回路の特性、例えば
信号遅延時間、利得若しくは減衰量、移相量といった特
性を上述の調整手段にて調整すれば、受信した放送波中
の回り込みに係る成分を補償できるため、受信空中線か
ら増幅系統、送信空中線及び無線伝搬路を経て受信空中
線に至るループの発振を防止することができる。また、
このように帰還回路を利用して発振を防止する構成は、
遅延波を利用するのか、多重遅延波を利用するのか、そ
れともスペクトラム分析を行うのかにより、大きく分け
て3種類の構成に分類できる。
【0008】まず、遅延波を利用する構成においては、
調整手段は、ヌルシンボルを受信している期間において
有意な強度の信号を受信したとき、ヌルシンボルを受信
し始めてからその信号の受信までに経過した時間及びそ
の信号の強度を、上記ループにて生じる信号遅延時間及
び回り込んだ信号の強度として検出し、検出した信号遅
延時間及び信号強度に応じて、帰還回路における信号遅
延時間及び利得若しくは減衰量を調整する。このような
調整を行うことにより、受信空中線から増幅系統に入力
される信号のうち回り込みに係る成分を、補償すること
ができる。即ち、送信空中線から受信空中線へと、回り
込むためには時間が必要であるから(無線伝搬路におけ
る信号遅延)、放送波の受信信号強度が低下するヌルシ
ンボル受信期間特に当該ヌルシンボル受信期間の開始直
後においては、受信出力の監視によりこの回り込み成分
(遅延波)を検出することができ、この検出の結果を利
用して帰還回路の特性を調整すれば、回り込みに係る信
号を補償することができる。
【0009】また、多重遅延波を利用する構成において
は、調整手段は、ヌルシンボルを受信し始める時点近傍
で受信した放送波とヌルシンボルを受信している期間に
おいて受信した信号との相関を検出し、この相関がピー
クを示した複数のタイミングの間隔を上記ループにて生
じた信号遅延時間として、またこの複数のタイミングそ
れぞれにて受信した信号の強度が時間経過に伴い低下し
ていく比率を上記ループにおける信号減衰率としてそれ
ぞれ検出し、検出した信号遅延時間及び信号減衰率に応
じて、帰還回路における信号遅延時間及び利得若しくは
減衰量を調整する。このような調整を行うことによっ
て、やはり、受信空中線から増幅系統に入力される信号
のうち、回り込みによって生じた成分を補償することが
できる。即ち、送信空中線から受信空中線へと回り込ん
だ信号は、増幅系統を経て再度送信空中線から受信空中
線に回り込む、というように繰り返し回り込み、その結
果送信空中線から受信空中線に至る無線伝搬路での信号
遅延を繰り返し受けている(多重遅延)。従って、ヌル
シンボル受信期間全体に亘って、ヌルシンボル受信期間
開始近傍での受信信号との相関のピークやそのタイミン
グにおける信号の強度の低下比率を検出することによ
り、送信空中線から受信空中線に至る無線伝搬路におけ
る信号遅延時間やこの無線伝搬路における信号減衰率を
直接又は間接的に知ることができ、従って、上述のよう
に回り込みに係る信号を補償することができる。
【0010】更に、これら遅延波を用いる構成及び多重
遅延波を用いる構成のいずれにおいても、所定の信号遅
延時間を有する遅延回路を増幅系統に挿入するのが好ま
しい。そのようにすれば、送信空中線から受信空中線に
至る無線伝搬路にて生じる信号遅延時間が比較的短いに
もかかわらず、調整手段における信号遅延時間等の検出
の処理を正確にかつ余裕を持って実行することが可能に
なる。更に、これら遅延波を利用する構成及び多重遅延
波を利用する構成のいずれにおいても、帰還回路の特性
を、任意の調整開始時点から漸増乃至漸減調整するよう
にするのが好ましい。その際に、特に、多重遅延波を利
用する構成においては、相関ピークの検出によって無線
伝搬路における信号遅延時間が比較的正確に判明するこ
ととなるから、帰還回路における信号遅延時間について
は上述の漸増/漸減調整は特に必要でなく、その点で、
帰還回路の制御に係る処理が簡素になり、短時間化す
る。
【0011】そして、送信空中線から送信している送信
波の一部を受信空中線にて受信された放送波と共に増幅
系統に入力するための帰還回路を備える構成には、ヌル
シンボルを利用する構成以外に、OFDM方式のスペク
トラム分布を利用する構成がある。この構成において
は、調整手段は、受信した放送波のスペクトラム分布に
現れている信号強度変化の規則性を検出し、検出の結果
に基づき、送信空中線から受信空中線に至る無線伝搬路
にて生じる信号遅延時間及びこの無線伝搬路における信
号減衰率を推定し、推定した信号遅延時間及び信号減衰
率に応じて、帰還回路における信号遅延時間及び利得若
しくは減衰量を調整する。このような調整を行うことに
より、受信空中線から増幅系統に入力される信号中の回
り込みによる成分を補償することができる。即ち、回り
込みが生じている場合、受信した放送波のスペクトラム
分布は一様でなくなり、無線伝搬路での信号遅延時間に
て定まる周波数間隔を周期とした規則的な信号強度変化
乃至分布が現れる。従って、この信号強度変化の規則性
に着目することにより、無線伝搬路における信号遅延時
間や信号減衰率を知ることができ、従って上述のような
調整が可能になる。なお、この構成においても、帰還回
路における利得若しくは減衰量及び移相量を、漸増乃至
漸減調整するようにするのが好ましい。また、この構成
においても、無線伝搬路における信号遅延時間を比較的
正確に知ることができるため、帰還回路における信号遅
延時間については漸増/漸減調整は特に必要でない。
【0012】そして、本発明を実現するに際しては、増
幅系統特にその電力増幅器としてフィードフォワード型
の低歪電力増幅器を用いるのが好ましい。この低歪電力
増幅器は、増幅に伴って生じた歪成分をフィードフォワ
ードして補償する一方で、送信される放送波中の伝送帯
域外成分のレベルに応じてこの補償に係る利得及び/移
相量を調整する機能を有しており、増幅系統を構成する
部品の特性が温度(より一般には環境)の変化等により
変化したとしても、送信に係る放送波中の歪成分を増加
させないという特質を有している。このような低歪電力
増幅器を用いることにより、上述の回り込み抑圧乃至補
償制御を、より好適に行うことが可能になり、中継放送
機の動作が安定化する。特に、電源投入又は使用開始の
後徐々に低歪電力増幅器への入力レベルを増加させてい
くソフトスタート回路を設けることにより、上述の安定
性は更に高まる。
【0013】加えて、ヌルシンボルの到来と同時に信号
の再構成及びヌルシンボルの挿入を行うようにすれば、
送信空中線から受信空中線への回り込みを更に抑えるこ
とが可能になると共に、送信した放送波を受信する他の
中継放送機が、回り込みによって生じた成分の影響を受
けるおそれが小さくなる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
関し図面に基づき説明する。なお、図16及び図17に
示した従来技術と同一又は対応する部材には同一の符号
を付し、説明を省略する。
【0015】図1に、本発明の第1実施形態に係る中継
放送機の構成を示す。この中継放送機は、所定頻度でヌ
ルシンボルが挿入されているディジタルデータを、OF
DM方式に従い複数の副搬送波が多重される放送波にて
搬送し、利用者に提供する放送システムにおいて、好適
に用いることができる。ただし、ヌルシンボルが伝送さ
れる放送システムであれば、多種のシステムにおいても
用いることができる。
【0016】この中継放送機は、ブースタ型の中継放送
機であり、受信空中線10と送信空中線16の間に増幅
系統を備えている。この増幅系統は、受信増幅部12、
可変減衰器18及び電力増幅部14から構成されてい
る。受信増幅部12は、受信空中線10からの信号を無
線周波数から中間周波数に周波数変換する周波数変換部
12aや、中間周波数に変換された受信放送波を増幅す
る自動利得制御(AGC)型の増幅器12bを有してい
る。また、電力増幅部14は、受信増幅部12から可変
減衰器18を介して供給される受信放送波を中間周波数
から受信時と同じ無線周波数に変換する周波数変換部1
4aや、電源投入時又は使用開始時に後段の低歪増幅器
14cへの入力レベルを徐々に増加させていくソフトス
タート回路14bや、フィードフォワード型の低歪増幅
器14cから構成されている。
【0017】ソフトスタート回路14b及び低歪増幅器
14cは、具体的には図2に示されるような構成を有し
ている。この図に示されるように、低歪増幅器14c
は、ソフトスタート回路14bを介して周波数変換部1
4aから供給される放送波を増幅する主増幅器14c1
を有しており、主増幅器14c1によって増幅された放
送波は方向性結合器14c2、合成部14c3及び方向
性結合器14c4を介して送信空中線16に供給され
る。方向性結合器14c2は、主増幅器14c1にて増
幅された放送波の一部を歪抽出部14c5に供給してい
る。歪抽出部14c5は、主増幅器14c1に入力され
る放送波と方向性結合器14c2から供給される放送波
との比較によって、主増幅器14c1にて発生した歪成
分を抽出し、歪補償増幅器14c6はこの歪成分を増幅
して合成部14c3に供給する。合成部14c3は、方
向性結合器14c2を介して主増幅器14c1から供給
される増幅された放送波中の歪成分を、歪補償増幅器1
4c6において同程度のレベルまで増幅された歪成分を
利用して、逆相合成等の方法により補償する。更に、合
成部14c3にて歪成分が補償された放送波の一部は、
方向性結合器14c4を介して受信部14c7に供給さ
れ、受信部14c7はこの放送波中の伝送帯域外成分、
例えば不要輻射成分を受信し、制御部14c8は、この
不要輻射成分のレベル等に応じて歪み補償増幅器14c
6における増幅利得や位相調整量を制御する。このよう
な構成によって、温度その他の変動に対して安定なフィ
ードフォワード型の低歪増幅器14cを実現することが
できる。
【0018】また、ソフトスタート回路14bは、周波
数変換部14aと主増幅器14c1との間に介在する可
変減衰器14b1を有している。また、ソフトスタート
回路14bは、周波数変換部14aから供給される放送
波をAM検波することによりその包絡線を検出するAM
検波器14b2も有しており、更にその後段のヌルシン
ボル検出器14b3は、AM検波器14b2の出力中に
周期的に0となるヌルシンボルが現れているかどうかを
判別する。現れているときには、ヌルシンボル検出器1
4b3は所定の電圧を出力し、そうでないときにはその
出力電圧を0とする。ヌルシンボル検出器14b3の後
段には、抵抗R、コンデンサC及びダイオードDから構
成される積分回路が設けられており、この積分回路によ
って積分された電圧は可変減衰器14b1にその減衰量
の制御電圧として供給される。即ち、電源投入や使用開
始に伴ってヌルシンボルの周期的な到来を検出できる状
態になったときには、ヌルシンボル検出器14b3の出
力が0から所定値へと変化するため、積分回路における
積分値は徐々に増加していき、この増加に応じて可変減
衰器14b1における減衰量が低下していくため、主増
幅器14c1への入力レベルは徐々に増加していくこと
になる。このようなソフトスタート回路14bを設ける
ことによって、低歪増幅器14cにおける歪補償増幅器
14c6の利得・位相調整動作を、過渡的にではあれ大
きな歪成分を発生させることなく実行することが可能に
なると共に、後述する回り込み抑圧(又は補償)のため
の調整処理を好適に行うことが可能になる。更に、万一
中継放送機に発振が生じたときでも、このソフトスター
ト回路14bを起動させることにより、発振状態から脱
することができる。
【0019】図1に示す中継放送機は、更に、回り込み
検出部20及び制御部22を備えている。回り込み検出
部20は、受信増幅部12の出力をAM検波することに
よりその包絡線を検出するAM検波器20aを有してお
り、AM検波器20aの後段には波形整形器20b及び
スイッチ20cが設けられている。波形整形器20b
は、AM検波器20aによって検出された包絡線の波形
を整形することにより、AM検波器20aから出力され
る包絡線に含まれている回り込みを除去し、回り込みを
除去した後の包絡線に従いスイッチ20cを制御する。
スイッチ20cは、AM検波器20aと電圧保持回路2
0dの間に設けられており、波形整形器20bにて回り
込みが除去された包絡線即ち波形が整形された包絡線の
レベルが十分低くなったとき、即ちヌルシンボルを受信
していると見なせるときにオンする。電圧保持回路20
dは、スイッチ20cを介してAM検波器20aから供
給される包絡線のレベルを示す電圧を、所定期間に亘っ
て保持する。即ち、電圧保持回路20dは、回り込みに
係る信号のレベルを示す電圧を保持する。制御部22
は、電圧保持回路20dによって保持されている電圧V
を、外部から与えられる基準電圧Vrと比較する比較器
22aを有している。比較器22aは、V>Vrが成立
しているとき、可変減衰器18の減衰量ATT(dB)
を増加させる。
【0020】従って、本実施形態においては、有意なレ
ベルを有する回り込みを検出したときに、受信空中線1
0から受信増幅部12、可変減衰器18、電力増幅部1
4、送信空中線16及び無線伝搬路を経て受信空中線1
0に戻るループのループ利得
【数2】G(dB)=Ar(dB)−ATT(dB)+
Ap(dB)−U(dB) を減少させる処理が実行される。従って、このループ利
得G(dB)を0(dB)未満に抑えることが可能にな
り、その発振を防止することができるため、中継増幅器
の設置場所やその周辺環境の検討乃至調査に係る労力が
不要となり、低コストでの実施が可能になる。これによ
って、同一無線周波数での中継が実質上可能になるた
め、放送波の伝送回線を別途設ける必要もなくなり、経
済的な次世代地上波放送ネットワークを構築することが
可能になる。
【0021】なお、この実施形態においては、受信増幅
部12と電力増幅部14の間に可変減衰器18を設ける
ようにしていたが、可変減衰器18を用いずとも、ルー
プ利得G(dB)を抑える処理は実行可能である。例え
ば、図3に示されるように、可変減衰器18に代えて可
変利得増幅器24を設け、回り込み検出時にその利得を
低減させるようにしてもよい。あるいは、図4に示され
るように受信増幅部12の利得を可変制御するようにし
てもよいし、図5に示されるように電力増幅部14の利
得を可変制御するようにしてもよい。
【0022】図6に、本発明の第2実施形態に係る中継
放送機の構成を示す。この実施形態においては、ループ
利得G(dB)を0(dB)未満に抑えるという着想で
はなく、電力増幅部14の出力を受信増幅部12の入力
側に帰還する帰還回路(例えばバンドパスフィルタ)2
6を設け、この帰還回路26の特性、例えば利得若しく
は減衰量、位相、遅延時間τを調整することによって、
受信空中線10から受信増幅部12に入力される信号中
の放送波中の回り込みに係る成分を補償する、という着
想を採用している。更に、調整のために必要な情報を確
実かつ容易に得ることができるよう、受信増幅部12と
電力増幅部14の間に遅延回路28を設けている。
【0023】本実施形態における回り込み検出部20
は、ヌルシンボルの前縁を検出するヌルシンボル前縁検
出部20fを有している。ここでいうヌルシンボルの前
縁とは、図7に示されているように、ヌルシンボル受信
期間の開始時点をいう。また、回り込み検出部20は、
ヌルシンボル前縁検出部20fによって検出された前縁
からτ0+τ1+τが経過した時点で受信増幅部12の
出力のサンプリングを開始しさらにΔτだけ経過した時
点でサンプリングを終える遅延波サンプリング部20e
を有している。ここでいうτ0は受信増幅部12や電力
増幅部14によって生ずる遅延時間であり、τ1は後述
の遅延回路28によって生ずる遅延時間であり、従って
遅延回路28の設計次第ではτ0を無視することもでき
る。更に、τは帰還回路26における遅延時間であり、
Δτはτ0+τ1+τに対して十分小さな所定の時間で
ある。
【0024】遅延波サンプリング部20eの後段に設け
られているAM検波器20gは、遅延波サンプリング部
20eにおいて得られたサンプル値をAM検波し、その
結果得られる値すなわち遅延波のレベルを示す信号を制
御部22に供給する。制御部22は、これに基づき帰還
回路26の特性を制御することによって、受信空中線1
0から受信増幅部12に供給される信号中の回り込みに
よる成分を補償する。即ち、送信空中線16から受信空
中線10に至る無線伝搬路での信号遅延時間τ2に一致
するよう、遅延時間τを制御し、回り込みのレベルと一
致するレベルの出力が得られるよう、帰還回路26の利
得(若しくは減衰量)を制御し、回り込みの位相と逆相
になるよう、帰還回路26の位相特性(移相量)を制御
する。
【0025】図8に、制御部22の動作の手順を示す。
この図に示すように、制御部22は、まず帰還回路26
の利得(若しくは減衰量)、位相特性及び遅延時間τを
初期設定する(100)。制御部22は、回り込み検出
部20の出力を入力すると共に、変数Nを0に初期化し
(102)、しかる後に、帰還回路26の位相特性を調
整する手順(104〜112)を実行する。即ち、帰還
回路26における移相量を所定値Δφずつ漸増させてい
き(104)、回り込み検出部20によって検出される
遅延波のレベル即ち回り込み量がこの位相漸増調整によ
っても低下しなかったときには変数Nを1インクリメン
トさせた上で(108)ステップ104を再度実行す
る。この位相漸増調整の結果回り込み量が低下したとき
や(106)、ステップ104をP回以上繰り返しても
低下がみられなかったときには(110)、ステップ1
14〜122にて構成される利得調整手順に移行する。
ただし、ステップ110からこの手順に移行する際に
は、Nを0に初期化する(112)。
【0026】ステップ114〜122にて構成されてい
る手順がステップ104〜112にて構成されている位
相漸増調整手順と異なっている点は、漸増調整の対象が
位相特性ではなく利得(若しくは減衰量)であり漸増の
際に加算される所定値がΔAである点のみである。同様
に、この利得漸増調整手順実行後に実行される手順即ち
ステップ124〜132にて構成される手順は、漸増調
整の対象が帰還回路26における遅延時間τであり、漸
増調整の際に使用される所定値がΔτである点のみで、
前述の手順と相違している。そこで、ここでは、ステッ
プ114〜132に関してはその詳細な説明を省略す
る。これらの手順が実行された後実行されるステップ1
34においては、回り込み検出部20の出力が所定の基
準値を下回ったか否かが判定される。下回っている間
は、制御部22は現在の制御状態を維持し続け、そうで
なくなった場合には前述のステップ102から動作を繰
り返す。なお、漸増ではなく漸減調整を行ってもよい。
【0027】図9に、本発明の第3実施形態に係る中継
放送機、特にその回り込み検出部20の内部構成を示
す。この実施形態における回り込み検出部20は、ヌル
シンボルの前縁を検出するヌルシンボル前縁検出器20
fのほか、記憶部20h及び相関演算部20iを備えて
いる。記憶部20hは、ヌルシンボルの前縁±Δt(Δ
t:所定の微小時間)の範囲について、受信増幅部12
の出力を記憶する。相関演算部20iは、ヌルシンボル
を受信してる期間即ち図10においてt0にて表されて
いる期間全体に亘り、ヌルシンボル受信期間中の相関演
算対象をΔtずつ徐々にずらしながら、記憶部20hに
記憶されている信号との相関を求める。従って、相関演
算部20iにおいては、分解能Δtにて、t0/Δtと
おりの相関値が得られることになる。
【0028】ここに、ヌルシンボル受信期間において
は、その前縁が到来した後τ0+τ1+τ2間隔で、繰
り返し、回り込みが現れうる(多重遅延波)。従って、
相関演算部20iにて計算される相関値においても、こ
のタイミングにおいてピークが現れる。そこで、制御部
22は、相関ピークのタイミングを利用してτ0+τ1
+τ2を検出し既知の値であるところのτ0+τ1を検
出したτ0+τ1+τ2から減ずることによりτ2を検
出し、検出したτ2に一致するよう帰還回路26の遅延
時間τを制御する。また、制御部22は、相関ピークが
現れるタイミングへの振幅が徐々に小さくなること、即
ち送信空中線16から受信空中線10に至る無線伝搬を
繰り返すことに回り込みに係る遅延波が徐々に減衰して
いくことに着目し、当該無線伝搬路における信号減衰率
を検出し、検出した信号減衰率と一致するよう帰還回路
26における利得又は信号減衰量を制御する。位相につ
いては第3実施形態と同様である。これらによってやは
り、回り込みに係る成分を補償することができる。
【0029】図11に、本実施形態における制御部22
の動作手順を示す。この実施形態においては、ステップ
100が実行された後、制御部22はτ0+τ1+τ2
及び振幅減衰率を、相関演算部20iの出力に基づき検
出し(136)、その結果に応じ帰還回路26の遅延時
間τや利得(若しくは減衰量)を設定する(138)。
制御部22は、次に変数Nを0に初期化した上で、ステ
ップ104〜112から構成される位相漸増調整手順及
びステップ114〜122から構成される利得漸増調整
手段を実行し、しかる後にステップ134を実行する。
この手順において遅延時間τに係る漸増調整手順を設け
ていないのは、本実施形態のように繰り返し回り込む波
(多重遅延波)を利用している場合、τ0+τ1+τ
2、ひいてはτ2を正確に検出できることによる。従っ
て、本実施形態によれば、前述の第2実施形態に比べ、
制御部22の動作手順が簡素になる。更に、その動作に
要する時間も短縮される。
【0030】図12に、本発明の第4実施形態に係る中
継放送機の構成を示す。この実施形態においては、可変
減衰器18や遅延回路28を設けていない。これは、本
実施形態で利用しているのが、ヌルシンボル受信期間で
はなくOFDM波のスペクトラム分布であることによ
る。
【0031】本実施形態における回り込み検出部20
は、受信増幅部12の出力を高速フーリエ変換FFT部
20jを用いて、受信した放送波即ちOFDM波におけ
るスペクトラム分布を検出する。OFDM波におけるス
ペクトラム分布は、理想的な状態即ち回り込みの生じて
いない状態では、図13(a)に示されるような一様な
分布となる。しかしながら、実際には、送信空中線16
から受信空中線10への回り込みが発生しているため、
図13(b)に示されるような非一様性(リップル)が
発生する。図13(b)に示されるスペクトラム分布に
おいて注目すべき点は、スペクトラム分布における信号
強度の変化に規則性があること、即ちその周波数軸上で
の変動周期が1/(τ0+τ2)と一致していることで
ある。これは、図12に示される系の伝達関数Hが次の
【数3】H=α・exp(−jωτ0)/{1−α・β
/exp(−jω(τ0+τ2))} 但し、α:増幅系統の利得 β:回り込みに係る減衰量 であらわされることによっても理解されよう。
【0032】回り込み検出部20を構成する遅延時間検
出部20lは、FFT部20jによって得られたスペク
トラム分布に現れている信号強度変化の周期からτ0+
τ2ひいてはτ2を検出し、その結果を制御部22に知
らしめる。また、減衰率検出部20kは、図13(b)
中の信号強度の最大値及び最小値を検出し両者の差を求
め、その結果を、送信空中線16から受信空中線10に
至る無線伝搬路における信号減衰率として制御部22に
知らしめる。制御部22は、減衰率検出部20kや遅延
時間検出部20lの出力に基づいて、帰還回路26の特
性を調整する。
【0033】図14に、この実施形態における制御部2
2の動作手順を示す。この実施形態おいては、まず、制
御部22は、帰還回路26の減衰量を無限大に設定した
状態で、回り込み検出部20特に遅延時間検出部20l
からτ0+τ2に関する情報を入力し(142)この値
から既知の値であるτ0を減じた値を帰還回路26の遅
延時間τ0として設定し(144)、更に帰還回路26
の利得(若しくは減衰量)及び位相を初期設定する(1
46)。これ以降の手順は、前述の第3実施形態におけ
る手順と同様である。なお、本実施形態においても遅延
時間τに係る漸増調整手順を実行していないが、これ
は、FFT部20jの出力を利用した分析によって、遅
延時間τ2を正確に検出できることによる。
【0034】なお、以上の説明は、本発明の好適な実施
形態の説明であって、本発明の実施形態がこれらの実施
形態に限定される主旨ではない。例えば、前述の各実施
形態において用いていたソフトスタート回路14bは、
場合によっては削除することができる。更に、伝送帯域
外信号の受信により調整を行うフィードフォワード型の
低歪増幅器14cに代えて、他の種類の増幅器を用いる
ようにしても構わない。更に、図15に示されているよ
うに、受信増幅部12の出力(又はこれを可変減衰器1
8や遅延回路28を介して得られる放送波)中にヌルシ
ンボルが現れていることをヌルシンボル検出器30によ
って検出し、この検出に応じて信号を再構成し放送波中
にヌルシンボルを挿入するヌルシンボル挿入回路32を
設けるようにすれば、回り込みを抑圧乃至補償する動作
が安定化すると共に、図示しない他の中継放送機が回り
込みの打ち消し残しの影響を受けることがなくなり、放
送システム全体としてもより安定な動作が可能になる。
加えて、本願では本発明を「中継放送機」に係る発明と
して述べていたが、本願の開示内容を参照した当業者に
とっては、本発明を他のカテゴリ、例えば「回り込み解
消方法」「放送システム」等として表現することは容易
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る中継放送機の構
成を示すブロック図である。
【図2】 ソフトスタート回路及び低歪増幅器の構成を
示すブロック図である。
【図3】 他の実施形態の変形例を示すブロック図であ
る。
【図4】 他の実施形態の変形例を示すブロック図であ
る。
【図5】 他の実施形態の変形例を示すブロック図であ
る。
【図6】 本発明の第2実施形態に係る中継放送機の構
成を示すブロック図である。
【図7】 この実施形態の動作原理を示すタイミングチ
ャートである。
【図8】 この実施形態における制御部の動作手順を示
すフローチャートである。
【図9】 本発明の第3実施形態に係る中継放送機の構
成、特に回り込み検出部の構成を示すブロック図であ
る。
【図10】 この実施形態の動作原理を示すタイミング
チャートである。
【図11】 この実施形態における制御部の動作手順を
示すフローチャートである。
【図12】 本発明の第4実施形態に係る中継放送機の
構成を示すブロック図である。
【図13】 この実施形態の動作原理を示すスペクトラ
ム分布図、特に(a)は回り込みが生じていない理想的
な状態でのスペクトラム分布を、また(b)は回り込み
が生じている状態でのスペクトラム分布を、それぞれ示
す図である。
【図14】 この実施形態における制御部の動作手順を
示すフローチャートである。
【図15】 本発明の各実施形態の変形例を示すブロッ
ク図である。
【図16】 OFDM方式を説明するための図である。
【図17】 一従来技術に係る中継放送機の構成を示す
ブロック図である。
【符号の説明】
10 受信空中線、12 受信増幅部、14 電力増幅
部、14b ソフトスタート回路、14c 低歪増幅
器、16 送信空中線、18 可変減衰器、20回り込
み検出部、22 制御部、26 帰還回路、28 遅延
回路。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディジタルデータを、直交周波数分割多
    重方式に従い複数の副搬送波が多重される放送波にて搬
    送し、利用者に提供する放送システムにて用いられる中
    継放送機であって、 放送局又は他の中継放送機から送信された放送波をその
    受信空中線にて受信し、受信した放送波を増幅し、増幅
    した放送波をその送信空中線から他の中継放送機又は利
    用者装置に送信する増幅系統と、 上記送信空中線から上記受信空中線への放送波の回り込
    みの程度乃至性状を、所定頻度で挿入されているヌルシ
    ンボル又は上記直交周波数分割多重方式の特質を利用し
    て検出し、その結果に基づき上記増幅系統の動作を調整
    する調整手段とを備え、 上記受信空中線から上記増幅系統、上記送信空中線及び
    無線伝搬路を経て上記受信空中線に至るループの発振
    を、上記調整によって防止することを特徴とする中継放
    送機。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の中継放送機において、 上記増幅系統が、その減衰量を可変調整可能な可変減衰
    器又はその利得を可変調整可能な可変利得増幅器を備
    え、 上記調整手段が、上記ヌルシンボルを受信している期間
    における放送波の受信信号強度を上記回り込みに係る信
    号強度として検出し、検出した信号強度が所定レベルを
    上回ったときに上記可変減衰器の減衰量を増加させ又は
    上記可変利得増幅器の利得を低減させることにより、上
    記ループのループ利得を0(dB)未満に抑えることを
    特徴とする中継放送機。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の中継放送機において、 上記増幅系統が、その送信空中線から送信すべき放送波
    の一部を送信空中線前段から分岐して、受信空中線にて
    受信された放送波と共に当該増幅系統に入力する帰還回
    路を備え、 上記調整手段が、上記ヌルシンボルを受信している期間
    において有意な強度の信号を受信したとき、上記ヌルシ
    ンボルを受信し始めてからその信号の受信までに経過し
    た時間及びその信号の強度を、上記無線伝搬路にて生じ
    る信号遅延時間及び回り込んだ信号の強度として検出
    し、検出した信号遅延時間及び信号強度に応じて、上記
    帰還回路における信号遅延時間及び利得若しくは減衰量
    を調整することにより、回り込んだ信号を補償すること
    を特徴とする中継放送機。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の中継放送機において、 上記増幅系統が、所定の信号遅延時間を有する遅延回路
    を備え、 上記調整手段が、上記無線伝搬路にて生じる信号遅延時
    間を、検出した信号遅延時間から上記遅延回路における
    信号遅延時間を減ずることにより推定し、推定した信号
    遅延時間に基づき信号遅延時間に関する調整開始点を設
    定した上で、上記帰還回路における信号遅延時間、利得
    若しくは減衰量及び移相量を、漸増乃至漸減調整するこ
    とを特徴とする中継放送機。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の中継放送機において、 上記増幅系統が、その送信空中線から送信すべき放送波
    の一部を送信空中線前段から分岐して、受信空中線にて
    受信された放送波と共に当該増幅系統に入力する帰還回
    路を備え、 上記調整手段が、上記ヌルシンボルを受信し始める時点
    近傍で受信した放送波と上記ヌルシンボルを受信してい
    る期間において受信した信号との相関を検出し、この相
    関がピークを示した複数のタイミングの間隔を上記無線
    伝搬路にて生じた信号遅延時間として、またこの複数の
    タイミングそれぞれにて受信した信号の強度が時間経過
    に伴い低下していく比率を上記無線伝搬路における信号
    減衰率としてそれぞれ検出し、検出した信号遅延時間及
    び信号減衰率に応じて、上記帰還回路における信号遅延
    時間及び利得若しくは減衰量を調整することにより、回
    り込んだ信号を補償することを特徴とする中継放送機。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の中継放送機において、 上記増幅系統が、所定の信号遅延時間を有する遅延回路
    を備え、 上記調整手段が、上記無線伝搬路にて生じる信号遅延時
    間を、検出した信号遅延時間から上記遅延回路における
    信号遅延時間を減ずることにより推定し、推定した信号
    遅延時間に基づき上記帰還回路における信号遅延時間を
    調整設定する一方で、上記帰還回路における利得若しく
    は減衰量及び移相量を、漸増乃至漸減調整することを特
    徴とする中継放送機。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の中継放送機において、 上記増幅系統が、その送信空中線から送信すべき放送波
    の一部を送信空中線前段から分岐して、受信空中線にて
    受信された放送波と共に当該増幅系統に入力する帰還回
    路を備え、 上記調整手段が、受信した放送波のスペクトラム分布に
    現れている信号強度変化の規則性を検出し、検出の結果
    に基づき上記無線伝搬路にて生じる信号遅延時間及び上
    記無線伝搬路における信号減衰率を推定し、推定した信
    号遅延時間及び信号減衰率に応じて、上記帰還回路にお
    ける信号遅延時間及び利得若しくは減衰量を調整するこ
    とにより、回り込んだ信号を補償することを特徴とする
    中継放送機。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の中継放送機において、 上記調整手段が、推定した信号遅延時間に基づき上記帰
    還回路における信号遅延時間を調整設定する一方で、上
    記帰還回路における利得若しくは減衰量及び移相量を、
    漸増乃至漸減調整することを特徴とする中継放送機。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至8記載の中継放送機におい
    て、 上記増幅系統が、増幅に伴って生じた歪成分をフィード
    フォワードして補償する一方で送信される放送波中の伝
    送帯域外成分のレベルに応じて上記補償に係る利得及び
    /又は移相量を調整する低歪電力増幅器を備えることを
    特徴とする中継放送機。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の中継放送機において、 上記増幅系統が、電源投入又は使用開始の後徐々に、上
    記低歪電力増幅器への入力レベルを増加させていくソフ
    トスタート回路を備えることを特徴とする中継放送機。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至10記載の中継放送機に
    おいて、 上記増幅系統が、上記ヌルシンボルの到来と同時にヌル
    シンボルを挿入することを特徴とする中継放送機。
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