JP3379895B2 - 中継放送機 - Google Patents
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- H04—ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
- H04B—TRANSMISSION
- H04B7/00—Radio transmission systems, i.e. using radiation field
- H04B7/14—Relay systems
- H04B7/15—Active relay systems
- H04B7/155—Ground-based stations
- H04B7/15564—Relay station antennae loop interference reduction
- H04B7/15578—Relay station antennae loop interference reduction by gain adjustment
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- Radio Relay Systems (AREA)
- Transmission Systems Not Characterized By The Medium Used For Transmission (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、受信した放送波を
増幅して送信するブースタ型の中継放送機に関する。 【0002】 【従来の技術及びその問題点】直交周波数分割多重(Ort
hogonal Frequency Division Multiplex:OFDM)方式
は、図5に示すように互いに直交関係にある複数の副搬
送波を用いる多重方式であり、副搬送波同士でその周波
数成分が互いに重なり合うため、周波数利用効率が高い
という利点を有している。この方式を採用することによ
り、電波資源の有効利用と両立させながら、単一の主搬
送波を用いたネットワーク即ち単一周波数ネットワーク
(SFN:Single Frequency Network)を実現することが
できる。そのため、日本をはじめとして、OFDM方式
を用いた次世代ディジタル地上波放送システムが構想乃
至開発されている。 【0003】このような放送システムを実現するため、
放送局又は他の中継放送機から送信された放送波を受信
及び増幅し、他の中継放送機又は利用者装置に送信する
ブースタ型の中継放送機が検討されている。ブースタ型
の中継放送機は、一般に、図6に示されるような装置構
成を有している。この図の装置は、放送波を受信するた
めの受信空中線10、受信空中線10によって受信され
た放送波を周波数変換及び増幅するための受信増幅部1
2、受信増幅部12にて増幅された放送波を更に電力増
幅及び周波数変換する電力増幅部14、並びに電力増幅
された放送波を送信するための送信空中線16を備えて
いる。このような構成の中継放送機において問題となる
のは、送信空中線16から送信された放送波の一部が同
じ中継放送機の受信空中線10によって受信される現
象、即ち回り込み現象が生ずることである。この回り込
みによって、受信空中線10から受信増幅部12、電力
増幅部14、送信空中線16及び無線伝搬路を経て受信
空中線10に戻るループが構成されてしまい、このルー
プは、次の式 【数1】 G(dB)=Ar(dB)+Ap(dB)−U(dB) ただしAr(dB):受信増幅部12の利得 Ap(dB):電力増幅部14の利得 U(dB):回り込みに係る減衰量 にて与えられるループ利得G(dB)が0(dB)を上
回ったときに、発振してしまう。一旦発振が生じてしま
うと正常な中継放送が行えなくなるため、中継放送機を
設けるに際しては、送信空中線16と受信空中線10の
結合度を適宜設定しあるいは中継放送機の設置場所周辺
の環境について詳細な調査を行う必要があるため、設置
に際して多大な労力を要することになってしまう。 【0004】 【発明の概要】本発明の目的の一つは、受信した放送波
を同一周波数で再輻射する無線中継放送機等において、
回り込みの影響を抑え発振が生じないようにすることに
より、設置場所の検討や設置環境の調査その他に要する
労力を低減することにある。本発明においては、この目
的を、受信した又は増幅した放送波の一部を合成用信号
として取り出して遅延させ更にその振幅及び位相を制御
し、制御後の合成用信号を受信した又は増幅した放送波
と合成することによって、達成している。 【0005】即ち、本発明に係る中継放送機は、前提と
して、放送局又は他の中継放送機から送信された放送波
をその受信空中線にて受信し、受信した放送波を増幅
し、増幅した放送波をその送信空中線から他の中継放送
機又は利用者装置に送信する増幅系統を備えている。受
信した放送波には(従って増幅した放送波にも)一般に
回り込みに係る成分が含まれている。本発明において
は、この成分が打ち消されるよう、合成用信号の振幅、
位相及び遅延時間を制御する。例えば、受信した又は増
幅した放送波を所定時間に亘りサンプリングし、サンプ
リングにより得られた信号と受信した又は増幅した放送
波との間の相関を求め、相関有りとされたタイミングや
そのときの(自己)相関係数に基づき、受信した又は増
幅した放送波中に含まれる遅延波(即ち送信空中線から
同じ中継放送機の受信空中線までの無線伝搬路で伝搬遅
延を受けている放送波成分)の振幅、位相及び遅延時間
を求め、その結果に応じて合成用信号を遅延させ増幅又
は減衰させ移相させるようにすればよい。これによっ
て、受信空中線から増幅系統、送信空中線及び無線伝搬
路を経て受信空中線に至るループの発振を防止すること
ができるため、中継放送機の設置場所の検討や設置環境
の調査その他に要する労力を低減することができる。 【0006】 【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
関し図面に基づき説明する。なお、図5及び図6に示し
た従来技術と同一又は対応する部材には同一の符号を付
し、説明を省略する。 【0007】図1に、本発明の第1実施形態に係る中継
放送機の構成を示す。この中継放送機は、OFDM方式
に従い複数の副搬送波が多重される放送波にてディジタ
ルデータを搬送し利用者に提供する放送システムにおい
て、好適に用いることができる。ただし、本発明は、他
のシステムにも適用することができる。この中継放送機
はブースタ型の中継放送機であり、受信空中線10と送
信空中線16の間に増幅系統を備えている。この増幅系
統は、受信増幅部12、合成回路18及び電力増幅部1
4から構成されている。受信増幅部12は、受信空中線
10からの信号を無線周波数から中間周波数に周波数変
換する周波数変換部12aや、中間周波数に変換された
受信放送波を増幅する自動利得制御(AGC)型の増幅
器12bを有している。また、電力増幅部14は、受信
増幅部12から合成回路18を介して供給される受信放
送波を中間周波数から受信時と同じ無線周波数に変換す
る周波数変換部14aや、電源投入時又は使用開始時に
後段の低歪増幅器14cへの入力レベルを徐々に増加さ
せていくソフトスタート回路14bや、フィードフォワ
ード型の低歪増幅器14cから構成されている。 【0008】ソフトスタート回路14b及び低歪増幅器
14cは、具体的には図2に示されるような構成を有し
ている。この図に示されるように、低歪増幅器14c
は、ソフトスタート回路14bを介して周波数変換部1
4aから供給される放送波を増幅する主増幅器14c1
を有しており、主増幅器14c1によって増幅された放
送波は方向性結合器14c2、合成部14c3及び方向
性結合器14c4を介して送信空中線16に供給され
る。方向性結合器14c2は、主増幅器14c1にて増
幅された放送波の一部を歪抽出部14c5に供給してい
る。歪抽出部14c5は、主増幅器14c1に入力され
る放送波と方向性結合器14c2から供給される放送波
との比較によって、主増幅器14c1にて発生した歪成
分を抽出し、歪補償増幅器14c6はこの歪成分を増幅
して合成部14c3に供給する。合成部14c3は、方
向性結合器14c2を介して主増幅器14c1から供給
される増幅された放送波中の歪成分を、歪補償増幅器1
4c6において同程度のレベルまで増幅された歪成分を
利用して、逆相合成等の方法により補償する。更に、合
成部14c3にて歪成分が補償された放送波の一部は、
方向性結合器14c4を介して受信部14c7に供給さ
れ、受信部14c7はこの放送波中の伝送帯域外成分、
例えば不要輻射成分を受信し、制御部14c8は、この
不要輻射成分のレベル等に応じて歪み補償増幅器14c
6における増幅利得や位相調整量を制御する。このよう
な構成によって、温度その他の変動に対して安定なフィ
ードフォワード型の低歪増幅器14cを実現することが
できる。 【0009】また、ソフトスタート回路14bは、周波
数変換部14aと主増幅器14c1との間に介在する可
変減衰器14b1を有している。また、ソフトスタート
回路14bは、周波数変換部14aから供給される放送
波をAM検波することによりその包絡線を検出するAM
検波器14b2も有しており、更にその後段のヌルシン
ボル検出器14b3は、AM検波器14b2の出力中に
周期的に0となるヌルシンボルが現れているかどうかを
判別する。現れているときには、ヌルシンボル検出器1
4b3は所定の電圧を出力し、そうでないときにはその
出力電圧を0とする。ヌルシンボル検出器14b3の後
段には、抵抗R、コンデンサC及びダイオードDから構
成される積分回路が設けられており、この積分回路によ
って積分された電圧は可変減衰器14b1にその減衰量
の制御電圧として供給される。即ち、電源投入や使用開
始に伴ってヌルシンボルの周期的な到来を検出できる状
態になったときには、ヌルシンボル検出器14b3の出
力が0から所定値へと変化するため、積分回路における
積分値は徐々に増加していき、この増加に応じて可変減
衰器14b1における減衰量が低下していくため、主増
幅器14c1への入力レベルは徐々に増加していくこと
になる。このようなソフトスタート回路14bを設ける
ことによって、低歪増幅器14cにおける歪補償増幅器
14c6の利得・位相調整動作を、過渡的にではあれ大
きな歪成分を発生させることなく実行することが可能に
なると共に、後述する回り込み抑圧(又は補償)のため
の調整処理を好適に行うことが可能になる。更に、万一
中継放送機に発振が生じたときでも、このソフトスター
ト回路14bを起動させることにより、発振状態から脱
することができる。 【0010】図1に示す中継放送機は、更に、合成処理
制御部20及び合成用信号生成部22を備えている。合
成処理制御部20は、受信増幅部12の出力から遅延波
を検出する遅延波検出回路20a及び検出された遅延波
の振幅A、位相θ及び遅延時間tに応じて合成用信号生
成部22の動作を制御する制御回路20bが設けられて
いる。遅延波検出回路20aは、例えば、所定時間に亘
り受信増幅部12の出力をサンプリングし、サンプリン
グにより得られた信号と後続する受信増幅部12の出力
との相関の有無を検出し、相関があると判定した時刻即
ち遅延波の受信タイミングから遅延時間tを、またその
ときの(自己)相関係数から遅延波の振幅A及び位相θ
を求める。他方、合成用信号生成部22は、受信増幅部
12の出力の一部を分岐入力しこれを遅延させる遅延回
路22a並びにその位相及び振幅を調整して合成回路1
8に供給する位相振幅調整回路22bを備えており、制
御回路20bは、検出された遅延時間tと同じ遅延時間
となるよう遅延回路22aの遅延時間を制御し、また、
合成回路18への出力が検出された振幅Aと同じ振幅に
なりかつ検出された位相θとは逆の位相になるよう位相
振幅調整回路22bにおける出力振幅及び位相を制御す
る。合成回路18は、位相振幅調整回路22bの出力を
受信増幅部12の出力と合成することにより、受信増幅
部12の出力に含まれる遅延波即ち回り込みに起因する
成分を補償乃至抑圧する。 【0011】従って、本実施形態においては、受信増幅
部12の出力中の遅延波成分が補償乃至抑圧されるた
め、受信空中線10、受信増幅部12、合成回路18、
電力増幅部14、送信空中線16及び無線伝搬路を経て
受信空中線10に戻るループの発振を防止することがで
きるため、中継増幅器の設置場所やその周辺環境の検討
乃至調査に係る労力が不要となり、低コストでの実施が
可能になる。これによって、同一無線周波数での中継が
実質上可能になるため、放送波の伝送回線を別途設ける
必要もなくなり、経済的な次世代地上波放送ネットワー
クを構築することが可能になる。特に、合成用信号生成
部22における遅延時間、振幅及び位相の調整目標にわ
ずかなずれを意図的に与え(即ち摂動させ)、遅延波成
分が常に最小になるよう合成処理制御部20が合成用信
号生成部22を制御する方法、即ち摂動法を併用すれ
ば、上述の効果は更に顕著になる。 【0012】なお、この実施形態においては、受信増幅
部12と電力増幅部14の間に合成回路18を設けるよ
うにしていたが、合成回路18の位置は他の位置に変え
ることができる。例えば、図3に第2実施形態として示
されるように、周波数変換部12aとAGC増幅器12
bとの間に合成回路18を設け、周波数変換部12aの
出力の一部を合成用に取り出し合成用信号生成部22や
合成処理制御部20に入力するようにしてもよい。ま
た、合成用に放送波を取り出す点と合成回路18を設け
る点とは別々の位置にあってもよい。例えば、図4に第
3実施形態として示されるように、周波数変換部12a
の出力の一部を合成用に取り出し、AGC増幅器12b
と周波数変換部14aとの間に設けた合成回路18にて
信号の合成を行うようにしてもよい。また、合成用信号
生成部22に周波数変換機能を設けることが可能である
ような用途では、中間周波数回路内の処理ではなく高周
波回路にもまたがった処理として、本発明を実施するこ
とも可能であろう。 【0013】また、以上の説明は、本発明の好適な実施
形態の説明であって、本発明の実施形態がこれらの実施
形態に限定される主旨ではない。例えば、前述の各実施
形態において用いていたソフトスタート回路14bは、
場合によっては削除することができる。更に、伝送帯域
外信号の受信により調整を行うフィードフォワード型の
低歪増幅器14cに代えて、他の種類の増幅器を用いる
ようにしても構わない。加えて、本願では本発明を「中
継放送機」に係る発明として述べていたが、本願の開示
内容を参照した当業者にとっては、本発明を他のカテゴ
リ、例えば「回り込み解消方法」「放送システム」等と
して表現することは容易である。
増幅して送信するブースタ型の中継放送機に関する。 【0002】 【従来の技術及びその問題点】直交周波数分割多重(Ort
hogonal Frequency Division Multiplex:OFDM)方式
は、図5に示すように互いに直交関係にある複数の副搬
送波を用いる多重方式であり、副搬送波同士でその周波
数成分が互いに重なり合うため、周波数利用効率が高い
という利点を有している。この方式を採用することによ
り、電波資源の有効利用と両立させながら、単一の主搬
送波を用いたネットワーク即ち単一周波数ネットワーク
(SFN:Single Frequency Network)を実現することが
できる。そのため、日本をはじめとして、OFDM方式
を用いた次世代ディジタル地上波放送システムが構想乃
至開発されている。 【0003】このような放送システムを実現するため、
放送局又は他の中継放送機から送信された放送波を受信
及び増幅し、他の中継放送機又は利用者装置に送信する
ブースタ型の中継放送機が検討されている。ブースタ型
の中継放送機は、一般に、図6に示されるような装置構
成を有している。この図の装置は、放送波を受信するた
めの受信空中線10、受信空中線10によって受信され
た放送波を周波数変換及び増幅するための受信増幅部1
2、受信増幅部12にて増幅された放送波を更に電力増
幅及び周波数変換する電力増幅部14、並びに電力増幅
された放送波を送信するための送信空中線16を備えて
いる。このような構成の中継放送機において問題となる
のは、送信空中線16から送信された放送波の一部が同
じ中継放送機の受信空中線10によって受信される現
象、即ち回り込み現象が生ずることである。この回り込
みによって、受信空中線10から受信増幅部12、電力
増幅部14、送信空中線16及び無線伝搬路を経て受信
空中線10に戻るループが構成されてしまい、このルー
プは、次の式 【数1】 G(dB)=Ar(dB)+Ap(dB)−U(dB) ただしAr(dB):受信増幅部12の利得 Ap(dB):電力増幅部14の利得 U(dB):回り込みに係る減衰量 にて与えられるループ利得G(dB)が0(dB)を上
回ったときに、発振してしまう。一旦発振が生じてしま
うと正常な中継放送が行えなくなるため、中継放送機を
設けるに際しては、送信空中線16と受信空中線10の
結合度を適宜設定しあるいは中継放送機の設置場所周辺
の環境について詳細な調査を行う必要があるため、設置
に際して多大な労力を要することになってしまう。 【0004】 【発明の概要】本発明の目的の一つは、受信した放送波
を同一周波数で再輻射する無線中継放送機等において、
回り込みの影響を抑え発振が生じないようにすることに
より、設置場所の検討や設置環境の調査その他に要する
労力を低減することにある。本発明においては、この目
的を、受信した又は増幅した放送波の一部を合成用信号
として取り出して遅延させ更にその振幅及び位相を制御
し、制御後の合成用信号を受信した又は増幅した放送波
と合成することによって、達成している。 【0005】即ち、本発明に係る中継放送機は、前提と
して、放送局又は他の中継放送機から送信された放送波
をその受信空中線にて受信し、受信した放送波を増幅
し、増幅した放送波をその送信空中線から他の中継放送
機又は利用者装置に送信する増幅系統を備えている。受
信した放送波には(従って増幅した放送波にも)一般に
回り込みに係る成分が含まれている。本発明において
は、この成分が打ち消されるよう、合成用信号の振幅、
位相及び遅延時間を制御する。例えば、受信した又は増
幅した放送波を所定時間に亘りサンプリングし、サンプ
リングにより得られた信号と受信した又は増幅した放送
波との間の相関を求め、相関有りとされたタイミングや
そのときの(自己)相関係数に基づき、受信した又は増
幅した放送波中に含まれる遅延波(即ち送信空中線から
同じ中継放送機の受信空中線までの無線伝搬路で伝搬遅
延を受けている放送波成分)の振幅、位相及び遅延時間
を求め、その結果に応じて合成用信号を遅延させ増幅又
は減衰させ移相させるようにすればよい。これによっ
て、受信空中線から増幅系統、送信空中線及び無線伝搬
路を経て受信空中線に至るループの発振を防止すること
ができるため、中継放送機の設置場所の検討や設置環境
の調査その他に要する労力を低減することができる。 【0006】 【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
関し図面に基づき説明する。なお、図5及び図6に示し
た従来技術と同一又は対応する部材には同一の符号を付
し、説明を省略する。 【0007】図1に、本発明の第1実施形態に係る中継
放送機の構成を示す。この中継放送機は、OFDM方式
に従い複数の副搬送波が多重される放送波にてディジタ
ルデータを搬送し利用者に提供する放送システムにおい
て、好適に用いることができる。ただし、本発明は、他
のシステムにも適用することができる。この中継放送機
はブースタ型の中継放送機であり、受信空中線10と送
信空中線16の間に増幅系統を備えている。この増幅系
統は、受信増幅部12、合成回路18及び電力増幅部1
4から構成されている。受信増幅部12は、受信空中線
10からの信号を無線周波数から中間周波数に周波数変
換する周波数変換部12aや、中間周波数に変換された
受信放送波を増幅する自動利得制御(AGC)型の増幅
器12bを有している。また、電力増幅部14は、受信
増幅部12から合成回路18を介して供給される受信放
送波を中間周波数から受信時と同じ無線周波数に変換す
る周波数変換部14aや、電源投入時又は使用開始時に
後段の低歪増幅器14cへの入力レベルを徐々に増加さ
せていくソフトスタート回路14bや、フィードフォワ
ード型の低歪増幅器14cから構成されている。 【0008】ソフトスタート回路14b及び低歪増幅器
14cは、具体的には図2に示されるような構成を有し
ている。この図に示されるように、低歪増幅器14c
は、ソフトスタート回路14bを介して周波数変換部1
4aから供給される放送波を増幅する主増幅器14c1
を有しており、主増幅器14c1によって増幅された放
送波は方向性結合器14c2、合成部14c3及び方向
性結合器14c4を介して送信空中線16に供給され
る。方向性結合器14c2は、主増幅器14c1にて増
幅された放送波の一部を歪抽出部14c5に供給してい
る。歪抽出部14c5は、主増幅器14c1に入力され
る放送波と方向性結合器14c2から供給される放送波
との比較によって、主増幅器14c1にて発生した歪成
分を抽出し、歪補償増幅器14c6はこの歪成分を増幅
して合成部14c3に供給する。合成部14c3は、方
向性結合器14c2を介して主増幅器14c1から供給
される増幅された放送波中の歪成分を、歪補償増幅器1
4c6において同程度のレベルまで増幅された歪成分を
利用して、逆相合成等の方法により補償する。更に、合
成部14c3にて歪成分が補償された放送波の一部は、
方向性結合器14c4を介して受信部14c7に供給さ
れ、受信部14c7はこの放送波中の伝送帯域外成分、
例えば不要輻射成分を受信し、制御部14c8は、この
不要輻射成分のレベル等に応じて歪み補償増幅器14c
6における増幅利得や位相調整量を制御する。このよう
な構成によって、温度その他の変動に対して安定なフィ
ードフォワード型の低歪増幅器14cを実現することが
できる。 【0009】また、ソフトスタート回路14bは、周波
数変換部14aと主増幅器14c1との間に介在する可
変減衰器14b1を有している。また、ソフトスタート
回路14bは、周波数変換部14aから供給される放送
波をAM検波することによりその包絡線を検出するAM
検波器14b2も有しており、更にその後段のヌルシン
ボル検出器14b3は、AM検波器14b2の出力中に
周期的に0となるヌルシンボルが現れているかどうかを
判別する。現れているときには、ヌルシンボル検出器1
4b3は所定の電圧を出力し、そうでないときにはその
出力電圧を0とする。ヌルシンボル検出器14b3の後
段には、抵抗R、コンデンサC及びダイオードDから構
成される積分回路が設けられており、この積分回路によ
って積分された電圧は可変減衰器14b1にその減衰量
の制御電圧として供給される。即ち、電源投入や使用開
始に伴ってヌルシンボルの周期的な到来を検出できる状
態になったときには、ヌルシンボル検出器14b3の出
力が0から所定値へと変化するため、積分回路における
積分値は徐々に増加していき、この増加に応じて可変減
衰器14b1における減衰量が低下していくため、主増
幅器14c1への入力レベルは徐々に増加していくこと
になる。このようなソフトスタート回路14bを設ける
ことによって、低歪増幅器14cにおける歪補償増幅器
14c6の利得・位相調整動作を、過渡的にではあれ大
きな歪成分を発生させることなく実行することが可能に
なると共に、後述する回り込み抑圧(又は補償)のため
の調整処理を好適に行うことが可能になる。更に、万一
中継放送機に発振が生じたときでも、このソフトスター
ト回路14bを起動させることにより、発振状態から脱
することができる。 【0010】図1に示す中継放送機は、更に、合成処理
制御部20及び合成用信号生成部22を備えている。合
成処理制御部20は、受信増幅部12の出力から遅延波
を検出する遅延波検出回路20a及び検出された遅延波
の振幅A、位相θ及び遅延時間tに応じて合成用信号生
成部22の動作を制御する制御回路20bが設けられて
いる。遅延波検出回路20aは、例えば、所定時間に亘
り受信増幅部12の出力をサンプリングし、サンプリン
グにより得られた信号と後続する受信増幅部12の出力
との相関の有無を検出し、相関があると判定した時刻即
ち遅延波の受信タイミングから遅延時間tを、またその
ときの(自己)相関係数から遅延波の振幅A及び位相θ
を求める。他方、合成用信号生成部22は、受信増幅部
12の出力の一部を分岐入力しこれを遅延させる遅延回
路22a並びにその位相及び振幅を調整して合成回路1
8に供給する位相振幅調整回路22bを備えており、制
御回路20bは、検出された遅延時間tと同じ遅延時間
となるよう遅延回路22aの遅延時間を制御し、また、
合成回路18への出力が検出された振幅Aと同じ振幅に
なりかつ検出された位相θとは逆の位相になるよう位相
振幅調整回路22bにおける出力振幅及び位相を制御す
る。合成回路18は、位相振幅調整回路22bの出力を
受信増幅部12の出力と合成することにより、受信増幅
部12の出力に含まれる遅延波即ち回り込みに起因する
成分を補償乃至抑圧する。 【0011】従って、本実施形態においては、受信増幅
部12の出力中の遅延波成分が補償乃至抑圧されるた
め、受信空中線10、受信増幅部12、合成回路18、
電力増幅部14、送信空中線16及び無線伝搬路を経て
受信空中線10に戻るループの発振を防止することがで
きるため、中継増幅器の設置場所やその周辺環境の検討
乃至調査に係る労力が不要となり、低コストでの実施が
可能になる。これによって、同一無線周波数での中継が
実質上可能になるため、放送波の伝送回線を別途設ける
必要もなくなり、経済的な次世代地上波放送ネットワー
クを構築することが可能になる。特に、合成用信号生成
部22における遅延時間、振幅及び位相の調整目標にわ
ずかなずれを意図的に与え(即ち摂動させ)、遅延波成
分が常に最小になるよう合成処理制御部20が合成用信
号生成部22を制御する方法、即ち摂動法を併用すれ
ば、上述の効果は更に顕著になる。 【0012】なお、この実施形態においては、受信増幅
部12と電力増幅部14の間に合成回路18を設けるよ
うにしていたが、合成回路18の位置は他の位置に変え
ることができる。例えば、図3に第2実施形態として示
されるように、周波数変換部12aとAGC増幅器12
bとの間に合成回路18を設け、周波数変換部12aの
出力の一部を合成用に取り出し合成用信号生成部22や
合成処理制御部20に入力するようにしてもよい。ま
た、合成用に放送波を取り出す点と合成回路18を設け
る点とは別々の位置にあってもよい。例えば、図4に第
3実施形態として示されるように、周波数変換部12a
の出力の一部を合成用に取り出し、AGC増幅器12b
と周波数変換部14aとの間に設けた合成回路18にて
信号の合成を行うようにしてもよい。また、合成用信号
生成部22に周波数変換機能を設けることが可能である
ような用途では、中間周波数回路内の処理ではなく高周
波回路にもまたがった処理として、本発明を実施するこ
とも可能であろう。 【0013】また、以上の説明は、本発明の好適な実施
形態の説明であって、本発明の実施形態がこれらの実施
形態に限定される主旨ではない。例えば、前述の各実施
形態において用いていたソフトスタート回路14bは、
場合によっては削除することができる。更に、伝送帯域
外信号の受信により調整を行うフィードフォワード型の
低歪増幅器14cに代えて、他の種類の増幅器を用いる
ようにしても構わない。加えて、本願では本発明を「中
継放送機」に係る発明として述べていたが、本願の開示
内容を参照した当業者にとっては、本発明を他のカテゴ
リ、例えば「回り込み解消方法」「放送システム」等と
して表現することは容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る中継放送機の構
成を示すブロック図である。 【図2】 ソフトスタート回路及び低歪増幅器の構成を
示すブロック図である。 【図3】 本発明の第2実施形態に係る中継放送機の構
成を示すブロック図である。 【図4】 本発明の第3実施形態に係る中継放送機の構
成を示すブロック図である。 【図5】 OFDM方式を説明するための図である。 【図6】 一従来技術に係る中継放送機の構成を示すブ
ロック図である。 【符号の説明】 10 受信空中線、12 受信増幅部、14 電力増幅
部、16 送信空中線、18 合成回路、20 合成処
理制御部、22 合成用信号生成部。
成を示すブロック図である。 【図2】 ソフトスタート回路及び低歪増幅器の構成を
示すブロック図である。 【図3】 本発明の第2実施形態に係る中継放送機の構
成を示すブロック図である。 【図4】 本発明の第3実施形態に係る中継放送機の構
成を示すブロック図である。 【図5】 OFDM方式を説明するための図である。 【図6】 一従来技術に係る中継放送機の構成を示すブ
ロック図である。 【符号の説明】 10 受信空中線、12 受信増幅部、14 電力増幅
部、16 送信空中線、18 合成回路、20 合成処
理制御部、22 合成用信号生成部。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平8−8796(JP,A)
実開 昭54−60421(JP,U)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
H04B 7/14 - 7/22
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 放送局又は他の中継放送機から送信され
た放送波をその受信空中線にて受信し、受信した放送波
を増幅し、増幅した放送波をその送信空中線から他の中
継放送機又は利用者装置に送信する増幅系統と、 上記受信した放送波又は増幅した放送波の一部を合成用
信号として取り出し上記受信した放送波又は増幅した放
送波と合成する手段と、上記受信した放送波又は増幅した放送波から自己相関検
出によって放送波中の遅延波の遅延時間、振幅及び位相
を求める手段と、 求めた遅延時間、振幅及び位相に基づき、 合成先の放送
波に含まれる回り込みが打ち消されるよう上記合成用信
号に遅延を付与しさらにその振幅及び位相を制御する手
段とを備え、 上記受信空中線から上記増幅系統、上記送信空中線及び
無線伝搬路を経て上記受信空中線に至るループの発振
を、上記制御によって防止することを特徴とする中継放
送機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28185597A JP3379895B2 (ja) | 1997-10-15 | 1997-10-15 | 中継放送機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28185597A JP3379895B2 (ja) | 1997-10-15 | 1997-10-15 | 中継放送機 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11122156A JPH11122156A (ja) | 1999-04-30 |
JP3379895B2 true JP3379895B2 (ja) | 2003-02-24 |
Family
ID=17644942
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28185597A Expired - Fee Related JP3379895B2 (ja) | 1997-10-15 | 1997-10-15 | 中継放送機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3379895B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4409639B2 (ja) * | 1998-06-10 | 2010-02-03 | 日本放送協会 | 回り込みキャンセラ |
WO2007073092A1 (en) * | 2005-12-22 | 2007-06-28 | Sk Telecom Co., Ltd. | Radio repeater for mobile communication system and repeating method using the same |
JP5075101B2 (ja) * | 2008-12-02 | 2012-11-14 | 島田理化工業株式会社 | 干渉信号抑圧方法及び装置、リピータ装置 |
-
1997
- 1997-10-15 JP JP28185597A patent/JP3379895B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11122156A (ja) | 1999-04-30 |
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