JP3848836B2 - 信号電力ダイナミックレンジ圧縮回路及びそれを使った電力増幅回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、送信電力増幅器及び受信増幅器に入力される信号の電力ダイナミックレンジを圧縮する回路及びそれを使った電力増幅回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
狭帯域の複数のキャリアを用いて高速伝送を可能にするマルチキャリア無線通信方法がある。単一キャリアにて高速伝送を行う場合に比べて、マルチキャリアにて高速伝送を行うとフエージング等の伝搬路変動の影響を受けにくいため、遅延波の影響を受けにくい。また、無線回路構成と要求条件を緩和できる利点がある。
このような高速伝送において利点のあるマルチキャリア無線通信方法は、これまで固定マイクロ波通信、マルチチャンネルアクセスによる業務用通信、などで実用化されている。
【0003】
また、近年マイクロ波帯において高速伝送を目的として、直交周波数多重方式(Orthogonal Frequency Division Multiplexing: OFDM)を用いた無線通信方法が提案されている。放送においては、次世代のディジタルテレビにOFDMの適用が検討されている。
これらマルチキャリア無線通信方法は数々の特徴をもつが、複数の搬送波を多重することで送信装置の相互変調歪みによる帯域外漏洩電力の増大、符号間干渉の発生などの問題がある。この送信装置による相互変調歪みは、周波数変換器や送信電力増幅器などで生じる。特に、送信電力増幅器の非線形性による影響が大きい。一般に、複数の搬送波を同時に送信電力増幅器で増幅する場合、ピーク対平均電力比(Peak-to-Average Power Ratio: PAPR)だけ出力バックオフを取らないと相互変調歪みを生じる。従って、マルチキャリア用送信電力増幅器は、飽和出力を十分に高くする必要がある。一般に送信電力増幅器は、飽和出力に応じて供給電力や放熱フィンなどの関係から装置の大規模化及び高価格化になる。
【0004】
過去に固定マイクロ波無線通信において、4マルチ16QAM及び4マルチ256QAM方式が実用化されている。この送信電力増幅器は、一般に個別増幅した信号を波長の1/4の線路を持つ信号多重器で合成していた。このように複数の搬送波を個別増幅することで、複数の搬送波を多重したことによるPAPR増大問題を回避していた。
これまでマルチキャリアにおけるPAPRを圧縮する方法として、搬送波の初期位相を設定する方法(楢橋祥一、野島俊雄、「マルチトーン信号のピーク対平均電力比(PAPR)を低減する初期位相設定法」、電子情報通信学会論文誌B-II、Vol.J78-BII, No.11, pp.663-671,1995年11月),ピークを生じない特定の信号パターンを用いる方法(特表平6-504175号公報、QAM通信システムにおけるピーク対平均電力の軽減)、誤り訂正符号器を用いる方法(T.A.Wilkinson,and A.E.Jones,"Minimisation of the peak to mean envelope power ratio of multicarrier transmission schemes by block coding", in Proc.45th IEEE Vechi.Technol.Conf.,pp.825-829,1995) ,ピークを圧縮する信号を多重する方法(冨里繁,鈴木博,「包絡線平滑化パラレル変復調方式」,電子情報通信学会無線通信システム研究会、RCS95-77,1995年9月)、正規直交変換器を用いる方法(日本特許出願公開10-178411、対応U.S. Patent Application Serial No.08/948,090)がある。特に、OFDMにおけるPAPR圧縮方法として、多重後の信号波形をクリッピングする方法(X.Li, and L.J.Cimni,Jr., "Effects of Cliping and Filtering on the Preformance of OFDM",in Proc,47th IEEE Vechi.Technol.Conf.,pp.1634-1638,1997),ピーク電力に応じて送信出力制御を行う方法(松本祥一,望月伸晃,梅比良正広,「広帯域マイクロセルOFDMシステム用ピーク電力低減法の検討」,電子情報通信学会無線通信研究会,RCS97-143,1997年10月)などが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
マルチキャリア無線通信に適用できるPAPR圧縮方法に求められる条件は、帯域外漏洩電力が増大することなく、伝送品質が劣化しないことである。この条件と照合すると、多重後の信号波形をクリッピングする方法はクリッピングにより帯域外漏洩電力の増大を招く。ピーク電力に応じて送信出力制御を行う方法は常に回線品質の保持に問題がある。初期位相を設定する方法においては、常に位相の変化する変調波への適用が困難である。正規直交変換による方法においては、各キャリアの位相ゆらぎによりキャリア間の直交性の劣化によりピーク電力を生じる問題がある。誤り訂正符号を用いる方法及びピーク電力を圧縮する信号を多重する方法においては伝送帯域が拡大する。このように従来技術によるPAPR圧縮方法では、伝送帯域の拡大、変調波への適用困難、帯域外歪みの増大、回線品質の保持などの問題があった。
【0006】
また、変調波に適用可能なピーク電力軽減方法は、いずれの方法も送信側でピーク電力を低減する信号処理を行い、受信側で送信側の信号処理を復元する信号処理を行う必要があった。ピーク電力を低減する回路を簡易に作り、電力増幅器の小型化、軽量化、低消費電力化を達成する高効率増幅を可能にするには、できるかぎり送信側だけで完結するピーク電力圧縮方法が望ましい。この点において、初期位相設定方法と予めPAPRを低減する信号点を用いる方法は有効であるが、初期位相設定方法については変調波への適用が困難、予めPAPRを低減する信号点を用いる方法については送信信号系列が制限される問題があった。
【0007】
この発明の目的は、入力信号の帯域外への電力漏洩が生じず、また入力信号の位相変化があっても有効にピーク電力又はピーク対平均電力比を圧縮できる信号電力ダイナミックレンジ圧縮回路、及びそれを使った電力増幅回路を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明による信号電力ダイナミックレンジ圧縮回路は、
入力信号を2つに分配する方向性結合器と、
一方の分配された入力信号を線形に伝達する線形信号伝達経路と、
他方の分配された入力信号の包絡線を定包絡化する圧縮信号を生成する圧縮信号生成経路と、
上記線形信号伝達経路と上記圧縮信号生成経路の出力信号を電力合成し合成信号を出力する電力合成器、
とを含むように構成される。
【0009】
上記信号電力ダイナミックレンジ圧縮回路の出力に電力増幅器を接続して電力増幅回路を構成する。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1に本発明による信号電力ダイナミックレンジ圧縮回路100とそれを使った電力増幅回路の原理的構成を示す。
図1において、この発明による信号電力ダイナミックレンジ圧縮回路100は、方向性結合器2と、線形信号伝達経路21と、圧縮信号生成経路22と、電力合成器6とから構成され、図1はこの電力合成器6の出力を電力増幅器8に接続して電力増幅回路を構成した場合を示している。方向性結合器2により、入力端子TIの入力信号SINを二つの経路21、22に分配する。方向性結合器2は電力分配器でもよいが、以下のすべての実施例の説明では方向性結合器を使用する場合についてのみ示す。二つの経路21、22のうち、一方21は遅延線路3により構成される線形信号伝達経路であり、もう一方22は圧縮信号生成部4を含む圧縮信号生成経路である。圧縮信号生成部4は、入力信号SINの電力を検出し、電力増幅器8の出力バックオフを圧縮する信号(以下、圧縮信号と呼ぶ)SPCを生成する。生成された圧縮信号SPCは、電力合成器6により遅延線路3の出力SDと合成され、電力増幅器8の出力バックオフを圧縮する合成信号SCが出力される。合成信号SCは電力増幅器8に入力され、電力増幅器8の出力側に設けられた圧縮信号除去部10により、電力増幅器8の入力側で注入した圧縮信号SPCを除去する。
【0011】
図2に本発明の動作原理を電力増幅器8の入力時のベクトル図を用いて説明する。図2では、それぞれの変調された信号を直交検波した場合である。圧縮信号生成回路4は線形信号伝達経路ベクトルSD に圧縮信号ベクトルSPCを合成して合成信号ベクトルSCとなる圧縮信号SPCを生成する回路であり、後でそれぞれの実施例を示すように、2種類ある。1つは入力信号のピーク電力を圧縮する圧縮信号SPCを生成する回路であり、もう1つはピーク対平均電力比を圧縮する圧縮信号SPCを生成する回路である。
【0012】
ピーク電力を圧縮する場合は、圧縮信号生成回路4は、図2に示すように入力信号ベクトルSIN(従ってそれに対応する信号ベクトルSD)に対して、ほぼ逆位相になる圧縮信号ベクトルSPCを生成する。生成方法は、後で詳述するように増幅器入力信号のピーク電力を検出し、その時の入力信号の振幅と位相を検出し、信号ベクトルSDの振幅を一定値とするベクトルを生成する。ここでは、逆相のトーン信号(単一周波信号)を圧縮信号生成回路4内の低周波発振器で生成する例を示す。これにより、方向性結合器6による合成ベクトルの大きさを、一定にできる。このようにして圧縮信号生成回路4は、圧縮信号SPCを生成すると、その出力を予め設定されている閾値以上の次のピーク電力検出まで保持する。このように、ピーク電力を検出する度に、ほぼ逆位相になるベクトルを生成し、線形信号伝達経路21の信号SDと合成することにより、ピーク電力が圧縮された合成信号SCが生成され、その合成信号SCは電力増幅器8に与えられる。このようにしてピーク電力が圧縮されることにより、入力信号SINの電力ダイナミックレンジを所望の範囲内に圧縮した合成信号SCを得ることができる。
【0013】
圧縮信号生成回路4により生成される圧縮信号SPCは単一周波信号(トーン信号とも呼ぶ)であり、増幅器の入力信号SINと異なる帯域または同一帯域に周波数変換され、ここでは、異なる帯域に周波数変換される例を図3に示す。図3から、増幅器入力信号SINと圧縮信号SPCは、異なる帯域に存在する。電力増幅器8の出力スペクトルを図4に示す。必要であれば電力増幅器8の出力側に圧縮信号除去部10として帯域通過フィルタ(BPF)を設け、電力増幅器8の入力側で注入された圧縮信号を帯域通過フィルタの周波数特性により除去してもよい。
【0014】
このようにして、送信信号のピーク電力を圧縮して電力増幅器8で電力増幅を行った後に圧縮信号SPCの成分をBPF10で除去することにより、送信回路で完結したピーク電力圧縮方法を提供できる。従って、電力増幅器8の入力ピーク電力を圧縮することで、電力増幅器8の出力バックオフの軽減により高効率増幅が可能となる。もちろん、入力信号のあるピーク電力の検出時点から次のピーク電力検出時点までの間に生成される圧縮信号のベクトルは一定とされているのに対し、入力信号ベクトルは変動するので、それらの合成ベクトルは必ずしも一定にならない。
なお、図3及び図4では、トーン信号を用いているが、圧縮信号SPCとして変調波を用いてもよい。
【0015】
次に図1における圧縮信号生成回路4がピーク対平均電力比を圧縮する場合の動作について説明する。基本原理はピーク電力圧縮の場合と同様であるが、生成する圧縮信号SPCは入力信号SINのピーク対平均電力比を圧縮する。圧縮信号SPCの生成方法は、入力信号SINのピーク対平均電力比を検出し、その比が予め設定した値より大きければ、圧縮信号生成回路4において、合成信号SCのピーク対平均電力比が規定値より小となるように圧縮信号SPCのベクトルを決める。これにより、入力信号SINのピーク対平均電力比を圧縮した信号である合成信号SCを得ることができる。ピーク対平均電力比を圧縮する信号SPCは、入力信号SINと異なる帯域又は同じ帯域に周波数変換される。注入したピーク対平均電力比を圧縮する信号SPCは、必要に応じて電力増幅器8の出力側の帯域通過フィルタ10により除去できる。入力信号SINのピーク対平均電力比を圧縮するには、例えばピーク電力に対し平均電力を増大する及び/又はピーク電力を圧縮するように圧縮信号のSPCのベクトルを決める。
【0016】
このようなピーク対平均電力比を圧縮する圧縮信号SPCは、合成信号SCの振幅が入力信号SINの予測されるピークより十分小さい予め決めた一定値となるように生成してもよい。図2では、合成信号SCを直交検波したときの信号のIQ平面における軌跡を示している。その場合、合成信号SCの包絡線は図2の円で示しているように一定値となる。後述の実施例では、この圧縮信号SPCを定包絡線化信号と呼ぶ。
このようにして、送信信号のピーク対平均電力比を圧縮することにより、電力増幅器8の入力信号電力ダイナミックレンジを圧縮することができる。また、送信回路で完結したピーク対平均電力比圧縮方法を提供できる。また、増幅回路入力信号のピーク対平均電力比を圧縮することで、出力バックオフの軽減により高効率増幅が可能となる。
【0017】
第1実施例
図5は、図1で示したこの発明による信号電力ダイナミックレンジ圧縮回路の原理的構成を、ピーク電力圧縮に関する具体化した第1実施例を示す。増幅器入力信号SINは、方向性結合器2により遅延線路3で構成される線形信号伝達経路21と圧縮信号生成回路4で構成される圧縮信号生成経路22に分配される。圧縮信号生成回路4は、レベル識別回路41、ピーク電力検出回路42、低周波発振器44、周波数変換器45、可変位相器46、可変増幅器47の従属接続で構成されている。レベル識別回路41は、分配された入力信号SINの振幅の瞬時値を観測する。観測された瞬時値は、事前にレベル識別回路41に設定されているしきい値と比較し、しきい値以上の場合に、分配された入力信号SINをピーク電力検出回路42に伝達する。それ以外では、入力信号SINを伝達しない。ピーク電力検出回路42は直交復調器により構成され、レベル識別回路41の出力から伝達された入力信号SINを直交検波し、入力信号SINのベクトル(振幅値と位相値)を検出する。検出された振幅値と位相値は、低周波発振器44に入力される。
低周波発振器44は、振幅値と位相値を設定できるシンセサイザで構成される。電力増幅器8の入力電力ダイナミックレンジを抑圧するために、検出位相値とほぼ逆位相になるように低周波発振器44を設定する。即ち、低周波発振器44に設定する位相値は、ピーク電力検出回路42で検出した位相値の逆位相値とする。振幅値については、ピーク電力検出回路42で合成信号SCを数値計算により推定し、合成信号SCが定包絡化する振幅値とする。合成後のピーク電力を所定値にするベクトルの大きさとする。これにより、ピーク電力を圧縮するベクトルを有する圧縮信号SPCを生成できる。シンセサイザ出力は、周波数変換器45にて所定の帯域に周波数変換される。この所定の帯域は、増幅器入力信号と同一帯域であってもよいし、あるいは異なる帯域であってもよい。周波数変換された圧縮信号は、可変位相器46と可変増幅器47Vで信号の振幅と位相の最終調整を行い、電力合成器6にて遅延線路3からの信号SDと電力合成される。これにより入力信号のピーク電力が圧縮される。この実施例では、電力合成器6は合成信号SCを分配出力するものであり、合成信号SCはその大部分の電力が電力増幅器8に分配され、一部が制御経路23に分配される。可変増幅器47Vは、可変減衰器と増幅器で構成されてもよい。
【0018】
前述した図1の原理的構成において、入力信号SINのベクトルに対し、あるピーク電力検出時点から逆相の圧縮信号SPCにより電力圧縮を行っても、入力信号SINのベクトルは変化していくので、レベル識別回路41により入力信号SINの次のピーク電力が検出されるまでの間に、遅延線路3の出力信号SDと圧縮信号SPCのベクトル合成による合成信号SCの瞬時振幅値が前記予め決めた閾値を超えてしまう可能性もある。
そこで、図5の実施例では、更に、制御経路23に圧縮信号調整部11を設け、合成信号SCのレベルが閾値を超えないようにする。即ち、圧縮信号調整部11は、レベル識別回路15と、ピーク電力検出回路16と、制御回路17との縦続接続で構成されている。レベル識別回路15は分配された合成信号SCのピーク電力が予め決めた閾値を超えているか判別し、閾値を超えるとピーク電力検出回路16に合成信号を伝達し、ピーク電力検出回路16は与えられた合成信号を直交検波してその位相と振幅を検出し、制御回路17に与える。制御回路17は検出された位相と振幅に基づいて可変位相器46の位相量と可変増幅器47の増幅率を、合成信号のピーク電力が閾値より小さくなるように適応アルゴリズムにより段階的に制御する。
制御回路17は、マイクロコンピュータで構成され、摂動法、最小自乗推定アルゴリズムなどで可変位相器46と可変増幅器47を制御する。また、制御回路41は、制御動作をロジックによるディジタル回路で実現してもよい。同様に、制御回路41はアナログ回路で実現してもよい。可変増幅器については、可変減衰器であっても同様のピーク電力圧縮効果を得ることができる。低周波発振器44の振幅値と位相値を制御器17にて制御しても同様である。
【0019】
本実施例によれば、ピーク電力を適応的に圧縮することにより、入力信号SINの電力ダイナミックレンジを圧縮することができるため、電力増幅器8の出力バックオフを軽減できる。これにより、電力増幅器8の高効率増幅が可能にできる。
図6はこの発明による信号電力ダイナミックレンジ圧縮回路を電力増幅器の入力側に適用することにより改善される増幅効率をドレイン効率で示す。例えば、PAPRが10dBの入力信号において、ピーク電力を4dB圧縮すれば、電力増幅器8の入力信号SCのPAPRは6dBとなる。これにより、ピーク電力圧縮以前に出力バックオフ10dBが6dBにできる。この4dBの軽減により増幅効率への影響は、増幅回路8をA級バイアス、飽和出力で最大ドレイン効率を50%、出力バックオフの定義を1dB利得圧縮点と動作点との差とすれば、本発明を適用する以前のドレイン効率が約4%に対して、本発明の適用によりドレイン効率を約10%にできる。このように、ピーク電力を完全に圧縮しなくても本発明は効果がある。このとき、帯域外漏洩電力及び符号間干渉等は全く生じない。
【0020】
第2実施例
図7に示す第2実施例は、図5の構成のうち、圧縮信号生成回路4のピーク電力検出回路42をダイオードセンサ、熱電対センサなどのピーク電力を測定するピーク電力検出センサ43で構成したものである。ここで検出されるのはピーク電力のみであり、その位相値はわからない。そこで、低周波発振器44は適当な初期位相で発振する。電力合成器6の出力をレベル識別回路15とピーク電力検出回路16を介して制御回路17では最小ピーク電力を検出するまで段階的に可変位相器46の位相値と可変増幅器47の振幅値を制御する。この方法の利点は、ピーク電力検出器の構成を簡易にできることである。
【0021】
第3実施例
図5及び7の実施例では電力増幅器8の出力から圧縮信号を除去するために、圧縮信号除去部10として帯域通過フィルタを使用する場合を示したが、図8に示す第3実施例では、帯域通過フィルタを使用する代わりに、電力増幅器8出力側の圧縮信号成分を除去するために、圧縮信号SPCの位相を反転してキャンセル信号SCCを生成し、電力増幅器8の出力に注入し、圧縮信号成分をキャンセルするように構成されている。圧縮信号成分を除去する経路を構成するキャンセル信号生成回路9は、位相反転回路91と、可変位相器92と、可変増幅器93を従属にて構成される。位相反転回路91は、方向性結合器18により分配された圧縮信号SPCの位相を反転してキャンセル信号SCCとして出力する。
可変位相器92と可変増幅器93は、制御回路53により段階的に制御され、キャンセル信号SCCの位相と振幅を調整する。電力増幅器8の出力とキャンセル信号SCCは電力合成・分配器10により合成/分配され、そのほとんどの電力は出力端子TOに出力され、一部がモニタ用としてキャンセル信号調整部50に与えられる。キャンセル信号調整部50は、レベル識別回路51、ピーク電力検出回路52、制御回路53の縦続接続で構成され、その動作は圧縮信号調整部11と同様であり、キャンセル信号SCCの位相と振幅を調整して電力合成器7の出力中の残留圧縮信号成分のレベルが所定の電界強度以下となるまで可変位相器92と可変増幅器93を段階的に制御する。振幅成分を調整する手段については、可変増幅器93に代えての可変減衰器で実現してもよい。
【0022】
第3実施例の利点は、入力信号SINとピーク電力を圧縮するために注入したキャリア(圧縮信号)との周波数が近く、入力信号SINの周波数帯域と圧縮信号の周波数帯域が一部重なったり、あるいは完全に重なったりする場合に、第1実施例のような帯域通過フィルタ10では注入したキャリアを除去できない場合に有効である。たとえば、マルチキャリア、CDMAのキャリアの中にピーク電力を圧縮するキャリアを注入する場合に特に有効である。
【0023】
第4実施例
図9に示す第4実施例は、図8に示した実施例における圧縮信号成分を除去する構成を図7の実施例に適用した場合の実施例を示す。従って、図7の第2実施例と同様にピーク電力圧縮用信号生成経路のピーク電力検出回路にダイオードセンサ、熱電対センサを用いる。これにより、ピーク電力検出回路の構成を簡易にできる。圧縮信号生成経路の低周波発振器は、任意の初期位相で発振する。制御回路17では最小ピーク電力を検出するまで段階的に可変位相器46の位相値と可変増幅器47の振幅値を制御する。可変増幅器は可変減衰器にて実現してもよい。除去信号生成回路9においては、第3実施例と同様である。このようにして、ピーク電力検出回路と低周波発振器の構成を簡易にできる。
【0024】
第5実施例
図10に、第5実施例を示す。前述した図9の実施例においては、方向性結合器18により圧縮信号SPCを分配して圧縮信号除去部としての電力合成・分配器11に与えるキャンセル信号SCCとして使用する場合を示したが、図10の実施例では、キャンセル信号SCCをピーク電力検出センサ43の出力から独立に生成し、使用する場合を示す。即ち、この第5実施例では、圧縮信号生成経路22のピーク電力検出回路43で検出された入力信号の位相と振幅に基づいて、低周波発振器95、周波数変換器96、可変位相器92、可変増幅器93を用いて除去するベクトルを生成する。この方法によると、圧縮信号を除去する信号の生成が容易になる。また、圧縮信号生成経路と経路構成上類似しており、装置構成においてモジュールの共通化がはかれる。
【0025】
第6実施例
図11に第6実施例を示す。第6実施例は、図5の実施例において、低周波発振器44で生成した信号を特定の符号を用いて変調する。これにより、可変位相器46及び可変増幅器47の制御に用いる電力増幅器8の入力信号である合成信号SCのピーク電力の検出を容易にできる。低周波発振器44による圧縮信号ベクトルは、雑音等の影響を受けると容易に振幅と位相変化を受けやすい。第6実施例は、圧縮信号の安定性を向上するために、PN系列等の特定の符号を符号発生器49で発生し、変調回路48にて低周波発振器44で発生したトーン信号を符号発生器49で発生した符号により変調する。変調された信号は、周波数変換器50、可変位相器46、可変増幅器47を経て電力合成器6により線形信号伝達経路21の出力と合成され、電力増幅器8に入力される。ただし、この実施例では圧縮信号として符号変調信号を使用するので、符号変調信号の帯域が入力信号SINの帯域外となるように周波数変換器45による周波数変換を設定する必要がある。
合成信号のピーク電力をモニタする経路23(即ち、電力合成器6,レベル識別回路15、ピーク電力検出回路16、制御回路17)では、レベル識別回路15にてピーク電力を観測し、ピーク電力検出回路16にて可変位相器46と可変増幅器47の制御量を検出する。このとき、ピーク電力検出回路は、符号発生器で生成する符号と同一の符号を用いて入力信号を復調する。これにより、圧縮信号の安定性を向上できる。図11で示した符号発生器49により発生した符号で変調された信号を圧縮信号として使用する構成は図7の実施例にも適用できる。また、図8、9、10の実施例にも適用することができ、その場合、圧縮信号の周波数帯域は入力信号の周波数帯域の一部と重なってもよいし、完全に一致してもよい。
【0026】
上述のように、図11の実施例で示した符号変調された圧縮信号SPCを使用する構成、及びその構成を図8、9及び10の実施例に適用した構成では、圧縮信号SPCを周波数変換して入力信号SINの周波数帯域と重なる帯域で線形信号伝達経路21の信号SDと合成しても、キャンセル信号SCCにより電力増幅器8の出力中の圧縮信号成分を除去できる。例えば入力信号がCDMA信号の場合、その周波数帯域を図12中のSTIで示すと、変調符号として図12中に示すように同じ周波数帯域SSPCとなる符号(スペクトル拡散符号)を使って変調を行う。これにより、電力増幅器8の出力中の圧縮信号成分が電力合成・分配器10でキャンセルされる。実際には、例えば図13に示すように、完全なキャンセルはできず、圧縮信号成分がCDMA信号帯域内に残るが、無視できる程度に小さくできる。
【0027】
同様に、図8、9及び10の実施例に入力信号SINとして例えばマルチキャリア信号が与えられ、図14に示すように圧縮信号SPCとしてのキャリア信号(即ち、圧縮用キャリア信号)を入力信号SINと同じ周波数帯域に注入する(即ち、電力合成器6で合成する)場合、圧縮用キャリア信号と逆相のキャンセル用キャリア信号を電力合成分配器7で電力増幅器8の出力に合成することにより、図15に示すように残留圧縮用キャリア信号をキャンセルして小さいレベルにすることができる。
【0028】
入力マルチキャリア信号に対し、その帯域の外に例えば図16に示すように圧縮用キャリア信号を注入した場合も、その圧縮用キャリア信号と逆相のキャンセル用キャリア信号を電力合成・分配器7で注入することにより、図17に示すように電力増幅器8の出力中の圧縮信号成分(即ち圧縮用キャリア成分)をキャンセルしてそのレベルを小さくすることができる。
【0029】
第7実施例
前述の図5、7〜11の実施例では、電力合成器6の分配出力をモニターし、ピーク電力が閾値を越さないように可変位相器46と可変増幅器47Vを制御する場合を示したが、モニター出力に基づいて低周波発振器44を制御してもよく、その例として図5に適用した場合の実施例を第7実施例として図18に示す。圧縮信号生成回路4は、レベル識別回路41と、ピーク電力検出回路42と、低周波発振器44と、周波数変換器45と、増幅器47とから構成される。圧縮信号SPCは、電力増幅器8の入力信号を方向性結合器7でモニタした信号から、圧縮信号生成回路4にて生成され、電力合成器6にて電力増幅器8の入力信号のピーク電力を低減するように遅延線路21の出力と合成される。
【0030】
レベル識別回路15は、入力信号の振幅を観測する。観測された瞬時値は、事前にレベル識別回路に設定されている閾値と比較し、閾値以上の場合にピーク電力検出回路42に入力信号SINを伝達する。それ以外では、入力信号SINを伝達しない。
ピーク電力検出回路42は、レベル識別回路の出力から与えられた入力信号SINを直交検波して入力信号のベクトル(振幅値と位相値)を検出する。検出された振幅値と位相値は、低周波発振器44に設定される。
低周波発振器44は、振幅値と位相値を設定できるシンセサイザで構成される。ここで、ここで、増幅回路入力を抑圧するために位相値をほぼ逆相になるように設定する。低周波発振器44は、設定された振幅値と位相値でトーン信号を発生する。これにより、ピーク電力を圧縮するベクトルを生成できる。
【0031】
低周波発振器44の出力は、周波数変換器45にて所定の帯域に周波数変換される。このとき、増幅器入力信号SINと同一の帯域または異なる帯域に周波数変換されてもよい。周波数変換された圧縮信号SPCは、レベル調整用の増幅器46を経て電力合成器6に入力され、遅延線路3の出力信号と合成され、電力増幅器8に与えられるとともに、一部の電力が制御経路23に分配される。
制御経路23においては、分配された信号をレベル識別回路15にて振幅の瞬時値を識別し、その瞬時振幅値が予め設定された閾値以上の場合には、ピーク電力検出回路16にて直交検波を行う。制御回路17はその直交検波した信号を用いて、増幅器入力信号SCのピーク電力を低減するように低周波発振器44が生成するトーン信号の振幅値と位相値を適応アルゴリズムにより段階的に制御する。制御回路17はマイクロプロセッサで構成され、適応アルゴリズムとして摂動法、最小自乗推定アルゴリズムなどを用いる。
【0032】
このように、低周波発振器44を制御することから、増幅器入力信号をベースバンド帯で受信したときのピーク値を抑圧することと等価である。このように、ベースバンド帯で制御動作を行うことにより、変調信号帯域幅以上の動作帯域で制御を行うことができる。これは、制御回路の簡易化を可能にする。本実施例の圧縮信号に変調波を用いても同様の構成であり、同様の効果を得ることができる。
上述した図5、7から11、18の実施例においては、圧縮信号SPCとしてピーク電力検出時の入力信号SINとほぼ等振幅、逆位相の信号を生成し、これを入力信号SIN(正確には、線形信号伝達経路21の出力信号SD)と合成する場合を説明した。つまり、圧縮信号ベクトルは、例えば図2に示すように、合成ベクトルが常に所定値より小さい一定の振幅を有するように決めてもよいが、圧縮信号は少なくとも入力信号ベクトルの位相に対し、逆相成分を有している必要がある。
【0033】
第8実施例
前述の図5、7〜11及び図18の実施例では、入力信号のピーク電力を検出し、そのピーク電力を圧縮することにより入力信号電力のダイナミックレンジを圧縮した場合を示したが、以下の実施例では入力信号のピーク対平均電力比を圧縮することにより入力信号電力のダイナミックレンジを圧縮する場合を示す。
図19に示す第8実施例では、増幅器入力信号SINは、方向性結合器2により遅延線路3で構成される線形信号伝達経路21と圧縮信号生成回路4で構成される圧縮信号生成経路22に分配される。圧縮信号生成回路4は、直交検波器4A、定包絡線化信号生成回路4B、周波数変換器45、可変位相器46、可変増幅器47Vの従属構成である。直交検波器4Aは、入力信号を直交検波し、ベクトル(位相と振幅)を観測する。観測されたベクトルは、定包絡線化信号生成回路4Bに与える。定包絡化信号生成回路4Bでは、入力信号の位相値を逆位相値に変換して出力する。このとき、振幅値については、定包絡化信号生成回路4Bで合成信号SCを数値計算により推定し、合成信号SCが定包絡化する振幅値とする。これにより、ピーク対平均電力比を圧縮するベクトルを生成できる。
【0034】
定包絡線化信号生成回路4Bの出力は、周波数変換器45にて所定の帯域に周波数変換される。このとき、増幅器入力信号と同一帯域または異なる帯域に周波数変換されてもよい。周波数変換された圧縮信号SPCは、制御された可変位相器46と可変増幅器47Vで信号の振幅と位相の最終調整を行い、電力合成器6にて増幅回路入力信号に注入される。可変増幅器47Vは、可変減衰器であっても同様の効果が得られる。制御経路においては、増幅回路入力信号を電力分配器または方向性結合器に分配した信号をピーク対平均電力比検出回路19にてピーク電圧と平均電圧の比、またはピーク電力と平均電力の比を求め、その値が事前に設定されているしきい値以上の場合に入力信号の直交検波を行い、制御回路17にて適応アルゴリズムにより段階的に行う。
【0035】
即ち、電力合成器6で合成される信号を直交検波して、信号SDとSPCを観測すれば、IQ平面上で信号SDとSPCは180度の位相差を持つことになるが、この合成信号SCのベクトルは、必ずしも定包絡化になるとは限らない。そこで、制御回路17では、ピーク対平均電力比検出回路19を介して合成信号SCの振幅をモニタし、所定の振幅値になるように可変位相器46及び可変増幅器47Vにより、圧縮信号SPCの位相と振幅を調整する。即ち、合成信号SCのベクトルが定包絡線ベクトルになるように、定包絡化信号SPCの振幅値と位相値を可変増幅器47Vと可変位相器46により段階的に制御する。制御法としては、最急降下法、最尤推定法、など各種の適応アルゴリズムを適用できる。
【0036】
ピーク対平均電力比検出回路19は、例えばダイオードセンサを用いて実現できる。ピーク電力を測定する場合は、時定数の短いダイオードセンサを使用し、その出力をサンプリングし、センサ入力電圧の瞬時値とし、その瞬時値の最大値をピーク電力値とする。平均電力を測定する場合は、時定数の長いダイオードセンサを使用し、その出力をサンプリングし、その平均値により平均電力とする。ダイオードセンサの代わりに熱電対センサを使用しても同様である。
制御回路17は、マイクロコンピュータで構成され、摂動法、最小自乗推定アルゴリズムなどで可変位相器46と可変増幅器47Vを制御する。可変増幅器47Vについては、可変減衰器であっても同様のピーク対平均電力比圧縮効果を得ることができる。
【0037】
この実施例により、ピーク対平均電力比を適応的に圧縮できるため、増幅回路の出力バックオフを軽減できる。これにより、増幅回路の高効率増幅を可能にできる。たとえば、PAPRを10dBの入力信号において、PAPRを4dB圧縮すれば、増幅回路入力信号のPAPRは6dBとなる。これにより、ピーク対平均電力比圧縮以前に出力バックオフ10dBが6dBにできる。この4dBの軽減により増幅効率への影響は、増幅回路をA級バイアス、飽和出力で最大ドレイン効率、最大ドレイン効率を50%、出力バックオフの定義を1dB利得圧縮点と動作点との差とすれば、本発明を適用する以前のドレイン効率が約4%に対して、本発明の適用によりドレイン効率を約10%にできる。このように、ピーク対平均電力比を完全に圧縮しなくても本発明は効果がある。このとき、帯域外漏洩電力及び符号間干渉等は全く生じない。
【0038】
第9実施例
図20に第9実施例を示す。図20は、図11の構成のうち、圧縮信号生成経路22の直交検波器4Aの代わりに包絡線検波器4Cを使用する。この方法の利点は、圧縮信号生成回路4の構成を簡易にできることである。
第10実施例
図21に第10実施例を示す。第10実施例は、増幅器出力側のピーク対平均電力比圧縮信号の除去について、圧縮信号SPCの位相を反転して増幅器出力に注入する。圧縮信号を除去する経路を構成する圧縮信号の除去信号生成回路100は、位相反転器101と、可変位相器102と、可変増幅器103を従属にて構成される。この経路における可変位相器102と可変増幅器103は、制御回路105により段階的に制御される。制御回路105は、検出されたピーク対平均電力比圧縮信号のレベルを所定の電界強度以下まで可変位相器102と可変増幅器103を段階的に制御する。
振幅成分を調整する手段については、可変増幅器103に代えて可変減衰器で実現してもよい。第10実施例の利点は、増幅器入力信号とピーク対平均電力比を圧縮するために注入したキャリアとの周波数が近く、第8実施例のような帯域通過フィルタ等で注入したキャリアを除去できない場合に有効である。たとえば、マルチキャリア、CDMAのキャリアの中にピーク電力を圧縮するキャリアを注入する場合に特に有効である。
【0039】
第11実施例
図22に第11実施例を示す。図22は、第9実施例と同様に圧縮用信号生成経路22の直交検波器4Aの代わりに包絡線検波器4Cを用いる。これにより、圧縮信号生成回路4の構成を簡易にできる。圧縮信号の除去信号生成回路100においては、第10実施例と同様である。
第12実施例
図23に第12実施例を示す。第12実施例は、圧縮信号除去方法において圧縮信号生成経路22の定包絡線化信号生成回路4Bの出力を用いて除去するベクトルを生成する。この方法によると、圧縮信号SPCを除去する信号SCCの生成が容易になる。また、圧縮信号生成経路22と経路構成上類似しており、装置構成においてモジュールの共通化がはかれる。
【0040】
図5、7〜11における信号電力ダイナミックレンジ圧縮回路及び図19〜23の信号電力ダイナミックレンジ圧縮回路は、構成上類似している。また、それらにより得られる効果についても同様に類似している。いずれの回路も電力増幅器8の入力信号において、ピーク電力またはピーク対平均電力比を圧縮することで、電力増幅器の出力バックオフを軽減し、高効率増幅を可能にする。
第13実施例
図24にピーク対平均電力比を圧縮する第13実施例の構成を示す。圧縮信号生成回路4は直交検波器4Aと、定包絡線化信号生成回路4Bと、周波数変換器45と、増幅器47により構成される。
【0041】
直交検波器4Aは入力信号を直交検波し、ベクトル(振幅値と位相値)を観測する。観測されたベクトルは、定包絡線化信号生成回路4Bにて、増幅回路8の入力信号のピーク対平均電力比を抑圧するために位相値をほぼ逆相になるように設定する。定包絡線化信号生成回路4Bの出力は、周波数変換器45にて所定の帯域に周波数変換を行う。このとき、増幅器入力信号SINと同一帯域または異なる帯域に周波数変換してもよい。周波数変換された圧縮信号SPCは、増幅器47にてレベルを調整し、電力合成器6にて遅延線路3からの信号SDと合成し、合成信号SCを増幅回路8に与える。
【0042】
制御経路23は、ピーク対平均電力比検出回路19と、制御回路17からなる。ピーク対平均電力比検出回路19は電力合成器6から分配された合成信号のピーク電力と平均電力を検出し、その比が予め設定されている閾値以上の場合に合成信号の直交検波を行い、位相と振幅を得る。制御回路17は検出された位相と振幅に基づいて、ピーク対平均電力比が閾値以下となるよう、段階的に定包絡線化信号生成回路4Bの振幅値と位相値を制御する。制御回路17はマイクロプロセッサで構成され、摂動法、最小自乗推定アルゴリズムなどを用いる。
【0043】
制御回路17は、更に増幅器8の入力信号(遅延線路3による線形信号伝達経路21と圧縮信号経路22との合成信号)のピーク対平均電力比を圧縮するように定包絡線化信号生成回路4Bの振幅値と位相値を制御する。位相反転回路4Bを制御することから、増幅器の入力信号をベースバンド帯で受信したときのピーク対平均電力比を抑圧することと等価である。このように、ベースバンド帯で制御動作を行うことにより、変調信号帯域幅以上の動作帯域で制御を行うことができる。これは、制御回路の簡易化を可能にする。
【0044】
本実施例の圧縮信号にトーン信号を用いても同様の構成であり、同様の効果が得られる。
上述したこの発明による信号電力ダイナミックレンジ圧縮回路の各実施例は、電力増幅器8の入力信号の電力ダイナミックレンジを圧縮する応用例で説明したが、そのような応用に限られるものでない。例えばAD変換器の入力に適用すれば、入力信号電力ダイナミックレンジを圧縮することによりAD変換器の入力レンジを狭くすることができるので、それだけ構成の簡単な、従って安価なAD変換器を採用することができる。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明による信号電力ダイナミックレンジ圧縮回路では、入力信号をクリップするのではなく、入力信号に基づいて圧縮信号を生成し、その圧縮信号と線形信号伝達経路を経た入力信号とを電力合成することにより信号電力ダイナミックレンジを圧縮するので、帯域外への電力漏れは生じない。また圧縮信号は入力信号に応じて位相が設定されるので、入力信号が変調波であっても、またその位相が変化しても有効に信号電力ダイナミックレンジの圧縮が実現される。
【0046】
この信号電力ダイナミックレンジ圧縮回路の出力側に電力増幅器を接続した電力増幅回路において、その電力増幅器の出力側に更に圧縮信号除去手段を設けることにより、受信側に圧縮信号の影響を与えないで、送信側で完結した高増幅効率化が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本回路構成を示す図。
【図2】本発明の動作原理を説明する電力増幅器入力ベクトルを示す図。
【図3】増幅器入力時のスペクトルを示す図。
【図4】増幅器出力時のスペクトルを示す図。
【図5】本発明の第1実施例のブロック図。
【図6】本発明を使用した電力増幅器の増幅効率を説明するための動作特性を示す概念図。
【図7】本発明の第2実施例のブロック図。
【図8】本発明の第3実施例のブロック図。
【図9】本発明の第4実施例のブロック図。
【図10】本発明の第5実施例のブロック図。
【図11】本発明の第6実施例のブロック図。
【図12】本発明をCDMA方式に適用した圧縮信号を同一帯域に注入した場合の増幅器入力側のスペクトルを示す図。
【図13】本発明をCDMA方式に適用した圧縮信号を同一帯域に注入した場合の増幅器出力側のスペクトルを示す図。
【図14】本発明をマルチキャリア方式に適用した圧縮信号を同一帯域に注入した場合の増幅器入力側のスペクトルを示す図。
【図15】本発明をマルチキャリア方式に適用した圧縮信号を同一帯域に注入した場合の増幅器出力側のスペクトルを示す図。
【図16】本発明をマルチキャリア方式に適用した圧縮信号を異なる帯域に注入した場合の増幅器入力側のスペクトルを示す図。
【図17】本発明をマルチキャリア方式に適用した圧縮信号を異なる帯域に注入した場合の増幅器出力側のスペクトルを示す図。
【図18】本発明の第7実施例のブロック図。
【図19】本発明の第8実施例のブロック図。
【図20】本発明の第9実施例のブロック図。
【図21】本発明の第10実施例のブロック図。
【図22】本発明の第11実施例のブロック図。
【図23】本発明の第12実施例のブロック図。
【図24】本発明の第13実施例のブロック図。
Claims (31)
- 入力信号を2つに分配する方向性結合器と、
一方の分配された入力信号を線形に伝達する線形信号伝達経路と、
他方の分配された入力信号から、当該入力信号を定包絡化するための圧縮信号を生成する圧縮信号生成経路と、
上記線形信号伝達経路と上記圧縮信号生成経路の出力信号を電力合成し合成信号を出力する電力合成器とを含み、
上記圧縮信号生成経路は、
上記入力信号の所定レベル以上のピーク電力を検出するレベル識別回路と、
上記ピーク電力の検出に応答し、上記入力信号の位相と振幅を検出するピーク電力検出回路と、
検出された上記位相とほぼ逆相の低周波信号を発生する低周波発振器と、
上記低周波信号を所望の周波数帯域に変換し、上記圧縮信号として出力する周波数変換器と、
上記圧縮信号の位相を調整する可変位相器と、
上記圧縮信号の振幅を調整する可変振幅手段と、
上記可変位相器と上記可変振幅手段とを制御する圧縮信号調整部、
とを含む信号電力ダイナミックレンジ圧縮回路。 - 請求項1記載の信号電力ダイナミックレンジ圧縮回路において、
上記圧縮信号生成経路は、
予め決めた変調信号を発生する変調信号発生手段と、
上記低周波信号を上記変調信号で変調し、変調低周波信号を生成する変調回路、
とを含む。 - 請求項2記載の信号電力ダイナミックレンジ圧縮回路において、
上記変調信号発生手段は特定パターンの符号を変調信号として発生する符号発生器である。 - 請求項1記載の信号電力ダイナミックレンジ圧縮回路において、
上記圧縮信号調整部は、
分配された上記合成信号の予め決めた値以上のレベルを識別する合成信号レベル識別手段と、
上記予め決めた値以上のレベルの検出に応答し、上記合成信号の位相と振幅を検出する合成信号ピーク電力検出回路と、
上記合成信号のレベルが上記予め決めた値より小さくなるよう、上記検出された上記合成信号の位相と振幅に基づいて上記可変位相器と上記可変振幅手段を調整する制御回路、とを含む。 - 入力信号を2つに分配する方向性結合器と、
一方の分配された入力信号を線形に伝達する線形信号伝達経路と、
他方の分配された入力信号から、当該入力信号を定包絡化するための圧縮信号を生成する圧縮信号生成経路と、
上記線形信号伝達経路と上記圧縮信号生成経路の出力信号を電力合成し合成信号を出力する電力合成器とを含み、
上記圧縮信号生成経路は、
上記入力信号を直交検波し、位相と振幅を出力する直交検波器と、
上記位相を反転し、逆相信号を生成する定包絡線化信号生成回路と、
上記逆相信号を所望の周波数帯域に変換し、上記圧縮信号として出力する周波数変換器、
上記圧縮信号の位相を調整する可変位相器と、
上記圧縮信号の振幅を調整する可変振幅手段、
とを含む信号電力ダイナミックレンジ圧縮回路。 - 入力信号を2つに分配する方向性結合器と、
一方の分配された入力信号を線形に伝達する線形信号伝達経路と、
他方の分配された入力信号から、当該入力信号を定包絡化するための圧縮信号を生成する圧縮信号生成経路と、
上記線形信号伝達経路と上記圧縮信号生成経路の出力信号を電力合成し合成信号を出力する電力合成器とを含み、
上記圧縮信号生成経路は、
上記入力信号を包絡線検波し、位相と振幅を出力する包絡線検波器と、
上記位相を反転し、逆相信号を生成する定包絡線化信号生成回路と、
上記逆相信号を所望の周波数帯域に変換し、上記圧縮信号として出力する周波数変換器、
上記圧縮信号の位相を調整する可変位相器と、
上記圧縮信号の振幅を調整する可変振幅手段、
とを含む信号電力ダイナミックレンジ圧縮回路。 - 請求項5又は6記載の信号電力ダイナミックレンジ圧縮回路において、
上記信号電力ダイナミックレンジ圧縮回路は更に、上記電力合成器から分配された上記合成信号のピーク電力が予め設定された値以下となるように上記可変位相器及び上記可変振幅手段を制御する圧縮信号調整部を含む。 - 請求項7記載の信号電力ダイナミックレンジ圧縮回路において、
上記圧縮信号調整部は、分配された上記合成信号の予め決めた値以上のピーク対平均電力比を検出する電力比検出手段と、
上記予め決めた値以上の電力比の検出に応答し、上記電力比が上記予め決めた値より小さくなるよう、上記可変位相器と上記可変振幅手段を調整する制御回路、
とを含む。 - 請求項1記載の信号電力ダイナミックレンジ圧縮回路において、
上記圧縮信号調整部は、上記可変位相器と上記可変振幅手段とを制御するのではなく、上記電力合成器から分配された上記合成信号のピーク電力が予め設定された値以下となるように上記低周波発振器を制御する。 - 請求項9記載の信号電力ダイナミックレンジ圧縮回路において、
上記圧縮信号調整部は、
分配された上記合成信号の予め決めた値以上のレベルを識別する合成信号レベル識別手段と、
上記予め決めた値以上のレベルの検出に応答し、上記合成信号の位相と振幅を検出する合成信号ピーク電力検出回路と、
上記合成信号のレベルが上記予め決めた値より小さくなるよう、上記検出された上記合成信号の位相と振幅に基づいて上記可変位相器と上記可変振幅手段を調整する制御回路、
とを含む。 - 請求項1記載の信号電力ダイナミックレンジ圧縮回路において、
上記圧縮信号調整部は、上記電力合成器から分配された上記合成信号のピーク対平均電力比が予め設定された値以下となるように上記可変位相器と上記可変振幅手段を制御する。 - 請求項11記載の信号電力ダイナミックレンジ圧縮回路において、
上記圧縮信号調整部は、
分配された上記合成信号の予め決めた値以上のピーク対平均電力比を検出するピーク対平均電力比検出回路と、
上記予め決めた値以上の電力比の検出に応答し、上記検出電力比が上記予め決めた値より小さくなるよう、上記可変位相器と上記可変振幅手段を調整する制御回路、
とを含む。 - 請求項1、2、5又は6記載のいずれかの信号電力ダイナミックレンジ圧縮回路において、
上記周波数変換器は、上記低周波信号を上記入力信号と異なる周波数帯域に周波数変換する。 - 請求項1、2、5又は6記載のいずれかの信号電力ダイナミックレンジ圧縮回路において、
上記周波数変換器は、上記低周波信号を上記入力信号と同一周波数帯域に周波数変換する。 - 請求項1、2、5又は6のいずれかに記載の信号電力ダイナミックレンジ圧縮回路を使用した電力増幅回路であって、
上記信号電力ダイナミックレンジ圧縮回路と、上記電力合成器の出力に接続された電力増幅器とを含む電力増幅回路。 - 請求項15の電力増幅回路において、
更に上記電力増幅器の出力側に上記圧縮信号を除去する圧縮信号除去手段が設けられている。 - 請求項16の電力増幅回路において、
上記圧縮信号除去手段はフィルタで構成されている。 - 請求項16の電力増幅回路において、
上記圧縮信号除去手段は、
上記圧縮信号生成経路と上記電力合成器との間に挿入され、上記圧縮信号を1つの出力端子に接続された上記電力合成器に与えると共に、もう1つの出力端子に分配する方向性結合器と、
上記もう1つの端子からの上記圧縮信号に基づいて、上記圧縮信号とほぼ逆相のキャンセル信号を生成するキャンセル信号生成回路と、
上記キャンセル信号と上記電力増幅器の出力とを電力合成し、上記電力増幅回路の出力とする電力合成・分配器とを含む。 - 請求項18の電力増幅回路において、
上記キャンセル信号生成回路は、
分配された上記圧縮信号の位相を反転する位相反転回路と、
上記位相が反転された圧縮信号の位相量を調整する可変位相器と、
上記位相量が調整された圧縮信号の振幅を調整し、上記電力合成・分配器に与える可変振幅手段とを含み、
上記電力増幅回路は更に上記電力合成・分配器により分配された上記電力増幅回路の出力信号のピーク電力を検出し、その時の位相と振幅を検出し、それら位相と振幅で上記可変位相器と上記可変振幅手段を制御するキャンセル信号調整回路を含む。 - 請求項18の電力増幅回路において、
上記キャンセル信号生成回路は、
分配された上記圧縮信号の位相を反転する位相反転回路と、
上記位相が反転された圧縮信号の位相量を調整する可変位相器と、
上記位相量が調整された圧縮信号の振幅を調整し、上記電力合成・分配器に与える可変振幅手段とを含み、
上記電力増幅回路は更に上記電力合成・分配器により分配された上記電力増幅回路の出力信号のピーク対平均電力比を求め、その値が所定値を越えないように上記可変位相器及び上記可変振幅手段を制御するキャンセル信号調整回路を含む。 - 増幅器入力信号を線形に伝達する線形信号伝達経路と、
前記増幅器入力信号のピーク電力を検出し、その検出した信号を用いて前記ピーク電力を圧縮する圧縮信号を生成し、その圧縮信号の振幅を調整する振幅調整手段と、位相を調整する位相調整手段を備える圧縮信号生成経路と、
前記二つの経路の出力信号を電力合成し増幅器入力と制御経路に分配する電力合成・分配手段と、
前記電力合成・分配手段で前記制御経路に分配された信号のピーク電力を検出し、そのピーク電力を圧縮するように前記圧縮信号生成経路の振幅調整手段と位相調整手段を制御する制御経路と、
前記増幅器出力信号から圧縮信号を除去する手段を具備することを特徴とする信号電力ダイナミックレンジ圧縮回路。 - 増幅器入力信号を線形に伝達する線形信号伝達経路と、
前記増幅器入力信号のピーク電力を検出し、その検出した信号を用いて前記ピーク電力を圧縮する圧縮信号を生成し、その圧縮信号の振幅を調整する振幅調整手段と、位相を調整する位相調整手段を備える圧縮信号生成経路と、
前記二つの経路の出力信号を電力合成し増幅器入力と第一制御経路に分配する電力合成・分配手段と、
前記電力合成・分配手段で前記第一制御経路に分配された信号からピーク電力を検出し、そのピーク電力を圧縮するように前記圧縮信号生成経路の振幅調整手段と位相調整手段を制御する第一制御経路と、
前記圧縮信号生成経路出力を分配し、そのピーク電力を圧縮する圧縮信号を除去するキャンセル信号を生成し、そのキャンセル信号の振幅を調整する振幅調整手段と、位相を調整する位相調整手段を備え、増幅器出力に注入する圧縮信号除去経路と、
前記注入された増幅器出力信号を分配し、分配された信号のピーク電力を圧縮するように前記圧縮信号除去経路の振幅調整手段と位相調整手段を制御する第二制御経路
を具備することを特徴とする信号電力ダイナミックレンジ圧縮回路。 - 請求項21又は22に記載の信号電力ダイナミックレンジ圧縮回路において、
前記圧縮信号生成経路は、
入力信号のピーク電力を検出するピーク電力検出手段と、
検出されたピーク電力を圧縮する圧縮信号を生成する圧縮信号生成手段と、
前記圧縮信号生成経路出力信号の振幅を制御手段の指示により調整する振幅調整手段と、
位相を制御回路の指示により調整する位相調整手段と、
前記調整された信号を所定の信号帯域に周波数変換する周波数変換手段と、
前記圧縮信号生成経路の出力信号を前記線形信号伝達経路に注入する注入手段
により構成されることを特徴とする信号電力ダイナミックレンジ圧縮回路。 - 請求項21から23のいずれかに記載の信号電力ダイナミックレンジ圧縮回路において、
前記圧縮信号生成経路は、特定パターンの符号を用いて変調した信号を用いることを特徴とする信号電力ダイナミックレンジ圧縮回路。 - 増幅器入力信号を線形に伝達する線形信号伝達経路と、
前記増幅器入力信号のピーク対平均電力比を検出し、その検出した信号を用いて前記ピーク対平均電力比を圧縮する圧縮信号を生成し、その圧縮信号の振幅を調整する振幅調整手段と、位相を調整する位相調整手段を備える圧縮信号生成経路と、
前記二つの経路の出力信号を電力合成し増幅器入力と制御経路に分配する電力合成・分配手段と、
前記電力合成・分配手段で前記制御経路に分配された信号のピーク対平均電力を検出し、そのピーク対平均電力比を圧縮するように前記圧縮信号生成経路の振幅調整手段と位相調整手段を制御する制御経路と、
前記増幅器出力信号から圧縮信号を除去する手段を具備することを特徴とする信号電力ダイナミックレンジ圧縮回路。 - 増幅器入力信号を線形に伝達する線形信号伝達経路と、
前記増幅器入力信号のピーク対平均電力比を検出し、その検出した信号を用いて前記ピーク対平均電力比を圧縮する圧縮信号を生成し、その圧縮信号の振幅を調整する振幅調整手段と、位相を調整する位相調整手段を備える圧縮信号生成経路と、
前記二つの経路の出力信号を電力合成し増幅器入力と第一制御経路に分配する電力合成・分配手段と、
前記電力合成・分配手段で前記第一制御経路に分配された信号からピーク対平均電力比を検出し、そのピーク対平均電力比を圧縮するように前記圧縮信号生成経路の振幅調整手段と位相調整手段を制御する第一制御経路と、
前記圧縮信号生成経路出力を分配し、そのピーク対平均電力比を圧縮する圧縮信号を除去するキャンセル信号を生成し、そのキャンセル信号の振幅を調整する振幅調整手段と、位相を調整する位相調整手段を備え、増幅器出力に注入する圧縮信号除去経路と、
前記注入された増幅器出力信号を分配し、分配された信号のピーク対平均電力比を圧縮するように前記圧縮信号除去経路の振幅調整手段と位相調整手段を制御する第二制御経路を具備することを特徴とする信号電力ダイナミックレンジ圧縮回路。 - 請求項25又は26に記載の信号電力ダイナミックレンジ圧縮回路において、
前記圧縮信号生成経路は、
入力信号のピーク対平均電力比を検出するピーク対平均電力比検出手段と、
検出されたピーク対平均電力比を圧縮する圧縮信号を生成する圧縮信号生成手段と、
前記圧縮信号生成経路出力信号の振幅を制御手段の指示により調整する振幅調整手段と、
位相を制御回路の指示により調整する位相調整手段と、
前記調整された信号を所定の信号帯域に周波数変換する周波数変換手段と、
前記圧縮信号生成経路の出力信号を前記線形信号伝達経路に注入する注入手段
により構成されることを特徴とする信号電力ダイナミックレンジ圧縮回路。 - 請求項21又は25に記載の信号電力ダイナミックレンジ圧縮回路において、
前記圧縮信号を除去する手段はフィルタで構成する
ことを特徴とする信号電力ダイナミックレンジ圧縮回路。 - 請求項22又は26に記載の信号電力ダイナミックレンジ圧縮回路において、
前記増幅器出力に注入する圧縮信号除去経路は、
圧縮信号を生成する経路出力の振幅を制御回路の指示により調整する振幅調整回路と、
位相を制御回路の指示により調整する位相調整回路と、
増幅器出力信号に注入する回路
により構成することを特徴とする信号電力ダイナミックレンジ圧縮回路。 - 請求項23又は27に記載の信号電力ダイナミックレンジ圧縮回路において、
前記周波数変換手段は、増幅器入力信号と異なる帯域に周波数変換する
ことを特徴とする信号電力ダイナミックレンジ圧縮回路。 - 請求項23又は27に記載の信号電力ダイナミックレンジ圧縮回路において、
前記周波数変換手段は、増幅器入力信号と同一帯域に周波数変換する
ことを特徴とする信号電力ダイナミックレンジ圧縮回路。
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