JP5949781B2 - 送信装置および無線信号送信方法 - Google Patents

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Description

本発明は、送信装置および無線信号送信方法に関し、主として、無線通信で使用され、複数の帯域のRF(Radio Frequency)信号を送信する送信装置および無線信号送信方法に関する。
無線通信機に用いられる送信用電力の増幅器は、無線通信機の構成要素の中でも特に電力を消費する。そのため、電力増幅器(PA)の電力効率改善が無線通信機開発の重要課題とされている。近年の通信規格は、スペクトル効率改善のために線形変調が主流になっている。この線形変調は、信号歪に対する要求が厳しい。
そこで、線形性を維持するために、瞬時最大出力(ピーク)電力が電力増幅器(PA)の飽和出力以下になるように、平均出力電力が設定される。すなわち、増幅する信号のピーク電力と平均電力との比(Peak-to-Average Ratio、以下、PARと略称する)が大きい値を持つ場合ほど、線形性維持のために、平均出力電力を電力増幅器(PA)の飽和出力から一層低く設定することが必要である。
しかしながら、一般に、電力増幅器(PA)は、平均出力電力を飽和出力電力から低い比率に下げるほど、電力増幅器(PA)のDC供給電力と取り出される送信電力との比(電力効率)が低下する性質を持つ。電力効率の低下は、省エネ化に反する問題である。
通信信号のPARは、通信規格毎に固有の値を有している。近年用いられているCDMA(Code Division Multiple Access)、WLAN(Wireless Local Area Network)、地上デジタル放送、LTE(Long Term Evolution)などの高速無線通信においては、PARはおよそ数dBから十数dBという大きな値となる。このようなPARの大きさが、電力増幅器(PA)の電力効率を大きく低下させる要因となっている。
前述のようなPARの大きさに起因する電力効率低下の問題を解決する手段として、PARを低減する処理を通信信号に施してから、その通信信号を電力増幅器(PA)に入力するという方法がある。
通信信号のPARを低減する手法の一例が、特許文献1の特開2000−138645号公報「マルチキャリア送信回路および通信機器」において開示されている。図37は、該特許文献1に記載の送信装置のブロック構成を示すブロック構成図であり、通信信号のPARを低減する構成となっている。該特許文献1においては、特にCDMAを想定したマルチキャリア信号のPARを低減する手法が提供されている。図37において、各キャリアのチャネル信号が入力端子1−1、1−2、…、1−nのそれぞれに入力され、各チャネル信号は変調器5−1、5−2、…、5−nにおいて各キャリア周波数にアップコンバートされた後、加算回路6において合成され、出力端子8からマルチキャリア信号として出力される。該マルチキャリア信号は出力端子8から電力増幅器(PA:図37には非図示)へと入力される。
該マルチキャリア信号においては、各キャリア信号の位相が同相となる場合にピークが増強され、各キャリア信号の位相が逆相となる場合にピークが低減される。そこで、図37の送信装置においては、各キャリア信号の位相を位相検出器4−1、4−2、…、4−nにおいて検出して、制御回路7に出力することにより、各キャリア信号の位相が同相となる状況になった際に、制御回路7が可変減衰器2−1、2−2、…、2−nを制御して、可変減衰器2−1、2−2、…、2−nにおいて各チャネル信号の減衰を行うことによって、合成後のマルチキャリア信号のPARの低減を実現している。かくのごとく、前記特許文献1の送信装置においては、位相情報を取り込んでいる分、正確なPAR低減が可能である。
前記特許文献1と同じく、各キャリア信号の位相を制御して通信信号のPARを低減する手法の一例が、特許文献2の特開平5−130191号公報「マルチサブチャネル信号の位相制御によるピーク/平均値比率低減方法」において開示されている。図38は、該特許文献2に記載の送信装置のブロック構成を示すブロック構成図であり、前記特許文献1の場合と同様、通信信号のPARを低減する構成になっている。
図38に示す該特許文献2における送信装置80の構成においては、シリアル/Mパラレル変換器51に入力されたシリアルデータがより低速なデータ信号に変換されて、16QAM/シンボル変換器52に出力される。シリアル/Mパラレル変換器51から出力されたデータ信号は、16QAM/シンボル変換器52、パイロットシンボル挿入器53、ローパスフィルタ54、直交変調器56、移相器86を経由した後、マルチプレクサ57において合成され、パワーアンプ58へと出力される。
図38に示した送信装置8においては、移相器86それぞれから出力される各データ信号の位相が同相になる場合、マルチプレクサ57において合成されたデータ信号のピーク値が最大になる。そこで、移相器86それぞれから出力される各データ信号の位相が同相にならないように、移相器86それぞれにおいて各データ信号の位相を調整することによって、マルチプレクサ57において合成されたデータ信号のピーク値を低減することができる。
また、位相情報を取り込まないことによって、精度は落ちるものの、回路構成を簡素化したPAR低減手法が特許文献3の特許第3714917号公報「ピークリミッタおよびマルチキャリア増幅装置」において開示されている。図39は、該特許文献3に記載の送信装置のブロック構成を示すブロック構成図であり、同様に、通信信号のPARを低減する構成となっている。該特許文献3においては、特に、CDMAを想定したマルチキャリア信号のPARを低減する手法が提供されている。
入力信号1(I(t)、Q(t))の瞬時振幅値a(t)は、一般に、
(t)=sqrt[{I(t)}+{Q(t)}]
で与えられる。ここで、sqrt[]は平方根を与える関数である。入力信号1の瞬時電力P(t)は{a(t)}に比例している。また、入力信号2(I(t)、Q(t))の瞬時振幅値a(t)は、入力信号1と同様に、
(t)=sqrt[{I(t)}+{Q(t)}]
で与えられる。入力信号2の瞬時電力P(t)は{a(t)}に比例している。
図39のピークリミッタ11においては、瞬時電力検出部12において、マルチキャリア信号の近似的な瞬時電力として、入力信号1および入力信号2の合計電力
P(t)=P(t)+P(t)∝{a(t)}+{a(t)}
を検出する。マルチキャリア信号の正しい瞬時電力は、実際には、前記特許文献1にて言及されているように、振幅a(t)およびa(t)だけでなく、入力信号1の位相θ(t)=arctan(Q(t)/I(t))および入力信号2の位相θ(t)=arctan(Q(t)/I(t))にも依存する。
しかし、該特許文献3においては、瞬時電力を振幅a(t)およびa(t)のみで近似的に導出することによって、位相検出器を省き回路の簡素化を図っている。そして、瞬時電力検出部12において検出された瞬時電力
P(t)=P(t)+P(t)∝{a(t)}+{a(t)}
があらかじめ定めたピーク閾値を超えた場合に、リミッタ部14において信号振幅の抑圧を行うことによって、信号のPARを低減する。PARを低減した信号は出力信号21および出力信号22として出力される。出力信号21および出力信号22は変調器(図39には非図示)においてキャリア周波数にアップコンバートされた後、電力増幅器(PA:図39には非図示)に入力される。
前記特許文献3と同じく、位相情報を取り込まないことによって、精度は落ちるものの、回路構成を簡素化したPAR低減手法が、特許文献4の特許第4354649号公報「CDMAシステムのキャパシティを増加させる時間オフセット技術」においても開示されている。該特許文献4においても、特にCDMAを想定したマルチキャリア信号のPARを低減する手法が提供されている。図40は、該特許文献4に記載の通信信号のPARを低減する手法の概念を示す概念図である。図40には、CDMAシステム70の送信波形が図示されており、第一の送信波形74Aと、第二の送信波形74Bがまとめて送信される。
CDMAシステム70においては、パイロット部78が特に高い信号電力を持つ。第一の送信波形74Aと第二の送信波形74Bとを同じタイミングで送信すると、第一の送信波形74Aと第二の送信波形74Bとの高電力部であるパイロット部78が同じタイミングに重なるため、信号電力のピークが高まる恐れがある。
そこで、図40に示すように、第二の送信波形74Bの送出タイミングをt0の時間オフセット分だけずらすことによって、第一の送信波形74Aと第二の送信波形74Bとの高電力部であるパイロット部78が時間的に重なることを避け、信号電力のピークを下げている。なお、前記特許文献4においても、前記特許文献3と同じく、ピーク送信電力は各送信波形の電力の和によって見積るようにしている。
また、前記特許文献3と同じく、位相情報を取り込まないPAR低減手法が、特許文献5の特開2002−305489号公報「符号多重信号送信装置」においても開示されている。図41は、該特許文献5に記載の通信信号のPARを低減するキャリア多重回路を示す回路図である。
図41に示すキャリア多重回路50は、符号多重信号送信部51〜51と加算部52aとを含んで構成されている。符号多重信号送信部51〜51はそれぞれ各キャリア周波数のRF信号を加算部52aに出力する。加算部52aは入力された各キャリア周波数のRF信号を合成して電力増幅器53aに入力する。
なお、符号多重信号送信部51〜51は、それぞれ、符号多重信号生成部61、ピーク抑圧部62、遅延部63、フィルタ64、周波数シフト部65、送信回路66を含んで構成されている。
キャリア多重回路50において、各符号多重信号送信部51〜51内の遅延部63の入出力信号x〜xの振幅が振幅制御部56a内の比較器56aにおいて検知・比較され、振幅制御部56a内のセレクタ56aは信号x〜xの中から大きな振幅ピークを持つ信号を選択する。セレクタ56aによって選択された信号には、抑圧係数が乗算部56a11〜56a1nにおいて掛け合わされる。この抑圧係数の掛け合わせにより、符号多重信号送信部51〜51から出力されるRF信号のうち、大きな振幅ピークを持つRF信号の振幅が抑制されるため、加算部52aから出力される合成RF信号の振幅ピーク値もまた抑制される。
以上が、通信信号のPARを低減する従来技術の概要である。前述のような通信信号のPARを低減する従来技術は、マルチキャリアCDMA通信方式のように、各キャリア信号の周波数が近接している状況すなわち各キャリア周波数の周波数差Δfと、各キャリア信号の変調帯域幅fBBが同程度になる状況
Figure 0005949781
における使用が想定されている。
一方で、近年の通信規格においては、さらなる高速無線通信の実現に向けて、非特許文献1の三木信彦らによる"LTE-Advancedにおける広帯域化を実現するCarrier Aggregation"においても示されているように、断片化した複数の帯域を集めて利用するCarrier Aggregation(CA)技術が用いられている。このCA技術においては、複数の帯域を束ねることによって、広帯域を確保し、伝送速度を高速化することができる。
また、各キャリア周波数が十分に離れたInter-band Non-contiguous CAモード(Δf>>fBB)においては、伝播特性の異なる複数のキャリア周波数で同時に通信することによって、通信の安定性を向上させることができる。また、CA技術を適用することによって、複数の事業者の帯域割当が断続的な場合や、帯域共用する場合にも対応した通信を行うことができる。
図42は、特許文献6の特開2004−289428号公報「マルチバンド用電力増幅器モジュール」に記載の送信機のブロック構成を示すブロック構成図である。図42に示された送信機において、電力増幅器(PA)311、電力増幅器321および電力増幅器331はキャリア周波数fの通信システムの信号を、電力増幅器PA312、電力増幅器322および電力増幅器332はキャリア周波数f2の通信システムの信号を、それぞれ増幅し出力する。電力増幅器331および電力増幅器332からの出力信号は、整合回路251および整合回路252と合波回路60とにおいて合成され、出力端子41へ出力される。
図43は、図42の送信機における電力増幅器331の出力端子51bから出力端子41への伝達関数および電力増幅器332の出力端子52bから出力端子41への伝達関数を説明する説明図である。図43に示すように、出力端子51bから出力端子41へは周波数fのRF信号のみ伝達され、出力端子52bから出力端子41へは周波数fのRF信号のみ伝達される。そのため、電力増幅器331から出力される周波数fのRF信号は電力増幅器332に回り込むことが無く、また、電力増幅器332から出力される周波数fのRF信号は電力増幅器331に回り込むことがない。
このことにより、RF信号の回り込みによる電力損失が抑制される。該特許文献6に記載された従来技術の送信機においては、2つの電力増幅器331および電力増幅器332にて個別に周波数の異なるRF信号を増幅かつ出力することによって、異なる周波数の2つのRF信号を同時に送信することが可能である。
特開2000−138645号公報(第4−6頁) 特開平5−130191号公報(第4−5頁) 特許第3714917号公報(第5−8頁) 特許第4354649号公報(第7−13頁) 特開2002−305489号公報(第4−8頁) 特開2004−289428号公報(第4−7頁)
三木信彦他、"LTE-Advancedにおける広帯域化を実現するCarrier Aggregation",NTT DoCoMoテクニカルジャーナル,Vol.18,No.2 P.Colantonio,et.al. ,"A Design Technique for Concurrent Dual-Band Harmonic Tuned Power Amplifier," IEEE Transactions on Microwave Theory and Techniques,vol.56,no.11,pp.2545−2555,2008 S.Kousai,et.al. ,"An Octave-Range,Watt-Level,Fully-Integrated CMOS Switching Power Mixer Array for Linearization and Back-Off-Efficiency," IEEE Journal of Solid-State Circuits,vol.44,no.12,pp.3376−3392,2009 P.Saad,et.al. ,"Design of a Highly Efficient 2−4GHz Octave Bandwidth GaN-HEMT Power Amplifier," IEEE Transactions on Microwave Theory and Techniques, vol.58, no.7, pp.1677−1685,2010 K.L.Wong,et.al. ,"On-Board Printed Coupled-Fed Loop Antenna in Close Proximity to the Surrounding Ground Plane for Penta-Band WWAN Mobile Phone," IEEE Transactions on Antennas and Propagation,vol.59,no.3,pp.751−757,2011 G.Cortes-Medellin, "Non-Planer Quasi-Self-Complementary Ultra-Wideband Feed Antenna",IEEE Transactions on Antennas and Propagation,vol.59,no.6,pp.1935−1944,2011
以下の分析は本発明において与えられる。
前記特許文献1および特許文献2に記載の従来技術の場合、位相検出によって通信信号のピーク電力の精度の良い検出と制御とが可能になるものの、位相検出機能の付加による回路の大規模化とそれによる高コスト化が問題になる。一方、前記特許文献3ないし特許文献5に記載の従来技術の場合、位相検出機能が省略され、回路の簡素化および低コスト化が図れているものの、位相検出機能を省くことでピーク電力の検出と制御の精度が劣化している。
さらに、前記特許文献1ないし特許文献5に記載の従来技術においては、マルチキャリア通信システム
Figure 0005949781
における使用が想定されているために、以上のような通信信号のピーク電力の検出および制御における精度と回路規模・コストとがトレードオフの関係になっている。本発明が解決しようとする課題の一つは、Inter-band Non-contiguous CAモード(Δf>>fBB)に対応した送信装置において、前述の通信信号のピーク電力の検出および制御における精度と回路規模・コストとのトレードオフの関係を打破することである。
また、前記特許文献1ないし特許文献5に記載の従来技術で想定されているマルチキャリア通信システム
Figure 0005949781
の場合、2つのキャリア信号の周波数は十分に近接している。このため、2つのキャリア信号の周波数の間における、電力増幅器(PA)の諸特性の周波数依存性は十分に小さい。すなわち、2つのキャリア信号を電力増幅器(PA)に同時に入力した際の、2つのキャリア周波数における電力増幅器(PA)の利得差や、電力増幅器(PA)の飽和出力およびP1dB(1dB利得圧縮点)等の諸特性の2つのキャリア信号の入力電力比率に対する依存性は、無視できる程度に小さい。
このため、前記特許文献1ないし特許文献5における従来のPAR低減技術においては、2つのキャリアの周波数における電力増幅器(PA)の利得差や、2つのキャリア信号の入力電力比率に対する電力増幅器(PA)の利得や飽和出力およびP1dB等の諸特性の変動は考慮されていない。すなわち、前記許文献1ないし特許文献5における従来のPAR(ピーク電力対平均電力比)低減技術は、処理が全て電力増幅器(PA)前段の信号源の中で閉じており、電力増幅器(PA)特性を検知する機構および検知された電力増幅器(PA)特性に基づいて、電力増幅器(PA)に入力される信号を補正する機構を備えていない。
一方で、Inter-band Non-contiguous CAモード(Δf>>fBB)の場合、2つのキャリア信号の周波数は大きく離れている。このため、2つのキャリア信号の周波数間における、電力増幅器(PA)の諸特性の周波数依存性は無視できない大きさを持っている。例えば、2つのキャリア信号を電力増幅器(PA)に同時に入力した際の、2つのキャリアの周波数における電力増幅器(PA)の利得差は一般に無視できない大きさになっている。
このため、Inter-band Non-contiguous CAモード(Δf>>fBB)に対応したPAR(ピーク電力対平均電力比)低減技術においては、2つのキャリアの周波数における電力増幅器(PA)の利得差や、電力増幅器(PA)の飽和出力およびP1dB等の諸特性の2つのキャリア信号の入力電力比率に対する依存性を考慮する必要がある。何故なら、これらの諸特性の変動が考慮されていない場合、ピーク電力の検出および制御が正しく行われず、通信信号のピーク電力が電力増幅器(PA)の飽和出力を超えて設定されるという問題、もしくは、通信信号のピーク電力が電力増幅器(PA)の飽和出力よりも過剰に低く設定されて電力効率が不要に低下するという問題が発生するからである。
(本発明の目的)
そこで、本発明は、上述の課題を解決するために、Inter-band Non-contiguous CAモード(Δf>>fBB)に対応した送信装置において、前述のような複数のキャリア信号の周波数間における電力増幅器(PA)の諸特性の周波数依存性を検知し、その電力増幅器(PA)の諸特性の周波数依存性の検知結果に基づいて、通信信号のピーク電力の正しい検出および制御をする手段の提供を目的とする。
前述の課題を解決するため、本発明による送信装置および無線信号送信方法は、主に、次のような特徴的な構成を採用している。
本発明の1つのアスペクト(側面)に係る送信装置は、送信する複数のキャリア周波数帯のRF(Radio Frequency)信号を発生させる信号発生器と、前記信号発生器からの前記RF信号を増幅する電力増幅器と、を少なくとも備えた送信装置であって、前記信号発生器は、前記RF信号のキャリア周波数帯毎の振幅二乗値をキャリア周波数帯毎に適宜指定した指定利得に基づいて重み付け加算した結果として得られる合成振幅における、ピーク値と平均値との比を示すPAR(Peak-to-Average Ratio)、を低減するPAR低減機能を有していることを特徴とする。
ここで、本発明の送信装置において、前記信号発生器は、前記PAR低減機能として、前記RF信号の送出タイミングをキャリア周波数帯毎に指定したタイミングに設定する機能を有しているようにしても良い。
また、本発明の送信装置において、前記信号発生器は、前記PAR低減機能として、前記RF信号の振幅値をキャリア周波数帯毎にあらかじめ指定した指定閾値以下に制限する機能を有しているようにしても良い。
さらに、本発明の送信装置において、前記指定利得の値は、前記電力増幅器の各キャリア周波数帯における利得の値を用いるようにしても良い。
本発明のもう1つのアスペクト(側面)に係る無線信号送信方法は、送信する複数のキャリア周波数帯のRF(Radio Frequency)信号を発生させて電力増幅器を介して送出する無線信号送信方法であって、前記RF信号のキャリア周波数帯毎の振幅二乗値をキャリア周波数帯毎に適宜指定した指定利得に基づいて重み付け加算した結果として得られる合成振幅における、ピーク値と平均値との比を示すPAR(Peak-to-Average Ratio)、を低減するPAR低減ステップを有していることを特徴とする。
ここで、本発明の無線信号送信方法において、前記PAR低減ステップとして、前記RF信号の送出タイミングをキャリア周波数帯毎に指定したタイミングに設定する機能を有しているようにしても良い。
また、本発明の無線信号送信方法において、前記PAR低減ステップとして、前記RF信号の振幅値をキャリア周波数帯毎にあらかじめ指定した指定閾値以下に制限する機能を有しているようにしても良い。
さらに、本発明の無線信号送信方法において、前記指定利得の値は、前記電力増幅器の各キャリア周波数帯における利得の値を用いるようにしても良い。
本発明による送信装置および無線信号送信方法によれば、送信装置にRF(Radio Frequency)入力信号のPAR(ピーク電力対平均電力比)を低減する手段を備えることによって、電力効率をより高めた、複数の周波数の信号を同時に増幅することが可能なCA(Carrier Aggregation)技術に対応した電力増幅器を備えた送信装置を実現することが可能になるという効果を奏することができる。
本発明による第一の実施の形態における送信装置のブロック構成を示すブロック構成図である。 図1の電力増幅器の一例としたデュアルバンド電力増幅器(PA)の入出力電力特性を示す特性図である。 図1の電力増幅器の一例としたデュアルバンド電力増幅器(PA)の利得の入力電力依存性を示す利得特性図である。 図1の電力増幅器の一例としたデュアルバンド電力増幅器(PA)の利得の入力電力依存性を示す利得特性図である。 図1の電力増幅器の一例としたデュアルバンド電力増幅器(PA)にキャリア周波数が異なる2つのRF信号を入力した場合の出力信号の入出力電力特性を示す特性図である。 図1の電力増幅器の一例としたデュアルバンド電力増幅器(PA)にキャリア周波数が異なる2つのRF信号を入力した場合の利得の入力電力依存性を示す利得特性図である 図1の電力増幅器の一例としたデュアルバンド電力増幅器(PA)にキャリア周波数が異なる2つのRF信号を同時に入力した場合の飽和時における出力信号の入出力電力特性を示す特性図である。 図1の電力増幅器の一例としたデュアルバンド電力増幅器(PA)にキャリア周波数が異なる2つのRF信号を同時に入力した場合の電力効率を示す特性図である。 図1の電力増幅器の一例としたデュアルバンド電力増幅器(PA)から出力される2つのRF信号の振幅の二乗値の時間波形を示す波形図である。 図1の電力増幅器の一例としたデュアルバンド電力増幅器(PA)から出力される2つのRF信号の振幅の二乗値の合成振幅の時間波形を示す波形図である。 図1の電力増幅器の一例としたデュアルバンド電力増幅器(PA)から出力される2つのRF信号の一方の送出タイミングを制御した場合の振幅の二乗値の時間波形を示す波形図である。 図1の電力増幅器の一例としたデュアルバンド電力増幅器(PA)から出力される2つのRF信号の振幅の二乗値の合成振幅の時間波形を示す波形図である。 図1の電力増幅器の一例としたデュアルバンド電力増幅器(PA)から出力される2つのRF信号の振幅の二乗値の合成振幅のPARと送出タイミングのシフト量の関係を示す特性図である。 図1の電力増幅器の一例としたデュアルバンド電力増幅器(PA)の平均電力効率の改善比とデュアルバンド電力増幅器(PA)から出力される2つのRF信号の送出タイミングのシフト量との関係を示す特性図である。 図1の送信装置における信号発生器のブロック構成の一例を示すブロック構成図である。 図1の送信装置における信号発生器のブロック構成の一例を示すブロック構成図である。 図1の送信装置における信号発生器のブロック構成の一例を示すブロック構成図である。 本発明による第一の実施の形態の第一の変形例における信号発生器のブロック構成を示すブロック構成図である。 本発明による第一の実施の形態の第二の変形例における信号発生器のブロック構成を示すブロック構成図である。 本発明による第一の実施の形態の第三の変形例における信号発生器のブロック構成を示すブロック構成図である。 本発明による第一の実施の形態の第三の変形例における信号発生器のブロック構成を示すブロック構成図である。 本発明による第二の実施の形態の送信装置における信号発生器のブロック構成を示すブロック構成図である。 本発明による第二の実施の形態の送信装置における信号発生器のブロック構成を示すブロック構成図である。 本発明による第二の実施の形態の送信装置における信号発生器のブロック構成を示すブロック構成図である。 本発明による第二の実施の形態の送信装置における信号発生器のブロック構成を示すブロック構成図である。 特許文献6の送信装置に入力された或る振幅のRF信号の振幅二乗値の時間波形を示す波形図である。 特許文献6の送信装置に入力された他の振幅のRF信号の振幅二乗値の時間波形を示す波形図である。 本発明の第二の実施の形態において電力増幅器の一例としたデュアルバンド電力増幅器(PA)に入力される2つのRF信号の振幅の二乗値の合成振幅の時間波形を示す波形図である。 本発明の第二の実施の形態において電力増幅器の一例としたデュアルバンド電力増幅器(PA)に入力される2つのRF信号の振幅および合成振幅のCCDF(相補累積分布関数)を示す特性図である。 本発明による第二の実施の形態の第一の変形例における信号発生器のブロック構成を示すブロック構成図である。 本発明による第二の実施の形態の第一の変形例における信号発生器のブロック構成を示すブロック構成図である。 本発明による第二の実施の形態の第二の変形例における信号発生器のブロック構成を示すブロック構成図である。 本発明による第二の実施の形態の第二の変形例における信号発生器のブロック構成を示すブロック構成図である。 本発明による第二の実施の形態の第三の変形例における信号発生器のブロック構成を示すブロック構成図である。 本発明による第二の実施の形態の第三の変形例における信号発生器のブロック構成を示すブロック構成図である。 本発明による第二の実施の形態の第三の変形例における信号発生器のブロック構成を示すブロック構成図である。 特許文献1に記載の送信装置のブロック構成を示すブロック構成図である。 特許文献2に記載の送信装置のブロック構成を示すブロック構成図である。 特許文献3に記載の送信装置のブロック構成を示すブロック構成図である。 特許文献4に記載の通信信号のPARを低減する手法の概念を示す概念図である。 特許文献5に記載の通信信号のPARを低減するキャリア多重回路を示す回路図である。 特許文献6に記載の送信機のブロック構成を示すブロック構成図である。 図42の送信機における電力増幅器から出力端子への伝達関数を説明する説明図である。
以下、本発明による送信装置および無線信号送信方法の好適な実施形態について添付図を参照して説明する。なお、以降に示す各図面において、同一または相当部分の部位については、同一符号を付して示すこととし、その説明は繰り返さないことにする。
(本発明の特徴)
本発明の実施形態の説明に先立って、本発明の特徴についてその概要をまず説明する。本発明は、信号発生器により発生された複数の周波数の信号を同時に増幅することが可能なCA(Carrier Aggregation)技術に対応した電力増幅器を備えた送信装置を実現することを主要な特徴としている。
すなわち、本発明は、複数の帯域のRF(Radio Frequency)信号を送信する送信装置であって、複数のキャリア周波数の送信信号を発生する信号発生器と該信号発生器からの送信信号を増幅する電力増幅器とを少なくとも備え、前記信号発生器は、送信信号のキャリア周波数帯毎の振幅二乗値をキャリア周波数帯毎に適宜指定した指定利得で重み付け加算して得られる和(すなわち合成振幅)のピーク値と平均値との比を低減し、かつ、前記電力増幅器の諸特性の周波数依存性を検知し、前記電力増幅器の諸特性の周波数依存性の検知結果に基づいて、通信信号のピーク電力を正しく検出および制御することを主要な特徴としている。
而して、送信信号のPAR(ピーク電力対平均電力比)を低減し、送信信号のピーク電力の検出および制御における精度と回路規模・コストとのトレードオフの関係を打破することができ、複数の周波数の信号を同時に増幅することを可能にしている。
(第一の実施の形態)
図1は、本発明による第一の実施の形態における送信装置のブロック構成を示すブロック構成図である。図1に示す第一の実施の形態における送信装置は、電力増幅器401と、信号発生器402と、電力増幅器401の負荷403と、カプラ413およびカプラ414とを少なくとも含んで構成される。電力増幅器401と信号発生器402とは端子404を介して接続されている。また、電力増幅器401と負荷403とは端子405を介して接続されている。カプラ413は電力増幅器401の入力端子となる端子404に設置され、また、カプラ413は端子411を介して信号発生器402と接続される。カプラ414は電力増幅器401の出力端子となる端子405に設置され、また、カプラ414は端子412を介して信号発生器402と接続される。
信号発生器402は、互いに異なるキャリア周波数fc1、fc2、…、fcnをそれぞれ有するRF信号406、406、…、406を同時に発生させ、発生したRF信号406、406、…、406を端子404に出力する。ここで、nは2以上の整数である。RF信号406、406、…、406は、端子404を介して電力増幅器401に入力される。電力増幅器401は、入力のRF信号406、406、…、406を増幅し、RF信号407、407、…、407として、端子405を経由して負荷403に出力する。
ここで、信号発生器402は、RF信号406、406、…、406を合成した波形のPAR(ピーク電力対平均電力比)を低減する処理を施した上で、RF信号406、406、…、406を送出する機能を有する。つまり、電力増幅器401に入力されるRF信号406、406、…、406は、カプラ413を介して信号発生器402に入力される。また、電力増幅器401から出力されるRF信号407、407、…、407は、カプラ414を介して信号発生器402に入力される。信号発生器402は、カプラ413を介して入力されたRF信号406、406、…、406およびカプラ414を介して入力されたRF信号407、407、…、407に基づいて、PARを低減したRF信号406、406、…、406の生成処理を行う。
なお、本実施の形態においては、電力増幅器401として、複数のキャリア周波数fc1、fc2、…、fcnに対応して設計された、マルチバンド電力増幅器を用いることが望ましい。例えば、電力増幅器401には、前述の非特許文献の項に記載の非特許文献2のP.Colantonioらによる"A Design Technique for Concurrent Dual-Band Harmonic Tuned Power Amplifier,"(IEEE Transactions on Microwave Theory and Techniques)において開示されているような、2つ以上の周波数で入出力の整合設計を行った電力増幅器を用いても良い。もしくは、電力増幅器401には、キャリア周波数fc1からfcnまでの周波数範囲をカバーするような広帯域の電力増幅器を用いても良い。
広帯域の電力増幅器の構成は、例えば、前述の非特許文献の項に記載の非特許文献3のS.Kousaiらによる"An Octave-Range,Watt-Level,Fully-Integrated CMOS Switching Power Mixer Array for Linearization and Back-Off-Efficiency,"(IEEE Journal of Solid-State Circuits)または非特許文献4のP.Saadらによる"Design of a Highly Efficient 2−4GHz Octave Bandwidth GaN-HEMT Power Amplifier,"(IEEE Transactions on Microwave Theory and Techniques)等に開示されている構成を採用しても良い。
また、本実施の形態においては、負荷403には、複数のキャリア周波数fc1、fc2、…、fcnに対応して設計された、マルチバンドアンテナを用いることが望ましい。例えば、負荷403には、前述の非特許文献の項に記載の非特許文献5のK.L.Wongらによる"On-Board Printed Coupled-Fed Loop Antenna in Close Proximity to the Surrounding Ground Plane for Penta-Band WWAN Mobile Phone,"(IEEE Transactions on Antennas and Propagation)において開示されているような、2つ以上の周波数に対応して設計されたマルチバンドアンテナを用いても良い。もしくは、負荷403には、キャリア周波数fc1からfcnまでの周波数範囲をカバーするような広帯域のアンテナを用いても良い。広帯域のアンテナの構成は、例えば、前述の非特許文献の項に記載の非特許文献6のG.Cortes-Medellinによる"Non-Planer Quasi-Self-Complementary Ultra-Wideband Feed Antenna"(IEEE Transactions on Antennas and Propagation)において開示されている構成を採用しても良い。
図1で示した本実施の形態の送信装置は、前記特許文献6で開示されている図42および図43の従来技術の送信機に比べて、以下の利点がある。
前記特許文献6に記載の従来技術の送信機の場合、一つの電力増幅器(PA)で一つのキャリア周波数のRF信号を増幅するため、n個のキャリア周波数のRF信号を増幅する場合はn個の電力増幅器(PA)が必要となる。これに対して、図1で示した本実施の形態の送信装置の場合は、一個の電力増幅器(PA)でn個のキャリア周波数のRF信号を同時に増幅する。したがって、前記特許文献6に記載の従来技術の送信機に比べ、本実施の形態の送信装置においては、より少ない数の電力増幅器(PA)によって送信装置を構成することができるため、従来技術よりも回路のサイズとコストとを削減することができる。
また、前記特許文献6に記載の従来技術の送信機の場合、電力増幅器(PA)間のRF信号の回り込みを防ぐために、図43の伝達特性が示すように、図42に示す合波回路60においてRF信号を通さない周波数帯を、異なるキャリア周波数の間に設けることが必要である。かくのごとく、前記特許文献6に記載の送信機の場合、送信することができる周波数帯が制約されてしまう。これに対して、図1で示した本実施の形態の送信装置の場合は、前述の通り、電力増幅器401として、全てのキャリア周波数の範囲をカバーするような広帯域の電力増幅器を用いることができる。
したがって、本実施の形態においては、前記特許文献6に記載の送信機の場合とは異なり、異なるキャリア周波数の間に、RF信号を通さない周波数帯を設ける必要がない。すなわち、前記特許文献6に記載の従来技術の送信機に比べ、本実施の形態の送信装置においては、設定することができるRF信号の周波数範囲に制約がないという利点がある。
また、前記特許文献6に記載の従来技術の送信機の場合、複数の電力増幅器(PA)の出力電力を合波回路60において合成する。この場合、合波回路60において電力の合成損失が発生する。しかし、本実施の形態の送信装置においては、合波回路を用いていないため、そのような電力の合成損失は発生しない。したがって、前記特許文献6に記載の従来技術の送信機に比べ、本実施の形態においては、電力損失を抑制し、電力効率を高めることができる。
次に、CA(Carrier Aggregation)技術に対応した通信信号のPAR(ピーク電力対平均電力比)低減手法について、以下の議論を通じて開示する。なお、議論の簡略化のため、キャリア周波数がfc1とfc2との2つである場合について最初に開示する。
まず、CA技術に対応した通信信号のPAR低減手法に必要な要素として、キャリア周波数の異なる2つのRF信号を合成して得られる合成RF信号の性質について議論する。次に示す式(1)で与えられる、キャリア周波数fc1およびキャリア周波数fc2の2つのRF信号407およびRF信号407を合成した合成RF信号波形V(t)について考察する。
Figure 0005949781
ここで、合成RF信号波形V(t)は電圧の次元を持つものとする。
つまり、チャネル1(キャリア周波数fc1)のベースバンド信号a(t)exp[jθ(t)]は周波数fBB1の変調帯域幅を持つものとし、チャネル2(キャリア周波数fc2)のベースバンド信号a(t)exp[jθ(t)]は周波数fBB2の変調帯域幅を持つものとする。また、周波数fBB1と周波数fBB2とは同程度の大きさを持つものとする。
抵抗Rに合成RF信号波形V(t)が加えられた場合の電力P(t)は、次の式(2)によって与えられる。
Figure 0005949781
ここで、Tは電力を求めるための平均時間であり、平均時間Tの取り方によって異なる電力が定義される。式(1)のV(t)を式(2)に代入すると、次の式(3)が得られる。
Figure 0005949781
平均電力Paveの計算においては、電力計算のための平均時間Tは無限大に取られる。式(3)においてTを無限大として積分を実行すると、cosを含む項は全て平滑化されて'0'となり、式(3)右辺の第一項のみが残る。結果として、平均電力Paveは次の式(4)で与えられる。
Figure 0005949781
ここで、 は[a(t)]の時間平均値、 は[a(t)]の時間平均値である。また、
Figure 0005949781
であり、Δf=fc2−fc1>0であるものとする。
従来技術で取り扱っているマルチキャリア通信システム
Figure 0005949781
の場合と、Inter-band Non-contiguous CAモード(Δf>>fBB)の場合とは、平均電力がいずれも前記の式(4)によって与えられる。
次に、瞬時電力を導出する。以下で議論するように、瞬時電力は、マルチキャリア通信システム
Figure 0005949781
の場合と、Inter-band Non-contiguous CAモード(Δf>>fBB)の場合とでは、異なる値と性質とを持つ。背景技術で述べた通り、この瞬時電力のピーク値は、電力増幅器(PA)の飽和出力以下に設定されなければならない。
マルチキャリア通信システム
Figure 0005949781
の場合の瞬時電力の導出の場合は、平均時間Tは
Figure 0005949781
の条件を満たすように設定される。このような平均時間Tに対して、前記式(3)右辺の第3項ないし第5項のいずれも、積分時間T内でcos内の位相が高速に変動するため、式(3)右辺の第3項ないし第5項はいずれも積分によって平滑化されて'0'になる。結果として、前記式(3)の第1項と第2項とが残り、瞬時電力は次の式(5)で与えられる。
Figure 0005949781
式(5)に示すように、
Figure 0005949781
の場合には、瞬時電力P(t)は、振幅a(t)および振幅a(t)とともに、位相θ(t)および位相θ(t)に依存する。したがって、瞬時電力のピーク値を正しく制御しようとする場合、前記特許文献1にも記載されている通り、振幅a(t)および振幅a(t)と位相θ(t)および位相θ(t)との双方の検出と制御とが必要となる。
一方、Inter-band Non-contiguous CAモード(Δf>>fBB)の場合の瞬時電力の導出においては、平均時間Tは
Figure 0005949781
の条件を満たすように設定される。このような平均時間Tに対して、前記式(3)右辺の第2項ないし第5項のいずれも、積分時間T内でcos内の位相が高速に変動するため、式(3)右辺の第2項ないし第5項はいずれも積分によって平滑化されて'0'になる。結果として、前記式(3)の第1項のみが残り、瞬時電力は次の式(6)で与えられる。
Figure 0005949781
式(6)に示すように、Δf>>fBBの場合には、瞬時電力P(t)は、振幅a(t)および振幅a(t)のみに依存して、位相θ(t)および位相θ(t)に依存しないことになる。したがって、Inter-band Non-contiguous CAモードにおいて瞬時電力のピーク値を正しく制御しようとする場合、振幅のみを検出および制御すれば良く、位相の検出および制御を省略することが正当化される。
以上の議論は、キャリア周波数が一般の数(n個:2個以上の整数)の場合にも容易に拡張される。RF信号407、407、…、407の振幅をそれぞれaout1(t)、aout2(t)、…、aoutn(t)とする。RF信号407、407、…、407のそれぞれのキャリア周波数fc1、fc2、…、fcnが互いに変調帯域幅fBBよりも十分大きな周波数間隔で離れている場合、RF信号407、407、…、407の合成信号の瞬時電力は、次の式(7)のように、それぞれの振幅の二乗和として与えられる。
Figure 0005949781
次に、キャリア周波数の異なる2つのRF信号を電力増幅器(PA)に同時に入力した際の、電力増幅器(PA)の諸特性について議論する。
電力増幅器401として、800MHz/2GHzの両周波数に対応したデュアルバンド電力増幅器(PA)を用いる場合を例にとって説明する。図2は、図1の電力増幅器401の一例としたデュアルバンド電力増幅器(PA)の入出力電力特性を示す特性図である。なお、ここでは、キャリア周波数fc1を800MHz、キャリア周波数fc2を2GHzとしている。
図2の特性図においては、キャリア周波数fc1=800MHzのRF信号406のみを入力した時の電力増幅器401の入出力電力特性と、キャリア周波数fc2=2GHzのRF信号406のみを入力した時の電力増幅器401の入出力電力特性とがそれぞれ示されている。図2の特性図に示されているように、ここで議論する電力増幅器401は、キャリア周波数fc1のRF信号406の入力時と、キャリア周波数fc2のRF信号406の入力時との双方で、ほぼ同程度の飽和出力電力が得られるように設計されている。
図3および図4は、いずれも、図1の電力増幅器401の一例とした前記デュアルバンド電力増幅器(PA)の利得の入力電力依存性を示す利得特性図であり、図3が、キャリア周波数fc1とキャリア周波数fc2との周波数差が大きい場合を示し、図4が、キャリア周波数fc1とキャリア周波数fc2との周波数差が近接している場合を示している。
つまり、図3の利得特性図の場合は、キャリア周波数fc1=800MHzのRF信号406のみを入力した時の電力増幅器401の利得特性と、キャリア周波数fc2=2GHzのRF信号406のみを入力した時の電力増幅器401の利得特性とが示されている。一方、図4の利得特性図の場合は、キャリア周波数fc1=1995MHzのRF信号のみを入力した時の電力増幅器401の利得特性と、キャリア周波数fc2=2005MHzのRF信号のみを入力した時の電力増幅器401の利得特性とが示されている。
図4の利得特性図に示されているように、2つのキャリア周波数fc1とキャリア周波数fc2とが極めて近接している場合(前述の例の場合の比帯域は5×10−3)、キャリア周波数fc1のRF信号入力時と、キャリア周波数fc2のRF信号入力時との双方では、利得特性はほぼ一致している。これに対して、図3の利得特性図に示されているように、2つのキャリア周波数fc1とキャリア周波数fc2とが大きく離れている場合(前述の例の場合の比帯域は0.6、Inter-band Non-contiguous CAモードに対応)、キャリア周波数毎の利得特性は大きな違いを示す。かくのごとく、電力増幅器401の特性には周波数依存性が存在しているため、双方のキャリア周波数の周波数が離れれば離れるほど、特性が大きく変化することは電力増幅器の一般的な性質である。
図5は、図1の電力増幅器401の一例とした前記デュアルバンド電力増幅器(PA)にキャリア周波数が異なる2つのRF信号を入力した場合の出力信号の入力電力依存性を示す特性図である。つまり、図1の電力増幅器401の一例とした前記デュアルバンド電力増幅器(PA)において、キャリア周波数f=800MHzのRF信号406を電力−4dBmで入力しつつ、かつ、同時に、キャリア周波数f=2GHzのRF信号406を電力スイープしながら入力した場合に得られた、出力電力のグラフである。また、図6は、図5の場合と同様の条件で得られた利得の入力電力依存性を示す利得特性図である。
図5の入出力電力特性図および図6の利得特性図が示すように、キャリア周波数fのRF信号406の入力電力が小さい範囲においてはRF信号406の入力電力が変化しても、キャリア周波数fにおける利得およびRF信号407の出力電力は変動をほとんど示さない。しかし、キャリア周波数fのRF信号406の入力電力が大きくなり、キャリア周波数fのRF信号407の出力電力が飽和してくると、キャリア周波数fにおける利得およびRF信号407の出力電力は大きな変化(特に減少)を示すようになる。すなわち、電力増幅器401が小信号で動作し、飽和していない場合には、各キャリア周波数における出力電力および利得はそれぞれ独立した性質を示す。その一方で、電力増幅器401が大信号で動作して、飽和に近い状況に達すると、各キャリア周波数における出力電力および利得は相互に影響を及ぼすようになる。
図7は、図1の電力増幅器401の一例とした前記デュアルバンド電力増幅器(PA)にキャリア周波数が異なる2つのRF信号を同時に入力した場合の飽和時における出力信号の入出力電力特性を示す特性図である。すなわち、図1の電力増幅器401の一例とした前記デュアルバンド電力増幅器(PA)において、キャリア周波数f=800MHzのRF信号406とキャリア周波数f=2GHzのRF信号406とを同時に入力した場合の、飽和時におけるキャリア周波数fのRF信号407の出力電力Pout1およびキャリア周波数fのRF信号407の出力電力Pout2をプロットしたグラフである。なお、図7の特性図においては、キャリア周波数f=800MHzのRF信号406の入力電力Pin1とキャリア周波数f=2GHzのRF信号406の入力電力Pin2との電力差分ΔPin=Pin1−Pin2(dB)を変えて、電力増幅器401の飽和時の出力電力をプロットしている。
入力電力の電力差分ΔPinを変えてキャリア周波数fのRF信号406およびキャリア周波数fのRF信号406の入力電力の比率を変えた場合、該比率の変化に応じて、飽和時のキャリア周波数fのRF信号407およびキャリア周波数fのRF信号407の出力電力も変化する。ここで、この事例における電力増幅器401は、キャリア周波数fのRF信号406のみを入力した場合と、キャリア周波数fのRF信号406のみを入力した場合との双方において、電力増幅器401の飽和動作時における出力電力がほぼ同一値の飽和出力電力Psatを取るように設計されている。
かくのごとく、単一のRF信号入力時の飽和出力電力がキャリア周波数の如何によらず同一値Psatを取る電力増幅器の場合は、図7に示すように、キャリア周波数fのRF信号406およびキャリア周波数fのRF信号406の双方を同時入力し、その入力電力の比率ΔPinを変えた場合においても、飽和時のRF信号の出力電力合計値(Pout1+Pout2)は、飽和出力電力Psatになって、単一RF信号入力時からは変動しない、という結果が得られる。
この結果は、互いに大きく離れた複数のキャリア周波数のRF信号を同時に電力増幅器に入力する場合(Inter-band Non-contiguous CAモード)において、各キャリア周波数のRF信号の入力電力の比率によらず、RF信号の出力電力の合計値が電力増幅器(PA)の飽和条件を定めるということ、すなわち、RF信号の出力電力合計値(Pout1+Pout2)が飽和出力電力Psatに達した時点で電力増幅器が飽和すること、を示している。
図8は、図1の電力増幅器401の一例とした前記デュアルバンド電力増幅器(PA)にキャリア周波数が異なる2つのRF信号を同時に入力した場合の電力効率を示す特性図である。すなわち、図1の電力増幅器401の一例とした前記デュアルバンド電力増幅器(PA)において、キャリア周波数f=800MHzのRF信号406とキャリア周波数f=2GHzのRF信号406とを同時に入力した場合の、電力効率をプロットしたグラフである。この場合の電力効率は、各キャリア周波数のRF信号407およびRF信号407の合計出力電力(Pout1+Pout2)と、電力増幅器401が消費するDC電源からの供給電力との比によって定義されている。なお、図8に示す電力効率は、キャリア周波数fにおける出力電力Pout1と、キャリア周波数fにおける出力電力Pout2との双方を変化させてプロットしている。
図8の特性図から、出力電力Pout1と出力電力Pout2との取り方の如何によらず、電力効率は、各キャリア周波数のRF信号407およびRF信号407の合計出力電力(Pout1+Pout2)の一価関数になることが分かる。一つのキャリア周波数のRF信号を入力した場合のB級動作の電力増幅器の電力効率は、出力電力の1/2乗に比例することが知られている。図8には、合計出力電力(Pout1+Pout2)の1/2乗に比例する曲線を理論特性として破線によって示しているが、該理論特性が図1の電力増幅器401の一例とした前記デュアルバンド電力増幅器(PA)における実際の電力効率に関する実特性(実線によって示す)に良く合っていることを示している。かくのごとき結果は、互いの周波数が大きく離れた複数のキャリア周波数のRF信号を同時に電力増幅器に入力する場合(Inter-band Non-contiguous CAモード)においても、各キャリア周波数のRF信号の入力電力の比率によらず、電力増幅器の電力効率は、RF信号の出力電力の合計値によって決まる、ということを示している。
以上の議論をまとめると、互いの周波数が大きく離れた複数のキャリア周波数のRF信号を同時に電力増幅器に入力する場合(Inter-band Non-contiguous CAモード)において、合成RF信号の瞬時電力と、電力増幅器の飽和条件と、電力増幅器の電力効率と、のいずれもが、各キャリア周波数のRF信号の出力電力の和によって決定される、ということが分かる。すなわち、合成RF信号の瞬時電力と、電力増幅器の飽和条件と、電力増幅器の電力効率と、を定める指標として、Inter-band Non-contiguous CAモードにおける各キャリア周波数のRF信号の出力電力の和(合計出力電力)と、単一のキャリア周波数のRF信号のみ電力増幅器に入力する通常モードにおけるRF信号の出力電力とは、同一視することができる。
従来技術においては、単一のキャリア周波数のRF信号のみ電力増幅器に入力する通常モードにおいて、線形性を維持しつつ、平均電力効率を上げるために、RF信号の出力電力のピーク値を電力増幅器の飽和出力電力Psat以下の近傍値に設定している。また、RF信号の出力電力の平均値を上げて平均電力効率を上げられるように、PAR(ピーク電力対平均電力比)を低減する信号処理をRF信号に加えてから、該RF信号を電力増幅器に入力している。
本実施の形態において対象としているInter-band Non-contiguous CAモードにおいては、線形性を維持しつつ平均電力効率を上げるために、各キャリア周波数のRF信号の出力電力の和(合計出力電力)のピーク値を電力増幅器の飽和出力電力Psat以下の近傍値に設定する。また、RF信号の出力電力の平均値を上げて平均電力効率を上げられるように、合計出力電力のPAR(ピーク電力対平均電力比)を低減する信号処理を各キャリア周波数のRF信号に加えてから、該RF信号を電力増幅器に入力する。
以下、合計出力電力のPAR(ピーク電力対平均電力比)を低減する信号処理を各キャリア周波数のRF信号に加える方法について開示する。
合計出力電力のPAR(ピーク電力対平均電力比)は、出力信号の振幅の二乗和のPAR(ピーク電力対平均電力比)に等しい。したがって、電力増幅器401の出力におけるRF信号407、407、…、407の振幅をそれぞれaout1(t)、aout2(t)、…、aoutn(t)とした場合、出力信号の振幅の二乗和[aout1(t)]+[aout2(t)]+…+[aoutn(t)]のPAR(ピーク電力対平均電力比)を低減することにより、合計出力電力のPAR(ピーク電力対平均電力比)を低減し、電力増幅器401の電力効率を改善することができる。
出力信号の振幅の二乗和[aout1(t)]+[aout2(t)]+…+[aoutn(t)]のPAR(ピーク電力対平均電力比)を低減する方法の一つは、振幅aout1(t)、aout2(t)、…、aoutn(t)が同時にピーク値に達することがないように、電力増幅器401に入力されるRF信号406、406、…、406の送出タイミングを信号発生器402において制御することである。
RF信号406、406、…、406の送出タイミングを変化させても、出力信号のRF信号407、407、…、407の合成波形の平均電力は変化しない。RF信号407、407、…、407の合成波形の平均電力は、各RF信号の平均電力の和であり、各RF信号の平均電力は送出タイミングで変化しないからである。
前述のように、RF信号406、406、…、406の送出タイミングを変化させた場合、RF信号407、407、…、407の合成波形の平均電力は変化しないものの、RF信号407、407、…、407のピーク電力は変化する。したがって、RF信号406、406、…、406の送出タイミングを変化させることによって、出力信号のRF信号407、407、…、407の合成波形のPAR(ピーク電力対平均電力比)を変化させることができる。
かくのごとき、本実施の形態におけるPAR(ピーク電力対平均電力比)低減方法の一つの利点としては、前記特許文献1に代表される従来のPAR(ピーク電力対平均電力比)低減手法とは異なり、電力増幅器401に入力される各RF信号406、406、…、406の信号歪が発生しないことが挙げられる。本実施の形態の場合、各RF信号406、406、…、406の送出タイミングを変化させるだけであるので、各RF信号406、406、…、406に信号歪が発生することはないからである。これに対して、前記特許文献1に代表される従来のPAR(ピーク電力対平均電力比)低減手法においては、リミッタを用いてピーク電力を制限する非線形処理を施すことによってPARを低減するため、信号歪の発生が原理的に避けられない。
以下、PAR(ピーク電力対平均電力比)低減の具体例として、キャリア周波数fc1および振幅aout1(t)を有するRF信号407と、キャリア周波数fc2および振幅aout2(t)を有するRF信号407との2つのRF信号を電力増幅器401から送出する場合について考える。
ここで、一つの例として図9を用いて説明する。図9は、図1の電力増幅器401の一例としたデュアルバンド電力増幅器(PA)から出力される2つのRF信号407およびRF信号407それぞれの振幅の二乗値の時間波形を示す波形図であり、2つのRF信号407およびRF信号407それぞれにおいてWCDMA(Wideband Code Division Multiple Access:登録商標)信号を送出する場合における、振幅の二乗値{aout1(t)}および{aout2(t)}の時間波形を破線および実線により示している。以降の各図面においては、振幅の二乗値{aout1(t)}および{aout2(t)}のピーク値は全て'1'に正規化して図示している。
図9に示す波形図の場合において、振幅の二乗値{aout1(t)}および{aout2(t)}はタイミング5.5μsにおいて同時にピーク値を持っている。図9で示した{aout1(t)}および{aout2(t)}から合成振幅{aout1(t)}+{aout2(t)}を導出した結果を図10に示す。図10は、図1の電力増幅器401の一例としたデュアルバンド電力増幅器(PA)から出力される2つのRF信号の振幅の二乗値の合成振幅の時間波形を示す波形図であり、図9に示した2つのRF信号407およびRF信号407それぞれの振幅の二乗値{aout1(t)}および{aout2(t)}を合成した合成振幅の時間波形を示している。なお、合成振幅を2つのRF信号407およびRF信号407それぞれの振幅の二乗値の単純和である{aout1(t)}+{aout2(t)}として求めた場合を示しているが、実際の合成振幅は、送信する各RF信号のキャリア周波数帯毎の振幅二乗値をキャリア周波数帯毎に適宜指定した指定利得で重み付け加算して得られる和として与えられる。ここで、該指定利得の値として、電力増幅器401の各キャリア周波数帯における利得の値を用いるようにしても良い。
図10の波形図に示すように、2つのRF信号407およびRF信号407それぞれの振幅の二乗値{aout1(t)}および{aout2(t)}が同時にピーク値となるタイミング(5.5μs)において、合成振幅もまた大きなピーク値を取っている。なお、この場合の2つのRF信号407およびRF信号407それぞれの振幅の二乗値{aout1(t)}および{aout2(t)}さらに合成振幅{aout1(t)}+{aout2(t)}のPAR(ピーク電力対平均電力比)は全て9.1dBであり同一である。
次に、一方のRF信号407 送出タイミングを制御した場合の振幅の二乗値について図11を用いて説明する。図11は、図1の電力増幅器の一例としたデュアルバンド電力増幅器(PA)から出力される2つのRF信号の一方の送出タイミングを制御した場合の振幅の二乗値の時間波形を示す波形図であり、破線で示すRF信号407の送出タイミングを制御した場合について示している。つまり、図11の波形図の場合においては、2つのRF信号407とRF信号407とのそれぞれの振幅の二乗値{aout1(t)}と{aout2(t)}とが同時にピーク値を取らないように、RF信号407(振幅aout1(t))の送出タイミングを、図9の状態から0.5μs早めている状態を示している。なお、各RF信号407、407の送出タイミングは、遅延調整器502、502によって、キャリア周波数帯毎に指定したタイミングに設定することが可能であり、各遅延調整器502、502の遅延時間は、ピーク検出器506からの制御信号に基づいて設定される。
図11の波形図に示すように、RF信号407の送出タイミングを制御した場合の2つのRF信号407およびRF信号407それぞれの振幅の二乗値{aout1(t)}および{aout2(t)}から合成振幅{aout1(t)}+{aout2(t)}を導出した結果を図12に示す。図12は、図1の電力増幅器401の一例としたデュアルバンド電力増幅器(PA)から出力される2つのRF信号の振幅の二乗値の合成振幅の時間波形を示す波形図であり、図11に示した2つのRF信号407およびRF信号407それぞれの振幅の二乗値{aout1(t)}および{aout2(t)}を合成した合成振幅の時間波形を示している。
図11に示したように、2つのRF信号の一方のRF信号407の送出タイミングの制御により、図12の合成振幅{aout1(t)}+{aout2(t)} のピーク値は、RF信号407の送出タイミングの制御を行わない場合の図10の合成振幅のピーク値から半減している。したがって、図11および図12に示した場合において、2つのRF信号407およびRF信号407それぞれの振幅の二乗値{aout1(t)}および{aout2(t)}のPAR(ピーク電力対平均電力比)は9.1dB、合成振幅{aout1(t)}+{aout2(t)} のPAR(ピーク電力対平均電力比)は6.4dBとなる。RF信号407の送出タイミングの制御を行わない場合の合成振幅{aout1(t)}+{aout2(t)} のPAR(9.1dB)に比べ、RF信号407の送出タイミングの制御により合成振幅{aout1(t)}+{aout2(t)} のPAR(ピーク電力対平均電力比)は2.7dB低減している。この2.7dBのPAR(ピーク電力対平均電力比)の低減効果により、B級電力増幅器(PA)の場合で、平均電力効率を、元の1.35倍に高めることができる。
RF信号407、407、…、407の合成振幅のPAR(ピーク電力対平均電力比)低減効果および電力増幅器401の平均電力改善効果は、一般にRF信号波形の送出タイミングのシフト量に依存する。
図13は、図1の電力増幅器の一例としたデュアルバンド電力増幅器(PA)から出力される2つのRF信号の振幅の二乗値の合成振幅のPARと送出タイミングのシフト量の関係を示す特性図であり、2つのRF信号407およびRF信号407それぞれにおいてWCDMA信号を送出する場合における、振幅の二乗値{aout1(t)}および{aout2(t)}から導出した合成振幅{aout1(t)}+{aout2(t)}と波形の送出タイミングのシフト量の関係を示している。
図13の特性図に示すように、合成振幅{aout1(t)}+{aout2(t)}のPAR(ピーク電力対平均電力比)は、RF信号波形の送出タイミングのシフト量に依存している。図13に示す特性図の場合、PAR(ピーク電力対平均電力比)低減量を最大化する最適シフト時間は0.5μsであり、この時、2.7dBのPAR(ピーク電力対平均電力比)低減効果が得られている。
図14は、図1の電力増幅器401の一例としたデュアルバンド電力増幅器(PA)の平均電力効率の改善比とデュアルバンド電力増幅器(PA)から出力される2つのRF信号の送出タイミングのシフト量との関係を示す特性図であり、2つのRF信号407およびRF信号407それぞれにおいてWCDMA信号を送出する場合における、電力増幅器401の一例のB級PAの平均電力効率の改善比と送出タイミングのシフト量との関係を示している。ここで、図14には、送出タイミングのシフト量が'0'の場合の平均電力効率を基準値の'1'として表現している。
図14の特性図に示すように、電力増幅器401の平均電力効率は、RF信号波形の送出タイミングのシフト量に依存している。図14に示す特性図の場合、図13にて説明したPAR低減量を最大化する最適シフト時間(0.5μs)において、平均電力効率の改善も最大となり、送出タイミングのシフト量が'0'の場合に比べ平均電力は1.35倍に向上している。
以上の議論を踏まえ、図1に示す信号発生器402の望ましい実施の形態を以下において図15ないし図17を用いて開示する。図15ないし図17は、いずれも、図1の送信装置における信号発生器402のブロック構成の一例を示すブロック構成図であり、それぞれには、信号発生器402の動作も合わせて示している。つまり、図15の信号発生器402は、キャリア周波数fc1のRF信号406の入力時における電力増幅器401の利得を測定する動作モードを示し、図16の信号発生器402は、キャリア周波数fc2のRF信号406の入力時における電力増幅器401の利得を測定する動作モードを示し、図17は、キャリア周波数fc1のRF信号406およびキャリア周波数fc2のRF信号406を同時に電力増幅器401に入力し、2つのRF信号407およびRF信号407を電力増幅器401から送出する実動作のモードを示している。
図15ないし図17のブロック構成図において開示されているように、信号発生器402は、ベースバンド信号発生器501およびベースバンド信号発生器501と、該ベースバンド信号発生器と同数の、遅延調整器502および遅延調整器502と、振幅検波器503および振幅検波器503と、ミキサ504およびミキサ504と、局部発振(LO)信号発生器505および局部発振(LO)信号発生器505と、可変利得増幅器507および可変利得増幅器507と、スイッチ508およびスイッチ508と、スイッチ512およびスイッチ512と、スイッチ513およびスイッチ513とを含み、かつ、少なくとも一つ以上の、ピーク検出器506(すなわち振幅検出器)と、制御器509(すなわち利得制御装置)と、加算器510(すなわちRF信号加算器)および加算器514(すなわち振幅加算器)とを含んで構成されている。
図15ないし図17のブロック構成図において、ベースバンド信号発生器501はベースバンド信号511を送出し、ベースバンド信号発生器501はベースバンド信号511を送出する。ミキサ504において、局部発振(LO)信号発生器505から出力される周波数fc1のLO信号とベースバンド信号511とがミキシングされる。その結果、ミキサ504は、ベースバンド信号511をキャリア周波数fc1にアップコンバートしたRF信号406を送出する。同様に、ミキサ504において、局部発振(LO)信号発生器505から出力される周波数fc2のLO信号とベースバンド信号511とがミキシングされる。その結果、ミキサ504は、ベースバンド信号511をキャリア周波数fc2にアップコンバートしたRF信号406を送出する。
ここで、図15のブロック構成図は、前述のように、キャリア周波数fc1のRF信号406の入力時における電力増幅器401の利得を測定する動作モードを示している。つまり、図15において、信号発生器402は、キャリア周波数fc1のRF信号406のみを端子404に出力している。この場合、スイッチ508を閉じ、スイッチ508を開くことによって、キャリア周波数fc1のRF信号406のみを端子404に出力し、キャリア周波数fc2のRF信号406は端子404に出力しないようにしている。
図15の動作モードにおいては、電力増幅器401に入力されるRF信号406はカプラ413を介して端子411に出力される。また、電力増幅器401から出力されるRF信号407はカプラ414を介して端子412に出力される。端子411および端子412に出力されたRF信号406およびRF信号407は閉状態のスイッチ512およびスイッチ512を経由して制御器509に出力される。制御器509は、RF信号406およびRF信号407の電力を検出し、RF信号406およびRF信号407の電力比から、キャリア周波数fc1における電力増幅器401の利得GPA1を算出する。
また、図16のブロック構成図は、前述のように、キャリア周波数fc2のRF信号406の入力時における電力増幅器401の利得を測定する動作モードを示している。つまり、図16において、信号発生器402は、キャリア周波数fc2のRF信号406のみを端子404に出力している。この場合、スイッチ508を閉じ、スイッチ508を開くことによって、キャリア周波数fc2のRF信号406のみを端子404に出力し、キャリア周波数fc1のRF信号406は端子404に出力しないようにしている。
図16の動作モードにおいては、電力増幅器401に入力されるRF信号406はカプラ413を介して端子411に出力される。また、電力増幅器401から出力されるRF信号407はカプラ414を介して端子412に出力される。端子411および端子412に出力されたRF信号406およびRF信号407は閉状態のスイッチ512およびスイッチ512を経由して制御器509に出力される。制御器509は、RF信号406およびRF信号407の電力を検出し、RF信号406およびRF信号407の電力比から、キャリア周波数fc2における電力増幅器401の利得GPA2を算出する。
図15および図16のブロック構成図に示した電力増幅器401の利得を計測する動作モードにおいて、スイッチ513およびスイッチ513は開状態となっており、振幅検波器503および振幅検波器503には信号が入力されない。そして、図15および図16のブロック構成図において示した動作モードにおいては、振幅検波器503および振幅検波器503と、可変利得増幅器507および可変利得増幅器507と、加算器514と、ピーク検出器506とは、いずれも、動作を行わない。
また、図17のブロック構成図は、前述のように、キャリア周波数fc1のRF信号406およびキャリア周波数fc2のRF信号406を同時に電力増幅器401に入力し、2つのRF信号407およびRF信号407を電力増幅器401から送出する実動作のモードを示している。
図17の動作モードにおいては、スイッチ508およびスイッチ508はともに閉状態であり、RF信号406およびRF信号406はともに加算器510に入力される。RF信号406およびRF信号406は加算器510において合成されて、RF信号406およびRF信号406はともに端子404に出力される。
また、図17の動作モードにおいては、スイッチ513およびスイッチ513はともに閉状態であり、ベースバンド信号511の振幅二乗値{a(t)}が振幅検波器503において検波され、また、ベースバンド信号511の振幅二乗値{a(t)}が振幅検波器503において検波される。振幅検波器503において検波された振幅二乗値{a(t)}は利得Gの可変利得増幅器507で増幅され、増幅信号G{a(t)}として加算器514に出力される。また、振幅検波器503において検波された振幅二乗値{a(t)}は利得Gの可変利得増幅器507で増幅され、増幅信号G{a(t)}として加算器514に出力される。加算器514は、入力された信号の合計であるG{a(t)}+G{a(t)}をピーク検出器506に出力する。ピーク検出器506は、あらかじめ定めた一定期間入力された信号G{a(t)}+G{a(t)}のピーク値を検出する。
ここで、可変利得増幅器507および可変利得増幅器507は、可変減衰器によって代替しても良い。
Inter-band Non-contiguous CAモード(Δf>>fBB)のように、電力増幅器401に入力されるRF信号406およびRF信号406のキャリア周波数fc1およびキャリア周波数fc2が大きく離れている場合、前述の図3に示した通り、電力増幅器401の利得は周波数毎に異なる値を取る。したがって、ピーク検出器506におけるピーク検出において、かくのごとき電力増幅器401の周波数毎の利得差の影響を補正するように、可変利得増幅器507および可変利得増幅器507の利得Gおよび利得Gを設定することが必要である。
つまり、キャリア周波数fc1およびキャリア周波数fc2における電力増幅器401の利得GPA1および利得GPA2の比率が、可変利得増幅器507および可変利得増幅器507の利得Gおよび利得Gの比率と一致するように、すなわち、
PA1:GPA2=G:G
の関係が成立するように、可変利得増幅器507および可変利得増幅器507の利得Gおよび利得Gを設定する。可変利得増幅器507および可変利得増幅器507の利得Gおよび利得Gの設定は、制御器509において計測された電力増幅器401の利得GPA1および利得GPA2に基づき、制御器509から可変利得増幅器507および可変利得増幅器507に向けて利得制御信号を出力することによって実施する。
キャリア周波数fc1およびキャリア周波数fc2における電力増幅器401の利得GPA1および利得GPA2の比率が、可変利得増幅器507および可変利得増幅器507の利得Gおよび利得Gの比率と一致するように、
PA1:GPA2=G:G
と設定した場合、ピーク検出器506に入力された信号G{a(t)}+G{a(t)}は、RF信号407およびRF信号407の合成振幅{aout1(t)}+{aout2(t)}と比例関係になる。
したがって、ピーク検出器506に入力された信号G{a(t)}+G{a(t)}のピーク値を検知することは、電力増幅器401の出力信号であるRF信号407およびRF信号407の合成振幅{aout1(t)}+{aout2(t)}のピーク値を検知することと等価である。電力増幅器401の利得の周波数変化を反映した前述のような利得の設定により、電力増幅器401から出力されるRF信号407およびRF信号407の合成振幅のピーク値を正しく検知することができる。
また、図17の動作モードにおいては、遅延調整器502および遅延調整器502によって、ベースバンド信号511およびベースバンド信号511に遅延が加えられる。このベースバンド信号511およびベースバンド信号511の遅延制御によって、RF信号406およびRF信号406の送出タイミングも同時に制御される。
さらに、図17の動作モードにおいて、遅延調整器502および遅延調整器502における遅延量を変化させて、ピーク検出器506で得られる合成振幅G{a(t)}+G{a(t)}(∝{aout1(t)}+{aout2(t)})のピーク値の変化を測定する。かくのごときピーク値の変化の測定を遅延調整器502および遅延調整器502の遅延量を変化させて繰り返すことにより、合成振幅{aout1(t)}+{aout2(t)}のピーク値を最小にする遅延調整器502および遅延調整器502の最適遅延量を探索する。この探索によって得られた最適遅延量で遅延調整器502および遅延調整器502の遅延量を固定しても良く、また、実動作の全ての期間中において最適遅延量の探索を続けて実施しても良い。以上の手順により、RF信号407およびRF信号407の合成振幅{aout1(t)}+{aout2(t)}のピーク値を最小化し、同合成振幅のPAR(ピーク電力対平均電力比)の低減を実現することができる。
前記特許文献1ないし特許文献5のマルチキャリア通信システム
Figure 0005949781
を想定した従来技術においては、電力増幅器の利得の周波数依存性は考慮されていない。そのため、Inter-band Non-contiguous CAモード(Δf>>fBB)の場合のように、電力増幅器の周波数依存性を無視することができない場合は、電力増幅器から出力されるRF信号の合成振幅のピーク値を正しく検出することはできない。しかし、本実施の形態においては、前述のように、電力増幅器の周波数依存性を無視することができない場合においても、電力増幅器から出力されるRF信号の合成振幅のピーク値を正しく検出することができる。
(第一の実施の形態の第一の変形例)
図18は、本発明による第一の実施の形態の第一の変形例における信号発生器のブロック構成を示すブロック構成図であり、第一の実施の形態として図15ないし図17に示した信号発生器402のブロック構成の第一の変形例を示している。
図18に示す信号発生器402は、スイッチ513およびスイッチ513の一端がミキサ504およびミキサ504の出力側に接続されており、振幅検波器503および振幅検波器503がRF信号406およびRF信号406の振幅検波を行うようになっている。前述のスイッチ513およびスイッチ513の一端の接続位置を除き、図15ないし図17に示した第一の実施の形態と、図18に示す第一の実施の形態の第一の変形例とのそれぞれの信号発生器402内のブロック構成は全て同じである。
したがって、図18に示す第一の実施の形態の第一の変形例の信号発生器402においても、図15ないし図17に示した第一の実施の形態の場合と同一の動作が可能である。その結果として、図18に示す第一の実施の形態の第一の変形例においても、図15ないし図17に示した第一の実施の形態の場合と全く同一の機能と効果とが得られる。
(第一の実施の形態の第二の変形例)
図19は、本発明による第一の実施の形態の第二の変形例における信号発生器のブロック構成を示すブロック構成図であり、特に、第一の実施の形態として図15ないし図17に示した信号発生器402のブロック構成の第二の変形例を示している。
図19に示す信号発生器402は、遅延調整器502および遅延調整器502が、ミキサ504およびミキサ504の出力側に設置されている。前述の遅延調整器502および遅延調整器502の設置位置を除き、図15ないし図17に示した第一の実施の形態と、図19に示す第一の実施の形態の第二の変形例とのそれぞれの信号発生器402内のブロック構成は全て同じである。
したがって、図19に示す第一の実施の形態の第二の変形例の信号発生器402においても、図15ないし図17に示した第一の実施の形態の場合と同一の動作が可能である。その結果として、図19に示す第一の実施の形態の第二の変形例においても、図15ないし図17に示した第一の実施の形態の場合と全く同一の機能と効果とが得られる。
(第一の実施の形態の第三の変形例)
図20および図21は、本発明による第一の実施の形態の第三の変形例における信号発生器のブロック構成を示すブロック構成図であり、いずれも、第一の実施の形態として図15ないし図17に示した信号発生器402のブロック構成の第三の変形例を示している。また、図20および図21それぞれには、信号発生器402の動作も合わせて示している。つまり、図20は、図15の場合と同様に、キャリア周波数fc1における電力増幅器401の利得GPA1を計測するモードを示し、図21は、図17の場合と同様に、キャリア周波数fc1のRF信号406ないしキャリア周波数fcnのRF信号406を同時に電力増幅器401に入力し、n個のRF信号407ないしRF信号407を電力増幅器401から送出する実動作のモードを示している。
図15ないし17に示した第一の実施の形態においては、2つのキャリア周波数のRF信号406およびRF信号406が信号発生器402から出力される。それに対して、図20および図21に示す第一の実施の形態の第三の変形例においては、n個(n:2以上の整数)のキャリア周波数のRF信号406ないしRF信号406が信号発生器402から出力される場合を示している。すなわち、第一の実施の形態の第三の変形例においては、送信する信号のチャネル数(キャリア周波数の数)が、一般のチャネル数へと拡張されている。
まず、図20に示す信号発生器402は、前述したように、図15の場合と同様、キャリア周波数fc1における電力増幅器401の利得GPA1を計測するモードを示している。つまり、図20において、信号発生器402は、キャリア周波数fc1のRF信号406のみを端子404に出力している。この場合、スイッチ508を閉じ、他のスイッチ508ないしスイッチ508を開くことによって、キャリア周波数fc1のRF信号406のみを端子404に出力し、他のキャリア周波数fc2ないしキャリア周波数fcnのRF信号406ないしRF信号406は端子404に出力しないようにしている。
図20のブロック構成図において、電力増幅器401に入力されるRF信号406はカプラ413を介して端子411に出力される。また、電力増幅器401から出力されるRF信号407はカプラ414を介して端子412に出力される。端子411および端子412に出力されたRF信号406およびRF信号407は閉状態のスイッチ512およびスイッチ512を経由して制御器509に出力される。制御器509は、RF信号406およびRF信号407の電力を検出し、RF信号406およびRF信号407の電力比から、キャリア周波数fc1における電力増幅器401の利得GPA1を算出する。
以下、スイッチ508を開状態にした後、同様の手順で、スイッチ508ないしスイッチ508のうち一つのスイッチのみを順次閉じていき、キャリア周波数fc2ないしキャリア周波数fcnのRF信号406ないしRF信号406のうち一つのキャリア周波数のRF信号のみを順次信号発生器402から端子404経由で電力増幅器401に入力し、電力増幅器401の利得を計測することによって、キャリア周波数fc2ないしキャリア周波数fcnにおける電力増幅器401の利得GPA2ないし利得GPAnを順次算出する。
図20のブロック構成図に示した利得測定モードにおいて、スイッチ513ないしスイッチ513は開状態となっており、振幅検波器503ないし振幅検波器503に信号は入力されない。そして、図20のブロック構成図に示した利得測定モードにおいては、振幅検波器503ないし振幅検波器503と、可変利得増幅器507ないし可変利得増幅器507と、加算器514と、ピーク検出器506とは、いずれも、動作を行わない。
また、図21のブロック構成図は、前述したように、図17の場合と同様、n個のキャリア周波数fc1のRF信号406ないしキャリア周波数fcnのRF信号406を同時に電力増幅器401に入力し、n個のRF信号407ないしRF信号407を電力増幅器401から送出する実動作のモードを示している。
図21の動作モードにおいては、図17の場合と同様、スイッチ508ないしスイッチ508はいずれも閉状態であり、RF信号406ないしRF信号406は全て加算器510に入力される。RF信号406ないしRF信号406は加算器510において合成されて、RF信号406ないしRF信号406は全て端子404に出力される。
また、図21の動作モードにおいては、スイッチ513ないしスイッチ513はいずれも閉状態であり、ベースバンド信号511ないしベースバンド信号511の振幅二乗値{a(t)}ないし振幅二乗値{a(t)}が振幅検波器503ないし振幅検波器503においてそれぞれ検波される。振幅検波器503ないし振幅検波器503それぞれにおいて検波された振幅二乗値{a(t)}ないし振幅二乗値{a(t)}は利得Gないし利得Gの可変利得増幅器507ないし可変利得増幅器507でそれぞれ増幅され、増幅信号G{a(t)}ないし増幅信号G{a(t)}として加算器514に出力される。加算器514は、入力された信号の合計であるG{a(t)}+G{a(t)}…+G{a(t)}をピーク検出器506に出力する。ピーク検出器506は、あらかじめ定めた一定期間入力された信号G{a(t)}+G{a(t)}…+G{a(t)}のピーク値を検出する。
ここで、可変利得増幅器507ないし可変利得増幅器507の利得Gないし利得Gは、制御器509において計測された電力増幅器401の利得GPA1ないし利得GPAnに基づき、
PA1:GPA2:…:GPAn=G:G:…:G
の関係が成立するように、可変利得増幅器507ないし可変利得増幅器507の利得Gないし利得Gを設定する。
かくのごとき可変利得増幅器507ないし可変利得増幅器507の利得Gないし利得Gの設定により、ピーク検出器506に入力された信号G{a(t)}+G{a(t)}+…+G{a(t)}は、RF信号407ないしRF信号407の合成振幅{aout1(t)}+{aout2(t)}+…+{aoutn(t)}と比例関係になる。
したがって、ピーク検出器506に入力された信号の合成振幅G{a(t)}+G{a(t)}+…+G{a(t)}のピーク値を検知することは、電力増幅器401の出力信号であるRF信号407ないしRF信号407の合成振幅{aout1(t)}+{aout2(t)}+…+{aoutn(t)}のピーク値を検知することと等価である。電力増幅器401の利得の周波数変化を反映した前述のような利得設定により、電力増幅器401から出力されるRF信号407ないしRF信号407の合成振幅のピーク値を正しく検知することができる。
また、図21の動作モードにおいては、遅延調整器502ないし遅延調整器502によって、ベースバンド信号511ないしベースバンド信号511に遅延が加えられる。このベースバンド信号511ないしベースバンド信号511の遅延制御によって、RF信号406ないしRF信号406の送出タイミングも同時に制御される。
さらに、図21の動作モードにおいて、遅延調整器502ないし遅延調整器502における遅延量を変化させて、ピーク検出器506で得られる合成振幅G{a(t)}+G{a(t)}+…+G{a(t)}(∝{aout1(t)}+{aout2(t)}+…+{aoutn(t)})のピーク値の変化を測定する。かくのごときピーク値の変化の測定を遅延調整器502ないし遅延調整器502の遅延量を変化させて繰り返すことにより、合成振幅{aout1(t)}+{aout2(t)}+…+{aoutn(t)}のピーク値を最小にする遅延調整器502ないし遅延調整器502の最適遅延量を探索する。この探索によって得られた最適遅延量で遅延調整器502ないし遅延調整器502の遅延量を固定しても良く、また、実動作の全ての期間中において最適遅延量の探索を続けて実施しても良い。以上の手順により、RF信号407ないしRF信号407の合成振幅{aout1(t)}+{aout2(t)}+…+{aoutn(t)}のピーク値を最小化し、同合成振幅のPAR(ピーク電力対平均電力比)の低減を実現することができる。
(第二の実施の形態)
次に、本発明による第二の実施の形態の送信装置について、特に、送信装置内の信号発生器に着目して開示する。
図22ないし図25は、いずれも、本発明による第二の実施の形態の送信装置における信号発生器のブロック構成を示すブロック構成図であり、第一の実施形態の図15ないし図17における信号発生器402のブロック構成の場合と同様に、信号発生器の動作も合わせて示している。つまり、図22の信号発生器402は、キャリア周波数fc1のRF信号406の入力時における電力増幅器401の利得を測定する動作モードを示し、図23の信号発生器402は、キャリア周波数fc2のRF信号406の入力時における電力増幅器401の利得を測定する動作モードを示し、図24および図25は、いずれも、キャリア周波数fc1のRF信号406およびキャリア周波数fc2のRF信号406を同時に電力増幅器401に入力し、2つのRF信号407およびRF信号407を電力増幅器401から送出する実動作のモードを示している。
ここで、本第二の実施の形態における信号発生器402のブロック構成は、図22ないし図25に示すように、図15ないし17に示した第一の実施の形態における信号発生器402の遅延調整器502および遅延調整器502が、スイッチ521およびスイッチ521とリミッタ522およびリミッタ522とによってそれぞれ差し替えられた構成になっている。前述の遅延調整器502および遅延調整器502が、スイッチ521およびスイッチ521とリミッタ522およびリミッタ522とによってそれぞれ差し替えられていることを除き、図15ないし図17に示した第一の実施の形態と、図22ないし図25に示す第二の実施の形態とのそれぞれの信号発生器402内のブロック構成は全て同じであり、同一の動作を行う。なお、図22、図23および図25における動作モードにおいては、スイッチ521およびスイッチ521をリミッタ522およびリミッタ522を動作させない状態に切り替えて設定し、一方、図24における動作モードにおいては、スイッチ521およびスイッチ521をリミッタ522およびリミッタ522を動作させる状態に切り替えて設定する。
第一の実施の形態の図15ないし図17の信号発生器402においては、ベースバンド信号511およびベースバンド信号511とRF信号406およびRF信号406との送出タイミングの制御によって、RF信号407およびRF信号407の合成振幅のPAR(ピーク電力対平均電力比)を低減していた。これに対して、本第二の実施の形態の図22ないし図25の信号発生器402においては、リミッタ522およびリミッタ522によって、ベースバンド信号511およびベースバンド信号511とRF信号406およびRF信号406との振幅ピーク値に制限を掛けることによって、RF信号407およびRF信号407の合成振幅のPAR(ピーク電力対平均電力比)を低減する構成としている。
以下、本発明による第二の実施の形態における送信装置について、特に、送信装置内の信号発生器について、図22ないし図25に示す信号発生器402のブロック構成図を用いて詳細に説明する。
図22に示すブロック構成図は、前述のように、キャリア周波数fc1のRF信号406の入力時における電力増幅器401の利得を測定する動作モードを示している。つまり、図22において、信号発生器402は、キャリア周波数fc1のRF信号406のみを端子404に出力している。この場合、スイッチ508を閉じ、スイッチ508を開くことによって、キャリア周波数fc1のRF信号406のみを端子404に出力し、キャリア周波数fc2のRF信号406は端子404に出力しないようにしている。
図22の動作モードにおいては、スイッチ521はベースバンド信号511をミキサ504に直接入力する経路側に閉じられていて、リミッタ522は使用されないようになっている。電力増幅器401に入力されるRF信号406はカプラ413を介して端子411に出力される。また、電力増幅器401から出力されるRF信号407はカプラ414を介して端子412に出力される。端子411および端子412に出力されたRF信号406およびRF信号407は閉状態のスイッチ512およびスイッチ512を経由して制御器509に出力される。制御器509は、RF信号406およびRF信号407の電力を検出し、RF信号406およびRF信号407の電力比から、キャリア周波数fc1における電力増幅器401の利得GPA1を算出する。
また、図23に示すブロック構成図は、前述のように、キャリア周波数fc2のRF信号406の入力時における電力増幅器401の利得を測定する動作モードを示している。つまり、図23において、信号発生器402は、キャリア周波数fc2のRF信号406のみを端子404に出力している。この場合、スイッチ508を閉じ、スイッチ508を開くことによって、キャリア周波数fc2のRF信号406のみを端子404に出力し、キャリア周波数fc1のRF信号406は端子404に出力しないようにしている。
図23の動作モードにおいては、スイッチ521はベースバンド信号511をミキサ504に直接入力する経路側に閉じられていて、リミッタ522は使用されないようになっている。電力増幅器401に入力されるRF信号406はカプラ413を介して端子411に出力される。また、電力増幅器401から出力されるRF信号407はカプラ414を介して端子412に出力される。端子411および端子412に出力されたRF信号406およびRF信号407は閉状態のスイッチ512およびスイッチ512を経由して制御器509に出力される。制御器509は、RF信号406およびRF信号407の電力を検出し、RF信号406およびRF信号407の電力比から、キャリア周波数fc2における電力増幅器401の利得GPA2を算出する。
図22および図23のブロック構成図に示した電力増幅器401の利得を計測する動作モードにおいて、スイッチ513およびスイッチ513は開状態となっており、振幅検波器503および振幅検波器503には信号が入力されない。そして、図22および図23のブロック構成図において示した動作モードにおいては、振幅検波器503および振幅検波器503と、可変利得増幅器507および可変利得増幅器507と、加算器514と、ピーク検出器506とは、いずれも、動作を行わない。
また、図24および図25のブロック構成図は、前述のように、キャリア周波数fc1のRF信号406およびキャリア周波数fc2のRF信号406を同時に電力増幅器401に入力し、2つのRF信号407およびRF信号407を電力増幅器401から送出する実動作のモードを示している。
図24および図25の動作モードにおいては、スイッチ508およびスイッチ508はともに閉状態であり、RF信号406およびRF信号406はともに加算器510に入力される。RF信号406およびRF信号406は加算器510において合成されて、RF信号406およびRF信号406はともに端子404に出力される。
また、図24および図25の動作モードにおいては、第一の実施の形態における図17の動作モードの場合と同様に、スイッチ513およびスイッチ513はともに閉状態であり、振幅検波器503および振幅検波器503と可変利得増幅器507および可変利得増幅器507と加算器514とを介して、ピーク検出器506に接続されており、ピーク検出器506は、あらかじめ定めた一定期間入力された信号の合成振幅G{a(t)}+G{a(t)}のピーク値を検出する。
ここで、図24および図25の動作モードにおいても、第一の実施の形態における図17の動作モードの場合と同様に、キャリア周波数fc1およびキャリア周波数fc2における電力増幅器401の利得GPA1および利得GPA2の比率が、可変利得増幅器507および可変利得増幅器507の利得Gおよび利得Gの比率と一致するように、すなわち、
PA1:GPA2=G:G
の関係が成立するように、可変利得増幅器507および可変利得増幅器507の利得Gおよび利得Gを設定する。
かくのごとく、キャリア周波数fc1およびキャリア周波数fc2における電力増幅器401の利得GPA1および利得GPA2の周波数変化を反映した可変利得増幅器507および可変利得増幅器507の利得Gおよび利得Gの設定により、電力増幅器401から出力されるRF信号407およびRF信号407の合成振幅{aout1(t)}+{aout2(t)}のピーク値を正しく検知することができる。
以上のように、図24および図25の動作モードにおいては、電力増幅器401の周波数変化を正しく見込んでRF信号407およびRF信号407の合成振幅{aout1(t)}+{aout2(t)}のピーク値を検知することができるので、第一の実施の形態においても前述した通り、前記特許文献1ないし特許文献5のマルチキャリア通信システム
Figure 0005949781
を想定した従来技術においては得ることができなかった利点を有している。
ここで、図24および図25の動作モードにおいては、スイッチ521およびスイッチ521とリミッタ522およびリミッタ522とにより、以下の手順に従って、合成振幅{aout1(t)}+{aout2(t)}のPAR(ピーク電力対平均電力比)を低減する動作を行っている。
図24のブロック構成図は、ピーク検出器506で得られる合成振幅G{a(t)}+G{a(t)}があらかじめ設定された閾値を超えた期間における動作モードを示している。図24に示す動作モードにおいては、スイッチ521およびスイッチ521は、ベースバンド信号511およびベースバンド信号511がリミッタ522およびリミッタ522を経由してミキサ504およびミキサ504に入力される経路側に閉じられている。リミッタ522およびリミッタ522は、入力されたベースバンド信号511およびベースバンド信号511の振幅が前記閾値を超えた場合に、ベースバンド信号511およびベースバンド信号511の振幅を前記閾値以下に抑えて出力する機能を有している。
スイッチ521およびスイッチ521における経路選択により、合成振幅G{a(t)}+G{a(t)}があらかじめ設定された前記閾値を超えた期間においては、リミッタ522およびリミッタ522を通じてベースバンド信号511およびベースバンド信号511の振幅を前記閾値以下に抑制した上で、ベースバンド信号511およびベースバンド信号511がミキサ504およびミキサ504へと入力される。かくのごとき動作により、RF信号406およびRF信号406の振幅ピーク値が前記閾値以下に制限され、PAR(ピーク電力対平均電力比)の低減を実現することができる。なお、リミッタ522およびリミッタ522は、各RF信号の振幅値をキャリア周波数帯毎にあらかじめ指定した指定閾値以下に制限することが可能である。
一方、図25のブロック構成図は、ピーク検出器506で得られる合成振幅G{a(t)}+G{a(t)}があらかじめ設定された前記閾値よりも低い期間における動作モードを示している。図25に示す動作モードにおいては、スイッチ521およびスイッチ521は、ベースバンド信号511およびベースバンド信号511がリミッタ522およびリミッタ522を経由することなく、ミキサ504およびミキサ504に直接入力される経路側に閉じられている。
かくのごときスイッチ521およびスイッチ521における経路選択により、合成振幅G{a(t)}+G{a(t)}があらかじめ設定された前記閾値よりも低い期間においては、リミッタ522およびリミッタ522によるベースバンド信号511およびベースバンド信号511、および、RF信号406およびRF信号406の振幅制限を行わないようにしている。
以上のように、本第二の実施の形態においては、合成振幅G{a(t)}+G{a(t)}とあらかじめ設定された閾値との大小関係によって、リミッタ522およびリミッタ522を用いたRF信号406およびRF信号406の振幅制限を行うか否かを判定している。このような電力増幅器401に入力されるRF信号406およびRF信号406の振幅制限を通じて、電力増幅器401の出力におけるRF信号407およびRF信号407の合成振幅{aout1(t)}+{aout2(t)}の制限すなわちPAR(ピーク電力対平均電力比)の低減が行われる。
前記特許文献1ないし特許文献5にて開示された従来技術に対する、本発明の利点は、既に議論した通り、電力増幅器401の特性(利得)の周波数依存性を考慮することによって、RF信号407およびRF信号407の合成振幅の正しいピーク検知が可能となり、したがって、電力増幅器401に入力されるRF信号406およびRF信号406を正しく設定することができることにある。
前記特許文献1ないし特許文献5にて開示された従来技術のように、電力増幅器401の特性(利得)の周波数依存性が考慮されていない場合には、例えば、或るキャリア周波数のRF信号が、他のキャリア周波数のRF信号に比べて過大もしくは過小に振幅レベルが設定されて電力増幅器に入力されてしまう、といった不具合が生じる可能性がある。過大な振幅レベルのRF信号が電力増幅器に入力された場合、信号歪の問題が生じる。また、過小な振幅レベルのRF信号が電力増幅器に入力された場合には、電力効率低下の問題が生じる。本発明による第二の実施形態における送信装置は、前述のような従来技術の問題が発生することはない。
次に、前記特許文献6で開示された従来技術に対する、本発明の第二の実施の形態における利点を、以下に開示する。
まず、図42のブロック構成図に記載された前記特許文献6の送信機に関する従来技術において、RF信号のPAR(ピーク電力対平均電力比)低減技術を適用する場合について考える。ここで、デュアルバンド電力増幅器(PA)のRF入力信号の振幅として、振幅a(t)のRF信号が振幅ピーク値を抑圧されて図42の入力端子11に、また、振幅a(t)のRF信号が振幅ピーク値を抑圧されて図42の入力端子12にそれぞれ入力されるものとする。また、一例として、振幅a(t)のRF信号および振幅a(t)のRF信号が、WCDMA用信号であるものと仮定する。振幅a(t)のRF信号および振幅a(t)のRF信号の振幅二乗値の時間波形は、それぞれ、図26および図27に示すような波形になっているものとする。図26は、前記特許文献6の送信装置に入力された或る振幅のRF信号の振幅二乗値の時間波形を示す波形図であり、振幅a(t)のRF信号が入力される場合を示し、また、図2は、前記特許文献6の送信装置に入力された他の振幅のRF信号の振幅二乗値の時間波形を示す波形図であり、振幅a(t)のRF信号が入力される場合を示している。
前記特許文献6に記載の従来技術において、RF信号のPAR(ピーク電力対平均電力比)低減技術を適用する場合、図26および図27において示されているように、振幅{a(t)}(∝{aout1(t)})と振幅{a(t)}(∝{aout2(t)})とのそれぞれで、個別に、それぞれの振幅が閾値を超えた場合に、リミッタによる振幅値の抑圧が掛けられる。
前記特許文献6に記載の従来技術に対して、本発明による第二の実施の形態における送信装置においては、前述の通り、合成振幅G{a(t)}+G{a(t)} (∝{aout1(t)}+{aout2(t)})があらかじめ設定された閾値を超えた場合にのみ、リミッタによる振幅値の抑圧が掛けられる。ここで、図26および図27に示した振幅a(t)のRF信号および振幅a(t)のRF信号から生成される合成振幅を図28に示している。図28は、本発明の第2の実施の形態において電力増幅器の一例としたデュアルバンド電力増幅器(PA)に入力される2つのRF信号の振幅の二乗値の合成振幅の時間波形を示す波形図であり、図26に示した振幅a(t)のRF信号および図27に示した振幅a(t)のRF信号の2つのRF信号の振幅の二乗値の合成振幅の時間波形を示している。
図28に開示している2つのRF信号の合成振幅は、図26および図27に示した振幅a(t)および振幅a(t)の場合に比べ、閾値を超える頻度が低減していることが、図26ないし図28の比較結果から把握することができる。
図26および図27に示した元の振幅{a(t)}および振幅{a(t)}と図28に示した合成振幅G{a(t)}+G{a(t)}とのCCDF(相補累積分布関数)の比較を、図29において開示する。図29は、本発明の第二の実施の形態において電力増幅器の一例としたデュアルバンド電力増幅器(PA)に入力される振幅{a(t)}および振幅{a(t)}の2つのRF信号の振幅および合成振幅G{a(t)}+G{a(t)}のCCDF(相補累積分布関数)を示す特性図である。図29にて示されている通り、高出力時において、合成振幅G{a(t)}+G{a(t)}のRF信号のCCDFは、元の振幅{a(t)}のRF信号および振幅{a(t)}のRF信号のCCDFよりも低減している。このことは、合成振幅G{a(t)}+G{a(t)}のRF信号が高出力になる確率が、元の振幅{a(t)}のRF信号および振幅{a(t)}のRF信号が高出力になる確率よりも低いことを示している。
つまり、元の振幅{a(t)}のRF信号および振幅{a(t)}のRF信号が同時に高出力にならない限り、合成振幅G{a(t)}+G{a(t)}のRF信号も高出力にはならない。元の振幅{a(t)}のRF信号および振幅{a(t)}のRF信号が同時に高出力になる確率は、元の振幅{a(t)}のRF信号および振幅{a(t)}のRF信号のうち一つが単独で高出力になる確率よりも必ず低下するので、合成振幅G{a(t)}+G{a(t)}のRF信号は、元の振幅{a(t)}のRF信号および振幅{a(t)}のRF信号に比べて、あらかじめ設定された閾値を超える頻度が必ず低減されることになる。
したがって、本発明による第二の実施の形態の場合には、前記特許文献6の従来技術においてRF信号のPAR(ピーク電力対平均電力比)低減技術を適用した場合に比べ、振幅ピーク値の抑圧の頻度を低減させることができる。振幅ピーク値の抑圧の頻度を低減させることができることは、同じPAR(ピーク電力対平均電力比)低減量を実現する際の信号歪の量を低下させることができるという利点につながる。
(第二の実施の形態の第一の変形例)
図30および図31は、いずれも、本発明による第二の実施の形態の第一の変形例における信号発生器のブロック構成を示すブロック構成図であり、動作モードも合わせて示しており、第二の実施の形態として図24および図25に示した信号発生器402のブロック構成の第一の変形例を示している。
図30および図31に示す信号発生器402においては、いずれも、スイッチ513およびスイッチ513の一端がミキサ504およびミキサ504の出力側に接続されており、振幅検波器503および振幅検波器503がRF信号406およびRF信号406の振幅検波を行うようになっている。前述のスイッチ513およびスイッチ513の一端の接続位置を除き、図24および図25で示した第2の実施の形態と、図30および図31で示した第二の実施の形態の第一の変形例とのそれぞれの信号発生器402内のブロック構成は全て同じである。
図30の動作モードは、図24の場合と同様に、ピーク検出器506で得られる合成振幅G{a(t)}+G{a(t)}があらかじめ設定された閾値を超えた期間における動作モードを示している。
一方、図31の動作モードは、図25の場合と同様に、ピーク検出器506で得られる合成振幅G{a(t)}+G{a(t)}があらかじめ設定された前記閾値以下になっている期間における動作モードを示している。
したがって、図30および図31に示す第二の実施の形態の第一の変形例の信号発生器402においても、図24および図25に示した第二の実施の形態の場合と同一の動作が可能である。その結果として、図30および図31に示す第二の実施の形態の第一の変形例においても、図24および図25に示した第二の実施の形態の場合と全く同一の機能と効果とが得られる。
(第二の実施の形態の第二の変形例)
図32および図33は、いずれも、本発明による第二の実施の形態の第二の変形例における信号発生器のブロック構成を示すブロック構成図であり、動作モードも合わせて示しており、第二の実施の形態として図24および図25に示した信号発生器402のブロック構成の第二の変形例を示している。
図32および図33に示す信号発生器402は、スイッチ513およびスイッチ513とリミッタ522およびリミッタ522とが、ミキサ504およびミキサ504の出力側に設置されている。前述のスイッチ513およびスイッチ513とリミッタ522およびリミッタ522との設置位置を除き、図24および図25に示した第二の実施の形態と、図32および図33に示す第二の実施の形態の第二の変形例とのそれぞれの信号発生器402内のブロック構成は全て同じである。
図32の動作モードは、図24の場合と同様に、ピーク検出器506で得られる合成振幅G{a(t)}+G{a(t)}があらかじめ設定された閾値を超えた期間における動作モードを示している。
一方、図33の動作モードは、図25の場合と同様に、ピーク検出器506で得られる合成振幅G{a(t)}+G{a(t)}があらかじめ設定された前記閾値以下になっている期間における動作モードを示している。
したがって、図32および図33に示す第二の実施の形態の第二の変形例の信号発生器402においても、図24および図25に示した第二の実施の形態の場合と同一の動作が可能である。その結果として、図32および図33に示す第二の実施の形態の第二の変形例においても、図24および図25に示した第二の実施の形態の場合と全く同一の機能と効果とが得られる。
(第二の実施の形態の第三の変形例)
図34ないし図36は、本発明による第二の実施の形態の第三の変形例における信号発生器のブロック構成を示すブロック構成図であり、いずれも、第二の実施の形態として図22、図24および図25に示した信号発生器402のブロック構成の第三の変形例を示している。図34ないし図36それぞれには、信号発生器402の動作も合わせて示している。つまり、図34は、図22の場合と同様に、キャリア周波数fc1における電力増幅器401の利得GPA1を計測するモードを示し、図35および図36は、図24および図25の場合と同様に、キャリア周波数fc1のRF信号406ないしキャリア周波数fcnのRF信号406を同時に電力増幅器401に入力し、n個のRF信号407ないしRF信号407を電力増幅器401から送出する実動作のモードを示している。
図22ないし図25に示した第二の実施の形態においては、2つのキャリア周波数のRF信号406およびRF信号406が信号発生器402から出力される。それに対して、図34ないし図36に示す第二の実施の形態の第三の変形例においては、n個(n:2以上の整数)のキャリア周波数のRF信号406ないしRF信号406が信号発生器402から出力される場合を示している。すなわち、第二の実施の形態の第三の変形例においては、送信する信号のチャネル数(キャリア周波数の数)が、一般のチャネル数へと拡張されている。
まず、図34に示す信号発生器402は、前述したように、図22の場合と同様、キャリア周波数fc1における電力増幅器401の利得GPA1を計測するモードを示している。つまり、図34において、信号発生器402は、キャリア周波数fc1のRF信号406のみを端子404に出力している。この場合、スイッチ508を閉じ、他のスイッチ508ないしスイッチ508を開くことによって、キャリア周波数fc1のRF信号406のみを端子404に出力し、他のキャリア周波数fc2ないしキャリア周波数fcnのRF信号406ないしRF信号406は端子404に出力しないようにしている。
図34のブロック構成図において、電力増幅器401に入力されるRF信号406はカプラ413を介して端子411に出力される。また、電力増幅器401から出力されるRF信号407はカプラ414を介して端子412に出力される。端子411および端子412に出力されたRF信号406およびRF信号407は閉状態のスイッチ512およびスイッチ512を経由して制御器509に出力される。制御器509は、RF信号406およびRF信号407の電力を検出し、RF信号406およびRF信号407の電力比から、キャリア周波数fc1における電力増幅器401の利得GPA1を算出する。
以下、スイッチ508を開状態にした後、同様の手順で、スイッチ508ないしスイッチ508のうち一つのスイッチのみを順次閉じていき、キャリア周波数fc2ないしキャリア周波数fcnのRF信号406ないしRF信号406のうち一つのキャリア周波数のRF信号のみを順次信号発生器402から端子404経由で電力増幅器401に入力し、電力増幅器401の利得を計測することによって、キャリア周波数fc2ないしキャリア周波数fcnにおける電力増幅器401の利得GPA2ないし利得GPAnを順次算出する。
図34のブロック構成図に示した利得測定モードにおいて、スイッチ513ないしスイッチ513は開状態となっており、振幅検波器503ないし振幅検波器503に信号は入力されない。そして、図34のブロック構成図に示した利得測定モードにおいては、振幅検波器503ないし振幅検波器503と、可変利得増幅器507ないし可変利得増幅器507と、加算器514と、ピーク検出器506とは、いずれも、動作を行わない。
また、図35および図36の動作モードは、前述のように、図24および図25の場合と同様、キャリア周波数fc1のRF信号406ないしキャリア周波数fcnのRF信号406を同時に電力増幅器401に入力し、n個のRF信号407ないしRF信号407を電力増幅器401から送出する実動作のモードを示している。
図35および図36の動作モードにおいては、図24および図25の場合と同様、スイッチ513、スイッチ513、…、スイッチ513はいずれも閉状態であり、振幅検波器503、振幅検波器503、…、振幅検波器503と可変利得増幅器507、507、…、507と加算器514とを介して、ピーク検出器506は、あらかじめ定めた一定期間入力された信号の合成振幅G{a(t)}+G{a(t)}+…+G{a(t)}のピーク値を検出する。
また、図35および図36の動作モードにおいては、図24および図25の場合と同様、スイッチ513、スイッチ513、…、スイッチ513はいずれも閉状態であり、振幅検波器503、振幅検波器503、…、振幅検波器503と可変利得増幅器507、可変利得増幅器507、…、可変利得増幅器507と加算器514とを介してピーク検出器506に接続されており、ピーク検出器506は、あらかじめ定めた一定期間入力された信号G{a(t)}+G{a(t)}+…+G{a(t)}のピーク値を検出する。
ここで、図35および図36の動作モードにおいても、図24および図25の場合と同様、キャリア周波数fc1ないしキャリア周波数fcnにおける電力増幅器401の利得GPA1ないし利得GPAnの比率が、可変利得増幅器507ないし可変利得増幅器507の利得Gないし利得Gの比率と一致するように、すなわち、
PA1:GPA2:…:GPAn=G:G:…:G
の関係が成立するように、可変利得増幅器507ないし可変利得増幅器507の利得Gないし利得Gを設定する。
かくのごとき可変利得増幅器507ないし可変利得増幅器507の利得Gないし利得Gの設定により、ピーク検出器506に入力された信号G{a(t)}+G{a(t)}+…+G{a(t)}は、RF信号407ないしRF信号407の合成振幅{aout1(t)}+{aout2(t)}+…+{aoutn(t)}と比例関係になる。
したがって、ピーク検出器506に入力された信号G{a(t)}+G{a(t)}+…+G{a(t)}のピーク値を検知することは、電力増幅器401の出力信号であるRF信号407ないしRF信号407の合成振幅{aout1(t)}+{aout2(t)}+…+{aoutn(t)}のピーク値を検知することと等価である。電力増幅器401の利得の周波数変化を反映した前述のような利得設定により、電力増幅器401から出力されるRF信号407ないしRF信号407の合成振幅のピーク値を正しく検知することができる。
図35のブロック構成図は、前述のように、図24の場合と同様、ピーク検出器506で得られる合成振幅G{a(t)}+G{a(t)}+・・・+G{a(t)}があらかじめ設定された閾値を超えた期間における動作モードを示している。図35に示す動作モードにおいては、スイッチ521ないしスイッチ521は、ベースバンド信号511ないしベースバンド信号511がリミッタ522ないしリミッタ522を経由してミキサ504ないしミキサ504に入力される経路側に閉じられている。リミッタ522ないしリミッタ522は、入力されたベースバンド信号511ないしベースバンド信号511の振幅が前記閾値を超えた場合に、ベースバンド信号511ないしベースバンド信号511の振幅を前記閾値以下に抑えて出力する機能を有している。
スイッチ521ないしスイッチ521における経路選択により、合成振幅G{a(t)}+G{a(t)}+…+G{a(t)}があらかじめ設定された前記閾値を超えた期間においては、リミッタ522ないしリミッタ522を通じてベースバンド信号511ないしベースバンド信号511の振幅を前記閾値以下に抑制した上で、ベースバンド信号511ないしベースバンド信号511がミキサ504ないしミキサ504へと入力される。かくのごとき動作により、RF信号406ないしRF信号406の振幅ピーク値が前記閾値以下に制限され、PAR(ピーク電力対平均電力比)の低減を実現することができる。
一方、図36のブロック構成図は、前述のように、図25の場合と同様、ピーク検出器506で得られる合成振幅G{a(t)}+G{a(t)}+…+G{a(t)}があらかじめ設定された前記閾値よりも低い期間における動作モードを示している。図36に示す動作モードにおいては、スイッチ521ないしスイッチ521は、ベースバンド信号511ないしベースバンド信号511がリミッタ522ないしリミッタ522を経由することなく、ミキサ504ないしミキサ504に直接入力される経路側に閉じられている。
かくのごときスイッチ521ないしスイッチ521における経路選択により、合成振幅G{a(t)}+G{a(t)}+…+G{a(t)}があらかじめ設定された前記閾値よりも低い期間においては、リミッタ522ないしリミッタ522によるベースバンド信号511ないしベースバンド信号511、および、RF信号406ないしRF信号406の振幅制限を行わないようにしている。
以上のように、本第二の実施の形態の第三の変形例においては、合成振幅G{a(t)}+G{a(t)}+…+G{a(t)}とあらかじめ設定された閾値との大小関係によって、リミッタ522ないしリミッタ522を用いたRF信号406ないしRF信号406の振幅制限を行うか否かを判定している。このような電力増幅器401に入力されるRF信号406ないしRF信号406の振幅制限を通じて、電力増幅器401の出力におけるRF信号407ないしRF信号407の合成振幅{aout1(t)}+{aout2(t)}+…+{aoutn(t)}の制限すなわちPAR(ピーク電力対平均電力比)の低減が行われる。
以上、本発明の好適な実施形態の構成を説明した。しかし、前述の各特許文献等に開示されている内容は、本発明に引用をもって繰り込むことも可能とする。本発明の全開示(特許請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施の形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の特許請求の範囲の枠内において種々の開示要素の多様な組み合わせあるいは選択も可能である。すなわち、本発明は、特許請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって、当業者であればなし得ることが可能な各種変形、修正を含むことは勿論である。
この出願は、2011年12月19日に出願された日本出願特願2011−277032を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
本発明は、無線通信を行う端末に利用することができる。
1 入力信号
1−1、1−2、…、1−n 入力端子
2 入力信号
2−1、2−2、…、2−n 可変減衰器
4−1、4−2、…、4−n 位相検出器
5−1、5−2、…、5−n 変調器
6 加算回路
7 制御回路
8 出力端子
11 ピークリミッタ
12 瞬時電力検出部
14 リミッタ部
21 出力信号
22 出力信号
41 出力端子
50 キャリア多重回路
51 シリアル/Mパラレル変換器
51b 出力端子
51〜51 符号多重信号送信部
52 16QAM/シンボル変換器
52a 加算部
52b 出力端子
53 パイロットシンボル挿入器
53a 電力増幅器
54 ローパスフィルタ
56 直交変調器
56a 振幅制御部
56a 比較器
56a セレクタ
56a11〜56a1n 乗算部
57 マルチプレクサ
58 パワーアンプ
60 合波回路
61 符号多重信号生成部
62 ピーク抑圧部
63 遅延部
64 フィルタ
65 周波数シフト部
66 送信回路
70 CDMAシステム
74A 第一の送信波形
74B 第二の送信波形
78 パイロット部
80 送信装置
86 移相器
251、252 整合回路
311、321、 331 電力増幅器(PA)
312、322、 332 電力増幅器(PA)
401 電力増幅器
402 信号発生器
403 負荷
404、405、411、412 端子
406、407 RF信号
406、406、…、406 RF信号
407、407、…、407 RF信号
413、414 カプラ
501 ベースバンド信号発生器
501、501、…、501 ベースバンド信号発生器
502 遅延調整器
502、502、…、502 遅延調整器
503 振幅検波器
503、503、…、503 振幅検波器
504 ミキサ
504、504、…、504 ミキサ
505 局部発振(LO)信号発生器
505、505、…、505 局部発振(LO)信号発生器
506 ピーク検出器
507 可変利得増幅器
507、507、…、507 可変利得増幅器
508 スイッチ
508、508、…、508 スイッチ
509 制御器
510、514 加算器
511、511、…、511 ベースバンド信号
512 スイッチ
512、512 スイッチ
513 スイッチ
513、513、…、513 スイッチ
521 スイッチ
521、521、…、521 スイッチ
522 リミッタ
522、522、…、522 リミッタ

Claims (10)

  1. 送信する複数のキャリア周波数帯のRF(Radio Frequency)信号を発生させる信号発生器と、前記信号発生器からの前記RF信号を増幅する電力増幅器と、を少なくとも備えた送信装置であって、
    前記信号発生器は、前記電力増幅器の周波数特性を検知すると共に、検知した前記電力増幅器の前記周波数特性に基づいて前記キャリア周波数帯毎に指定利得値を適宜指定する制御器を備え、
    前記信号発生器は、前記RF信号のキャリア周波数帯毎の振幅二乗値を前記キャリア周波数帯毎に指定された前記指定利得値に基づいて重み付け加算した結果として得られる合成振幅における、ピーク値と平均値との比を示すPAR(Peak-to-Average Ratio)、を低減するPAR低減機能を有している、
    ことを特徴とする送信装置。
  2. 前記信号発生器は、前記PAR低減機能として、前記RF信号の送出タイミングをキャリア周波数帯毎に指定したタイミングに設定する機能を有している、
    ことを特徴とする請求項1に記載の送信装置。
  3. 前記信号発生器は、複数のベースバンド信号発生器と、前記ベースバンド信号発生器と同数の、遅延調整器、局部発振信号発生器、ミキサ、振幅検波器および可変利得増幅器と、少なくとも一つの振幅加算器、振幅検出器およびRF信号加算器とを少なくともさらに備え、
    各前記各ベースバンド信号発生器は、発生した各チャネルのベースバンド信号を各前記遅延調整器を介して若しくは直接各前記ミキサに送出し、
    各前記局部発振信号発生器は、各チャネルのキャリア周波数の局部発振信号を各前記各ミキサに送出し、
    各前記ミキサは、各チャネルの前記ベースバンド信号を各チャネルのキャリア周波数の前記局部発振信号とミキシングして得られる各チャネルのRF信号を直接若しくは各前記遅延調整器を介して前記RF信号加算器に送出し、
    前記RF信号加算器は、各チャネルの前記RF信号を合成して得られるRF信号を前記電力増幅器に送出し、
    各前記遅延調整器は、各チャネルの前記ベースバンド信号若しくは前記RF信号を前記振幅検出器からの制御信号に指定された遅延時間ずつ遅延させて、各前記ミキサ若しくは前記RF信号加算器に送出し、
    各前記振幅検波器は、各チャネルの前記ベースバンド信号若しくは前記RF信号の振幅二乗値を検出して、各前記可変利得増幅器に送出し、
    各前記可変利得増幅器は、各チャネルの前記ベースバンド信号若しくは前記RF信号の振幅二乗値を、前記制御器により指定された各チャネル若しくは各キャリア周波数帯の前記指定利得値に基づいて増幅若しくは減衰して、前記振幅加算器に送出し、
    前記振幅加算器は、各チャネル若しくはキャリア周波数帯の前記指定利得値に基づいて増幅もしくは減衰した振幅二乗値を加算した振幅加算値を前記振幅検出器に送出し、
    前記振幅検出器は、前記振幅加算値を検出し、かつ、前記振幅加算値を最小化するように、各前記遅延調整器における各チャネルの前記ベースバンド信号若しくは前記RF信号の遅延時間を指定する前記制御信号を各前記遅延調整器に出力する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の送信装置。
  4. 前記信号発生器は、前記PAR低減機能として、前記RF信号の振幅値をキャリア周波数帯毎にあらかじめ指定した指定閾値以下に制限する機能を有している、ことを特徴とする請求項1に記載の送信装置。
  5. 前記信号発生器は、複数のベースバンド信号発生器と、前記ベースバンド信号発生器と同数の、スイッチ、リミッタ、局部発振信号発生器、ミキサ、振幅検波器および可変利得増幅器と、少なくとも一つの振幅加算器、振幅検出器およびRF信号加算器とを少なくともさらに備え、
    各前記各ベースバンド信号発生器は、発生した各チャネルのベースバンド信号を各前記スイッチを介して若しくは各前記スイッチおよび各前記リミッタを介して若しくは直接各前記ミキサに送出し、
    各前記局部発振信号発生器は、各チャネルのキャリア周波数の局部発振信号を各前記各ミキサに送出し、
    各前記ミキサは、各チャネルの前記ベースバンド信号を各チャネルのキャリア周波数の前記局部発振信号とミキシングして得られる各チャネルのRF信号を直接若しくは各前記スイッチを介して若しくは各前記スイッチおよび各前記リミッタを介して前記RF信号加算器に送出し、
    前記RF信号加算器は、各チャネルの前記RF信号を合成して得られるRF信号を前記電力増幅器に送出し、
    各前記スイッチは、各チャネルの前記ベースバンド信号若しくは前記RF信号を各前記リミッタに出力するか若しくは各前記リミッタをバイパスして各前記ミキサ若しくは前記RF信号加算器に出力するかを前記振幅検出器から指定された制御信号に基づいて切り替え、
    各前記リミッタは、各前記スイッチを介して入力される各チャネルの前記ベースバンド信号若しくは前記RF信号の振幅値を、前記指定閾値以下に制限して、前記ミキサ若しくは前記RF信号加算器に送出し、
    各前記振幅検波器は、各チャネルの前記ベースバンド信号若しくは前記RF信号の振幅二乗値を検出して、各前記可変利得増幅器に送出し、
    各前記可変利得増幅器は、各チャネルの前記ベースバンド信号若しくは前記RF信号の振幅二乗値を、前記制御器により指定された各チャネル若しくは各キャリア周波数帯の前記指定利得値に基づいて増幅若しくは減衰して、前記振幅加算器に送出し、
    前記振幅加算器は、各チャネル若しくは各キャリア周波数帯の前記指定利得値に基づいて増幅もしくは減衰した振幅二乗値を加算した振幅加算値を前記振幅検出器に送出し、
    前記振幅検出器は、前記振幅加算値を検出し、前記振幅加算値があらかじめ設定された閾値を超えた場合は、各前記スイッチを各前記リミッタに接続する状態に設定し、前記振幅加算値が前記閾値以下であった場合は、各前記スイッチを各前記リミッタをバイパス接続する状態に設定する前記制御信号を各前記スイッチに出力する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の送信装置。
  6. 前記指定利得値は、前記電力増幅器の各キャリア周波数帯における利得の値を用いる、
    ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の送信装置。
  7. 送信する複数のキャリア周波数帯のRF(Radio Frequency)信号を発生させて電力増幅器を介して送出する無線信号送信方法であって、
    前記電力増幅器の周波数特性を検知する周波数特性検知ステップと、
    検知した前記電力増幅器の周波数特性に基づき、前記キャリア周波数帯毎に指定利得値を適宜指定する指定利得値指定ステップと、
    前記RF信号のキャリア周波数帯毎の振幅二乗値を前記キャリア周波数帯毎に指定された前記指定利得値に基づいて重み付け加算した結果として得られる合成振幅における、ピーク値と平均値との比を示すPAR(Peak-to-Average Ratio)、を低減するPAR低減ステップを有している、
    ことを特徴とする無線信号送信方法。
  8. 前記PAR低減ステップとして、前記RF信号の送出タイミングをキャリア周波数帯毎に指定したタイミングに設定する機能を有している、
    ことを特徴とする請求項7に記載の無線信号送信方法。
  9. 前記PAR低減ステップとして、前記RF信号の振幅値をキャリア周波数帯毎にあらかじめ指定した指定閾値以下に制限する機能を有している、
    ことを特徴とする請求項7に記載の無線信号送信方法。
  10. 前記指定利得値は、前記電力増幅器の各キャリア周波数帯における利得の値を用いる、
    ことを特徴とする請求項7ないし9のいずれかに記載の無線信号送信方法。
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