JPH11111618A - 半導体量子ドット構造の作製法 - Google Patents

半導体量子ドット構造の作製法

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JPH11111618A
JPH11111618A JP28114797A JP28114797A JPH11111618A JP H11111618 A JPH11111618 A JP H11111618A JP 28114797 A JP28114797 A JP 28114797A JP 28114797 A JP28114797 A JP 28114797A JP H11111618 A JPH11111618 A JP H11111618A
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quantum dot
dot structure
inas
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Shigeru Kawamoto
滋 河本
Tomonori Ishikawa
知則 石川
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GIJUTSU KENKYU KUMIAI FUEMUTOB
GIJUTSU KENKYU KUMIAI FUEMUTOBYOU TECHNOLOGY KENKYU KIKO
NEC Corp
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GIJUTSU KENKYU KUMIAI FUEMUTOB
GIJUTSU KENKYU KUMIAI FUEMUTOBYOU TECHNOLOGY KENKYU KIKO
NEC Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 位置とサイズが精密に制御された高品質かつ
高密度な量子ドットの作製を可能とすること。 【解決手段】 第一の半導体基板101、例えばGaAs(1
00) 基板表面上において、量子ドットの形成を意図する
位置に予め集束ビームによるパターニングとそれに引き
続くガスエッチングにより微細穴からなる周期性パター
ンを形成し、その後に、この加工基板表面上に、第一の
半導体とは格子定数の1%以上異なる第二の半導体材
料、例えばInAsを供給することにより、微細穴にのみIn
Asを主成分とする微結晶量子ドット構造を作製する。こ
の際に、パターニングからMBE までを真空中で連続して
行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体量子ドット構
造の作製法に関し、特に、化合物半導体量子ドットの形
成位置のミクロな制御法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体低次元構造は、光電子素子の高機
能化、高性能化を図れることが理論的に示され、将来の
エレクトロニクス産業発展の鍵として近年多大な関心を
集めている。特に、量子ドット構造は、電子の強い閉じ
込めや状態密度の尖鋭化のため顕著に発現する種々の量
子効果を利用して、これまでに無い優れた機能や性能を
持つデバイス群が実現できるものとして期待されてい
る。
【0003】従来、化合物半導体での量子ドット構造の
作製方法としては、例えばAppliedPhysics Letters 63
(1993) 3203に示されているように、格子不整合材料系
でのS−K モード成長と呼ばれる三次元島状の結晶成長
を利用した自己組織的な手法が知られている。この方法
によると、高品質かつ比較的サイズの揃った量子ドット
結晶が得られるが、形成位置およびサイズの制御が不十
分であるという欠点があった。
【0004】このような欠点を克服するために、近年、
ストライプ状溝(Applied PhysicsLetters 66 (1995) 1
620)や、ホール状溝すなわち穴(Applied Physics Let
ters 68 (1996) 1684)や、四面体溝(Applied Physics
Letters 67 (1995) 256 )などのパターン化基板上で
同様な手法が検討されている。
【0005】図6は、ストライプ状溝に量子ドット構造
を作製するプロセスを説明するための断面図である。図
6(a) に示すように、GaAs (100)基板50に化学エッチ
ングでストライプ状メサパターンを<1-10>方向に沿っ
て形成する。次に、これをMBEなどの成長装置に導入
して、図6(b) に示すように、GaAsバッファ層51を成
長後、2ないし3原子層分のInAsの供給を行う。InAsの
供給に際しては、メサパターン側壁部は(111)A面である
ため、ここでは結晶成長が進みにくく、In原子はメサパ
ターン低部またはリッジ部へ拡散する。リッジの幅を広
く、低部の幅を狭くとれば、図6(c) に示すように、In
Asドット52はメサパターン低部に集まりやすい。その
後、図6(d) に示すように、GaAs埋め込み層53を成長
させて量子ドットの埋め込み構造を完了する。
【0006】しかし、このようなプロセスでは、量子ド
ットはメサパターン低部以外の望まない位置にも少数な
がら不可避的に形成されてしまう。また、このような手
法は量子ドット群全体としての形成位置の制御しかでき
ず、個々の量子ドットをミクロに制御するには至らな
い。さらに、パターン化基板形成には大気暴露を伴う汎
用プロセスが用いられており、量子ドットを形成しよう
とする加工面の品質劣化が問題となる。
【0007】そこで、図6(b) に示したように、1ミク
ロン程度の厚さのGaAsバッファ層51の成長が必要とな
る。このように、従来の手法では、高品質量子ドットの
形成位置のナノメータレベルでの制御という目標に対し
て明らかに限界があった。
【0008】一方、自己組織的な結晶成長を用いずに量
子ドットを作製しようとする方法としては、半導体基板
表面に形成されたパターニング用マスクを電子ビーム、
イオンビーム、走査型トンネル顕微鏡(STM )などを用
いて、作製しようとする量子ドットのサイズに対応する
領域を開口し、ガスソースMBE等により、そこに選択
的に量子ドット構造を形成する手法が提案されている
(たとえば、Applied Physics Letters 68 (1996) 181
1)。
【0009】この手法は、作製した量子ドットの位置お
よびサイズを直接、開口した領域により限定できるた
め、きわめて制御性の良いものである。しかし、このよ
うな手法は、トリメチルガリウム、トリメチルインジウ
ム等の有機金属材料を用いるため作製された結晶の品質
が極めて悪く、量子ドットとして使用に耐えないという
重大な欠点があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】量子ドット構造を光電
子素子に適用して期待する高機能化、高性能化を達成す
るには、高品質(欠陥や不要な不純物が少ないこと)か
つ高密度な量子ドットが得られると共に、そのサイズと
形成位置を十分に制御できることが必要である。従来、
比較的高品質かつ高密度な量子ドットが得られている S
−K 機構による成長法のみによる手法では、位置とサイ
ズの精密な制御が不可能であった。これは、この手法が
自己組織的な結晶成長のみに基づいていることによる。
位置やサイズを特定するためには、何らかの人為的加工
を施す必要がある。
【0011】そこで、加工基板を利用して S−K 機構に
よる量子ドットの位置やサイズを制御しようという試み
がなされてきたが、従来なされてきたようなミクロンオ
ーダの加工基板を用いたのでは十分な制御はできなかっ
た。また、同時に、従来の大気中での加工プロセスでは
表面の劣化という致命的欠点をもたらした。
【0012】そこで、本発明の課題は、ナノメータの精
度で位置やサイズが精密に制御された量子ドットを、な
んら欠陥の導入を伴わずに高品質に形成できるプロセス
技術を提供しようとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、自己組織的な
結晶成長法に、収束電子線等によるナノメータ精度を持
つ加工法を組み合わせることにより、位置とサイズが精
密に制御された高品質かつ高密度な量子ドットの作製を
可能ならしめるものである。
【0014】すなわち、本発明による半導体量子ドット
構造の作製法は、第一の半導体基板表面上において量子
ドットの形成を意図する位置に予め40nm以下のサイズの
微細穴からなる周期性パターンを形成する第一の工程に
引き続いて、加工された前記第一の半導体基板表面上に
該第一の半導体基板とは格子定数が1%以上異なる第二
の半導体材料を供給する第二の工程により、前記微細穴
により規定される領域にのみ選択的に成長させた前記第
二の半導体材料を主成分とする単一の微結晶を、単一の
量子ドットとして用いることを特徴とする。
【0015】具体的には、第一の半導体基板、例えばGa
As表面上において、量子ドットの形成を意図する位置に
予め収束電子線、イオンビーム、走査型トンネル顕微鏡
(STM )などによるパターニング、あるいは、それに引
き続くガスエッチングにより微細穴を形成し、その後
に、この加工基板表面上に、第一の半導体とは格子定数
の1%以上異なる第二の半導体材料、例えばInAsをMBE
法で供給することにより、加工された微細穴にのみInAs
を主成分とする量子ドット構造を作製するものである。
【0016】なお、この際、微細穴以外の平坦領域では
S−K 機構などによる三次元島状結晶の形成を防ぐこと
が必要であり、以下にのべる方策でこれを実現する。
【0017】第一の半導体基板としてGaAs(100) 基板を
用いる場合、微細穴の周期性パターンを第二の半導体材
料、例えばInAsの構成3族原子、Inの拡散長以下、すな
わち1ミクロン以下の間隔にて配置することにより、供
給したIn原子はすべて微細穴のInAs微結晶形成に費やさ
れるため、平坦領域では三次元島状結晶の形成がほとん
どなされない。また、微細穴は高密度な原子ステップに
より構成されているため、成長結晶の核生成が進みやす
い。そのため、結晶表面上で再蒸発しやすい5族元素、
すなわちAsを十分に、たとえば5x10-5 Torr 程度以上の
従来の2ないし3倍の高いAs背圧で供給して、InAsを成
長させる。このことのにより、微細穴におけるInAs微結
晶の成長が促進され、その結果、平坦領域での三次元島
状結晶の抑制は、より完全となる。
【0018】また、別の手法として、GaAs(111)A基板を
用いると、平坦領域で三次元島状結晶の形成を防ぎやす
い。これは、元々GaAs(111)A基板では、三次元島状成長
が形成されないことと、微細穴は(111)B面となり、この
面では結晶成長が進みやすいためである。
【0019】さらに、微細穴の形成を、収束電子線など
による加工だけでなく、ステップバンチングを誘起させ
るための真空中でのアニーリング処理を併用して行う
と、微細穴における原子ステップがマルチステップ化
し、そこへのInの取り込みが増大し、量子ドットの選択
的な形成により有効となる。
【0020】以上のプロセスにおいて、パターニングか
らMBE までのすべてのプロセスを真空中で連続して行う
ことにより、デバイス応用に適した高品質なものが得ら
れると同時に、何度でも繰り返して行うことが可能であ
り、三次元的に任意の位置に高品質量子ドット微結晶を
形成できる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施の形態を図
に基づいて説明する。図2は実験に使用した真空連続プ
ロセス装置の平面図である。本装置は、試料導入のため
の試料導入室20、エピタキシャル成長を行うためのM
BE室21、酸化膜を形成するための酸化室22、電子
線パターン描画を行うためのパターニング室23、ガス
エッチングを行うためのエッチング室24、AES 分析を
行うための分析室25を有する。これらの室はそれぞ
れ、ゲートバルブ26を有する通路を介して試料交換室
27に接続されている。また、パターニング室23に
は、パターニング用電子ビームを発生するための電子ビ
ーム発生装置(電子銃)231が装備されているのを始
め、酸化室22、エッチング室24には、それぞれ酸素
ガス、塩素ガスを導入するためのバリアブルリークバル
ブ28が設けられている。さらに、この装置にはマグネ
トフィドスルー29が、試料をどの室へでも搬送できる
ように、試料交換室27およびその他の室に設けられて
いる。
【0022】各室にはそれぞれ、ターボ分子ポンプ、イ
オンポンプ等の真空ポンプ(図示せず)が接続されてお
り、各室は独立に排気可能である。各室の最高到達真空
度は,試料導入室20を除いて10-10 Torrオーダであ
り、高真空中で所望のプロセスを完成させることができ
る。
【0023】図1(a) 〜(h) は、この装置を用いて行っ
た本発明のプロセスの概略を示すものである。
【0024】本発明では、GaAs基板表面に形成された光
酸化膜が塩素ガスに対するエッチングマスクとして機能
する一方、電子線照射された光酸化膜は塩素ガスに対す
る耐性が低下するため、そこが選択的にエッチング除去
されるという現象(たとえばJapanese Jornal of Appli
ed Physics 31 (1992) 4444に示されている)を利用し
て微細穴を形成し、そこにのみInAs微結晶を成長させる
という手法に基づいている。なお、本明細書で述べられ
る穴は、溝状のものをも含むものとする。
【0025】(a).図1(a)においては、MBE室
21において、 GaAs(100)基板101上にGa分子線11
1およびAs分子線112を供給し、下地となるGaAsエピ
タキシャル層102をMBE 成長させる。
【0026】(b).次に、図1(b)においては、こ
れを酸化室22へ搬送し、酸素ガス13の雰囲気中でハ
ロゲンランプ光12を照射して光酸化膜103を形成す
る。次に、酸素ガス13を真空排気する。
【0027】(c).図1(c)では試料を電子線パタ
ーニング室23へ移し、所望の形状、例えば1ミクロン
ピッチのビットマトリックス状に電子線14を描画して
光酸化膜マスク103´を形成する。この時、例えば加
速電圧、ビーム電流、ビーム径は各々、20KeV 、2n
A、20nmを用いた。また、電子線照射量は、光酸化膜
マスク103´のパターニングに必要なドーズ、例えば
5x1018electrons/cm2 以上を用いた。
【0028】(d).次に、図1(d)では、エッチン
グ室24で試料を、例えば 100℃に加熱し、2x10-5 Tor
r の塩素ガス15に30分間さらすことで、電子線照射部
のGaAsをエッチングし、直径、例えば30〜200nm 、深
さ、例えば10〜50nmの微細穴16を形成する。
【0029】(e).図1(e)においては、これを再
びMBE室21に戻し、As分子線112の照射下で 600
℃以上に加熱して光酸化膜マスクを除去する。
【0030】(f).図1(f)ではさらに、As分子線
112の照射を切り、真空雰囲気下で 600℃30分間のア
ニーリングを施す。
【0031】(g).図1(g)では、基板温度を例え
ば 450℃に降温し、再びAs分子線112照射下でIn分子
線113を、例えばInAs2ないし3原子層分供給してIn
Asドット17を形成する。この際、As分子線112の照
射圧力としては、1x10-5〜5x10-5 Torr 程度を用いた。
【0032】(h).最後に、GaAsキャップ層108を
MBE 成長させ、InAsドット17を埋め込むことでプロセ
スを終了する。
【0033】さらに必要があれば、これらのプロセスは
繰り返し何度でも可能であり、三次元積層化が可能であ
る。
【0034】このようなプロセスによると、図1(g)
のInAs供給後の表面の微細穴パターン部には200nm 程度
のInAs微結晶が自己組織的に形成されたのに対し、微細
穴と微細穴の間では S−K 機構三次元島状結晶を含め、
InAs微結晶の形成はほとんど見られなかった。すなわ
ち、エッチング穴には、周囲数ミクロン以内に供給され
たIn原子のほとんどが集まっている。これは、このよう
なヘテロ材料系においては、微細穴以外の平坦表面では
格子不整による歪エネルギーのためInAsが格子整合系に
比べてエピタキシャル成長しにくく、高密度の原子ステ
ップが存在するため表面を拡散するIn原子の捕獲確率が
高い微細穴パターン部で結晶成長が起こりやすいためで
ある。それゆえ、本発明のように十分な量のAs分子を供
給してやれば微細穴にのみInAs微結晶の成長が集中す
る。すなわち、微細穴の周辺部では、In量が不足し、 S
−K 機構三次元島状結晶の形成が抑制される。さらに、
このような微細穴パターンを形成した加工基板にアニー
リングを施すと、原子ステップはバンチングをおこし、
マルチステップ化するため、上記の効果はより顕著にな
る。
【0035】本発明の他の実施の形態として、GaAs(10
0) 基板の代わりにGaAs(111)A基板を用いて、同様な構
造を作製した。
【0036】図3に示すように、GaAs(111)A基板41は
三回対称性を持つため、適当なエッチャントを選ぶと穴
(溝)は(111)B面のみで形成された逆正三角錘42とす
ることが可能である。実際のガスエッチングでは理想的
な逆正三角錘ではないが、溝は(111)B面に近い面で囲わ
れていると考えられる。このことは溝にのみ微結晶を形
成させるのに好都合である。なぜならば、Hataら(
Journal of Vacuum Science and Technology B 8 (199
0) 692 ) によると、(111)B面は(111)A面よりかなり成
長速度が高くなることが知られているからである。さら
に、(111)A面は、もともと S−K 機構による三次元島状
結晶の形成がなされにくく(たとえばApplied Physics
Letters 69 (1996) 776 に示されている)、ここを平坦
領域とすること自体、三次元島状結晶の抑制に有効であ
る。それゆえ、本発明の好ましい実施の形態として図1
に示した(a)〜(g)のプロセスをGaAs(111)A基板を
用いて実施した場合、In供給直後よりInAs微結晶の成長
が始まり、微細穴以外の平坦表面では三次元島状結晶の
形成が完全に抑制された。
【0037】本発明による微細穴上のInAs微結晶パター
ンの作製例を図4、図5に示す。図4(a)は1ミクロ
ンピッチパターン全体を示すAFM 像、図4(b)は2ミ
クロンピッチパターンのものである。両者とも、2x10-5
Torr 程度の通常のAs背圧を用いた。2ミクロンピッチ
の場合はInAs微結晶31の列の間の平坦部上にも小さな
微結晶32の発生が見られるが、1ミクロンピッチの場
合はこれがほとんど抑制され、微細穴にのみInAs微結晶
31が生じている。これは、前述のように微細穴周辺部
では、In量が不足し S−K 機構三次元島状結晶の形成が
抑制されるためである。しかし、1ミクロンピッチの場
合でも完全に三次元島の形成が抑制されているわけでは
ない。図5(a)は、図4(a)の1ミクロンピッチパ
ターンの微結晶部の周辺の拡大像である。微結晶周辺部
には、20nm径程度の S−K モード成長による小さな三次
元島状結晶33が形成されていることがわかる。図5
(b)は、5x10-5 Torr 程度以上の従来の2〜3倍高い
As背圧を用いた場合における1ミクロンピッチパターン
の同様な微結晶周辺拡大像である。2x10-5 Torr 程度の
As背圧時に発生した小さな三次元島状結晶はみられず、
微細穴部にのみInAs微結晶が形成されるという本発明の
課題を達成している。
【0038】以上、本発明を好ましい実施の形態につい
て説明したが、本発明は以下のような変形が可能であ
る。
【0039】(1)上記の実施の形態では、微細穴の形
成にGaAs表面酸化膜をもちいた電子線パターニングと塩
素ガスエッチング工程を利用したが、他のマスクを用い
たプロセス、あるいはマスクレスなどによる他のプロセ
ス、あるいはイオンビーム、走査型トンネル顕微鏡(ST
M )など電子線以外の他のナノメータ精度を持つ加工法
を用いたプロセスであっても、所望の微細穴が真空連続
プロセスで形成できれば有効である。また、塩素系以外
のガスを用いたエッチングプロセスも有効である。
【0040】(2)上記の実施の形態では、MBE でInAs
を供給したが、MOMBE 等、真空連続プロセスに対応可能
な他の成長法でも有効である。
【0041】(3)上記の実施の形態では、GaAs基板と
して、 (100)基板および(111)A基板のみをもちいたが、
(110) 基板等、他の基板面、あるいはそれらの微傾斜基
板面でも有効である。
【0042】(4)上記の実施の形態では、第一の半導
体基板にGaAs、量子ドットの主成分にInAsを用いたが、
GaSb、InSb、GaP 、InP 等の他の化合物半導体による格
子不整合系の組み合わせでも有効である。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、第一の半導体基板上に
おいて量子ドットの形成を意図する位置に、電子線等に
より予め微細穴からなる周期性パターンを形成し、その
後に、この加工基板表面上に格子定数の1%以上異なる
第二の半導体材料を供給することにより、この微細穴に
よって規定される領域にのみ第二の半導体材料を主成分
とする微結晶を形成でき、これを単一の量子ドットとし
て利用できる。これにより、位置およびサイズが精密に
制御された高品質かつ高密度な量子ドットの作製が可能
となる。すなわち、第二の半導体材料は微細穴にのみ結
晶成長するため、微細穴の位置やサイズおよび材料供給
量などを制御することにより、量子ドットの位置とサイ
ズの精密な制御が可能となる。また、これらのプロセス
はすべて真空中で一貫して行われるので高品質なものが
得られると同時に、繰り返し行えるため、三次元積層化
が容易な特徴を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるGaAs基板上に位置制御されたInAs
ドット構造の作製プロセスを説明するための断面図であ
る。
【図2】本発明を実施するための真空連続プロセス装置
を示した平面図である。
【図3】本発明の他の実施の形態としてGaAs(111)A基板
の場合の加工例を示した図である。
【図4】本発明によるGaAs基板上に位置制御されたInAs
ドット構造のAFM 観察像を示す顕微鏡写真であり、図4
(a)は1ミクロンピッチパターン全体像を、図4
(b)は2ミクロンピッチパターン全体像をそれぞれ示
す。
【図5】GaAs基板上に位置制御されたInAsドット構造の
AFM 観察像を示す顕微鏡写真であり、図5(a)は2x10
-5 Torr 程度の従来のAs背圧を用いた場合の1ミクロン
ピッチパターン拡大像を、図5(b)は5x10-5 Torr 程
度以上の従来の2〜3倍高いAs背圧を用いた場合の1ミ
クロンピッチパターン拡大像それぞれ示す。
【図6】従来のInAs量子ドット構造の位置制御法を説明
するための断面図である。
【符号の説明】
12 ハロゲンランプ光 13 酸素ガス 14 電子線 15 塩素ガス 16 微細穴 17 InAsドット 20 試料導入室 21 MBE室 22 酸化室 23 パターニング室 24 エッチング室 25 分析室 26 ゲートバルブ 27 試料交換室 28 バリアブルリークバルブ 29 マグネトフィドスルー 31 微細穴に形成されたInAs微結晶 32 平坦部に形成されたInAs微結晶 33 S−K モード成長による小さな三次元島状結晶 41 GaAs(111)A基板 42 (111)B面のみで形成された逆正三角錘状のエッ
チング穴(溝) 50 GaAs(100) 基板 51 GaAsバッファ層 52 InAsドット 53 GaAs埋め込み層 101 GaAs(100) 基板 102 GaAsエピタキシャル層 103 光酸化膜 103´ 光酸化膜マスク 108 GaAsキャップ層 111 Ga分子線 112 As分子線 113 In分子線 231 電子ビーム発生装置(電子銃)
フロントページの続き (72)発明者 石川 知則 茨城県つくば市東光台5丁目5番地 技術 研究組合フェムト秒テクノロジー研究機構 内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一の半導体基板表面上において量子ド
    ットの形成を意図する位置に予め40nm以下のサイズの微
    細穴からなる周期性パターンを形成する第一の工程に引
    き続いて、加工された前記第一の半導体基板表面上に該
    第一の半導体基板とは格子定数が1%以上異なる第二の
    半導体材料を供給する第二の工程により、前記微細穴に
    より規定される領域にのみ選択的に成長させた前記第二
    の半導体材料を主成分とする単一の微結晶を、単一の量
    子ドットとして用いることを特徴とする半導体量子ドッ
    ト構造の作製法。
  2. 【請求項2】 前記第一の工程における前記第一の半導
    体基板上への前記微細穴の形成を、電子ビーム、イオン
    ビーム、走査型トンネル顕微鏡(STM )のいずれかを用
    いて行い、これに引き続く、前記第2の工程における前
    記第二の半導体材料の供給を分子線結晶成長法(MBE) 、
    ガスソースMBEのいずれかにより行い、前記一連のプ
    ロセスを真空中で連続して行うことで途中で大気にさら
    さないこととを特徴とする請求項1記載の半導体量子ド
    ット構造の作製法。
  3. 【請求項3】 前記第一の半導体基板上の前記微細穴へ
    の前記第二の半導体材料を主成分とする量子ドット微結
    晶の形成において、前記微細穴の周期性パターンを、前
    記第一の半導体基板上での前記第二の半導体材料構成3
    族原子の拡散長以下の間隔にて配置することにより、前
    記微細穴以外の平坦領域における三次元島状結晶の形成
    を防ぐことを特徴とする請求項1あるいは2記載の半導
    体量子ドット構造の作製法。
  4. 【請求項4】 前記第一の半導体基板をGaAs (100)ジャ
    ストまたはオフ基板、前記第二の半導体材料をInAs、ま
    たはInGaAsとし、前記微細穴の周期性パターンを1ミク
    ロン以下の間隔にて配置することにより、前記微細穴以
    外の平坦領域における三次元島状結晶の形成を防ぐこと
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の半導体量
    子ドット構造の作製法。
  5. 【請求項5】 前記第一の半導体基板をGaSb、InP 、In
    As、InSb、GaP 、ZnSe、ZnTeのいずれかとすることを特
    徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の半導体量子ド
    ット構造の作製法。
  6. 【請求項6】 前記第一の半導体GaAs (100)基板上の1
    ミクロン以下の間隔にて配置された前記微細穴の周期性
    パターン上への前記第二の半導体材料InAsを主成分とす
    る量子ドット微結晶の形成において、5x10-5 Torr 程度
    以上の高いAs背圧の使用により、前記微細穴以外の平坦
    領域における三次元島状結晶の形成を防ぐことを特徴と
    する請求項4記載の半導体量子ドット構造の作製法。
  7. 【請求項7】 前記第一の半導体基板上の微細穴への前
    記第二の半導体材料を主成分とする量子ドット微結晶の
    形成において、前記第一の半導体基板をGaAs(111)A基板
    とし、前記第二の半導体材料をInAs、またはInGaAsとす
    ることにより、前記微細穴以外の平坦領域における三次
    元島状結晶の形成を防ぐことを特徴とする請求項1〜3
    のいずれかに記載の半導体量子ドット構造の作製法。
  8. 【請求項8】 前記第一の半導体基板上における微細穴
    形成のための第一の工程において、ステップバンチング
    を誘起するためのアニーリング処理を追加した複合工程
    により行うことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに
    記載の半導体量子ドット構造の作製法。
  9. 【請求項9】 前記第一の半導体基板上への前記微細穴
    の形成を行う前記第一の工程と、これに引き続く前記第
    二の半導体材料の供給を行う前記第二の工程とを、真空
    中で連続して繰り返して行うことにより三次元的に任意
    の位置に量子ドット微結晶を形成することを特徴とする
    請求項1〜8のいずれかに記載の半導体量子ドット構造
    の作製法。
  10. 【請求項10】 前記第一の半導体基板上の前記微細穴
    の周期性パターンの形成において、前記第一の半導体基
    板表面上に形成した表面酸化膜を収束電子線でパターニ
    ングしてマスクとし、引き続く塩素系ガスエッチングに
    より微細穴形成を行うことを特徴とする請求項1〜9の
    いずれかに記載の半導体量子ドット構造の作製法。
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