JP3251236B2 - 半導体量子ドットの作製方法 - Google Patents

半導体量子ドットの作製方法

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JP3251236B2 JP16152998A JP16152998A JP3251236B2 JP 3251236 B2 JP3251236 B2 JP 3251236B2 JP 16152998 A JP16152998 A JP 16152998A JP 16152998 A JP16152998 A JP 16152998A JP 3251236 B2 JP3251236 B2 JP 3251236B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、位置およびサイズ
が微細に制御された半導体量子ドットの作製方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】バンドギャップの狭い半導体の微細構造
が、バンドギャップの広い半導体によって2次元もしく
は3次元にわたって囲まれた、いわゆる低次元量子構造
は光・電子素子の高機能化、高性能化に有望であること
が理論的に示され、将来の光・電子産業発展の鍵とし
て、近年多大な関心を集めている。特に、上記の3次元
量子閉じこめ構造である量子ドットは、電子の強い閉じ
こめに基づく状態密度の先鋭化に由来して、顕著な量子
効果が多岐に渡り発現するため、従来にない優れた機能
・性能を有する光・電子デバイスの基本構造としてその
実現が期待されている。
【0003】従来知られた量子ドットを作製する方法の
代表例は、図11の(a)に示されるように、化合物半
導体基板100 上のエピタキシャル成長層101 の表面に、
量子ドットサイズに対応する微小パターンが開口された
マスク102 が、電子ビーム、イオンビーム、走査型トン
ネル顕微鏡(STM)などによるリソグラフィー技術で
形成され、その後、ガスソース分子線結晶成長(MB
E)法等により、開口部のみに選択的に量子ドット103
が形成される手法が提案されている(たとえば、Applie
d Physics Letters 68 (1996) 1811)。この手法は作製
した量子ドットの位置およびサイズが直接、開口した領
域により限定できるため、制御性は良好である。
【0004】しかし、このような手法は、マスク部と非
マスク部の成長速度の差を利用するため、例えば基板10
0 およびエピタキシャル成長層101 がGaAsの場合、III
族およびV族原料としてトリメチルガリウム、トリメチ
ルインジウム等、表面での化学反応に富む有機金属材料
が主な原料である。一般に有機金属は炭素を主成分の一
部とするため、作製された結晶には原料の炭素が多く含
まれ、よって結晶品質は光学的に良好でなく、量子ドッ
トとして使用に耐えないという重大な欠点があった。
【0005】化合物半導体を用いた量子ドットの他の代
表的な作製方法は、例えば、Applied Physics Letters
63 (1993) 3202に掲載されている様に、Stransky-Krast
anov(S-K)モード成長と呼ばれる成長方法である。これ
は、図11の(b)に示される如く、基板100 上のエピ
タキシャル成長膜101 に、成長膜101 とは格子定数が異
なる、いわゆる歪み系材料105 および104 を、材料に依
存して決まる臨界膜厚と呼ばれる所望の厚みに相当する
分だけ、エピタキシャル成長する方法である。この結果
として、ウェッティングレア105 と呼ばれる薄い薄膜層
の上に、島状のドット104 が自己組織的に形成される。
この方法は、リソグラフィーを必要とせず結晶成長のみ
によるため、良質な結晶ドットが出来るものとして注目
されている。
【0006】しかしながら、この方法では高品質かつ比
較的サイズの揃った量子ドットが得られるものの、形成
位置およびサイズの制御が不十分であることが判明しつ
つあり、今後の開発課題であるとされている。
【0007】従来知られた他の代表的な自己組織的作製
方法は、例えば、Japanese Journalof Applied Physics
32(1993) 2052 に掲載されている様に、図11の
(c)に示すごときVolmer-Wever(V-W) モード成長と呼
ばれる方法である。これは、基板100 のエピタキシャル
成長膜101 の表面を、成長膜101 とは異なる物質の原子
層膜106 で終端しておくと、その後に成長膜101 と同一
材料を供給することで、表面に島状のドット107 が形成
できる。基板がGaAsの場合、終端用原子膜106 は、しば
しば硫黄(S)が用いられる。本方法は、上述のS-K モ
ード成長と異なり、表面物質と同一物質のドットが自己
組織的に形成されるという利点を有してはいる。
【0008】しかしながら、本方法も、S-K モード成長
と同様、ドットの形成位置およびサイズの制御が不十分
である点が欠点である。
【0009】この様な欠点を克服するために、近年、ス
トライプ状溝(Applied Physics Letters 66 (1995) 16
20)とか、微細穴(Applied Physics Letters 68 (199
6) 1684)や、四面体溝(Applied Physics Letters 67
(1995) 256 )などのパターン化基板上で同様な手法が
検討されている。このような手法では、パターンの加工
が湿式エッチングにより成され、しかもその前後では、
基板表面は大気暴露を伴う。このため、(1) パターンの
サイズが量子ドットの数倍以上と大きく、その均一性も
良好でない、(2) ドットを形成する加工表面の品質が酸
化されるなどの劣化を伴う。これらの原因により、上記
の従来例では、位置およびサイズが原子・格子のレベル
で制御された高品質のドット形成の実現には限界があっ
た。
【0010】これを解決する更なる最近の例は、自己組
織的な結晶成長法と、集束電子ビーム等によるナノメー
タ精度を持つ加工法との組み合わせにより、位置とサイ
ズが精密に制御された高品質かつ高密度なドットの作製
を可能ならしめる試みである(たとえばAbstracts of 1
997 Materials Research Society Fall Meeting, Bosto
n, USA, 1997, p.90、あるいは Abstracts of the Fift
h International Workshop on Femtosecond Technolog
y, Tsukuba, Japan 1998, p.88 )。すなわち、図11
の(d)に示すように、半導体基板100 、およびそのバ
ッファー層としてのエピタキシャル層101 の表面上にお
いて、量子ドットの形成を意図する位置に予め集束電子
線、イオンビーム、走査型トンネル顕微鏡(STM)な
どによるリソグラフィーと、例えばガスエッチング等の
方法により微細穴108 を形成しておき、その後、結晶層
101 とは格子定数が異なり、いわゆる歪み系と呼ばれる
別の半導体材料をMBE法で供給することにより、加工
穴108 にのみ量子ドット構造109 を作製するものであ
る。
【0011】本方法の具体例を図12に示す。同図にお
いて、(a) まずMBE 室において、 GaAs 基板111 上にGa
およびAs分子線を供給し、 GaAs エピタキシャル層112
を成長する。(b) 次にこれを酸化室へ搬送して、酸素ガ
ス雰囲気中でハロゲンランプ光を照射して光酸化膜マス
ク113 を形成する。次に、酸素ガスを真空排気後、(c)
試料を電子線パターニング室へ移し、光酸化膜マスク11
3 上に、例えば1ミクロンピッチのビットマトリックス
状パターン114 を電子線にて描画する。次に、(d)エッ
チング室において、基板加熱状態で、塩素ガスに曝すこ
とで、光酸化膜マスク113 の電子線照射部のGaAsをエッ
チングし、例えば直径が200 〜500nm 、深さが50nmの微
細穴115 を形成する。次に、(e) 再びMBE 室に戻し、As
分子線照射下で高温加熱して表面116 の光酸化膜マスク
を除去する。ついで (f)基板温度を降温し、再びAs分子
線照射下でIn分子線を、InAsに換算して2 ないし3 原子
層分供給することにより、前記微細穴にのみInAsのドッ
トを選択的に形成する。最後に、(g)GaAs キャップ層11
8 をMBE 成長し、InAsドットを埋め込むことでプロセス
を終了する。
【0012】図11(即ち図12)の従来法で得られた
InAsドット配列をAFM(原子間力顕微鏡)により観察
すると、図9の(b) に見られるごとく、一応微細穴の位
置にのみInAsドットが形成されている。また、微細穴以
外にはInAsドットが形成されていないことが、顕微表面
分析装置(たとえばマイクロオージェ電子分光分析装置
など)により確認されている。しかしながら本従来法で
は、図9の(b) のドットを示す白点の形状・サイズが不
均一であることから分かるように、InAsドットは均一に
は形成されていない。
【0013】この様なドットの不均一性の原因として
は、微細穴の形状・サイズ・深さの不均一性が考えられ
るが、それ以外にも、図12(e) において完全には除去
し得なかった残留光酸化膜マスクが誘起する微細穴以外
の平坦表面での微量の凹凸、あるいは光酸化膜マスク除
去後のGaAs表面荒れによる微量の凹凸がドットの不均一
性をもたらすことが考えられる。すなわち、続く(f) に
おけるInAsドットの凝集過程において、InあるいはAs原
子の円滑な表面拡散が、上記の微量の表面凹凸あるいは
表面残留物によって妨げられ、この為微細穴に到達する
InAsの量が、場所により不均一であるために、得られた
InAsドットの形状・サイズが不均一になる、という
ものである。このように、従来例では、ドットの位置制
御と共に均一性にも問題があった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】高機能、高性能な光電
子素子を可能にする量子ドットの作製に課せられる課題
は、高品質(欠陥や不要な不純物が少ないこと)かつ高
密度であるとともに、広範囲に渡って均一性良く、位置
とサイズが良好に制御されることが必要である。これに
対し、従来のS −K モードやV-W モードの成長法のみで
は、上述したように、位置とサイズの精密な制御が十分
ではなかった。これを改善するために、予め基板に微細
窪みを加工しておいてこれにS −K モードによる自己組
織的な成長を適用し、よって微細窪みにのみ選択的にド
ットを形成していた従来例でも、上述のように、加工表
面が大気に露呈されるために発生するドットの品質劣化
や、全ての窪みに選択的にドットを形成する際の均一性
が不良であるという欠点を有していた。
【0015】本発明の課題は、欠陥がなくナノメータの
精度で位置やサイズが精密に制御された、高品質な量子
ドットを、広範囲に渡って高均一に形成する方法を提供
することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、予め、半導体
基板表面に微細な窪み又は突起を形成しておき、基板と
同一もしくは、格子定数の異なる材料を用いて、位置と
サイズが精密に制御された量子ドットを、前述の微細窪
みもしくは突起部分にのみ選択的に作製する際に、前述
の結晶成長の前に、異質の物質から成る終端膜により表
面を終端しておくことにより、広範囲に渡って均一に量
子ドットを作製する手段を提供するものである。
【0017】即ち、本発明によれば、基板上に、表面
に、微細窪み又は微細突起を微細パターンとして有する
第1の半導体からなる半導体層を形成する第1の工程
と、この半導体層の表面にこの表面の原子を終端する物
質を含む原料を供給し分解することにより、前記終端す
る物質を含む表面終端膜を前記半導体層の表面に形成す
る第2の工程と、前記表面終端膜の表面に第2の半導体
からなる材料を供給することにより、前記微細パターン
上の前記表面終端膜面領域にのみ、前記第2の半導体を
主成分とする量子ドットを形成する第3の工程とを含む
ことを特徴とする半導体量子ドットの作製方法が得られ
る。
【0018】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図1及
び図2を参照して説明する。
【0019】本発明の第1の実施形態によれば、基板
(10又は20)上に、表面に、微細窪み又は微細突起
(12又は22)を微細パターンとして有する第1の半
導体からなる半導体層(11又は21)を形成する第1
の工程と、この半導体層の表面にこの表面の原子を終端
する物質を含む原料を供給し分解することにより、前記
終端する物質を含む表面終端膜(13又は23)を前記
半導体層の表面に形成する第2の工程と、前記表面終端
膜の表面に第2の半導体からなる材料を供給することに
より、前記微細パターン上の前記表面終端膜面領域にの
み、前記第2の半導体を主成分とする量子ドット(14
又は24)を形成する第3の工程とを含むことを特徴と
する半導体量子ドットの作製方法が得られる。
【0020】本発明の第2の実施形態によれば、前記第
1の実施形態による半導体量子ドットの作製方法におい
て、前記微細パターンが前記微細窪みである場合、前記
微細窪みの面内寸法が前記量子ドットの面内寸法の2倍
を越えないことを特徴とする半導体量子ドットの作製方
法が得られる。
【0021】本発明の第3の実施形態によれば、前記第
1の実施形態による半導体量子ドットの作製方法におい
て、前記微細パターンが前記微細突起である場合、前記
微細突起の面内寸法が前記量子ドットの面内寸法以下で
あることを特徴とする半導体量子ドットの作製方法が得
られる。
【0022】本発明の第4の実施形態によれば、前記第
1の実施形態による半導体量子ドットの作製方法におい
て、前記基板の表面が半導体の主要面指数からなる基板
面であるか、前記面指数から微傾斜した基板面であるこ
とを特徴とするる半導体量子ドットの作製方法が得られ
る。
【0023】本発明の第5の実施形態によれば、前記第
1の実施形態による半導体量子ドットの作製方法におい
て、前記終端する物質が、硫黄、セレン、テルル、窒
素、水素の単原子、又はこれらを含む多原子分子であ
り、これら終端物質を含む原料が、硫化水素、硫化セレ
ン、硫化テルル、窒素分子、アンモニア分子、水素分
子、炭化水素分子の化合物、又は硫黄、セレン、テルル
の単体であることを特徴とする半導体量子ドットの作製
方法が得られる。
【0024】本発明の第6の実施形態によれば、前記第
1の実施形態による半導体量子ドットの作製方法におい
て、前記第2の半導体と前記第1の半導体の組み合わせ
が、互いに無歪み系であるかまたは歪み系であることを
特徴とする半導体量子ドットの作製方法が得られる。
【0025】本発明の第7の実施形態によれば、前記第
6の実施形態による半導体量子ドットの作製方法におい
て、前記第2の半導体と前記第1の半導体の組み合わせ
が無歪み系の組み合わせである場合、前記第2の半導体
と前記第1の半導体の無歪み系の組み合わせは、GaAs/A
lGaAs 、或いはInGa1−xAs/InP(x=0.53)、或いはIn
Ga1−xAsP1−y/InP (x=0.7,y=0.65)、或いはIn
Ga1−xAs/AlAsSb1−y(x=0.53、y=0.56) 、或い
はInP/AlAsSb1−x(x=0.56)であり、前記第2の半導
体と前記第1の半導体の組み合わせが歪み系の組み合わ
せである場合、前記第2の半導体と前記第1の半導体の
歪み系の組み合わせは、InAs/GaAs 、或いはInGaAs/GaA
s 、或いはInP/GaAs、或いはGaSb/GaAs 、或いはGaAsSb
/GaAs 、或いはInGaAs/InP、或いはGaAsSb/InP、或いは
InP/InAlAs、或いはGaAs/GaP、或いはGaAsP/GaP 、或い
はZeTeSe/ZnSe 、或いはZnSe/ZnS、或いはGaN/AlN 、或
いはInAlN/AlN 、或いはInAlN/GaN 、或いはSiGe/Siで
あることを特徴とする半導体量子ドットの作製方法が得
られる。
【0026】本発明の第8の実施形態によれば、前記第
1の実施形態による半導体量子ドットの作製方法におい
て、前記第1の工程が、集束電子ビーム、集束イオンビ
ーム、走査型トンネル顕微鏡(STM)、原子間力顕微
鏡(AFM)のいづれかの微細プローブによる加工手段
と、必要に応じてこれらに付随したマスク形成手段、お
よび上記微細プローブによる加工を支援する反応性ガス
導入手段の組み合わせにより行われることを特徴とする
半導体量子ドットの作製方法が得られる。
【0027】本発明の第9の実施形態によれば、前記第
1の実施形態による半導体量子ドットの作製方法におい
て、前記第3の工程が、分子線結晶成長法(MBE)、
有機金属気相成長法(MOVPE)、液相成長法のいづ
れかを用いて行われることを特徴とする半導体量子ドッ
トの作製方法が得られる。
【0028】本発明の第10の実施形態によれば、前記
第1の実施形態による半導体量子ドットの作製方法にお
いて、前記第1から前記第3の工程が、真空中において
連続して行われることを特徴とする半導体量子ドットの
作製方法が得られる。
【0029】次に本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0030】図1は、本発明の第1の実施例における工
程概念図である。図において、(a)基板10の上の第1の
半導体からなる半導体層(具体的には、エピタキシャル
成長層)11の表面に、目的の量子ドットのサイズの2倍
を越えないサイズを有する微細穴12が形成される。(b)
この表面に、第1の半導体からなる半導体層11表面を終
端する物質を含む表面終端膜13が形成され、その後(c)
第1の半導体からなる半導体層11に対し、無歪み系また
は歪み系の第2の半導体材料を供給することにより、上
記微細穴の領域にのみ量子ドット14を形成し、最後に
(d) 第1の半導体からなる半導体層11と同一の半導体の
キャップ層15で量子ドット14を埋め込む。図において、
微細穴の形成法にはいくつかの方法があり、例えば図1
2に示した従来例における電子ビーム照射と塩素ガスエ
ッチングの組み合わせなどは、その一例である。
【0031】図2は、本発明の第2の実施例における工
程概念図である。図において、(a)基板20の上の第1の
半導体からなる半導体層(具体的には、エピタキシャル
成長層)21の表面に、目的の量子ドットのサイズ以下の
サイズを有する微細突起22が形成され、(b) この表面
に、第1の半導体からなる半導体層21表面を終端する物
質を含む表面終端膜23が形成され、その後(c) 第1の半
導体からなる半導体層21に対し、無歪み系または歪み系
の第2の半導体材料を供給することにより、上記の微細
突起22領域にのみ量子ドット24を形成し、最後に(d) 第
1の半導体からなる半導体層21と同一の半導体のキャッ
プ層25で量子ドット24を埋め込む。
【0032】図3は、図1の場合の具体的な実施例の工
程図である。図3では、MBE 成長や微細電子ビーム照射
等の複数のプロセスが、互いに連結した真空室におい
て、連続的に可能となるような複合真空装置を用いて行
われる。
【0033】まず、(a)MBE室において、 GaAs(001)基板
31上にGa分子線およびAs分子線を供給し、 GaAs エピタ
キシャル層32をMBE 成長する。
【0034】次に、(b) これを酸化室へ搬送し、酸素ガ
ス雰囲気中でハロゲンランプ光を照射して光酸化膜マス
ク33を形成する。
【0035】次に、酸素ガスを真空排気後、(c) 試料を
電子線パターニング室へ移し、所望の形状、例えば1ミ
クロンピッチのビットマトリックス状パターン34を電子
線により描画する。このとき、例えば加速電圧、ビーム
電流、ビーム径は各々、20KeV 、2nA 、0.1 ミクロンを
用いる。また電子線照射量は光酸化膜マスクのパターニ
ングに必要なドーズ、例えば5x1018electrons/cm2以上
を用いる。
【0036】次に、(d) エッチング室で試料を例えば10
0 ℃に加熱し、2x10-5 Torr の塩素ガスに30分間さらす
ことで、電子線照射部のGaAsをエッチングし、直径が20
0 〜500nm 、深さが50nmの微細穴35を形成する。
【0037】次に、(e) 再びMBE 室に戻し、As分子線の
照射下で600 ℃以上に加熱し、パターン化基板表面36の
光酸化膜マスクを除去する。次いで、(f) As分子線の照
射を中止し、室内に硫化水素(H2S)を導入し、熱分解に
より生成された硫黄の蒸気を基板表面に照射することに
より、硫黄の単原子膜37を形成する。
【0038】次に、(g) 基板温度を例えば450 ℃に降温
し、再びAs分子線照射下でIn分子線を、例えばInAsに換
算して2 ないし3 原子層分供給して、微細穴のみにInAs
の量子ドット38を形成する。この際に、As分子線の照射
圧力としては、5x10-5 Torr程度以上(通常MBE 成長で
用いる2倍以上)の高い圧力を用いる。
【0039】最後に、(h)GaAs キャップ層39をMBE 成長
し、InAsドットを埋め込むことでプロセスが終了する。
必要に応じて、これらのプロセスは繰り返し何度でも可
能であり、積層化が可能である。
【0040】図1(b) 、図2(b) および図3(f) におけ
る表面終端膜の形成過程は、本発明の主眼をなす部分で
あり、図4および図5を参照してに表面終端膜の形成過
程を詳細に説明する。
【0041】図4(a) において、第1の半導体のエピタ
キシャル結晶層41の表面には、微細穴44のパターン形成
プロセスを経過したことによって表面が活性化され、不
対電子結合子42、いわゆるダングリング−ボンドが終端
されないまま多量に存在する。このような不対電子結合
子は、表面が多種の工程によって誘起される原子層レベ
ルの凹凸を含む場合には更に増加する。このような表面
のエネルギーは高く、よって外部からの原子・分子の飛
来に対しては、これらを吸着・堆積する傾向が強い。
【0042】この状態で、図4(a) に示すように、ボン
ド42を終端しうる膜43で表面を覆うと、最早不対電子結
合子42は表面に露呈しない。そこで、量子ドットの構成
原子46を照射すると、これらは温度その他の条件で決ま
る距離(表面拡散長)にわたって表面を移動するが、そ
の際、原子46は、終端膜43がない場合に比べて表面を自
由に動き回りやすく、よって周期的な微細穴44には均一
に到達しやすくなる。このため微細穴には均一な量子ド
ットが形成される。ここで微細穴の内部について言及す
る。微細穴でも図のごとく終端膜45はボンドと結合して
いるが、微細穴の壁面には高次の結晶面が露呈している
ために、平坦面に比べてボンドの数が多い。この為、終
端膜45で終端されない余剰のボンドが残留している。よ
って微細穴の内部は、外部の終端表面に比べて表面エネ
ルギーが高い。更に、微細穴の壁面には高次面が露呈し
てために原子層ステップが多い。このことからも、微細
穴の内部は、外部の終端表面に比べて表面エネルギーが
高い。これらの理由により、微細穴44は周囲に比べて原
子46が取り込まれ易く、よって原子46は終端膜45が存在
するにも係わらず微細穴44に析出してドットとなる。な
お、ドットの構成原子46は、表面層41とは格子定数の異
なるいわゆる歪み系材料である場合、前述の平坦面に対
して微細穴にドット状に成長する選択性が著しいが、格
子定数の等しいいわゆる無歪み系であっても、前記選択
性の低下を伴うものの、同様にドット状の成長は起こ
る。
【0043】図4(a) は、終端膜45が微細穴44の内部表
面をも覆う場合の説明であったが、終端膜45が残留した
ままこの上に量子ドットが形成された場合、光学素子な
どへの応用には、発光特性を低下せしむることがある。
このような場合には、図4(b) に示すように、(a) の場
合に比べて、終端膜45を付着せしめた後に基板温度をや
や高めて微細穴44には終端膜43のない内壁49を形成する
ことが出来る。この場合には、原子46で構成される量子
ドットは、図4(a) の場合に比べて高品質な微結晶とな
る。
【0044】図5(a) および(b) は、図2に示した微細
突起を利用した量子ドットを形成する場合の本発明の動
作を示す。
【0045】すなわち、図5(a) において、第1の半導
体のエピタキシャル結晶層51の表面には、微細突起54の
パターン形成プロセスを経過したことによって表面原子
面が活性化され、不対電子結合子52が終端されないまま
多量に存在する。このような不対電子結合子は、表面が
多種の工程によって誘起される原子層レベルの凹凸を含
む場合には、更に増加する。このような表面のエネルギ
ーは高く、よって外部からの原子・分子の飛来に対して
は、これらを吸着・堆積する傾向が強い。ここで、図5
(a) に示すように、結晶層51のボンド52を終端しうる膜
53で表面を覆うと、最早不対電子結合子52は表面に露呈
しない。そこで、量子ドットの構成原子56を照射する
と、これらは温度その他の条件で決まる距離(表面拡散
長)にわたって、表面を移動するが、その際、原子56
は、終端膜53がない場合に比べて、表面を自由に動き回
りやすく、よって周期的な微細穴54には均一に到達しや
すくなる。このため微細突起には均一な量子ドットが形
成される。微細突起54の壁面でも図のごとく終端膜55は
ボンドと結合しているが、微細突起の壁面には高次の結
晶面が露呈しているために、平坦面に比べてボンドの数
が多い。この為、終端膜55で終端されない余剰のボンド
が残留している。よって微細突起の内部は、外部の終端
表面に比べて表面エネルギーが高い。更に、微細突起の
壁面には高次面が露呈してために原子層ステップが多
い。このことからも、微細突起の内部は、外部の終端表
面に比べて表面エネルギーが高い。これらの理由によ
り、微細突起54は周囲に比べて原子56が取り込まれ易
く、よって原子56は終端膜55が存在するにも係わらず微
細突起54に析出してドットとなる。なお、ドットの構成
原子56は、表面層51とは格子定数の異なるいわゆる歪み
系材料である場合、前述の平坦面に対して微細穴にドッ
ト状に成長する選択性が著しいが、格子定数の等しいい
わゆる無歪み系であっても、前記選択性の低下を伴うも
のの、同様にドット状の成長は起こる事情は、前記微細
穴を利用した場合と同様である。
【0046】図5(a) は、終端膜55が微細突起54の表面
をも覆う場合の説明であったが、終端膜55が残留したま
まこの上に量子ドットが形成された場合、前述と同様、
光学素子などへの応用には、発光特性を低下せしむるこ
とがある。このような場合には、図5(b) に示すよう
に、(a) の場合に比べて、終端膜55を付着せしめた後に
基板温度をやや高めて微小突起54には終端膜のない突起
の壁面59を形成する。この場合には、原子56からなる量
子ドットはより高品質な微結晶となる。
【0047】図6は、第1の半導体からなる半導体層表
面に微細穴を形成する場合の、他の実施例を示すもので
ある。図3の第1の実施例では、電子ビームリソグラフ
ィとガスエッチングを真空下で連続に行って微細穴を形
成したが、本実施例ではSTM(走査型トンネル顕微
鏡)チップの先端62を半導体表面層61に近接させ、これ
に所望の電圧を印加して半導体表面との間にトンネル電
流を流す事により、表面層61の構成原子を脱離させ、よ
って微細穴63を形成するものである。この方法による
と、量子ドット径(約10nm)と同等あるいはそれ以下の
径を有する微細穴を作成することが容易である。
【0048】図7は、第1の半導体からなる半導体層表
面に微細突起を形成する場合の、他の実施例を示すもの
である。図2(a) の微細突起22は、図1(a) の微細穴の
作製と同様、電子ビームリソグラフィとガスエッチング
を用いて形成することが出来るが、図7の他の実施例で
は、半導体表面71の近傍に、STMと同様のチップを近
接させる。チップの表面には微細突起74となる物質の溶
融物73が付着しており、チップの先端72から電界蒸発に
より微細突起74として表面に付着する。こうして得られ
たの微細突起74が、その後の量子ドットの核形成に寄与
する。
【0049】図8は、第1の半導体からなる半導体層表
面を終端するための原子膜作製の他の実施例を示すもの
である。図3に示した実施例では、(f) の硫黄単原子膜
37の形成は、試料室内に硫化水素(H2S)を導入し、これ
を高温加熱したタングステンフィラメント群に通すこと
によって熱分解して原子状の硫黄を生成し、これを試料
表面に照射することにより行われた。これに対し、図8
では、ラジカルビームガン82に導入された硫化水素(H
2S)は、プラズマ放電により分解して原子状の硫黄、即
ち硫黄ラジカルとなり、試料側に設けられた小穴から硫
黄ラジカルビーム83となって、基板80に成長したエピタ
キシャル成長層81の表面に照射される。本方法は、図3
(f) の熱分解に比べて高エネルギー状態のプラズマによ
り分解されるため、分解効率が良好であり、従って、多
量の硫黄ラジカルが試料に照射されるため、短時間で被
覆率の良い所望の原子膜の形成が可能となるという利点
がある。
【0050】次に本発明の変形例を説明する。
【0051】1. 本発明の実施例では、微細穴径が200-5
00nm で、その配列周期が1 ミクロン程度であるパター
ン化基板を用いたため、位置制御は良好であったもの
の、ドットのサイズは100-200nm と大きく、均一性は10
% 程度に止まっていた。しかしながら、微細穴あるいは
微細突起のサイズおよび配列の周期が微小であれば、ド
ットのサイズを10nm程度に微細にすることは可能であ
り、この時位置およびサイズの制御性は向上する。サイ
ズが10nmで、配列周期が30nm程度の高密度の量子ドット
を作製する場合、求められる微細穴あるいは微細突起の
面内サイズの上限としては、ドットの面内サイズの2倍
を越えないことが望ましい。これは、合い隣る微細穴ま
たは微細突起が重なり合わないためである。またこの時
の微細穴あるいは微細突起の面内サイズの下限について
は、これを律する原理的な因子はないが、2-3nm 程度で
も本発明は有効である。
【0052】2. 本発明の実施例では、第1の半導体層
表面を終端する膜物質として硫黄を用いたが、他の物
質、例えばセレン、テルル、窒素、水素およびこれらを
含む不飽和化合物も有効である。さらに、基板表面の不
対電子結合子を終端して表面を不活性化する機能を有す
る物質は全て有効である。
【0053】3. 本発明の実施例では、基板としてGaAs
の(100) 基板を用いたが、(111)A基板、(110) 基板等他
の基板面、或いはそれらの微傾斜基板面でも有効であ
る。
【0054】4. 本発明の実施例では、量子ドットを構
成する第2の半導体、および量子ドットを囲む第1の半
導体の組み合わせとして、互いに格子定数の異なる系、
即ち歪み系であるInAs/GaAs を用いたが、他の歪み系、
すなわち、InGaAs/GaAs 、InP/GaAs、GaSb/GaAs 、GaAs
Sb/GaAs 、InGaAs/InP、GaAsSb/InP、InP/InAlAs、GaAs
/GaP、GaAsP/GaP 、ZeTeSe/ZnSe 、ZnSe/ZnS、GaN/AlN
、InAlN/AlN 、InAlN/GaN 、SiGe/Si も同様に本発明
に有効である。さらに前記組み合わせとして歪み系のみ
ならず、互いに格子定数が等しい無歪み系、すなわち、
GaAs/AlGaAs 、InxGa1-xAs/InP(x=0.53)、InxGa1-xAsyP
1-y/InP(x=0.7,y=0.65) 、InxGa1-xAs/AlAsySb1-y(x=0.
53 、y=0.56) 、InP/AlAsxSb1-x(x=0.56)の組み合わせ
も有効であるほか、前記以外の歪み系、無歪み系の全て
の組み合わせに対して本発明は有効である。
【0055】5. 本発明の実施例では、第1の半導体表
面に微細穴を形成する手段として、電子ビームとガスエ
ッチングの組み合わせを用いたが、微細穴もしくは微細
突起を形成する手段として、集束イオンビーム、STM
チップなどが有効である他、中空光ファイバーの先端が
先鋭に加工されて、中空内部に反応性ガスを流し、先端
部から放出されたガスが基板に放出されることにより、
基板に微小穴が形成されるような手段も本発明には有効
である。
【0056】6. 本発明の実施例では、結晶成長法とし
て分子線結晶成長法(MBE)を用いたが、有機金属気
相成長法(MOVPE)、液相成長法など、他のあらゆ
る半導体のエピタキシャル成長方法は全て本発明に有効
である。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、基
板上の第1の半導体からなる半導体層の表面の量子ドッ
トを形成したい位置に、電子線等により予め微細穴もし
くは微細突起からなるパターンを形成し、その後、この
パターン化表面を所望の材料の膜で終端しておいて、第
1の半導体と同一もしくは異なる第2の半導体材料を供
給することにより、この微細穴もしくは微細突起の近傍
にのみ、第2の半導体材料を主成分とする微結晶を形成
でき、これを量子ドットとして利用できる。この場合
に、図4および図5により説明したように、本発明によ
り、位置が精密に制御された高品質かつ高密度なドット
が広い範囲に渡って、高均一に作製される。また上記、
微細穴もしくは微細突起が周期的に配列された場合、供
給された第2の半導体の原子は、上述の表面終端膜上を
等量且つ均一に表面拡散して、微細穴もしくは微細突起
に到達するので、得られた量子ドットのサイズも、従来
に比べてばらつきが抑制される。また、これらのプロセ
スはすべて真空中で一貫して行われるので高品質なもの
が得られると同時に、繰り返し行えるため、積層化が容
易である。
【0058】上述した本発明の効果を明瞭に示すため、
実施例に基づく結果を図9および図10に示す。図9
(a) は、図3に示した本発明の実施例により、GaAs基板
上に加工した周期的配列の微細穴にのみ形成されたInAs
ドット配列のAFM(原子間力顕微鏡)像である。同図
は、微細穴が1ミクロンピッチで配列された場合の、0.
1 ミクロン径のドット作製例である。同図(b) は、図1
2の従来例によって得られた、同様なInAsドットの作製
例を示すAFM像である。同図(b) では、InAsドット
(白い斑点)の均一性が不良であるのに対し、本発明の
同図(a) では、広域に渡ってInAsドットが高均一に形成
されていることが分かる。
【0059】図10は、図9の本発明実施例の効果を裏
付ける実験のAFM像である。同図(a) および(b) は、
ともに微細穴もしくは微細突起が形成されていない平坦
なGaAs基板をもちいて、InAsをMBE成長した表面のA
FM像である。ただし、この場合、平坦な基板は、予め
メサエッチングによって1辺が50ミクロンの正方形状の
パターンに区画分離されている。図において、(a) は、
本発明に用いた硫黄の表面終端膜を形成した後に、InAs
のMBE成長を行った表面であり、視野の範囲内にはIn
Asドットは全く形成されていない。照射されたInAsは、
ドットの核形成のための微細穴や微細突起がないため、
終端膜が形成された表面を速やかに拡散して、正方形状
のパターンの外部に排除されて堆積している。これに対
し、図の(b) は、表面終端膜がないため、たとえ微細穴
や微細突起がない表面でも、前述の不対電子結合子に捕
獲され、その結果矢印で示すように、従来型のS-K モー
ド成長に見られる位置およびサイズが不均一なInAsドッ
トが形成されている。本実験からも、表面終端膜の存在
が、前図9(a) の均一なInAsドット形成に寄与している
ことが示唆される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による半導体量子ドット
の作製方法の工程概念図。
【図2】本発明の第2の実施例による半導体量子ドット
の作製方法の工程概念図。
【図3】図1の実施例における具体的工程図。
【図4】本発明で用いる表面終端膜の表面終端の機能を
説明するための図。
【図5】本発明で用いる表面終端膜の表面終端の他の機
能を説明するための図。
【図6】本発明の微細穴(微細窪み)の他の作製方法を
説明するための構造断面図。
【図7】本発明の微細突起の他の作製方法を説明するた
めの構造断面図。
【図8】本発明の表面終端膜の他の形成方法を示す構造
断面図。
【図9】従来例 (b)と比べた場合の、本発明 (a)による
量子ドットの均一化の効果を示す実験結果の原子間力顕
微鏡(AFM)像を示す顕微鏡写真。
【図10】図9の本発明による表面終端効果を裏付ける
実験結果のAFM像を示す顕微鏡写真。
【図11】従来例による量子ドット作製の工程概念図。
【図12】図11の従来例における具体的工程図。
【符号の説明】
10 基板 11 半導体層 12 微細穴 13 表面終端膜 14 量子ドット 15 キャップ層 20 基板 21 半導体層 22 微細突起 23 表面終端膜 24 量子ドット 25 キャップ層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 知則 茨城県つくば市東光台5丁目5番地 技 術研究組合フェムト秒テクノロジー研究 機構内 (56)参考文献 特開 平5−121324(JP,A) 特開 平11−26748(JP,A) 特開 平11−111618(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 29/02 - 29/267 H01L 21/20 - 21/208

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板(10又は20)上に、表面に、微
    細窪み又は微細突起(12又は22)を微細パターンと
    して有する第1の半導体からなる半導体層(11又は2
    1)を形成する第1の工程と、 この半導体層の表面にこの表面の原子を終端する物質を
    含む原料を供給し分解することにより、前記終端する物
    質を含む表面終端膜(13又は23)を前記半導体層の
    表面に形成する第2の工程と、 前記表面終端膜の表面に第2の半導体からなる材料を供
    給することにより、前記微細パターン上の前記表面終端
    膜面領域にのみ、前記第2の半導体を主成分とする量子
    ドット(14又は24)を形成する第3の工程とを含む
    ことを特徴とする半導体量子ドットの作製方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の半導体量子ドットの作
    製方法において、 前記微細パターンが前記微細窪みである場合、前記微細
    窪みの面内寸法が前記量子ドットの面内寸法の2倍を越
    えないことを特徴とする半導体量子ドットの作製方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の半導体量子ドットの作
    製方法において、 前記微細パターンが前記微細突起である場合、前記微細
    突起の面内寸法が前記量子ドットの面内寸法以下である
    ことを特徴とする半導体量子ドットの作製方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の半導体量子ドットの作
    製方法において、 前記基板の表面が半導体の主要面指数からなる基板面で
    あるか、前記面指数から微傾斜した基板面であることを
    特徴とする半導体量子ドットの作製方法。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の半導体量子ドットの作
    製方法において、 前記終端する物質が、硫黄、セレン、テルル、窒素、水
    素の単原子、又はこれらを含む多原子分子であり、これ
    ら終端物質を含む原料が、硫化水素、硫化セレン、硫化
    テルル、窒素分子、アンモニア分子、水素分子、炭化水
    素分子の化合物、又は硫黄、セレン、テルルの単体であ
    ることを特徴とする半導体量子ドットの作製方法。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の半導体量子ドットの作
    製方法において、 前記第2の半導体と前記第1の半導体の組み合わせが、
    互いに無歪み系であるかまたは歪み系であることを特徴
    とする半導体量子ドットの作製方法。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の半導体量子ドットの作
    製方法において、 前記第2の半導体と前記第1の半導体の組み合わせが無
    歪み系の組み合わせである場合、前記第2の半導体と前
    記第1の半導体の無歪み系の組み合わせは、 GaAs/AlGaAs 、或いはInGa1−xAs/InP(x=0.53)、或
    いはInGa1−xAsP1−y/InP (x=0.7,y=0.65)、或
    いはInGa1−xAs/AlAsSb1−y(x=0.53、y=0.56)
    、或いはInP/AlAsSb1−x(x=0.56)であり、 前記第2の半導体と前記第1の半導体の組み合わせが歪
    み系の組み合わせである場合、前記第2の半導体と前記
    第1の半導体の歪み系の組み合わせは、 InAs/GaAs 、或いはInGaAs/GaAs 、或いはInP/GaAs、或
    いはGaSb/GaAs 、或いはGaAsSb/GaAs 、或いはInGaAs/I
    nP、或いはGaAsSb/InP、或いはInP/InAlAs、或いはGaAs
    /GaP、或いはGaAsP/GaP 、或いはZeTeSe/ZnSe 、或いは
    ZnSe/ZnS、或いはGaN/AlN 、或いはInAlN/AlN 、或いは
    InAlN/GaN 、或いはSiGe/Si であることを特徴とする半
    導体量子ドットの作製方法。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載の半導体量子ドットの作
    製方法において、 前記第1の工程が、集束電子ビーム、集束イオンビー
    ム、走査型トンネル顕微鏡(STM)、原子間力顕微鏡
    (AFM)のいづれかの微細プローブによる加工により
    行われることを特徴とする半導体量子ドットの作製方
    法。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載の半導体量子ドットの作
    製方法において、 前記第3の工程が、分子線結晶成長法(MBE)、有機
    金属気相成長法(MOVPE)、液相成長法のいづれか
    を用いて行われることを特徴とする半導体量子ドットの
    作製方法。
  10. 【請求項10】 請求項1に記載の半導体量子ドットの
    作製方法において、 前記第1から前記第3の工程が、真空中において連続し
    て行われることを特徴とする半導体量子ドットの作製方
    法。
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