JPH11108193A - 溶融フッ素樹脂製シールリング - Google Patents

溶融フッ素樹脂製シールリング

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JPH11108193A
JPH11108193A JP27711897A JP27711897A JPH11108193A JP H11108193 A JPH11108193 A JP H11108193A JP 27711897 A JP27711897 A JP 27711897A JP 27711897 A JP27711897 A JP 27711897A JP H11108193 A JPH11108193 A JP H11108193A
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JP
Japan
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seal ring
groove
spring
along
present
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JP27711897A
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English (en)
Inventor
Masahiro Futagami
正弘 二上
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶融加工可能でかつ少ない工程により量産が
容易で、材料のロスが少なくかつコストが低いU字状断
面を有するシールリングをうること。 【解決手段】 断面形状U字状の溝をもつ溶融フッ素樹
脂からなるシールリングであって、前記溝の2つの上端
部のうちの少なくとも1つの上端部に、前記溝の内側に
向かって、かつシールリングの円周方向に沿って張出部
が設けられてなるシールリング。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油、空圧機器、コ
ンプレッサー、半導体機器などにおいて、Oリングなど
のゴム製シールが使用できないような高温下、低温下、
有機溶剤を含む各種薬品の存在下、高温蒸気の存在下な
どの酷な条件において用いられるシールに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、シールリングの材料として
は、耐薬品性、耐熱性、低摩擦性、離型性などに優れて
いるということから、フッ素樹脂であるポリテトラフル
オロエチレン(PTFE)が用いられている。また、特
に水潤滑下における耐摩耗性に優れているということか
らは、起高分子量ポリエチレンが用いられている。
【0003】しかし、PTFEは溶融粘度が高いため、
射出成形などの溶融加工によって加工することは困難で
あり、予備成形、焼成および旋盤およびフライス盤など
の機械による加工といった多くの工程を経なければ製品
を製造することができない。
【0004】すなわち、PTFEをシールリングの材料
として用いるばあい、工程が多いために量産が容易では
なく、また、機械による加工のために材料のロスが多く
コスト高につながるという問題もある。さらに、機械に
よる加工であるために、えられる製品の形状が比較的単
純なものに限られ、U字状断面などの複雑な形状の製品
は作製しにくい。
【0005】また、超高分子量ポリエチレンは熱可塑性
樹脂であるが溶融粘度が高いため、射出成形などの溶融
加工ができないという問題があり、押出で素材成形後、
旋盤およびフライス盤などの機械による加工を行わなけ
ればならない。
【0006】そこで、本発明者は、U字状の断面形状を
有するシールリング用材料について種々検討した結果、
本発明を完成するに至った。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、本発明の目
的は、少ない工程により量産が容易で、材料のロスが少
なくかつコストが低い、異形の断面形状を有するシール
リングをうることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、断面形状U字
状の溝を有し、前記溝の2つの上端部のうちの少なくと
も1つの上端部に、前記溝の内側に向かってかつシール
リングの円周方向に沿って張出部が設けられてなるシー
ルリングに関する。
【0009】前記溶融フッ素樹脂は、テトラフルオロエ
チレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(以下、
「FEP」ともいう)樹脂またはテトラフルオロエチレ
ン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(以
下、「PFA」ともいう)樹脂であるのが好ましい。
【0010】また、前記張出部は、シールリングの円周
方向に沿って円周の全体に設けられているのが好まし
い。
【0011】また、前記シールリングは、シールリング
の半径方向に沿って前記溝の内側から外側に向かって働
く態様でバネが収容されているのが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明において断面形状U字状の
溝を有するシールリングをうるために用いる溶融フッ素
樹脂は、射出成形などの溶融加工をすることができ、か
つえられる前記シールリングに柔軟性(しなやかさ)を
付与するものである。これにより、本発明の異形の断面
形状を有するシールリングは工程数の少ない方法で製造
することができ、かつ異形の断面を有するにもかかわら
ず成形後に金型から容易にはずされうる。また、フッ素
樹脂が本来有する耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性、低摩
擦性、非接着性なども有する。
【0013】本発明において用いることのできる溶融フ
ッ素樹脂は、射出成形などの溶融加工が可能な融点を有
しており、好ましくは250〜320℃の融点を有して
いる。
【0014】かかる溶融フッ素樹脂としては、テトラフ
ルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体
(FEP)樹脂またはテトラフルオロエチレン−パーフ
ルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)樹脂
などがあげられる。
【0015】本発明において用いることのできるFEP
樹脂は、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロ
ピレンの共重合体であり、特に、適度な柔軟性をもち、
射出成形性、耐薬品性に優れている点で好ましい。市販
品としては、たとえばテフロンFEP(三井デュポンフ
ロロケミカル(株)製)、ネオフロンFEP(ダイキン
工業(株)製)などがあげられる。
【0016】また、本発明において用いることのできる
PFA樹脂は、テトラフルオロエチレンとパーフルオロ
アルキルビニルエーテルとの共重合体であり、適度な柔
軟性をもち、特に耐熱性、射出成形性、耐薬品性に優れ
ている点で好ましい。市販品としては、たとえばテフロ
ンPFA(三井デュポンフロロケミカル(株)製)、ネ
オフロンPFA(ダイキン工業(株)製)、アフロンP
FA(旭ガラス(株)製)などがあげられる。
【0017】なお、本発明においては耐熱性の点からF
EPよりPFAのほうが好ましい。
【0018】また、ガラス繊維、カーボン繊維、カーボ
ン粉末、グラファイト粉末、MoS2、タルク、顔料な
どの充填剤などを本発明の効果を損なわない範囲で適宜
配合してもよい。
【0019】本発明のシールリングは、溶融加工が可能
で、えられるシールリング柔軟性(しなやかさ)を付与
しうるフッ素樹脂を材料として用いることにより、通常
の射出成形法、注入成形法などの溶融加工によって製造
することができるが、量産性という点から通常の射出成
形法により製造するのが好ましい。
【0020】本発明の異形の断面形状をもつシールリン
グは、材料として前記溶融フッ素樹脂を用いることに最
大の特徴を有し、これにより工程数の少ない方法で製造
することができ、成形後に金型から容易にはずされう
る。したがって、本発明のシールリングの形状は従来の
ものと同様であってよい。
【0021】異形の断面形状をもつ従来からのシールリ
ングとしては、たとえば断面形状U字状の溝をもつシー
ルリングがある。かかるシールリングの形状について簡
単に説明する。
【0022】図1に、本発明のシールリングの実施の一
形態である断面形状U字状の溝をもつシールリングの概
略斜視図を示す。また、図2に、図1のa−a線断面図
を示す。
【0023】図2に示すように、本発明のシールリング
においては、後述するバネを溝に収容して使用すると
き、そのバネがはずれないようにU字状の溝の2つの上
端部1のうちの少なくとも1つの上端部に、前記溝の内
側に向かってかつシールリングの円周方向に沿って張出
部2を有する。シールリングの使用中にバネをよりはず
れにくくするためには、張出部2は2つの上端部1に、
シールリングの全周にわたって設ければよい。
【0024】また、射出成形などの溶融加工後にシール
リングを金型から取り出し易くするという点からは、図
3に示すように、張出部2をシールリングの円周方向に
沿って部分的に設けてもよい。図3に、本発明のシール
リングの実施の一形態の上面図を示す。
【0025】また、シール機能を向上させる点などか
ら、U字状の溝の2つの上端部1に、前記溝の外側に向
かってかつシールリングの円周方向に沿ってリップ部3
を設けるのが好ましい。
【0026】なお、前記張出部およびリップ部の寸法
は、本発明のシールリングの使用条件などによって適宜
選択すればよい。
【0027】つぎに、図4に、図2において、シールリ
ングの半径方向に沿って前記溝の内側から外側に向かっ
て働く態様で、前記溝にバネを収容してなるシールリン
グの断面図を示す。図4中、4はU字状バネであるが、
かかるバネは従来からのものであってよく、シールリン
グを構成する樹脂のクリープ(へたり)によるシール性
能の低下を防ぐという目的で前記溝に収容する。
【0028】以上のようにしてえられる本発明の断面形
状U字状の溝を有するシールリングは、たとえばゴム製
のOリングを使用することができないような特殊薬品、
油などを対象とするシールとして用いることができ、高
温または低温の使用条件におけるシール性に優れている
などの効果を奏する。
【0029】以下に、実施例を用いて本発明をより具体
的に説明するが、本発明はこれらのみに限られるもので
はない。
【0030】
【実施例】
実施例1(シールリング1の製造) 溶融フッ素樹脂としてダイキン工業(株)製のネオフロ
ンFEP NP−20を用い、金型温度を230℃、シ
リンダのホッパ下温度を300℃、シリンダの中部温度
を380℃、シリンダの先端温度およびノズル温度を4
00℃として、射出成形により本発明のシールリング1
をえた。
【0031】射出成形時、張出部があるにもかかわら
ず、シールリングを構成するFEP樹脂に柔軟性がある
ため、成形品であるシールリングは金型から容易にはず
すことができた。
【0032】実施例2(シールリング2の製造) 溶融フッ素樹脂をダイキン工業(株)製のネオフロンP
FA AP−210にかえたほかは、実施例1と同様に
して本発明のシールリング2をえた。
【0033】射出成形時、張出部があるにもかかわら
ず、シールリングを構成するPFA樹脂に柔軟性がある
ため、成形品であるシールリングは金型から容易にはず
すことができた。
【0034】比較例1 フッ素樹脂としてダイキン工業(株)製のポリフロンM
33(PTFE)を用いて、実施例1と同様にして射出
成形により断面形状U字状の溝を有するシールリングを
えようとしたが、溶融粘度が高く、射出成形することが
できなかった。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、従来からのシールリン
グを構成するPTFEに劣らない性能を有するFEPま
たはPFAから、射出成形などの溶融加工によって少な
い工程によりシールリングを製造することができ、かつ
材料のロスが少ないことからコストの低い方法でシール
リングをうることができる。
【0036】本発明によれば、少ない工程により量産が
容易であり、かつ材料のロスが少ないことからコストの
低い方法で断面形状U字状の溝を有するシールリングを
うることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の断面形状U字状の溝をもつシールリン
グの概略斜視図である。
【図2】図1のa−a線断面図である。
【図3】本発明の断面形状U字状の溝をもつシールリン
グの実施の一形態の上面図である。
【図4】図2において、溝にバネを収容しているシール
リングの断面図である。
【符号の説明】
1 上端部 2 張出部 3 リップ部 4 U字状バネ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 断面形状U字状の溝をもつ溶融フッ素樹
    脂からなるシールリングであって、前記溝の2つの上端
    部のうちの少なくとも1つの上端部に、前記溝の内側に
    向かって、かつシールリングの円周方向に沿って張出部
    が設けられてなるシールリング。
  2. 【請求項2】 前記溶融フッ素樹脂がテトラフルオロエ
    チレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体樹脂または
    テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニル
    エーテル共重合体樹脂である請求項1記載のシールリン
    グ。
  3. 【請求項3】 前記張出部がシールリングの円周方向に
    沿って円周の全体に設けられている請求項1または2記
    載のシールリング。
  4. 【請求項4】 シールリングの半径方向に沿って前記溝
    の内側から外側に向かって働く態様でバネが収容されて
    なる請求項1〜3のいずれかに記載のシールリング。
JP27711897A 1997-10-09 1997-10-09 溶融フッ素樹脂製シールリング Pending JPH11108193A (ja)

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