JP2008180393A - 高圧水素ガス用シール - Google Patents

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Abstract

【課題】高圧水素ガスの密封に耐えるシールを提供する。
【解決手段】シール本体4は、内リップ部1と外リップ部2によって、軸心方向に開口溝部3を形成する。軸に外嵌状に樹脂製シール本体4が嵌着可能であり、このシール本体4内にバネ5が設けられる。シール本体4の開口溝部3の奥側の底壁部19の肉厚寸法Tを、シール本体4の軸心方向寸法Hの35%〜50%とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、高圧水素ガスを密封するためのシールに関する。
最近、水素ガス燃料電池車の研究開発が進展しているが、燃料の高圧水素ガスを送る配管途中に、レギュレータ電磁弁等の弁類が用いられ、このような高圧水素ガス用の弁類に適応できる密封用シールとして、従来、適切なものがなかった。
一般的な流体用弁類のシールとしては、図9に示すように、ゴム製Oリング41が、使用され、スプール(軸)42に一体に形成された凹周溝43───いわゆる一体溝───に、2点鎖線にて示す如くOリング41を弾性的に拡径しつつ基本径端部44を超えて、装着していた。なお、45は弁本体(ハウジング又はボディとも呼ぶ)であり、その孔部45aの内周面にOリング41が接触(摺接)する。
上述の一体溝とする理由は、分割溝構造とした場合には、図9の基本径端部を別部品としてネジやボルトやスナップリング等で止着するため、スペース的に大きくなって、弁類の容積が増大する等の問題があるからである。
しかしながら、被密封用流体が上記水素ガス燃料電池車であると、例えば50MPaと高圧となり、弁類のON−OFF作動時で圧力変動もあって、上述のゴム製Oリング41ではブリスタを発生する虞があった。
また、金属(メタル)製Oリングは、一体溝構造では、図9の2点鎖線のように拡径(引き伸ばし)ができないので装着できない。かつ、スプール(軸)42が(僅小寸法)軸心方向に往復動するため、孔部45aの摩耗及び金属製Oリングの摩耗が著しく、使用に適さない。
そこで、本発明は、上述のような自動車用燃料の高圧水素ガスの圧力制御を行うレギュレータ電磁弁等の弁類に適用可能であって、従来の前記ブリスタが発生せず、高圧水素ガスの外部漏洩が僅少で、かつ、長い寿命を有するシールを提供することを、目的とする。
本発明に係る高圧水素ガス用シールは、内リップ部と外リップ部によって軸心一方向に開口溝部を形成した軸に外嵌状に装着される樹脂製シール本体と、該開口溝部内に設けられたバネと、から成る高圧水素ガス用シールに於て、上記シール本体の材質を変性PTFEとし、かつ、上記シール本体の開口溝部の奥側の底壁部の肉厚寸法を、上記シール本体の軸心方向寸法の35%〜50%に設定し、しかも、上記バネの横断面形状をU字型とし、上記軸心一方向に開口端部が向くように上記開口溝部内に設けられて該バネの上記開口端部が上記内外リップ部に接触して弾発的に押圧して上記開口溝部を開口方向に弾発付勢する軸心方向作用位置と、上記内リップ部のシール用突起及び上記外リップ部のシール用突起の頂部の軸心方向位置を、一致させたものである。
本発明は上述の構成により、次のような著大な効果を奏する。
本発明に係る高圧水素ガス用シールは、被密封流体としての水素ガスの圧力が、例えば、50MPaと高くても、底壁部を通してのガス透過を十分低く抑えることができる。しかも、不必要にシール本体が大きくなることも防いでいる。
さらに、バネの弾発付勢力が有効にシール用突起に伝達される。これによって、軸の外周面、ハウジング孔部の内周面に対する、接触面圧を十分に高めて、確実にシール性能を発揮する。
かつ、充填材入りPTFEに比べて、漏れ量が一層減少する。しかも、例えば50MPaもの高圧の水素ガスに適用可能となり、漏れが極力少なく、耐クリープ性にも優れている。
以下、図示の実施の形態に基づき本発明を詳説する。
図1〜図3に本発明の実施の一形態を示し、図2は自由状態のシールSの断面図であり、図3は装着(使用)箇所を例示する断面図であり、図1は、このシールSと装着(使用)箇所との位置関係及び寸法関係を説明する図である。
シールSは、内リップ部1と外リップ部2を有し、この内外リップ部1,2によって軸心一方向に開口溝部3を形成した横断面略U字型形状の樹脂製シール本体4と、この開口溝部3内に設けられた横断面略U字型のバネ5と、から構成される。
高圧水素ガスを制御するレギュレータ電磁弁や、その他、切換弁や流量制御弁等の弁類のハウジング(ボディ)6の孔部7と、スプールや弁棒(弁本体)等の軸8との間に形成された収納凹所9に、上記シールSが装着される。
この軸8は、収納凹所9の低圧側の奥底面を形成する段付面10が形成され、上記孔部7よりも僅かに小さい外径寸法D0 の大径部(ランド部)11と、上記内リップ部1が摺接(接触)する小径部12が、上記段付面10にて区画形成されている。
シールSの軸心方向寸法Hよりも僅かに大きい軸心方向寸法H0 だけ、段付面10から離れた位置に、シール抜け止め用小凸条13を、軸8の外周面8aに、一体に形成する。具体的には、この小凸条13は、小径部12の外周面に突出状に一体形成された略不等辺三角形状であって、小径部12の先端面14側は、緩やかなテーパ面(傾斜面)13aであり、段付面10側は軸8の軸心15と略直交方向乃至急な勾配面若しくは小アール状とした係止面13bである。
上記軸心方向寸法H0 は、この係止面13bから、段付面10までの間隔寸法を指すものとする。そして、次式(1) が成立するように、軸心方向寸法H0 を設定する。
1.10×H≦H0 ≦1.25×H (1)
言い換えると、このシールSは、軸8の軸心方向の動きに対してルーズであって余裕がある。
そして、シール抜け止め用小凸条13の外径寸法D13を、上記軸8が収納凹所9の内周面を形成する部位の外径寸法D12の 104%〜 125%に設定する。特に、 105%〜 110%が望ましい。
これを式で示せば、次式(2)(3)のようになる。
1.04×D12≦D13≦1.25×D12 (2)
望ましくは、
1.05×D12≦D13≦1.10×D12 (3)
なお、上述の軸8が収納凹所9の内周面を形成する部位とは、具体的には、小径部12が相当している。
ところで、シールSについて詳しく説明すると、シール本体4の材質としては、変性PTFEが好ましく、バネ5の材質としてはNi−Cr系の耐食合金が好ましい。
本発明に於て、変性PTFEとは、テトラフルオロエチレンとパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)との共重量体を意味するものとする。このような変性PTFEの一例としては、一般式R−O−CF=CF2 で表されるパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)の少なくとも1種とテトラフルオロエチレンとの共重合体が用いられる。またパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)としては、上記式中のRが炭素数3〜4のパーフルオロアルキル基であるもの、例えばパーフルオロ(プロピルビニルエーテル)、パーフルオロ(ブチルビニルエーテル)などが好ましい。さらにパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)を 0.1〜10重量%、好ましくは 0.5〜5重量%含有するのが好ましい。
そして、充填材を混入させない材質が望ましい。その理由は、例えば50MPa等の高圧水素ガスの圧力が作用すると、充填材入りPTFEでは、内外リップ部1,2の表面が粗くなり(微小凹凸が生じ)、軸8の外周面及び孔部7の内周面に接触する部位(接面)から高圧水素ガスが漏れ易くなる。
バネ5に適用するNi−Cr系の耐食合金としては、Ni76%,Cr16%,Fe8%の耐食合金インコネル(登録商標)が水素ガスに対する耐食性の点で優れている。
そして、内リップ部1はシール用突起16と、軸8の小径部12の小凸条13の係止面13bに係止可能な係止用突起17を、有する。
係止用突起17は、内リップ部1の先端面18と連続平坦面状に形成された軸心直交面と、シール本体4の厚肉の底壁部19側へしだいに拡径する勾配面20と、を有する三角山型である。
シール用突起16は、軸心直交面21と、底壁部19側へしだいに拡径する勾配面22と、を有する三角山形である。両突起16, 17はその内径寸法を相互に同一に設定し、先端面18寄りの突起17は、図1の状態のように軸心方向に余裕をもってルーズに収納凹所9に装着された状態で、シール本体4が抜け出ようとした場合に、軸8(小径部12)のシール抜け止め用小凸条13の係止面13bに、係止して、確実に抜け止めされる。かつ、この係止用突起17は、隣接されたシール用突起16と同様にシール(密封)作用もはたす。言い換えれば、シール本体4は内周面側に、2重シールリップ(シール突起)を備えている。
他方、外リップ部2は、頂点から先端と基端方向へ緩やかな勾配面を有する低三角形状のシール用突起23を有する。図2から分かるように、外リップ部2側のシール用突起23と、内リップ部1側のシール用突起16は、軸心15と直交する同一平面上に配設され、さらに、開口溝部3を開口方向に弾発付勢するバネ5の軸心方向作用位置と、両シール用突起16,23の頂部(頂点)の軸心方向位置を、一致させている。
バネ5は横断面U字型であって、先端側───高圧水素ガス収納空室24側───へ開口状となるように、シール本体4の開口溝部3へ組込まれている。横断面U字型の開口端部25,25が内外リップ部1,2に接触して弾発的に押圧する軸心方向位置が、前記軸心方向作用位置であり、結局、軸心15と直交する一平面上に、バネ5の作用位置(開口端部25,25)、及び、内外のシール用突起16, 23の頂部(頂点)が、配設される。
これによって、バネ5の弾発付勢力が、直接的かつ有効に、シール用突起16, 23の相手部材───軸8の外周面及び孔部7内周面───への接触面圧増大に寄与できて、高い密封(シール)性を発揮する。
また、図1と図2に示すように、軸8の段付面10に対応(対面)するシール本体4の底壁部19の肉厚寸法Tを、シール本体4の軸心方向寸法Hの35%〜50%と十分に(他の部分よりも)厚く設定する。即ち、次式のように設定する。
0.35 ×H≦T≦0.50×H (4)
上記式(4) に於て、下限値未満であると急激に気体(高圧水素ガス)の透過量が増大する。逆に、上限値を越すと、シールとしての不必要な部分が増加し、材料の無駄が生ずる。
図1〜3の実施の形態に於て、シール抜け止め用小凸条13の外径寸法D13は前記(3) 式のように、十分小さく設定されているので、シール本体4の内リップ部1は、軽く弾性変形しつつ容易に、収納凹所9内へ装着でき、収納凹所9内で内リップ部1───特にシール用突起16と係止用突起17───は弾性復元力が損なわれることなく、従って、十分なシール用接触面圧が得られて、優れたシール性能を発揮できる。
このとき、緩やかなテーパ面(傾斜面)13aによって、一層、軽くかつ容易に、シールSが小凸条13を越えることが可能となる。かつ、係止面13bは、軸心15に直交する略平面状であるので、一旦装着されたシールSはその係止用突起17が確実に係止して、シールSが収納凹所9から抜け出ない(飛び出さない)という利点がある。
そして、前記(3) 式に於て、外径寸法D13が下限値未満であると、多数のシールSの内で、使用条件によって、小凸条13を乗り越えて、収納凹所9から抜け出るものが、急に増加する。逆に、上限値を越すと、シール装着時に小凸条13によって、内リップ部1のシール用突起16が損傷を受け、あるいは、上述の樹脂材質ではシール用突起16が拡径方向に塑性変形してしまって、高圧水素ガスの漏洩量が、急激に増加する。
次に、図4、図5、図6、図7は各々他の実施の形態を示す。
図4と図5に於て、(図2と比較すれば明らかなように、)内リップ部1のシール用突起26が、外リップ部2のシール用突起23と同様の低三角山型とした場合であって、かつ、軸8のシール抜け止め用小凸条13の外径寸法D13が、軸8の外径寸法12に対して、比較的大きい場合を示す。
図6に於て、内リップ部1のシール用突起27を、シール本体4の内リップ部1の先端面と一致した位置とし、従って、シール抜け止め用小凸条13に、この突起27が係止して、抜け止めの役目も兼ねる構造である。
図7に於て、内リップ部1のシール用突起(接触部)28を、軸心方向に小さな幅のある面状とし、バネ5の開口端部25の弾発付勢力が、シール用突起(接触部)28に伝わり易くした構成である。即ち、図6ではバネ5の開口端部25の軸心方向位置と、シール用突起27の位置とが、僅かにずれていたのを、図7では、面状のシール用突起(接触部)28の少なくとも一部を、バネ5の開口端部25の軸心方向位置と一致させて、バネ5の弾発付勢力を、有効に軸との接触面圧増加に、活用している。
図8は、既述の図1〜図3の実施の形態を、図4〜図7と比較のために改めて図示したものであり、図7の面状に接触するシール用突起28を、線状に近く、接触する三角形状のシール用突起16とすると共に、図6に示したシール兼係止用の突起27を、別途、先端側の突起17として、付設した構成である。
この図4〜8は、以下に述べる実施例及びその漏れ試験の実測結果に対応する。
実施例1,2,3,4,5は夫々図4,図5,図6,図7,図8に対応し、バネ5を装着前の自由状態のシールSの径方向寸法(厚さ寸法)Wは全て 1.7mm、軸心方向寸法Hは全て 2.7mm、底壁部19の肉厚寸法Tを 1.0mm、底壁部19の内径d1 、外径d2 を夫々 3.1mm、 5.9mmとし、シール本体4の材質を前述の変性PTFE、バネ5の材質をインコネル(登録商標)を用いた。
他方、軸8の小径部12の(基本)外径寸法D12は全て 3.0mmとし、シール抜け止め用小凸条13の外径寸法D13は、図4では 3.8mm(1.27×D12)、図5では 3.6mm(1.20×D12)、図6〜図8では 3.2mm(1.07×D12)とする。また、ハウジング孔部7の内径寸法は、全て 6.0mmとした。
漏れ試験用流体として、20kgf/cm2 の窒素ガスを用いて、漏れ量を測定した結果を、次の表1に示す。
Figure 2008180393
上記表1から次のことが分かる。
シール抜け止め用小凸条13の外径寸法D13の軸外径寸法D12に対する比が、 125%を越すと急激に漏れ量Qが増加する(実施例1)。その理由は、装着時にシール本体4の内リップ部1が大きく拡径した状態で小凸条13を乗り越えるため、シール用突起26が装着後も拡径状態となって十分な軸との接触面圧が得られないためと考えられる。
そこで、図5(実施例2)のように、(D13/D12)の百分率を 120%とすれば、漏れ量が約1/10に急に改善されることが分かる。
さらに、図6(実施例3)のように、(D13/D12)の百分率を 107%と低減し、シール装着時の拡径(引き伸ばし)の度合を低く抑えると共に、シール用突起27を(図6のように)先端面18に形成すると、 4.8mL/min に減少している。
図7(実施例4)のように、(D13/D12)の百分率をそのままで、シール用突起28を帯状(面状)に軸8に接触するようにし、バネ5の弾発力がその接触する部位に伝わり易くすると、 1.4mL/min まで漏れは減少する。
次に、図8(実施例5)の如く、軸8に対して、線接触状に接触するようなシール用突起16を変更し、かつ、先端に係止用突起17を付加すると、漏れは 0.3mL/min と、著しく減少していることが分かる。
なお、(D13/D12)の百分率を 107%未満とした試作品でも漏れ試験を行ったところ、シールが収納凹所9から抜け出る(飛び出す)ことが発生する。このようにシールが収納凹所9から抜け出ない((D13/D12)の下限値が、 107%である。
上述のように、内リップ部1と外リップ部2によって軸心一方向に開口溝部3を形成した樹脂製シール本体4と、開口溝部3内に設けられたバネ5と、から成るシールSを、ハウジング孔部7と軸8との間に形成された収納凹所9に装着した密封構造に於て、シール本体4の材質を変性PTFEとし、かつ、軸8には、収納凹所9の奥底面を形成する段付面10が形成され、シールSの軸心方向寸法Hよりも大きい寸法H0 だけ段付面10から離れた位置に、シール抜け止め用小凸条13を軸8の外周面8aに、一体に形成し、さらに、シール抜け止め用小凸条13は、軸8の先端側にしだいに縮径する緩やかなテーパ面13aを有すると共に段付面10側は軸心15に略直交する係止面13bを有する略不等辺三角形状であって、シール抜け止め用小凸条13の外径寸法D13を、軸8が収納凹所9の内周面を形成する部位の外径寸法D12の 105%〜 110%に設定したことによって、構造が簡素で、高圧水素ガス密封構造の容積が増加せず、コンパクトであって、軸8の端部又はハウジング孔部7に抜け止め部材をネジ等で取付ける必要がない。そして、シールSの収納凹所9への装着作業も容易かつ迅速に行い得る。従って、水素ガス燃料電池車のレギュレータ電磁弁等の弁類に好適な密封構造であるといえる。
さらに、シールSを収納凹所9へ装着する際、シール本体4(の内リップ部1)の引き伸ばしを抑えることができて、使用状態で流体漏れを微量に抑えることができる。しかも、装着後(使用状態)において、圧力変動あるいは軸8と孔部7の相対的動きに伴って、シールSが収納凹所9から抜け出ることも、防止できる。特に、シール抜け止め用小凸条13は緩やかなテーパ面13aを有する略不等辺三角形状として軸8に一体形成されているので、シールSが、軽くかつ容易に小凸条13を越えることが可能となる。しかも、小凸条13は軸心15に略直交する係止面13bを有するので、一旦装着されたシールSは収納凹所9から抜け出ない(飛び出さない)。
また、上述のように、内リップ部1と外リップ部2と底壁部19によって軸心一方向に開口溝部3を形成した樹脂製シール本体4と、開口溝部3内に設けられたバネ5と、から成る高圧水素ガス用シールに於て、内リップ部1が、シール用突起16と、軸8の外周面8aに形成されたシール抜け止め用小凸条13に係止可能な係止用突起17を有し、シール用突起16は、軸心直交面21と、底壁部19側へしだいに拡径する勾配面22と、を有する三角山型であり、さらに、係止用突起17は、内リップ部1の先端面18と連続平坦面状に形成された軸心直交面と、底壁部19側へしだいに拡径する勾配面20と、を有する三角山型であるので、内リップ部1が軸8に直接的に接触する部分が、シール用突起16と係止用突起17の2重の構造であるので、シール(密封)性が極めて高い。
また、係止用突起17によって、確実にシールSの抜け出ることを防止できる。かつ、シール用突起16の軸8への接触面圧も十分に高め得て、優れたシール(密封)性を発揮できる。
また、上述のように、内リップ部1と外リップ部2によって軸心一方向に開口溝部3を形成した軸8に外嵌状に装着される樹脂製シール本体4と、開口溝部3内に設けられたバネ5と、から成る高圧水素ガス用シールに於て、シール本体4の材質を変性PTFEとし、かつ、シール本体4の開口溝部3の奥側の底壁部19の肉厚寸法Tを、シール本体4の軸心方向寸法Hの35%〜50%に設定し、しかも、バネ5の横断面形状をU字型とし、軸心一方向に開口端部25,25が向くように開口溝部3内に設けられてバネ5の開口端部25,25が内外リップ部1,2に接触して弾発的に押圧して開口溝部3を開口方向に弾発付勢する軸心方向作用位置と、内リップ部1のシール用突起16及び外リップ部2のシール用突起23の頂部の軸心方向位置を、一致させたので、被密封流体としての水素ガスの圧力が、例えば、50MPaと高くても、底壁部19を通してのガス透過を十分低く抑えることができる。しかも、不必要にシール本体4が大きくなることも防いでいる。
さらに、バネ5の弾発付勢力が有効にシール用突起16, 23に伝達される。これによって、軸8の外周面、ハウジング孔部7の内周面に対する、接触面圧を十分に高めて、確実にシール性能を発揮する。
かつ、充填材入りPTFEに比べて、漏れ量が一層減少する。しかも、例えば50MPaもの高圧の水素ガスに適用可能となり、漏れが極力少なく、耐クリープ性にも優れている。
本発明に係る高圧ガス用シールの一実施形態の使用構造及び位置関係及び寸法関係を説明する図である。 シールの断面図である。 シールが装着される箇所の説明断面図である。 他の実施の形態を示す説明図である。 別の実施の形態を示す説明図である。 さらに他の実施の形態を示す説明図である。 さらに別の実施の形態を示す説明図である。 上記実施の一形態を他と比較のために示す説明図である。 従来例を示す断面説明図である。
符号の説明
1 内リップ部
2 外リップ部
4 シール本体
5 バネ
6 ハウジング(ボディ)
7 孔部
8 軸
8a 外周面
9 収納凹所
10 段付面
13 シール抜け止め用小凸条
15 軸心
16 シール用突起
17 係止用突起
18 先端面
19 底壁部
20 勾配面
21 軸心直交面
22 勾配面
23 シール用突起
25 開口端部
S シール
T 肉厚寸法
0 ,D12,D13 外径寸法
0 ,H1 軸心方向寸法

Claims (1)

  1. 内リップ部(1)と外リップ部(2)によって軸心一方向に開口溝部(3)を形成した軸(8)に外嵌状に装着される樹脂製シール本体(4)と、該開口溝部(3)内に設けられたバネ(5)と、から成る高圧水素ガス用シールに於て、上記シール本体(4)の材質を変性PTFEとし、かつ、上記シール本体(4)の開口溝部(3)の奥側の底壁部(19)の肉厚寸法(T)を、上記シール本体(4)の軸心方向寸法(H)の35%〜50%に設定し、しかも、上記バネ(5)の横断面形状をU字型とし、上記軸心一方向に開口端部 (25)(25) が向くように上記開口溝部(3)内に設けられて該バネ(5)の上記開口端部 (25)(25) が上記内外リップ部 (1)(2) に接触して弾発的に押圧して上記開口溝部(3)を開口方向に弾発付勢する軸心方向作用位置と、上記内リップ部(1)のシール用突起(16)及び上記外リップ部(2)のシール用突起(23)の頂部の軸心方向位置を、一致させたことを特徴とする高圧水素ガス用シール。
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