JP2016205577A - シール材及びそれを用いたシール構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】安価で且つ耐摩耗性の優れるシール材を提供する。
【解決手段】シール材100は、周方向に延びるように形成された無端の凹溝111を有する環状のシール材本体110と、シール材本体110の凹溝111に嵌め入れられて凹溝111を形成する両側の側壁部112,113を外向きに押圧する内装弾性体120とを備える。シール材本体110は、ポリアミド樹脂とポリオレフィン樹脂とを含み、且つJIS K7210に準じ、温度230℃及び荷重21.18Nの条件で測定されるメルトフローレートが1〜50g/10minである樹脂組成物で形成されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、シール材及びそれを用いたシール構造に関する。
医療機器や塗料機器等に用いられる液体密封用のシール材として、環状のシール材本体に形成された凹溝にOリング等の内装弾性体が嵌め入れられたものが知られている。例えば、特許文献1には、かかるシール材において、シール材本体を、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(以下「PTFE樹脂」という。)、ポリアミド樹脂、及びポリエチレン樹脂のうち1種又は2種以上により形成することが開示されている。
特許第4426334号公報
上記シール材において、シール材本体をPTFE樹脂で形成した場合、切削加工に時間を要するため高価となり、また、相手材がアルミニウムのような軟質金属で形成されていると、相手材を傷つけるのを回避するために高価で特殊な充填材を配合する必要がある。また、シール材本体をポリアミド樹脂のみ、或いは、ポリエチレン樹脂のみで形成した場合、十分な耐摩耗性を得ることができない。
本発明の課題は、安価で且つ耐摩耗性の優れるシール材を提供することである。
本発明は、周方向に延びるように形成された無端の凹溝を有する環状のシール材本体と、前記シール材本体の前記凹溝に嵌め入れられて前記凹溝を形成する両側の側壁部を外向きに押圧する内装弾性体とを備えたシール材であって、前記シール材本体は、ポリアミド樹脂とポリオレフィン樹脂とを含み、且つJIS K7210に準じ、温度230℃及び荷重21.18Nの条件で測定されるメルトフローレートが1〜50g/10minである樹脂組成物で形成されている。
本発明は、第1及び第2部材と、周方向に延びるように形成された無端の凹溝を有する環状のシール材本体と前記シール材本体の前記凹溝に嵌め入れられて前記凹溝を形成する両側の側壁部を外向きに押圧する内装弾性体とを備え、前記両側の側壁部の一方が前記第1部材に接触し且つ他方が前記第2部材に接触するように設けられて前記第1及び第2部材間を密封するシール材とを有するシール構造であって、前記シール材の前記シール材本体は、ポリアミド樹脂とポリオレフィン樹脂とを含み、且つJIS K7210に準じ、温度230℃及び荷重21.18Nの条件で測定されるメルトフローレートが1〜50g/10minである樹脂組成物で形成されている。
本発明によれば、シール材本体が、ポリアミド樹脂とポリオレフィン樹脂とを含み、且つJIS K7210に準じ、温度230℃及び荷重21.18Nの条件で測定されるメルトフローレートが1〜50g/10minである樹脂組成物で形成されているので、PTFE樹脂に比べると材料コストが低く、しかも射出成形が可能であることから加工コストも低く、更に材料特性として高い耐摩耗性を有することから、安価で且つ優れた耐摩耗性を得ることができる。
実施形態1に係るシール材の斜視図である。 実施形態1に係るシール材の平面図である。 図2におけるIII-III断面図である。 実施形態1に係るシール材の一部分の断面拡大図である。 実施形態1に係るシール材を用いた第1のシール構造の一部分の断面拡大図である。 実施形態1に係るシール材を用いた第2のシール構造の一部分の断面拡大図である。 実施形態2に係るシール材の拡大断面図である。 実施形態2に係るシール材を用いたシール構造の一部分の断面拡大図である。 実施形態3に係るシール材の拡大断面図である。 実施形態4に係るシール材を用いたシール構造の一部分の断面拡大図である。 シール材の変形例の一部分の断面拡大図である。 耐摩耗性試験の説明図である。
以下、実施形態について詳細に説明する。
[実施形態1]
(シール材100)
図1〜4は、実施形態1に係るシール材100を示す。実施形態1に係るシール材100は、例えば固定された、又は、往復動、回転動、揺動等の運動をする軸部材と、それが挿通される外装部材との間に介設されるものである。
実施形態1に係るシール材100は、環状のシール材本体110とそれに収容された内装弾性体120とを備えたいわゆるU字状の複合シール材である。実施形態1に係るシール材100は、例えば、内径が6〜300mm、及び外径が12〜320mmである。
シール材本体110は、軸方向の一方に開口すると共に周方向に延びるように形成された断面コの字状の環状の凹溝111を有する。凹溝111を形成する両側の内側側壁部112及び外側側壁部113のそれぞれの外側の面には、凹溝111の開口の近傍に、外向きに突出するように形成されたリップ114が設けられている。また、シール材本体110の内側側壁部112及び外側側壁部113のそれぞれの凹溝111の開口端には、内向きに突出するように形成された係合爪115が設けられている。
シール材本体110は、ポリアミド樹脂とポリオレフィン樹脂とを含む熱可塑性の樹脂組成物で形成されている。
シール材本体110を形成する樹脂組成物に含まれるポリアミド樹脂としては、例えば、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612などの脂肪族ナイロン、ナイロン6Tやナイロン9Tの半芳香族ナイロン、ポリアミドエラストマー等が挙げられる。ポリアミド樹脂は、単一種のみが含まれていても、また、複数種が含まれていても、どちらでもよい。シール材本体110を射出成形する場合、その成形時には、樹脂組成物を、そこに含まれるポリアミド樹脂の融点以上に加熱する必要がある。その際、樹脂組成物に含まれるポリオレフィン樹脂が熱分解して機械的特定が低下するのを抑制する観点から、ポリアミド樹脂の融点は230℃未満であることが好ましい。ここで、融点は、JIS K7122に準じた示差走査熱量測定(DSC)による昇温速度10℃/分としたときの融解ピークの温度として測定される。
シール材本体110を形成する樹脂組成物に含まれるポリオレフィン樹脂は、例えば、α−オレフィンの単独重合体又は共重合体である。α−オレフィンとしては、例えば、エチレン(分子内炭素数:2)、プロピレン(分子内炭素数:3)、1−ブテン(分子内炭素数:4)、1−ペンテン(分子内炭素数:5)、1−ヘキセン(分子内炭素数:6)、1−オクテン(分子内炭素数:8)、1−デセン(分子内炭素数:10)、1−ドデセン(分子内炭素数:12)、4−メチル−1−ペンテン(分子内炭素数:6)、3−メチル−1−ペンテン(分子内炭素数:6)等が挙げられる。α−オレフィンの分子内炭素数は、好ましくは2〜20、より好ましくは2〜10である。
具体的には、ポリオレフィン樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンプロピレン共重合体、マレイン酸変性ポリプロピレン等が挙げられる。ポリオレフィン樹脂は、エチレンの単独重合体、及び/又は、エチレンを主成分とする共重合体を含むことが好ましい。
シール材本体110を形成する樹脂組成物に含まれるポリオレフィン樹脂は、超高分子量ポリオレフィン(以下「A成分」という。)と高分子量乃至低分子量ポリオレフィン(以下「B成分」という。)とを含んでいてもよい。
A成分の粘度平均分子量は、シール材本体110の良好な耐摩耗性が得られる観点から、好ましくは30万以上であり、また、良好な成形性が得られるという観点から、好ましくは700万以下、より好ましくは100万以下である。B成分の粘度平均分子量は、シール材本体110表面へのブリードを抑制する観点から、好ましくは5000以上、より好ましくは1万以上であり、また、良好な成形性が得られるという観点から、好ましくは30万未満、より好ましくは20万以下である。ここで、粘度平均分子量は、JIS K7367に準じた極限粘度数の測定から求められる。
A成分とB成分との含有質量比は、シール材本体110の良好な耐摩耗性が得られると共に良好な成形性が得られるという観点から、好ましくはA成分/B成分=15/85〜95/5、より好ましくは30/70〜80/20である。
A成分とB成分とを含むポリオレフィンは、多段重合法により得ることができる。例えば、特開昭63−12606号公報や特開昭63−10647号公報には、チーグラー型触媒の存在下においてオレフィンを重合させてA成分を生成させる重合工程と、水素の存在下においてオレフィンを重合させてB成分を生成させる重合工程とを含む多段重合法が開示されている。
シール材本体110を形成する樹脂組成物におけるポリアミド樹脂とポリオレフィン樹脂との含有質量比は、好ましくはポリアミド樹脂/ポリオレフィン樹脂=55/45〜97/3、より好ましくは70/30〜90/10である。従って、ポリアミド樹脂の含有質量の方がポリオレフィン樹脂の含有質量よりも多いことが好ましい。
シール材本体110を形成する樹脂組成物には、必要に応じて充填剤や添加剤が配合されていてもよい。充填剤としては、例えば、ガラス繊維、ブロンズ微粒子、カーボン繊維、カーボンブラック微粒子、カーボングラファイト微粒子、フッ素樹脂微粉末、二硫化モリブデン微粒子、ポリフェニレンサルファイド樹脂微粉末、ポリイミド樹脂微粉末等が挙げられる。充填剤は、使用条件や用途に応じて配合され、例えば、荷重変形率を小さくしたい場合には、ガラス繊維、ブロンズ微粒子、カーボン繊維等が用いられ、また、耐摩耗性を高めたい場合には、カーボングラファイト微粒子、フッ素樹脂微粉末、二硫化モリブデン微粒子が用いられ、カーボングラファイト微粒子が好適に用いられる。カーボングラファイト微粒子の配合量は、機械特性を損なわずに耐摩耗性を高める観点から、ポリアミド樹脂とポリオレフィン樹脂との総量に対して、好ましくは0.1〜20質量%、より好ましくは1〜15質量%である。カーボングラファイト微粒子の粒径は例えば0.1〜200μmである。添加剤としては、例えば、潤滑剤、酸化防止剤、加工助剤、着色剤、分散剤等が挙げられる。
シール材本体110を形成する樹脂組成物は、JIS K7210に準じ、温度230℃及び荷重21.18Nの条件で測定されるMFRが1〜50g/10minである。この樹脂組成物のMFRは、好ましくは2g/10min以上、より好ましくは5g/10min以上であり、また、好ましくは30g/10min以下、より好ましくは20g/10min以下である。
シール材本体110を形成する樹脂組成物は、ASTM D1505に準じて測定される密度が例えば990〜1250kg/mである。
シール材本体110を形成する樹脂組成物は、シール材本体110の高圧下における耐変形性及び耐摩耗性を高める観点から、ASTM D695に準じて測定される25℃条件下での10%歪み時の圧縮強度が、好ましくは20MPa以上、より好ましくは25MPa以上であり、また、好ましくは200MPa以下、より好ましくは180MPa以下である。
シール材本体110を形成する樹脂組成物は、ASTM D621に準じて測定される荷重変形率が、好ましくは10%以下、より好ましくは8%以下である。
シール材本体110を形成する樹脂組成物は、シール材本体110の高圧下における耐変形性を高める観点から、ASTM D790に準じて測定される曲げ弾性率が、好ましくは1.5GPa以上、より好ましくは2GPa以上である。
シール材本体110は、射出成形によって製造することができる。射出成形では、シール材本体110を効率よく安価に製造することができる。
シール材本体110の製造に用いる樹脂組成物は、ポリアミド樹脂及びポリオレフィン樹脂並びにその他の充填剤を、例えば、二軸押出機、ニーダー、リボンブレンダー、流動式混合機等により混練して調製してもよく、また、市販材料をそのまま使用してもよい。かかる市販材料としては、例えば三井化学社製の商品名「リュブマーLS4140」等が挙げられる。
内装弾性体120は、高弾性のステンレス鋼等で形成された断面U字状の複数の板バネ120aで構成されている。内装弾性体120を構成する複数の板バネ120aは、シール材本体110の凹溝111に、周方向に間隔をおいて配設され、且つ、各々、開口が凹溝111の開口が一致すると共に、開口端が係合爪115に係合するように嵌め入れられている。板バネ120aの自然状態の開口幅は凹溝111の内幅よりも大きく、従って、内装弾性体120を構成する複数の板バネ120aのそれぞれは、シール材本体110の内側側壁部112及び外側側壁部113の内側面を外向きに押圧する。
以上の構成の実施形態1に係るシール材100によれば、シール材本体110が、ポリアミド樹脂とポリオレフィン樹脂とを含み、且つJIS K7210に準じ、温度230℃及び荷重21.18Nの条件で測定されるメルトフローレートが1〜50g/10minである樹脂組成物で形成されているので、PTFE樹脂に比べると材料コストが低く、しかも射出成形が可能であることから加工コストも低く、更に材料特性として高い耐摩耗性を有することから、安価で且つ優れた耐摩耗性を得ることができる。
(シール構造200)
図5は、実施形態1に係るシール材100が軸部材210に装着された第1のシール構造200を示す。
第1のシール構造200では、軸部材210の端部の外周縁に段差部211が設けられており、その段差部211に、外径が軸部材210の外径よりもやや大きく且つ内径が段差部211の外径にほぼ等しいシール材100が、凹溝111の開口が高圧側となり且つシール材本体110の内側側壁部112の外側面が接触するように外嵌めされている。また、軸部材210には、シール材100の脱落を阻止するように、軸部材210の端部周縁の段差部211との間でシール材100の収容溝230を形成するアダプタ240が取り付けられている。そして、シール材100が装着された軸部材210が、シール材本体110の外側側壁部113の外側面のリップ114が接触し且つ軸部材210との間に隙間が形成されるように、外装部材220に挿入されている。従って、第1のシール構造200では、シール材100は、シール材本体110の内側側壁部112の外側面が第1部材の軸部材210の収容溝230の底面に接触し、且つ外側側壁部113の外側面が第2部材の外装部材220の内周面に接触するように設けられてそれらの間を密封する構成、つまり、運動する第1部材と不動の第2部材との間に介設される運動用のシール材100として用いられている。
第1のシール構造200において、低圧条件下では、内装弾性体120の弾性力がシール材本体110の内側側壁部112及び外側側壁部113の内側面に作用して軸部材210及び外装部材220間のシール性が維持される。また、中圧乃至高圧条件下では、内装弾性体120の弾性力に加えて流体圧力もがシール材本体110の内側側壁部112及び外側側壁部113の内側面に作用して軸部材210及び外装部材220間のシール性が維持される。
図6は、実施形態1に係るシール材100が外装部材220に装着された第2のシール構造200を示す。
第2のシール構造200では、外装部材220の端部の内周縁に段差部221が設けられており、その段差部221に、内径が外装部材220の内径よりもやや小さく且つ外径が段差部221の内径にほぼ等しいシール材100が、凹溝111の開口が高圧側となり且つシール材本体110の外側側壁部113の外側面が接触するように内嵌めされている。また、外装部材220には、シール材100の脱落を阻止するように、外装部材220の段差部221との間でシール材100の収容溝230を形成するアダプタ240が取り付けられている。そして、シール材100が装着された外装部材220に、シール材本体110の内側側壁部112の外周面のリップ114が接触し且つクリアランスを有するように、軸部材210が挿入されている。従って、第2のシール構造200でも、シール材100は、シール材本体110の内側側壁部112の外側面が第1部材の軸部材210の外周面に接触し、且つ外周側部分113の外側面が第2部材の外装部材220の収容溝230の底面に接触するように設けられてそれらの間を密封する構成、つまり、運動する第1部材と不動の第2部材との間に介設される運動用のシール材100として用いられている。
この第2のシール構造200においても、第1のシール構造200と同様のメカニズムにより軸部材210及び外装部材220間のシール性が維持される。
[実施形態2]
図7は、実施形態2に係るシール材100を示す。図8は、実施形態2に係るシール材100が装着されたシール構造200を示す。なお、実施形態1と同一名称の部分は実施形態1と同一符号で示す。
実施形態2に係るシール材100では、シール材本体110は、内周側に開口すると共に周方向に延びるように形成された断面コの字状の環状の凹溝111を有する。凹溝111は、軸方向の両側の一対の側壁部112,113によって形成されている。
実施形態2に係るシール材100が装着されたシール構造200では、シール材100は、管内圧力が高圧とされる管状部材250の管端面上に開口を囲うように設けられ、且つその管端面と、管状部材250の開口を封じるように設けられると共に管状部材250の管端に設けられたフランジ251にボルト252で固定された封止部材260との間で挟持されている。従って、このシール構造200では、シール材100は、シール材本体110の一方の側壁部112の外側面が第1部材の管状部材250の管端面に接触し、且つ他方の側壁部113の外側面が第2部材の封止部材260の内側面に接触するように設けられてそれらの間を密封する構成、つまり、不動の第1及び第2部材間に介設される固定用のシール材100として用いられている。
その他の構造及び作用効果は実施形態1と同一である。
[実施形態3]
図9は、実施形態3に係るシール材100を示す。図10は、実施形態3に係るシール材100が装着されたシール構造200を示す。なお、実施形態1及び2と同一名称の部分は実施形態1及び2と同一符号で示す。
実施形態3に係るシール材100では、シール材本体110は、外周側に開口すると共に周方向に延びるように形成された断面コの字状の環状の凹溝111を有する。凹溝111は、軸方向の両側の一対の側壁部112,113によって形成されている。
実施形態3に係るシール材100が装着されたシール構造200では、シール材100は、管内圧力が低圧とされる管状部材250の端部に設けられたフランジ251に管状部材250の開口を囲うように形成された収容溝に収容されていると共に、そのフランジ251と、管状部材250の開口を封じるように設けられて嵌合部261がフランジ251に内嵌め固定された封止部材260との間で挟持されている。従って、このシール構造200では、シール材100は、シール材本体110の一方の側壁部112の外側面が第1部材のフランジ251の収容溝の底面に接触し、且つ他方の側壁部113の外側面が第2部材の封止部材260の内側面に接触するように設けられてそれらの間を密封する構成、つまり、不動の第1及び第2部材間に介設される固定用のシール材100として用いられている。
その他の構造及び作用効果は実施形態1と同一である。
[その他の実施形態]
上記実施形態1〜3では、断面U字状の複数の板バネ120aで内装弾性体120を構成したが、特にこれに限定されるものではなく、図11に示すように、ゴム製のOリングで内装弾性体120を構成してもよく、その他のコイルばねやヘリカルばねやゴムリングであってもよい。
(樹脂組成物)
<実施例1>
実施例1の樹脂組成物として、ポリアミド樹脂とポリオレフィン樹脂とを含む市販の樹脂組成物(三井化学社製 商品名:リュブマーLS4140)を準備した。実施例1の樹脂組成物は、JIS K7210に準じ、温度230℃及び荷重21.18Nの条件で測定されるMFRが14g/10min、ASTM D1505に準じて測定される密度が1099kg/m、及びASTM D790に準じて測定される温度25℃での曲げ弾性率が2.2GPaである。
そして、簡易射出成形機(井元製作所社製 型番:1614/1615)を用い、実施例1の樹脂組成物により、直径φ8mm及び長さ10mmの圧縮強度測定用の円柱状試験片、直径φ14.3mm、長さ12.7mmの荷重変形率測定用の円柱状試験片、直径φ4mm及び長さ10mmの耐摩耗性試験用の円柱状試験片を射出成形により作製した。このときシリンダー温度を250℃とした。乾燥温度を80℃及び乾燥時間を10時間として真空乾燥した。
<実施例2>
実施例2の樹脂組成物として、ポリアミド樹脂とポリオレフィン樹脂とを含む市販の樹脂組成物(三井化学社製 商品名:リュブマーLS4140)95質量%にカーボングラファイト微粒子(オリエンタル産業社製 商品名:AT−No.20)5質量%を押出機によって混練添加した樹脂組成物を準備した。実施例2の樹脂組成物は、JIS K7210に準じ、温度230℃及び荷重21.18Nの条件で測定されるMFRが13g/10min、ASTM D1505に準じて測定される密度が1123kg/m、及びASTM D790に準じて測定される温度25℃での曲げ弾性率が2.3GPaである。
そして、実施例2の樹脂組成物により、実施例1の場合と同様にして、円柱状試験片を射出成形により作製した。
<比較例1>
比較例1の樹脂組成物として、液晶ポリマー(LCP)を充填材として25質量%含むPTFEの丸棒を準備した。比較例1の樹脂組成物は、密度が1960kg/m、及び温度25℃での曲げ弾性率が1.5GPaである。なお、PTFEは、ほとんど溶融しないためMFRは測定不能である。
そして、比較例1の樹脂組成物により、実施例1の場合と同形状の円柱状試験片を切削加工により作製した。
<比較例2>
比較例2の樹脂組成物として、ポリオレフィン樹脂を含む市販の樹脂組成物(三井化学社製 商品名:リュブマーL3000)を準備した。比較例2の樹脂組成物は、温度230℃及び荷重21.18Nの条件で測定されるMFRが0.3g/10min、密度が969kg/m、及び温度25℃での曲げ弾性率が1.5GPaである。
また、比較例2の樹脂組成物により、シリンダー温度を230℃としたことを除いて実施例1の場合と同様にして、円柱状試験片を射出成形により作製した。
<比較例3>
比較例3の樹脂組成物として、ナイロン11樹脂を含む市販の樹脂組成物(アルケマ社製 商品名:リルサンBESN TL)を準備した。比較例3の樹脂組成物は、温度230℃及び荷重21.18Nの条件で測定されるMFRが1g/10min、密度が1020kg/m、及び温度25℃での曲げ弾性率が1.0GPaである。
そして、比較例3の樹脂組成物により、シリンダー温度を220℃としたことを除いて実施例1の場合と同様にして、円柱状試験片を射出成形により作製した。
(試験評価方法)
<圧縮強度>
実施例1及び2並びに比較例1〜3のそれぞれの樹脂組成物により作製した直径φ8mm及び長さ10mmの円柱状試験片について、ASTM D695に準じ、温度25℃において、測定速度1mm/minとして10%歪み時の圧縮強度を測定した。
<荷重変形率>
実施例1及び2並びに比較例1〜3のそれぞれの樹脂組成物により作製した直径φ14.3mm及び長さ12.7mmの円柱状試験片について、ASTM D621に準じ、温度25℃において、測定開始10秒後から24時間後までの荷重変形率を測定した。
<耐摩耗性試験>
図12に示すように、実施例1及び2並びに比較例1〜3のそれぞれの樹脂組成物により作製した円柱状試験片31について、室温23℃及び相対湿度50%の環境下に48時間保持した後、試料ホルダ32に保持すると共に、それを試験片31の下面がアルミニウム製の相手材33に当接するようにセットし、続いて、試験片31を相手材33に押接させるように59Nの荷重を負荷した状態で、常温下、潤滑油を介在させずに、試験片31の下面が摺接するように相手材33を500rpmの回転数で回転させ、そして、24時間経過後の質量減量から下記式に基づいて摩耗深さを算出した。
摩耗深さ(μm)=[試験片の質量減量(mg)×10]/摺動部面積(cm)×試験片の比重(g/cm)
(試験評価結果)
表1は試験評価結果を示す。
Figure 2016205577
圧縮強度は、実施例1が35MPa、実施例2が36MPa、比較例1が18MPa、比較例2が24MPa、及び比較例3が41MPaであった。
荷重変形率は、実施例1が6.8%、実施例2が6.6%、比較例1が10.5%、比較例2が30%以上、及び比較例3が5.5%であった。比較例2は、荷重変形率が非常に高く、これをシール材本体に適用した場合には、圧力を受けた時に変形が大きすぎて流体の漏れが発生することが予想される。
耐摩耗性試験における摩耗深さは、実施例1が58μm、実施例2が57μm、比較例1が746μm、比較例2が175μm、及び比較例3が296μmであった。
本発明は、シール材及びそれを用いたシール構造について有用である。
100 シール材
110 シール材本体
111 凹溝
112 (内側)側壁部
113 (外側)側壁部
114 リップ
115 係合爪
120 内装弾性体
120a 板バネ
200 シール構造
210 軸部材(第1部材)
211 段差部
220 外装部材(第2部材)
221 段差部
230 収容溝
240 アダプタ
250 管状部材(第1部材)
251 フランジ
252 ボルト
260 封止部材(第2部材)
261 嵌合部
31 試験片
32 試料ホルダ
33 相手材

Claims (7)

  1. 周方向に延びるように形成された無端の凹溝を有する環状のシール材本体と、
    前記シール材本体の前記凹溝に嵌め入れられて前記凹溝を形成する両側の側壁部を外向きに押圧する内装弾性体と、
    を備えたシール材であって、
    前記シール材本体は、ポリアミド樹脂とポリオレフィン樹脂とを含み、且つJIS K7210に準じ、温度230℃及び荷重21.18Nの条件で測定されるメルトフローレートが1〜50g/10minである樹脂組成物で形成されているシール材。
  2. 請求項1に記載されたシール材において、
    前記樹脂組成物には、カーボングラファイト微粒子が配合されているシール材。
  3. 請求項1又は2に記載されたシール材において、
    前記樹脂組成物のASTM D790に準じて測定される曲げ弾性率が1.5GPa以上であるシール材。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載されたシール材において、
    前記樹脂組成物のASTM D695に準じて測定される圧縮強度が20MPa以上であるシール材。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載されたシール材において、
    前記樹脂組成物のASTM D621に準じて測定される荷重変形率が10%以下であるシール材。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載されたシール材において、
    前記樹脂組成物は、ポリアミド樹脂の含有質量の方がポリオレフィン樹脂の含有質量よりも多いシール材。
  7. 第1及び第2部材と、
    周方向に延びるように形成された無端の凹溝を有する環状のシール材本体と、前記シール材本体の前記凹溝に嵌め入れられて前記凹溝を形成する両側の側壁部を外向きに押圧する内装弾性体と、を備え、前記両側の側壁部の一方が前記第1部材に接触し且つ他方が前記第2部材に接触するように設けられて前記第1及び第2部材間を密封するシール材と、
    を有するシール構造であって、
    前記シール材の前記シール材本体は、ポリアミド樹脂とポリオレフィン樹脂とを含み、且つJIS K7210に準じ、温度230℃及び荷重21.18Nの条件で測定されるメルトフローレートが1〜50g/10minである樹脂組成物で形成されているシール構造。
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