JP2016205577A - シール材及びそれを用いたシール構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シール材100は、周方向に延びるように形成された無端の凹溝111を有する環状のシール材本体110と、シール材本体110の凹溝111に嵌め入れられて凹溝111を形成する両側の側壁部112,113を外向きに押圧する内装弾性体120とを備える。シール材本体110は、ポリアミド樹脂とポリオレフィン樹脂とを含み、且つJIS K7210に準じ、温度230℃及び荷重21.18Nの条件で測定されるメルトフローレートが1〜50g/10minである樹脂組成物で形成されている。
【選択図】図4
Description
(シール材100)
図1〜4は、実施形態1に係るシール材100を示す。実施形態1に係るシール材100は、例えば固定された、又は、往復動、回転動、揺動等の運動をする軸部材と、それが挿通される外装部材との間に介設されるものである。
図5は、実施形態1に係るシール材100が軸部材210に装着された第1のシール構造200を示す。
図7は、実施形態2に係るシール材100を示す。図8は、実施形態2に係るシール材100が装着されたシール構造200を示す。なお、実施形態1と同一名称の部分は実施形態1と同一符号で示す。
図9は、実施形態3に係るシール材100を示す。図10は、実施形態3に係るシール材100が装着されたシール構造200を示す。なお、実施形態1及び2と同一名称の部分は実施形態1及び2と同一符号で示す。
上記実施形態1〜3では、断面U字状の複数の板バネ120aで内装弾性体120を構成したが、特にこれに限定されるものではなく、図11に示すように、ゴム製のOリングで内装弾性体120を構成してもよく、その他のコイルばねやヘリカルばねやゴムリングであってもよい。
<実施例1>
実施例1の樹脂組成物として、ポリアミド樹脂とポリオレフィン樹脂とを含む市販の樹脂組成物(三井化学社製 商品名:リュブマーLS4140)を準備した。実施例1の樹脂組成物は、JIS K7210に準じ、温度230℃及び荷重21.18Nの条件で測定されるMFRが14g/10min、ASTM D1505に準じて測定される密度が1099kg/m3、及びASTM D790に準じて測定される温度25℃での曲げ弾性率が2.2GPaである。
実施例2の樹脂組成物として、ポリアミド樹脂とポリオレフィン樹脂とを含む市販の樹脂組成物(三井化学社製 商品名:リュブマーLS4140)95質量%にカーボングラファイト微粒子(オリエンタル産業社製 商品名:AT−No.20)5質量%を押出機によって混練添加した樹脂組成物を準備した。実施例2の樹脂組成物は、JIS K7210に準じ、温度230℃及び荷重21.18Nの条件で測定されるMFRが13g/10min、ASTM D1505に準じて測定される密度が1123kg/m3、及びASTM D790に準じて測定される温度25℃での曲げ弾性率が2.3GPaである。
比較例1の樹脂組成物として、液晶ポリマー(LCP)を充填材として25質量%含むPTFEの丸棒を準備した。比較例1の樹脂組成物は、密度が1960kg/m3、及び温度25℃での曲げ弾性率が1.5GPaである。なお、PTFEは、ほとんど溶融しないためMFRは測定不能である。
比較例2の樹脂組成物として、ポリオレフィン樹脂を含む市販の樹脂組成物(三井化学社製 商品名:リュブマーL3000)を準備した。比較例2の樹脂組成物は、温度230℃及び荷重21.18Nの条件で測定されるMFRが0.3g/10min、密度が969kg/m3、及び温度25℃での曲げ弾性率が1.5GPaである。
比較例3の樹脂組成物として、ナイロン11樹脂を含む市販の樹脂組成物(アルケマ社製 商品名:リルサンBESN TL)を準備した。比較例3の樹脂組成物は、温度230℃及び荷重21.18Nの条件で測定されるMFRが1g/10min、密度が1020kg/m3、及び温度25℃での曲げ弾性率が1.0GPaである。
<圧縮強度>
実施例1及び2並びに比較例1〜3のそれぞれの樹脂組成物により作製した直径φ8mm及び長さ10mmの円柱状試験片について、ASTM D695に準じ、温度25℃において、測定速度1mm/minとして10%歪み時の圧縮強度を測定した。
実施例1及び2並びに比較例1〜3のそれぞれの樹脂組成物により作製した直径φ14.3mm及び長さ12.7mmの円柱状試験片について、ASTM D621に準じ、温度25℃において、測定開始10秒後から24時間後までの荷重変形率を測定した。
図12に示すように、実施例1及び2並びに比較例1〜3のそれぞれの樹脂組成物により作製した円柱状試験片31について、室温23℃及び相対湿度50%の環境下に48時間保持した後、試料ホルダ32に保持すると共に、それを試験片31の下面がアルミニウム製の相手材33に当接するようにセットし、続いて、試験片31を相手材33に押接させるように59Nの荷重を負荷した状態で、常温下、潤滑油を介在させずに、試験片31の下面が摺接するように相手材33を500rpmの回転数で回転させ、そして、24時間経過後の質量減量から下記式に基づいて摩耗深さを算出した。
摩耗深さ(μm)=[試験片の質量減量(mg)×10]/摺動部面積(cm2)×試験片の比重(g/cm3)
(試験評価結果)
表1は試験評価結果を示す。
110 シール材本体
111 凹溝
112 (内側)側壁部
113 (外側)側壁部
114 リップ
115 係合爪
120 内装弾性体
120a 板バネ
200 シール構造
210 軸部材(第1部材)
211 段差部
220 外装部材(第2部材)
221 段差部
230 収容溝
240 アダプタ
250 管状部材(第1部材)
251 フランジ
252 ボルト
260 封止部材(第2部材)
261 嵌合部
31 試験片
32 試料ホルダ
33 相手材
Claims (7)
- 周方向に延びるように形成された無端の凹溝を有する環状のシール材本体と、
前記シール材本体の前記凹溝に嵌め入れられて前記凹溝を形成する両側の側壁部を外向きに押圧する内装弾性体と、
を備えたシール材であって、
前記シール材本体は、ポリアミド樹脂とポリオレフィン樹脂とを含み、且つJIS K7210に準じ、温度230℃及び荷重21.18Nの条件で測定されるメルトフローレートが1〜50g/10minである樹脂組成物で形成されているシール材。 - 請求項1に記載されたシール材において、
前記樹脂組成物には、カーボングラファイト微粒子が配合されているシール材。 - 請求項1又は2に記載されたシール材において、
前記樹脂組成物のASTM D790に準じて測定される曲げ弾性率が1.5GPa以上であるシール材。 - 請求項1乃至3のいずれかに記載されたシール材において、
前記樹脂組成物のASTM D695に準じて測定される圧縮強度が20MPa以上であるシール材。 - 請求項1乃至4のいずれかに記載されたシール材において、
前記樹脂組成物のASTM D621に準じて測定される荷重変形率が10%以下であるシール材。 - 請求項1乃至5のいずれかに記載されたシール材において、
前記樹脂組成物は、ポリアミド樹脂の含有質量の方がポリオレフィン樹脂の含有質量よりも多いシール材。 - 第1及び第2部材と、
周方向に延びるように形成された無端の凹溝を有する環状のシール材本体と、前記シール材本体の前記凹溝に嵌め入れられて前記凹溝を形成する両側の側壁部を外向きに押圧する内装弾性体と、を備え、前記両側の側壁部の一方が前記第1部材に接触し且つ他方が前記第2部材に接触するように設けられて前記第1及び第2部材間を密封するシール材と、
を有するシール構造であって、
前記シール材の前記シール材本体は、ポリアミド樹脂とポリオレフィン樹脂とを含み、且つJIS K7210に準じ、温度230℃及び荷重21.18Nの条件で測定されるメルトフローレートが1〜50g/10minである樹脂組成物で形成されているシール構造。
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