JPH11107281A - 軽量盛土構造物 - Google Patents

軽量盛土構造物

Info

Publication number
JPH11107281A
JPH11107281A JP27023897A JP27023897A JPH11107281A JP H11107281 A JPH11107281 A JP H11107281A JP 27023897 A JP27023897 A JP 27023897A JP 27023897 A JP27023897 A JP 27023897A JP H11107281 A JPH11107281 A JP H11107281A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
concrete block
embankment structure
concrete
lightweight embankment
block body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP27023897A
Other languages
English (en)
Inventor
Shiro Kimura
志朗 木村
Tomoumi Shiyouji
智海 庄司
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
RITA SOGO KIKAKU KK
Original Assignee
RITA SOGO KIKAKU KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=17483485&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JPH11107281(A) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by RITA SOGO KIKAKU KK filed Critical RITA SOGO KIKAKU KK
Priority to JP27023897A priority Critical patent/JPH11107281A/ja
Publication of JPH11107281A publication Critical patent/JPH11107281A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 支持地盤上に、見かけ比重が0.45以
下で内部から外面に連通した中空部1aを備え且つ自立
可能なコンクリートブロック体1を積層した盛土構造物
であって、土砂類よりもコンクリートブロック体1の比
重を小さくすることにより、支持地盤に対する土圧負荷
を軽減するとともに、コンクリートブロック体1どうし
がそれぞれの開口1bを介して連通するように積層配列
することで、空隙率が高くしかも透水性も有する軽量化
された盛土構造物を得る。 【効果】 適度な重量を持つブロックを利用すること
で、アンカー等による係留の施工が不要で、しかも透水
性があって円弧滑りや転倒等の発生のおそれもない軽量
盛土構造物を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、道路等の構造物を
所定の高さに構築するために施工される盛土構造物に係
り、特に、中空のコンクリートブロック体を利用するこ
とで土圧負荷を小さくして軟弱地盤への施工を可能とす
るとともに円弧滑りの発生を防止し得る軽量盛土構造物
に関する。
【0002】
【従来の技術】道路や建築物などの各種の構造物を所定
の高さに構築するための施工として、既設の地盤の上に
真砂などのように締め固めやすい土砂類を盛るいわゆる
盛土が従来から行なわれている。この盛土の一般的な施
工方法は、基準となる既設地盤上の除草等を行なってか
ら整地し、この整地面の上に数10cmずつ土を巻きだ
した後にブルドーザなどで転圧する作業を必要な回数だ
け繰り返すというものである。
【0003】ところが、このような従来法による盛土施
工では、真砂等の土砂の適正な締固度を得るためには、
供給される土砂の含水量の管理を厳しくする必要があ
る。この含水量の管理は非常に煩わしくて難しいとさ
れ、雨天時及びこれを経過した後でも作業できないこと
になり、現場の天候に左右されやすく工期にも影響を及
ぼしやすい。そして、土自体が、1.5〜2.0トン/
3 程度の重量を持つので、特に沼地跡などのように支
持力がきわめて弱い軟弱地盤の上に盛土施工すると、上
載荷重によって既設地盤の圧密が発生してしまい、地盤
の不等沈下の原因となりやすい。
【0004】このような問題に対して、土砂に代えて発
泡モルタルや発泡ポリスチレン(EPS)を盛土材とし
て施工するようにした、いわゆる軽量盛土工法が既に開
発されている。この軽量の盛土材を用いる軽量盛土工法
であれば、特に高盛土の場合の上載荷重を大幅に軽減す
ることができるので、既設地盤の圧密の発生がなく地盤
の不等沈下や円弧滑りが効果的に防止される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、発泡モ
ルタルや発泡ポリスチレンなどの軽量盛土材を利用する
場合、特に発泡ポリスチレンの場合では、土砂に比べる
と重量が軽すぎて水に浮いてしまうことがある。このた
め、盛土材自身に防水処理を施したり、施工面に拘留し
ておくためにグラウンドアンカーを打設して、これによ
って盛土材を保持するような施工が必要となる。したが
って、アンカー打設等の工程を含むことになるので施工
時間にも影響を及ぼすほか、アンカー等の腐食により盛
土材が施工面から位置ずれしたり剥がれたりする可能性
がある。
【0006】また、盛土材に防水処理をすると透水性が
なくなるので、盛土内から外部に水を排出するための特
別な排水処理施設が必要となり、これによっても施工性
が大幅に低下するほか、施工費用も嵩むことになる。
【0007】一方、発泡モルタルを利用する場合は、発
泡ポリスチレンに比べると或る程度の重量を確保できる
が、比重は水より小さいため、浮力による浮き上がりを
防止するための防水処理が必要となる。また、発泡モル
タルは現場で発泡させることになるが、この発泡の度合
い及び泡位置の制御が難しいため、一様な空隙を含む発
泡モルタルを現場で施工するにはかなりの困難さを伴
う。また、雨天時においては、降雨量によってコンクリ
ート自体の含水比が変動して、強度に変化が生じるた
め、雨天時の施工には適さない面もある。さらに、発泡
モルタルの場合は、現場打設となるため、必ず、型枠の
代わりにH形鋼などを利用した壁を必要とする。
【0008】さらに、軽量盛土材として発泡ポリスチレ
ンを利用するとき、浮力による浮き上がりを防止するた
めにアンカーが必要であることは先に述べたとおりであ
るが、発泡ポリスチレンのように剛性が低いものに対
し、アンカーで機械的に保持拘束しようとしても、その
係留効果には上限があり、長期間に渡って拘束状態を維
持するには困難を伴う。
【0009】このように、従来の軽量盛土の施工では、
既設地盤の圧密及び不等沈下に対しては有効ではあるも
のの、軽量化したがために施工性や施工後の盛土の不安
定さの点で改善すべき問題が残っている。
【0010】本発明において解決すべき課題は、適度な
重量を持つブロック体を利用することでアンカー等によ
る係留の施工が不要で、しかも透水性があって円弧滑り
や転倒等の発生のおそれもない軽量盛土構造物を提供す
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の軽量盛土構造物
は、支持地盤上に、見かけ比重が0.45以下で内部か
ら外面に連通した中空部を備え且つ自立可能なコンクリ
ートブロック体を積層したことを特徴とする。
【0012】このような構成では、コンクリートブロッ
ク体を平面方向に多数配列すると同時に上下方向に積層
するとき、コンクリートブロック体の比重は土砂類に比
べて小さいので、支持地盤に対する土圧を軽減でき、安
定した施工体が得られる。また、中空部同士が互いに連
通するようにすれば、盛土構造物の中に水の通路を形成
することができ、盛土構造物の全体に透水性を持たせる
ことができる。
【0013】また、本発明においては、コンクリートブ
ロック体は、六面以上の外面を有する多面体であって、
中空部は二面以上の外面に開けた開口によって外部に開
放したものとすることができ、二面以上に開口を開ける
ことで、少なくとも水の入側及び出側を持たせることが
できる。
【0014】更に、開口は、コンクリートブロック体を
上下に積層または平面的に配列したとき、隣接し合うコ
ンクリートブロック体のそれぞれについて互いに整合可
能な形状及び配置とすれば、積層方向にも平面配列方向
にも水の通路を展開させることができる。
【0015】また、コンクリートブロック体は、立方体
または直方体の外殻形状とすることができ、この場合で
平面配列及び積層のための施工がより一層簡略化するこ
とができる。
【0016】そして更に、コンクリートブロック体の外
殻面に沿って配置されコンクリートブロック体どうしを
位置決め接合する接手を備え、コンクリートブロック体
の積層配列及び平面配列の両方向に接手を介して相互に
間隔を開けて配列するものでは、中空部だけでなくコン
クリートブロック体自身の周りにも空間ができるので、
更に空隙率を上げることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は本発明の軽量盛土構物を地
盤上に造成した例を示す要部の縦断面図である。
【0018】図1において、コンクリートによって打設
された基盤51の上面に、本発明の軽量盛土構造物の要
素を形成するコンクリートブロック体1が3種類のコン
クリート製の接手2a,2b,2cとともに積層、配列
されている。コンクリートブロック体1は、図2及び図
4の別の例で示すものと同様に、内部をほぼ球状体の一
部を含む形状の中空部1aとするとともに、各面にはこ
の中空部1aを外に開放する円形の開口1bを形成した
ものである。そして、コンクリートブロック体1は、図
示の例では上下に2段積層され、平面方向には基盤51
の展開面に沿って複数配置されている。
【0019】図2はコンクリートブロック体の一つの種
類を示す斜視図、図3はこのコンクリートブロック体を
型製作する要領を示すための概略図である。なお、図2
に示すコンクリートブロック体は図1に示したコンクリ
ートブロック体1として適用できるものであるが、後述
する図4において別の種類のコンクリートブロック体を
示すので、図2においてはコンクリートブロック体は符
号3で指示する。
【0020】コンクリートブロック体3は立方体の外郭
を持つコンクリート製であり、その内部を、球状体の一
部を含む形状を呈する中空の中空部3aとして全体を軽
量化したものである。中空部3aはコンクリートブロッ
ク体3の中心と同心上に配置され、その直径をコンクリ
ートブロック体3の1辺の長さよりも少し大きくするこ
とによって、コンクリートブロック体3の各表面には円
形の開口3bがそれぞれ形成される。そして、このよう
な形状のコンクリートブロック体3は図3に示す型枠及
び弾性中子によって製造することができる。
【0021】図3において、コンクリートブロック体3
を型製作するための型枠4は、上面だけを除く五面に創
成板4aを配置して、これらの創成板4aのそれぞれに
は円形の開口4bを中央に開けたものである。そして、
型枠4の上端には創成板4aの開口4bと同じ内径を持
つ環状体4dを有する、弾性中子保持用の治具4cを配
置している。
【0022】コンクリートブロック体3の中空部3a
は、治具4cの環状体4dから型枠4に出し入れ自在な
弾性中子5によって創成される。この弾性中子5は適切
な強度を持つ厚さのゴムを素材とし、その中に空気を圧
入しない自然状態のときには図3において実線で示すよ
うな紡錘状の細長い形状を保つものである。そして、弾
性中子5の上端にはコンプレッサ(図示せず)からの圧
縮空気の供給ホース5aを接続し、これから圧縮空気を
供給することで図中の一点鎖線で示すように全体を球状
に膨張変形させることができる。
【0023】このような弾性中子5を用いるときのコン
クリートブロック体3の型製作は、弾性中子5を自然状
態の紡錘形状としたままこれを治具4cの環状体4dに
通して型枠4の中に落とし込む。そして、供給ホース5
aから圧縮空気を弾性中子5に送り込むと、弾性中子5
は球状に膨張変形していき、その周面が各創成板4aの
開口4b及び治具4cの環状体4dの中に入り込むよう
に変形する。したがって、型枠4に対して弾性中子5を
所定の位置に位置決めしないままでも、最終的には各開
口4b及び環状体4dからの膨出が拘束力を作用させ合
い、球状に膨張変形した弾性中子5を型枠4に対して調
心させることができる。
【0024】以上の弾性中子5の挿入及び球体状への膨
張変形の後には、生コンクリートを治具4cの環状体4
d周りの開放部分から注入する。そして、養生期間をお
いて生コンクリートが固化したときには、弾性中子5内
の圧縮空気を抜いて紡錘状に収縮させ、これを環状体4
dから抜くとともに創成板4aをばらすことで離型すれ
ば、図2に示したコンクリートブロック体3が得られ
る。
【0025】図4はコンクリートブロック体の別の例を
示す斜視図、図5は図4のコンクリートブロック体を型
製作する要領を説明するための概略図である。
【0026】図示のコンクリートブロック体6は、図3
に示したコンクリートブロック体3と同様にその外殻形
状を立方体とするとともに内部を中空の中空部6aと
し、この中空部6aを外部に開放させる円形の開口6b
をコンクリートブロック体6の各面に開けたものであ
る。各開口6bはコンクリートブロック体6の各面の中
央に中心を一致させた同じ半径のものであり、複数のコ
ンクリートブロック体6を前後左右及び上下に配列した
ときには、各コンクリートブロック体6の面が全て一致
した積層構造とすることができ、開口6b同士も全て整
合する。
【0027】なお、図3の例のものと相違するのは、各
開口6bはその軸線方向に厚みを持つものとして形成さ
れている点であり、したがって、各開口6bの縁の肉厚
を大きくして十分な強度を持たせることができる。そし
て、このような肉厚を開口6b部分が持つことから、中
空部6aは球状ではなく、開口6bの内径に等しい半径
を持つ3本の円柱を互いに直交させる向きに貫通させた
ときにできるような中空構造を持つものとなる。
【0028】コンクリートブロック体6は、図5に示す
ように、立方体の容器状とした型枠7と上枠7a及び分
割中子8によって型製作することができる。分割中子8
は、型枠7に対して上下方向の軸線を合わせたほぼ円柱
状の主中子8aと、この主中子8aに対してその軸線方
向と直交する向きであって相互の間を90°の角度ピッ
チで配列した4個の副中子8b〜8eとから構成された
ものである。
【0029】すなわち、主中子8aに副中子8b〜8e
を連結したときには、図示のように主中子8aの周面部
分から副中子8b〜8eが平面視で十字状の配列となっ
て主中子8aの周面から突き出て、主中子8aの上下両
端部分の円柱部分を含めて合計6面に円柱状の中子を型
枠7の中で形成することができる。そして、上枠7aを
閉じて生コンクリートを充填して固化させた後には、型
枠7からの離型の後に各副中子8b〜8eを主中子8a
から抜き取るとともに、この主中子8aも成形品から抜
くことにより、図4に示したコンクリートブロック体6
を得ることができる。
【0030】なお、図1に示したコンクリートブロック
体1は、図2または図4で示したコンクリートブロック
体3,6のいずれでもよく、要するに内部が中空の立方
体形状であって外殻の各面に中空部を外部に開放するた
めの開口を同心配置したものであればよい。以下、コン
クリートブロック体としては、図2及び図4のものを含
めて図1に示した符号1を添えた「コンクリートブロッ
ク体1」として記載する。
【0031】コンクリートブロック体1を基盤51の上
面に施工するとき、隣接し合う各コンクリートブロック
体1どうしの間には適切な大きさの隙間が一様にできる
ように先に述べた接手2a,2b,2cによって配列す
る。接手2bはほぼT字状の断面としたもので、上下の
積層方向の両端面に含まれるコンクリートブロック体1
どうしの間に介装され、接手2cはほぼL字状の断面と
して下端のコーナ部に組み込まれるものである。また、
接手2aは各コンクリートブロック体1の前後左右及び
上下方向に隣接し合う4個の間に介装されるもので、そ
の詳細を図6に示す。
【0032】同図の(a)に示すように、接手2aは全
体は正六面体から上下の4箇所を横及び縦の断面形状を
正方形として切り欠いた形状をベースとし、1辺の長さ
の1/3に相当する幅の十字状のクロス面2a−1を形
成し、このクロス面2a−1を接手2aの各六面にそれ
ぞれ形成する。これにより、接手2aの各六面にはクロ
ス面2a−1とともに上下の左右の4か所に立方体状の
切欠として創成される受け座2a−2が形成される。そ
して、各クロス面2a−1の中央部には対向する面まで
貫通する孔2a−3を開け、この孔2a−3をモルタル
や流動性を持つ接着剤を通すための充填路または鉄筋等
を組み込む場合は配筋孔として利用できるようにする。
なお、接手2aは、孔2a−3のないものであってもよ
い。
【0033】接手2aは、同図の(b)に示すように、
各コンクリートブロック体1のコーナ部を受け座2a−
2に突き当たるように施工配置することで、各コンクリ
ートブロック体1はクロス面2a−1の幅に相当する隙
間が直交する格子状に走るように前後左右及び上下方向
に一様な間隔を持って配列される。
【0034】なお、孔2a−3の上方からモルタルを供
給すれば、コンクリートブロック体1を図1に積層した
後でも、接手2aを介して各コンクリートブロック体3
を連結することができる。この場合、孔2a−3だけで
なく、この孔2a−3から受け座2a−2に向かう流路
孔を開けておけば、この受け座2a−2とコンクリート
ブロック体1との接合面にもモルタルを送り込むことが
でき、接合強度を更に上げることができる。
【0035】以上のような接手2a,2b,2cを利用
することで、多数のコンクリートブロック体1を同じ平
面内に配列するとともに積層することができる。そし
て、各コンクリートブロック体1は図1に示すように上
下方向に整然と配列した関係となるように各接手2a〜
2cによってその位置が拘束され、平面方向への配列に
おいても同様な位置関係が得られる。したがって、各コ
ンクリートブロック体1は、その周り6面に位置してい
る他のコンクリートブロック体1に対して開口1bが全
て整合することになるので、上層から下層及び平面配列
の層における全てのコンクリートブロック体1はその内
部の中空部1aによって連通する。
【0036】以上の構成において、基盤51の上面に接
手2a〜2bを介して構築されたコンクリートブロック
体1による盛土構造物は、コンクリートブロック体1が
持つ中空部1a及び接手2a〜2cの介在によって生じ
るコンクリートブロック体1どうしの間の隙間によって
空隙率が高い構造体とすることができ、その施工面積当
たりの構造体の重量を軽減することができる。したがっ
て、施工現場が軟弱地盤上であっても、施工後の地盤沈
下等を伴うことがなく、盛土構造物の安定化が図られ
る。
【0037】また、コンクリートブロック体1はその前
後左右及び上下方向に連なっている配列の全てが開口1
b及び中空部1aを介して連通しているので、雨水等が
浸入してもその排出が速やかに行なわれる。したがっ
て、基盤51に対する負荷も軽減されることになり、同
様に地盤の不等沈下が防止できる。
【0038】更に、施工においては、各コンクリートブ
ロック体1を接手2a〜2cを利用して一定間隔で配列
及び展開していくだけで、コンクリートブロック体1を
一様に整然と配列施工できる。このため、従来のように
発泡ポリスチレンを用いる場合では軽すぎてアンカーに
よる係留作業が必要であったのに対し、このような施工
は一切不要となる。また、発泡モルタルを利用する場合
でも、その発泡率等の制御が難しいことや天候に左右さ
れる等の問題があったのに対し、コンクリートブロック
体1の据え付けだけの作業で済むので、施工性が格段に
向上する。
【0039】図7は本発明の軽量盛土構造物を造成法面
に施工した例を示す要部の概略縦断面図である。この例
では法面52に栗石または砕石等を詰めた造成層53を
階段状に構築した後、先の例と同様にコンクリートブロ
ック体1の積層体が接手2a〜2cによって構築され、
各コンクリートブロック体1の中空部1aがそれぞれの
開口1bを介して隣接し合うコンクリートブロック体1
と連通している。そして、このような各コンクリートブ
ロック体1の配列によって、法面52に対する土圧が軽
減されるとともに高い透水性を得ることができ、特に、
地盤が軟弱な河床や湖床付近の施工現場にも十分に対応
できる。
【0040】このように法面52に施工した場合では、
従来のように法面52の全体に土砂で盛土するときには
円弧滑りの発生を効果的に抑えることが困難であったの
に対し、盛土構造物の全体が軽量化されているので、法
面52の地盤沈下及び円弧滑りの発生が防止される。
【0041】図8は道路拡幅の施工例を示す要部の縦断
面図である。この例でも、道路54の拡幅のために路肩
55を施工面として砕石や栗石による造成層56を構築
した後に、図7の例と同様にコンクリートブロック体1
を接手2a〜2cとともに盛土構造物として施工するこ
とができる。そして、同様に地盤沈下及び路肩55の崩
落等のない施工体を得ることができ、コンクリートブロ
ック体1が持つ透水構造によって防水施設や排水施設を
設ける必要がなく、過大な土圧の負荷の発生も未然に防
ぐことができる。
【0042】図9(a),(b)は、アンカー型道路拡
幅の施工例を示す要部の縦断面図である。図8の例と同
様に、道路57の拡幅のために路肩58を施工面として
砕石や栗石による造成層59を構築した後に、コンクリ
ートブロック体1を接手2a〜2cとともに盛土構造物
として施工することができる。この場合、図9(a)に
示すように、アンカーブロック60をグラウンドアンカ
ー61で路肩58に係留して造成層59を構築し、接手
2a,2bおよびアンカーブロック60間にコンクリー
ト62を充填して接着することによって、コンクリート
ブロック体1の集合体の転倒を防ぐことができる。
【0043】一方、図9(b)に示すように、グラウン
ドアンカー61でアンカーブロック60を地盤中に係留
させ、さらに、このグラウンドアンカー61で接手2
a,2bおよびアンカーブロック60を連結固定するこ
とによっても、コンクリートブロック体1の集合体の転
倒を防ぐことができる。
【0044】
【発明の効果】本発明により、以下の効果を奏すること
ができる。
【0045】(1)請求項1の発明では、支持地盤上
に、見かけ比重が土砂類より小さい0.45以下で内部
から外面に連通した中空部を備え且つ自立可能なコンク
リートブロック体を積層することによって、土砂類によ
る盛土に比べると支持地盤に対する土圧負荷が軽減さ
れ、安定した盛土構造が得られる。また、各コンクリー
トブロック体の中空部が連通するような施工とすれば排
水も速やかな施工体とすることができ、より一層安定し
た盛土が得られる。
【0046】(2)請求項2の発明では、2面以上の開
口を中空部から外に向けて開けることで、少なくとも水
の入側及び出側を持たせることができ、これより多数の
開口を持たせると水の通路が更に展開するので排水性も
向上し、盛土を更に一層軽量化した施工が可能となる。
【0047】(3)請求項3の発明では、コンクリート
ブロック体をその平面方向及び積層方向に配列するだけ
で、積層方向にも平面配列方向にも水の通路を同時に展
開させることができ、施工性が更に向上する。
【0048】(4)請求項4の発明では、コンクリート
ブロック体が立方体または直方体であれば、その積層や
平面配列の施工が整然と行なえるので、中空部の分散を
一様化して土圧の局所的な変動を抑えることができ、既
設地盤への土圧の軽減も均一化される。
【0049】(5)請求項5の発明では、接手によって
中空部だけでなくコンクリートブロック体自身の周りに
も空間ができるので、更に空隙率を上げることができ、
既設地盤への土圧の軽減が促進され、安定した構造体の
維持が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の軽量盛土構造物を軟弱地盤上に造成
した例を示す縦断面図である。
【図2】 本発明の軽量盛土構造物に使用するコンクリ
ートブロック体の一例を示す斜視図である。
【図3】 図2のコンクリートブロック体を型製作する
ための型枠と弾性中子の分解斜視図である。
【図4】 コンクリートブロック体の別の例を示す斜視
図である。
【図5】 図4のコンクリートブロック体を型製作する
ための外枠と分割中子を示す一部切欠斜視図である。
【図6】 コンクリートブロック体の位置決め及び固定
のための接手であって、同図の(a)はその斜視図、同
図の(b)はコンクリートブロック体と接手との位置関
係を示す斜視図である。
【図7】 本発明の軽量盛土構造物を造成法面に施工し
た例を示す概略縦断面図である。
【図8】 本発明の軽量盛土構造物を道路拡幅の施工に
適用した例を示す縦断面図である。
【図9】 本発明の軽量盛土構造物をアンカー型道路拡
幅の施工に適用した例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1,3,6 コンクリートブロック体 1a 3a,6a 中空部 1b 3b 6b 開口 2a,2b,2c 接手 4,7 型枠 5 弾性中子 8 分割中子 51 基盤 52 法面 53,56,59 造成層 54,57 道路 55,58 路肩 60 アンカーブロック 61 グラウンドアンカー 62 コンクリート

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持地盤上に、見かけ比重が0.45以
    下で内部から外面に連通した中空部を備え且つ自立可能
    なコンクリートブロック体を積層したことを特徴とする
    軽量盛土構造物。
  2. 【請求項2】 コンクリートブロック体は、六面以上の
    外面を有する多面体であって、中空部は二面以上の外面
    に開けた開口によって外部に開放していることを特徴と
    する請求項1記載の軽量盛土構造物。
  3. 【請求項3】 前記開口は、前記コンクリートブロック
    体を上下に積層または平面的に配列したとき、隣接し合
    う前記コンクリートブロック体のそれぞれについて互い
    に整合可能な形状および配置としたことを特徴とする請
    求項2記載の軽量盛土構造物。
  4. 【請求項4】 前記コンクリートブロック体は、立方体
    または直方体の外殻形状であることを特徴とする請求項
    1〜3記載の軽量盛土構造物。
  5. 【請求項5】 前記コンクリートブロック体の外殻面に
    沿って配置され前記コンクリートブロック体同士を位置
    決め接合する接手を備え、前記コンクリートブロック体
    の積層配列及び平面配列の両方向に接手を介して相互に
    間隔を開けて配列したことを特徴とする請求項4記載の
    軽量盛土構造物。
JP27023897A 1997-10-02 1997-10-02 軽量盛土構造物 Pending JPH11107281A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27023897A JPH11107281A (ja) 1997-10-02 1997-10-02 軽量盛土構造物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27023897A JPH11107281A (ja) 1997-10-02 1997-10-02 軽量盛土構造物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11107281A true JPH11107281A (ja) 1999-04-20

Family

ID=17483485

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27023897A Pending JPH11107281A (ja) 1997-10-02 1997-10-02 軽量盛土構造物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11107281A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101036039B1 (ko) 2010-10-18 2011-05-19 (주)지오알앤디 중공구조체를 이용한 성토공사용 구조물 및 이를 이용한 성토 시공법

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101036039B1 (ko) 2010-10-18 2011-05-19 (주)지오알앤디 중공구조체를 이용한 성토공사용 구조물 및 이를 이용한 성토 시공법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6922950B2 (en) Top arch overfilled system
US5367845A (en) System for building a structure
US7114305B2 (en) Hybrid arched overfilled structure
CN102966119A (zh) 土工格栅加筋墙体及其施工方法
US5482408A (en) Embankment formed by preformed collaborating assemblable elements, in particular for road or railway constructions, and process
CN113700025A (zh) 扇形布置的现浇空心楼盖式储罐调平基础及其施工方法
JPH07252841A (ja) 補強土構造物
JPH11107281A (ja) 軽量盛土構造物
JP3131171B2 (ja) 立体枠状ブロックの型枠装置及び同ブロックの使用方法並びに同ブロックによる構造物の構築方法
GB2300009A (en) Foundations for poor soils
JP2004116093A (ja) 気泡軽量混合土工法による構造体とその施工方法
JP2009046942A (ja) 擁壁用基礎ブロック
JP4499547B2 (ja) 軽量盛土構造体およびそれと補強土壁構造体とからなる複合盛土構造体
JP3429230B2 (ja) コンクリートブロックからコンクリート構築物を構築するための工法
JPH11107282A (ja) 壁体構造
KR101694681B1 (ko) 저류 조 및 그 시공방법
JP3676860B2 (ja) 土止擁壁
JP3238678B2 (ja) タイヤ軽量盛土構造体
JP2002030674A (ja) ポリスチレン系樹脂発泡板組立体、軽量地盤構築方法、基礎構築方法、及び軽量盛土施工方法
JPH11152762A (ja) 構造物およびその構築方法
JP2003049429A (ja) 高架構造物、およびその築造方法
US20080163577A1 (en) Method and apparatus for mobile stem wall
JPH0790867A (ja) 補強土構造
JPH0464372B2 (ja)
JP3588778B1 (ja) 中埋めブロック擁壁及びこれを使用した盛土工法