JP2003049429A - 高架構造物、およびその築造方法 - Google Patents

高架構造物、およびその築造方法

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JP2003049429A
JP2003049429A JP2001238981A JP2001238981A JP2003049429A JP 2003049429 A JP2003049429 A JP 2003049429A JP 2001238981 A JP2001238981 A JP 2001238981A JP 2001238981 A JP2001238981 A JP 2001238981A JP 2003049429 A JP2003049429 A JP 2003049429A
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culvert
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elevated
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健二 野永
Tsuneo Sato
常雄 佐藤
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  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)
  • Road Paving Structures (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 土地を分断することなく土地の景観や価値を
維持することが可能な高架構造物およびその築造方法を
提供することである。 【解決手段】 地面に連続的に盛土をしてなる高架構造
物100は、該高架構造物100を横断して貫通開口部
50を形成するように盛土内に複数埋設された断面視概
略卵形をしたカルバート11と、貫通開口部50を除く
盛土側面を覆う側壁53とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、盛土内に断面視概
略卵形をしたカルバートを配置して築造される高架構造
物、およびその築造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】道路、鉄道など水平方向へ延設すること
が望ましい土木構造物を起伏地形に敷設する際、低地帯
などにおいては盛土をして高架構造にすることが一般的
に行われている。また、市街地等でも立体交差し易い高
架構造物を造ることがある。しかし、盛土による高架構
造物の建設は、該高架構造物によって両側の土地が分断
されることから、その土地の利便性や景観を損ねたり、
周辺地域の居住者に抵抗感や圧迫感などを与える場合が
ある。また、盛土を行う場合には、断面形状を略台形に
しなければならないため土地の有効利用という観点から
も望ましいものではない。
【0003】また、高架構造物としては、橋梁のように
所定間隔で支持杭を設けてその上に橋脚を設置し、該橋
脚によって道路等を支持する方法も数多く採用されてい
るが、軟弱地盤や中強度地盤に築造する場合には、支持
杭を地下の強固な地盤まで到達させなければ強度を確保
することができず、施工コストを増大させる原因となっ
ている。
【0004】一方、断面視卵形をした構造体は、山岳ト
ンネルなどの施工においてコンクリートなどにより周囲
の地山を土留めする場合に採用されてきたが、この場合
は地山の掘削部の内側から卵形の構造体を構築するもの
であり、土留め以外の技術的意義を持つものではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、土地
を分断することなく土地の景観や価値を維持することが
可能な高架構造物およびその築造方法を提供することで
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1に記載の高架構造物の発明は、地面に連続
的に盛土をしてなる高架構造物であって、該高架構造物
を横断する貫通開口部を形成するように盛土内に埋設さ
れた断面視概略卵形をしたカルバートと、前記貫通開口
部を除く盛土側面を覆う側壁と、を備えたことを特徴と
する。ここで、カルバートとは、中空筒形状の構造体を
意味し、例えば、コンクリート、鉄筋コンクリート等の
材質で構築されているものである。
【0007】この特徴によれば、カルバートが高架構造
物を横断する貫通開口部を形成するように盛土内に埋設
されているので、高架構造物により土地が分断されるこ
とがなく、土地の景観や利便性を維持することができ
る。
【0008】また、構造面では、次のような作用効果を
有する。本発明の高架構造物は、独立したカルバートに
よって周囲の盛土を支持する構造のため、沈降などの影
響は部分的なものに止まり、修復も容易である。したが
って、例えば支持地盤強度不足等の理由で盛土内に埋設
された一部のカルバートが沈降したような場合でも、他
のカルバートや盛土部分には影響を与えないため、当該
沈降部分を修復するだけで足りる。すなわち、基礎とな
る支持杭に橋脚を設けて敷設する高架構造物では、一部
橋脚の沈降は構造物全体に歪みや変形などの重大な影響
を及ぼすが、独立したカルバートによって盛土を支持す
る本発明の高架構造物では、沈降などの影響は部分的な
ものに止まるため、地盤沈下等の影響も小さくて済み、
修復も容易である。修復方法としては、高架構造物上面
から、例えばスラブに開口部を設けて盛土材を補充する
方法などが可能である。
【0009】また、本発明の高架構造物は、当該高架構
造物の荷重を連続した地盤で受ける構造であるため、中
強度の地盤においても所望の大きさの高架構造物を築造
することができる。さらに、盛土側面を覆う側壁を設け
たので、盛土の崩壊を防ぎ、高架構造物の強度を確保す
るとともに、該側壁を例えば垂直に形成することも可能
なため、高架構造物周囲の土地を有効に利用できる。
【0010】さらに、高架構造物の中にカルバートを配
置することは、当該部位の盛土部分をカルバートに置き
かえることになるため、高架構造物の軽量化を実現する
手段として有効である。
【0011】なお、本発明の高架構造物に類似した構造
事例として、充腹式アーチ橋が知られている。しかし、
充腹式アーチ橋をはじめとする橋梁は、上載構造物を不
連続な支点で支える構造であるのに対し、本発明の高架
構造物は、上記したように連続した支持構造を有するも
のである。したがって、本発明の高架構造物は橋梁では
ない。
【0012】請求項2に記載の高架構造物の発明は、請
求項1において、複数の前記カルバートを連続的に配置
したことを特徴とする。この特徴によれば、複数のカル
バートを連続的に配置することによって、高架構造物両
側の土地を分断させることがなく、景観や利便性を損な
うところがより一層少ない。しかも、連続配置されたカ
ルバートは、互いに独立しながら高架構造物の荷重を均
等に支持地盤に伝えるため、構造性能面でも十分な強度
と耐久性を有する。
【0013】請求項3に記載の高架構造物の発明は、請
求項2において、前記連続的に配置されたカルバート
は、一つのカルバートが沈下しても隣接するカルバート
及び路面構造に影響を与えないように相互に独立して配
置されていることを特徴とする。この特徴によれば、連
続的にカルバートを配置した場合においても、カルバー
トを相互に独立して配置したため、沈降などの影響は部
分的なものに止まり、修復も容易である。
【0014】請求項4に記載の高架構造物の発明は、請
求項3において、盛土上面に、高架構造物の側面方向に
盛土幅より張り出し、かつ、高架構造物の延設方向にお
いては構造的に分割されたスラブを設けたことを特徴と
する。この特徴によれば、盛土上面のスラブを、盛土幅
よりも張り出したものとすることによって、路面を盛土
幅より拡幅して設けることが可能になり、土地の有効利
用を図りながら十分な路面面積を確保することができ
る。また、スラブを高架構造物の延設方向において構造
的に分割されたものとすることによって、万一カルバー
トや盛土が部分的に沈降した場合でも、その影響は直上
のスラブのみに止まり、隣接する構造的に分断されたス
ラブには影響を与えることがなく、沈降・変形部分の修
復も容易に行うことができる。また、スラブをプレキャ
スト方式にして、例えばコンクリート板等によって形成
することにより、敷設が容易になり、施工の期間やコス
トを抑制することができる。
【0015】請求項5に記載の高架構造物の発明は、請
求項1から請求項4のいずれか1項において、盛土に用
いる盛土材が軽量盛土材であることを特徴とする。この
特徴によれば、軽量盛土材を使用することによって、十
分な強度を確保しながら高架構造物を軽量化することが
できるので、基礎杭などを省略することが可能になる。
ここで、軽量盛土材としては、例えば発泡モルタルや気
泡混合土を挙げることができる。
【0016】請求項6に記載の断面視概略卵形をしたカ
ルバートの発明は、請求項1から請求項4のいずれか1
項に記載の高架構造物に使用されることを特徴とする。
この特徴によれば、断面視概略卵形をしたカルバート
は、高架構造物に使用されることにより、上記請求項1
から5のいずれか1項と同様の作用効果を奏するもので
ある。
【0017】請求項7に記載の断面視概略卵形をしたカ
ルバートの発明は、請求項6において、カルバートの下
部が、上部に比較して外側に張り出した形状の底部アー
チを形成していることを特徴とする。この特徴によれ
ば、カルバートの下部に拡幅した形状の底部アーチを持
つことによって、高架構造物の荷重を分散させると同時
に、地盤によるカルバートの支持を一層確実なものとす
ることができる。
【0018】請求項8に記載の高架構造物の築造方法の
発明は、地面に連続的に盛土をして築造する高架構造物
の築造方法であって、支持地盤上に、断面視概略卵形を
したカルバートを、該カルバートが予定高架構造物を横
断する貫通開口部を形成するように複数配設し、次い
で、予定高架構造物の前記貫通開口部を除く側面を覆う
側壁を構築した後、盛土をすることを特徴とする。この
特徴によれば、上記請求項1と同様の作用効果を有する
高架構造物を築造することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の実施
の形態を詳しく説明する。図1は、本発明の一実施形態
に係る高架構造物100の概略構成を示す図面であり、
(a)は部分側面図を示し、(b)は(a)において地
中の状態も示したものであり、(c)は(b)の1c−
1c線における断面の状態を示す(説明の便宜上、盛土
材は図示していない)。図1では、隣接するカルバート
11同士が接合突起部(後述)で互いに突合わせて接す
るように連続して配設されており、各カルバート11は
互いに独立した状態で地盤によって支持され、かつ上側
の盛土を支持している。
【0020】図1(a)に示すように、地上から見た状
態では本発明の高架構造物100はカルバート11の上
側部分が周囲を側壁53に囲まれてアーチ形状をして表
出しているため、景観に優れたものとなっている。ま
た、両側の土地は高架構造物100によって遮断される
ことなく貫通開口部50を介して通行することができる
ようになっている。また、図1(b)に示すように、カ
ルバート11の下部は、地面位置91と同じ高さになる
ように土や軽量盛土材(後述)等を内挿するか、あるい
は地下空洞にして、地中に埋め込まれた状態で固定され
ている。
【0021】図3に、本実施形態に係るカルバート11
の詳細な構造を示す。図3から見てとれるように、カル
バート11は断面視略卵形の中空筒形状をしており、壁
はコンクリート等の材質で形成されている。壁の内部に
は、必要に応じて強度部材として鉄筋等を配筋すること
もできる。カルバートの下部は、底部アーチ15を形成
している。この底部アーチ15は、下面全体で地盤に接
することにより接地面積を広くして、高架構造物11の
荷重を分散させる作用を持つとともに、地中に埋設され
た状態でカルバート11を安定的に支持する役割を果た
す。
【0022】底部アーチ15には、肉厚に形成された基
礎版部13が設けられており、重心を下げてカルバート
11を安定化させるとともに、この基礎版部13で地盤
に当接して高架構造物100の荷重を受けるように構成
されている。
【0023】断面視略卵形のカルバート11の上部は、
前記したように断面視アーチ形状をした上部アーチ14
を形成しており、両側部には接合突起部19を備えてい
る。この接合突起部19は、カルバート11を連続配置
する場合に隣接するカルバート11と突き合せになって
接する部分であり、かつ構造的に絶縁可能な接合面とし
てカルバート同士を独立させるように機能する。
【0024】また、カルバートの開口部の上部両端に
は、前記接合突起部19から連なるようにしてリブ21
が周方向に設けられていて、高架構造物100の築造の
際にリブ21が側壁53(パネル化粧板、矢板など)を
取り付ける側壁支柱の固定や、壁面の施工を容易にす
る。
【0025】なお、図1における高架構造物100の内
部の状態は、次に述べる図2の高架構造物100’と略
同様であるので、図2を参照しながら詳述する。
【0026】図2は、本発明の別の実施形態に係る高架
構造物100’の内部構造を示す図面であり、(a)は
部分側面図であり、(b)は(a)を上からみた状態で
あり、説明のため路面材56を除いた状態を示すととも
に図の下半分はスラブ55および盛土材57を省略して
描いた平面図である。また、図2(c)は(a)の2c
−2c線における断面の状態を説明する図面であり、便
宜上盛土材57は図示を省略している。
【0027】カルバート11’は、接合突起部19で互
いに接しながら連続して配置されている。必要に応じて
隣接する接合突起部19同士を任意の手段で連結するこ
とも可能である。ここで、図2の実施形態に用いるカル
バート11’の詳細を、図4および図5に示す。図5
中、(a)はカルバート11’を貫通開口面からみた状
態を示し、(b)は紙面に向って左側部分がカルバート
11’側面の状態を、紙面に向って右側部分が(a)の
(X)−(X)線における断面の状態を示す。図3に示
したカルバート11と異なる点として、このカルバート
11’では、図5(b)に示すように、下部アーチ15
が開口貫通方向に外側へ向けて張り出して拡底した形状
をしている。この拡底した下部アーチ14は、地盤に接
する接地面積を広げて高架構造物100’の荷重を分散
させる作用およびカルバート11’を安定的に支持する
作用に優れたものとなっている。図4および図5におけ
る他の構成は、図3と同様であるので同一の構成には同
一の符号を付して説明を省略する。
【0028】図2において、隣接するカルバート11’
の下部の間は、後述するように発泡モルタルやソイルセ
メント等を充填して空隙をなくしておくことが好まし
い。
【0029】カルバート11’の上側は、盛土材57に
よって隙間なく盛土され、高架構造物100’として必
要な強度が確保される。盛土材57としては、カルバー
ト11’や支持地盤への荷重を軽減する意味で、軽量盛
土材を使用することもできる。
【0030】軽量盛土材としては、例えば、気泡モルタ
ル、発泡モルタル等の他に、現場発生土にセメントと水
を添加して流動化したり、あるいは、さらに気泡を入れ
た気泡混合土などが利用できる。また、例えば、発泡ビ
ーズや発泡スチロール片などを混入した盛土材57も利
用できる。これらの材料を使用することで、盛土材57
の比重を0.5〜1.2g/cm程度まで軽量化する
ことが可能である。さらに軽量化を図るために、発泡ス
チロールや発泡ウレタン材などの超軽量材を使用するこ
とも可能であり、既製品のブロックで敷並べるか、ある
いは現場で吹き付け発泡させて盛土材57として用いら
れる。この時の盛土材57の比重は、0.02〜0.0
4g/cm程度まで軽量化できる。
【0031】盛土の上には、スラブ55が敷設され、さ
らにスラブ55の上は路面材56により覆うこともでき
る。このスラブ55および路面材56は、道路や鉄道の
路床および路面を構成する部分であり、コンクリート等
の材質で製造されている。スラブ55としては、例えば
所定寸法にプレキャスト施工されたコンクリート板を用
いることが好ましい。スラブ55をプレキャスト化した
パネル式にすることによって、現場での施工時間を短縮
できるとともに、高架構造物100’に部分的な陥没等
が生じた場合でも影響を最小限に押さえることができ
る。
【0032】また、ここでは図示していないが、スラブ
55には、盛土補充用の開口部を設けることも可能であ
る。開口部は、例えば、スラブ55のコンクリート板を
プレキャスト施工する際に形成しておいてもよく、ある
いは、隣接するコンクリート板との組み合わせで開口部
が形成されるようにしてもよい。
【0033】本実施形態の高架構造物100’では、図
1の態様とは異なり、図2(c)に示すようにスラブ5
5および路面材56の幅をカルバート11’の長さより
も長くしている。このようにすることで、高架構造物1
00’が占有する土地を少なくして土地を最大限に有効
利用できる。
【0034】次に、本発明の第1実施形態に係る高架構
造物100の築造方法の例を図6〜図11を参照しなが
ら説明する。ここでは、カルバート11を用いた例を挙
げる。 (1)基礎版部施工 まず、図6に示すように、高架構造物100の築造予定
部分の地面を掘削し、カルバート11の基礎版部13を
施工する。基礎版部13はコンクリート等の材料を所定
形状に成型することによって構築される。後述するよう
に、強度不足の地盤などにおいては必要に応じて基礎版
部13の施工に先立ち、改良杭を設けることもできる。
次に、基礎版部13に隣接する両側部分に、下部支保工
71を構築する。なお、下部支保工71の替わりに改良
土埋め戻しを予め施工することもできる。
【0035】(2)カルバート下部施工 次に、カルバート11の下部を施工する(図7)。下部
施工時には、隣接するカルバート11の下部との間に空
隙が生じないように、下部支保工71の部分に発泡モル
タルやソイルセメント等を充填して空隙をなくしておく
ことが好ましい。これは、高架構造物100の荷重をカ
ルバート11の底部アーチ15で均一に支持できるよう
にするためである。この場合、現場発生土にセメントを
配合した泥スラリーをポンプで圧送して充填するソイル
セメント固化工法等も利用することができる。
【0036】(3)カルバート上部施工 図8に示すように、カルバート11の下部の施工に引き
続き、上部支保工73を配設した後、カルバート11の
上部(上部アーチ14)を施工して断面形状が卵形にな
るように成型する。
【0037】なお、カルバート11の施工は、上記の方
法に限らず任意の工法に従って行うことができる。例え
ば、予め用意しておいたセグメントを現場で卵型に組み
立ててカルバート11を構築することも可能であり、ま
た例えばカルバート11の下部アーチ15と上部アーチ
14とを別々にプレキャスト施工しておき、現場で両者
を接合して一体化することも可能である。このように、
セグメント化あるいはプレキャスト化しておくことによ
り、現場での工期を短縮することが可能になる。
【0038】(4)周縁部リブ施工 カルバート11を概略施工後、上部支保工73を除去し
た後、隣接するカルバートの接触部位(接合突起部1
9)から、カルバート11の開口部周縁にかけて、リブ
21を施工する(図9)。なお、リブ21はカルバート
11と同時に施工することも可能である。
【0039】(5)側壁および盛土充填施工 カルバート11の間に、側壁支柱52を配設した後、下
側から順次側壁53を構築していく(図10)。側壁5
3は、側壁支柱52に固定される。この側壁53として
は、例えばプレキャスト施工した所定寸法のパネル板等
を用いることができる。両側の側壁53を構築後、盛土
材57を充填する。
【0040】(6)スラブ敷設 盛土施工後、盛土上面にスラブ55を敷設する(図1
1)。以後は通常の手順に従い、スラブ55表面を路面
材56で覆うことによって、高架構造物100が完成す
る。
【0041】図12は、本発明のさらに別の実施形態に
係る高架構造物101を説明するための図面であり、
(a)は側面の状態を地中の様子を含めて示しており、
(b)は(a)の12b−12b線における断面の状態
を示す図面である。ここでは、カルバート11の直下に
支持地盤90に達するように改良杭61を設けている。
改良杭61は、固化材の注入等によって地盤改良を行う
ものであり、軟弱地盤等における施工において有効な方
法である。改良杭61を設けることによって、軟弱な地
盤においても必要な支持強度を得ることができる。改良
杭61は、全てのカルバート11に設けてもよく、地盤
の弱い部分のカルバート11にのみ設けてもよい。
【0042】改良杭61としては、例えば、地盤にセメ
ントミルク等の固化材を注入して固化する改良杭61
や、砂や砕石等のコラムを地盤中に設置する地盤改良材
も利用できる。固化する改良杭61には、セメントミル
ク等の固化材を回転攪拌翼によって強制攪拌し、土とセ
メントミルク等を混合して強度増加を図る機械攪拌法や
先端ロッドから高圧のエアージェットを噴射して地盤を
切削すると同時に、セメントミルク等の固化材と土砂を
混合攪拌させる方法が使用できる。また砂や砕石等のコ
ラム改良杭としては、サンドコンパクション杭やグラベ
ルコンパクション杭などが利用できる。なお、改良杭6
1以外に、一般的に利用される鋼管杭や、RC杭、PC
杭、PHC杭等の利用も可能である。
【0043】また、図12の実施形態では、カルバート
11の下部は、地面位置91と略同じ高さとなるように
設けられた床板25およびこれを補強支持する床柱23
によって空洞が形成されている。このようにすることに
より、高架構造物101の荷重を一層軽減することが可
能になるので、支持地盤90の強度が低い土地での構築
に際し有利である。
【0044】図13は、本発明のさらに別の実施形態に
係る高架構造物102を示す図面であり、部分的に側面
の状態を地中の様子を含めて示している。図1では、カ
ルバートは隣接するカルバート11が接合突起部19で
互いに接するように連続して配設されていたが、本実施
形態では、カルバート11を任意の間隔で配設してい
る。このように盛土部分を増やし、貫通開口部50を少
なくすることも可能である。
【0045】図14は、本発明の適用例を模式的に示す
図面であり、トンネル坑口81付近に高架構造物103
を築造したものである(ここでは説明の便宜上、側壁は
図示していない)。このように、従来盛土による高架で
分断されていたトンネル坑口から橋台85へ連なる場所
でも、高架構造物56の両側を遮断することなく、連続
的に高架構造物103を構築できる。
【0046】
【発明の効果】本発明の高架構造物によれば、土地が分
断されることがなく、土地の景観や利便性を維持するこ
とができる。しかも、独立したカルバートによって盛土
を支持する構造のため、沈降などの影響は部分的なもの
に止まり、修復も容易である。例えば、連続して配列さ
れたカルバートの一部が沈降したような場合でも、他の
カルバートには影響を与えることがないため、当該沈降
部分に盛土材等を補充するだけで足りる。また、高架構
造物の荷重を連続した地盤で受ける構造であるため、荷
重を分散させることになり、中強度地盤においても所望
の高さの高架構造物を築造できる。さらに、盛土側面を
覆う側壁を設けたので、盛土の崩壊を防ぎ、高架構造物
の強度を確保するとともに、該側壁を例えば垂直に形成
することも可能なため、高架構造物周囲の土地を有効に
利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る高架構造物の説明に
供する図面であり、(a)は側面からみた状態、(b)
は地中の状態を含めて側面からみた状態、(c)は
(b)の1c−1c線における断面の状態を示す。
【図2】本発明の別の実施形態に係る高架構造物の説明
に供する図面であり、(a)は側面からみた状態、
(b)は上からからみた状態、(c)は(a)の2c−
2c線における断面の状態を示す。
【図3】本発明の一実施形態に係るカルバートの説明に
供する斜視図。
【図4】本発明の他の実施形態に係るカルバートの説明
に供する斜視図。
【図5】図4のカルバートの説明に供する図面であり、
(a)はカルバートを貫通開口面からみた状態を示し、
(b)は紙面に向って左側部分がカルバート側面の状態
を、紙面に向って右側部分が(a)の(X)−(X)線
における断面の状態を示す。
【図6】高架構造物の施工手順の説明に供する図面であ
り、高架構造物を側面からみた状態を示す。
【図7】高架構造物の施工手順の説明に供する図面であ
り、高架構造物を側面からみた状態を示す。
【図8】高架構造物の施工手順の説明に供する図面であ
り、高架構造物を側面からみた状態を示す。
【図9】高架構造物の施工手順の説明に供する図面であ
り、高架構造物を側面からみた状態を示す。
【図10】高架構造物の施工手順の説明に供する図面で
あり、高架構造物を側面からみた状態を示す。
【図11】高架構造物の施工手順の説明に供する図面で
あり、高架構造物を側面からみた状態を示す。
【図12】本発明のさらに別の実施形態に係る高架構造
物の説明に供する図面であり、(a)は側面からみた状
態を、(b)は(a)の12b−12b線における断面
からみた状態を示す。
【図13】本発明のさらに別の実施形態に係る高架構造
物の説明に供する図面であり、側面からみた状態を示
す。
【図14】本発明の適用例の説明に供する図面である。
【符号の説明】
11、11’ カルバート 12 カルバート 13 基礎版部 14 上部アーチ 15 底部アーチ 19 接合突起部 21 リブ 23 床柱 25 中床 50 貫通開口部 51 側壁基礎 52 側壁支柱 53 側壁 55 スラブ 56 路面材 57 盛土材 61 改良杭 73 支保工 81 トンネル坑口 83 橋桁 85 橋台 90 支持地盤 91 地面位置 100、100’、101、102、103 高架構造
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2D044 CA00 2D051 AH01 BB01 BB09 2D056 AA01 AA09

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地面に連続的に盛土をしてなる高架構造
    物であって、 該高架構造物を横断する貫通開口部を形成するように盛
    土内に埋設された断面視概略卵形をしたカルバートと、 前記貫通開口部を除く盛土側面を覆う側壁と、を備えた
    ことを特徴とする、高架構造物。
  2. 【請求項2】 請求項1において、複数の前記カルバー
    トを連続的に配置したことを特徴とする、高架構造物。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記連続的に配置さ
    れたカルバートは、一つのカルバートが沈下しても隣接
    するカルバート及び路面構造に影響を与えないように相
    互に独立して配置されていることを特徴とする、高架構
    造物。
  4. 【請求項4】 請求項3において、盛土上面に、高架構
    造物の側面方向に盛土幅より張り出し、かつ、高架構造
    物の延設方向においては構造的に分割されたスラブを設
    けたことを特徴とする、高架構造物。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4のいずれか1項に
    おいて、盛土に用いる盛土材が軽量盛土材であることを
    特徴とする、高架構造物。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項5のいずれか1項に
    記載の高架構造物に使用される、断面視概略卵形をした
    カルバート。
  7. 【請求項7】 請求項6において、カルバートの下部
    が、上部に比較して外側に張り出した形状の底部アーチ
    を形成していることを特徴とする、断面視概略卵形をし
    たカルバート。
  8. 【請求項8】 地面に連続的に盛土をして築造する高架
    構造物の築造方法であって、 支持地盤上に、断面視概略卵形をしたカルバートを、該
    カルバートが予定高架構造物を横断する貫通開口部を形
    成するように複数配設し、 次いで、予定高架構造物の前記貫通開口部を除く側面を
    覆う側壁を構築した後、盛土をすることを特徴とする、
    高架構造物の築造方法。
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