JPH11106987A - 抗菌性を有する線材の製造方法 - Google Patents

抗菌性を有する線材の製造方法

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JPH11106987A
JPH11106987A JP28622897A JP28622897A JPH11106987A JP H11106987 A JPH11106987 A JP H11106987A JP 28622897 A JP28622897 A JP 28622897A JP 28622897 A JP28622897 A JP 28622897A JP H11106987 A JPH11106987 A JP H11106987A
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JP
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wire
copper
plating
copper plating
thickness
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Application number
JP28622897A
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English (en)
Inventor
Hiroaki Yoshida
広明 吉田
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Daido Steel Co Ltd
Original Assignee
Daido Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面のCuの濃度を高くした抗菌性の高い鉄
系またはニッケル系線材の製造方法を提供すること。 【解決手段】 鉄系あるいはニッケル系線材の表面に
0.5μm以上の銅めっきを行った後、引抜き加工を行
い、さらに800℃以上の温度で加熱処理を行って表面
に銅を拡散させることを特徴とする抗菌性を有する鉄系
あるいはニッケル系線材の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗菌性を有する線
材の製造方法、詳細には線材の表面に銅を拡散させた抗
菌性を有する鉄系またはニッケル系線材の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】銀(Ag)および銅(Cu)の溶出イオ
ンは、強い抗菌性があることが以前から知られており、
様々な抗菌材料に用いられている。この中で抗菌性を持
たせたステンレス鋼が注目されている。この抗菌性ステ
ンレス鋼は、ステンレス鋼にCuを3〜4%程度含有さ
せたものが主流である。材料に抗菌性を持たせるために
は、CuまたはAgを多量に溶出させる必要があり、そ
のためには材料の表面のCuまたはAgの濃度を高くす
る必要がある。しかし、ステンレス鋼を始めとする鉄系
材料は、熱間圧延などの問題でCuを4%以上含有させ
ることは非常に困難である。そのため抗菌性ステンレス
鋼ではCu濃度が低く、十分の抗菌性が得られていな
い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、表面のCu
の濃度を高くした抗菌性の高い鉄系およびニッケル系線
材の製造方法を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明者は、製造性を阻害することなく線材の表面
のCu濃度を高める方法について研究していたところ、
熱間圧延後の工程でCuを表面に浸透させることが最も
有効であるとの知見を得て本発明をなしたものである。
すなわち、本発明の抗菌性を有する線材の製造方法にお
いては、鉄系あるいはニッケル系線材を、必要に応じて
酸洗などで脱スケール処理をし、さらに必要におうじて
ニッケル(Ni)の下地めっきをし、その後0.5μm
以上の銅めっきを行った後、銅めっき層を地金に密着さ
せるための引抜き加工を行い、さらに800℃以上の温
度で加熱処理を行って表面にCuを拡散させることであ
る。
【0005】以下本発明について詳細に説明する。本発
明の抗菌性を持たせる線材の鉄系材料およびニッケル系
材料は、鉄系材料ではステンレス鋼、合金鋼、炭素鋼、
鉄などであり、またニッケル系材料ではモネル・メタ
ル、インコネル、ニッケルなどである。さらに、本発明
の銅めっきは、電気めっき法、化学めっき法、溶射法、
蒸着法などで行うことができるが、電気めっき法が比較
的速く、かつ均一にめっきをすることができるので好ま
しい。また、銅めっきの厚さは、線材の表面の十分の濃
度および拡散層の厚さを得るためには0.5μm以上必
要である。しかし厚くなり過ぎると拡散に時間がかか
り、また表面に銅めっき層が残るので、5μm以下が好
ましい。
【0006】本発明の抗菌性を持たせる線材の製造方法
では、銅めっきを行った後引抜き加工を行うが、この引
抜き加工は、銅めっき層を線材の表面に密着させるとと
もに、めっき層の中の空隙をなくすためである。すなわ
ち、銅めっき層は非常にポーラスであるため、そのまま
加熱しても拡散浸透しにくいので、密着させるととも
に、めっき層の空隙をなくすためである。その圧下率は
スキンパス程度、すなわち10%程度以下でよい。ま
た、鉄系線材の表面に銅めっきをする場合には、密着性
を高めるために銅めっきの下地めっきとしてニッケルめ
っきをするのが好ましい。通常鉄合金と銅は格子間距離
が大きく異なるため、均一に密着させることが困難であ
るので、密着性を高めるために鉄合金と銅の格子間距離
の間にある格子間距離のニッケルをめっきをするのが好
ましい。このニッケルめっきは、電気めっき法、化学め
っき法などで行うことができ、その厚さは1μm以下で
もよい。
【0007】本発明の抗菌性を持たせる線材の製造方法
では、引抜き加工の後に800℃以上の温度で加熱処理
を行うが、これはめっきした銅を線材の表面に拡散させ
るためのものである。その温度は、800℃より低いと
拡散に時間がかかるとともに、表面の銅濃度が低くな
り、また1050℃以上になると融点に近くなるために
拡散が不安定になるので、800〜1050℃の範囲で
行う必要がある。またその加熱時間は、加熱温度、銅め
っきの厚さ、線材の材質などによって異なるが、加熱温
度が950℃の場合1時間程度である。また、この加熱
処理は、大気中で加熱すると銅が酸化されて線材への拡
散が妨げられるので、真空、還元性雰囲気または不活性
ガス中で行うのが好ましい。なお、本発明の製造方法に
よって製造される抗菌性を有する線材の用途としては、
食器、医療機器などの水切り棚、食器、医療機器、野菜
の洗浄用、水切り用などの籠またはざるなどに適してい
る。
【0008】
【発明の実施の形態】以下本発明を実施例により説明す
る。
【実施例】直径2.7mmのJIS−SUS304の5
本の線材に電気めっき法で厚さ0.2μm、0.4μ
m、1μm、2μmおよび5μmの銅めっきを行い、そ
の後2%の加工率で引抜き加工を行った。この引抜き加
工を行った線材をそれぞれ6本に分け、真空中で800
〜1050℃の6段階の温度でそれぞれ1時間加熱して
拡散を行った。この拡散を行った6本の各表面近傍の銅
濃度をEPMA(エレクトロ プローブ マイクロ ア
ナライザー)で測定し、銅濃度が4%以上の拡散層の厚
さを求めて図1に示した。なお、横軸は拡散させるため
に加熱した温度である。
【0009】この結果より、めっき厚さが0.5μm以
上で、かつ加熱温度が800℃以上であれば、十分な高
濃度の銅拡散層が数μm以上得られることが分かる。な
お、SUS304と銅めっき層の密着性をあげるために
下地めっきとしてニッケルめっきをしたものは、銅の拡
散に対してほとんど影響がなかった。これはニッケルめ
っき層がきわめて薄いためと推測される。
【0010】次に、抗菌試験について説明する。 1 供試材 (1)本発明の製造方法で製造したもの(本発明の供試
材) JIS─SUS304(C:0.06%、Si:0.25%、M
n:0.9 %、Ni:8.2 %、Cr:18.2%)の3.5m
mの線材に2μmの銅めっきを施した後、直径3.4μ
mに引抜き加工をし、さらに真空中で950℃で1時間
熱処理をして拡散し、この線材の表面を1.5μm電解
研磨し、長さ50mmに切断したものを6本用いた。 (2)比較材 JIS─SUSXM7(C:0.05%、Si:0.25%、M
n:0.9 %、Ni:8.8 %、Cr:17.5%、Cu:3.5
%)の3.4mmの線材を1.5μm電解研磨し、長さ
50mmに切断したものを6本用いた。
【0011】2 抗菌試験方法 大腸菌を培養した溶液またはブドウ糖球菌を培養した溶
液を20ミリリットルずつそれぞれ2個、計4個の容器
に入れ、大腸菌を入れた2個の容器の一方に本発明の上
記供試材を3本、他の容器に上記比較材を3本入れ、ブ
ドウ糖球菌を入れた容器の一方に本発明の上記供試材を
3本、他の容器に上記比較材を3本入れ、各溶液を20
℃に保ちながら攪拌し、それぞれ時間経過毎に溶液を取
り出して寒天の上に置き、24時間経過後のコロニーの
発生数を測定し、上記菌の生存率を求めた。この結果を
大腸菌については図2に、ブドウ糖球菌については図3
に示した。
【0012】3 結果 大腸菌の生存率は、図2に示したように本発明の供試材
を用いると1時間後に42%、2時間後に25%、4時
間後に7%になるのに対して、比較材を用いると1時間
後に103%、2時間後に108%、4時間後に107
%、8時間後に105%になった。また、ブドウ糖球菌
の生存率は、図3に示したように本発明の供試材を用い
ると1時間後に29%、2時間後に13%、4時間後に
2%になるのに対して、比較材を用いると1時間後に8
3%、2時間後に67%、4時間後に53%、8時間後
に48%になった。これらの結果より、本発明の供試材
は抗菌効果が非常に高いことが分かる。
【0013】上記実施例には、SUS304以外のステ
ンレス鋼、合金鋼、炭素鋼、鉄、NiおよびNi合金の
線材の表面の銅濃度を高めるものについては示されてい
ないが、これらの線材にもSUS304の線材と同様に
表面層の銅濃度を高めることができる。
【0014】
【本発明の効果】本発明の抗菌性を有する線材の製造方
法は、上記構成にしたことにより、従来の方法では製造
することができなかった高い銅濃度を有する表面層をえ
ることができ、その結果として高い抗菌性を有する線材
を得ることができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】銅めっき厚さごとの拡散させるための加熱温度
と4%以上の拡散層の厚さとの関係を示すグラフであ
る。
【図2】本発明の供試材および比較材を大腸菌を培養し
た溶液に入れた時間と大腸菌の生存率との関係を示すグ
ラフである。
【図3】本発明の供試材および比較材をブドウ糖球菌を
培養した溶液に入れた時間とブドウ糖球菌の生存率との
関係を示すグラフである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄系線材の表面に0.5μm以上の銅め
    っきを行った後、引抜き加工を行い、さらに800℃以
    上の温度で加熱処理を行って表面に銅を拡散させること
    を特徴とする抗菌性を有する鉄系線材の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記製造方法において、銅めっきを行う
    前にニッケルめっきを行うことを特徴とする抗菌性を有
    する鉄系線材の製造方法。
  3. 【請求項3】 ニッケル系線材の表面に0.5μm以上
    の銅めっきを行った後、引抜き加工を行い、さらに80
    0℃以上の温度で加熱処理を行って表面に銅を拡散させ
    ることを特徴とする抗菌性を有するニッケル系線材の製
    造方法。
JP28622897A 1997-10-03 1997-10-03 抗菌性を有する線材の製造方法 Pending JPH11106987A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010530476A (ja) * 2007-06-20 2010-09-09 オウトテック オサケイティオ ユルキネン 建設材料に機能性金属をコーティングする方法およびその方法によって製造された製品
JPWO2021149725A1 (ja) * 2020-01-21 2021-07-29

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