JPH11106859A - プラトー平坦性に優れた水素吸蔵合金 - Google Patents

プラトー平坦性に優れた水素吸蔵合金

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JPH11106859A
JPH11106859A JP28315797A JP28315797A JPH11106859A JP H11106859 A JPH11106859 A JP H11106859A JP 28315797 A JP28315797 A JP 28315797A JP 28315797 A JP28315797 A JP 28315797A JP H11106859 A JPH11106859 A JP H11106859A
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alloy
bcc
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phase
hydrogen
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Yasuhide Kurimoto
泰英 栗本
Hidenori Iba
英紀 射場
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、プラトー平坦性に優れた水素吸蔵
合金に関し、特にTi−Cr−V系に第4元素を添加し
たもので、その金属組織をBCC単相、もしくは熱処理
によりBCC単相化することにより、プラトー平坦性を
改善し使用環境を広くして、かつ吸蔵・放出特性に優れ
た水素吸蔵合金を提供する。 【解決手段】 原子数比a,b,c,およびdとして、
一般式Tia Crb cd で表され、但し、a+b+
c+d=100、AはIIIb族,Mn,Co,Ni,Z
r,Nb,Hf,Ta,Alの一種または二種以上であ
り、かつ14≦a≦60、14≦b≦60、9≦c≦6
0および0<d<8であり、また9≦c≦25の組成領
域で、BCC(体心立方)+C14(ラーベス相)であ
る合金において、1000〜1400℃で加熱し急冷し
て、BCC相に単相化することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラトー平坦性に
優れた水素吸蔵合金に関し、特にTi−Cr−V系に第
4元素を添加したもので、その金属組織をBCC単相、
もしくは熱処理によりBCC単相化することにより、プ
ラトー平坦性を改善し使用環境の制約を無くし、かつ吸
蔵・放出特性に優れた水素吸蔵合金に関する。
【0002】
【従来の技術】地球環境問題の観点から、化石燃料に替
わる新しいエネルギーとして、太陽熱、原子力、水力、
風力、地熱、廃熱の再利用などが、提案されている。し
かし、いずれの場合も、そのエネルギーをどのように貯
蔵し、輸送するかが共通の問題となっている。太陽熱や
水力を使って水を電気分解し、これによって得られた水
素をエネルギー媒体として用いるシステムは、原料が水
であり、エネルギーを消費してできる生成物がまた水で
あるという点で、究極のクリーンエネルギーといえる。
【0003】この水素の貯蔵・輸送手段として、水素吸
蔵合金は、合金自身の体積の約1000倍以上の水素ガスを
吸蔵し貯蔵することが可能であり、その体積密度は、液
体あるいは固体水素とほぼ同等かあるいはそれ以上であ
る。この水素吸蔵材料として、V,Nb,TaやTi−
V合金などの体心立方構造(以下BCC構造と呼称す
る)の金属は、すでに実用化されているLaNi5 など
のAB5 型合金やTiMn2 などのAB2 型合金に比
べ、大量の水素を吸蔵することは古くから知られてい
た。これは、BCC構造では、その結晶格子中の水素吸
蔵サイトが多く、計算による水素吸蔵量がH/M=2.
0(原子量50程度のTiやVなど合金では約4.0wt
%)と極めて大きいためである。
【0004】純バナジウム合金においては、結晶構造か
ら計算された値とほぼ同じ約4.0wt%を吸蔵し、その
約半分を常温常圧下で放出する。同じ周期表の5A族の
元素のNbやTaにおいても同様に大きな水素吸蔵量と
良好な水素放出特性を示すことが知られている。V,N
b,Taなどの純金属では、非常にコストが高いため、
水素タンクやNi−MH電池などある程度の合金量を必
要とする工業的な応用においては現実的でない。そこ
で、Ti−VなどのBCC構造を有する成分範囲の合金
において、その特性が調べられてきた。しかし、これら
のBCC合金では、V,Nb,Taにおいても問題とさ
れている反応速度が遅く、活性化が困難という点に加え
て、実用的な温度・圧力では吸蔵するのみで放出量は少
ない等の新しい問題点も生じている。この結果としてB
CC相を主たる構成相とする合金は、いまだ実用には至
っていない。
【0005】一方、従来のTi−Cr−V系合金では、
高容量の水素吸蔵特性を有するが、プラトー領域が平坦
ではなく、ヒステリシスが大きいため、使用環境によっ
ては材料特性が活かしきれていない。この分野の公知技
術として、特開昭61−25013号公報に、Ti,C
r,VにCo,Cu,Nb,希土類元素、Zrの一種ま
たは二種を添加したヒステリシスが小さい合金が開示さ
れている。しかし、プラトー領域が平坦でない場合は、
水素吸蔵合金の特性が十分に活かしきれず、水素の有効
使用量が小さいという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、T
i,Cr,Vの添加比率は変えずに、Ti−Cr−V系
合金に第4元素を添加することを検討し、プラトーを平
坦化できる水素吸蔵合金を提供することにある。本発明
の他の目的は、前記4元系合金の組織をBCC単相化で
きる組成を検討し、C14とBCCの2相混合領域のも
のに対しては、熱処理によってBCC単相化として、前
記プラトーが平坦である水素吸蔵合金を提供することに
ある。
【0007】本発明の別の目的は、前記4元系合金にお
ける水素吸蔵・放出特性、プラトー平坦性およびヒステ
リシスの改善についての具体的なデータから、使用環境
の限定をしないで、材料特性を最大限に発揮できる水素
吸蔵合金を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、原子数比
a,b,c,およびdとして、一般式Tia Crb c
d で表され、但し、a+b+c+d=100、AはII
Ib族,Mn,Co,Ni,Zr,Nb,Hf,Ta,A
lの一種または二種以上であり、かつ14≦a≦60、
14≦b≦60、9≦c≦60および0<d<8である
ことを特徴とする水素吸蔵合金によって達成される。
【0009】また、上記の目的は、原子数比a,b,
c,およびdとして、一般式Tia Crb Vc Ad で表
され、但し、a+b+c+d=100、AはIIIb族,M
n,Co,Ni,Zr,Nb,Hf,Ta,Alの一種
または二種以上であり、かつ14≦a≦60、14≦b
≦60、9≦c≦25および0<d<8の組成領域で、
結晶構造がBCC(体心立方)+C14(ラーベス相)
である合金において、1000〜1400℃で加熱し急
冷して、BCC相に単相化する熱処理を施すことを特徴
とする水素吸蔵合金によっても達成される。
【0010】
【発明の実施の形態】発明者等は、これまでの多数の実
験から、BCC金属であるTi−Cr−V系が構造的に
持つ大きな水素吸蔵量という特性を保持しながら、すな
わち、BCC構造とすることによって優れた水素吸蔵合
金としての特性を持ち、かつプラトー平坦性を改善する
ためには、第4元素を所定の量添加することが有効であ
るとの知見を得、これに基づいて本発明を達成したもの
である。
【0011】本発明の組成では、後述のようにBCC相
またはBCC相+C14相になる。BCC相+C14相
の場合は熱処理によりBCC化させているので、すなわ
ち1000〜1400℃で加熱し(2時間以上が望まし
い)急冷して、BCC相に単相化する熱処理を施すこと
によってBCC相化している。その結果、水素吸蔵量が
大きいとともに、第4元素の添加によりプラトー平坦性
が向上し、特にこのプラトー平坦性向上により合金とし
ての有効使用量が高い合金が得られる。元々BCC単相
の成分範囲でも、熱処理することは均質化に効果がある
のでプラトー平坦性向上のみの熱処理ではなく、これら
の向上効果は同時に発現されるものである。
【0012】従来のBCC型、Ti−Cr−V合金では
プラトーに傾きが存在するため、合金の使用環境(温
度、圧力)が限定される場合には、材料の持つ特性には
到達することなく低い特性値とならざるを得ない。この
ことから、合金が持つ吸蔵可能な水素量まで吸蔵させる
ことができないことおよび一度吸蔵した水素を完全に放
出させることができなくなる。
【0013】次に、本発明の技術的特徴と限定理由につ
いて説明する。第1発明は、第4元素としてAを、IIIb
族およびMn,Co,Ni,Zr,Nb,Hf,Ta,
Alの一種または二種以上としたのは、例えば図1のよ
うにプラトー平坦性にはこれらの成分が大きく影響する
ためである。IIIb族の中では、Y、ランタノイド元素が
好ましく、特にY,Laが好ましいが、Ce等でもよ
い。図1(a)はTi−Cr−V系にCoを、図1
(b)はTi−Cr−V系にNiを、図1(c)はTi
−Cr−V系にAlを各1at%を添加した場合のPC
T(水素吸放出特性)曲線を示している。本発明のプラ
トー平坦性とは図2に示すように、ベース合金の吸蔵ラ
インのプラトー傾き(L2)は13.5°であるのに対し
て、Co添加合金ではそれが(L1)7.5°に減少して
いる。この場合の比の値(L1/L2)7.5/13.5=
0.556をプラトー平坦性の相対値として表わす。一
方、ヒステリシスファクター(Hf)は、Hf=(吸蔵
中間値での吸蔵圧力Pa )/(放出中間値での放出圧力
Pd )で表すことで評価する。
【0014】例えば、図1(b)のようにプラトー平坦
性が改善されるため、水素の有効使用量が増加する。ま
た、ヒステリシスを小さくでき、使用環境による制約が
少なく十分にその能力が発揮されることから、実際に使
用する場合の水素吸蔵・放出の繰り返し量が増大する。
図3は後述の実施例で示される第4元素の添加効果(1
at%)について纏めたものである。この図では、従来
のTi−Cr−V系合金を標準として、横軸をプラトー
平坦性および縦軸をヒステリシスファクターとしてプロ
ットしたものである。この図から、第4元素としてのN
i,Co,Mnでは、特に効果が大きいことがわかる。
【0015】添加量としては、原子数比a,b,c,お
よびdとして、一般式Tia CrbVc Ad で表され、
但しa+b+c+d=100で、14≦a≦60、14
≦b≦60、9≦c≦60および0<d<8に規定した
のは、もしcがc≧60であればTi/Cr比の調整の
みではプラトー圧制御が困難となり、また、aが60超
の場合には、プラトー圧が著しく低下することになり、
bが60超の場合には、プラトー圧が著しく高くなる。
さらにa、bがそれぞれ14未満の場合には、熱処理に
よるBCC化が困難となる。一方、dについては、もし
もdがd>8の時は、元の3元系合金よりも、プラトー
平坦性が劣化することになる。また、dが8より減少す
る時には、平坦性の改善効果もそれに比例して小さくな
る。
【0016】図4はTi−Cr−V系の3元状態図であ
って、本発明の基本的特徴を示すBCCおよびBCC+
C14相の境界組成を示すもので、Ti−Cr系側にC
14が存在し、この周囲に2相領域が存在する。原子数
比で9≦c≦25の組成範囲では、BCC+C14の2
相共存となり、その後の熱処理によってBCC単相化す
ることが必要となる。また、c<9の範囲では、熱処理
してもBCCの単相化が困難となるため除外している。
【0017】次に、本発明水素吸蔵合金の水素吸放出特
性について説明する。先ず、前記のごとく本発明の基本
合金系は、Ti−Cr−V系であって、これに第4元素
を添加したものである。そのため、合金の特性として
は、この基本系を継承しておりこれとの対比で説明でき
る。前記第4元素の添加によってBCC相粒界に析出す
る析出物が減少し、BCC化を助長することにより、水
素放出特性の改善につながっていると推測される。
【0018】本発明の熱処理の作用については、さらに
次のように考える。前述のように二相の界面で生じてい
る格子歪が、水素化により生ずる水素化歪の分布状態を
変化させる。特に、本発明のようなBCC構造の合金に
おいては、水素化によって生ずる歪が水素吸蔵および放
出の圧力差(ヒステリシス)に大きな影響を及ぼす。本
発明のように微細構造をもつ合金においては、このよう
な初期の歪を熱処理により制御することによって、ヒス
テリシスの小さい最適な歪分布を作り出すことが可能と
なる。
【0019】本発明においては、熱処理温度が1000℃未
満ではその効果が得難くなり、一方、1400℃超の場合は
熱処理効果が飽和する傾向にあるため、1000〜1400℃に
限定する。また、熱処理時間として、1分未満では処理
効果が不十分であり、100 時間超では処理効果が飽和す
る傾向にありこれ以下で十分である。また好ましくは冷
却処理としては焼入れ処理でよい。また、時効処理と組
み合わせてもよく、この時効処理が採られない場合に
は、溶体化処理は均質化処理と同義である。以下に本発
明について実施例に基づいて詳述する。
【0020】
【実施例】
実施例1 本発明の実施例として、下記条件で、ベース合金のTi
/Cr/V比を変えることなく第4元素Xを1at%添
加して、FCEV(燃料電池電気自動車)の使用環境
(水素充填0℃10気圧、水素放出40℃1気圧)にお
ける特性として水素吸放出特性、特にプラトー平坦性、
ヒステリシスファクターの測定を行い、さらに構造解
析、組織を調査した。
【0021】 ベース合金組成:Ti26.5Cr33.540.0 供試合金組成 :Ti26.24 Cr33.17
39.60 1.00、A=Y,La,Zr,Hf,Nb,T
a,Mn,Co,Ni,Al なお、本実施例の試料は、全て水冷銅ハースを用いたア
ルゴン中アーク溶解で約20gのインゴットで行った。
本実施例のデータはすべて鋳造したままのインゴットを
空気中で粉砕し、石英管にAr封入(200〜300T
orr)して熱処理(1200℃×2hr後水中急冷)
を施した。活性化処理として、500℃、10-4torr真
空引き+50atm 水素加圧を4サイクル繰返し行った
後、合金の水素吸蔵量と吸放出特性は、容積法による圧
力組成等温線測定法(JIS H7201)に規定され
ている真空原点法で行ったものである。また透過電子顕
微鏡観察はバルクの試料からイオンミリングで薄膜を作
製した。
【0022】また、合金の構造解析は、透過電子顕微鏡
と付属のEDX(エネルギー分散型X線回折)を用いて
行った。さらに透過電子顕微鏡で得られた情報をもとに
結晶構造モデルを作成し、粉末X線回折データのリート
ベルト解析を行った。リートベルト解析は通常のX線回
折法とは異なり、回折強度を用いて結晶構造パラメータ
を精密化できるとともに、各相の重量分率を計算により
求めることが可能である。
【0023】リートベルト解析には、無機材質研究所泉
博士の開発した解析ソフトRIETAN94を用いた。
リートベルト解析では、平均としての相分率や結晶構造
パラメータが精度よく得られるが、その解析のためには
相当に確からしい結晶構造モデルが必要である。図5〜
図14に本実施例の測定結果として、PCT特性を横軸に
水素吸蔵量、縦軸に平行圧力でそれぞれを示す。ここで
図5は前記ベース合金とこれにCo1at%添加した合
金についての特性を示す。同様にして、図6〜図14は
図5と同様に、以下Ni,Al,Y,La,Zr,H
f,Ta,MnおよびNbの1at%を添加したものに
ついてのPCT曲線のそれぞれを示す。これらの図から
第4元素1at%の添加によって、ベース合金に比較し
て水素吸放出特性としての水素吸蔵量、プラト平坦性お
よびヒステリシスファクターの向上が認められた。
【0024】次に、Co,NiおよびAl添加合金につ
いての、構造解析に使用したエネルギー分散型X線回折
結果を図15(a)〜(c)にそれぞれを示す。いずれ
の合金のチャートにおいてもBCC構造特有のピーク位
置とよく一致したピークが認められた。さらに、ベース
合金のミクロ組織を図16(a)の100倍および16
(b)の500倍写真として、Niを1at%添加した
合金のミクロ組織写真を図16(c)の100倍および
16(d)の500倍写真として示す。この写真より第
4元素の添加によって、全く新しい組織が出現するので
はなく、ベース合金の組織をさらに改善し二相領域を減
少する傾向にあることがわかる。
【0025】実施例2 本実施例は合金成分の組成による水素吸放出特性の変化
について検討したものである。Ti−Cr−V系合金の
ベース合金に、第4元素を添加してA=0.5,1.
0,5.0および8.0at%となるように下記の成分
(No. 〜)に調整したものである。 Ti15.0Cr34.749.80.5 (本発明) Ti34.7Cr15.049.80.5 (本発明) Ti26.2Cr33.239.61.0 (本発明) Ti47.5Cr28.519.05.0 (本発明) Ti28.5Cr47.519.05.0 (本発明) Ti25.0Cr35.032.08.0 (比較例:請求の範囲
外)
【0026】ここで、A=Co,Ni,Al,Y,L
a,Zr,Hf,Ta,Mn また、本実施例の試料は、全て水冷銅ハースを用いたア
ルゴン中アーク溶解で約20gのインゴットで行った。
本実施例のデータはすべて鋳造したままのインゴットを
空気中で粉砕し、石英管にAr封入(200〜300T
orr)して熱処理(1200℃×2hr後水中急冷)
を施した。活性化処理として、500℃、10-4torr真
空引き+50atm 水素加圧を4サイクル繰返し行った
後、合金の水素吸蔵量と吸放出特性は、容積法による圧
力組成等温線測定法(JIS H7201)に規定され
ている真空原点法で行ったものである。これらの水素吸
蔵量およびプラト平坦性の測定結果を表1にまとめて示
す。
【0027】
【表1】
【0028】表1の結果から、本発明の試料No. 〜
の合金においては、即ち第4元素の添加量として0.5
〜5.0at%のものでは、水素吸蔵量およびプラトー
平坦性において良好な値を示し、本発明の範囲外である
試料No. については水素吸蔵量およびプラトー平坦性
ともに本発明例よりも低い値であることがわかる。図1
7(a)および17(b)に上記の合金について、水素
吸放出特性に対する熱処理の効果を示す。前記Ti
47.5Cr28.519.0Ni5.0 では、図17(a)に示す
ように、熱処理前では、その組織はBCC+C14の二
相であり、水素吸放出特性はかなり低い値であるが、1
200℃×2hr後急冷することによって、その水素吸
放出特性は改善される。これは本発明の熱処理によるB
CC単相化によると考えられる。また、図17(b)に
示されるように、Ti26.2Cr33.239.6Ni1.0
は、熱処理の水素吸放出特性に示す効果は前記合金に
比べて小さい。このことは本合金においては、熱処理
前で既にBCC単相であるため、熱処理は均一性の効果
に寄与したものと考えられる。
【0029】
【発明の効果】本発明の水素吸蔵合金によれば、第4元
素の添加によって優れた水素吸放出特性とさらにプラト
ー平坦性が改善され、かつヒステリシスが縮小されてい
るので実際に使用する場合に、使用環境による制約を受
け難く、安定した平衡圧を示すとともにさらにその有効
使用量が拡大できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るTi−Cr−V系合金とこれに第
4元素を1at%添加した場合の水素吸放出特性を示
し、(a)Co添加,(b)Ni添加,(c)Al添加
を示す図である。
【図2】本発明に係るTi−Cr−V系合金とこれにC
o1at%添加した合金のプラトー平坦性の説明図であ
る。
【図3】本発明に係るTi−Cr−V系合金とこれに各
種元素添加した場合のプラトー平坦性およびヒステリシ
スファクターの関係を示す図である。
【図4】本発明に係るTi−Cr−V三元系合金の状態
図を示す図である。
【図5】本発明に係るTi−Cr−V系合金とこれに第
4元素としてCoを1at%添加した場合の水素吸放出
特性を示す図である。
【図6】本発明に係るTi−Cr−V系合金とこれに第
4元素としてNiを1at%添加した場合の水素吸放出
特性を示す図である。
【図7】本発明に係るTi−Cr−V系合金とこれに第
4元素としてAlを1at%添加した場合の水素吸放出
特性を示す図である。
【図8】本発明に係るTi−Cr−V系合金とこれに第
4元素としてYを1at%添加した場合の水素吸放出特
性を示す図である。
【図9】本発明に係るTi−Cr−V系合金とこれに第
4元素としてLaを1at%添加した場合の水素吸放出
特性を示す図である。
【図10】本発明に係るTi−Cr−V系合金とこれに
第4元素としてZrを1at%添加した場合の水素吸放
出特性を示す図である。
【図11】本発明に係るTi−Cr−V系合金とこれに
第4元素としてHfを1at%添加した場合の水素吸放
出特性を示す図である。
【図12】本発明に係るTi−Cr−V系合金とこれに
第4元素としてTaを1at%添加した場合の水素吸放
出特性を示す図である。
【図13】本発明に係るTi−Cr−V系合金とこれに
第4元素としてMnを1at%添加した場合の水素吸放
出特性を示す図である。
【図14】本発明に係るTi−Cr−V系合金とこれに
第4元素としてNbを1at%添加した場合の水素吸放
出特性を示す図である。
【図15】本発明に係るTi−Cr−V系合金に第4元
素を1at%添加した場合のEDXチャートを示し、
(a)Co添加,(b)Ni添加,(c)Al添加を示
す図である。
【図16】本発明に係るTi−Cr−V系合金とこれに
第4元素としてNiを1at%添加した場合の金属組織
写真であり、(a)ベース合金の100倍,(b)ベー
ス合金の500倍,(c)Niを1at%添加した10
0倍,(d)Niを1at%添加した500倍写真であ
る。
【図17】本発明に係る熱処理の効果を示す熱処理前後
での水素吸放出特性を示し、(a)Ti47.5Cr28.5
19.0Ni5.0 ,(b)Ti26.2Cr33.239.6Ni1.0
を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C22C 19/00 C22C 19/00 F

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原子数比a,b,c,およびdとして、
    一般式Tia Crbc d で表され、但し、a+b+
    c+d=100、AはIIIb族,Mn,Co,Ni,Z
    r,Nb,Hf,Ta,Alの一種または二種以上であ
    り、かつ14≦a≦60、14≦b≦60、9≦c≦6
    0および0<d<8であることを特徴とする水素吸蔵合
    金。
  2. 【請求項2】 原子数比a,b,c,およびdとして、
    一般式Tia CrbVc Ad で表され、但し、a+b+
    c+d=100、AはIIIb族,Mn,Co,Ni,Z
    r,Nb,Hf,Ta,Alの一種または二種以上であ
    り、かつ14≦a≦60、14≦b≦60、9≦c≦2
    5および0<d<8の組成領域で、結晶構造がBCC
    (体心立方)+C14(ラーベス相)である合金におい
    て、1000〜1400℃で加熱し急冷して、BCC相
    に単相化する熱処理を施すことを特徴とする水素吸蔵合
    金。
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