JP4712228B2 - 水素吸蔵合金の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水素の吸蔵、放出が可能な体心立方構造(以下BCC構造)を主相とする水素吸蔵合金の製造方法に関する。本発明により、不純物の混入が少なく、水素の吸蔵・放出量が多く、急冷凝固が可能なTi−Cr系BCC合金の製造方法を提供する。
【0002】
【従来の技術】
酸性雨やCO2による地球温暖化等の環境問題への対応から、近年、エコロジーカーの開発が進められ、電気自動車・ハイブリッド自動車・燃料電池自動車・水素自動車等が開発が進められており、一部実用化し始めている。これらには、水素貯蔵タンクとして水素吸蔵合金が使用されている。また、同じく環境問題の観点から、化石燃料以外の代替エネルギーシステムの確立が必要とされており、その一つとして自然エネルギーを利用して水素を製造し、水素吸蔵合金により水素を貯蔵・輸送し、水素エンジン・燃料電池等により様々なエネルギーに変換するエネルギーシステムの開発も進められている。
【0003】
上述の様に水素吸蔵合金の用途は急速に広がりつつあり、個々の用途によって要求される特性は異なる。しかし、いずれの場合も水素吸蔵量・放出量を、更に大きくすることが最優先の課題としてあげられている。しかしながら、現在実用化されているLaNi5等のAB5型合金やTiMn2等のAB2型合金では、水素吸蔵量は不充分であった。そこで、最近水素吸蔵サイトが多く存在し、合金1原子当りに吸蔵する水素量が2程度と極めて大きい体心立方構造を有する、V、Ti−Cr−V、Ti−Cr−Mo等の金属、合金が注目を浴びている。
【0004】
また、これらの合金成分、合金の融点は非常に高く、1400℃以上のものが大半を占める。このため、合金の溶解、鋳造には高融点金属の溶解として、主にアーク溶解またはプラズマアーク溶解が行われ、インゴット状に鋳造される。この場合、溶湯が高温のため、溶解るつぼとしてはセラミックス、カーボン等の耐火物が使用されることは稀であり、通常水冷の銅るつぼ、銅ハース等が用いられる。特に本発明のように金属成分として、非常に活性なTi等が含まれている場合、適当なセラミックス系耐火物はなく、例えば酸化物が熱エネルギー的に安定なカルシアるつぼを使用しても、合金中への酸素、カルシウムの混入は避け難く、るつぼの侵食も激しい。一部、水冷銅るつぼ以外の例としては、形状記憶合金のNi−Ti合金において、カーボンるつぼが使用されているが、炭素濃度の増加は避けられない。また、溶解るつぼのみでなく、鋳造方法により、タンディッシュ、湯道、ノズル等も必要となり、水冷銅等の金属材料を用いるか、セラミック、カーボン等の耐火材を使用することになる。この場合も、これら耐火材からの不純物の混入が発生し、合金種類によっては特性劣化を招く結果となる。
【0005】
本発明の合金系であるTi―Cr―V系、Ti―Cr―Mo系、Ti―Cr―W系BCC合金の場合、酸素、炭素、窒素等の耐火物から混入しやすい成分が不純物としてある程度混入した場合、水素吸蔵量は減少するため、これら成分の混入はできる限り防止することが望ましい。
上記合金系で水素吸蔵量を多くするためには、上述のように水素吸蔵サイトが多いBCC構造の比率をできる限り高める必要がある。これらの合金系の基本となるTi−Cr二元系では、水素の吸蔵及び放出を実用的な温度、圧力で行えるTi濃度(20≦Ti≦60)では、図.1のTi−Cr二元系状態図から判るように固相線とラーベス相領域間のBCC相の存在する温度領域が狭く、合金を溶融した後、徐冷すると水素吸蔵量が少ないラーベス相が主体の組織が形成されてしまい、BCC相を主相として得ることが困難である。アーク溶解炉やプラズマ溶解炉で溶解し、水冷銅鋳型に鋳造する場合の冷却条件は、徐冷であり、ラーベス主相の合金となる。そこで、このような製造方法を用いる場合は、BCC相の形成能が高い、V、Mo及びW等の元素を少なくとも10at%、通常20at%を超える量を加え、低温域でもBCC相が安定に得られる合金組成とし、従来は製造されている。しかしながら、高純度のV、Mo及びWは、単価が高く、溶解後の冷却速度が徐冷でもBCC相の形成能が高い組成ではコスト高を招く結果となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点を解決し、高融点、高活性の合金系であっても、従来の溶解法よりも酸素、炭素、窒素等の不純物の混入が少なく、経済的な合金組成において水素吸蔵・放出量が多い、Ti−Cr系合金でBCC相が主相の水素吸蔵合金の製造方法を提供する。
【0007】
課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、
(1) 円筒状鋳型内にTi、Crを含有し、かつV、Mo及Wから選ばれた少なくとも1種類以上の元素を含む合金を配置し、前記円筒状鋳型を回転軸Lを軸にして回転し、前記合金をアークまたはプラズマアークを発生する装置によって溶解するとともに、前記回転軸Lに対し、傾斜角θを成す回転軸Rを軸にして回転し、該回転により溶湯を飛散させ、その飛散した溶湯を回転する円筒状鋳型の内面で凝固させることを特徴とする水素吸蔵合金の製造方法。
(2) 円筒状鋳型内に回転体を配置し、Ti、Crを含有し、かつV、Mo及Wから選ばれた少なくとも1種類以上の元素を含む合金をアークまたはプラズマアークを発生する装置によって溶解し、その溶湯を前記回転体に受け、前記円筒状鋳型を回転軸Lを軸にして回転するとともに、前記回転体を該回転軸Lに対し、傾斜角θを成す回転軸Rを軸にして回転し、該回転により溶湯を飛散させ、その飛散した溶湯を回転する円筒状鋳型の内面で凝固させることを特徴とする水素吸蔵合金の製造方法。
(3) 水素吸蔵合金の組成が一般式Ti(100-a-0.4b)Cr(a-0.6b)(b-c)Cただし20≦a(at%)≦80、0≦b(at%)≦10、0≦C(at%)<5の組成式で表され、前記MがMo元素またはW元素の少なくとも一方の元素であり、得られた合金が水素の吸蔵、放出が可能な体心立方構造型を主相とする上記(1)ないし(2)に記載の水素吸蔵合金の製造方法。
(4) 前項における一般式Ti(100-a-0.4b)Cr(a-0.6b)(b-c)Cにおいて、50≦a(at%)≦70、0≦b(at%)≦10、0≦C(at%)<5の組成式で表され、前記MがMo元素またはW元素の少なくとも一方の元素であり、得られた合金が水素の吸蔵、放出が可能な体心立方構造型を主相とする上記(3)に記載の水素吸蔵合金の製造方法。
(5) 合金中にTiの原子半径より小さく、Crの原子半径よりも大きい元素Xを、その原子%濃度dが0.1at%以上20at%以下の範囲で含有する上記(1)〜(4)のいずれかに記載の水素吸蔵合金の製造方法。
(6) 前記元素Xが、Al,Ge,Ga,Si,Au及びPtから選ばれた少なくとも1種類以上の元素である上記(5)に記載の水素吸蔵合金の製造方法。
(7) 合金成分として、Nb,Ta,Mn,Fe,Al,B,C,Co,Cu,Ga,Ge,Ln(ランタノイド系金属),Y,N,Ni,P及びSiから選ばれた少なくとも1種類以上の元素をその原子%濃度が0.1at%以上10at%以下の範囲含有する上記(1)〜(4)のいずれかに記載の水素吸蔵合金の製造方法。
(8) 該アークまたはプラズマアークにて溶解した溶湯の温度が1600℃以上1800℃以下である上記(1)〜(7)いずれか記載の水素吸蔵合金の製造方法。
(9) 水素吸蔵合金中の、酸素濃度、炭素濃度、窒素濃度の合計が重量で5000ppm以下であることを特徴とする上記(1)〜(8)のいずれかに記載の水素吸蔵合金の製造方法。
(10) 水素吸蔵合金中の、酸素濃度、炭素濃度、窒素濃度の合計が重量で2000ppm以下であることを特徴とする上記(1)〜(8)のいずれかに記載の水素吸蔵合金の製造方法。
(11) 該円筒状鋳型の内面の周速度が、3m/s以上60m/s以下である上記(1)〜(10)のいずれかに記載の水素吸蔵合金の製造方法。
(12) 該円筒状鋳型の内面の周速度が、5m/s以上30m/s以下である上記(1)〜(10)のいずれかに記載の水素吸蔵合金の製造方法。
(13) 傾斜角θを鋳造時に可変できる機能を有することを特徴とする上記(1)〜(12)のいずれかに記載の水素吸蔵合金の製造方法。
(14) 円筒状の鋳型及び/または合金もしくは回転体を、鋳造時に、回転軸Lの方向に往復運動させることができる機能を有することを特徴とする上記(1)〜(13)のいずれかに記載の水素吸蔵合金の製造方法。
(15)転体が、純銅、銅合金、純モリブデン、モリブデン合金、純タングステンまたはタングステン合金いずれかであることを特徴とする上記(2)〜(14)のいずれかに記載の水素吸蔵合金の製造方法。
(16) 水素吸蔵合金を上記(1)〜(15)のいずれかに記載の製造法で鋳造後、1000℃以上1500℃以下の温度にて、1分〜100時間の範囲にて熱処理する水素吸蔵合金の製造方法。
(17) 水素吸蔵合金を上記(1)〜(15)のいずれかに記載の製造法で鋳造後、1000℃以上1500℃以下の温度にて、1分〜100時間の範囲にて熱処理後、ガス中、水中または油中で急冷する水素吸蔵合金の製造方法。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の一形態は、Ti、Crを含有し、かつV、Mo及Wから選ばれた少なくとも1種類以上の元素を含む合金を、回転軸をRにして取付け、回転させながら該合金を溶解するアークまたはプラズマアークを発生する装置を備え、かつ該合金の周囲に、回転する円筒状鋳型をその鋳型の回転軸Lと合金の回転軸Rとが傾斜角θを成すように配置し、溶解した金属を該鋳型内壁で凝固させることを特徴とした水素吸蔵合金の製造方法である。 本発明を、図2、3を用いて説明する。
【0009】
Ti、Crを含有し、かつV、Mo及Wから選ばれた少なくとも1種類以上の元素を含む合金1を、その合金1を回転軸をRにしてるつぼ2に取付ける。溶解手段として、アークまたはプラズマアークを発生する装置を備え、チャンバー内にアーク電極またはプラズマアークトーチ3を合金1上に設置する。雰囲気としては、大気中、真空中、不活性ガス雰囲気中などがある。本発明の該合金は高活性、高融点金属を含むため、溶解雰囲気としては、不活性ガス中が適している。不活性ガスとしては、通常アルゴン、ヘリウムが使用される。また、溶解方法としてプラズマアークを用いる場合は、不活性ガスと共に水素ガスを併用すると溶解エネルギーを増加できるため好ましい。
【0010】
本発明ではアーク電極またはプラズマアークトーチ3からアーク31を発生させ、該合金1にアークを当て、発生した溶湯11を回転軸Rの回転による遠心力によって、回転軸Rと傾斜角θを成す回転軸Lで回転している円筒状の鋳型5の内壁に飛散、凝固させる。
【0011】
また、本発明の別な一形態としては、図3のように合金を回転軸Rに取付けないで、アークまたはプラズマアークで溶解した溶湯を、回転体5(該回転体の回転軸をRとする。)に受け、該回転体の回転によって溶湯を飛散させ、その飛散した溶湯を回転する円筒状鋳型(該円筒状鋳型の回転軸をLとする。)の内面で凝固させ、リボン状の合金を得る。回転体とは、回転軸をRとして回転する物体であり、注がれた溶湯を周囲に飛散させる機能を有する物体である。形状としては回転軸をRとした回転対称形や該回転対称形に部分的に突起物、溝部、孔部等を有することが好ましい。例えば図4に示すような円盤状、上に角度を持つカップ状、下に角度を持つコーン状や、これらの表面に突起部や溝部を有する形状が好ましい。
【0012】
このような形状の回転体や回転体の内部に溶湯が注がれた場合、溶湯は回転に よる力や遠心力により、回転体の周囲に飛散させられる。この場合、回転体の熱容量を小さくすることにより溶湯を回転体上で凝固させず、円筒状鋳型の内壁にて急冷凝固させることができる。なお、角度を持たない平板状の回転体の場合は、回転軸Rと鋳型の回転軸Lの角度をθだけつけて鋳型内面の広範な範囲に溶湯を飛散させることにより冷却速度を上げられる。
【0013】
すなわち、本発明の製造方法により、アークまたはプラズマアークで溶解した溶湯を、回転軸Rに取付けられた合金あるいは回転体の回転による遠心力により周囲に飛散させ、回転する円筒状鋳型(該円筒状鋳型の回転軸をLとする。)の内面で急冷凝固させることにより、Ti―Cr系において本来、BCC形成能が低いVとMoまたはWの含有量が10at%以下の組成範囲において、水素吸蔵、放出量が多い、体心立方構造型を主相とする水素吸蔵合金が得られる。
【0014】
本発明は、水素吸蔵合金はTi、Crを含有し、かつV、Mo及Wから選ばれた少なくとも1種類以上の元素を含む合金の製造方法である。また、その組成がTi(100-a-0.4b)Cr(a-0.6b)(b-c)Cただし20≦a(at%)≦80、0≦b(at%)≦10、0≦C(at%)<5の組成式で表され、前期MがMo元素またはW元素の少なくとも一方の元素であり、水素の吸蔵、放出が可能な体心立方構造型を主相とする合金の製造方法である。本発明により、該合金、組成において体心立方構造型を主相とする水素吸蔵合金の製造が可能であり、単価の高い成分であるVとMoまたはWの含有量を10at%以下とすることで経済的であるだけでなく、単位重量当りの水素吸蔵量が高い合金が得られる。
また、該合金系においてはTiとCrの比率を変えることにより、水素吸蔵、放出のプラトー圧を変化させられ、Ti量を多くするとプラトー圧が低下する傾向にある。しかしながら、Ti量が16at%未満ではプラトー圧が著しく上昇しし、実用的な圧力範囲では、吸放出可能な水素量が低下する。逆にTi量が80at%を超えるとプラトー圧が著しく低下し、実用的な圧力範囲以下となるため、結局吸放出可能な水素量が低下することになる。従って、Ti量は、16≦Ti(at%)≦80が好ましく、更に好ましくはプラトー圧力が実用的で水素吸蔵量も多い、26≦Ti(at%)≦50であり、この組成範囲において、TiとCrの比率を変えて、目的の圧力に調整を行う。ただし、前記水素吸蔵合金の特性に大きな影響を与えない範囲での他の元素は任意に添加できる。
【0015】
上記組成範囲において、アークまたはプラズマアークにて溶解した溶湯の温度が1600℃に達しないと得られた合金の均一性が乏しく、水素吸蔵量が低下する。逆に1800℃を超えると急冷凝固が困難となり、合金中の酸素濃度上昇や設備の劣化が早くなる等の問題が発生するため、溶湯温度は、1600℃以上1800℃以下が好ましい。
【0016】
該水素吸蔵合金中の、酸素濃度、炭素濃度、窒素濃度の合計が重量で5000ppm以下であることが好ましく、更に好ましくは2000ppm以下である。合金中の酸素濃度、炭素濃度、窒素濃度の合計が重量で5000ppmを超えると、水素サイトの減少に起因すると考えられる水素吸蔵量の低下が発生する。本発明の製造方法は、鋳造時にこれら元素混入の主原因となるセラミック等の耐火物の使用を極力制限して、あるいは使用しないで得られるため、これら元素濃度の合計量を低下させることが可能である。
【0017】
本発明では、合金中にTiの原子半径より小さく、Crの原子半径よりも大きい元素Xを、その原子%濃度dが0.1at%以上20at%以下の範囲で含有することができる。このような元素を含有することで、ラーベス相の生成が阻害され、BCC相が安定化し、BCC相を主相とした水素吸蔵合金が製造しやすくなる。
前記元素Xが、Al,Ge,Ga,Si,Au及びPtから選ばれた少なくとも1種類以上の元素であることが好ましい。
原子%濃度が0.1at%未満であると、元素添加の効果がなく、20at%を超えると、水素吸蔵量の低下を招く。
【0018】
また、本発明では、TiとCrの比率以外のプラトー圧の調整方法としてまた、合金全体、特にBCC相中の酸素濃度を低下させるため、合金成分として、Nb,Ta,Mn,Fe,Al,B,C,Co,Cu,Ga,Ge,Ln(ランタノイド系金属),Y,N,Ni,P及びSiから選ばれた少なくとも1種類以上の元素をその原子%濃度が0.1at%以上10at%以下の範囲含有させることができる。
原子%濃度が0.1at%未満であると、元素添加の効果がなく、20at%を超えると、水素吸蔵量の低下を招く。
【0019】
本発明のるつぼ2及び回転体6の材質は、耐熱性、熱伝導度、合金中への不純物等を考慮すれば、鋼材、ステンレス鋼や純銅及び銅合金、純モリブデン及びモリブデン合金、または純タングステン及びタングステン合金等を用いて作製するのが好ましい。また、るつぼ及び回転体は、必要に応じて水冷することが好ましい。また、本発明の円筒状鋳型の材質としては、一般的には入手性、加工のし易さから鋳鉄あるいは溶接構造用圧延鋼材等の鋼材を用いて造ることができる。さらに鋼材より熱伝導の良好な銅あるいは銅合金を用いることができる。
【0020】
回転軸Rに取付けられた合金あるいは回転体の回転速度は、次のような要因を考慮して決める。回転軸合金あるいは回転体から噴出される溶湯流の流出速度が、鋳型の内壁に到達できるよう、さらに充分な速度を維持して衝突できるように、充分な回転速度となるようにする。
回転軸Rに取付けられた合金あるいは回転体の回転によって飛散された溶湯は、回転軸Lで回転する円筒状鋳型の内面で急冷凝固する。またこの際、飛散溶湯が鋳型面と直角になると凝固堆積が同じ鋳型部に集中するため、回転軸Rと回転軸Lとが傾斜角θを成すようにするか、溶湯受けの役目の回転体の上面を傾斜させることが溶湯を鋳型面に広範囲にばらまくために必要である。
【0021】
本発明で急冷凝固する溶湯は、円筒状鋳型の内壁への遠心力による押しつけに
より均質性を増し、また円筒状鋳型への熱移動が促進されるため、冷却速度を増やすことができる。これに加え、回転軸Rに取付けられた合金あるいは回転体の回転軸Rと円筒状鋳型の回転軸Lとが傾斜角θをなすように配置し、あるいは溶湯受けのための回転体上面を傾斜させることにより、更に回転体ならびに円筒状鋳型をともに回転させることにより、円筒状鋳型の内壁の広い範囲に溶湯を急冷凝固させることが可能となる。
【0022】
本発明では、回転軸Rに取付けられた合金あるいは回転体の回転軸Rと円筒状鋳型の回転軸Lとを傾斜角θを成すように設置する必要がある。ここで傾斜角θとは回転軸Rと回転軸Lがなす角度であり、一般的には、0<θ<90である。この場合、回転軸Rと回転軸Lが同一平面内にない場合も含み、この際の傾斜角は、一方の回転軸を他方の回転軸を含む平面に射影し、その射影した平面における回転軸Rと回転軸Lのなす傾斜角を用いる。
溶湯が円筒状鋳型の内面に広がり、速い冷却速度が得られるように、回転軸Lとが成す角度θを、好ましくは5度以上、より好ましくは10度以上、最も好ましくは15度以上とする。しかしながら40度を越えて、円筒状鋳型と回転受け容器等を配置するのは装置の構造上困難であるため、35度以下が好ましい。
【0023】
本発明の円筒状鋳型の周速度が遅いと、溶湯を薄く広げる効果が小さく、リボンが厚くなるため、冷却速度が遅く、水素吸蔵量が少ない、ラーベス相が生成しやすくなる。一方、周速度を速めると、溶湯が遠心力で鋳型内壁に広がりやすくなり、かつ生成するリボンが薄くなるため、冷却効果が高まり、BCC相が得られやすくなる。しかしながら周速度を更に速めると、鋳型内壁でリボンにならずにスプラッシュになる比率が増加して歩留まりが低下したり、装置の回転系に負担の大きくなり、寿命が短くなる等の問題が生じる。このため本発明では、円筒状鋳型の周速度を好ましくは3m/S以上60m/S以下、さらに好ましくは5m/S以上30m/S以下となるように設定する。また、回転軸Rに取付けられた合金あるいは回転体の回転方向は、円筒状鋳型の回転方向と同一方向、逆方向どちらでも構わない。
このようなリボンを連続的に量産するためには、円筒状鋳型内壁に生成したリボンを連続的に回収することが必要である。具体的には、リボン堆積凝固物をエアナイフや機械的なスクレッパー等で鋳型内壁から連続的にはぎ取る方法、円筒状鋳型を下側に開いた形状としてリボンを下側に落とす方法等をを用いることができる。
【0024】
本発明では、円筒状鋳型の回転軸Lと回転体の回転軸Rとの成す角度θを、上述の範囲内で変化させながら鋳造することが望ましい。これは、傾斜角θを固定すると、円筒状鋳型の内壁の両端付近に溶湯の供給が多くなり、、逆に内壁の中央付近で溶湯の供給が少なくなる。傾斜角θを変化させながら鋳造することにより、鋳型内壁への溶湯の供給分布をより均一化することができ、リボンに対する均一な冷却速度が得られるからである。
【0025】
また、本発明では、円筒状鋳型または回転軸Rに取付けられた合金あるいは回転体5を鋳造中にL方向上で往復運動させることによっても、鋳型内壁への溶湯の供給分布をより均一化することができる。円筒状鋳型を往復運動させなくとも、回転軸Rに取付けられた合金または回転体をL方向上で往復運動させても良い。この際、角度θを変化させる機構、およびL方向上で円筒状鋳型等を往復運動させる機構はそれぞれを単独で作動させてもよいが、同時に作動させるとより好ましい。
【0026】
本発明の鋳造方法を用いることにより従来法では困難であったBCC相が主相の経済的な合金組成において、水素吸蔵、放出特性に優れたTi−Cr系水素吸蔵合金製造することが可能となったが、鋳造後のリボンを熱処理することによって、さらにリボンの組織の改質や、組織の均質性を高めることが可能となる。熱処理温度としては1000℃以上1500℃以下で1分〜100時間の範囲内が好ましい。熱処理温度が1000℃より低いと原子の拡散が不十分であったり、また組成によりラーベス相が発達するため不適当である。一方、1500℃より高いと液相が生成し、酸化が進行して特性が低下したり、容器や熱処理装置の劣化が早まり、経済的でない。また、熱処理時間が1分より短いと均一な加熱がされず、熱処理効果が充分に得られない。一方、100時間を越える場合、酸化、窒化等が進行して特性劣化を招き、経済的にも不利である。
また、熱処理後の冷却は、ガス中、水中、油中いずれも選択でき、冷却速度、経済性に応じて使い分けることが可能である。
【0027】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明するが本発明はこれらに限定されるものではない。実施条件と特性評価結果を表1に示す。
【0028】
(実施例1〜4)
組成が37at%Ti−55at%Cr−8at%Vである直径50mm長さ100mmの円柱状インゴットを回転軸がRである水冷銅るつぼにセットし、アルゴンガス雰囲気中で、75kwのプラズマアークをあてながら、600rpmで回転させた。原料の金属Ti、金属Cr、金属Vは、3N5から4Nの高純度品を使用した。直径700mmの円筒状鉄製鋳型の回転軸Lは鉛直方向、円柱状インゴットの回転軸Rとの角度は20度とし、鋳型内壁の周速度を10m/s〜53m/sにて回転させた。溶湯温度は1625℃付近とした。図2に示す鋳造装置で鋳造を行い、厚さ10〜60μmのリボンを得た。相の同定はX線回折で行った。測定にはCuKα線を用い、フィラメント電圧を40KV、電流を40mAとした。また、酸素、炭素、窒素濃度の測定も行った。水素吸放出特性の測定はジーベルツ装置を用いた容量法により、いずれの試料も40℃で、最高圧力は4MPaで行った。試料は粗粉砕し、1mm開口の篩を通過したリボン片を用い、反応管へ装填、油回転ポンプにより1時間真空排気した後、測定を開始した。測定に当っては特別な初期活性化処理は施さず、第3サイクル目の測定結果から水素吸蔵量を求めた。また、必要に応じて、リボンを樹脂に埋め込み研磨し、走査型電子顕微鏡にて断面観察を行った。
実施例1の鋳型内壁の周速度を5m/sとした場合は、水素吸蔵量は2.7wt%と良好な特性であった。
実施例2の鋳型内壁の周速度を10m/sとした場合は、水素吸蔵量は2.8wt%と良好な特性であった。
実施例3の鋳型内壁の周速度を30m/sとした場合は、水素吸蔵量は2.7wt%と良好な特性であった。
実施例4の鋳型内壁の周速度を53m/sとした場合は、水素吸蔵量は2.5wt%と良好な特性であった。
実施例1〜4のX線回折の結果、BCC相のみが同定された。また、ガス成分分析の結果、いずれの試料も酸素、炭素、窒素の合計値は、2000ppm以下で低レベルの値であった。また、走査型電子顕微鏡でのリボンの断面観察では、いずれの試料も均一な組織が観察された。
【0029】
(実施例5〜6)
合金組成を実施例5では、38at%Ti−57at%Cr−5at%V、
実施例6では、36at%Ti−54at%Cr−10at%Vにて行い、図2に示す装置にて、鋳型内壁の周速度を10m/sとし、その他の条件は実施例1と同条件にて鋳造を行った。
X線回折の結果、BCC相のみが同定された。また、ガス成分分析の結果、いずれの試料も酸素、炭素、窒素の合計値は、2000ppm以下で低レベルの値であった。水素吸蔵量は、実施例5では、2.8wt%、実施例6では、2.7wt%と良好な特性であった。
【0030】
(実施例7〜9)
合金組成を実施例7では、39at%Ti−58at%Cr−3at%Mo、
実施例8では、39at%Ti−58at%Cr−3at%W、実施例9では、37at%Ti−55at%Cr−5at%V−3at%Moにて行い、図2に示す装置にて、鋳型内壁の周速度を10m/sとし、その他の条件は実施例1と同条件にて鋳造を行った。
X線回折の結果、BCC相のみが同定された。また、ガス成分分析の結果、いずれの試料も酸素、炭素、窒素の合計値は、2000ppm以下で低レベルの値であった。水素吸蔵量は、実施例7では、2.8wt%、実施例8では、2.6wt%、実施例9では、2.7wt%と良好な特性であった。
【0031】
(実施例10〜11)
実施例10では、組成が、Ti:37at%、Cr:55at%、V:6at%、La:2at%となるように、2Nから3N純度の金属Ti、金属Cr、金属V、金属Laを配合し、アルゴンガス雰囲気中、75kwのプラズマアークにて水冷Cuるつぼで溶解し、回転軸がRである回転体6を1200rpmで回転させ、その回転体6上に溶湯を供給し、溶湯を周囲に飛散させた。直径700mmの円筒状鉄製鋳型の回転軸Lは鉛直方向、回転体6と回転軸Rとの角度は20度とし、鋳型内壁の周速度を10m/sにて回転させた。溶湯温度は1625℃付近とした。図3に示す鋳造装置で鋳造を行い、厚さ約60μmのリボンを得た。相の同定、ガス成分分析、水素吸蔵量の特性評価は、実施例1〜4と同条件で行った。
実施例11では、組成が、Ti:37at%、Cr:55at%、V:6at%、Al:2at%となるように、金属Ti、金属Cr、金属V、金属Laを配合し、実施例10と同条件で鋳造を行った。
実施例10〜11のX線回折の結果、BCC相のみが同定された。また、ガス成分分析の結果、いずれの試料も酸素、炭素、窒素の合計値は、5000ppm以下で低レベルの値であった。水素吸蔵量は、実施例10では2.7wt%、実施例11では2.4wt%と良好な特性であった。
【0032】
(実施例12〜13)
合金組成を実施例12では、42at%Ti−58at%Crにて、鋳型内壁の周速度を30m/sとし、その他の条件は実施例1と同条件にて鋳造を行った。X線回折の結果、主相のBCC相以外にラーベス相が同定された。また、ガス成分分析の結果、いずれの試料も酸素、炭素、窒素の合計値は、2000ppm以下で低レベルの値であった。水素吸蔵量は、2.1wt%と2wt%以上であった。
実施例13は、実施例12で得られたリボンを、直径12mmの透明石英管にアルゴン中封止し、電気炉で1400℃、1時間の条件にて熱処理後、水中で冷却した。
X線回折の結果、BCC相のみが同定された。また、ガス成分分析の結果、いずれの試料も酸素、炭素、窒素の合計値は、2000ppm以下で低レベルの値であった。水素吸蔵量は、2.5wt%となり、熱処理前の2.1wt%から0.4wt%増加した。
【0033】
(比較例1)
合金組成を実施例1と同様の37at%Ti−55at%Cr−8at%Vとし、図2に示す装置にて、鋳型内壁の周速度を2m/sとし、その他の条件は実施例1と同条件にて鋳造を行った。
X線回折の結果、主相のBCC相以外にラーベス相が同定された。また、ガス成分分析の結果、いずれの試料も酸素、炭素、窒素の合計値は、480ppmと低レベルの値であった。水素吸蔵量は、1.6wt%と2wt%を下回る値となった。
【0034】
(比較例2)
合金組成を、コスト高の原因となるVを20at%とした32at%Ti−48at%Cr−20at%Vとし、図2に示す装置にて、鋳型内壁の周速度を10m/sとし、その他の条件は実施例1と同条件にて鋳造を行った。
X線回折の結果、BCC相のみが同定された。また、ガス成分分析の結果、いずれの試料も酸素、炭素、窒素の合計値は、650ppmと低レベルの値であった。比較例2の組成ではコスト高に加えて、水素吸蔵量は、2.5wt%と5at%Vの実施例5の2.8wt%、8at%Vの実施例2の2.8wt%、10at%Vの実施例6の2.7wt%と比較し、低下した。
【0035】
(比較例3)
合金組成を、36at%Ti−54at%Cr−10at%Moとし、図2に示す装置にて、鋳型内壁の周速度を10m/sとし、その他の条件は実施例1と同条件にて鋳造を行った。
X線回折の結果、主相のBCC相以外にMo相が同定された。また、ガス成分分析の結果、いずれの試料も酸素、炭素、窒素の合計値は、980ppmと低レベルの値であった。水素吸蔵量は、2.1wt%と3at%Moの実施例7の2.8wt%と比較し、0.7wt%低下した。
【0036】
(比較例4)
合金組成を、37at%Ti−55at%Cr−8at%Vとし、図2に示す装置にて、鋳型内壁の周速度を10m/sとし、回転軸がRの水冷銅るつぼ内側にアルミナ製るつぼをセットし、その他の条件は実施例1と同条件にて鋳造を行った。
X線回折の結果、BCC相のみが同定された。また、ガス成分分析の結果、いずれの試料も酸素、炭素、窒素の合計値は、6580ppmと多量のガス成分が含有していた。水素吸蔵量は1.6wt%と低い値となった。
【0037】
(比較例5)
合金組成を、37at%Ti−55at%Cr−8at%Vとし、図2に示す装置にて、鋳型内壁の周速度を10m/sとし、溶湯温度は1550℃付近とした。その他の条件は実施例1と同条件にて鋳造を行った。
X線回折の結果、BCC相のみが同定された。また、ガス成分分析の結果は、酸素、炭素、窒素の合計値は、770ppmと低レベルにもかかわらず、水素吸蔵量は、1.9wt%と2wt%を下回った。走査型電子顕微鏡でのリボンの断面観察では、自由面側に不均一相が観察された。
(比較例6)
合金組成が、Ti:37at%、Cr:55at%、V:8at%となるように、3N5から4Nの高純度品を使用し、金属Ti、金属Cr、金属Vを配合し、アルゴンガス雰囲気中で、アーク溶解炉にて電流600A、2分間の条件で溶解し、直径約50mm、厚さ約10mmのインゴットを得た。
X線回折の結果、ラーベス相のみが同定された。また、ガス成分分析の結果は、酸素、炭素、窒素の合計値は、420ppmと低レベルにもかかわらず、水素吸蔵量は、0.8wt%と低い値となった。
【0038】
上記実施例1〜13および比較例1〜6の結果を下表1にまとめて示す。
【表1】
Figure 0004712228
【0039】
【発明の効果】
本発明により、高融点、高活性の合金系であっても、従来の溶解法よりも酸素、炭素、窒素等の不純物の混入が少なく、経済的な合金組成において水素吸蔵・放出量が多い、Ti−Cr系合金でBCC相が主相の水素吸蔵合金の製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Ti―Cr二元系状態図
【図2】本発明の、回転軸をRとして金属を取り付けて行う製造方法を示す。
【図3】本発明の、回転体を使用する製造方法を示す。
【図4】本発明の回転体の一例を示す。
【符号の説明】
1 合金
11 溶湯
2 るつぼ
3 アーク電極あるいはプラズマアークトーチ
31 アーク
4 円筒状の鋳型
L 円筒状鋳型の回転軸
5 回転体
R 合金あるいは回転体の回転軸

Claims (17)

  1. 円筒状鋳型内にTi、Crを含有し、かつV、Mo及Wから選ばれた少なくとも1種類以上の元素を含む合金を配置し、前記円筒状鋳型を回転軸Lを軸にして回転し、前記合金をアークまたはプラズマアークを発生する装置によって溶解するとともに、前記回転軸Lに対し、傾斜角θを成す回転軸Rを軸にして回転し、該回転により溶湯を飛散させ、その飛散した溶湯を回転する円筒状鋳型の内面で凝固させることを特徴とする水素吸蔵合金の製造方法。
  2. 円筒状鋳型内に回転体を配置し、Ti、Crを含有し、かつV、Mo及Wから選ばれた少なくとも1種類以上の元素を含む合金をアークまたはプラズマアークを発生する装置によって溶解し、その溶湯を前記回転体に受け、前記円筒状鋳型を回転軸Lを軸にして回転するとともに、前記回転体を該回転軸Lに対し、傾斜角θを成す回転軸Rを軸にして回転し、該回転により溶湯を飛散させ、その飛散した溶湯を回転する円筒状鋳型の内面で凝固させることを特徴とする水素吸蔵合金の製造方法。
  3. 水素吸蔵合金の組成が一般式Ti(100-a-0.4b)Cr(a-0.6b)(b-c)Cただし20≦a(at%)≦80、0≦b(at%)≦10、0≦C(at%)<5の組成式で表され、前記MがMo元素またはW元素の少なくとも一方の元素であり、得られた合金が水素の吸蔵、放出が可能な体心立方構造型を主相とする請求項1ないし2に記載の水素吸蔵合金の製造方法。
  4. 前項における一般式Ti(100-a-0.4b)Cr(a-0.6b)(b-c)Cにおいて、50≦a(at%)≦70、0≦b(at%)≦10、0≦C(at%)<5の組成式で表され、前記MがMo元素またはW元素の少なくとも一方の元素であり、得られた合金が水素の吸蔵、放出が可能な体心立方構造型を主相とする請求項3に記載の水素吸蔵合金の製造方法。
  5. 合金中にTiの原子半径より小さく、Crの原子半径よりも大きい元素Xを、その原子%濃度dが0.1at%以上20at%以下の範囲で含有する請求項1〜4のいずれかに記載の水素吸蔵合金の製造方法。
  6. 前記元素Xが、Al,Ge,Ga,Si,Au及びPtから選ばれた少なくとも1種類以上の元素である請求項5記載の水素吸蔵合金の製造方法。
  7. 合金成分として、Nb,Ta,Mn,Fe,Al,B,C,Co,Cu,Ga,Ge,Ln(ランタノイド系金属),Y,N,Ni,P及びSiから選ばれた少なくとも1種類以上の元素をその原子%濃度が0.1at%以上10at%以下の範囲含有する請求項1〜4のいずれかに記載の水素吸蔵合金の製造方法。
  8. 該アークまたはプラズマアークにて溶解した溶湯の温度が1600℃以上1800℃以下である請求項1〜7いずれか記載の水素吸蔵合金の製造方法。
  9. 水素吸蔵合金中の、酸素濃度、炭素濃度、窒素濃度の合計が重量で5000ppm以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の水素吸蔵合金の製造方法。
  10. 水素吸蔵合金中の、酸素濃度、炭素濃度、窒素濃度の合計が重量で2000ppm以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の水素吸蔵合金の製造方法。
  11. 該円筒状鋳型の内面の周速度が、3m/s以上60m/s以下である請求項1〜10のいずれかに記載の水素吸蔵合金の製造方法。
  12. 該円筒状鋳型の内面の周速度が、5m/s以上30m/s以下である請求項1〜10のいずれかに記載の水素吸蔵合金の製造方法。
  13. 傾斜角θを鋳造時に可変できる機能を有することを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の水素吸蔵合金の製造方法。
  14. 円筒状鋳型及び/または合金もしくは回転体を、鋳造時に、回転軸Lの方向に往復運動させることができる機能を有することを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の水素吸蔵合金の製造方法。
  15. 転体が、純銅、銅合金、純モリブデン、モリブデン合金、純タングステンまたはタングステン合金いずれかであることを特徴とする請求項〜14のいずれかに記載の水素吸蔵合金の製造方法。
  16. 水素吸蔵合金を請求項1〜15のいずれかに記載の製造法で鋳造後、1000℃以上1500℃以下の温度にて、1分〜100時間の範囲にて熱処理する水素吸蔵合金の製造方法。
  17. 水素吸蔵合金を請求項1〜15のいずれかに記載の製造法で鋳造後、1000℃以上1500℃以下の温度にて、1分〜100時間の範囲にて熱処理後、ガス中、水中または油中で急冷する水素吸蔵合金の製造方法。
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