JP2002331336A - 合金製造装置および水素吸蔵合金の製造方法 - Google Patents
合金製造装置および水素吸蔵合金の製造方法Info
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- JP2002331336A JP2002331336A JP2001398643A JP2001398643A JP2002331336A JP 2002331336 A JP2002331336 A JP 2002331336A JP 2001398643 A JP2001398643 A JP 2001398643A JP 2001398643 A JP2001398643 A JP 2001398643A JP 2002331336 A JP2002331336 A JP 2002331336A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 溶解時のるつぼ、ノズル等の材料による汚染
の少ない合金製製造装置及び水素吸蔵量が多く、プラト
ー領域における傾きが小さい水素吸蔵合金の製造方法を
提供する。 【解決手段】 金属材料を溶解して溶湯5を形成するた
めに、アーク電極3と溶湯保持手段(ハース)5とを有
する溶解手段が配置された第1チャンバー1と、第1チ
ャンバーに連結され、前記溶湯5を冷却する回転ロール
9の冷却手段が配置された第2チャンバー2と、第1チ
ャンバー1および/または第2チャンバー2を不活性雰
囲気に維持する雰囲気制御手段15とを備える合金製造
装置である。
の少ない合金製製造装置及び水素吸蔵量が多く、プラト
ー領域における傾きが小さい水素吸蔵合金の製造方法を
提供する。 【解決手段】 金属材料を溶解して溶湯5を形成するた
めに、アーク電極3と溶湯保持手段(ハース)5とを有
する溶解手段が配置された第1チャンバー1と、第1チ
ャンバーに連結され、前記溶湯5を冷却する回転ロール
9の冷却手段が配置された第2チャンバー2と、第1チ
ャンバー1および/または第2チャンバー2を不活性雰
囲気に維持する雰囲気制御手段15とを備える合金製造
装置である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属材料を溶解
し、急冷して合金等を製造する合金製造装置に関するも
のである。さらに、アーク溶解法で溶解する溶湯を冷却
することで、るつぼ、ノズル等の材料からの汚染が少な
く、優れた水素吸蔵特性を有する水素吸蔵合金の製造方
法に関するものである。
し、急冷して合金等を製造する合金製造装置に関するも
のである。さらに、アーク溶解法で溶解する溶湯を冷却
することで、るつぼ、ノズル等の材料からの汚染が少な
く、優れた水素吸蔵特性を有する水素吸蔵合金の製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】水素吸蔵合金は、電子技術の発展に伴
い、パソコン、携帯電話、電動工具等に使用するニッケ
ル水素二次電池用負極材料として実用化されている。一
方、自動車業界においては、厳しい排ガス基準をクリア
できる低公害のハイブリッド電気自動車が生産されてい
るが、石油に依存する欠点を持っており、地球規模の環
境保護の必要性から、石油に依存しない更に低公害でク
リーンなエネルギーが求められている。これを実現する
のが燃料電池自動車や水素エンジン自動車であり、水素
吸蔵合金は、この水素燃料電池および水素エンジン自動
車へ水素を供給する水素燃料タンクに利用されることが
期待されている。特に、クリーンで安全な水素燃料電池
は、将来の家庭用電源としても有望であり、この用途の
水素燃料タンクにも水素吸蔵合金が期待されている。こ
れらの応用に対して、水素吸蔵合金に求められる水素吸
蔵特性として、水素吸蔵合金自体が吸放出できる水素量
が絶対的に大きいこと、水素を可逆的に安定して吸放出
できること、プラトー領域の圧力が適当な範囲にあるこ
と等が挙げられる。一方、水素吸蔵合金としては、AB
5型、AB2型(ラーベス相)、A2B型、AxBy型
(bcc構造)等の結晶構造を有するLaNi5、Mg
2Ni等の合金が知られている。これらの水素吸蔵合金
で、上記特性を向上させるために、合金組成、結晶構
造、製造方法について多面的に検討されている。
い、パソコン、携帯電話、電動工具等に使用するニッケ
ル水素二次電池用負極材料として実用化されている。一
方、自動車業界においては、厳しい排ガス基準をクリア
できる低公害のハイブリッド電気自動車が生産されてい
るが、石油に依存する欠点を持っており、地球規模の環
境保護の必要性から、石油に依存しない更に低公害でク
リーンなエネルギーが求められている。これを実現する
のが燃料電池自動車や水素エンジン自動車であり、水素
吸蔵合金は、この水素燃料電池および水素エンジン自動
車へ水素を供給する水素燃料タンクに利用されることが
期待されている。特に、クリーンで安全な水素燃料電池
は、将来の家庭用電源としても有望であり、この用途の
水素燃料タンクにも水素吸蔵合金が期待されている。こ
れらの応用に対して、水素吸蔵合金に求められる水素吸
蔵特性として、水素吸蔵合金自体が吸放出できる水素量
が絶対的に大きいこと、水素を可逆的に安定して吸放出
できること、プラトー領域の圧力が適当な範囲にあるこ
と等が挙げられる。一方、水素吸蔵合金としては、AB
5型、AB2型(ラーベス相)、A2B型、AxBy型
(bcc構造)等の結晶構造を有するLaNi5、Mg
2Ni等の合金が知られている。これらの水素吸蔵合金
で、上記特性を向上させるために、合金組成、結晶構
造、製造方法について多面的に検討されている。
【0003】その中でも、体心立方型(以下、「bc
c」と記す。)構造を有する水素吸蔵合金は水素吸蔵量
が非常に大きく、水素の輸送及び貯蔵用として幅広く利
用されていくことが期待されている。特に、Tiを含む
bcc構造を有する水素吸蔵合金は水素吸蔵量が大き
く、水素燃料タンクに用いる水素貯蔵・供給材料に適し
ている。この合金は、高温領域に安定なbcc相を有す
るため、このbcc相を凍結するために高温から急冷す
る必要がある。例えば、特開平7−252560号公報
には、高温のbcc相単相領域に所定時間保持した後
に、直ちに水中急冷する水素貯蔵材料が開示されてい
る。しかし、水中急冷では、合金表面に生成される酸化
膜を除去しなければならないので、溶湯を薄帯や小粒状
にして急冷する生産方法(例えば、ロール急冷法等)に
は適さない。
c」と記す。)構造を有する水素吸蔵合金は水素吸蔵量
が非常に大きく、水素の輸送及び貯蔵用として幅広く利
用されていくことが期待されている。特に、Tiを含む
bcc構造を有する水素吸蔵合金は水素吸蔵量が大き
く、水素燃料タンクに用いる水素貯蔵・供給材料に適し
ている。この合金は、高温領域に安定なbcc相を有す
るため、このbcc相を凍結するために高温から急冷す
る必要がある。例えば、特開平7−252560号公報
には、高温のbcc相単相領域に所定時間保持した後
に、直ちに水中急冷する水素貯蔵材料が開示されてい
る。しかし、水中急冷では、合金表面に生成される酸化
膜を除去しなければならないので、溶湯を薄帯や小粒状
にして急冷する生産方法(例えば、ロール急冷法等)に
は適さない。
【0004】このため、水中急冷による粉砕等の工程の
増大を簡略化するために、不活性ガス雰囲気中で急冷す
る水素吸蔵合金の製造方法が提案されている。例えば、
特開平10−158755号公報には、Ti−Cr−X
(X=Mo、W)合金を双ロール法、片ロール法又はア
トマイズ法により急冷してbcc型水素吸蔵合金が得ら
れることが開示されている。しかし、合金の溶解に電気
炉、高周波溶解炉を用いると、耐火るつぼと合金が反応
して合金が汚染されるため、103K/s以上の冷却速
度で急冷して作製したbcc相主相の水素吸蔵合金であ
っても、水素吸蔵量が大きくないという問題がある。
増大を簡略化するために、不活性ガス雰囲気中で急冷す
る水素吸蔵合金の製造方法が提案されている。例えば、
特開平10−158755号公報には、Ti−Cr−X
(X=Mo、W)合金を双ロール法、片ロール法又はア
トマイズ法により急冷してbcc型水素吸蔵合金が得ら
れることが開示されている。しかし、合金の溶解に電気
炉、高周波溶解炉を用いると、耐火るつぼと合金が反応
して合金が汚染されるため、103K/s以上の冷却速
度で急冷して作製したbcc相主相の水素吸蔵合金であ
っても、水素吸蔵量が大きくないという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、上
記のような問題に鑑みてなされるものであり、その課題
は、溶解時のるつぼ、ノズル等の材料による汚染の少な
い合金製製造装置を提供することである。さらに、別の
課題は、水素吸蔵量が多く、プラトー領域における傾き
が小さい水素吸蔵合金の製造方法を提供することであ
る。
記のような問題に鑑みてなされるものであり、その課題
は、溶解時のるつぼ、ノズル等の材料による汚染の少な
い合金製製造装置を提供することである。さらに、別の
課題は、水素吸蔵量が多く、プラトー領域における傾き
が小さい水素吸蔵合金の製造方法を提供することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載の発明は、金属材料を溶解して溶湯
を形成する溶解手段が配置された第1チャンバーと、第
1チャンバーに連結され、前記溶湯を冷却する冷却手段
が配置された第2チャンバーと、第1チャンバーおよび
/または第2チャンバーを不活性雰囲気に維持する雰囲
気制御手段とを備える合金製造装置とする。請求項2に
記載の発明は、前記溶解手段は、アーク電極と、このア
ーク電極に対向する導電性の溶湯保持手段を含む請求項
1に記載の合金製造装置とする。請求項3に記載の発明
は、前記冷却手段は、回転ロール、回転円盤または鋳型
である請求項1又は請求項2に記載の合金製造装置とす
る。請求項4に記載の発明は、前記第1チャンバーと前
記第2チャンバーとの間に、前記溶解手段により形成さ
れた溶湯を前記冷却手段に導くノズルが配置される請求
項1ないし請求項3のいずれかに記載の合金製造装置と
する。請求項5に記載の発明は、前記ノズルが、窒化ホ
ウ素、チタン酸アルミニウム、石英又は黒鉛である請求
項4に記載の合金製造装置とする。請求項6に記載の発
明は、前記溶湯保持手段と前記第1チャンバーの底部の
間に間隙を設ける請求項2ないし請求項5のいずれかに
記載の合金製造装置とする。請求項7に記載の発明は、
前記溶湯保持手段は、Mo、W、Ta、Nbから構成さ
れる群の中から選択される金属又はこれを主体とする合
金である請求項2ないし請求項6のいずれかに記載の合
金製造装置とする。請求項8に記載の発明は、 前記回
転ロールの周速を、40m/s以上にする請求項3ない
し請求項7のいずれかに記載の合金製造装置とする。請
求項9に記載の発明は、前記鋳型が、Cu、Al又はこ
れを主体とする合金である請求項3ないし請求項7のい
ずれかに記載の合金製造装置とする。請求項10に記載
の発明は、第1チャンバーで金属材料を溶解して溶湯を
形成する溶解工程と、第1チャンバーに連結される第2
チャンバーで溶湯を冷却する冷却工程とを有し、溶解工
程および冷却工程を不活性雰囲気で行う水素吸蔵合金の
製造方法とする。請求項11に記載の発明は、前記溶解
工程は、第1チャンバー底部に配置される導電性の溶湯
保持手段上にアーク溶解法により溶湯を形成する請求項
10に記載の水素吸蔵合金の製造方法とする。請求項1
2に記載の発明は、前記冷却工程は、第2チャンバーに
配置される回転ロール、回転円盤または鋳型により冷却
する請求項10又は請求項11に記載の水素吸蔵合金の
製造方法とする。請求項13に記載の発明は、前記回転
ロールの周速を、40m/s以上にする請求項12に記
載の水素吸蔵合金の製造方法とする。請求項14に記載
の発明は、前記冷却工程において、前記鋳型に鋳込んで
冷却した合金を、さらに熱処理し、急冷する請求項12
に記載の水素吸蔵合金の製造方法とする。請求項15に
記載の発明は、前記水素吸蔵合金が、体心立方型であっ
て、TiとCrの含有量の合計が50原子%以上にする
請求項10ないし請求項14のいずれかに記載の水素吸
蔵合金の製造方法とする。
に、請求項1に記載の発明は、金属材料を溶解して溶湯
を形成する溶解手段が配置された第1チャンバーと、第
1チャンバーに連結され、前記溶湯を冷却する冷却手段
が配置された第2チャンバーと、第1チャンバーおよび
/または第2チャンバーを不活性雰囲気に維持する雰囲
気制御手段とを備える合金製造装置とする。請求項2に
記載の発明は、前記溶解手段は、アーク電極と、このア
ーク電極に対向する導電性の溶湯保持手段を含む請求項
1に記載の合金製造装置とする。請求項3に記載の発明
は、前記冷却手段は、回転ロール、回転円盤または鋳型
である請求項1又は請求項2に記載の合金製造装置とす
る。請求項4に記載の発明は、前記第1チャンバーと前
記第2チャンバーとの間に、前記溶解手段により形成さ
れた溶湯を前記冷却手段に導くノズルが配置される請求
項1ないし請求項3のいずれかに記載の合金製造装置と
する。請求項5に記載の発明は、前記ノズルが、窒化ホ
ウ素、チタン酸アルミニウム、石英又は黒鉛である請求
項4に記載の合金製造装置とする。請求項6に記載の発
明は、前記溶湯保持手段と前記第1チャンバーの底部の
間に間隙を設ける請求項2ないし請求項5のいずれかに
記載の合金製造装置とする。請求項7に記載の発明は、
前記溶湯保持手段は、Mo、W、Ta、Nbから構成さ
れる群の中から選択される金属又はこれを主体とする合
金である請求項2ないし請求項6のいずれかに記載の合
金製造装置とする。請求項8に記載の発明は、 前記回
転ロールの周速を、40m/s以上にする請求項3ない
し請求項7のいずれかに記載の合金製造装置とする。請
求項9に記載の発明は、前記鋳型が、Cu、Al又はこ
れを主体とする合金である請求項3ないし請求項7のい
ずれかに記載の合金製造装置とする。請求項10に記載
の発明は、第1チャンバーで金属材料を溶解して溶湯を
形成する溶解工程と、第1チャンバーに連結される第2
チャンバーで溶湯を冷却する冷却工程とを有し、溶解工
程および冷却工程を不活性雰囲気で行う水素吸蔵合金の
製造方法とする。請求項11に記載の発明は、前記溶解
工程は、第1チャンバー底部に配置される導電性の溶湯
保持手段上にアーク溶解法により溶湯を形成する請求項
10に記載の水素吸蔵合金の製造方法とする。請求項1
2に記載の発明は、前記冷却工程は、第2チャンバーに
配置される回転ロール、回転円盤または鋳型により冷却
する請求項10又は請求項11に記載の水素吸蔵合金の
製造方法とする。請求項13に記載の発明は、前記回転
ロールの周速を、40m/s以上にする請求項12に記
載の水素吸蔵合金の製造方法とする。請求項14に記載
の発明は、前記冷却工程において、前記鋳型に鋳込んで
冷却した合金を、さらに熱処理し、急冷する請求項12
に記載の水素吸蔵合金の製造方法とする。請求項15に
記載の発明は、前記水素吸蔵合金が、体心立方型であっ
て、TiとCrの含有量の合計が50原子%以上にする
請求項10ないし請求項14のいずれかに記載の水素吸
蔵合金の製造方法とする。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を説
明する。図1は、本発明に係る合金製造装置の構成を示
す概略図である。なお、共通する構成部分には同一の指
示符号を用いて説明する。本装置は、図1(a)に示す
ように、第1チャンバー1と第2チャンバー2から構成
されている。さらに、図1(b)に示すように、第1チ
ャンバー1の底部7の中央部を開口して、第1チャンバ
ー1で溶解された溶湯5をノズル8を通して、回転ロー
ル9等の冷却手段を配置する第2チャンバー2に移動さ
せることができる。
明する。図1は、本発明に係る合金製造装置の構成を示
す概略図である。なお、共通する構成部分には同一の指
示符号を用いて説明する。本装置は、図1(a)に示す
ように、第1チャンバー1と第2チャンバー2から構成
されている。さらに、図1(b)に示すように、第1チ
ャンバー1の底部7の中央部を開口して、第1チャンバ
ー1で溶解された溶湯5をノズル8を通して、回転ロー
ル9等の冷却手段を配置する第2チャンバー2に移動さ
せることができる。
【0008】第1チャンバー1は、以下の構成になって
いる。第1チャンバー1には、底部7の上にくぼみを有
する溶湯保持手段(以下、「ハース」と記す。)6を配
設する。このハース6は、中央部で開閉のために移動可
能な構造になっている。また、金属材料を溶解する溶解
手段としてアーク電極3が配置されている。図2は、第
1チャンバーの底部及びこの底部上に設けられたハース
の構造を示す概略構成図である。図2(a)は第1チャ
ンバーの底部上にハース6を設けた構造を示している。
ハース6の内部には、水等の冷却媒体を通すことができ
るようにパイプ11を設けてもよい。ハース6の中央部
が開口して、アーク4で溶解した溶湯5を移動させるこ
とができる。そのために、溶湯5に不純物を巻き込むこ
とがない。また、ハース6は、融点の高いMo、W、T
a、Nbにより構成される群から選択される高融点金属
又はこれらを主体とする合金を用いることが好ましい。
ハース6の表面にこれらの高融点金属等をめっきしても
よい。これにより、溶湯5が存在する直下のハース6は
水冷のための冷却用パイプ11を設ける必要がなくな
り、溶湯5の温度が下がりにくくし、第2チャンバー2
に移動させる量を多くすることができる。さらに、図2
(b)に示すように、ハース6と底部7の間に間隙を設
けてもよい。ハース6から底部7への熱伝達を少なくし
て、底部7からの影響を少なくして、溶湯5の温度が下
がりにくくすることで、第2チャンバー2に移動させる
量を多くすることができる。
いる。第1チャンバー1には、底部7の上にくぼみを有
する溶湯保持手段(以下、「ハース」と記す。)6を配
設する。このハース6は、中央部で開閉のために移動可
能な構造になっている。また、金属材料を溶解する溶解
手段としてアーク電極3が配置されている。図2は、第
1チャンバーの底部及びこの底部上に設けられたハース
の構造を示す概略構成図である。図2(a)は第1チャ
ンバーの底部上にハース6を設けた構造を示している。
ハース6の内部には、水等の冷却媒体を通すことができ
るようにパイプ11を設けてもよい。ハース6の中央部
が開口して、アーク4で溶解した溶湯5を移動させるこ
とができる。そのために、溶湯5に不純物を巻き込むこ
とがない。また、ハース6は、融点の高いMo、W、T
a、Nbにより構成される群から選択される高融点金属
又はこれらを主体とする合金を用いることが好ましい。
ハース6の表面にこれらの高融点金属等をめっきしても
よい。これにより、溶湯5が存在する直下のハース6は
水冷のための冷却用パイプ11を設ける必要がなくな
り、溶湯5の温度が下がりにくくし、第2チャンバー2
に移動させる量を多くすることができる。さらに、図2
(b)に示すように、ハース6と底部7の間に間隙を設
けてもよい。ハース6から底部7への熱伝達を少なくし
て、底部7からの影響を少なくして、溶湯5の温度が下
がりにくくすることで、第2チャンバー2に移動させる
量を多くすることができる。
【0009】また、図2(c)は、ハース6を第1チャ
ンバー1の底部7と別体として設けない第1チャンバー
1の底部7の構造を示している。図2(c)に示すよう
に、第1チャンバー1の底部7に直接くぼみを設けて溶
湯5を形成し保持することができる。底部7は、銅ある
いは銅合金等の熱伝導性の高い金属で構成され、必要に
応じて底部7表面に高融点金属等をめっき等の表面処理
を施しても良いし、この底部7の内部に水等の冷却媒体
を通すことができるようにパイプ11を設けてもよい。
アーク溶解の電極3には、トリウムタングステン等の非
消耗電極が利用可能であるが、量産性を重視したアーク
溶解においては、水素吸蔵合金を用いる消耗電極とする
のが好ましい。
ンバー1の底部7と別体として設けない第1チャンバー
1の底部7の構造を示している。図2(c)に示すよう
に、第1チャンバー1の底部7に直接くぼみを設けて溶
湯5を形成し保持することができる。底部7は、銅ある
いは銅合金等の熱伝導性の高い金属で構成され、必要に
応じて底部7表面に高融点金属等をめっき等の表面処理
を施しても良いし、この底部7の内部に水等の冷却媒体
を通すことができるようにパイプ11を設けてもよい。
アーク溶解の電極3には、トリウムタングステン等の非
消耗電極が利用可能であるが、量産性を重視したアーク
溶解においては、水素吸蔵合金を用いる消耗電極とする
のが好ましい。
【0010】第2チャンバー2は、以下のような構成に
なっている。第2チャンバー2は、Arガス等の不活性
ガスで置換でき、回転ロール9、回転円盤、鋳型12に
溶湯5を接触させたり、容器に満たされた水等の冷却媒
体に溶湯5を投下することにより急冷する。さらに、底
部7の下には、第1チャンバー1から第2チャンバー2
へ溶湯5を導くためのノズル8を配置するのが好まし
い。このノズル8の形状によっても、移動する量を制御
することができる。また、ノズル8の大きさ又は形状に
より、溶湯5の流れを制御できるので、例えば、回転ロ
ール9表面に供給される量を調整することが可能であ
る。
なっている。第2チャンバー2は、Arガス等の不活性
ガスで置換でき、回転ロール9、回転円盤、鋳型12に
溶湯5を接触させたり、容器に満たされた水等の冷却媒
体に溶湯5を投下することにより急冷する。さらに、底
部7の下には、第1チャンバー1から第2チャンバー2
へ溶湯5を導くためのノズル8を配置するのが好まし
い。このノズル8の形状によっても、移動する量を制御
することができる。また、ノズル8の大きさ又は形状に
より、溶湯5の流れを制御できるので、例えば、回転ロ
ール9表面に供給される量を調整することが可能であ
る。
【0011】このノズル8の材料は、熱衝撃に強い窒化
ホウ素(BN:以下、この化学式で記す。)、チタン酸
アルミニウム(Al2TiO5)、石英(SiO2)又
は黒鉛(C)が適しており、溶湯5との反応を抑制する
ために、例えば、マグネシア、カルシア、希土類酸化物
等の耐火材でコーティングして使用してもよい。また、
イットリア、ジルコニア等の緻密体で作製したノズル8
は熱衝撃の弱いために不適である。従来は、このような
熱衝撃に強い材料を用いるノズル8であっても、そのノ
ズル8の中で合金を溶融していたので、ノズル8と溶湯
5が接触する時間が長くなり溶湯5中の金属とノズル8
の材料が反応して異相を形成することが多かった。しか
し、本発明では、底部7又はハース6で溶湯5を形成
し、ノズル8を通過させるだけなので、ノズル8と溶湯
5との接触時間を短くし反応を抑制することで、異相、
不純物の少ない水素吸蔵合金を製造することが可能とな
る。
ホウ素(BN:以下、この化学式で記す。)、チタン酸
アルミニウム(Al2TiO5)、石英(SiO2)又
は黒鉛(C)が適しており、溶湯5との反応を抑制する
ために、例えば、マグネシア、カルシア、希土類酸化物
等の耐火材でコーティングして使用してもよい。また、
イットリア、ジルコニア等の緻密体で作製したノズル8
は熱衝撃の弱いために不適である。従来は、このような
熱衝撃に強い材料を用いるノズル8であっても、そのノ
ズル8の中で合金を溶融していたので、ノズル8と溶湯
5が接触する時間が長くなり溶湯5中の金属とノズル8
の材料が反応して異相を形成することが多かった。しか
し、本発明では、底部7又はハース6で溶湯5を形成
し、ノズル8を通過させるだけなので、ノズル8と溶湯
5との接触時間を短くし反応を抑制することで、異相、
不純物の少ない水素吸蔵合金を製造することが可能とな
る。
【0012】また、金属材料をアーク溶解する第1チャ
ンバー1とアーク溶解された溶湯5を冷却する第2チャ
ンバー2は、双方とも真空雰囲気、不活性ガスによる不
活性雰囲気又は水素等による還元雰囲気にするための雰
囲気制御手段15を備える。また、第1チャンバー1と
第2チャンバー2とは密閉系の構造になっており、この
雰囲気制御手段15によって雰囲気だけではなく圧力の
制御も可能である。特に、第2チャンバー2の雰囲気圧
力が第1チャンバー1の雰囲気圧力よりも低くなるよう
制御することが好ましい。第1チャンバー1から第2チ
ャンバー2に移動するのに、溶湯5を重力で自然落下さ
せても、第1チャンバー1と第2チャンバー2を密閉系
にすることで、空気に触れることがないために酸化物の
少ない水素吸蔵合金が得られる。さらに、第1チャンバ
ー1と第2チャンバー2内の圧力に差を設け、この圧力
差により第1チャンバー1から第2チャンバー2へ、溶
湯5の予め定められる量を強制的に移動させることで、
移動量、移動速度の制御が可能となり、異相の析出を抑
制して、水素吸蔵量の大きい水素吸蔵合金を製造するこ
とができる。ここで、第1チャンバー1の圧力を高圧に
することで、チャンバー間の圧力差を大きくすることが
可能であるが、高圧の不活性ガスを一気に導入すると溶
湯温度を下げる弊害があるので、第1チャンバー1の圧
力は0.8MPa以下にし、第2チャンバー2は若干の
減圧雰囲気であることが好ましい。
ンバー1とアーク溶解された溶湯5を冷却する第2チャ
ンバー2は、双方とも真空雰囲気、不活性ガスによる不
活性雰囲気又は水素等による還元雰囲気にするための雰
囲気制御手段15を備える。また、第1チャンバー1と
第2チャンバー2とは密閉系の構造になっており、この
雰囲気制御手段15によって雰囲気だけではなく圧力の
制御も可能である。特に、第2チャンバー2の雰囲気圧
力が第1チャンバー1の雰囲気圧力よりも低くなるよう
制御することが好ましい。第1チャンバー1から第2チ
ャンバー2に移動するのに、溶湯5を重力で自然落下さ
せても、第1チャンバー1と第2チャンバー2を密閉系
にすることで、空気に触れることがないために酸化物の
少ない水素吸蔵合金が得られる。さらに、第1チャンバ
ー1と第2チャンバー2内の圧力に差を設け、この圧力
差により第1チャンバー1から第2チャンバー2へ、溶
湯5の予め定められる量を強制的に移動させることで、
移動量、移動速度の制御が可能となり、異相の析出を抑
制して、水素吸蔵量の大きい水素吸蔵合金を製造するこ
とができる。ここで、第1チャンバー1の圧力を高圧に
することで、チャンバー間の圧力差を大きくすることが
可能であるが、高圧の不活性ガスを一気に導入すると溶
湯温度を下げる弊害があるので、第1チャンバー1の圧
力は0.8MPa以下にし、第2チャンバー2は若干の
減圧雰囲気であることが好ましい。
【0013】第2チャンバー2には、図1に示すよう
に、アーク溶解された溶湯5を冷却するための回転ロー
ル9を設けることができる。回転ロール9は水等の冷却
媒体で冷却するのが好ましく、Cu、Alあるいはこれ
らを主体とする合金等の熱伝導の高い金属を使用するの
が好ましいが、溶湯5との濡れ性を改善する為にCu以
外の金属を利用することも有用であり、表面にCrめっ
き等の表面処理を施しても良い。この回転ロール9上に
ノズル8より、溶湯5を移動させて薄片10を作製す
る。薄片10の厚さは、回転ロールの周速、ノズルの形
状、チャンバー間の圧力差により調整することができ
る。該回転ロール周速とは、溶湯5と接触するロール表
面の速度をいう。これにより、薄くてほぼ一定の厚みの
合金を量産することができる。
に、アーク溶解された溶湯5を冷却するための回転ロー
ル9を設けることができる。回転ロール9は水等の冷却
媒体で冷却するのが好ましく、Cu、Alあるいはこれ
らを主体とする合金等の熱伝導の高い金属を使用するの
が好ましいが、溶湯5との濡れ性を改善する為にCu以
外の金属を利用することも有用であり、表面にCrめっ
き等の表面処理を施しても良い。この回転ロール9上に
ノズル8より、溶湯5を移動させて薄片10を作製す
る。薄片10の厚さは、回転ロールの周速、ノズルの形
状、チャンバー間の圧力差により調整することができ
る。該回転ロール周速とは、溶湯5と接触するロール表
面の速度をいう。これにより、薄くてほぼ一定の厚みの
合金を量産することができる。
【0014】また、第2チャンバー2には、アーク溶解
された溶湯5を冷却するための鋳型12を設けることが
できる。図3は、本発明の合金製造装置の他の一例を示
す概略構成図である。鋳型12は、溶湯5の量により支
持台14で設置する高さを調整する。アーク溶解された
溶湯5は、第1チャンバー1の開口部から鋳型12に鋳
込んで急冷する。このために、鋳型12は熱伝導性のよ
いCu、Alを用いることが好ましい。さらに、鋳型1
2の内部又は外部を水等の冷却媒体を通して冷却しても
よい。
された溶湯5を冷却するための鋳型12を設けることが
できる。図3は、本発明の合金製造装置の他の一例を示
す概略構成図である。鋳型12は、溶湯5の量により支
持台14で設置する高さを調整する。アーク溶解された
溶湯5は、第1チャンバー1の開口部から鋳型12に鋳
込んで急冷する。このために、鋳型12は熱伝導性のよ
いCu、Alを用いることが好ましい。さらに、鋳型1
2の内部又は外部を水等の冷却媒体を通して冷却しても
よい。
【0015】ここで、図4は、本発明の水素吸蔵合金の
製造方法を実施するための鋳型の一例を示す概略構成図
である。図4(a)に示すように、1辺を3〜20mm
と小さくし、他辺を鋳込み量によって長さを調節した長
方形の入り口を有する。鋳型12は、内部に向かって狭
くなるようにテーパを設けてもよい。さらに、鋳型12
の内部には、図4(b)に示すように、溶湯と接触する
面積を大きくするために凸状突起を設けることが効果的
である。凸状突起の断面形状は、四角型、三角型、波型
等のいずれの形状でもよい。また、鋳型12の底部に
は、ガス抜き13を設けてもよい。
製造方法を実施するための鋳型の一例を示す概略構成図
である。図4(a)に示すように、1辺を3〜20mm
と小さくし、他辺を鋳込み量によって長さを調節した長
方形の入り口を有する。鋳型12は、内部に向かって狭
くなるようにテーパを設けてもよい。さらに、鋳型12
の内部には、図4(b)に示すように、溶湯と接触する
面積を大きくするために凸状突起を設けることが効果的
である。凸状突起の断面形状は、四角型、三角型、波型
等のいずれの形状でもよい。また、鋳型12の底部に
は、ガス抜き13を設けてもよい。
【0016】図5は、本発明の水素吸蔵合金の製造方法
の一例であって、溶湯の冷却手段である鋳型による水素
吸蔵合金の製造方法の一例を示すフローチャートであ
る。初めに、原料を秤量し(図5中のS1)、ハース6
上でアーク溶解して溶湯5を形成する(図5中のS
2)。次に、ハース6の中央部を開口して、第2チャン
バー2に配設する鋳型12に流し込んで急冷する(図5
中のS3)。これにより、水素吸蔵合金の結晶粒子間の
Cr、Ti等の組成を均質化する。ここで、この工程
(S3)を省略すると、もともとの合金組成に不均一が
あった場合に後述の熱処理工程(S6)における熱処理
時に結晶粒毎に組成が異なったbcc相となりやすい。
そうすると、PCT特性のプラトー領域の傾きが大きく
なると考えられる。次に、この鋳型12で急冷した水素
吸蔵合金を、鋳型12から取り出して必要に応じて破砕
してもよい(図5中のS4)。破砕方法は、特に限定し
ないが、スタンプミル、ボールミル、アトライター等を
用いることができる。更に、粉砕した水素吸蔵合金を必
要に応じて分級する(図5中のS5)。粒径が小さいと
以降の熱処理時又は水等の冷却媒体での冷却時に酸化し
やすいため、小さい粒径を除去して以降の処理の熱処理
又は急冷時における水素吸蔵合金の酸化による水素吸蔵
量の低下を抑制する。また、粒径が大きいと内部まで急
冷されにくくなるためにラーベス相等の異相の析出を防
止するため、粒径の大きい粗粒子を除去する。
の一例であって、溶湯の冷却手段である鋳型による水素
吸蔵合金の製造方法の一例を示すフローチャートであ
る。初めに、原料を秤量し(図5中のS1)、ハース6
上でアーク溶解して溶湯5を形成する(図5中のS
2)。次に、ハース6の中央部を開口して、第2チャン
バー2に配設する鋳型12に流し込んで急冷する(図5
中のS3)。これにより、水素吸蔵合金の結晶粒子間の
Cr、Ti等の組成を均質化する。ここで、この工程
(S3)を省略すると、もともとの合金組成に不均一が
あった場合に後述の熱処理工程(S6)における熱処理
時に結晶粒毎に組成が異なったbcc相となりやすい。
そうすると、PCT特性のプラトー領域の傾きが大きく
なると考えられる。次に、この鋳型12で急冷した水素
吸蔵合金を、鋳型12から取り出して必要に応じて破砕
してもよい(図5中のS4)。破砕方法は、特に限定し
ないが、スタンプミル、ボールミル、アトライター等を
用いることができる。更に、粉砕した水素吸蔵合金を必
要に応じて分級する(図5中のS5)。粒径が小さいと
以降の熱処理時又は水等の冷却媒体での冷却時に酸化し
やすいため、小さい粒径を除去して以降の処理の熱処理
又は急冷時における水素吸蔵合金の酸化による水素吸蔵
量の低下を抑制する。また、粒径が大きいと内部まで急
冷されにくくなるためにラーベス相等の異相の析出を防
止するため、粒径の大きい粗粒子を除去する。
【0017】また、得られた水素吸蔵合金の破砕品は、
更に合金の組成を均質化、破砕時の歪みを除去するため
とbcc化する目的で、bcc相が安定な温度域で予め
決められた時間熱処理する(図5中のS6)。熱処理
は、Ti、Crを主成分とする水素吸蔵合金では、1,
000℃以上で液相線以下の温度で行う。この熱処理に
より、bcc相を成長させる。1,000℃未満では、
長時間を要し実用的でない。また、液相線に相当する温
度を超えると合金と周囲の容器等とが反応してしまう。
このように熱処理するには、電気、赤外線、レーザ光等
のいずれでも加熱することができる。なお、熱処理は非
酸化性雰囲気で行うことが好ましい。非酸化性雰囲気と
は、真空雰囲気、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気、
水素ガス雰囲気等をいい、合金の酸化を防止する。
更に合金の組成を均質化、破砕時の歪みを除去するため
とbcc化する目的で、bcc相が安定な温度域で予め
決められた時間熱処理する(図5中のS6)。熱処理
は、Ti、Crを主成分とする水素吸蔵合金では、1,
000℃以上で液相線以下の温度で行う。この熱処理に
より、bcc相を成長させる。1,000℃未満では、
長時間を要し実用的でない。また、液相線に相当する温
度を超えると合金と周囲の容器等とが反応してしまう。
このように熱処理するには、電気、赤外線、レーザ光等
のいずれでも加熱することができる。なお、熱処理は非
酸化性雰囲気で行うことが好ましい。非酸化性雰囲気と
は、真空雰囲気、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気、
水素ガス雰囲気等をいい、合金の酸化を防止する。
【0018】熱処理後にに急冷し(図5中のS7)、水
素吸蔵合金を得る(図5中のS8)。ここで、急冷は、
Ar等の不活性ガス雰囲気又は水等の液体中に投入して
行う。これにより、水素吸蔵合金で目的とするbcc相
以外の異相であるラーベス相の析出を避け、bcc相を
室温で維持するためである。これにより、異相の析出を
抑え、ノズル8等からの不純物の混入を防止し、成分元
素の酸化が少ない水素吸蔵合金を製造することができ
る。
素吸蔵合金を得る(図5中のS8)。ここで、急冷は、
Ar等の不活性ガス雰囲気又は水等の液体中に投入して
行う。これにより、水素吸蔵合金で目的とするbcc相
以外の異相であるラーベス相の析出を避け、bcc相を
室温で維持するためである。これにより、異相の析出を
抑え、ノズル8等からの不純物の混入を防止し、成分元
素の酸化が少ない水素吸蔵合金を製造することができ
る。
【0019】本発明の水素吸蔵合金の製造方法には、体
心立方型(bcc)であって、TiとCrの含有量の合
計が50原子%以上とする水素吸蔵合金の製造に適用す
ることが好ましい。特に、bcc相を安定化する元素で
あるV、Mo、W等を添加した合金組成が好ましい。b
cc相にすることで、水素吸蔵量を大きくすることがで
きる。さらに、bcc相が形成されやすい組成の場合、
本発明の水素吸蔵合金の製造方法のうち急冷できる回転
ロール9を用いることが好ましい。ここで、bcc相が
形成されやすい組成とは、Moが3原子%以上、Vが1
0原子%以上、または、Ruが0.5原子%以上、また
は、CrとTiの含有量の比(以下、「(Cr/Ti)
比」と記す。)が1.5以下等の組成をいう。回転ロー
ル9により薄片、薄板、粉末等の製造が容易で製造工程
を簡易化できる。さらに、V、Ruを多くすることや、
(Cr/Ti)比を小さくすることにより、bcc相を
安定化させ、異相の析出を抑えることが容易になる。し
たがって、CrとTi等の組成の均質化ができ、プラト
ー領域を平坦にすることができる。さらに、回転ロール
周速が速いほどbcc相単相にしやすくなるので、特
に、回転ロール9のロール周速を40m/s以上とする
ことが好ましい。
心立方型(bcc)であって、TiとCrの含有量の合
計が50原子%以上とする水素吸蔵合金の製造に適用す
ることが好ましい。特に、bcc相を安定化する元素で
あるV、Mo、W等を添加した合金組成が好ましい。b
cc相にすることで、水素吸蔵量を大きくすることがで
きる。さらに、bcc相が形成されやすい組成の場合、
本発明の水素吸蔵合金の製造方法のうち急冷できる回転
ロール9を用いることが好ましい。ここで、bcc相が
形成されやすい組成とは、Moが3原子%以上、Vが1
0原子%以上、または、Ruが0.5原子%以上、また
は、CrとTiの含有量の比(以下、「(Cr/Ti)
比」と記す。)が1.5以下等の組成をいう。回転ロー
ル9により薄片、薄板、粉末等の製造が容易で製造工程
を簡易化できる。さらに、V、Ruを多くすることや、
(Cr/Ti)比を小さくすることにより、bcc相を
安定化させ、異相の析出を抑えることが容易になる。し
たがって、CrとTi等の組成の均質化ができ、プラト
ー領域を平坦にすることができる。さらに、回転ロール
周速が速いほどbcc相単相にしやすくなるので、特
に、回転ロール9のロール周速を40m/s以上とする
ことが好ましい。
【0020】また、溶解量が多い場合や分相を生じやす
い組成の場合には、異相の出現の可能性が高くなるが、
本発明の水素吸蔵合金の製造方法のうち第2チャンバー
2に鋳型12を設ける製造方法を適用することが好まし
い。溶湯5を鋳型12に鋳込んで急冷することにより組
成を均質化した後、さらに熱処理、急冷する。これによ
って、bcc相の水素吸蔵合金を製造することができ、
プラトー領域を平坦にすることが可能になる。
い組成の場合には、異相の出現の可能性が高くなるが、
本発明の水素吸蔵合金の製造方法のうち第2チャンバー
2に鋳型12を設ける製造方法を適用することが好まし
い。溶湯5を鋳型12に鋳込んで急冷することにより組
成を均質化した後、さらに熱処理、急冷する。これによ
って、bcc相の水素吸蔵合金を製造することができ、
プラトー領域を平坦にすることが可能になる。
【0021】
【実施例】(実施例1と比較例1〜3)Ti、Cr、V
を秤量し、Ti20Cr41V30合金組成になるよう
に配合した原料を、溶解後回転ロールで急冷する方法で
薄片とした。実施例1では、アーク溶解後回転ロールで
急冷するために、アーク溶解する第1チャンバーと冷却
する第2チャンバーを備える合金製造装置により試料を
作成した。アーク溶解時間は、5分間とし、溶湯を移動
する場合の第1のチャンバーの圧力を大気圧より+0.
06MPaとし、第2のチャンバーの圧力を大気圧より
−0.03MPaとした。また、比較例1ないし3で
は、高周波誘導加熱で溶解し、その後5秒、1分、4分
間と保持して、ノズル状に形成されている先端から移動
させて、一つのチャンバー内で試料を作成した。実施例
1と比較例1ないし3とも、回転ロールには、Crめっ
きを施した銅ロールを使用し、ロール周速80m/sと
した。なお、ここでのノズルの材料はBNを用いた。
を秤量し、Ti20Cr41V30合金組成になるよう
に配合した原料を、溶解後回転ロールで急冷する方法で
薄片とした。実施例1では、アーク溶解後回転ロールで
急冷するために、アーク溶解する第1チャンバーと冷却
する第2チャンバーを備える合金製造装置により試料を
作成した。アーク溶解時間は、5分間とし、溶湯を移動
する場合の第1のチャンバーの圧力を大気圧より+0.
06MPaとし、第2のチャンバーの圧力を大気圧より
−0.03MPaとした。また、比較例1ないし3で
は、高周波誘導加熱で溶解し、その後5秒、1分、4分
間と保持して、ノズル状に形成されている先端から移動
させて、一つのチャンバー内で試料を作成した。実施例
1と比較例1ないし3とも、回転ロールには、Crめっ
きを施した銅ロールを使用し、ロール周速80m/sと
した。なお、ここでのノズルの材料はBNを用いた。
【0022】回転ロールで合金薄片作製後、X線回折法
による相の同定と、不純物の分析を行った。図6は、B
N製ノズル中での高周波誘導加熱の時間と不純物の有無
を評価したX線回折の図である。X線回折の結果、図6
に示すように、BNノズル内で高周波溶解して、4分間
保持した比較例3で窒化チタン(TiN)のピークが観
察された他は、比較例1、2ともすべてbcc相単相で
あった。したがって、BNノズル内で高周波溶解した場
合でも、長くとも1分以内であればノズルの材料との反
応を抑えて、bcc相単相にすることができる。
による相の同定と、不純物の分析を行った。図6は、B
N製ノズル中での高周波誘導加熱の時間と不純物の有無
を評価したX線回折の図である。X線回折の結果、図6
に示すように、BNノズル内で高周波溶解して、4分間
保持した比較例3で窒化チタン(TiN)のピークが観
察された他は、比較例1、2ともすべてbcc相単相で
あった。したがって、BNノズル内で高周波溶解した場
合でも、長くとも1分以内であればノズルの材料との反
応を抑えて、bcc相単相にすることができる。
【0023】さらに、実施例1及び比較例1ないし3の
元素分析を行った結果を表1に示す。
元素分析を行った結果を表1に示す。
【表1】 表1から、実施例1では、BNノズルからのホウ素
(B)、窒素(N)の不純物は、測定できなかった。比
較例1は、BNノズル中での高周波溶解の時間が5秒と
短いために、B、Nは少なかったが、酸素(O)が多
く、チャンバー内のOにより酸化膜が形成されているこ
とがわかる。比較例2、3では、B、N、Oとも多くな
っており、汚染の程度がひどくなっていることがわか
る。したがって、X線回折で異相の析出が観察されない
場合でも、BNノズル中での高周波溶解することでB、
N、Oで汚染されることがわかる。さらに、水素ガス雰
囲気における圧力−組成等温線(PCT線)の測定を行
った。測定は、JIS H 7201に従い、ジーベル
ツ法(容量法)にて行う。測定条件は40℃で、真空原
点法(10−4Pa)によって水素吸蔵量を測定した。
結果、水素吸蔵量は、アーク溶解した実施例1以外は、
水素吸蔵量が少なく、2.2wt%以下であった。以上の
ように、アーク溶解後直ちに回転ロールに移動させて液
体急冷することにより、不純物の少ない優れた水素吸蔵
合金を製造できる。
(B)、窒素(N)の不純物は、測定できなかった。比
較例1は、BNノズル中での高周波溶解の時間が5秒と
短いために、B、Nは少なかったが、酸素(O)が多
く、チャンバー内のOにより酸化膜が形成されているこ
とがわかる。比較例2、3では、B、N、Oとも多くな
っており、汚染の程度がひどくなっていることがわか
る。したがって、X線回折で異相の析出が観察されない
場合でも、BNノズル中での高周波溶解することでB、
N、Oで汚染されることがわかる。さらに、水素ガス雰
囲気における圧力−組成等温線(PCT線)の測定を行
った。測定は、JIS H 7201に従い、ジーベル
ツ法(容量法)にて行う。測定条件は40℃で、真空原
点法(10−4Pa)によって水素吸蔵量を測定した。
結果、水素吸蔵量は、アーク溶解した実施例1以外は、
水素吸蔵量が少なく、2.2wt%以下であった。以上の
ように、アーク溶解後直ちに回転ロールに移動させて液
体急冷することにより、不純物の少ない優れた水素吸蔵
合金を製造できる。
【0024】(実施例2、3及び比較例4、5)実施例
1と同じ手順で、Ti37Cr53V10合金組成にな
るように秤量して配合した原料を、アーク溶解する第1
チャンバーと冷却する第2チャンバーによりなるアーク
溶解高速急冷法が可能な装置内の水冷されたCu製ハー
スに投入した。これを溶解した後、開口したハースか
ら、チタン酸アルミニウム製ノズルを通して回転ロール
へ移動させた。この回転ロールの周速を10m/s、3
0m/s、60m/s、90m/sと変化させて薄片を
製造した。
1と同じ手順で、Ti37Cr53V10合金組成にな
るように秤量して配合した原料を、アーク溶解する第1
チャンバーと冷却する第2チャンバーによりなるアーク
溶解高速急冷法が可能な装置内の水冷されたCu製ハー
スに投入した。これを溶解した後、開口したハースか
ら、チタン酸アルミニウム製ノズルを通して回転ロール
へ移動させた。この回転ロールの周速を10m/s、3
0m/s、60m/s、90m/sと変化させて薄片を
製造した。
【0025】これを、上記同様にX線回折法により同定
した。図7は、製造条件のうち回転ロール周速を変えて
製造した水素吸蔵合金のX線回折の結果である。表2
は、この結果を整理したものである。
した。図7は、製造条件のうち回転ロール周速を変えて
製造した水素吸蔵合金のX線回折の結果である。表2
は、この結果を整理したものである。
【表2】 実施例2のロール周速が90m/s、実施例3のロール
周速が60m/sの水素吸蔵合金では、いずれもbcc
相単相であった。しかし、比較例4と比較例5のロール
周速が、それぞれ周速が30m/s、10m/sでは、
ラーベス相が現れていることがX線回折により観察でき
た。ラーベス相の析出により水素吸蔵量が低下すること
は知られている。このように、TiとCrの含有量の合
計が50原子%以上である安価な水素吸蔵合金を製造す
る場合は回転ロールの周速を速くする必要があり、40
m/s以上にすることが好ましいことがわかる。
周速が60m/sの水素吸蔵合金では、いずれもbcc
相単相であった。しかし、比較例4と比較例5のロール
周速が、それぞれ周速が30m/s、10m/sでは、
ラーベス相が現れていることがX線回折により観察でき
た。ラーベス相の析出により水素吸蔵量が低下すること
は知られている。このように、TiとCrの含有量の合
計が50原子%以上である安価な水素吸蔵合金を製造す
る場合は回転ロールの周速を速くする必要があり、40
m/s以上にすることが好ましいことがわかる。
【0026】(実施例4及び比較例6)実施例4では、
Ti、Cr、Vを秤量し、Ti38Cr57V5合金組
成になるように配合した原料70gを、アーク溶解後直
ちに30×70×80mm3で内部が7×50×70m
m3のCu製鋳型に鋳込み合金を製造した。次に、この
水素吸蔵合金をジョークラッシャーで破砕し、その後、
目開き5mmの篩で微粒子を除いた。次に、水素吸蔵合
金が溶融しない温度の1400℃で、3分間熱処理した
後に、水で急冷した。次に、PCT線の測定を行った。
ここで、図8は、水素の吸放出を繰り返し行い、その3
回目のPCT特性を示すグラフである。
Ti、Cr、Vを秤量し、Ti38Cr57V5合金組
成になるように配合した原料70gを、アーク溶解後直
ちに30×70×80mm3で内部が7×50×70m
m3のCu製鋳型に鋳込み合金を製造した。次に、この
水素吸蔵合金をジョークラッシャーで破砕し、その後、
目開き5mmの篩で微粒子を除いた。次に、水素吸蔵合
金が溶融しない温度の1400℃で、3分間熱処理した
後に、水で急冷した。次に、PCT線の測定を行った。
ここで、図8は、水素の吸放出を繰り返し行い、その3
回目のPCT特性を示すグラフである。
【0027】比較例6では、Ti、Cr、Vを秤量し、
Ti38Cr57V5合金組成になるように配合した原
料70gを、アーク溶解後、溶解したアーク溶解炉内で
冷却し、その後、実施例4と同様に、破砕し、篩をか
け、熱処理をして水素吸蔵合金を製造し、PCT線の測
定を行った。このときのPCT線を図8に示す。また、
0.10MPaにおける水素吸蔵量(wt%)と0.06
MPaにおける水素吸蔵量(wt%)とから水素放出量
(wt%)を測定した結果を表3に示す。
Ti38Cr57V5合金組成になるように配合した原
料70gを、アーク溶解後、溶解したアーク溶解炉内で
冷却し、その後、実施例4と同様に、破砕し、篩をか
け、熱処理をして水素吸蔵合金を製造し、PCT線の測
定を行った。このときのPCT線を図8に示す。また、
0.10MPaにおける水素吸蔵量(wt%)と0.06
MPaにおける水素吸蔵量(wt%)とから水素放出量
(wt%)を測定した結果を表3に示す。
【表3】 図8及び表3から、実施例4のアーク溶解後鋳型に鋳込
んで、急冷した水素吸蔵合金の方が、比較例6よりもプ
ラトー領域が平坦であることがわかる。これは、表3か
らも、水素吸蔵量に0.640wt%の差があることから
も明らかである。
んで、急冷した水素吸蔵合金の方が、比較例6よりもプ
ラトー領域が平坦であることがわかる。これは、表3か
らも、水素吸蔵量に0.640wt%の差があることから
も明らかである。
【0028】(実施例5及び比較例7)実施例5では、
Ti、Cr、Vを秤量し、Ti38Cr54V8合金組
成になるように配合した原料40gを、実施例4と同様
にして、水素吸蔵合金を製造した。次に、水素の吸放出
のサイクルを80回行った後の、PCT線の測定を行っ
て、繰り返し特性を評価した。図9は、水素の吸放出を
繰り返し行い、その80回目のPCT特性を示すグラフ
である。比較例7では、Ti、Cr、Vを秤量し、Ti
38Cr54V8合金組成になるように配合した原料4
0gを、アーク溶解後、溶解したアーク溶解炉内で冷却
し、その後、実施例5と同様に、水素吸蔵合金を製造
し、さらに、水素の吸放出のサイクルを80回行った後
の、PCT線の測定を行って、繰り返し特性を評価し
た。また、0.06MPaにおける水素吸蔵量(wt%)
と0.02MPaにおける水素吸蔵量(wt%)とから水
素放出量(wt%)を測定した結果を表4に示す。
Ti、Cr、Vを秤量し、Ti38Cr54V8合金組
成になるように配合した原料40gを、実施例4と同様
にして、水素吸蔵合金を製造した。次に、水素の吸放出
のサイクルを80回行った後の、PCT線の測定を行っ
て、繰り返し特性を評価した。図9は、水素の吸放出を
繰り返し行い、その80回目のPCT特性を示すグラフ
である。比較例7では、Ti、Cr、Vを秤量し、Ti
38Cr54V8合金組成になるように配合した原料4
0gを、アーク溶解後、溶解したアーク溶解炉内で冷却
し、その後、実施例5と同様に、水素吸蔵合金を製造
し、さらに、水素の吸放出のサイクルを80回行った後
の、PCT線の測定を行って、繰り返し特性を評価し
た。また、0.06MPaにおける水素吸蔵量(wt%)
と0.02MPaにおける水素吸蔵量(wt%)とから水
素放出量(wt%)を測定した結果を表4に示す。
【表4】 図9及び表4から、実施例5の水素の吸放出を80回繰
り返した後でも、アーク溶解後鋳型に鋳込んで、急冷し
た水素吸蔵合金の方が、比較例7よりもプラトー領域が
平坦で、繰り返し特性に優れていることがわかる。これ
は、表4でも、水素吸蔵量に0.352wt%の差がある
ことからも明らかである。
り返した後でも、アーク溶解後鋳型に鋳込んで、急冷し
た水素吸蔵合金の方が、比較例7よりもプラトー領域が
平坦で、繰り返し特性に優れていることがわかる。これ
は、表4でも、水素吸蔵量に0.352wt%の差がある
ことからも明らかである。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の合金製造
装置では、第1チャンバーに配設された溶解手段で形成
された溶湯を大気に触れさせることなく第2チャンバー
に移動させ、この第2チャンバーに配設された冷却手段
で急冷することができる。さらに、本発明の合金製造装
置では、るつぼを用いずアーク溶解で溶解し、溶湯との
反応性の少ないノズルを用いることで、ノズル等からの
汚染を少なくすることができる。また、本発明の水素吸
蔵合金の製造方法では、溶湯を大気に触れさせることな
く回転ロール又は鋳型の冷却手段により急冷すること
で、合金元素の組成の不均一を抑え、bcc相に異相の
析出を少なくして、かつ水素の吸放出の繰り返し特性の
優れた水素吸蔵合金を製造することができる。また、b
cc相にしにくい組成の合金については、さらに熱処理
し、急冷することにより、bcc相単相化させて、プラ
トー領域における傾きが小さい水素吸蔵合金を製造する
ことができる。
装置では、第1チャンバーに配設された溶解手段で形成
された溶湯を大気に触れさせることなく第2チャンバー
に移動させ、この第2チャンバーに配設された冷却手段
で急冷することができる。さらに、本発明の合金製造装
置では、るつぼを用いずアーク溶解で溶解し、溶湯との
反応性の少ないノズルを用いることで、ノズル等からの
汚染を少なくすることができる。また、本発明の水素吸
蔵合金の製造方法では、溶湯を大気に触れさせることな
く回転ロール又は鋳型の冷却手段により急冷すること
で、合金元素の組成の不均一を抑え、bcc相に異相の
析出を少なくして、かつ水素の吸放出の繰り返し特性の
優れた水素吸蔵合金を製造することができる。また、b
cc相にしにくい組成の合金については、さらに熱処理
し、急冷することにより、bcc相単相化させて、プラ
トー領域における傾きが小さい水素吸蔵合金を製造する
ことができる。
【図1】本発明の合金製造装置の一例を示す概略構成図
である。
である。
【図2】第1チャンバーの底部及びこの底部上に設けら
れたハースの構造を示す概略構成図である。
れたハースの構造を示す概略構成図である。
【図3】本発明の合金製造装置の他の一例を示す概略構
成図である。
成図である。
【図4】本発明の合金製造装置の鋳型の一例を示す概略
構成図である。
構成図である。
【図5】本発明の水素吸蔵合金の製造方法の一例であっ
て、溶湯の冷却手段である鋳型による水素吸蔵合金の製
造方法の一例を示すフローチャートである。
て、溶湯の冷却手段である鋳型による水素吸蔵合金の製
造方法の一例を示すフローチャートである。
【図6】BN製ノズル中での高周波誘導加熱の時間と不
純物の有無を評価したX線回折の図である。
純物の有無を評価したX線回折の図である。
【図7】製造条件のうち回転ロール周速を変えて製造し
た水素吸蔵合金のX線回折の結果である。
た水素吸蔵合金のX線回折の結果である。
【図8】水素の吸放出を繰り返し行い、その3回目のP
CT特性を示すグラフである。
CT特性を示すグラフである。
【図9】水素の吸放出を繰り返し行い、その80回目の
PCT特性を示すグラフである。
PCT特性を示すグラフである。
1 第1チャンバー 2 第2チャンバー 3 電極 4 アーク 5 溶湯 6 ハース 7 底部 8 ノズル 9 回転ロール 10 薄帯 11 冷却用パイプ 12 鋳型 13 ガス抜き 14 支持台 15 雰囲気制御手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C22C 27/06 C22C 27/06 (72)発明者 長 勤 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 (72)発明者 岡田 益男 宮城県仙台市太白区八木山南3丁目9の6 Fターム(参考) 4E004 DB02 DB16 DB18 TA06 TB07
Claims (15)
- 【請求項1】 金属材料を溶解して溶湯を形成する溶解
手段が配置された第1チャンバーと、第1チャンバーに
連結され、前記溶湯を冷却する冷却手段が配置された第
2チャンバーと、第1チャンバーおよび/または第2チ
ャンバーを不活性雰囲気に維持する雰囲気制御手段とを
備えることを特徴とする合金製造装置。 - 【請求項2】 前記溶解手段は、アーク電極と、このア
ーク電極に対向する導電性の溶湯保持手段を含むことを
特徴とする請求項1に記載の合金製造装置。 - 【請求項3】 前記冷却手段は、回転ロール、回転円盤
または鋳型であることを特徴とする請求項1又は請求項
2に記載の合金製造装置。 - 【請求項4】 前記第1チャンバーと前記第2チャンバ
ーとの間に、前記溶解手段により形成された溶湯を前記
冷却手段に導くノズルが配置されることを特徴とする請
求項1ないし請求項3のいずれかに記載の合金製造装
置。 - 【請求項5】 前記ノズルが、窒化ホウ素、チタン酸ア
ルミニウム、石英又は黒鉛であることを特徴とする請求
項4に記載の合金製造装置。 - 【請求項6】 前記溶湯保持手段と前記第1チャンバー
の底部の間に間隙を設けることを特徴とする請求項2な
いし請求項5のいずれかに記載の合金製造装置。 - 【請求項7】 前記溶湯保持手段は、Mo、W、Ta、
Nbから構成される群の中から選択される金属又はこれ
を主体とする合金であることを特徴とする請求項2ない
し請求項6のいずれかに記載の合金製造装置。 - 【請求項8】 前記回転ロールの周速を、40m/s以
上にすることを特徴とする請求項3ないし請求項7のい
ずれかに記載の合金製造装置。 - 【請求項9】 前記鋳型が、Cu、Al又はこれを主体
とする合金であることを特徴とする請求項3ないし請求
項7のいずれかに記載の合金製造装置。 - 【請求項10】 第1チャンバーで金属材料を溶解して
溶湯を形成する溶解工程と、 第1チャンバーに連結される第2チャンバーで溶湯を冷
却する冷却工程とを有し、 溶解工程および/または冷却工程を不活性雰囲気で行う
ことを特徴とする水素吸蔵合金の製造方法。 - 【請求項11】 前記溶解工程は、第1チャンバー底部
に配置される導電性の溶湯保持手段上にアーク溶解法に
より溶湯を形成することを特徴とする請求項10に記載
の水素吸蔵合金の製造方法。 - 【請求項12】 前記冷却工程は、第2チャンバーに配
置される回転ロール、回転円盤または鋳型により冷却す
ることを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の
水素吸蔵合金の製造方法。 - 【請求項13】 前記回転ロールの周速を、40m/s
以上にすることを特徴とする請求項12に記載の水素吸
蔵合金の製造方法。 - 【請求項14】 前記冷却工程において、前記鋳型に鋳
込んで冷却した合金を、さらに熱処理し、急冷すること
を特徴とする請求項12に記載の水素吸蔵合金の製造方
法。 - 【請求項15】 前記水素吸蔵合金が、体心立方型であ
って、TiとCrの含有量の合計が50原子%以上にす
ることを特徴とする請求項10ないし請求項14のいず
れかに記載の水素吸蔵合金の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001398643A JP2002331336A (ja) | 2001-03-05 | 2001-12-27 | 合金製造装置および水素吸蔵合金の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001059570 | 2001-03-05 | ||
JP2001-59570 | 2001-03-05 | ||
JP2001398643A JP2002331336A (ja) | 2001-03-05 | 2001-12-27 | 合金製造装置および水素吸蔵合金の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002331336A true JP2002331336A (ja) | 2002-11-19 |
Family
ID=26610600
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001398643A Withdrawn JP2002331336A (ja) | 2001-03-05 | 2001-12-27 | 合金製造装置および水素吸蔵合金の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002331336A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007152386A (ja) * | 2005-12-05 | 2007-06-21 | Japan Steel Works Ltd:The | 水素吸蔵合金およびその製造方法 |
WO2017069304A1 (ko) * | 2015-10-22 | 2017-04-27 | 희성금속 주식회사 | 열전 재료의 제조방법 및 이로부터 제조된 열전 재료 |
CN108788034A (zh) * | 2017-06-07 | 2018-11-13 | 上海交通大学 | 纯铝微晶及非晶材料的制备方法及装置 |
-
2001
- 2001-12-27 JP JP2001398643A patent/JP2002331336A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007152386A (ja) * | 2005-12-05 | 2007-06-21 | Japan Steel Works Ltd:The | 水素吸蔵合金およびその製造方法 |
WO2017069304A1 (ko) * | 2015-10-22 | 2017-04-27 | 희성금속 주식회사 | 열전 재료의 제조방법 및 이로부터 제조된 열전 재료 |
CN108788034A (zh) * | 2017-06-07 | 2018-11-13 | 上海交通大学 | 纯铝微晶及非晶材料的制备方法及装置 |
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