JPH11106595A - ポリビニルブチラール樹脂組成物 - Google Patents
ポリビニルブチラール樹脂組成物Info
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- JPH11106595A JPH11106595A JP26574697A JP26574697A JPH11106595A JP H11106595 A JPH11106595 A JP H11106595A JP 26574697 A JP26574697 A JP 26574697A JP 26574697 A JP26574697 A JP 26574697A JP H11106595 A JPH11106595 A JP H11106595A
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- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
の中間膜として用いた場合に耐貫通性、接着性に優れた
ポリビニルブチラール樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 本発明のポリビニルブチラール樹脂組成
物は、ポリビニルブチラール樹脂100重量部に、エー
テルエステル系可塑剤20〜80重量部を配合してな
り、該エーテルエステル系可塑剤が、(a)トリエチレ
ングリコール・ビス(2−エチルヘキサノエート)20
〜60重量%および(b)重合度5以上のポリエチレン
グリコールと2−エチルヘキシル酸とのジエステルの中
から選ばれる少なくとも一種40〜80重量%を含有し
てなることを特徴とする。
Description
ール樹脂組成物に関し、詳しくは、特定のエーテルエス
テル系可塑剤を配合してなる可塑化されたポリビニルブ
チラール樹脂組成物に関する。
に、ポリビニルブチラール樹脂(以下、単に「ブチラー
ル樹脂」と略記することもある)は優れた接着性、耐寒
性を有し、また無色透明で耐候性に優れているため合わ
せガラス(安全ガラス)の中間膜として常用されてい
る。
のガラスの間に可塑化ブチラール樹脂の膜をはさんだ積
層構造物であり、ガラスが破壊された際に破片が飛散し
ない構造としたものである。これは自動車、列車、航空
機等の風防ガラスとして、また高層建築物の窓ガラスと
して極めて有用である。
時の衝撃により風防ガラスが破壊、飛散して人体を著し
く傷つけたり、更には頭部がフロントガラスを貫通する
ことにより死に到ることもある。また地震等により建築
物の窓ガラスが破損した場合、ガラス片の落下が起こり
非常に危険である。
スの汎用化、高速化が進み、フロントガラスとしての安
全性の一層の向上が必要になってきている。しかしなが
ら従来の合わせガラスでは、特に貫通性に劣りその性能
向上が業界の課題となっている。
トリエチレングリコール・ビス(2−エチルブチレー
ト)またはジラウレート、ジブチルセバケート、トリア
リールホスフェート、ジアルキルフタレートおよびリシ
ノレート等の化合物が使用されていた。しかしながら、
これらの化合物はいずれも合わせガラス中間膜用として
十分な性能を有するものではない。
・ビス(2−エチルブチレート)は低温において比較的
良好な貫通性能を有するが、高温では軟らかくなりすぎ
腰がなくなる。また、この可塑剤により可塑化されたブ
チラール樹脂は常温下で相互粘着をする欠点を有し、あ
るいはこの可塑剤とブチラール樹脂との相溶性が十分で
はなくブリードを起こしたり、合わせガラスに加工した
場合に透明性が不十分となる。
その耐貫通性は著しく減少する。
の検討がなされ、多くのブチラール樹脂用可塑剤が提案
されている。例えば、特開昭56−36432号公報に
は、ポリビニルブチラール用の可塑剤として、テトラエ
チレングリコール・ビス(n−ヘプタノエート)が提案
されており、特開昭57−23648号公報には、トリ
エチレングリコール・ビス(n−ヘプタノエート)とテ
トラエチレングリコール・ビス(n−ヘプタノエート)
とからなる可塑剤およびアルカリ(土類)金属蟻酸塩か
らなる接着調節剤を含有してなるポリビニルブチラール
シートが提案されており、特開昭57−38846号公
報には、テトラエチレングリコール・ビス(2−エチル
ヘキサノエート)を含有してなるポリビニルブチラール
組成物が提案されており、特開昭59−213750号
公報には、脂肪族エーテルエステル系可塑剤とヒンダー
ドアミン化合物とを含有してなるポリブチラール樹脂組
成物が提案されているが、未だ満足できる性能のものは
得られていない。
物性に優れ、合わせガラス用の中間膜として用いた場合
に耐貫通性、接着性に優れたポリビニルブチラール樹脂
組成物を提供することにある
を重ねた結果、ポリビニルブチラール樹脂に、特定のエ
ーテルエステル系可塑剤を配合することにより、上記目
的を達成し得ることを知見した。
で、ポリビニルブチラール樹脂100重量部に、エーテ
ルエステル系可塑剤20〜80重量部を配合してなるビ
ニルブチラール樹脂組成物において、該エーテルエステ
ル系可塑剤が、(a)トリエチレングリコール・ビス
(2−エチルヘキサノエート)20〜60重量%および
(b)重合度5以上のポリエチレングリコールと2−エ
チルヘキシル酸とのジエステルの中から選ばれる少なく
とも一種40〜80重量%を含有してなることを特徴と
するポリビニルブチラール樹脂組成物を提供するもので
ある。
ール樹脂組成物について詳述する。
塑剤は、(a)トリエチレングリコール・ビス(2−エ
チルヘキサノエート)および(b)重合度5以上のポリ
エチレングリコールと2−エチルヘキシル酸とのジエス
テルの中から選ばれる少なくとも一種より構成されるも
のである。このうち(b)成分の、重合度5以上のポリ
エチレングルコールと2−エチルヘキシル酸とのジエス
テルとしては、例えば、ペンタエチレングリコール・ビ
ス(2−エチルヘキサノエート)、ヘキサエチレングリ
コール・ビス(2−エチルヘキサノエート)、ヘプタエ
チレングリコール・ビス(2−エチルヘキサノエー
ト)、オクタエチレングリコール・ビス(2−エチルヘ
キサノエート)、ノナエチレングリコール・ビス(2−
エチルヘキサノエート)、デカエチレングリコール・ビ
ス(2−エチルヘキサノエート)、ウンデカエチレング
リコール・ビス(2−エチルヘキサノエート)、ドデカ
エチレングリコール・ビス(2−エチルヘキサノエー
ト)、トリデカエチレングリコール・ビス(2−エチル
ヘキサノエート)、テトラデカエチレングリコール・ビ
ス(2−エチルヘキサノエート)、ペンタデカエチレン
グリコール・ビス(2−エチルヘキサノエート)、ヘキ
サデカエチレングリコール・ビス(2−エチルヘキサノ
エート)、ヘプタデカエチレングリコール・ビス(2−
エチルヘキレート)、オクタデカエチレングリコール・
ビス(2−エチルヘキレート)などがあげられる。
コールと2−エチルヘキシル酸とのジエステルは、単一
重合度のものであってもよいが、特に、重合度の異なる
3種以上からなるもの、即ち、重合度の異なる3種以上
の該ジエステルの混合物を用いることによって、より耐
寒性に優れたものが得られるため好ましい。
造方法に関しては特に限定されるものではないが、2−
エチルヘキシル酸とエーテルグリコールとをモル比で
2:1で反応させることにより容易に得られるものであ
り、例えば、(a)成分は2−エチルヘキシル酸とトリ
エチレングリコール、(b)成分は2−エチルヘキシル
酸と重合度5以上のポリアルキレングリコールとをそれ
ぞれ常法により反応させて得ることができる。また、上
記(b)成分が重合度の異なる3種以上からなる場合に
おいては、それを提供しうるポリアルキレングリコール
をそれぞれ別々に2−エチルヘキシル酸と常法により反
応させて得られたジエステルを混合することもできる
が、それを提供しうるポリアルキレングリコールを所定
量含む混合エーテルグリコールを2−エチルヘキシル酸
と常法により反応させて得ることもできる。さらに、上
記(a)成分を形成するトリエチレングリコールおよび
(b)成分を構成する重合度5以上のポリエチレングリ
コールの所定量の混合物を含む混合エーテルグリコール
を2−エチルヘキシル酸と常法により反応させることも
できる。
(a)成分のトリエチレングリコール・ビス(2−エチ
ルヘキサノエート)20〜60重量%、好ましくは25
〜55重量%および上記(b)成分の重合度5以上のポ
リエチレングリコールと2−エチルヘキシル酸より得ら
れるジエステルの少なくとも一種40〜80重量%、好
ましくは45〜75重量%を含有してなるものである。
該エーテルエステル系可塑剤は、上記(a)成分及び
(b)成分のみからなるものであってもよく、本発明の
目的を損なわない範囲(およそ10重量%以下)のエチ
レングリコール、ジエチレングリコールあるいはテトラ
エチレングリコールの2−エチルヘキシル酸ジエステル
を含有していてもよい。
は、ブチラール樹脂100重量部に対し、20〜80重
量部、好ましくは30〜70重量部である。該可塑剤の
使用量が20重量部未満では十分な物性改善効果が得ら
れず、80重量部を超える場合には硬度が低下するなど
の欠点を生じる。
エーテルエステル系可塑剤とともに、公知の他の可塑剤
を併用することもでき、該他の可塑剤としては、例え
ば、2−エチルヘキシル酸以外の脂肪族カルボン酸とモ
ノ/ジ/ポリ(3〜20)エチレングリコールとより得
られるエーテルエステル系可塑剤、あるいは、ジヘプチ
ルフタレート、ジオクチルフタレート、ジイソノニルフ
タレートなどのフタレート系可塑剤、ジオクチルアジペ
ート、ジイソノニルアジペート、ジ(ブチルジグリコー
ル)アジペートなどのアジペート系可塑剤、トリメリテ
ート系可塑剤、ピロメリテート系可塑剤、ビフェニルテ
トラカルボキシレート系可塑剤、ホスフェート系可塑
剤、ポリエステル系可塑剤、塩素化パラフィン系可塑剤
などがあげられる。
係る上記エーテルエステル系可塑剤の使用量を超えず、
かつ、この特性を打ち消すことのない範囲で、目的に応
じて適宜決定されるものである。
常のものが用いられるが、特に、ビニルブチラール成分
50〜85モル%、ビニルアルコール成分10〜50モ
ル%およびビニルアセテート成分10モル%未満からな
るものが好適に使用される。
以下に示す諸種添加剤を配合することにより、耐衝撃性
及び諸性質をさらに増大せしめることができる。かかる
添加剤としては、ポリオキシエチレンソルビタンモノパ
ルミテート、ジエチレングリコールモノリシノレート、
グリセリンモノリシノレート等の非イオン界面活性剤;
ポリオキシエチレンドデシルアミン、ヘキサデシルトリ
メチルアンモニウムクロライド等のカチオン系界面活性
剤;ステアリルベタイン等の両性界面活性剤;ジブチル
錫ラウレート、ジブチル錫マレート、ジブチル錫マレー
トトリマー、ステアリン酸錫等の有機錫化合物;カプロ
ン酸、デカノン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、琥珀
酸、アジピン酸、セバシン酸、酒石酸、グリミン酸、グ
ルタミン酸、アスパラギン酸、くえん酸、樹脂酸等の有
機カルボン酸/ドデカノール、ラウリルアルコール、ス
テアリルアルコール、トリデカノール等の高級アルコー
ル/グリシドオキシプロピルトリメトキシシラン、ベー
タ(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメト
キシシラン等の有機シラン化合物/水酸化マグネシウ
ム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、酢酸カドミウ
ム、酢酸カルシウム、酢酸鉛、酢酸亜鉛、酢酸カリウ
ム、ステアリン酸鉛、オレイン酸鉛、フタル酸カリウ
ム、酢酸マグネシウム、酢酸アルミニウム、フッ化リチ
ウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化珪酸
ナトリウム、フッ化硼酸ナトリウム、樹脂酸マグネシウ
ム等の含金属化合物等が好適である。これらの各添加剤
は、ブチラール樹脂100重量部に対して、好ましくは
0.01〜10重量部の範囲内で使用される。
いては、上記ブチラール樹脂とともに、他の樹脂を混合
して用いることもでき、該他の樹脂としは、例えば、ロ
ジン、セラック等の天然樹脂;フェノール樹脂、尿素樹
脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等の合成樹脂などがあ
げられる。
樹脂組成物には、例えば、エポキシ化安定剤、有機キレ
ーター、顔料、充填剤、発泡剤、帯電防止剤、防曇剤、
シランカップリング剤、プレートアウト防止剤、表面処
理剤、滑剤、酸化防止剤、難燃剤、光安定剤、紫外線吸
収剤、赤外線吸収剤、蛍光剤、防黴剤、殺菌剤、金属不
活性化剤、光劣化剤、非金属安定剤、硼酸エステル、チ
オ尿素誘導体、離型剤、加工助剤、塩基性物質などを包
含させることができる。
た必須成分および必要に応じ任意成分を用いて、通常の
方法により調製される。
合わせガラスの中間膜として有用であるが、これに限定
されず、例えば、各種接着剤、各種塗料、ウオッシュプ
ライマー、各種バインダー、繊維処理剤等に使用するこ
とができる。
説明するが、本発明は下記の実施例によって制限を受け
るものではない。
可塑剤を示す。
5mmのシートを作成し、これを180℃、6分プレス
して1mm厚のプレスシートを作成した。プレスシート
を用いて、JIS K 6745に準じて柔軟温度を測
定し、JISK 6301に準じて、JIS−A硬度
(5℃、25℃および40℃)を測定し、引張試験を行
い、100%モジュラス(MPa)、抗張力(MPa)
および伸長率(%)を測定した。(25℃、1号試験
片、200mm/min、標線間4cm)
のブリードの有無を確認し、1(ブリードなし)〜5
(ブリード大)の5段階で評価した。
て押し出し、0.8mmのフィルムを作成した。これを
300mm×300mm×3mmの2枚のガラス板に介
挿し、積層体を作成した。これをオートクレーブ中にて
13.4kg/cm2 ×135℃×10分プレスして合
わせガラスを作成し、これを以下の試験に用いた。
温度調節し、これを枠内に並行に置き、2.26kgの
鋼鉄球をこの合わせガラスの中心に自由落下させて、貫
通しない高さ(m)を求めた。
温度調節し、表面を特殊なハンマーで強打して、中間膜
に接着したままのガラス片の面積によって0〜10
(0:接着性ナシ〜10:完全に接着している)で評価
した。
レングリコール・ビス(2−エチルヘキサノエート)あ
るいはこれとテトラエチレングリコール・ビス(2−エ
チルヘキサノエート)を併用してブチラール樹脂用の可
塑剤として用いた場合(比較例1−1、1−2)には、
相溶性が劣るためブリードを生じやすく、温度変化に伴
う硬度の変化が著しく、これを配合したブチラール樹脂
組成物を中間膜として合わせガラスを作成した場合(比
較例2−1、2−2)には、耐貫通性も不十分で、接着
性が極めて不十分である。また、ヘキサエチレングリコ
ール・ビス(2−エチルヘキサノエート)を単独で用い
た場合(比較例1−3)においては、耐寒性が不十分で
あり、これを配合したブチラール樹脂組成物を中間膜と
して合わせガラスを作成した場合(比較例2−3)に
は、耐貫通性、接着性も満足できるものではない。
ビス(2−エチルヘキサノエート)および重合度5以上
のポリエチレングリコールの2−エチルヘキシル酸ジエ
ステルを特定の配合割合で併用して可塑剤として用いた
場合(実施例1−1〜1−7)には、相溶性、耐寒性に
優れ、かつ温度変化に伴う硬度変化も少なく、機械的物
性にも優れ、これを配合したブチラール樹脂組成物を中
間膜として合わせガラスを作成した場合(実施例2−1
〜2−4)には、耐貫通性および接着性に優れたものが
得られる。
物は、耐寒性、機械的物性に優れたものである。従っ
て、本発明のポリビニルブチラール樹脂組成物を用いる
ことにより、耐貫通性および接着性に優れた合わせガラ
スを提供することができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 ポリビニルブチラール樹脂100重量部
に、エーテルエステル系可塑剤20〜80重量部を配合
してなるビニルブチラール樹脂組成物において、該エー
テルエステル系可塑剤が、(a)トリエチレングリコー
ル・ビス(2−エチルヘキサノエート)20〜60重量
%および(b)重合度5以上のポリエチレングリコール
と2−エチルヘキシル酸とのジエステルの中から選ばれ
る少なくとも一種40〜80重量%を含有してなること
を特徴とするポリビニルブチラール樹脂組成物。 - 【請求項2】 上記(b)成分のジエステルが、重合度
の異なる3種以上からなることを特徴とする請求項1記
載のポリビニルブチラール樹脂組成物。 - 【請求項3】 合わせガラスの中間膜として用いること
を特徴とする請求項1または2記載のポリビニルブチラ
ール樹脂組成物。
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