JPH11106431A - 共重合体ラテックスの製造方法 - Google Patents

共重合体ラテックスの製造方法

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JPH11106431A
JPH11106431A JP26888397A JP26888397A JPH11106431A JP H11106431 A JPH11106431 A JP H11106431A JP 26888397 A JP26888397 A JP 26888397A JP 26888397 A JP26888397 A JP 26888397A JP H11106431 A JPH11106431 A JP H11106431A
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latex
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carboxylic acid
monomer
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JP26888397A
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Kazunobu Yamada
和伸 山田
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗工液の高速流動性、機械的安定性、および
塗工紙のドライピック強度やウェットピック強度に優
れ、かつ製造中に発生する微細凝固物の少ない共重合体
ラテックスの製造方法を提供する。 【解決手段】 共役ジエン系単量体、エチレン系不飽和
カルボン酸、これらと共重合可能な他の単量体の混合物
を乳化重合してラテックスを製造するにあたり、第一段
目として、エチレン系不飽和カルボン酸の一部又は全部
を含む全単量体混合物の特定量を添加して乳化重合し、
該エチレン系不飽和カルボン酸の重合転化率が5〜50
%に達したとき、第二段目の重合を開始する共重合体ラ
テックスの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紙塗工用共重合体
ラテックスの製造方法に関し、さらに詳細にはオフセッ
ト印刷、グラビア印刷に供される印刷用塗工紙あるいは
その他の紙塗工用バインダーとして好適な高性能の共重
合体ラテックスの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】塗工紙は、紙の印刷適性の向上及び光沢
などの光学的特性の向上を目的として、抄造された原紙
表面に、カオリンクレー、炭酸カルシウム、サチンホワ
イト、タルク、酸化チタンなどの顔料、それらのバイン
ダーとしての共重合体ラテックス及び保水剤あるいは補
助バインダーとしてのスターチ、カゼイン、ポリビニル
アルコール、カルボキシメチルセルロースなどの水溶性
高分子を主構成成分とする塗工液が塗布されたものであ
る。上記の共重合ラテックスとしては、スチレンとブタ
ジエンを主要単量体成分とし、これらを乳化重合して得
られたスチレンーブタジエン系共重合体ラテックス、い
わゆるSB系ラテックスが汎用的に用いられている。
【0003】塗工紙は出版用あるいは包装用として大量
に使用されている。近年、需要の拡大や生産コストを下
げるために高速印刷の傾向が強まっており、その品質に
対する要求水準もますます高度化している。すなわち、
塗工紙には高速印刷に耐え得る優れたドライピック強
度、ウェットピック強度が必要とされる。また、一方で
塗工紙の製造においては、生産能力の向上を目的とした
高速塗工化が進んでいる。また、高速塗工に伴う乾燥能
力の低下への対応、および生産効率向上を目的とした塗
工液の高固形分化が進められている。塗工液には、こう
した高速塗工、高固形分塗工に耐え得る必要な高度な性
能が要求される。たとえば、ブレード塗工での高速塗工
や高固形分塗工では、塗工液には優れた高速流動性およ
び機械的安定性が要求される。これらが劣るとブレード
先端に堆積物が成長して塗工紙に粕が付着したり、凝集
物が発生して塗工紙に筋が付いたりするトラブルを招く
ことになる。SBラテックスの性能をもとに、塗工紙の
ドライピック強度、ウェット強度を高め、塗工液の高速
流動性を改良するためには、共重合体ラテックスの粒子
径を小さくする方法が有効であることが知られている。
【0004】共重合体ラテックスの製造方法には、シー
ドラテックスを用いて重合する、いわゆる外部シード重
合法と、シードラテックスを用いずに乳化剤や開始剤の
量により粒子径をコントロールする方法がある。これま
で、外部シード重合法により、ラテックスの粒子径をコ
ントロールし、ドライピック強度、ウェット強度を高
め、塗工液の高速流動性を改良する技術としては、例え
ば特開平6−248030号公報のように、粒子表面の
カルボン酸量をコントロールしたシードラテックスを用
いる方法や特開平9−25308号公報のように、重合
温度より低いガラス転移温度を持ったシードラテックス
を用いる方法がある。また、シードを使わない重合法に
よる同様の技術としては、例えば、特開昭63−243
115号公報のように、単量体混合物を2段階に分割し
て乳化重合する方法がある。
【0005】しかし、これらの方法で得られた共重合体
ラテックスは、たとえ高速流動性の点で満足しても、ド
ライピック強度やウェットピック強度、さらに塗工液の
機械的安定性において満足のいくレベルでなかった。ま
た、ラテックスの製造中に発生し生産性低下の原因とな
る微細凝固物の抑制という点でも満足のいくレベルでは
なかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、塗工液の高
速流動性、機械的安定性、および塗工紙のドライピック
強度やウェットピック強度に優れ、かつ製造中に発生す
る微細凝固物の少ない共重合体ラテックスの製造方法の
提供を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、単量体混
合物を2段階に分割して乳化重合を行う際、不飽和カル
ボン酸単量体の重合率の推移を特定の範囲にコントロー
ルすることで、塗工液の高速流動性、機械的安定性、お
よび塗工紙のドライピック強度やウェットピック強度が
著しく向上し、さらに製造中に発生する微細凝固物の量
が大幅に減少することを見いだし本発明に到達した。
【0008】すなわち、本発明の第一は、(a)共役ジ
エン系単量体10〜70重量部、(b)エチレン系不飽
和カルボン酸0.5〜10重量部、及び(c)これらと
共重合可能な他の単量体の混合物20〜89.5重量部
(ただし、(a)+(b)+(c)=100重量部)を
少なくとも二段階で重合して共重合体ラテックスを製造
するにあたり、第一段目として、該エチレン系不飽和カ
ルボン酸の一部又は全部を含む全単量体混合物の5〜4
0重量%を添加して乳化重合し、該エチレン系不飽和カ
ルボン酸の重合転化率が5〜50%に達したとき、第二
段目の重合を開始する共重合体ラテックスの製造方法で
ある。
【0009】本発明の第二は、全単量体混合物の添加が
終了した時点における、エチレン系不飽和カルボン酸の
重合転化率をX%、全単量体混合物の重合転化率をY%
とした時、これらが(Y−30)≦X≦(Y+30)を
満たす発明の第一に記載の共重合体ラテックスの製造方
法である。本発明で用いる(a)共役ジエン系単量体と
しては、例えばブタジエン、イソプレン、2−クロロ−
1,3−ブタジエンなどが挙げられる。これらの共役ジ
エン系単量体は、1種あるいは2種以上を組み合わせて
もよく、また、その使用量は10〜70重量%、好まし
くは25〜60重量%の範囲で選ばれる。この使用量が
20重量%未満では得られる共重合体が硬くて脆くな
り、70重量%を越えると柔らかくなりすぎてウェット
ピック強度が劣る。
【0010】本発明で用いる(b)エチレン系不飽和カ
ルボン酸としては、例えばアクリル酸、メタクリ酸、イ
タコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸などが
挙げられる。これらのカルボン酸は1種あるいは2種以
上組み合わせても良く、その使用量は0.5〜10重量
%、好ましくは1〜7重量%の範囲で選ばれる。この量
が0.5重量%未満ではラテックスの分散安定性が十分
でなく、塗工液調整や塗工時において種々の問題が生
じ、またドライピック強度が低下する。10重量%を越
えるとラテックスや塗工液の粘度が高くなりすぎ好まし
くない。
【0011】本発明で用いる、(c)これらの単量体と
共重合可能な他の単量体としては、スチレン、α−メチ
ルスチレン、クロロスチレン、アルキルスチレン、ジビ
ニルベンゼンなどの芳香族ビニル系単量体、アクリロニ
トリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニト
リルなどのシアン化ビニル系単量体、アクリルアミド、
メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N
−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド
などのN−モノアルキル(メタ)アクリルアミド、N,
N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタク
リルアミドなどのN,N−ジアルキル(メタ)アクリル
アミド、グリシジルメタクリルアミドなどのアミド基含
有エチレン系単量体、アクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、アクリ
ル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−エチルヘキ
シル、メタクリル酸グリシジルなどのアクリル酸あるい
はメタクリル酸のアルキルエステル類、酢酸ビニルなど
のカルボン酸ビニルエステル類、塩化ビニルなどのハロ
ゲン化ビニル類、アミノエチルアクリレート、ジメチル
アミノエチルアクリレートなどのエチレン性アミン類、
スチレンスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。これ
らの共重合可能な単量体は1種あるいは2種以上組み合
わせても良い。また、その使用量は20〜89.5重量
%の範囲で選ばれる。この使用量が89.5重量%を越
えると塗工紙のドライピックおよびウェットピック強度
が低下して好ましくない。
【0012】なお、(a)共役ジエン系単量体と(b)
エチレン系不飽和カルボン酸、および(c)これらと共
重合可能な他の単量体の量の合計を100重量部とす
る。本発明の製造方法は、上記の単量体の混合物を用い
たラテックスの乳化重合を少なくとも2段階の工程に分
け、少なくとも第一段目の工程におけるエチレン系不飽
和カルボン酸単量体の重合転化率を特定の範囲にコント
ロールすることを特徴とする。
【0013】乳化重合の第一段目で添加する単量体混合
物には、エチレン系不飽和カルボン酸単量体の一部又は
全部を含める。好ましくはエチレン系不飽和カルボン酸
単量体の全部を第一段目に添加する。第一段目では、全
単量体混合物の5〜40重量%、好ましくは10〜30
重量%を添加して重合を行うが、第二段階の重合を開始
する時点で、第一段目で添加したエチレン系不飽和カル
ボン酸単量体の重合転化率が5〜50%の範囲にある必
要がある。好ましくは5〜40%である。
【0014】エチレン系不飽和カルボン酸単量体の重合
転化率がこの範囲内にある場合、ラテックスの粒径コン
トロール性が良く、重合中に発生する微細凝固物の発生
量が減少し、塗工液の高速流動性、機械的安定性、およ
び塗工紙のドライピック強度、ウェットピック強度が良
好となり、本発明の効果が発現する。第一段目の単量体
混合物の添加方法としては、一括添加、間欠添加、連続
添加、これらの併用のいずれでも良いが、一括添加が好
ましい。
【0015】乳化重合の第二段目では残りの単量体混合
物95〜60重量%、好ましくは90〜70重量%を一
括、連続または間欠的に添加し重合を行い、共重合体ラ
テックスを得る。また、全単量体混合物の添加が終了し
た時点におけるエチレン系不飽和カルボン酸の重合転化
率をX%、全単量体混合物の重合転化率をY%とした
時、これらの関係が(Y−30)≦X≦(Y+30)で
あることは望ましい。より好ましくは(Y−20)≦X
≦(Y+20)となることである。エチレン系不飽和カ
ルボン酸単量体の重合転化率がこの範囲内にある場合、
塗工液の機械的安定性、および塗工紙のドライピック強
度、ウェットピック強度が良好となる。
【0016】これら以外の乳化重合の条件については、
従来公知の条件を用いることが出来る。本発明に用いる
重合開始剤、乳化剤、連鎖移動剤は公知のものが特に制
限無く使用される。重合開始剤としては、熱または還元
性物質の存在下でラジカル分解して単量体の付加重合を
開始させるもので、水溶性または油溶性のペルオキソ二
硫酸塩、過酸化物、アゾビス化合物などが一般的に用い
られる。その例としてはペルオキソ二硫酸カリウム、ペ
ルオキソ二硫酸ナトリウム、ペルオキソ二硫酸アンモニ
ウム、過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイ
ド、過酸化ベンゾイル、2,2−アゾビスイソブチロニ
トリル、クメンハイドロパーオキサイドなどがあり、こ
れらの中で特にペルオキソ二硫酸塩が好適である。ま
た、重亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸あるいはその
塩、エルソルビン酸あるいはその塩、ロンガリットなど
の還元剤を組み合わせた、いわゆるレドックス系開始剤
を挙げることができる。
【0017】本発明の重合温度における重合温度は、通
常50〜100℃の範囲で選ばれるが重合の促進あるい
はより低温での重合を望む場合にはレドックス系開始剤
を採用することができる。乳化剤としては、脂肪酸せっ
けん、ロジン酸せっけん、アルキルスルホン酸塩、ジア
ルキルアリールスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸
塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、ポリオキシエ
チレンアルキルアリール硫酸塩などのアニオン性界面活
性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキ
シエチレンソルビタン脂肪酸エステル、オキシエチレン
オキシプロピレンブロックコポリマーなどのノニオン性
界面活性剤、カチオン性界面活性剤などが挙げられる。
【0018】連鎖移動剤としては、特にメルカプタン類
が好適で、例えばn−ブチルメルカプタン、n−オクチ
ルメルカプタン、n−ラウリルメルカプタン、n−ドデ
シルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンまどが挙
げられる。またテトラメチルチウラムジスルフィド、テ
トラエチルチウラムジスルフィドなどのジスルフィド
類、四塩化炭素、四臭化炭素などのハロゲン化誘導体、
α−メチルスチレンダイマー、2−エチルヘキシルチオ
グリコレートなども使用することができる。
【0019】また、所望に応じて種々の重合調整剤を添
加することもしばしば行われる。例えば、カセイソーダ
やアンモニア水などの中和剤、ポリリン酸塩や低分子量
ポリカルボン酸塩並びに炭酸水素ナトリウム等の塩類な
どが挙げられる。さらにラテックスの粒子径をコントロ
ールする粒径調整剤として架橋構造を有するかあるいは
有しないシードラテックスなども必要に応じて重合時に
任意に選択して用いることができる。
【0020】本発明の製造方法によって得られる共重合
体ラテックスをオフセット印刷、あるいはグラビア印刷
に供される印刷用塗工紙あるいは、その他塗工用塗料の
バインダーとして用いる場合には、通常行われている方
法、例えば分散剤を溶解させた水中に、カオリン、炭酸
カルシウム、サチンホワイト、タルク、酸化チタンなど
の無機顔料・有機顔料、水溶性高分子、各種添加剤と共
に本発明によって得られた共重合体ラテックスを添加し
て混合し、均一な分散液として用いる方法を採用するこ
とができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に、実施例を挙げて本発明を
より具体的に説明する。なお、各特性値は次のようにし
て求めた。 (イ)エチレン系不飽和カルボン酸の重合転化率 まず、反応液を約1g採取して精秤し、130℃にて約
1時間乾燥した後、残分を秤量して下記(1)式より固
形分を求める。
【0022】 固形分(%)=乾燥後重量/乾燥前重量×100 (1) 次に、反応液約1gを採取し、水(pH12に調整した
もの)約100gで希釈し、これに10重量%の硫酸ア
ルミニウム水溶液を約0.5g加え攪拌し、ラテックス
の粒子を沈殿させる。上澄み液を0.2μの孔径の濾紙
で濾過した後、濾過した上澄み液中のエチレン系不飽和
カルボン酸濃度(ppm)を高速液体クロマトグラフィ
ー(カラム:島津製作所シムパックSCR101H、溶
離液:0.1重量%リン酸水溶液)により測定した。
【0023】式(2)により反応液希釈倍率を計算し、
次いで式(3)より重合転化率を求めた。 反応液希釈倍率={反応液重量×(1−固形分÷100)+水重量 +硫酸アルミニウム重量×0.9}÷反応液重量 (2) 重合転化率(%)=100−(単量体濃度×反応液希釈倍率÷10000) ÷(カルボン酸添加重量÷添加総重量) (3) なお、添加総重量とは、反応液採取時間までに反応器に
添加された物質の合計重量を言い、単量体混合物などの
他、水も含む。 (ロ)単量体混合物の重合転化率 下記(4)式より求めた。
【0024】 重合転化率(%)=(固形分×添加総重量−添加不揮発分重量×100) ÷添加揮発成分重量 (4) なお、添加不揮発分重量とは、反応液採取時間までに反
応器に添加された開始剤、乳化剤、イタコン酸などの不
揮発性物質の合計重量を言う。また、添加揮発分重量と
は、反応液採取時間までに反応器に添加された単量体混
合物の合計重量を言う。 (ハ)ラテックス微細凝固物発生量 ラテックス1000mlを325メッシュの濾布で濾過
し、濾布上に残った残さ物を乾燥し、その重量を測定す
ることにより求めた。
【0025】 微細凝固物量0.2g以下 :○ 微細凝固物量0.2〜1.0g:△ 微細凝固物量1.0g以上 :× (ニ)塗工液の機械的安定性 塗工液の機械的安定性をマロン式試験機により測定し
た。
【0026】試験方法は塗料100gを荷重30kg
w、時間20分の条件でマロン式試験機にかけ、発生し
た凝集物を#325メッシュの金網にて採取し、凝集物
の乾燥重量の試料固形分量に対する重量百分率(残さ発
生率)で求めた。 残さ発生率0.05%未満 :○ 残さ発生率0.05〜0.2%未満:△ 残さ発生率0.2%以上 :× (ホ)塗工液の高速流動性(ハイシェアー粘度) ハーキュレス型粘度計を用いて、Fボブ、4400rp
mの条件で23℃の塗工液の粘度を測定した。数値の低
いものほど高速流動性に優れることを示す。 (ヘ)ドライピック強度 RI印刷試験機(明製作所製)を用いて、印刷インク
(T&K TOKA社製、商品名:SDスーパーデラッ
クス50紅B、タック18のもの)0.4ccを21c
m×25cmの面積で重ね刷りし、ゴムロールに現れた
ピッキング状態を別の台紙に裏取りし、その状態を観察
した。評価は10点評価法とし、ピッキング現象の少な
いものほど高得点とした。 (ト)ウェットピック強度 RI印刷試験機(明製作所製)を用いて、ダンプニング
スリーブロールで塗工紙表面に給水し、その直後に印刷
インク(T&K TOKA社製、商品名:SDスーパー
デラックス50紅B、タック13のもの)0.4ccを
21cm×25cmの面積で1回刷りし、ゴムロールに
現れたピッキング状態を別の台紙に裏取りし、その状態
を観察した。評価は10点評価法とし、ピッキング現象
の少ないものほど高得点とした。 (チ)ラテックス粒子径 光散乱法粒度分析計(シーエヌウッド社製、モデル60
00)により、平均粒子径を測定した。
【0027】
【実施例1】 共重合体ラテックスAの製造。 窒素置換してある撹拌機を備えた温度調整可能な加工反
応器に、第一段目として表1に記載する量のイオン交換
水、乳化剤、単量体混合物を仕込み、表1に記載する量
の開始剤を添加した後70℃で1時間反応させた。次い
で、第二段階として、70℃で表1に記載の単量体混合
物、および水溶液をそれぞれ5時間、および6時間にわ
たり連続的に添加して重合を行った。第二段目の重合開
始時のエチレン系不飽和単量体の重合転化率、および第
二段目の単量体添加終了時のエチレン系不飽和単量体の
重合転化率および全単量体混合物の重合転化率を表1に
示した。さらに2時間反応させた後冷却した。次いで生
成したラテックスの微量の未反応単量体を水蒸気蒸留で
除去し、カセイソーダを加えてpH8に調整し共重合体
ラテックスを50%固形分で得た。得られたラテックス
の粒子径は120nmであった。
【0028】得られた共重合体ラテックスAを用いて表
3に示す配合処方で紙塗工液組成物を調整した。この塗
工液を用いて既述した方法で塗工液の機械的安定性とハ
イシェア粘度を測定した。さらに、この塗工液を用いて
表4に示す調整条件で塗工紙を作成し、その評価を既述
した方法で行った。これらの結果および、ラテックスの
微細凝固物の発生量を表5に示す。
【0029】表5から、本発明による方法で得られる共
重合体ラテックスは微細凝固物の発生が少なく、機械的
安定性や高速塗工性に優れ、さらにドライピック強度や
ウェットピック強度に優れることが分かる。
【0030】
【実施例2】第一段目および第二段目における仕込み組
成を表1に記載するように変更し、また重合温度を75
℃に変更した他は、実施例1と同様の方法で共重合体ラ
テックスBを得た。このラテックスBを用い、実施例1
と同様に塗工液および塗工紙を作成し、性能評価を行っ
た。それらの結果および、ラテックスの微細凝固物の発
生量を表5に示す。
【0031】
【実施例3】第一段目および第二段目における仕込み組
成を表1に記載するように変更し、重合温度を75℃に
変更した以外は、実施例1と同様の方法で共重合体ラテ
ックスCを得た。このラテックスCを用い、実施例1と
同様に塗工液および塗工紙を作成し、性能評価を行っ
た。それらの結果および、ラテックスの微細凝固物の発
生量を表5に示す。
【0032】塗工液の機械的安定性および塗工紙のウェ
トピック強度が優れていることがわかる。
【0033】
【実施例4】第一段目および第二段目における仕込み組
成を表1に記載するように変更し、重合温度を80℃に
変更した以外は実施例1と同様の方法で共重合体ラテッ
クスDを得た。このラテックスDを用い、実施例1と同
様に塗工液および塗工紙を作成し、性能評価を行った。
それらの結果および、ラテックスの微細凝固物の発生量
を表5に示す。
【0034】
【比較例1】表2に記載するように、1段目、2段目に
おける仕込み組成を変更することにより、一段目におけ
るカルボン酸の重合転化率が本発明の範囲を下回る(4
%)条件で重合を行った他は実施例1と同様に重合を行
い、共重合体ラテックスEを得た。
【0035】このラテックスEを用い、実施例1と同様
に塗工液および塗工紙を作成し、性能評価を行った。そ
れらの結果および、ラテックスの微細凝固物の発生量を
表5に示す。
【0036】
【比較例2】表2に記載するように、1段目、2段目に
おけるペルオキソ二硫酸ナトリウムの量を変化せしめた
以外は、実施例2と同様に重合を行い、一段目終了時に
おけるカルボン酸の重合転化率が本発明の範囲を上回る
(61%)条件で共重合体ラテックスFを得た。
【0037】このラテックスFを用い、実施例1と同様
に塗工液および塗工紙を作成し、性能評価を行った。そ
れらの結果および、ラテックスの微細凝固物の発生量を
表5に示す。
【0038】
【比較例3】表2に記載するように、重合温度、重合開
始剤量、連鎖移動剤量を変化せしめた以外は、実施例4
と同様に重合を行い、共重合体ラテックスGを得た。こ
の重合条件では1段目におけるカルボン酸の重合転化率
が本発明の範囲を上回る(60%)。
【0039】このラテックスGを用い、実施例1と同様
に塗工液および塗工紙を作成し、性能評価を行った。そ
れらの結果および、ラテックスの微細凝固物の発生量を
表5に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】
【表5】
【0045】
【発明の効果】ラテックスの重合安定性に優れ(微細凝
固物の発生量が少ない)、高速・高固形分塗工に関わる
塗工液の機械的安定性、高速流動性に優れ(ハイシェア
粘度が低い)、また高速印刷特性に関わるドライピック
強度、ウェットピック強度に優れる共重合体ラテックス
を得ることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)共役ジエン系単量体10〜70重
    量部、(b)エチレン系不飽和カルボン酸0.5〜10
    重量部、及び(c)これらと共重合可能な他の単量体の
    混合物20〜89.5重量部(ただし、(a)+(b)
    +(c)=100重量部)を少なくとも二段階で重合し
    て共重合体ラテックスを製造するにあたり、第一段目と
    して、該エチレン系不飽和カルボン酸の一部又は全部を
    含む全単量体混合物の5〜40重量%を添加して乳化重
    合し、該エチレン系不飽和カルボン酸の重合転化率が5
    〜50%に達したとき、第二段目の重合を開始する共重
    合体ラテックスの製造方法。
  2. 【請求項2】 全単量体混合物の添加が終了した時点に
    おけるエチレン系不飽和カルボン酸の重合転化率をX
    %、全単量体混合物の重合転化率をY%とした時、これ
    らが(Y−30)≦X≦(Y+30)を満たす請求項1
    記載の共重合体ラテックスの製造方法。
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