JPH11106425A - スチレン類重合体の精製方法 - Google Patents

スチレン類重合体の精製方法

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JPH11106425A
JPH11106425A JP9272896A JP27289697A JPH11106425A JP H11106425 A JPH11106425 A JP H11106425A JP 9272896 A JP9272896 A JP 9272896A JP 27289697 A JP27289697 A JP 27289697A JP H11106425 A JPH11106425 A JP H11106425A
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compound
polymer
acid
styrenic polymer
transition metal
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JP9272896A
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English (en)
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Nobuo Kawahara
信夫 川原
Kiyomi Morita
清美 森田
Tadahiro Sunaga
忠弘 須永
Tadashi Asanuma
浅沼  正
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】スチレン類重合体から、触媒残渣を効率良く除
去する方法を提供する。 【解決手段】ハロゲン化マグネシウム、芳香族ジエステ
ル及びチタン化合物からなる遷移金属触媒成分と有機ア
ルミニウム化合物およびアルコキシシラン化合物からな
る触媒系を用いてスチレン類を重合して得たスチレン類
重合体を、芳香族炭化水素化合物中に溶解させた状態
で、酸を含んだ下記一般式〔1〕 【化1】R−OH 〔1〕(式中R
は炭素数4〜10の直鎖アルキル基、分岐アルキル基)
で表されるアルコールで処理した後、水で洗浄すること
によりスチレン類重合体を精製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はスチレン類重合体の
精製方法に関する。詳しくは、特定の触媒を用いてスチ
レン類を重合して得たスチレン類重合体の精製方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】立体規則性を有するスチレン類の重合体
は高い融点を持ち、例えば沸騰メチルエチルケトン抽出
による不溶分割合が93.2%のアイソタクチックポリ
スチレンは223.1℃(特開平2−158608)で
熱物性に優れている。従来から、遷移金属化合物と有機
金属化合物からなる触媒を用いてスチレン類を重合して
立体規則性を有するスチレン類の重合体を製造できるこ
とは知られているが(例えばマクロモレキュラーシンセ
シス(Macromolecular Synthesis)、、1(196
3))、非常に低活性である。アイソタクチックポリス
チレンの製造方法として、三塩化チタンとトリエチルア
ルミニウムからなる触媒成分に第三成分としてエーテル
類を添加した触媒系でスチレンを重合し、融点が223
℃の重合体が得られている(特開平3−66709)。
また、ハロゲン化マグネシウムにハロゲン化チタンを担
持し、芳香族カルボン酸モノエステルを電子供与体とし
て用いた触媒成分と有機アルミニウム化合物からなる触
媒系(例えば、特開昭62−174212、特開昭62
−277410、特開昭63−75011)では融点が
224℃のスチレン重合体が得られている。
【0003】こうして得られたスチレン重合体には触媒
残渣が含まれており、これを除去する重合体の精製法は
知られているが(例えば特開昭63−75012)、充
分な精製が行われてはおらず、重合体の用途が限定され
てしまう問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来法で得られたスチ
レン類重合体は、重合後、触媒残渣を効率よく除去する
ことが是非とも必要となり、このための除去方法の開発
が望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決する方法について鋭意検討し、本発明を完成し
た。
【0006】即ち、本発明は、ハロゲン化マグネシウ
ム、芳香族ジエステル及びチタン化合物からなる遷移金
属触媒成分と有機アルミニウム化合物およびアルコキシ
シラン化合物からなる触媒系を用いてスチレン類を重合
して得たスチレン類重合体を、芳香族炭化水素化合物中
に溶解させた状態で、酸を含んだ下記一般式〔1〕
【0007】
【化2】R−OH 〔1〕(式中R
は炭素数4〜10の直鎖アルキル基、分岐アルキル基)
で表されるアルコールで処理した後、水で洗浄すること
を特徴とするスチレン類重合体の精製方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明において、遷移金属触媒成
分を製造するのに用いるハロゲン化マグネシウムとして
は塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、あるいはそれ
らとエーテル、モノエステルとの錯体、あるいは塩化マ
グネシウムと臭化マグネシウムの共晶体などが利用でき
る。
【0009】芳香族ジエステルとしては、フタル酸、ナ
フタレンジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸およ
びその誘導体と炭素数1〜12の脂肪族アルコール、核
置換されることもあるフェノールまたは炭素数7〜12
の芳香族アルコールとのエステルが好ましく利用でき、
フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジプロ
ピル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル
酸ジデシル、フタル酸ジフェニル、フタル酸ジベンジ
ル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、2−メチルフタ
ル酸ジメチル、2−メチルフタル酸ジエチル、2−メチ
ルフタル酸ジプロピル、2−メチルフタル酸ジブチル、
3−メチルフタル酸ジメチル、3−メチルフタル酸ジエ
チル、3−メチルフタル酸ジプロピル、3−メチルフタ
ル酸ジブチル、ナフタレンジカルボン酸ジメチル、ナフ
タレンジカルボン酸ジエチル、ナフタレンジカルボン酸
ジプロピル、ナフタレンジカルボン酸ジブチル、アント
ラセンジカルボン酸ジメチル、アントラセンジカルボン
酸ジエチル、アントラセンジカルボン酸ジプロピル、ま
たはアントラセンジカルボン酸ジブチルなどの他に、2
つのエステル結合を形成するアルコールが異なるフタル
酸ブチルベンジル、またはフタル酸エチルヘキシルなど
のジエステルが例示できる。
【0010】本発明において好適に利用されるチタン化
合物としては、四価のチタンもしくは三価のチタンのハ
ロゲン化物が挙げられ、ハロゲンとしては、フッ素、塩
素、臭素、ヨウ素が例示でき、好ましくは塩素が挙げら
れる。特に好ましくは四塩化チタンが例示できる。また
一部のハロゲンがアルコキシ基にかわったものも利用で
きる。
【0011】本発明において、ハロゲン化マグネシウム
と芳香族ジエステルとチタン化合物からなる遷移金属触
媒成分を製造する方法については特に制限はなく、全て
の成分を共粉砕し、必要に応じ炭化水素化合物またはハ
ロゲン化炭化水素化合物中で加熱処理する方法、または
ハロゲン化マグネシウムを不活性溶媒中でアルコールな
どの電子供与性化合物の存在下で溶解させ、芳香族ジエ
ステルの存在下あるいは不存在下にチタン化合物と接触
させて析出させることで得られる担体に、更に芳香族ジ
エステルで処理した後にチタン化合物を担持するか、も
しくは芳香族ジエステルと同時にチタン化合物を担持す
る方法等で製造することができる。ここで用いるチタン
化合物は予め芳香族ジエステルと錯体を形成させて利用
することもできる。
【0012】芳香族ジエステルとチタン化合物の使用割
合は0.1:1〜1:0.1(モル比)が好ましく、特
に好ましくは0.3:1〜1:0.3(モル比)であ
る。この範囲外では、その触媒を用いて重合したとき、
活性及び得られる重合体の立体規則性が極めて低下す
る。またハロゲン化マグネシウムに対するチタン化合物
の割合としては1:0.001〜1:1(重量比)程度
が好ましい。
【0013】共粉砕は通常の振動ミル、あるいはボール
ミルで行われ、粉砕時間としては数時間〜数百時間、粉
砕温度としては−70〜100℃が好ましい。特に好ま
しい粉砕時間は数時間〜数十時間、粉砕温度は−10〜
50℃である。
【0014】こうして共粉砕したものはさらに必要に応
じ炭素数1〜12の炭化水素化合物あるいはその水素の
1〜全部が塩素、臭素、沃素で置換した化合物中で、好
ましくは50℃〜150℃で加熱処理される。特に好ま
しい温度は70〜130℃である。共粉砕物に対する炭
化水素化合物の使用割合としては1/1〜1/100
(wt/vol比)で行うのが一般的である。
【0015】担体の析出法は特に制限はないが、所定の
溶媒でハロゲン化マグネシウムを溶解させた後、所定の
温度で析出させる溶解−析出法(例えばファインケミカ
ル、第23巻、第1号、32頁(1994))が好まし
く利用でき、より好ましくは、0℃以下の温度でハロゲ
ン化マグネシウム溶解液とチタン化合物とを接触させた
後、100℃以上まで、徐々に温度を上昇させることに
よって担体の析出を行う方法が用いられる。
【0016】本発明において好適に利用されるアルコキ
シシラン化合物としては下記一般式〔2〕
【0017】
【化3】Rn Si(OR’)4-n 〔2〕(式中
Rは炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜20のシ
クロアルキル基、ノルボルニル基、炭素数6〜20のア
リール基から選ばれる。R’は炭素数1〜12のアルキ
ル基、nは1〜3の整数)で表されるものである。
【0018】本発明においてRとしてはメチル基、エチ
ル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチ
ル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチ
ル基、ヘキシル基、シクロブチル基、シクロペンチル
基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、フェニル基な
どが挙げられる。またR’としては、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル
基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル
基、ヘキシル基などが挙げられる。
【0019】さらに具体的なアルコキシシラン化合物と
して例えば、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、
シクロヘキシルエチルジメトキシシラン、シクロヘキシ
ル−iso−プロピルジメトキシシラン、シクロヘキシ
ル−tert−ブチルジメトキシシラン、シクロヘキシ
ルペンチルジメトキシシラン、シクロヘキシルヘキシル
ジメトキシシラン、シクロブチルメチルジメトキシシラ
ン、シクロブチルエチルジメトキシシラン、シクロブチ
ル−iso−プロピルジメトキシシラン、シクロブチル
−tert−ブチルジメトキシシラン、シクロブチルペ
ンチルジメトキシシラン、シクロブチルヘキシルジメト
キシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニ
ルエチルジメトキシシラン、フェニル−iso−プロピ
ルジメトキシシラン、フェニル−tert−ブチルジメ
トキシシラン、フェニルペンチルジメトキシシラン、フ
ェニルヘキシルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキ
シシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、ジメチ
ルジメトキシシラン、メチルエチルジメトキシシラン、
エチル−tert−ブチルジメトキシシラン、ジプロピ
ルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジエトキシ
シラン、シクロヘキシルエチルジエトキシシラン、シク
ロヘキシル−iso−プロピルジエトキシシラン、シク
ロヘキシル−tert−ブチルジエトキシシラン、シク
ロヘキシルペンチルジエトキシシラン、シクロヘキシル
ヘキシルジエトキシシラン、シクロヘキシルメチルジ−
tert−ブトキシシラン、シクロヘキシルエチルジ−
tert−ブトキシシラン、シクロヘキシル−iso−
プロピルジ−tert−ブトキシシラン、シクロヘキシ
ル−tert−ブチルジ−tert−ブトキシシラン、
シクロヘキシルペンチルジ−tert−ブトキシシラ
ン、シクロヘキシルヘキシルジ−tert−ブトキシシ
ラン、シクロヘキシルメチルメトキシエトキシシラン、
シクロヘキシルエチルメトキシエトキシシラン、シクロ
ヘキシル−iso−プロピルメトキシエトキシシラン、
シクロヘキシル−tert−ブチルメトキシエトキシシ
ラン、シクロヘキシルペンチルメトキシエトキシシラ
ン、シクロヘキシルヘキシルメトキシエトキシシラン、
シクロヘキシルトリメトキシシラン、フェニルトリエト
キシシラン、プロピルトリエトキシシラン、またはn−
デシルエチルジブトキシシラン等が例示できる。
【0020】本発明において用いられる有機アルミニウ
ム化合物としては、好ましくはトリメチルアルミニウ
ム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウ
ム、トリブチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミ
ニウム、またはその1〜2個の炭化水素残基が塩素また
は臭素で置換されたジエチルアルミニウムクロライド、
エチルアルミニウムジクロライド等のアルキルアルミニ
ウムハライド、またはこれらの混合物が例示される。特
に好ましくは、トリイソブチルアルミニウム、トリエチ
ルアルミニウム、トリメチルアルミニウム、ジエチルア
ルミニウムクロライド等が挙げられる。
【0021】遷移金属触媒成分中のチタンに対する有機
アルミニウムの使用割合としては、好ましくは1:1〜
1:10000(モル比)、特に好ましくは1:1〜
1:1000(モル比)である。また遷移金属触媒成分
中のチタンに対する上記アルコキシシランの使用割合と
しては、好ましくは1:1〜1:10000(モル
比)、特に好ましくは1:1〜1:1000(モル比)
である。
【0022】本発明において使用されるスチレン類とし
ては、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチ
レン、2,4−ジメチルスチレン、o−エチルスチレ
ン、p−エチルスチレン、2,4−ジエチルスチレン、
o−クロロスチレン、p−クロロスチレン、α−メチル
スチレン、2−ビニルナフタレン、またはα−メチル−
2−ビニルナフタレンなどが挙げられる。これらスチレ
ン類は単独重合だけでなく、2種類以上のスチレン類の
共重合に用いても良い。
【0023】本発明による重合方法はスチレン類と、α
−オレフィンまたはジエン化合物とのランダムあるいは
ブロック共重合に用いても良く、その際使用されるα−
オレフィンとしては、例えばエチレン、プロピレン、ブ
テン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチル−
1−ペンテン等が、またジエン化合物としては1,3−
ブタジエン、1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,
4−ヘキサジエン、エチリデンノルボルネン、ジシクロ
ペンタジエン等が挙げられる。
【0024】本発明においてスチレン類の重合方法とし
ては特に制限は無く、ポリマーが溶媒中に溶解している
溶液重合、或いはポリマーが溶媒中に縣濁しているスラ
リー重合など公知の種々の方法が採用できる。この重合
の際使用される重合溶媒としては、例えばブタン、ペン
タン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカ
ン、シクロペンタン、シクロヘキサン等の飽和炭化水素
化合物や、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭
化水素化合物が挙げられる。
【0025】重合に際して使用するハロゲン化マグネシ
ウムにチタン化合物を担持した遷移金属触媒成分の使用
量については、特に制限は無いが、重合系全体に対し
て、遷移金属触媒成分が、0.001〜10ミリモル/
リットル、通常は0.01〜1ミリモル/リットル程度
が適当である。
【0026】重合温度は、通常−20〜150℃、好ま
しくは常温〜100℃であり、重合時間は重合温度、触
媒量等により異なるが、通常数分〜24時間、好ましく
は10分〜10時間である。上記重合反応中、水素等の
分子量調節剤の存在下で重合することも可能である。
【0027】本発明において重要なのは、上記方法で得
たスチレン類重合体を、芳香族炭化水素化合物中に溶解
させ、酸を含んだ前記一般式〔1〕で表されるアルコー
ルで処理した後、水で洗浄することにある。
【0028】本発明において、スチレン類重合体を溶解
する芳香族炭化水素化合物としてはトルエン、o−キシ
レン、m−キシレン、p−キシレン、1,2,3−トリ
メチルベンゼン、1,2,4−トリメチルベンゼン、メ
シチレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、トリエ
チルベンゼン等が挙げられ、好ましくはトルエンが用い
られる。本発明で用いる酸は例えば塩酸、硫酸、硝酸、
酢酸等が挙げられ、好ましくは塩酸が用いられる。本発
明で用いる前記一般式〔1〕で表されるアルコールは例
えばn−ブタノール、iso−ブタノール、tert−
ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノー
ル、オクタノール等が挙げられ、好ましくはn−ブタノ
ールが用いられる。
【0029】本発明において、酸を含んだ前記一般式
〔1〕で表されるアルコールで、スチレン類重合体を芳
香族炭化水素化合物中に溶解した溶液を処理する際、単
位重合体当たりの芳香族炭化水素化合物の使用量として
は、芳香族炭化水素化合物中の重合体濃度として、通常
0.001g/リットル〜1000g/リットル、好ま
しくは0.01g/リットル〜500g/リットルの範
囲である。アルコール中の酸濃度としては、通常0.0
001モル/リットル〜500モル/リットル、好まし
くは0.001モル/リットル〜50モル/リットルの
範囲である。アルコールは単独で用いるだけでなく、2
種類以上のアルコール混合体で用いても良く、また、ア
ルコールに対して100体積%未満の水を含んでいても
良い。スチレン類重合体の溶解した溶液に対する酸を含
んだアルコールの使用割合としては、通常1:0.00
1〜1:1000体積比、好ましくは1:0.01〜
1:100体積比の範囲が適当である。処理温度として
は、通常0℃〜500℃、好ましくは40〜300℃の
範囲が適当であるが、酸を含んだアルコールでスチレン
類重合体の溶解した溶液を処理する際に、重合体の析出
が無いことが好ましい。処理時間は、通常1分〜100
時間であり、好ましくは数分〜10時間である。
【0030】本発明において、スチレン類重合体を溶解
した溶液を水で洗浄する際、水の使用量、及び洗浄温度
について特に制限は無いが、重合体を溶解した溶液に対
する水の使用量として、1:0.01〜1:1000体
積比の範囲が、洗浄温度としては、0℃〜200℃の範
囲が適当であるが、スチレン類重合体を溶解した溶液を
水で洗浄する際に、スチレン類重合体の析出が無いこと
が好ましい。
【0031】酸を含んだアルコールで処理され、次いで
水で洗浄された溶液中のスチレン類重合体は、大量の
水、メタノール等の貧溶媒中で析出し、回収することが
できる。上記処理洗浄は、酸化防止剤存在下で行うこと
も可能である。
【0032】
【実施例】以下に実施例を掲げ本発明についてさらに説
明する。
【0033】得られた重合体中の灰分の値は、重合体を
電気炉内において850℃で処理し、重量減少が見られ
なくなった後の残留分の重量から求め、重量割合として
表した。
【0034】実施例1(遷移金属触媒成分の調製)直径
12mmの鋼球9kgの入った内容積4リットルの粉砕
用ポットを4個装備した振動ミルを用意し、各ポットに
窒素雰囲気中で塩化マグネシウム300g、フタル酸ジ
イソブチル75ml、四塩化チタン75mlを加え40
時間粉砕した。
【0035】上記共粉砕物10gを200mlのフラス
コに入れトルエン60mlを加え114℃で120分間
撹拌処理し、次いで静置して上澄液を除去した。次いで
n−ヘプタン100mlで20℃で3回、固形分を洗浄
しさらに100mlのn−ヘプタンに分散して遷移金属
触媒成分スラリーとした。得られた遷移金属触媒成分は
チタンを1.9wt%含有し、フタル酸ジイソブチルを
14.2wt%含有していた。
【0036】(スチレンの重合)3リットルの窒素置換
した撹拌装置を備えたオートクレーブ内に、上記により
得られた遷移金属触媒成分1.0gとトリイソブチルア
ルミニウム8.3g、シクロヘキシルメチルジメトキシ
シラン0.76gおよびヘプタン500mlを入れ、室
温で10分撹拌した。スチレン200mlを添加し、水
素1.0kgf/cm2 ゲージ圧をオートクレーブ内に
加えた後、激しく撹拌しながら70℃に昇温した。2時
間後、メタノール200mlとアセト酢酸メチル10m
lを加えて触媒を失活し、ポリマーを水洗した後濾取乾
燥した。得られたポリマーは94.0gであり、融点は
224℃であった。このポリマー中の灰分は2960p
pmであった。沸騰メチルエチルケトン抽出によるポリ
マーの不溶分割合は94.8%であった。
【0037】(スチレン重合体の精製)3リットルの撹
拌装置を備えたフラスコ内に、上記重合において得られ
た重合体90gとトルエン1リットルを導入し、撹拌し
ながら加熱還流を30分間行い均一溶液とした。0.5
モル/リットルの塩酸/n−ブタノール溶液500ml
(含水量、16ml)をフラスコ内に添加し、撹拌しな
がら1時間加熱還流を行った。85℃に加温した水80
0mlを加え、フラスコ内温度が80℃ないし85℃を
保ちながら30分間撹拌を行った後、水層を分離して水
洗を行った。この水洗を4回繰り返した後、メタノール
1500mlをフラスコ内に滴下して重合体を析出させ
て濾取回収した後、乾燥した。得られたポリマー中の灰
分は、15ppmであった。
【0038】比較例11リットルの撹拌装置を備えたフ
ラスコ内に、実施例1の(スチレンの重合)において得
られた重合体21.5gとキシレン300mlを導入
し、撹拌しながら加熱還流を30分間行い均一溶液とし
た。pH=1の塩酸水溶液150mlをフラスコ内に添
加し、撹拌しながら1時間加熱還流を行った後、水層を
除去して酸処理を行った。この酸処理を2回行った後、
85℃に加温した水200mlを加え、フラスコ内温度
が80℃ないし85℃を保ちながら30分間撹拌を行っ
た。水層を除去して水洗を行い、この水洗を3回繰り返
した後、メタノール500mlをフラスコ内に滴下して
重合体を析出させて濾取回収した後、乾燥した。得られ
たポリマー中の灰分は、225ppmであった。
【0039】
【発明の効果】本発明の方法を実施することで、スチレ
ン類の重合体を効率良く精製することができ、工業的に
価値がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の理解を助けるためのフローチャート図
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浅沼 正 大阪府高石市高砂1丁目6番地 三井化学 株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハロゲン化マグネシウム、芳香族ジエステ
    ル及びチタン化合物からなる遷移金属触媒成分と有機ア
    ルミニウム化合物およびアルコキシシラン化合物からな
    る触媒系を用いてスチレン類を重合して得たスチレン類
    重合体を、芳香族炭化水素化合物中に溶解させた状態
    で、酸を含んだ下記一般式〔1〕 【化1】R−OH 〔1〕(式中R
    は炭素数4〜10の直鎖アルキル基、分岐アルキル基)
    で表されるアルコールで処理した後、水で洗浄すること
    を特徴とするスチレン類重合体の精製方法。
JP9272896A 1997-10-06 1997-10-06 スチレン類重合体の精製方法 Pending JPH11106425A (ja)

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