JPH11106395A - 新規な糖脂質、その製造方法及びその用途 - Google Patents

新規な糖脂質、その製造方法及びその用途

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JPH11106395A
JPH11106395A JP10008829A JP882998A JPH11106395A JP H11106395 A JPH11106395 A JP H11106395A JP 10008829 A JP10008829 A JP 10008829A JP 882998 A JP882998 A JP 882998A JP H11106395 A JPH11106395 A JP H11106395A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特にβ型のDNA合成酵素に対する高い阻害
作用を有し、かつ非拮抗型の作用機序を有する新規生理
活性物質及びその製造方法を提供すること。 【解決手段】 次の式(I) 【化1】 により表される糖脂質。上記式(I)により表される糖
脂質は、紅藻スギノリ属ギガルティナ・テネラから抽出
することができる。上記式(I)で表される糖脂質は、
DNA合成酵素β阻害剤、HIV由来逆転写酵素阻害
剤、免疫抑制剤及び特に他の制癌剤と併用した場合に制
癌剤として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な糖脂質、そ
の製造方法並びに高等動物DNA合成酵素及びHIV(h
uman immunodeficiency virus)由来逆転写酵素に対する
阻害剤、免疫抑制剤及び制癌剤としてのその用途に関す
る。
【0002】
【従来の技術】高等生物のDNA合成酵素群は、生体内
の細胞分裂、分化などに根源的に関与することから、生
物の恒常性維持に不可欠な要素である。DNA合成酵素
群のうちDNA合成酵素α、β、γ、δ及びεの5種類
については、ここ10年ほどで各々の酵素反応の特徴が
主にイン・ビトロでの証明から明らかになっている。
【0003】例えば、DNA合成酵素βは、DNA鎖の
組み換え(recombination) に深く関与する酵素であると
いわれている。ここで「組み換え」とは、1つの細胞内
にあるDNA同士の組み換えをいい、特定蛋白をコード
するDNAを、大腸菌などに組み込む遺伝子工学でいう
「組み換え」とは異なる。
【0004】DNA合成酵素βが関与するDNAの組み
換えは、主に次の2つの場面で必要であると考えられて
いる。1つは、DNA中に散在する傷の修復の際であ
り、他の1つは、細胞で新たな遺伝情報を発現する際で
ある。前者はDNAの組み換え修復と呼ばれ、後者は体
細胞型DNA組み換えと呼ばれる。
【0005】DNA合成酵素βが関与する上記2種類の
組み換えのうち体細胞型DNA組み換えは、未だどのよ
うな組織で、あるいは生体反応のいかなる場面で起こり
うるか完全には分かっていないが、少なくとも免疫担当
細胞では必ず起こっているということが明らかになって
いる。
【0006】例えば、広瀬らの「マウス組織中のDNA
合成酵素βの発現レベルにおける相違」(Experimental
Cell Research, 181(1989), 169-180)には、DNA合成
酵素βは、動物組織のうち精巣、胸腺、脾臓、大脳にお
いて、酵素量としても、mRNAの発現量でも突出して
多く存在することが報告されている(図2、3、4、表
1)。この広瀬らの文献には、胸腺、脾臓の組織におけ
るDNA合成酵素βが、体細胞型DNA組み換えを司り
得ると記載されている(第178頁、第31〜38
行)。
【0007】広瀬らによりDNA合成酵素βが多く存在
すると報告される上記4つの組織のうち胸腺及び脾臓
は、免疫担当細胞が多く存在する組織である。胸腺はT
リンパ球、脾臓はBリンパ球の存在組織とされている。
Bリンパ球及びTリンパ球は、侵入抗原に対し最も特異
的な抗体(Tリンパ球では細胞表面の抗原レセプター)
を産生すべく前駆細胞から分化する。このような、免疫
反応において限られた遺伝子情報から多様な(異なる無
数の)抗原に対し特異的に反応する抗体(又はTリンパ
球抗原レセプター)を生産する仕組みにDNA合成酵素
βが関与していると考えられている。
【0008】より詳細に説明すると、Bリンパ球では、
分化の途上で抗体蛋白をコードするDNAのV遺伝子と
J遺伝子との間で、上述したDNA合成酵素βが関与す
る体細胞型DNA組み換えが起こる。この組み換えをV
−J組み換えという。このような組み換えにより、限ら
れた遺伝情報から組み合わせを変えることにより多様な
抗体蛋白を生産し得る。これをDNA再構成という。
【0009】Tリンパ球の抗体レセプター蛋白も抗体と
同様、該当DNAの組み換え、再構成により、多様な、
言い換えれば個々の抗原の違いに対応できる特異的なレ
セプターを産生できる。
【0010】このように、DNA合成酵素βは、免疫反
応のDNA再構成において抗原特異的に反応する抗体あ
るいはレセプター分子を作り出す根源に関与するといえ
る。したがって、DNA合成酵素βを阻害すると、DN
A再構成を中心とした免疫反応が抑制されると推測され
る。
【0011】上述したように、免疫反応において限られ
た遺伝子情報から多様な抗原に対し特異的に反応する抗
体を生産する仕組みとしてV−J組み換えが存在する一
方で、多様性の獲得には、このほかにもう一つ別の分子
機構がある。すなわち、抗体遺伝子上に変異が起こるこ
とにより、組み換えと併せて更に多様性に幅ができると
いうものである。ここでいう「変異」は、例えば抗体蛋
白の一部分が全て欠落してしまうような大規模なもので
はなく、塩基配列の一部が置換されたり新たな配列が挿
入されてアミノ酸の構成が少しづつ違う抗体ができると
いうようなものである。したがって、変異といっても有
害なものではなく、むしろある程度までは発生した方が
免疫反応には都合が良いということになる。
【0012】この変異にもDNA合成酵素βが一定の役
割を果たしていると考えられている。例えば、トーマス
(Thomas)らによる「末端トランスフェラーゼにより仲介
されるDNAの転移」(Proceedings National Academy
of Science of the United States of America, vol. 8
3, pp.1867-1871, March 1986)には、TdT(terminal
deoxyribonucleotidyl transferase) とDNA合成酵素
βを共存させた実験系で変異の頻度を測定した結果が報
告されている。TdTは、上記5つのDNA合成酵素α
〜εとは異なる特殊なDNA合成酵素であり、トーマス
らによれば、変異の出現又はその頻度を上げるのに密接
に絡んでいるとされる酵素である。トーマスらの文献の
表2には、TdTの濃度に依存して変異頻度も上昇し、
最大の44%の変異頻度は、DNA合成酵素β単独の場
合よりも、TdT単独の場合よりも高いことが報告され
ている。さらに、トーマスらの文献には、TdTとDN
A合成酵素βとの両酵素が競合的に反応して変異を起こ
すと記載されている(1868頁、左欄)。
【0013】トーマスらの報告から、DNA合成酵素β
は、TdTが誘発する変異を、少なくとも補助的に増幅
させる役割を果たしていると解釈することができる。す
なわち、DNA合成酵素βは、変異による抗体の多様性
に一定の役割を果たしていることになる。このことから
も、DNA合成酵素βの阻害は免疫反応を抑制すること
につながると考えられる。
【0014】現在、DNA合成酵素βを選択的に阻害す
る化合物としては、ジデオキシTTPが知られている
(テルサ(Tersa) ら、Annual Review of Biochemistry
1991 60 513-552)。しかしながら、ジデオキシTTP
は、生体内では毒性が強く、際立つ生理活性は観察され
ていない。
【0015】一方、DNA合成酵素群の酵素のうちHI
V由来逆転写酵素は、周知のごとくHIV感染時の中心
的役割を担う酵素である。HIV由来逆転写酵素を阻害
することによりHIVに対して治療効果をもたらし得る
ことは、例えばアジドチミジンのような既に市販の臨床
薬によっても実証されている(日本医薬情報センター
編、株式会社薬事時報社発行、「1996年度版 医療
薬 日本医薬品集」、第599頁)。しかしながら、容
易に変異するHIVに対してはアジドチミジンなど現存
の薬剤のみでは対応が難しく、新たなHIV由来逆転写
酵素に対する阻害物質の開発が望まれている。
【0016】上記ジデオキシTTP、アジドチミジンを
含む多くのDNA合成酵素阻害物質は、その構造がDN
Aの類似体であり、DNA合成反応において拮抗型阻害
を示す。拮抗型の阻害剤は、その阻害率は良好である反
面、他の様々なDNA代謝酵素にも取り込まれてしまい
生体に対する副作用を示す一因となり得る欠点を有して
いる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、特
にβ型のDNA合成酵素に対する高い阻害作用を有し、
かつ非拮抗型の作用機序を有する新規生理活性物質及び
その製造方法を提供することを課題とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、特定の藻
類から抽出される糖脂質が、DNA合成酵素βに対する
高い阻害作用を有し、かつ非拮抗型の作用機序を有する
こと、さらには、この糖脂質がHIV由来逆転写酵素に
対する阻害作用、及び特に特定の制癌剤と併用すること
により癌細胞増殖抑制作用を有することを見い出し本発
明を完成するに至った。
【0019】また、上述したように、DNA合成酵素β
は、免疫反応の根源に関与する酵素である。したがっ
て、DNA合成酵素βの阻害活性を有する本発明の糖脂
質は、免疫抑制剤として作用すると考えられる。すなわ
ち、本発明は次の(1)〜(6)を提供する。 (1)次の式(I)
【0020】
【化7】 により表される糖脂質。
【0021】(2)紅藻スギノリ属ギガルティナ・テネ
ラから上記式(I)により表される糖脂質を製造する方
法において、前記紅藻スギノリ属ギガルティナ・テネラ
をアセトン、酢酸エチル、クロロホルム、メタノール又
はクロロホルム−メタノール混液からなる群から選ばれ
る有機溶媒又は有機溶媒混液の1つにより抽出する工程
と、前記有機溶媒抽出物を減圧濃縮する工程と、前記減
圧濃縮した抽出物を酸性条件下に酢酸エチル−水による
層分配に供し、水層を分離する工程と、前記分離した水
層をアルカリ性条件下に酢酸エチルとの層分配に供し、
酢酸エチル層を分離する工程と、前記分離した酢酸エチ
ル層を減圧濃縮し、得られた緑色の粗粉末を回収する工
程と、前記粗粉末を精製する工程と、前記精製工程で得
られた溶液を減圧濃縮し、得られた白色粉末を回収する
工程とを具備することを特徴とする方法。
【0022】(3)上記式(I)で表される糖脂質を有
効成分とする医薬。 (4)上記式(I)で表される糖脂質を有効成分とする
DNA合成酵素β阻害剤。
【0023】(5)上記式(I)で表される糖脂質を有
効成分とするHIV由来逆転写酵素阻害剤。 (6)上記式(I)で表される糖脂質を有効成分とする
免疫抑制剤。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の式(I)で表され
る糖脂質(以下KM043ともいう)について詳細に説
明する。本発明のKM043の製造方法の一例を挙げ
る。
【0025】すなわち、海藻類から有機溶媒により抽出
される物質を、酸性条件下に有機溶媒と水との液層分配
に供する。得られた水層をアルカリ性条件下に有機溶媒
との液層分配に供する。得られた有機層をさらに精製す
ることにより本発明のKM043を製造することができ
る。
【0026】海藻としては、例えば紅藻スギノリ属ギガ
ルティナ・テネラ(Gigartina tenella) を用いることが
できる。抽出溶媒としては、例えばアセトン、酢酸エチ
ル、クロロホルム、メタノール又はクロロホルム−メタ
ノール混液(2:1(体積比))を用いることができ
る。抽出溶媒としては、アセトンがKM043の収量の
観点から好ましい。
【0027】抽出溶媒は、KM043の抽出効率の観点
からできるだけ多く用いることが好ましい。抽出溶媒
は、通常、海藻乾燥重量の5倍以上を用い、海藻乾燥重
量の30倍の抽出溶媒を用いるとより抽出効率が上が
る。しかしながら、抽出溶媒の量は、抽出効率とコスト
等の観点から適宜設定することができる。
【0028】本発明のKM043の製造方法をより詳細
に説明する。ギガルティナ・テネラ藻体の乾燥物を粉砕
処理し、アセトンで抽出する。得られたアセトン層を減
圧濃縮後、好ましくはpH2〜5、さらに好ましくはpH2
の条件下に酢酸エチルと酢酸エチルに対して1〜3倍体
積の水とにより液層分配を行う。液層分配に用いる水の
量は、酢酸エチルに対して3倍体積が好ましい。得られ
た水層に対して1〜3倍体積、好ましくは3倍体積の酢
酸エチルを添加、混合し、好ましくはpH9〜11、さら
に好ましくはpH9の条件下に液層分配を行い、酢酸エチ
ル層を得る。これを減圧濃縮すると緑色の粗粉末が得ら
れる。
【0029】この粗粉末は、例えば次のような工程にさ
らに供することにより精製することができ、白色粉末状
の本発明の糖脂質の精製物が得られる。すなわち、得ら
れた粗粉末を、次の精製工程であるシリカゲルカラムク
ロマトグラフィーの展開溶媒として用いる有機溶媒に溶
解し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付す。展
開溶媒としては、例えば酢酸エチル、メタノールを用い
ることができる。酢酸エチル−メタノール−水(10
0:30〜15:5、好ましくは100:20:5(い
ずれも体積比))の混合溶媒で溶出する分画を集める。
これを減圧濃縮後、高速液体クロマトグラフィーに付
し、アセトニトリル80〜70%水溶液、好ましくは7
0%水溶液により溶出する分画を得る。これを減圧濃縮
後、さらに高速液体クロマトグラフィーに付し、アセト
ニトリル70〜60%、好ましくは65%水溶液により
溶出する分画を得る。この分画を減圧濃縮することによ
り、白色粉末状の本発明の糖脂質の精製物が得られる。
【0030】KM043は、上記の方法以外に、セファ
デックスLH−20(ファルマシア社製)等による分配
クロマトグラフィー、他の活性アルミナ樹脂、イオン交
換樹脂のような適当な既知の吸着剤に吸着させて溶離さ
せる方法、あるいは高速液体クロマトグラフィー法など
を組み合わせることにより精製することもできる。
【0031】本発明のKM043及びその薬学的に許容
し得る塩は、医薬として用いることができる。具体的に
は、本発明のKM043及びその薬学的に許容し得る塩
(以下、医薬の説明において、単に「本発明のKM04
3」ともいう)は、免疫抑制剤、HIVに対する抗ウイ
ルス剤、抗癌剤又は既存の抗癌剤と共に治療効果を促進
するための助剤として用いることができる。
【0032】KM043の薬学的に許容し得る塩の例と
しては、ナトリウム及びカリウムのような一価の陽イオ
ンの塩を挙げることができる。本発明のKM043を医
薬として用いる場合、KM043を単独で用いることも
できるが、薬学的製剤として用いることが好ましい。薬
学的製剤において、本発明のKM043は、薬学的に許
容され得る適切な担体または希釈剤等と組み合わせて製
剤することができる。また、本発明のKM043は、薬
学的製剤において、薬学的に許容され得る他の活性化合
物と共に用いることもできる。
【0033】本発明のKM043を含有する薬学的製剤
は、経口投与、非経口投与又は直腸内投与することがで
きる。薬学的製剤は、これらの各の投与経路に対して適
切な、それ自体は既知の通常用いられる方法により固
体、半固体、液体又は気体の剤形にすることができる。
具体的には、錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、シロッ
プ剤、エリキシル剤、懸濁剤・乳剤、坐剤、注射剤、吸
入剤及びエアロゾルなどの剤形とすることができる。し
かしながら、本発明のKM043を含有する薬学的製剤
の剤形はこれらに限定されるものではない。
【0034】本発明のKM043を経口投与する場合、
錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、シロップ剤、エリキ
シル剤、懸濁剤・乳剤等に製剤することができる。錠
剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤には、本発明のKM04
3を適切な担体と共に処方することにより製剤すること
ができる。好適な担体として用い得るものには、例えば
ラクトース、マンニトール、コーンスターチ又は馬鈴薯
デンプンのような通常用いられる担体;結晶セルロー
ス、セルロース誘導体、コーンスターチ又はゼラチンの
ようなバインダー;コーンスターチ、馬鈴薯デンプン又
はカルボキシメチルセルロースナトリウムのような錠剤
崩壊剤;タルク又はステアリン酸マグネシウムのような
潤滑剤等が含まれ、さらに、必要に応じて、希釈剤、緩
衝剤、浸潤剤、保存剤及びフレーバー剤等を添加するこ
とができる。
【0035】シロップ剤、エリキシル剤及び懸濁剤・乳
剤には、所定量のKM043と注射用滅菌水や規定生理
食塩水のような薬学的に許容され得る溶媒を用い単位剤
型に調製することができる。本明細書において、「単位
剤型」との用語は、投与対象のための単位となる容量と
して適する物理的に個別の単位を指し、各単位は薬学的
に許容され得る希釈剤、担体又は溶媒等と共に、必要な
薬効を与えるのに十分な量に計算されたKM043を所
定量含有するものをいう。
【0036】また、本発明のKM043は、液体又は微
細粉末の形態で吸入用製剤として処方することができ
る。吸入用製剤には、気体又は液体の噴霧剤と共に、必
要に応じて浸潤性付与剤のような従来用いられる助剤を
添加することができる。吸入用製剤としては、本発明の
KM043をエアロゾル容器に充填することもできる
し、ネブライザーのような非加圧容器に充填することも
できる。エアロゾル容器に充填する場合、本発明のKM
043は、ジクロロフルオロメタン、プロパン、窒素等
の薬学的に許容し得る加圧ガス中に添加したものとする
ことができる。
【0037】非経口投与する場合、本発明のKM043
は、植物性油、合成樹脂酸グリセリド、高級脂肪酸のエ
ステル又はプロピレングリコールのような水性又は非水
性の溶媒中に溶解、懸濁又は乳化し、さらに、必要に応
じて可溶化剤、浸透圧調節剤、乳化剤、安定剤及び保存
料のような従来の添加剤を添加することにより注射用製
剤として処方することができる。
【0038】直腸内投与する場合、本発明のKM043
を乳化基剤又は水溶性基剤のような種々の基剤と混合す
ることにより坐薬製剤として処方することができる。基
剤の一例を挙げると、体温で融解するが室温では固化し
ているカカオバター、カーボンワックス及びポリエチレ
ングリコールなどがある。
【0039】本発明のKM043の投与量は、その用途
すなわち、免疫抑制剤、HIVに対する抗ウイルス剤、
抗癌剤及び既存の抗癌剤と共に治療効果を促進するため
の助剤、並びに投与経路、対象とする疾病の程度や段階
等に応じて適宜設定することができる。一例を挙げる
と、KM043を経口剤として投与する場合には、好ま
しくは1〜80mg/kg体重/日に設定することがで
きる。KM043を注射剤として投与する場合には、1
〜30mg/kg体重/日に設定することができる。こ
れらの投与量は、医者等のような治療を行う者により、
治療対象者の病状等に対応させて適宜調節することがで
きる。
【0040】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明するが、本発明
は、これらに限定されるものではない。 (実施例1) 本発明の一般式(I)で表される糖脂質の抽出及び精製 海浜より採取したギガルティナ・テネラ藻体の乾燥物約
200グラムを粉砕処理し、2リットルのアセトンで1
週間抽出した。
【0041】抽出物を減圧濃縮後、酢酸エチル−水
(1:1(体積比))を用いてpH2条件下に液層分配を
行い、水層を得た。残りの酢酸エチル層にこれと同体積
の水を添加し、pH2条件下に液層分配を行い、水層を得
た。再度残りの酢酸エチル層にこれと同体積の水を添加
し、pH2条件下に液層分配を行い、水層を得た。得られ
た水層を集め、水層に対して同体積の酢酸エチルを添加
し、pH9の条件下に液層分配を行い、酢酸エチル層を得
た。残りの水層にこれと同体積の酢酸エチルを添加し、
pH9の条件下に液層分配を行い、酢酸エチル層を得た。
再度残りの水層にこれと同体積の酢酸エチルを添加し、
pH9の条件下液層分配を行い、酢酸エチル層を得た。得
られた酢酸エチル層を集め、これを減圧濃縮し、緑色の
粗粉末を得た。この緑色の粉末を酢酸エチルに再溶解
し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(4cm×40cm、
ワコーゲルC 200 和光純薬社製)に付し、酢酸エチ
ル−メタノール−水(100:20:5(体積比))の
混合溶媒で溶出する分画を集めた。これを減圧濃縮する
ことにより得られる黄色の粗粉末を、高速液体クロマト
グラフィー(C18カラム YMC D-ODS-5-ST 120A (株)ワ
イエムシイ社製) に付し、アセトニトリル70%水溶液
により溶出する分画を得た。これを減圧濃縮後、さらに
高速液体クロマトグラフィー(C8 カラム InertsilC8
ジーエルサイエンス(株)製)に付し、アセトニトリル
65%水溶液により溶出する分画を得た。この分画を減
圧濃縮し、本発明の式(I)により表される糖脂質(K
M043)を白色粉末として約2ミリグラム得た。
【0042】上記実施例1で得られたKM043は、結
晶化させることができず、融点を測定することができな
かった。 <測定例1>上記実施例1で得た白色粉末を高速原子衝
撃質量分析(FAB-MS)に供した。得られたスペクトルを図
1に示す。
【0043】図1のスペクトルより、FAB-MS m/z 839.2
(M-H) - が得られ、KM043の分子量(測定値)とし
て840を得た。(分子式:C457612Sからの計算
値:840)。
【0044】<測定例2>実施例1で得たKM043に
ついて、溶媒としてCD3 OD(重メタノール)、内部
標準にTMS(テトラメチルシラン)を用い、1 H−N
MRスペクトルを測定した。
【0045】得られたスペクトルを図2に示す。図2に
おいて、(a)〜(f)を付したシグナルは、それぞれ
次のものと思われる。
【0046】 (a)メチル基、 (b)メチレン鎖、 (c)=CH−C2 −CH2 −、(d)−C2 −CO−、 (e)=CH−C2 −CH=、 (f)−CH2C=C−CH2 − 上記シグナル(a)〜(f)は、KM043の構造にお
いて不飽和高級脂肪酸鎖の存在を示すものであり、式
(I)の構造と合致した。シグナル(d)は、KM04
3において脂肪酸と糖がグリセロール骨格を介して結合
する「グリセロ糖脂質」であることを示唆し、式(I)
の構造と合致する。
【0047】図2において、シグナル(g)及び(g'
)は、それぞれが糖のプロトンを示すものである。こ
のことから、実施例1で得られたKM043の糖部分が
単糖であり、その1位と2位以下のプロトンの組み合わ
せを示すものであり、式(I)の構造と合致する。
【0048】<測定例3>実施例1で得たKM043を
中性メタノールに溶解し、UVスペクトルを測定した。
【0049】得られたスペクトルを図3に示す。 <測定例4>実施例1で得たKM043を以下に示す薄
層クロマトグラフィーに付し、Rf値を求めた。
【0050】吸着剤:シリカゲルプレート(Kieselgel60
F254 メルク社製) 展開溶媒が酢酸エチル−メタノール−水(100:2
0:5)の場合のRf 値は0.20であった。
【0051】展開溶媒がイソプロパノール−メタノール
(5:1)の場合のRf 値は0.10であった。 <測定例5>実施例1で得たKM043について、化学
分解後、ガスクロマトグラフィーを行い、結合する脂肪
酸を調べた。
【0052】得られたガスクロマトグラフを図4に示
す。図4のガスクロマトグラフから、C16:0とC20:5
脂肪酸に対応するピークの面積が同じであることが分か
り、従って1:1の割合でそれぞれの脂肪酸がグリセロ
ール骨格に存在することを示すものである。
【0053】<測定例6>実施例1で得たKM043の
旋光度を測定し、[α]D=+57.02°(c=0.
11 MeOH)を得た。
【0054】<定性試験1>上記実施例1で得たKM0
43は、メタノール、ジメチルスルフォキシドに易溶で
あり、水、クロロホルムに難溶であった。
【0055】<定性試験2>上記実施例1で得たKM0
43は、硫酸オルシノール、ヨードに対して陽性であっ
た。この結果は、KM043に炭素化合物が含有される
ことを示すものであり、式(I)の構造と合致する。
【0056】<定性試験3>上記実施例1で得たKM0
43は、ニンヒドリンに対して陰性であった。この結果
は、KM043には蛋白、ペプチド、アミノ酸が含有さ
れていないことを示すものであり、式(I)の構造と合
致する。
【0057】<測定例7>上記実施例1で得られたKM
043のDNA合成酵素群に対する活性を次の方法で調
べた。
【0058】DNA合成酵素群としてDNA合成酵素
α、DNA合成酵素β及びHIV由来のDNA合成酵素
(逆転写酵素)を試験した。DNA合成酵素αは、牛胸
腺から常法により抽出精製した標品を、DNA合成酵素
βは、ラット由来の該当遺伝子を通常の遺伝子組み換え
法により大腸菌に組み込み、生産させた標品を、HIV
由来のDNA合成酵素(逆転写酵素)は、市販(Worthi
ngton Biochemical 社製)の標品を用いた。
【0059】これらのDNA合成酵素に対するKM04
3の阻害作用の測定には、一般的なDNA合成酵素反応
系(日本生化学会編、新生化学実験講座2、核酸IV、
東京化学同人、第63頁〜66頁)を用いた。すなわ
ち、放射性同位元素で標識した[3 H]−TTPを含む
系においてDNA合成酵素反応を行い、放射比活性を生
成物(合成DNA鎖)量の指標とするものである。
【0060】阻害率は、(a)コントロールでの合成D
NA量、(b)実施例1に示した方法で生成したKM0
43の存在下での合成DNA量について、 (a−b)/a×100=阻害率(%) として評価した。得られた結果を次の表1に示す。
【0061】
【表1】
【0062】表1の結果から、KM043は、DNA合
成酵素βに対して高い阻害作用を有することが分かる。
上記従来の技術の欄において説明したように、DNA合
成酵素βは、免疫反応のDNA再構成において抗原特異
的に反応する抗体あるいはレセプター分子を作り出す根
源に関与するとともに、変異による抗体の多様性に一定
の役割を果たしているともいわれている。これらのこと
から、DNA合成酵素βは、免疫反応に密接に関連し、
DNA合成酵素βを抑制することは、免疫反応の抑制に
つながると推測される。よって、DNA合成酵素β抑制
作用を有するKM043は、免疫抑制剤としての作用を
有することが期待される。
【0063】表1の結果から、KM043は、HIV由
来DNA合成酵素(逆転写酵素)に対しても高い阻害作
用を有することが分かる。 <測定例8>上記実施例1で得られたKM043のDN
A合成酵素阻害の作用機構をLineweaver-Burk プロット
により調べた。
【0064】DNA合成酵素βに関してKM043は、
活性化DNA及びdTTPに対し共に非拮抗的阻害を示
した。 <測定例9>上記実施例1で得られたKM043の癌細
胞増殖抑制効果を次の方法を用いて評価した。
【0065】i)細胞培養方法 本実験に用いた細胞は、ヒト子宮癌由来Hela−S3
細胞である。培地としては、イーグル最少(MEM)培
地(日水製薬社製)に、0.2%(W/V)炭酸水素ナ
トリウム、0.0003%(W/V)グルタミン、及び
子牛血清10%(V /V )を添加したものを用いた。培
養は、5%CO2 インキュベータにて37℃で行った。
【0066】ii) KM043の添加および細胞生存率の
測定 上記に示した培地に、予め各試験濃度になるようにKM
043を溶解した。ただし、KM043は水に難溶であ
るため、一度DMSO(ジメチルスルフォキシド)に溶
解し、そのものを上記の培地に溶かした。なお、培養中
の培地内に存在するDMSOの終濃度は、すべての試験
区で1%以下になっており、本測定例で用いたHela
−S3細胞の増殖の抑制にDMSOが関わる可能性は否
定できる状態である。
【0067】本試験のための培養は、96穴マイクロプ
レートで行った。各ウエルに2.0×103 個の細胞を
植込み、1つの試験濃度に対し3ウエルずつ与えた。ま
たポジティブコントロールとして培地に1%のDMSO
を含むものを用いた。
【0068】KM043添加後は、5%CO2 インキュ
ベータ内、37℃で48時間培養し、各試験区の細胞生
存率の判定を行った。生存率の判定は、文献(「Rapid
Colorimetric Assay for Cellular Growth and Surviva
l: Application to Proliferation and Cytotoxicity A
ssays 」、Tim Mosmann, Journal of Immunological Me
thods, 65 (1983) 55 〜63)に記載されているMTTア
ッセイ法を用いた。即ち、上記48時間培養後テトラゾ
リウム塩MTTを添加し、更に4時間培養した。生細胞
による還元を経て生産するホルマザン量を生細胞数に比
例するとみなし、570nmの光学密度(O.D.)で
定量した。
【0069】細胞生存率は次の式により算出した。 細胞生存率(%)=試験区のO. D. [570nm]/
対照区のO. D. [570nm] 得られた結果を図5に示す。なお図5に示すデータは3
ウエルの平均値である。
【0070】図5の結果から、KM043は、濃度依存
的に癌細胞の増殖を抑えることが分かる。しかしなが
ら、その細胞増殖抑制作用は、ブレオマイシンのような
既知抗癌剤に比べると低い。
【0071】<測定例10>上記実施例1で得られたK
M043が他の抗癌剤と併用された場合に示す抗癌作用
を次の方法を用いて測定した。
【0072】i)細胞培養 細胞培養条件は、上記測定例9と同じに行った。 ii) KM043及びブレオマイシン(Bleomycin) の添加 予め50μMのKM043(上記測定例9と同じ方法で
溶解した)と所定濃度のブレオマイシンを溶解した培地
(1):「KM043 50μM+ブレオマイシンの試
験区」、及び所定濃度のブレオマイシンのみを溶解した
培地(2):「ブレオマイシンのみの試験区」)を用意
した。
【0073】各ブレオマイシン濃度に対しては、3ウエ
ルずつを与えた。各ウエルには2.0×103 個の細胞
を植込み、続いて薬剤を含む培地を加えた。「KM04
3 50μM+ブレオマイシンの試験区」、「ブレオマ
イシンのみの試験区」について、それぞれ5%CO2
ンキュベータ内、37℃で48時間培養後、細胞生存率
を測定した。(測定方法は、上記測定例9と同じ)。
【0074】得られた結果を図6に示す。図6におい
て、破線により結ばれる黒い丸は、培地(1):「KM
043 50μM+ブレオマイシンの試験区」の結果
を、実線により結ばれる黒い四角は培地(2):「ブレ
オマイシンのみの試験区」の結果を表す。
【0075】図6の結果から、実施例1で得たKM04
3は、測定例9に示したようにその濃度が癌細胞の増殖
にほとんど影響がないほどの低濃度(50μM)である
にもかかわらず、低濃度のブレオマイシンと併用するこ
とによりブレオマイシンのみの場合より癌細胞の増殖を
強く抑えることが分かる。
【0076】現在、抗癌剤治療においてその副作用が問
題となっているが、実施例1で得たKM043を併用す
ることにより、抗癌剤の量をへらしつつ同等の治療効果
を維持することができると考えられる。
【0077】
【発明の効果】本発明によれば、新規な糖脂質、その製
造方法及びその用途が提供される。本発明の式(I)で
表される糖脂質は特にβ型のDNA合成酵素に対する高
い阻害作用を有し、かつ非拮抗型の作用機序を有する。
【0078】このようなDNA合成酵素βは、免疫反応
の根元に関与する酵素であるので、DNA合成酵素βの
阻害活性を有する式(I)で表される糖脂質は、免疫抑
制剤として作用すると考えられる。さらに、その作用機
序が非拮抗型であるので、式(I)で表される糖脂質
は、生体に対する副作用が少ないことが予想される。
【0079】また、式(I)で表される糖脂質は、HI
V由来逆転写酵素阻害作用を有する。さらに、式(I)
で表される糖脂質は、特に他の抗癌剤との併用により強
い癌細胞増殖抑制作用を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の式(I)で表される糖脂質の高速原子
衝撃質量分析スペクトル。
【図2】本発明の式(I)で表される糖脂質の1 H−N
MRスペクトル。
【図3】本発明の式(I)で表される糖脂質のUVスペ
クトル。
【図4】本発明の式(I)で表される糖脂質のガスクロ
マトグラフ。
【図5】本発明の式(I)で表される糖脂質(単独)の
癌細胞増殖抑制作用を表すグラフ。
【図6】本発明の式(I)で表される糖脂質(併用)の
癌細胞増殖抑制作用を表すグラフ。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // A61K 35/80 A61K 35/80 Z (72)発明者 正木 和好 東京都港区港南2丁目13番40号 東洋水産 株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次に示す式(I) 【化1】 により表される糖脂質。
  2. 【請求項2】 紅藻スギノリ属ギガルティナ・テネラか
    ら次に示す式(I) 【化2】 により表される糖脂質を製造する方法において、 前記紅藻スギノリ属ギガルティナ・テネラをアセトン、
    酢酸エチル、クロロホルム、メタノール又はクロロホル
    ム−メタノール混液からなる群から選ばれる有機溶媒又
    は有機溶媒混液の1つにより抽出する工程と、 前記有機溶媒抽出物を減圧濃縮する工程と、 前記減圧濃縮した抽出物を酸性条件下に酢酸エチル−水
    による層分配に供し、水層を分離する工程と、 前記分離した水層をアルカリ性条件下に酢酸エチルとの
    層分配に供し、酢酸エチル層を分離する工程と、 前記分離した酢酸エチル層を減圧濃縮し、得られた緑色
    の粗粉末を回収する工程と、 前記粗粉末を精製する工程と、 前記精製工程で得られた溶液を減圧濃縮し、得られた白
    色粉末を回収する工程とを具備することを特徴とする方
    法。
  3. 【請求項3】 次の式(I) 【化3】 により表される糖脂質を有効成分とする医薬。
  4. 【請求項4】 次の式(I) 【化4】 により表される糖脂質を有効成分とするDNA合成酵素
    β阻害剤。
  5. 【請求項5】 次の式(I) 【化5】 により表される糖脂質を有効成分とするHIV由来逆転
    写酵素阻害剤。
  6. 【請求項6】 次の式(I) 【化6】 により表される糖脂質を有効成分とする免疫抑制剤。
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