JPH11106360A - アダマンタン誘導体及びその製造方法 - Google Patents

アダマンタン誘導体及びその製造方法

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JPH11106360A
JPH11106360A JP10053921A JP5392198A JPH11106360A JP H11106360 A JPH11106360 A JP H11106360A JP 10053921 A JP10053921 A JP 10053921A JP 5392198 A JP5392198 A JP 5392198A JP H11106360 A JPH11106360 A JP H11106360A
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JP
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adamantanol
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Application number
JP10053921A
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English (en)
Inventor
Tatsuya Nakano
達也 中野
Yasutaka Ishii
康敬 石井
Narihisa Hirai
成尚 平井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Publication of JPH11106360A publication Critical patent/JPH11106360A/ja
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ニトロ基、アミノ基、ヒドロキシル基、カル
ボキシル基、ヒドロキシメチル基、イソシアナト基など
の官能基とともに、ヒドロキシル基を有するアダマンタ
ン誘導体を効率よく得る。 【解決手段】 式(2)で表されるイミド化合物(N−
ヒドロキシフタルイミドなど)、又はこのイミド化合物
及び助触媒(遷移金属化合物など)の存在下、ニトロ
基、アミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ヒド
ロキシメチル基、イソシアナト基などの官能基を有する
アダマンタン誘導体を酸素酸化する。 【化1】 (式中、R1 及びR2 は、水素原子、ハロゲン原子、ア
ルキル基、アリール基、シクロアルキル基を示し、R1
及びR2 は互いに結合して二重結合、または芳香族性又
は非芳香族性の環を形成してもよい。YはO又はOH、
n=1〜3)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ニトロ基、アミノ
基、アシルオキシ基、カルボキシル基、ヒドロキシメチ
ル基などとともに、ヒドロキシル基を有する新規なアダ
マンタン誘導体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アダマンタンは、3次元的に対称構造を
有し、各環が互いに安定化する構造を有しているため、
特異な機能を有する。アダマンタンにヒドロキシル基を
導入し、必要によりアクリル酸誘導体やカーボネートな
どに誘導することにより、機能性を高めた種々の共重合
体を得ることができる。例えば、官能基(例えば、ヒド
ロキシル基、アミノ基、カルボキシル基など)を導入し
たアダマンタン誘導体から、ポリエステルを製造する方
法(特開昭50−21090号公報など)、ポリカーボ
ネートを得る方法(米国特許3594427号明細書な
ど)、ポリアミドやポリイミドを得る方法(米国特許3
832332号明細書など)、ポリウレタンを得る方法
(特公昭44−12891号公報など)、ポリスルフォ
ンおよびポリスルフォネートを得る方法(米国特許37
53950号明細書など)、ビニルポリマーを得る方法
(特公昭46−28419号公報など)などが提案され
ている。
【0003】このようなアダマンタン誘導体から得られ
る重合体は、一般に、機能性が高く、例えば、導光損失
性、屈折率、複屈折率などの光学的特性、耐湿性、耐熱
性、熱膨張率などの特性において、従来のポリマーでは
達成できない高いレベルを有している。従って、前記重
合体は、光ファイバー、光学用素子、光学レンズ、ホロ
グラム、光ディスク、コンタクトレンズなどの光学材
料、有機ガラス用透明樹脂コーティング剤、導電性ポリ
マー、写真感光性材料、蛍光性材料などとしての利用が
検討されている。
【0004】また、アダマンタンのアルコール体から誘
導されるアミノ誘導体は、高い薬理活性を示す各種の医
薬、農薬を誘導する上で有用であり、例えば、パーキン
ソン氏病の治療薬「シンメトレル」などに利用されてい
る。このように、ヒドロキシル基などの官能基を有する
アダマンタンは、広い用途に適用されている。
【0005】アダマンタンのアルコール体の製造方法と
して、アダマンタンの臭素化物を加水分解する方法(特
開平2−196744号公報)、クロム酸を用いて、ア
ダマンタンを酸化する方法(特公昭42−16621号
公報)、触媒としてコバルト塩を用いて、融解アダマン
タンを酸素酸化する方法(特公昭42−26792号公
報)、生化学的な方法(J.Chem.Soc.,Ch
em.Comm.,1833(1996))などが提案
されている。しかし、これらの方法では、マダマンタン
にヒドロキシル基(特に複数のヒドロキシル基)を導入
することは困難である。
【0006】特開平8−38909号公報には、イミド
化合物を触媒として、基質を酸素酸化する方法が提案さ
れている。この酸化方法をアダマンタンなどの基質に適
用すると、アダマンタノールを得ることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、新規
なアダマンタン誘導体及びその製造方法を提供すること
にある。本発明の他の目的は、少なくとも一つのヒドロ
キシル基と、ニトロ基、アミノ基、アシルアミノ基、カ
ルボキシル基、ヒドロキシメチル基などから選択された
少なくとも一つの官能基とを有するアダマンタン誘導体
及びその製造方法を提供することにある。本発明のさら
に他の目的は、温和な条件であっても、前記アダマンタ
ン誘導体を高い転化率及び選択率で、効率よく製造でき
る方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意検討を重ねた結果、特定のイミド
化合物、またはこのイミド化合物及び助触媒で構成され
た酸化触媒を用いて、特定のアダマンタン誘導体を酸素
酸化に供すると、新規なアダマンタン誘導体を効率よく
生成できることを見いだし、本発明を完成した。すなわ
ち、本発明の新規なアダマンタン誘導体は下記式(1)
で表される。
【0009】
【化7】 (式中、X1 は保護基により保護されていてもよいヒド
ロキシル基を示し、X2はニトロ基、保護基により保護
されていてもよいアミノ基又はN−置換アミノ基、保護
基により保護されていてもよいヒドロキシル基、保護基
により保護されていてもよいカルボキシル基、保護基に
より保護されていてもよいヒドロキシメチル基、または
イソシアナト基を示す。 (i)X2 がニトロ基であるとき、X3 、X4 は同一又
は異なって、水素原子、アルキル基、ニトロ基、保護基
により保護されていてもよいヒドロキシル基、保護基に
より保護されていてもよいアミノ基又はN−置換アミノ
基、保護基により保護されていてもよいカルボキシル
基、保護基により保護されていてもよいヒドロキシメチ
ル基、またはイソシアナト基である。ただし、X1 がヒ
ドロキシル基のとき、X3 、X4 は同時に水素原子では
ない。 (ii)X2 が保護基により保護されていてもよいアミノ
基又はN−置換アミノ基であるとき、X3 、X4 は同一
又は異なって、水素原子、アルキル基、保護基により保
護されていてもよいアミノ基又はN−置換アミノ基、保
護基により保護されていてもよいヒドロキシル基、保護
基により保護されていてもよいカルボキシル基、保護基
により保護されていてもよいヒドロキシメチル基、また
はイソシアナト基である。ただし、X1 がヒドロキシル
基のとき、X3 、X4 は同時に水素原子、アルキル基で
はない。 (iii)X2 が保護基により保護されていてもよいヒド
ロキシル基であるとき、X3 、X4 は同一又は異なっ
て、水素原子、アルキル基、保護基により保護されてい
てもよいヒドロキシル基、保護基により保護されていて
もよいカルボキシル基、保護基により保護されていても
よいヒドロキシメチル基、またはイソシアナト基であ
る。ただし、X1 がヒドロキシル基又は飽和脂肪族アシ
ルオキシ基であり、且つX2 がヒドロキシル基又は飽和
脂肪族アシルオキシ基のとき、X3 、X4 は同時に水素
原子、アルキル基ではない。また、X1 、X2 がともに
ヒドロキシル基であるとき、X3 とX4 は水素原子と保
護基により保護されていてもよいカルボキシル基との組
み合わせではない。 (iv)X2 が保護基により保護されていてもよいカルボ
キシル基であるとき、X3 、X4 は同一又は異なって、
水素原子、アルキル基、保護基により保護されていても
よいカルボキシル基、保護基により保護されていてもよ
いヒドロキシメチル基、またはイソシアナト基である。
ただし、X1 がヒドロキシル基または飽和脂肪族アシル
オキシ基のとき、X3 、X4 は同時に水素原子、アルキ
ル基ではなく、またX3 とX4 は水素原子とアルキル基
との組み合わせではない。 (v)X2 が保護基により保護されていてもよいヒドロ
キシメチル基であるとき、X3 、X4 は同一又は異なっ
て、水素原子、アルキル基、保護基により保護されてい
てもよいヒドロキシメチル基、またはイソシアナト基で
ある。ただし、X1 がヒドロキシル基のとき、X3 、X
4 は同時に水素原子ではない。 (vi)X2 がイソシアナト基であるとき、X3 、X4
同一又は異なって、水素原子、アルキル基、またはイソ
シアナト基である。ただし、X1 がヒドロキシル基のと
き、X3 、X4 は同時に水素原子ではない) アダマンタン誘導体は、下記式(2)
【0010】
【化8】 (式中、R1 及びR2 は、同一又は異なって、水素原
子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シクロア
ルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシ
ル基、アルコキシカルボニル基、アシル基を示し、R1
及びR2 は互いに結合して二重結合、または芳香族性又
は非芳香族性の環を形成してもよい。Yは酸素原子又は
ヒドロキシル基を示し、nは1〜3の整数を示す)で表
されるイミド化合物で構成された酸化触媒の存在下、下
記式(1a)
【0011】
【化9】 (式中、X2 はニトロ基、保護基により保護されていて
もよいアミノ基又はN−置換アミノ基、保護基により保
護されていてもよいヒドロキシル基、保護基により保護
されていてもよいカルボキシル基、保護基により保護さ
れていてもよいヒドロキシメチル基、またはイソシアナ
ト基を示し、X3a及びX4aは同一又は異なって、水素原
子、アルキル基、ニトロ基、保護基により保護されてい
てもよいヒドロキシル基、保護基により保護されていて
もよいアミノ基又はN−置換アミノ基、保護基により保
護されていてもよいカルボキシル基、保護基により保護
されていてもよいヒドロキシメチル基、またはイソシア
ナト基を示す)で表されるアダマンタン誘導体と、酸素
とを接触させることにより得ることができる。
【0012】本発明には、下記式(1a)
【0013】
【化10】 (式中、X2 はニトロ基、保護基により保護されていて
もよいヒドロキシル基、保護基により保護されていても
よいアミノ基又はN−置換アミノ基、保護基により保護
されていてもよいヒドロキシル基、保護基により保護さ
れていてもよいカルボキシル基、保護基により保護され
ていてもよいヒドロキシメチル基、またはイソシアナト
基を示し、X3a及びX4aは同一又は異なって、水素原
子、アルキル基、ニトロ基、保護基により保護されてい
てもよいヒドロキシル基、保護基により保護されていて
もよいアミノ基又はN−置換アミノ基、保護基により保
護されていてもよいカルボキシル基、保護基により保護
されていてもよいヒドロキシメチル基、またはイソシア
ナト基を示す)で表されるアダマンタン誘導体を、下記
酸化工程(i),ニトロ化工程(ii)およびカルボキシ
ル化工程(iii)のうち少なくとも1つの工程に供し、
少なくともヒドロキシル基を有するアダマンタン誘導体
を製造する方法も含まれる。
【0014】(i)前記式(2)で表されるイミド化合物
で構成された触媒の存在下、酸素による酸化工程 (ii)下記(iia)〜(iic)の少なくとも1つのニトロ
化工程 (iia)前記式(2)で表されるイミド化合物で構成された
触媒の存在下、窒素酸化物によるニトロ化工程、(iib)
酸化二窒素および一酸化窒素のうち少なくともいずれか
一方の窒素酸化物と酸素とによるニトロ化工程、および
(iic)二酸化窒素によるニトロ化工程 (iii)前記式(2)で表されるイミド化合物で構成され
た触媒の存在下、一酸化炭素および酸素によるカルボキ
シル化工程 触媒は、前記式(2)で表されるイミド化合物及び助触
媒(例えば、遷移金属元素を含む化合物など)で構成し
てもよい。なお、本明細書において、保護基とは、広い
概念で用い、遊離の官能基から誘導される基も含まれ、
保護基は脱離不能であってもよい。また、ニトロ基、保
護基により保護されていてもよいアミノ基又はN−置換
アミノ基、保護基により保護されていてもよいヒドロキ
シル基、保護基により保護されていてもよいカルボキシ
ル基、保護基により保護されていてもよいヒドロキシメ
チル基、イソシアナト基を、単に官能基と総称する場合
がある。保護基により保護されていてもよいアミノ基又
はN−置換アミノ基を、単にアミノ基と総称する場合が
ある。
【0015】
【発明の実施の形態】
[アダマンタン誘導体]前記式(1)で表されるアダマ
ンタン誘導体において、ヒドロキシル基およびヒドロキ
シメチル基(ヒドロキシメチル基のうちヒドロキシル基
に相当する部位)の保護基としては、例えば、t−ブチ
ル基、シクロアルキル基(例えば、シクロヘキシル基な
ど)、アリール基(例えば、2,4−ジニトロフェニル
基など)、アラルキル基(例えば、ベンジル基、2,6
−ジクロロベンジル基、3−ブロモベンジル基、2−ニ
トロベンジル基、4−ジメチルカルバモイルベンジル
基、トリフェニルメチル基などの置換基を有していても
よいベンジル基など)、テトラヒドロピラニル基、非重
合性アシル基[例えば、飽和脂肪族アシル基(例えば、
アセチル、プロピオニル、イソプロピオニル、ブチリ
ル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイ
ル基などのC2-6 飽和脂肪族アシル基、好ましくはC
2-4 飽和脂肪族アシル基など)、芳香族アシル基(例え
ば、ベンゾイル、p−フェニルベンゾイル、フタロイ
ル、ナフトイルなどのC7-13芳香族アシル基など)、脂
環式アシル基(シクロアルキル−カルボニル基:例え
ば、シクロヘキシルカルボニル基など)]、アルコキシ
カルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシ
カルボニル、プロピルオキシカルボニル、イソプロピル
オキシカルボニル、イソブチルオキシカルボニル、t−
ブトキシカルボニル基などのC1-6アルコキシ−カルボ
ニル基など)、アラルキルオキシカルボニル基(例え
ば、ベンジルオキシカルボニル基、メトキシベンジルオ
キシカルボニル基など)、置換基を有していてもよいカ
ルバモイル基(例えば、カルバモイル、メチルカルバモ
イル、エチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなど
の、C1-6 アルキル基、C6-14アリール基などの置換基
を有していてもよいカルバモイル基など)、ジアルキル
ホスフィノチオイル基(例えば、ジメチルホスフィノチ
オイル基など)、ジアリールホスフィノチオイル基(例
えば、ジフェニルホスフィノチオイル基など)などが挙
げられる。好ましいヒドロキシル基およびヒドロキシメ
チル基の保護基には、非重合性アシル基(特にC2-6
和脂肪族アシル基、なかでもC2-4飽和脂肪族アシル基
など)、C1-6 アルコキシ−カルボニル基、置換基を有
していてもよいカルバモイル基などが含まれる。
【0016】アミノ基の保護基には、例えば、前記ヒド
ロキシル基の保護基の項で例示のt−ブチル基、アラル
キル基、非重合性アシル基[例えば、飽和脂肪族アシル
基(例えば、C2-6 飽和脂肪族アシル基、特にC2-4
和脂肪族アシル基など)、芳香族アシル基(例えば、C
7-13芳香族アシル基など)、脂環式アシル基]、アルコ
キシカルボニル基(例えば、C1-6 アルコキシ−カルボ
ニル基など)、アラルキルオキシカルボニル基、ジアル
キルホスフィノチオイル基、ジアリールホスフィノチオ
イル基などが含まれる。好ましいアミノ基の保護基に
は、非重合性アシル基[例えば、C2-6 飽和脂肪族アシ
ル基(特に、C2-4 飽和脂肪族アシル基)、C7-13芳香
族アシル基など]、アルコキシカルボニル基(特に、C
1-6 アルコキシ−カルボニル基など)などが含まれる。
【0017】N−置換アミノ基としては、例えば、メチ
ルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ジメチルア
ミノ、ジエチルアミノ基などのモノ又はジC1-6 アルキ
ルアミノ基(好ましくはモノ又はジC1-4 アルキルアミ
ノ基など)などが挙げられる。
【0018】カルボキシル基の保護基には、例えば、ア
ルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキ
シ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、s−ブ
トキシ、t−ブトキシ、ヘキシルオキシ基などのC1-10
アルコキシ基、好ましくはC1- 6 アルコキシ基、特にC
1-4 アルコキシ基など)、シクロアルキルオキシ基(例
えば、シクロヘキシルオキシ基など)、アリールオキシ
基(例えば、フェノキシ基など)、アラルキルオキシ基
(例えば、ベンジルオキシ基、ジフェニルメチルオキシ
基など)、トリアルキルシリルオキシ基(例えば、トリ
メチルシリルオキシ基など)、置換基を有していてもよ
いアミノ基[アミノ基;N−置換アミノ基(例えば、メ
チルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチル
アミノ基などのモノ又はジC1-6 アルキルアミノ基な
ど)]、ヒドラジノ基、アルコキシカルボニルヒドラジ
ノ基(例えば、t−ブトキシカルボニルヒドラジノ基な
ど)、アラルキルオキシカルボニルヒドラジノ基(例え
ば、ベンジルオキシカルボニルヒドラジノ基など)など
が含まれる。好ましいカルボキシル基の保護基として
は、アルコキシ基(特に、C1-6 アルコキシ基など)、
置換基を有していてもよいアミノ基(N−置換アミノ
基、特に、モノ又はジC1-6 アルキルアミノ基など)な
どが挙げられる。
【0019】アルキル基には、例えば、メチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s
−ブチル、t−ブチル、ヘキシル基などのC1-6 アルキ
ル基(好ましくはC1-4 アルキル基、さらに好ましくは
メチル基又はエチル基)が含まれる。
【0020】好ましいX1 としては、ヒドロキシル基、
2-6 飽和脂肪族アシルオキシ基(C2-6 飽和脂肪族ア
シル基で保護されたヒドロキシル基に相当)、C1-6
ルコキシ−カルボニルオキシ基(C1-6 アルコキシ−カ
ルボニル基で保護されたヒドロキシル基に相当)、置換
基を有していてもよいカルバモイルオキシ基(置換基を
有していてもよいカルバモイル基で保護されたヒドロキ
シル基に相当)が挙げられる。好ましいX2 としては、
ニトロ基、アミノ基、C2-6 アシルアミノ基(C2-6
シル基で保護されたアミノ基に相当)、C1-6 アルコキ
シ−カルボニルアミノ基(C1-6 アルコキシ−カルボニ
ル基で保護されたアミノ基に相当)、C2-6 飽和脂肪族
アシルオキシ基(C2-6 飽和脂肪族アシル基で保護され
たヒドロキシル基に相当)、C1-6 アルコキシ−カルボ
ニルオキシ基(C1-6 アルコキシ−カルボニル基で保護
されたヒドロキシル基に相当)、置換基を有していても
よいカルバモイルオキシ基(置換基を有していてもよい
カルバモイル基で保護されたヒドロキシル基に相当)、
カルボキシル基、C1-10アルコキシ−カルボニル基(C
1- 10アルコキシ基で保護されたカルボキシル基に相当)
(特に、C1-6 アルコキシ−カルボニル基)、置換基を
有していてもよいカルバモイル基(置換基を有していて
もよいアミノ基で保護されたカルボキシル基に相当)、
ヒドロキシメチル基、イソシアナト基などが例示でき
る。好ましいX3 、X4 としては、X2 の種類に応じ
て、水素原子、アルキル基、ニトロ基、アミノ基、C
2-6 アシルアミノ基、C1-6 アルコキシ−カルボニルア
ミノ基、C2-6 飽和脂肪族アシルオキシ基、C1-6 アル
コキシ−カルボニルオキシ基、置換基を有していてもよ
いカルバモイルオキシ基、カルボキシル基、C1- 10アル
コキシ−カルボニル基(特に、C1-6 アルコキシ−カル
ボニル基)、置換基を有していてもよいカルバモイル
基、ヒドロキシメチル基、イソシアナト基が挙げられ
る。
【0021】なお、本明細書では、保護基により保護さ
れていてもよいヒドロキシル基をOH、非重合性アシル
オキシ基をOAc 、ニトロ基をNO2 、保護基により保
護されていてもよいアミノ基又はN−置換アミノ基をN
2 、保護基により保護されていてもよいカルボキシル
基をCOOH、保護基により保護されていてもよいヒド
ロキシメチル基をCH2 OH、イソシアナト基をNC
O、水素原子をH、アルキル基をRで表記する場合があ
る。
【0022】前記式(1)で表されるアダマンタン誘導
体は、新規化合物であり、X2 、X3 及びX4 の組み合
わせには、例えば、次の(1a)〜(6a)の組み合わせが
含まれる。
【0023】(1a)X2 がNO2 である場合、X1 がヒ
ドロキシル基のときには、X3 、X 4 は同時にHではな
い。すなわち、X1 がヒドロキシル基であり、X3
4のいずれか一方はHであり、他方はR、NO2 、O
H、NH2 、COOH、CH 2 OH、NCOから選択さ
れた官能基、X1 がヒドロキシル基であり、X3 、X
4 はR、NO2 、OH、NH2 、COOH、CH2
H、NCOから選択された官能基、またはX1 が保護
基で保護されたヒドロキシル基であり、X3 、X 4
H、R、NO2 、OH、NH2 、COOH、CH2
H、NCOから選択された官能基である (2a)X2 がNH2 である場合、X1 がヒドロキシル基
のときには、X3 、X 4 は同時にH、Rではない。すな
わち、X1 がヒドロキシル基であり、X3 、X4 のい
ずれか一方はHであり、他方はR、NH2 、OH、CO
OH、CH2 OH、NCOから選択された官能基、X
1 がヒドロキシル基であり、X3 、X4のいずれか一方
はRであり、他方はNH2 、OH、COOH、CH2
H、NCOから選択された官能基、X1 がヒドロキシ
ル基であり、X3 、X4 はNH2、OH、COOH、C
2 OH、NCOから選択された官能基、またはX1
が保護基で保護されたヒドロキシル基、X2 がNH2
あり、X3 、X4 はH、R、NH2 、OH、COOH、
CH2 OH、NCOから選択された官能基である (3a)X2 がOHである場合、X1 がヒドロキシル基又
は飽和脂肪族アシルオキシ基であり、且つX2 がヒドロ
キシル基又は飽和脂肪族アシルオキシ基のときには、X
3 、X4 は同時にH、Rではない。また、X1 、X2
ともにヒドロキシル基であるとき、X3 とX4 は水素原
子と保護基で保護されていてもよいカルボキシル基との
組み合わせではない。すなわち、X1 、X2 がともに
ヒドロキシル基であり、X3 、X4 のいずれか一方はH
であり、他方はR、OH、CH2OH、NCOから選択
された官能基、X1 、X2 がともにヒドロキシル基で
あり、X3 、X4 のいずれか一方はRであり、他方はO
H、COOH、CH2 OH、NCOから選択された官能
基、X1 、X2 がともにヒドロキシル基であり、
3 、X4 はOH、COOH、CH2 OH、NCOから
選択された官能基、X 1 、X2 がともに飽和脂肪族ア
シル基で保護されたヒドロキシル基であり、X3、X4
のいずれか一方はHであり、他方はR、OH、COO
H、CH2 OH、NCOから選択された官能基、
1 、X2 がともに飽和脂肪族アシル基で保護されたヒ
ドロキシル基であり、X3 、X4 のいずれか一方はRで
あり、他方はOH、COOH、CH2 OH、NCOから
選択された官能基、X1 、X2 の一方がヒドロキシル
基、他方が飽和脂肪族アシル基で保護されたヒドロキシ
ル基であり、X3 、X4 のいずれか一方はHであり、他
方はR、OH、COOH、CH2 OH、NCOから選択
された官能基、X1 、X2 の一方がヒドロキシル基、
他方が飽和脂肪族アシル基で保護されたヒドロキシル基
であり、X3 、X4 のいずれか一方はRであり、他方は
OH、COOH、CH2 OH、NCOから選択された官
能基、またはX1 、X2 が飽和脂肪族アシル基以外の
保護基で保護されたヒドロキシル基であり、X3 、X4
はH、R、OH、COOH、CH2 OH、NCOから選
択された官能基である (4a)X2 がCOOHである場合、X1 がヒドロキシル
基又は飽和脂肪族アシルオキシ基のときには、X3 、X
4 は同時にH、Rではなく、X3 、X4 はHとRとの組
み合わせではない。すなわち、X1 がヒドロキシル基
又は飽和脂肪族アシル基で保護されたヒドロキシル基で
あり、X3 、X4 のいずれか一方はHまたはRであり、
他方はCOOH、CH2 OH、NCOから選択された官
能基、X 1 が飽和脂肪族アシル基以外の保護基で保護
されたヒドロキシル基であり、X3、X4 はH、R、C
OOH、CH2 OH、NCOから選択された官能基であ
る (5a)X2 がCH2 OHである場合、X1 がヒドロキシ
ル基のときには、X3、X4 は同時にHではない。すな
わち、X1 がヒドロキシル基、X2 がCH2OH、X
3 がHであり、X4 はR、CH2 OH、NCOから選択
された官能基、X1 がヒドロキシル基、X2 がCH2
OHであり、X3 、X4 はR、CH2 OH、NCOから
選択された官能基、X1 が保護基で保護されたヒドロ
キシル基、X2 がCH2 OHであり、X3 、X4 はH、
R、CH2 OH、NCOから選択された官能基である (6a)X2 がイソシアナート基である場合、X1 がヒド
ロキシル基のときには、X3 、X4 は同時にHではな
い。すなわち、X1 がヒドロキシル基、X2 がNC
O、X3 がHであり、X4 はR、NCOから選択された
官能基、X1 がヒドロキシル基、X2 がNCOであ
り、X3 、X4 はR、NCOから選択された官能基、
1 が保護基で保護されたヒドロキシル基、X2 がNC
Oであり、X3、X4 はH、R、NCOから選択された
官能基である このような新規なアダマンタン誘導体には、ヒドロキシ
ル基とともに、ニトロ基、アミノ基、ヒドロキシル基、
カルボキシル基、ヒドロキシメチル基、イソシアナート
基から選択された少なくとも一種の官能基を有するアダ
マンタン誘導体が含まれる。なお、ヒドロキシル基、ア
ミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシメチル基は保護基
により保護されていてもよく、アミノ基の窒素原子は1
または2個の置換基で置換されていてもよい。また、酸
性基、塩基性基を有するアダマンタン誘導体は、塩を形
成していてもよい。
【0024】ニトロ基含有アダマンタン誘導体として
は、例えば、1−ニトロ−3−メチル−5−アダマンタ
ノール、1−ニトロ−3,5−ジメチル−7−アダマン
タノール、1,3−ジニトロ−5−アダマンタノール、
1,3−ジニトロ−5−メチル−7−アダマンタノー
ル、1,3,5−トリニトロ−7−アダマンタノール、
1−カルボキシ−3−ニトロ−5−アダマンタノール、
1−アセチルアミノ−3−ニトロ−5−アダマンタノー
ル、1−ヒドロキシメチル−3−ニトロ−5−アダマン
タノールなどのモノオール体;1−ニトロ−3,5−ア
ダマンタンジオール、1−ニトロ−3−メチル−5,7
−アダマンタンジオール、1,3−ジニトロ−5,7−
アダマンタンジオールなどのジオール体、1−ニトロ−
3,5,7−アダマンタントリオールなどのトリオール
体;1−アセトキシ−3−ニトロアダマンタン、1−メ
トキシカルボニルオキシ−3−ニトロアダマンタン、
1,3−ビス(メトキシカルボニルオキシ)−5−ニト
ロアダマンタン、1−(N−メチルカルバモイルオキ
シ)−3−ニトロアダマンタンなどの、ヒドロキシル基
が飽和脂肪族アシル基(例えば、C2-6 飽和脂肪族アシ
ル基)、アルコキシカルボニル基(例えば、C1-6 アル
コキシ−カルボニル基)、置換基を有していてもよいカ
ルバモイル基などの保護基で保護されているニトロ基含
有アダマンタノール誘導体などが例示できる。
【0025】アミノ基含有アダマンタン誘導体には、例
えば、保護基により保護されていない無置換のアミノ基
含有アダマンタノール誘導体(例えば、1−アミノ−3
−メチル−5−アダマンタノール、1,3−ジアミノ−
5−アダマンタノール、1,3−ジアミノ−5−メチル
−7−アダマンタノール、1,3,5−トリアミノ−7
−アダマンタノールなどのモノオール体、1−アミノ−
3,5−アダマンタンジオール、1−アミノ−3−メチ
ル−5,7−アダマンタンジオール、1,3−ジアミノ
−5,7−アダマンタンジオールなどのジオール体、1
−アミノ−3,5,7−アダマンタントリオールなどの
トリオール体など)、N−置換アミノ基含有アダマンタ
ノール誘導体[例えば、1−メチルアミノ−3−メチル
−5−アダマンタノール、1,3−ビス(メチルアミ
ノ)−5−アダマンタノール、1,3−ビス(エチルア
ミノ)−5−アダマンタノール、1,3−ビス(ジメチ
ルアミノ)−5−アダマンタノール、1,3−ビス(ジ
エチルアミノ)−5−アダマンタノール、1,3−ビス
(メチルアミノ)−5−メチル−7−アダマンタノー
ル、1,3,5−トリス(メチルアミノ)−7−アダマ
ンタノール、1,3,5−トリス(ジメチルアミノ)−
7−アダマンタノールなどのモノオール体、1−メチル
アミノ−3,5−アダマンタンジオール、1−エチルア
ミノ−3,5−アダマンタンジオール、1−ジメチルア
ミノ−3,5−アダマンタンジオール、1−ジエチルア
ミノ−3,5−アダマンタンジオール、1−メチルアミ
ノ−3−メチル−5,7−アダマンタンジオール、1,
3−ビス(メチルアミノ)−5,7−アダマンタンジオ
ール、1,3−ビス(エチルアミノ)−5,7−アダマ
ンタンジオール、1,3−ビス(ジメチルアミノ)−
5,7−アダマンタンジオール、1,3−ビス(ジエチ
ルアミノ)−5,7−アダマンタンジオールなどのジオ
ール体、1−メチルアミノ−3,5,7−アダマンタン
トリオール、1−ジメチルアミノ−3,5,7−アダマ
ンタントリオールなどのトリオール体など)、保護基に
より保護されているアミノ基含有アダマンタノール誘導
体[例えば、1−アセチルアミノ−3−メチル−5−ア
ダマンタノール、1,3−ビス(アセチルアミノ)−5
−アダマンタノール、1,3−ビス(アセチルアミノ)
−5−メチル−7−アダマンタノール、1,3,5−ト
リス(アセチルアミノ)−7−アダマンタノールなどの
モノオール体、1−アセチルアミノ−3,5−アダマン
タンジオール、1−アセチルアミノ−3−メチル−5,
7−アダマンタンジオール、1,3−ビス(アセチルア
ミノ)−5,7−アダマンタンジオールなどのジオール
体、1−アセチルアミノ−3,5,7−アダマンタント
リオールなどのトリオール体などのC2-6 アシルアミノ
基含有アダマンタンのアルコール体など]、ヒドロキシ
ル基が飽和脂肪族アシル基(例えば、C2-6 飽和脂肪族
アシル基)、アルコキシカルボニル基(例えば、C1-6
アルコキシ−カルボニル基)、置換基を有していてもよ
いカルバモイル基などの保護基で保護されているアミノ
基含有アダマンタノール誘導体[例えば、1−アセトキ
シ−3−アミノアダマンタン、1−アセトキシ−3−ア
セチルアミノアダマンタン、1−メトキシカルボニルオ
キシ−3−アミノアダマンタン、1−アセチルアミノ−
3−メトキシカルボニルオキシアダマンタン、1,3−
ビス(メトキシカルボニルオキシ)−5−アミノアダマ
ンタン、1−(N−メチルカルバモイルオキシ)−3−
アミノアダマンタンなど]などが含まれる。
【0026】複数個のヒドロキシル基を有するアダマン
タン誘導体としては、例えば、1−カルボキシ−3−メ
チル−5,7−アダマンタンジオール、1,3−ジカル
ボキシ−5,7−アダマンタンジオール、1−メトキシ
カルボニル−3−メチル−5,7−アダマンタンジオー
ル、1−エトキシカルボニル−3−メチル−5,7−ア
ダマンタンジオール、1,3−ジ(メトキシカルボニ
ル)−5,7−アダマンタンジオール、1,3−ジ(エ
トキシカルボニル)−5,7−アダマンタンジオール、
1−カルボキシ−3,5,7−アダマンタントリオー
ル、1−エトキシカルボニル−3,5,7−アダマンタ
ントリオール、1−メトキシカルボニル−3,5,7−
アダマンタントリオールなどのカルボキシル基含有アダ
マンタンポリオール誘導体;1−アセチルオキシ−3−
メチル−5−アダマンタノール、1,3−ビス(アセチ
ルオキシ)−5−アダマンタノール、1,3−ビス(ア
セチルオキシ)−5−メチル−7−アダマンタノール、
1,3,5−トリス(アセチルオキシ)−7−アダマン
タノール、1−アセチルオキシ−3,5−アダマンタン
ジオール、1−アセチルオキシ−3−メチル−5,7−
アダマンタンジオール、1,3−ビス(アセチルオキ
シ)−5,7−アダマンタンジオ−ル、1−アセチルオ
キシ−3,5,7−アダマンタントリオール、1−アセ
チルオキシ−3−メトキシカルボニルオキシアダマンタ
ン、1−アセチルオキシ−3−(N−メチルカルバモイ
ルオキシ)アダマンタン、1,3,5−トリス(アセチ
ルオキシ)アダマンタンなどのアシルオキシ基(例え
ば、C2-6 飽和脂肪族アシルオキシ基)含有アダマンタ
ンポリオール誘導体;1−メトキシカルボニルオキシ−
3−アダマンタノール、1−メトキシカルボニルオキシ
−3,5−アダマンタンジオール、1,3−ビス(メト
キシカルボニルオキシ)−5−アダマンタノール、1−
(N−メチルカルバモイルオキシ)−3−メトキシカル
ボニルオキシアダマンタン、1,3−ビス(メトキシカ
ルボニルオキシ)アダマンタン、1,3,5−トリス
(メトキシカルボニルオキシ)アダマンタン、1−カル
ボキシ−3,5−ビス(N−メチルカルバモイルオキ
シ)アダマンタンなどのアルコキシカルボニルオキシ基
(例えば、C1-6 アルコキシカルボニルオキシ基)含有
アダマンタンポリオール誘導体;1−(N−メチルカル
バモイルオキシ)−3−アダマンタノール、1−(N−
メチルカルバモイルオキシ)−3,5−アダマンタンジ
ール、1,3−ビス(N−メチルカルバモイルオキシ)
−5−アダマンタノール、1,3−ビス(N−メチルカ
ルバモイルオキシ)アダマンタン、1,3,5−トリス
(N−メチルカルバモイルオキシ)アダマンタンなどの
置換基を有していてもよいカルバモイルオキシ基含有ア
ダマンタンポリオール誘導体などが挙げられる。
【0027】カルボキシル基含有アダマンタン誘導体に
は、例えば、保護基により保護されていないカルボキシ
ル基含有アダマンタノール誘導体(例えば、1,3−ジ
カルボキシ−5−アダマンタノール、1,3−ジカルボ
キシ−5−メチル−7−アダマンタノール、1,3,5
−トリカルボキシ−7−アダマンタノールなどのモノオ
ール体などのカルボキシル基含有アダマンタンのアルコ
ール体)、保護基により保護されているカルボキシル基
含有アダマンタノール誘導体[例えば、1,3−ビス
(メトキシカルボニル)−5−アダマンタノール、1,
3−ビス(エトキシカルボニル)−5−アダマンタノー
ル、1,3−ビス(メトキシカルボニル)−5−メチル
−7−アダマンタノール、1,3−ビス(エトキシカル
ボニル)−5−メチル−7−アダマンタノール、1,
3,5−トリス(メトキシカルボニル)−7−アダマン
タノール、1−(N,N−ジメチルカルバモイル)−3
−アダマンタノールなどのモノオール体などのC1-10
ルコキシ−カルボニル基含有アダマンタンのアルコール
体など]、ヒドロキシル基が飽和脂肪族アシル基(例え
ば、C2-6 飽和脂肪族アシル基)、アルコキシカルボニ
ル基(例えば、C1-6 アルコキシ−カルボニル基)、置
換基を有していてもよいカルバモイル基などの保護基で
保護されているカルボキシル基含有アダマンタノール誘
導体[例えば、1−アセトキシ−3−メトキシカルボニ
ルアダマンタン、1−アセトキシ−3−(N,N−ジメ
チルカルバモイル)アダマンタン、1−カルボキシ−3
−メトキシカルボニルオキシアダマンタン、1−メトキ
シカルボニル−3−メトキシカルボニルオキシアダマン
タン、1−(N,N−ジメチルカルバモイル)−3−メ
トキシカルボニルオキシアダマンタン、、1−(N,N
−ジメチルカルバモイル)−3−(N−メチルカルバモ
イルオキシ)アダマンタン、1−カルボキシ−3−(N
−メチルカルバモイルオキシ)アダマンタン、1−メト
キシカルボニル−3−(N−メチルカルバモイルオキ
シ)アダマンタンなど]などが含まれる。
【0028】ヒドロキシメチル基含有アダマンタン誘導
体には、例えば、1−ヒドロキシメチル−3−メチル−
5−アダマンタノールなどのアルキル基及びヒドロキシ
メチル基含有アダマンタノール誘導体;1,3−ビス
(ヒドロキシメチル)−5−アダマンタノールなどの複
数個のヒドロキシメチル基を有するアダマンタノール誘
導体;1−アセトキシ−3−ヒドロキシメチルアダマン
タン、1−ヒドロキシメチル−3−メトキシカルボニル
オキシアダマンタン、1−ヒドロキシメチル−3−(N
−メチルカルバモイル)アダマンタンなどの、アダマン
タン骨格に結合しているヒドロキシル基が飽和脂肪族ア
シル基(例えば、C2-6 飽和脂肪族アシル基)、アルコ
キシカルボニル基(例えば、C1-6 アルコキシ−カルボ
ニル基)、置換基を有していてもよいカルバモイル基な
どの保護基で保護されているヒドロキシメチル基含有ア
ダマンタノール誘導体などが含まれる。
【0029】イソシアナト基含有アダマンタン誘導体に
は、例えば、1−イソシアナト−3−メチル−5−アダ
マンタノールなどのアルキル基及びイソシアナト基含有
アダマンタノール誘導体;1,3−ジイソシアナト−5
−アダマンタノールなどの複数個のイソシアナト基を有
するアダマンタノール誘導体;1−アセトキシ−3−イ
ソシアナトアダマンタンなどのヒドロキシル基が飽和脂
肪族アシル基(例えば、C2-6 飽和脂肪族アシル基)な
どの保護基で保護されているイソシアナト基含有アダマ
ンタノール誘導体などが含まれる。
【0030】前記式(1)で表されるアダマンタン誘導
体は、X2 の種類に応じて、他の置換基、例えば、ハロ
ゲン原子、オキソ基、ヒドロキシアルキル基(例えば、
2−ヒドロキシエチル基などのヒドロキシC2-4 アルキ
ル基など)、アシル基(例えば、ホルミル、アセチル、
プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イ
ソバレリル、ピバロイル基などのC1-6 アシル基な
ど)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカル
ボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、
イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソ
ブトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、ヘキシ
ルカルボニル基などのC1-6 アルコキシ−カルボニル基
など)、シアノ基などの置換基を有していてもよい。
【0031】前記式(1)で表されるアダマンタン誘導
体は、酸化工程(特に、後述するイミド化合物(2)を
用いる酸素酸化工程)を経て製造できる。このイミド化
合物を用いる酸素酸化工程を利用すると、前記新規なア
ダマンタン誘導体の他、公知のアダマンタン誘導体も効
率よく製造できる。
【0032】公知のアダマンタン誘導体は、前記式
(1)において、X1 〜X4 が次の(1b)〜(4b)の化
合物に相当する。 (1b)X2 がNO2 であるとき、X1 がヒドロキシル基
であり、X3 、X4 がともにHである化合物 (2b)X2 がNH2 であるとき、X1 がヒドロキシル基
であり、X3 、X4 がともにH又はともにRである化合
物 (3b)X2 がOHであるとき、X1 がヒドロキシル基
又は飽和脂肪族アシルオキシ基、X2 がヒドロキシル基
又は飽和脂肪族アシルオキシ基であり、X3 、X4 がと
もにH又はともにRである化合物、及びX1 、X2
ともにヒドロキシル基であり、X3 、X4 のいずれか一
方がHで他方がCOOHである化合物 (4b)X2 がCOOHであるとき、X1 がヒドロキシル
基又は飽和脂肪族アシルオキシ基であり、X3 及びX4
がHおよびRから選択された官能基である化合物 (5b)X2 がCH2 OHであるとき、X1 がヒドロキシ
ル基であり、X3 、X 4 がともにHである化合物 (6b)X2 がNCOであるとき、X1 がヒドロキシル基
であり、X3 、X4 がともにHである化合物 このような公知のアダマンタン誘導体には、ニトロ基含
有アダマンタン誘導体(例えば、1−ニトロ−3−アダ
マンタノールなど)、アミノ基含有アダマンタン誘導体
(例えば、1−アミノ−3−アダマンタノール、1−ア
ミノ−3,5−ジメチル−7−アダマンタノール、1−
メチルアミノ−3−アダマンタノール、1−アセチルア
ミノ−3−アダマンタノール、1−ジメチルアミノ−3
−アダマンタノール、1−アセチルアミノ−3,5−ジ
メチル−7−アダマンタノールなどのC2-6 アシルアミ
ノ基含有アダマンタンのアルコール体;1−メトキシカ
ルボニルアミノ−3−アダマンタノールなどのC1-6
ルコキシ−カルボニルアミノ基含有アダマンタンのアル
コール体など)、アダマンタンポリオール誘導体(1,
3−アダマンタンジオール、1,3,5−アダマンタン
トリオールなど)、飽和脂肪族アシルオキシ基含有アダ
マンタン誘導体(例えば、1−アシルオキシ−3−アダ
マンタノール、1−アシルオキシ−3,5−ジメチル−
7−アダマンタノールなどのC2-6 アシルオキシ基含有
アダマンタンのアルコール体など)、カルボキシル基含
有アダマンタン誘導体(例えば、1−カルボキシ−3−
アダマンタノール、1−カルボキシ−3−メチル−5−
アダマンタノール、1−カルボキシ−3,5−ジメチル
−7−アダマンタノール、1−カルボキシ−3,5−ア
ダマンタンジオール、1−メトキシカルボニル−3−ア
ダマンタノール、1−メトキシカルボニル−3−メチル
−5−アダマンタノール、1−メトキシカルボニル−
3,5−ジメチル−7−アダマンタノール、1−メトキ
シカルボニル−3,5−アダマンタンジオールなどのC
1-10アルコキシ−カルボニル基含有アダマンタンのアル
コール体など)、ヒドロキシメチル基含有アダマンタン
誘導体(例えば、1−ヒドロキシメチル−3−アダマン
タノールなど)、イソシアナト基含有アダマンタン誘導
体(1−イソシアナト−3−アダマンタノールなど)な
どが挙げられる。
【0033】[製造方法]前記式(1)で表されるアダ
マンタン誘導体および前記公知のアダマンタン誘導体、
すなわち、ヒドロキシル基と、官能基とを有するアダマ
ンタン誘導体は、下記式(1a)
【0034】
【化11】 (式中、X2 はニトロ基、保護基により保護されていて
もよいヒドロキシル基、保護基により保護されていても
よいアミノ基又はN−置換アミノ基、保護基により保護
されていてもよいヒドロキシル基、保護基により保護さ
れていてもよいカルボキシル基、保護基により保護され
ていてもよいヒドロキシメチル基、またはイソシアナト
基を示し、X3a及びX4aは同一又は異なって、水素原
子、アルキル基、ニトロ基、保護基により保護されてい
てもよいヒドロキシル基、保護基により保護されていて
もよいアミノ基又はN−置換アミノ基、保護基により保
護されていてもよいカルボキシル基、保護基により保護
されていてもよいヒドロキシメチル基、またはイソシア
ナト基を示す)で表されるアダマンタン誘導体を、下記
酸化工程(i),ニトロ化工程(ii)およびカルボキシ
ル化工程(iii)のうち少なくとも1つの工程に供する
ことにより製造できる。 (i)下記式(2)
【0035】
【化12】 (式中、R1 及びR2 は、同一又は異なって、水素原
子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シクロア
ルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシ
ル基、アルコキシカルボニル基、アシル基を示し、R1
及びR2 は互いに結合して二重結合、または芳香族性又
は非芳香族性の環を形成してもよい。Yは酸素原子又は
ヒドロキシル基を示し、nは1〜3の整数を示す)で表
されるイミド化合物で構成された触媒の存在下、酸素に
よる酸化工程 (ii)下記(iia)〜(iic)の少なくとも1つのニトロ
化工程 (iia)前記式(2)で表されるイミド化合物で構成された
触媒の存在下、窒素酸化物によるニトロ化工程、(iib)
酸化二窒素および一酸化窒素のうち少なくともいずれか
一方の窒素酸化物と酸素とによるニトロ化工程、および
(iic)二酸化窒素によるニトロ化工程 (iii)前記式(2)で表されるイミド化合物で構成され
た触媒の存在下、一酸化炭素および酸素によるカルボキ
シル化工程 前記ニトロ化工程及び/又はカルボキシル化工程の後、
還元工程に供することにより、アミノ基,ヒドロキシメ
チル基などを生成させてもよい。生成したアミノ基は、
慣用の方法によりイソシアナト基に変換できる。より具
体的には、前記アダマンタン誘導体は、例えば、下記反
応工程式(I)〜(V)に従って得ることができる。
【0036】ヒドロキシル基(保護基で保護されたヒド
ロキシル基を含む)とともに、ニトロ基又はアミノ基
(保護基で保護されたアミノ基を含む)を有するアダマ
ンタン誘導体は、例えば下記反応工程式(I)に従って
得ることができる。反応工程式(I)
【0037】
【化13】 (式中、X1bはOHを示し、X2bはNO2 又はNH2
示す。X3b、X4b、X3c、X4c、X3d、X4d、X3e、X
4e、X3f、X4f、X3g、X4gは、同一又は異なって、
H、R、NO2 、OH、NH2 、COOH、CH2 OH
またはNCOを示す) [ニトロ化反応]反応工程式(I)におけるニトロ化反
応[化合物(Ib)を化合物(Ic)へ導くニトロ化反応、
化合物(Ie)から化合物(Ia)又は化合物(If)を生成
させるニトロ化反応]は、慣用の方法[例えば、ニトロ
化剤(例えば、硫酸と硝酸との混酸、硝酸、硝酸及び有
機酸(例えば、酢酸などのカルボン酸)、硝酸塩及び硫
酸、五酸化二窒素など)を用いる方法など]により行う
ことができる。好ましいニトロ化方法としては、例え
ば、前記式(2)で表されるイミド化合物、又はイミ
ド化合物(2)と後述する助触媒とで構成された触媒系
の存在下、基質[化合物(Ib)又は化合物(Ie)]と、
窒素酸化物とを接触させるニトロ化方法、及び触媒の
非存在下、酸化二窒素及び一酸化窒素のうち少なくとも
いずれか一方の窒素化合物と酸素とを用いて、基質をニ
トロ化する方法、二酸化窒素と基質とを接触させるニ
トロ化方法が挙げられる。
【0038】化合物(Ib)には、例えば、アダマンタ
ン、アルキル基を有するアダマンタン(例えば、1−メ
チルアダマンタン、1,3−ジメチルアダマンタン、1
−エチルアダマンタン、1−プロピルアダマンタン、1
−イソプロピルアダマンタン、1−ブチルアダマンタン
など炭素数1〜6のアルキル基を有するアダマンタンな
ど)、すでに1以上のニトロ基を有するアダマンタン
(1−ニトロアダマンタン、1,3−ジニトロアダマン
タンなど)、カルボキシル基を有するアダマンタン(1
−カルボキシアダマンタン)、ヒドロキシメチル基を有
するアダマンタン(1−ヒドロキシメチルアダマンタ
ン)などが含まれる。化合物(Ib)としては、アダマン
タン、炭素数1〜4のアルキル基を有するアダマンタン
(好ましくは炭素数1〜2のアルキル基を有するアダマ
ンタン、特にメチル基を有するアダマンタン)を用いる
場合が多い。化合物(Ib)をニトロ化反応に供すると、
化合物(Ic)を得ることができ、例えば、化合物(Ib)
のうちアダマンタンをニトロ化に供すると、1−ニトロ
アダマンタン、1,3−ジニトロアダマンタン、1,
3,5−トリニトロアダマンタンを得ることができる。
【0039】化合物(Ie)には、例えば、1−アダマン
タノール、3−メチル−1−アダマンタノール、3,5
−ジメチル−1−アダマンタノール、1,3−アダマン
タンジオール、5−メチル−1,3−アダマンタンジオ
ール、1,3,5−アダマンタントリオールなどのヒド
ロキシル基を有するアダマンタンなどが含まれる。化合
物(Ie)をニトロ化反応に供すると、化合物(Ia)又は
化合物(If)を得ることができる。例えば、化合物(I
e)のうち1−アダマンタノールをニトロ化反応に供す
ると、1−ニトロ−3−アダマンタノール、1,3−ジ
ニトロ−5−アダマンタノール、1,3,5−トリニト
ロ−7−アダマンタノールなどを得ることができる。ま
た、基質として1,3−アダマンタンジオールを用い、
ニトロ化反応に供すると、1−ニトロ−3,5−アダマ
ンタンジオール、1,3−ジニトロ−5,7−アダマン
タンジオールなどが得られ、また、1,3,5−アダマ
ンタントリオールを基質として用いると、1−ニトロ−
3,5,7−アダマンタントリオールなどが得られる。
【0040】[イミド化合物で構成された触媒]前記式
(2)で表されるイミド化合物において、置換基R1
びR2 のうちハロゲン原子には、ヨウ素、臭素、塩素お
よびフッ素原子が含まれる。アルキル基には、例えば、
メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イ
ソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘ
キシル、ヘプチル、オクチル、デシル基などの炭素数1
〜10程度の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基が含まれ
る。好ましいアルキル基としては、例えば、炭素数1〜
6程度、特に炭素数1〜4程度の低級アルキル基が挙げ
られる。アリール基には、フェニル基、ナフチル基など
が含まれ、シクロアルキル基には、シクロペンチル、シ
クロヘキシル、シクロオクチル基などが含まれる。アル
コキシ基には、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキ
シ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、t−ブ
トキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ基などの炭素
数1〜10程度、好ましくは炭素数1〜6程度、特に炭
素数1〜4程度の低級アルコキシ基が含まれる。アルコ
キシカルボニル基には、例えば、メトキシカルボニル、
エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロ
ポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシ
カルボニル、t−ブトキシカルボニル、ペンチルオキシ
カルボニル、ヘキシルオキシカルボニル基などのアルコ
キシ部分の炭素数が1〜10程度のアルコキシカルボニ
ル基が含まれる。好ましいアルコキシカルボニル基に
は、アルコキシ部分の炭素数が1〜6程度、特に1〜4
程度の低級アルコキシカルボニル基が含まれる。アシル
基としては、例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニ
ル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリ
ル、ピバロイル基などの炭素数1〜6程度のアシル基が
例示できる。
【0041】前記置換基R1 及びR2 は、同一又は異な
っていてもよい。また、前記式(2)において、R1
よびR2 は互いに結合して、二重結合、または芳香族性
又は非芳香族性の環を形成してもよい。好ましい芳香族
性又は非芳香族性環は5〜12員環、特に6〜10員環
程度であり、複素環又は縮合複素環であってもよいが、
炭化水素環である場合が多い。このような環には、例え
ば、非芳香族性脂環族環(シクロヘキサン環などの置換
基を有していてもよいシクロアルカン環、シクロヘキセ
ン環などの置換基を有していてもよいシクロアルケン環
など)、非芳香族性橋かけ環(5−ノルボルネン環など
の置換基を有していてもよい橋かけ式炭化水素環な
ど)、ベンゼン環、ナフタレン環などの置換基を有して
いてもよい芳香族環が含まれる。前記環は、芳香族環で
構成される場合が多い。
【0042】好ましいイミド化合物には、下記式(2a)
〜(2f)で表される化合物が含まれる。
【0043】
【化14】 (式中、R3 〜R6 は、同一又は異なって、水素原子、
アルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキ
シル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、ニトロ
基、シアノ基、アミノ基、ハロゲン原子を示す。R1
2 、Yおよびnは前記に同じ) 置換基R3 〜R6 において、アルキル基には、前記
1 、R2 の項で例示のアルキル基と同様のアルキル
基、特に炭素数1〜6程度のアルキル基が含まれ、アル
コキシ基には、前記と同様のアルコキシ基、特に炭素数
1〜4程度の低級アルコキシ基、アルコキシカルボニル
基には、前記と同様のアルコキシカルボニル基、特にア
ルコキシ部分の炭素数が1〜4程度の低級アルコキシカ
ルボニル基が含まれる。また、アシル基としては、前記
と同様のアシル基、特に炭素数1〜6程度のアシル基が
例示され、ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素
原子が例示できる。置換基R3 〜R6 は、通常、水素原
子、炭素数1〜4程度の低級アルキル基、カルボキシル
基、ニトロ基、ハロゲン原子である場合が多い。
【0044】前記式(2)において、Yは酸素原子又は
ヒドロキシル基を示し、nは、通常、1〜3程度、好ま
しくは1又は2である。前記式(2)で表されるイミド
化合物は一種又は二種以上使用できる。
【0045】前記式(2)で表されるイミド化合物に対
応する酸無水物には、例えば、無水コハク酸、無水マレ
イン酸などの飽和又は不飽和脂肪族多価カルボン酸無水
物、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタ
ル酸(1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物)、
1,2,3,4−シクロヘキサンテトラカルボン酸1,
2−無水物などの飽和又は不飽和非芳香族性環状多価カ
ルボン酸無水物(脂環族多価カルボン酸無水物)、無水
ヘット酸、無水ハイミック酸などの橋かけ環式多価カル
ボン酸無水物(脂環族多価カルボン酸無水物)、無水フ
タル酸、テトラブロモ無水フタル酸、テトラクロロ無水
フタル酸、無水ニトロフタル酸、無水トリメリット酸、
メチルシクロヘキセントリカルボン酸無水物、無水ピロ
メリット酸、無水メリト酸、1,8;4,5−ナフタレ
ンテトラカルボン酸二無水物などの芳香族多価カルボン
酸無水物が含まれる。
【0046】好ましいイミド化合物としては、例えば、
脂肪族多価カルボン酸無水物から誘導されるイミド化合
物(例えば、N−ヒドロキシコハク酸イミド、N−ヒド
ロキシマレイン酸イミドなど)、脂環族多価カルボン酸
無水物又は芳香族多価カルボン酸無水物から誘導される
イミド化合物(例えば、N−ヒドロキシヘキサヒドロフ
タル酸イミド、N,N′−ジヒドロキシシクロヘキサン
テトラカルボン酸イミド、N−ヒドロキシフタル酸イミ
ド、N−ヒドロキシテトラブロモフタル酸イミド、N−
ヒドロキシテトラクロロフタル酸イミド、N−ヒドロキ
シヘット酸イミド、N−ヒドロキシハイミック酸イミ
ド、N−ヒドロキシトリメリット酸イミド、N,N′−
ジヒドロキシピロメリット酸イミド、N,N′−ジヒド
ロキシナフタレンテトラカルボン酸イミドなど)などが
挙げられる。特に好ましいイミド化合物には、脂環族多
価カルボン酸無水物、なかでも芳香族多価カルボン酸無
水物から誘導されるN−ヒドロキシイミド化合物、例え
ば、N−ヒドロキシフタル酸イミドなどが含まれる。
【0047】前記イミド化合物は、慣用のイミド化反
応、例えば、対応する酸無水物とヒドロキシルアミンN
2 OHとを反応させて酸無水物基を開環した後、閉環
してイミド化することにより調製できる。
【0048】前記式(2)で表されるイミド化合物で構
成される触媒は、均一系であってもよく、不均一系であ
ってもよい。また、触媒は、担体に触媒成分が担持され
た固体触媒であってもよい。担体としては、活性炭、ゼ
オライト、シリカ、シリカ−アルミナ、ベントナイトな
どの多孔質担体を用いる場合が多い。固体触媒における
触媒成分の担持量は、担体100重量部に対して、前記
式(2)で表されるイミド化合物0.1〜50重量部、
好ましくは0.5〜30重量部、さらに好ましくは1〜
20重量部程度である。
【0049】[窒素酸化物]ニトロ化反応で使用される
窒素酸化物は、式(3) Nn m で表される。(式
中、nは1又は2の整数、mは1〜6の整数を示す) 式(3)で表される窒素酸化物において、nが1である
場合、mは通常1〜3の整数であり、nが2である場
合、mは通常1〜6の整数である。このような窒素酸化
物としては、例えば、N2 O、NO、N2 3 、NO2
(二酸化窒素)、N2 4 、N2 5 、NO3 、N2
6 などが例示できる。窒素酸化物は単独で又は二種以上
組み合わせて使用できる。
【0050】好ましい窒素酸化物には、例えば、酸化
二窒素(N2 O)及び一酸化窒素(NO)から選択され
た少なくとも一種の窒素酸化物と酸素との反応により生
成する窒素酸化物(特にN2 3 )又はN2 3 を主成
分として含む窒素酸化物、二酸化窒素(NO2 )又は
NO2 を主成分として含む窒素酸化物が含まれる。
【0051】なお、N2 3 は、N2 O及び/又はNO
と、酸素との反応で容易に得ることができる。そのた
め、N2 3 を予め生成させることなく、N2 O及び/
又はNOと、酸素とを反応系に導入することによりニト
ロ化を行ってもよい。酸素は、純粋な酸素を用いてもよ
く、不活性ガス(例えば、二酸化炭素、窒素、ヘリウ
ム、アルゴンなど)で希釈して使用してもよい。なお、
酸素源として空気を用いてもよい。この場合、触媒の非
存在下で反応を行っても、対応するニトロ化合物を収率
よく得ることができる。また、二酸化窒素と基質とを接
触させる場合においても、触媒を用いることなく良好な
収率でニトロ化合物を生成できる。
【0052】前記式(2)で表されるイミド化合物の使
用量は、広い範囲、例えば、基質1モルに対して0.0
01モル(0.1モル%)〜1モル(100モル%)、
好ましくは0.001モル(0.1モル%)〜0.5モ
ル(50モル%)、さらに好ましくは0.01〜0.3
モル程度の範囲から選択でき、0.01〜0.25モル
程度である場合が多い。
【0053】前記イミド化合物(2)は、後述する酸化
触媒の助触媒と組合わせて触媒系を構成してもよい。助
触媒の種類および使用量は、後述する助触媒と同様の範
囲から選択できる。窒素酸化物の使用量は、ニトロ基の
導入量に応じて選択でき、例えば、基質1モルに対して
1〜50モル、好ましくは1.5〜30モル程度の範囲
から選択でき、通常、2〜25モル程度である。
【0054】ニトロ化反応は、通常、反応に不活性な有
機溶媒中で行われる。有機溶媒としては、例えば、有機
酸(例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸などのカルボン
酸、シュウ酸、クエン酸、酒石酸などのオキシカルボン
酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸などのスルホ
ン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸な
どのアリールスルホン酸など)、ニトリル類(例えば、
アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルな
ど)、アミド類(例えば、ホルムアミド、アセトアミ
ド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドな
ど)、アルコール類(例えば、t−ブタノール、t−ア
ミルアルコールなど)、脂肪族炭化水素類(例えば、ヘ
キサン、オクタンなど)、芳香族炭化水素類(例えば、
ベンゼンなど)、ハロゲン化炭化水素類(例えば、クロ
ロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭
素、クロロベンゼンなど)、ニトロ化合物(例えば、ニ
トロベンゼン、ニトロメタン、ニトロエタンなど)、エ
ステル類(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオ
ン酸エチルなどのC2-10脂肪族カルボン酸−C1-10アル
キルエステル、酢酸フェニル、プロピオン酸フェニルな
どのカルボン酸アリールエステル、安息香酸メチル、フ
タル酸ジメチルなどのC7-12芳香族カルボン酸−C1-10
アルキルエステルなど)、エーテル類(例えば、ジメチ
ルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテ
ル、ジオキサン、テトラヒドロフランなど)、これらの
混合溶媒などが挙げられる。溶媒としては、有機酸(例
えば、酢酸などのカルボン酸)、ニトリル類(例えば、
ベンゾニトリルなど)、ハロゲン化炭化水素類(例え
ば、ジクロロエタンなど)を用いる場合が多い。
【0055】前記イミド化合物で構成された触媒を用い
ると、ニトロ化反応は、比較的温和な条件であっても円
滑に進行する。反応温度は、イミド化合物や基質の種類
などに応じて、例えば、0〜150℃、好ましくは25
〜125℃、さらに好ましくは30〜100℃程度の範
囲から選択できる。ニトロ化反応は、常圧又は加圧下で
行うことができる。
【0056】[酸化反応]反応工程式(I)における酸
化反応[化合物(Ib)から化合物(Ie)を生成させる酸
化反応、化合物(Ic)又は化合物(Id)を化合物(Ia)
に導く酸化反応]は、前記式(2)で表されるイミド化
合物で構成された酸化触媒の存在下、基質[化合物(I
b)、化合物(Ic)又は化合物(Id)]を酸素酸化する
方法を用いることができる。
【0057】化合物(Ib)をこのイミド化合物(2)を
用いる酸化反応(酸素酸化方法)に供すると、化合物
(Ie)を得ることができ、例えば、化合物(Ib)のうち
アダマンタンを酸化すると、1−アダマンタノール、
1,3−アダマンタンジオールなどを得ることができ
る。1−カルボキシアダマンタンを酸化すると1−カル
ボキシ−3−アダマンタノールなどを得ることができ
る。
【0058】化合物(Ic)としては、例えば、1−ニト
ロアダマンタン、1−ニトロ−3−メチルアダマンタ
ン、1−ニトロ−3,5−ジメチルアダマンタン、1,
3−ジニトロアダマンタン、1,3−ジニトロ−5−メ
チルアダマンタン、1,3,5−トリニトロアダマンタ
ンなどが含まれる。化合物(Ic)を前記イミド化合物で
構成された酸化触媒を用いる酸素酸化方法に適用する
と、化合物(Ia)のうちX 2bがニトロ基であるアダマン
タン誘導体[ニトロ基を有する化合物(Ia)]を得るこ
とができる。例えば、化合物(Ic)のうち1−ニトロア
ダマンタンを、前記式(2)で表されるイミド化合物の
存在下、酸素と接触させると、1−ニトロ−3−アダマ
ンタノール、1−ニトロ−3,5−アダマンタンジオー
ル、1−ニトロ−3,5,7−アダマンタントリオール
などを得ることができる。また、本発明では、1,3−
ジニトロアダマンタンを酸素酸化すると、1,3−ジニ
トロ−5−アダマンタノール、1,3−ジニトロ−5,
7−アダマンタンジオールなどを得ることができる。
【0059】化合物(Id)には、例えば、1−アミノア
ダマンタン、1−アミノ−3−メチルアダマンタン、1
−アミノ−3,5−ジメチルアダマンタン、1,3−ジ
アミノアダマンタン、1,3−ジアミノ−5−メチルア
ダマンタン、1,3,5−トリアミノアダマンタンなど
が含まれる。化合物(Id)を前記イミド化合物を用いる
酸素酸化方法に適用すると、化合物(Ia)のうちX2b
アミノ基であるアダマンタン誘導体[アミノ基を有する
化合物(Ia)]を得ることができる。例えば、化合物
(Id)のうち1−アミノアダマンタンを、前記酸素酸化
方法に供すると、1−アミノ−3−アダマンタノール、
1−アミノ−3,5−アダマンタンジオール、1−アミ
ノ−3,5,7−アダマンタントリオールなどを得るこ
とができる。また、1,3−ジアミノアダマンタンを酸
素酸化すると、1,3−ジアミノ−5−アダマンタノー
ル、1,3−ジアミノ−5,7−アダマンタンジオール
などを得ることができる。1,3,5−トリアミノアダ
マンタンを酸化すると、1,3,5−トリアミノ−7−
アダマンタノールなどを得ることができる。
【0060】[酸化触媒]酸化触媒は前記ニトロ化反応
の項で例示のイミド化合物(2)で構成してもよく、こ
のイミド化合物及び助触媒で構成してもよい。助触媒に
は、金属化合物、例えば、周期表2A族元素(マグネシ
ウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなど)、
遷移金属化合物や、周期表3B族元素(ホウ素B、アル
ミニウムAlなど)を含む化合物が含まれる。助触媒
は、一種又は二種以上組合わせて使用できる。
【0061】前記遷移金属の元素としては、例えば、周
期表3A族元素(例えば、スカンジウムSc、イットリ
ウムYの外、ランタンLa,セリウムCe、サマリウム
Smなどのランタノイド元素、アクチニウムAcなどの
アクチノイド元素)、4A族元素(チタンTi、ジルコ
ニウムZr、ハフニウムHfなど)、5A族元素(バナ
ジウムV、ニオブNb、タンタルTaなど)、6A族元
素(クロムCr、モリブデンMo、タングステンWな
ど)、7A族元素(マンガンMn、テクネチウムTc、
レニウムReなど)、8族元素(鉄Fe、ルテニウムR
u、オスミウムOs、コバルトCo、ロジウムRh、イ
リジウムIr、ニッケルNi、パラジウムPd、白金P
tなど)、1B族元素(銅Cu、銀Ag,金Auな
ど)、2B族元素(亜鉛Zn、カドミウムCdなど)な
どが挙げられる。
【0062】好ましい助触媒を構成する元素には、遷移
金属の元素(例えば、Ceなどのランタノイド元素、ア
クチノイド元素などの周期表3A族元素、Ti、Zrな
どの4A族元素、V、Nbなどの5A族元素、Cr、M
o、Wなどの6A族元素、Mn、Tc、Reなどの7A
族元素、Fe、Ru、Co、Rh、Niなどの8族元
素、Cuなどの1B族元素)、Bなどの3B族元素が含
まれる。助触媒を構成する金属元素の酸化数は、特に制
限されず、元素の種類に応じて、例えば、0、+2、+
3、+4、+5、+6などであってもよい。助触媒とし
ては、二価の遷移金属化合物(例えば、二価のコバルト
化合物、二価のマンガン化合物)、三価の周期表5A族
元素を含む化合物(バナジウム化合物など)、三価の周
期表6A族元素を含む化合物(モリブデン化合物など)
などを用いる場合が多い。
【0063】助触媒は、金属単体、水酸化物などであっ
てもよいが、通常、前記元素を含む金属酸化物(複酸化
物または酸素酸若しくはその塩も含む)、有機酸塩、無
機酸塩、ハロゲン化物、前記金属元素を含む配位化合物
(錯体)やポリ酸(ヘテロポリ酸やイソポリ酸)又はそ
の塩などである場合が多い。また、ホウ素化合物として
は、例えば、水酸化ホウ素(例えば、ボラン、ジボラ
ン、テトラボラン、ペンタボラン、デカボランなど)、
ホウ酸(例えば、オルトホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸
など)、ホウ酸塩(例えば、ホウ酸ニッケル、ホウ酸マ
グネシウム、ホウ酸マンガンなど)、B2 3 などのホ
ウ素酸化物、ボラザン、ボラゼン、ボラジン、ホウ素ア
ミド、ホウ素イミドなどの窒素化合物、BF3 ,BCl
3 、テトラフルオロホウ酸塩などのハロゲン化物、ホウ
酸エステル(例えば、ホウ酸メチル、ホウ酸フェニルな
ど)などが挙げられる。好ましいホウ素化合物には、水
素化ホウ素、オルトホウ酸などのホウ酸又はその塩な
ど、特にホウ酸が含まれる。
【0064】水酸化物には、例えば、Mn(OH)2
MnO(OH),Fe(OH)2 ,Fe(OH)3 など
が含まれる。金属酸化物には、例えば、Sm2 3 、T
iO 2 、ZrO2 、V2 3 、V2 5 、CrO、Cr
2 3 、MoO3 、MnO、Mn34 ,Mn23
MnO2 ,Mn27 ,FeO、Fe2 3 、Fe3
4 、RuO2 、RuO4 、CoO、CoO2 、Co2
3 、RhO2 、Rh2 3 、Cu2 3 などが含まれ、
複酸化物または酸素酸塩としては、例えば、MnAl2
4 ,MnTiO3 ,LaMnO3 ,K2 Mn25
CaO・xMnO2 (x=0.5,1,2,3,5),
マンガン酸塩[例えば、Na3 MnO 4 ,Ba3 [Mn
42 などのマンガン(V)酸塩,K2 MnO4 ,N
2 MnO4 ,BaMnO4 などのマンガン(VI)酸
塩、KMnO4 ,NaMnO4 ,LiMnO4 ,NH4
MnO4 ,CsMnO4 ,AgMnO4 ,Ca(MnO
42 ,Zn(MnO42 ,Ba(MnO42 ,M
g(MnO42 ,Cd(MnO42 などの過マンガ
ン酸塩]が含まれる。
【0065】有機酸塩としては、例えば、酢酸コバル
ト、酢酸マンガン、プロピオン酸コバルト、プロピオン
酸マンガン、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸マンガ
ン、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸マンガンなど
のC2-20脂肪酸塩、チオシアン酸マンガンや対応するC
e塩、Ti塩,Zr塩,V塩,Cr塩、Mo塩,Fe
塩、Ru塩,Ni塩、Pd塩、Cu塩,Zn塩などが例
示され、無機酸塩としては、例えば、硝酸コバルト、硝
酸鉄、硝酸マンガン、硝酸ニッケル、硝酸銅などの硝酸
塩やこれらに対応する硫酸塩,リン酸塩および炭酸塩
(例えば、硫酸コバルト、硫酸鉄、硫酸マンガン、リン
酸コバルト、リン酸鉄、リン酸マンガン、炭酸鉄、炭酸
マンガン、過塩素酸鉄など)が挙げられる。また、ハロ
ゲン化物としては、例えば、SmCl3 、SmI2 、T
iCl2 、ZrCl2 、ZrOCl2 、VCl3 、VO
Cl2 、MnCl2 ,MnCl3 、FeCl2 、FeC
3 、RuCl3 、CoCl2 、RhCl2 、RhCl
3 、NiCl2 、PdCl2 、PtCl2 、CuCl、
CuCl2 などの塩化物や、これらに対応するフッ化
物,臭化物やヨウ化物(例えば、MnF2 ,MnBr
2 ,MnF3 ,FeF2 、FeF 3 、FeBr2 、Fe
Br3 、FeI2 、CuBr、CuBr2 など)などの
ハロゲン化物、M1 MnCl3 ,M1 2MnCl4 ,M1 2
MnCl5 ,M1 2MnCl 6 (M1 は一価金属を示す)
などの複ハロゲン化物などが挙げられる。
【0066】錯体を形成する配位子としては、OH(ヒ
ドロキソ)、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキ
シ基などのアルコキシ基、アセチル、プロピオニルなど
のアシル基、メトキシカルボニル(アセタト)、エトキ
シカルボニルなどのアルコキシカルボニル基、アセチル
アセトナト、シクロペンタジエニル基、塩素、臭素など
ハロゲン原子、CO、CN、酸素原子、H2 O(ア
コ)、ホスフィン(例えば、トリフェニルホスフィンな
どのトリアリールホスフィン)などのリン化合物、NH
3 (アンミン)、NO、NO2 (ニトロ)、NO3 (ニ
トラト)、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、
ピリジン、フェナントロリンなどの窒素含有化合物など
が挙げられる。錯体又は錯塩において、同種又は異種の
配位子は一種又は二種以上配位していてもよい。配位子
は、例えば、OH、アルコキシ基、アシル基、アルコキ
シカルボニル基、アセチルアセトナト、ハロゲン原子、
CO、CN、H2 O(アコ)、トリフェニルホスフィン
などのリン化合物や、NH3 、NO2 、NO3 を含めて
窒素含有化合物である場合が多い。
【0067】前記遷移金属元素と配位子は適当に組合せ
て錯体を構成することができ、例えば、アセチルアセト
ナト錯体(Ce,Sm,Ti,Zr,V,Cr,Mo,
Mn,Fe,Ru,Co,Ni,Cu,Znなどのアセ
チルアセトナト錯体や、チタニルアセチルアセトナト錯
体TiO(AA)2 、ジルコニルアセチルアセトナト錯
体ZrO(AA)2 、バナジルアセチルアセトナト錯体
VO(AA)2 など)、シアノ錯体(ヘキサシアノマン
ガン(I)酸塩,ヘキサシアノ鉄(II)酸塩など)、カ
ルボニル錯体やシクロペンタジエニル錯体(トリカルボ
ニルシクロペンタジエニルマンガン(I)、ビスシクロ
ペンダジエニルマンガン(II)、ビスシクロペンタジエ
ニル鉄(II)、Fe(CO)5 ,Fe2 (CO)9 ,F
3 (CO)12など)、ニトロシル化合物(Fe(N
O)4 ,Fe(CO)2 (NO)2など)、チオシアナ
ト錯体(コバルトチオシアナト,マンガンチオシアナ
ト,鉄チオシアナトなど)、アセチル錯体(酢酸コバル
ト,酢酸マンガン,酢酸鉄,酢酸銅,酢酸ジルコニルZ
rO(OAc)2 、酢酸チタニルTiO(OAc)2
酢酸バナジルVO(OAc)2 など)などであってもよ
い。
【0068】ポリ酸は、例えば、周期表5族又は6族元
素、例えば、V(バナジン酸)、Mo(モリブデン酸)
およびW(タングステン酸)の少なくとも一種である場
合が多く、中心原子は特に制限されず、例えば、Be、
B、Al、Si、Ge、Sn、Ti、Zr、Th、N、
P、As、Sb、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、
S、Se、Te、Mn、I、Fe、Co、Ni、Rh、
Os、Ir、Pt、Cu等であってもよい。ヘテロポリ
酸の具体例としては、例えばコバルトモリブデン酸、コ
バルトタングステン酸、モリブデンタングステン酸、マ
ンガンモリブデン酸、マンガンタングステン酸、マンガ
ンモリブデンタングステン酸、バナドモリブドリン酸、
マンガンバナジウムモリブデン酸、マンガンバナドモリ
ブドリン酸、バナジウムモリブデン酸、バナジウムタン
グステン酸、ケイモリブデン酸、ケイタングステン酸、
リンモリブデン酸、リンタングステン酸、リンバナドモ
リブデン酸、リンバナドタングステン酸等が挙げられ
る。
【0069】前記助触媒のうち二価の遷移金属化合物
(例えば、二価のコバルト化合物、二価のマンガン化合
物など)、周期表4A族元素(例えば、Ti、Zrな
ど)、5A族元素(例えば、Vなど)、6A族元素(例
えば、Cr、Moなど)、7A族元素(例えば、Mnな
ど)、8族元素(例えば、Coなど)から選択された元
素を含有する化合物を用いると、酸化活性を向上でき、
ヒドロキシル基含有アダマンタンを高い転化率及び選択
率で得ることができる。特に周期表5A族元素(Vな
ど)を含む化合物を助触媒として使用すると、基質の複
数部位(アダマンタンの橋頭位や接合位)を効率よく酸
化でき、複数のヒドロキシル基が導入されたアダマンタ
ンが得られる。
【0070】また、周期表4A族元素(Ti、Zrな
ど)、5A族元素(Cr、Moなど)、7A族元素(M
nなど)のうち少なくとも1つの元素を含む化合物を助
触媒として用いると、反応条件が厳しくても、触媒(特
にイミド化合物)の失活を大きく抑制できる。そのた
め、工業的に有利に基質を酸素酸化することができる。
【0071】前記式(2)で表されるイミド化合物、又
はこのイミド化合物および前記助触媒で構成される酸化
触媒は、均一系であってもよく、不均一系であってもよ
い。また、触媒は、担体に触媒成分が担持された固体触
媒であってもよい。担体としては、前記ニトロ化反応の
項で例示の担体を用いることができる。固体触媒におけ
る触媒成分の担持量のうち前記式(2)で表されるイミ
ド化合物の担持量は、前記ニトロ化反応の項で例示の固
体触媒におけるイミド化合物の担持量の範囲から選択で
きる。また、助触媒の担持量は、担体100重量部に対
して、0.1〜30重量部、好ましくは0.5〜25重
量部、さらに好ましくは1〜20重量部程度である。
【0072】[酸素]酸化反応で利用される酸素は純粋
な酸素であってもよく、不活性ガス(例えば、二酸化炭
素、窒素、ヘリウム、アルゴンなど)で希釈して使用し
てもよい。なお、酸素源として空気を用いてもよい。
【0073】前記式(2)で表されるイミド化合物の使
用量は、前記ニトロ化反応の項で例示のイミド化合物の
使用量の範囲から選択できる。助触媒の使用量は、広い
範囲、例えば、基質1モルに対して0.0001モル
(0.01モル%)〜0.7モル(70モル%)、好ま
しくは0.0001〜0.5モル、さらに好ましくは
0.001〜0.3モル程度の範囲から選択でき、0.
0005〜0.1モル(例えば、0.005〜0.1モ
ル)程度である場合が多い。なお、式(2)で表される
イミド化合物に対する助触媒の割合は、反応速度、選択
率を損なわない範囲で選択でき、例えば、イミド化合物
1モルに対して、助触媒0.001〜10モル、好まし
くは0.005〜5モル、さらに好ましくは0.01〜
3モル程度であり、0.01〜5モル(特に0.001
〜1モル)程度である場合が多い。
【0074】なお、助触媒の量が増加するにつれて、イ
ミド化合物の活性が低下する場合がある。そのため、酸
化触媒系の高い活性を維持するためには、助触媒の割合
は、イミド化合物1モルに対して、有効量以上であって
0.1モル以下(例えば、0.001〜0.1モル、好
ましくは0.005〜0.08モル、さらに好ましくは
0.01〜0.07モル程度)であるのが好ましい。
【0075】酸素の使用量は、基質の種類に応じて選択
でき、通常、基質1モルに対して、0.5モル以上(例
えば、1モル以上)、好ましくは1〜100モル、さら
に好ましくは2〜50モル程度である。基質に対して過
剰モルの酸素を使用する場合が多く、特に空気や酸素な
どの分子状酸素を含有する雰囲気下で反応させるのが有
利である。
【0076】酸化反応は、反応に不活性な有機溶媒中で
行ってもよく、このような有機溶媒として、前記ニトロ
化反応の項で例示の有機溶媒を用いることができる。好
ましい有機溶媒には、有機酸(例えば、酢酸などのカル
ボン酸など)、ニトリル類(例えば、ベンゾニトリルな
ど)などが含まれる。
【0077】本発明では、比較的温和な条件であって
も、酸素酸化反応が円滑に進行する。反応温度は、イミ
ド化合物や基質の種類に応じて、例えば、0〜300
℃、好ましくは10〜250℃(例えば、10〜200
℃)、さらに好ましくは10〜150℃程度の範囲から
選択でき、通常、10〜100℃(例えば、10〜80
℃)程度である場合が多い。なお、反応は、常圧又は加
圧下で行ってもよい。
【0078】[還元反応]反応工程式(I)において、
ニトロ基を有する化合物(Ic)、化合物(Ie)を還元し
て、アミノ基を有する化合物(Ia)、化合物(Id)を生
成させる還元反応は、慣用の方法、例えば、還元剤とし
て水素を用いる接触水素添加法、水素化還元剤を用いる
還元法などにより行うことができる。
【0079】接触水素添加法では、触媒として、例え
ば、白金、パラジウム、ニッケル、コバルト、鉄、銅な
どの金属単体や、これらの金属元素を含む化合物(例え
ば、酸化白金、パラジウム黒、パラジウム炭素、亜クロ
ム酸銅など)を用いることができる。触媒の使用量は、
基質1モルに対して、通常、0.02〜1モル程度であ
る場合が多い。また、接触水素添加法では、反応温度
は、例えば、−20〜100℃(例えば、0〜90℃)
程度であってもよい。水素圧は、通常、1〜100気圧
(例えば、1〜50気圧)である場合が多い。
【0080】水素化還元剤を用いる還元法において、用
いられる水素化還元剤としては、例えば、水素化アルミ
ニウム、水素化アルミニウムリチウム、水素化トリアル
コキシアルミニウムリチウム、水素化ホウ素ナトリウ
ム、ジボラン、ビス−3−メチル−2−ブチルボラン、
金属(亜鉛、スズ、鉄)−酸、スルフィド類、ヒドラジ
ンなどが挙げられる。水素化還元剤を用いる還元は、無
水塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素などのルイス酸の
存在下で行うこともできる。水素化還元剤の使用量は、
基質1モルに対して、通常、1モル以上(例えば、1〜
10モル程度)である場合が多い。水素化還元剤を用い
る還元法において、反応温度は、通常、0〜200℃
(例えば、0〜170℃)程度である場合が多い。
【0081】なお、前記還元反応(接触水素添加法、水
素化還元剤を用いる方法による反応)は、還元反応に不
活性な溶媒(例えば、メタノールなどのアルコール類の
ほか、前記ニトロ化反応の項で例示のカルボン酸、エー
テル類、エステル類、アミド類など)の存在下で行って
もよい。また、接触水素添加法により還元反応を行う
際、触媒活性を向上させるため、反応系に塩酸などの酸
を添加してもよい。
【0082】化合物(Ic)を還元すると、化合物(Id)
を得ることができ、例えば、化合物(Ic)のうち1−ニ
トロアダマンタンを還元すると、1−アミノアダマンタ
ンを得ることができる。化合物(If)は、化合物(Ia)
のX2bがニトロ基である化合物に相当し、化合物(If)
を還元すると、化合物(Ia)のX2bがアミノ基である化
合物を得ることができる。例えば、化合物(If)のうち
1−ニトロ−3,5−アダマンタンジオールを還元する
と、1−アミノ−3,5−アダマンタンジオールを得る
ことができ、1−ニトロ−3−アダマンタノールを還元
すると、1−アミノ−3−アダマンタノールを得ること
ができる。
【0083】なお、基質の種類に応じて、ニトロ化反
応、酸化反応や還元反応の前後や、それぞれの反応過程
で、反応成分や反応生成物のヒドロキシル基[例えば、
化合物(Ia)、化合物(Ie)、化合物(If)などのヒド
ロキシル基]、ヒドロキシメチル基(ヒドロキシメチル
基のうちのヒドロキシル基に相当する部位)、アミノ基
[例えば、化合物(Ia)、化合物(Id)などのアミノ
基]、カルボキシル基は前記保護基により保護してもよ
い。ヒドロキシル基、ヒドロキシメチル基の保護基、ア
ミノ基の保護基、カルボキシル基の保護基の導入、脱離
は、慣用の方法、例えば、必要により、酸、アルカリ、
イオン交換樹脂、水素化分解用触媒などを用いた、エス
テル化、アミド化、カーバメート化、カーボネート化、
加水分解、水素化分解などの反応を利用して行うことが
できる。
【0084】ヒドロキシル基やアミノ基の保護基とし
て、例えば、アシル基を用いる場合、基質にアシル化剤
を作用させることにより、基質のヒドロキシル基、アミ
ノ基を保護できる。アシル化剤としては、例えば、酢
酸、プロピオン酸、n−酪酸、イソ酪酸、吉草酸、ピバ
リン酸などのC2-6 脂肪族1価カルボン酸(好ましくは
2-4 カルボン酸)、およびこれらの反応性誘導体[例
えば、酸無水物(例えば、無水酢酸、無水吉草酸な
ど)、酸ハロゲン化物(例えば、塩化アセチル、塩化プ
ロピオニル、塩化ブチリルなどの酸塩化物など)]など
が例示できる。アシル化剤として酸無水物、酸ハロゲン
化物を用いる場合には、反応で副生する酸を捕捉するた
め、塩基の存在下で反応を行う場合が多い。前記塩基と
しては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化ナトリウム
などのアルカリ金属の水酸化物、水酸化バリウムなどの
アルカリ土類金属の水酸化物、炭酸ナトリウムなどのア
ルカリ金属の炭酸塩、炭酸バリウムなどのアルカリ土類
金属の炭酸塩、炭酸水素ナトリウムなどのアルカリ金属
の炭酸水素塩などの無機塩基;トリエチルアミン、N−
メチルピペリジンなどの三級アミン、ピリジンなどの含
窒素塩基性複素環化合物などの有機塩基が挙げられる。
アシル化剤は単独で又は二種以上組合わせて用いること
ができる。
【0085】例えば、ヒドロキシル基を有する化合物
[例えば、化合物(Ia)、化合物(If)など]のうち1
−ニトロ−3−アダマンタノールを、酢酸(又は、塩化
アセチル若しくは無水酢酸)と反応させると、1−ニト
ロ−3−アセチルオキシアダマンタンを得ることができ
る。なお、この1−ニトロ−3−アセチルオキシアダマ
ンタンを還元することにより、1−アセチルオキシ−3
−アミノアダマンタンを得ることができる。上記と同様
にして、1,3−アダマンタンジオールから1−アセチ
ルオキシ−3−アダマンタノール及び/又は1,3−ビ
ス(アセチルオキシ)アダマンタン、1−アミノ−3−
アダマンタノールから1−アセチルアミノ−3−アダマ
ンタノール及び/又は1−アセチルアミノ−3−アセチ
ルオキシアダマンタン、1−カルボキシ−3−アダマン
タノールから1−アセチルオキシ−3−カルボキシアダ
マンタン、1−メトキシカルボニル−3−アダマンタノ
ールから1−アセチルオキシ−3−メトキシカルボニル
アダマンタン、1−ヒドロキシメチル−3−アダマンタ
ノールから1−アセチルオキシ−3−ヒドロキシメチル
アダマンタン及び/又は1−アセチルオキシメチル−3
−アダマンタノール及び/又は1−アセチルオキシ−3
−アセチルオキシメチルアダマンタン、1,3,5−ア
ダマンタントリオールから1−アセチルオキシ−3,5
−アダマンタンジオール及び/又は1,3−ビス(アセ
チルオキシ)−5−アダマンタノール及び/又は1,
3,5−トリス(アセチルオキシ)アダマンタンを得る
ことができる。
【0086】アミノ基を有する化合物(Id)のうち1−
アミノアダマンタンを酢酸と反応させ、酸素酸化する
と、1−アセチルアミノ−3−アダマンタノール、1−
アセチルアミノ−3,5−アダマンタンジオール、1−
アセチルアミノ−3,5,7−アダマンタントリオール
などを得ることができる。なお、酸素酸化反応におい
て、溶媒としてカルボン酸(例えば、酢酸、プロピオン
酸などのカルボン酸など)を用いると、酸化反応過程
で、ヒドロキシル基、アミノ基を保護基(アシル基)に
より保護することができる。
【0087】保護されたヒドロキシル基としてカーボネ
ート基を用いる場合、及び保護されたアミノ基としてカ
ーバメート基を用いる場合には、例えば、ヒドロキシル
基を有する化合物又はアミノ基を有する化合物に、ハロ
炭酸エステルを反応させることにより、前記ヒドロキシ
ル基、アミノ基をそれぞれ対応するカーボネート基、カ
ーバメート基に変換できる。この反応は、通常、塩基の
存在下で行われる。塩基としては前記例示のものを使用
できる。
【0088】例えば、1,3−アダマンタンジオール
に、塩化メトキシカルボニル(クロロ炭酸メチル)を反
応させることにより、1−メトキシカルボニルオキシ−
3−アダマンタノール及び/又は1,3−ビス(メトキ
シカルボニルオキシ)アダマンタンを得ることができ
る。同様にして、1−カルボキシ−3−アダマンタノー
ルから1−カルボキシ−3−メトキシカルボニルオキシ
アダマンタン、1−メトキシカルボニル−3−アダマン
タノールから1−メトキシカルボニル−3−メトキシカ
ルボニルオキシアダマンタン、1−アセチルオキシ−3
−アダマンタノールから1−アセチルオキシ−3−メト
キシカルボニルオキシアダマンタン、1−アセチルアミ
ノ−3−アダマンタノールから1−アセチルアミノ−3
−メトキシカルボニルオキシアダマンタン、1−ヒドロ
キシメチル−3−アダマンタノールから1−ヒドロキシ
メチル−3−メトキシカルボニルオキシアダマンタン及
び/又は1−メトキシカルボニルオキシメチル−3−ア
ダマンタノール及び/又は1−メトキシカルボニルオキ
シ−3−メトキシカルボニルオキシメチルアダマンタ
ン、1−(N,N−ジメチルカルバモイル)−3−アダ
マンタノールから1−(N,N−ジメチルカルバモイ
ル)−3−メトキシカルボニルオキシアダマンタン、1
−ニトロ−3−アダマンタノールから1−(メトキシカ
ルボニルオキシ)−3−ニトロアダマンタン、1,3,
5−アダマンタントリオールから1−(メトキシカルボ
ニルオキシ)−3,5−アダマンタンジオール及び/又
は1,3−ビス(メトキシカルボニルオキシ)−5−ア
ダマンタノール及び/又は1,3,5−トリス(メトキ
シカルボニルオキシ)アダマンタン、1−ニトロ−3,
5−アダマンタンジオールから1,3−ビス(メトキシ
カルボニルオキシ)−5−ニトロアダマンタン、1−カ
ルボキシ−3,5−アダマンタンジオールから1−カル
ボキシ−3,5−ビス(メトキシカルボニルオキシ)ア
ダマンタンを得ることができる。
【0089】保護されたヒドロキシル基としてカルバモ
イルオキシ基を用いる場合、例えば、ヒドロキシル基を
有する化合物に、必要に応じて、例えば前記例示の塩基
の存在下、イソシアネート化合物を反応させることによ
り、前記ヒドロキシル基を対応するカルバモイルオキシ
基に変換できる。例えば、1,3−アダマンタンジオー
ルに、ピリジンの存在下、メチルイソシアネートを反応
させると、1−(N−メチルカルバモイルオキシ)−3
−アダマンタノール及び/又は1,3−ビス(N−メチ
ルカルバモイルオキシ)アダマンタンを生成させること
ができる。同様に、1,3,5−アダマンタントリオー
ルから1−(N−メチルカルバモイルオキシ)−3,5
−アダマンタンジオール及び/又は1,3−ビス(N−
メチルカルバモイルオキシ)−5−アダマンタノール及
び/又は1,3,5−トリス(N−メチルカルバモイル
オキシ)アダマンタンを得ることができる。
【0090】また、N−置換アミノ基およびヒドロキシ
ル基を有するアダマンタン誘導体は、例えば、前記ア
ミノ基を有する化合物(Ia)と、ハロゲン化炭化水素
(例えば、ヨードメタン、ヨードエタン、ヨードブタ
ン、ブロモメタン、ブロモエタン、ブロモブタン、クロ
ロメタン、クロロエタンなどの脂肪族ハロゲン化炭化水
素など)とを反応させることにより、または化合物
(Id)とハロゲン化炭化水素との反応により生成した化
合物、すなわち化合物(Id)のアミノ基がN−置換アミ
ノ基に変換された化合物を、前記イミド化合物(2)を
用いる酸素酸化反応に供することにより得ることができ
る。アミノ基を有する化合物(Ia)や化合物(Id)と、
ハロゲン化炭化水素との反応は、脱ハロゲン化水素剤の
存在下行うことができる。脱ハロゲン化水素剤として
は、通常、塩基性化合物[例えば、有機塩基(例えば、
トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルアミ
ン、ジエチルアミン、メチレンジアミン、エチレンジア
ミンなどの脂肪族アミン、ピリジン、モルホリンなどの
複素環式アミンなどの塩基性窒素原子含有化合物な
ど)、無機塩基(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウムなどのアルカリ金属水酸化物、水酸化カルシウム
などのアルカリ土類金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭
酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩、炭酸カルシウム
などのアルカリ土類金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウム、
炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属炭酸水素塩、ナト
リウムメトキシド、ナトリウムエトキシドなどのアルカ
リ金属のアルコキシドなど)など]を用いる場合が多
い。
【0091】アミノ基を有する化合物(Ia)や化合物
(Id)と、ハロゲン化炭化水素との反応は、反応に不活
性な溶媒中で行ってもよい。このような溶媒としては、
前記ニトロ化反応の項で例示のハロゲン化炭化水素類、
エーテル類、エステル類、アミド類などが使用できる。
【0092】例えば、1,3−ジアミノ−5−アダマン
タノールと、ヨードメタンとを反応させると、1,3−
ジ(メチルアミノ)−5−アダマンタノール、1,3−
ジ(ジメチルアミノ)−5−アダマンタノールなどを得
ることができる。また、1,3−ジアミノ−5,7−ア
ダマンタンジオールと、ヨードエタンとを反応させる
と、1,3−ジ(エチルアミノ)−5,7−アダマンタ
ンジオール、1,3−ジ(ジエチルアミノ)−5,7−
アダマンタンジオールなどを生成させることができる。
【0093】カルボキシル基をアルコキシ基で保護する
場合(エステル基を形成する場合)、カルボキシル基を
有する化合物又はその誘導体(例えば、酸クロライドな
どの酸ハロゲン化物など)と、アルコール(例えば、メ
タノール、エタノールなど)又はその反応性誘導体(例
えば、低級アルキルエステル)とを、必要に応じて、酸
(例えば、塩酸、硫酸などの鉱酸など)又は塩基(例え
ば、前記例示の塩基など)の存在下、反応させることに
より、前記カルボキシル基を対応するエステル基に変換
できる。低級アルキルエステルには、例えば、酢酸メチ
ル、酢酸エチルなどの酢酸−C1-4 アルキルエステルや
これらに対応するプロピオン酸エステル(例えば、プロ
ピオン酸メチル、プロピオン酸エチルなど)などが含ま
れる。例えば、1−カルボキシ−3−アダマンタノール
を、酸の存在下、メタノールと反応させたり、1−カル
ボキシ−3−アダマンタノールに塩化チオニルを作用さ
せた後、トリエチルアミンなどの有機塩基の存在下、メ
タノールを反応させることにより1−メトキシカルボニ
ル−3−アダマンタノールを得ることができる。
【0094】また、カルボキシル基の保護基としてアミ
ノ基などを用いて、カルボキシル基をアミド結合を有す
る基に変換する場合(N−置換又は無置換カルバモイル
基を形成する場合)、慣用のアミド結合生成反応の条件
を適用できる。アミド結合生成反応は、例えば、(a)
混合酸無水物法、すなわち、カルボキシル基を有する化
合物に酸ハライド(例えば、塩化アセチル、塩化プロピ
オニル、臭化アセチルなど)を反応させて混合酸無水物
とし、これにアミン化合物を反応させる方法、(b)活
性エステル法、すなわち、基質を、p−ニトロフェニル
エステル、N−ヒドロキシコハク酸イミドエステル、1
−ヒドロキシベンゾトリアゾールエステルなどの活性エ
ステルとし、これにアミン化合物を反応させる方法、
(c)カルボジイミド法、すなわち、ジシクロヘキシル
カルボジイミド、カルボニルジイミダゾールなどの活性
化剤の存在下、基質にアミン化合物を縮合させる方法、
(d)基質を、無水酢酸などの脱水剤によりカルボン酸
無水物とし、これにアミン化合物を反応させる方法や、
基質を酸ハロゲン化物とし、これにアミン化合物を反応
させる方法などにより行うことができる。アミド結合形
成反応で使用されるアミン化合物には、例えば、アンモ
ニア又はその誘導体(例えば、塩化アンモニウムなどの
ハロゲン化アンモニウム)、第一級アミン、第2級アミ
ン、ヒドラジン又はその誘導体(例えば、t−ブトキシ
カルボニルヒドラジンなどのアルコキシカルボニルヒド
ラジンや、ベンジルオキシカルボニルヒドラジンなどの
アルコキシカルボニルヒドラジンなど)などが含まれ
る。
【0095】例えば、酸ハロゲン化物とアミン化合物と
の反応は、塩基性化合物の存在下、適当な溶媒中で行う
ことができる。この塩基性化合物としては、前記アミノ
基を有する化合物(Ia)や化合物(Id)と、ハロゲン化
炭化水素との反応の項で例示の塩基性化合物などを用い
ることができる。溶媒としては、前記ニトロ化反応の項
で例示の有機溶媒(例えば、エーテル類、エステル類、
アミド類など)などを用いてもよい。
【0096】例えば、1,3−ジカルボキシ−5−アダ
マンタノールとアンモニアとを反応させると、1,3−
ジカルバモイル−5−アダマンタノールを得ることがで
きる。1,3−ジカルボキシ−5,7−アダマンタンジ
オールと、ヒドラジンとを反応させると、1,3−ジ
(ヒドラジノカルボニル)−5,7−アダマンタンジオ
ールなどを生成させることができる。また、1−カルボ
キシ−3−アダマンタノールに塩化チオニルを作用させ
た後、ジメチルアミンを反応させることにより、1−
(N,N−ジメチルカルバモイル)−3−アダマンタノ
ールを得ることができる。同様に、1−カルボキシ−3
−メトキシカルボニルアダマンタンから1−(N,N−
ジメチルカルバモイル)−3−メトキシカルボニルアダ
マンタンを生成できる。
【0097】また、前記カルバモイル基を有する化合物
は、保護されたカルボキシル基としてエステル基(アル
コシキカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ア
ラルキルオキシカルボニル基など)を有する化合物と前
記アミン化合物とを、金属化合物で構成された触媒の存
在下で反応させることにより得ることもできる。この反
応(アミド化反応)に用いる金属化合物としては、慣用
のエステル交換用触媒(エステル−アミド交換用触媒を
含む)、例えば、周期表3B族元素化合物(例えば、A
lCl3 などのアルミニウム化合物など)、周期表4A
族元素化合物(例えば、TiCl4 などのチタン化合物
など)、周期表3A族元素化合物(例えば、SmI2
どのサマリウム化合物など)などの遷移金属化合物など
が挙げられる。
【0098】前記触媒の使用量は、広い範囲で選択で
き、例えば、エステル基を有する化合物に対して0.1
モル%〜1当量、好ましくは0.5〜50モル%、さら
に好ましくは1〜25モル%(例えば、5〜20モル
%)程度の範囲から適当に選択できる。エステル基を有
する化合物とアミン化合物との使用割合は、エステル基
を有する化合物1当量に対してアンモニア等0.5〜5
モル、好ましくは0.8モル以上(例えば、0.8〜5
モル)、特に1モル以上(例えば1〜3モル、特に1〜
1.5モル)程度である。
【0099】前記アミド化反応は、反応に不活性な溶媒
の存在下又は非存在下で行なうことができ、反応溶媒と
しては、例えば、脂肪族炭化水素類、脂環族炭化水素
類、芳香族炭化水素類、ケトン類、エーテル類、非プロ
トン性極性溶媒、およびこれらの混合溶媒などが例示で
きる。反応温度は、例えば、0〜150℃、好ましくは
25〜120℃程度の範囲から選択できる。
【0100】ヒドロキシル基(保護基で保護されたヒド
ロキシル基を含む)を複数個有するアダマンタン誘導体
は、下記反応工程式(II)に従って得ることができる。反応工程式(II)
【0101】
【化15】 (式中、X2h、X2lはH又はOHを示し、X3h、X
4hは、同一又は異なって、H、R、NO2 、OH、NH
2 、COOH、CH2 OH、NCOを示す。X1b
3c、X4cは前記と同じ) 反応工程式(II)において、化合物(IIb)から化合物
(IIc)を導く酸化反応は、前記イミド化合物(2)で構
成された酸化触媒を用いる酸化反応(酸素酸化方法)に
より行うことができる。例えば、1−アダマンタノール
を酸化すると、1,3−アダマンタンジオール、1,
3,5−アダマンタントリオールなどが生成する。ま
た、1,3−アダマンタンジオールを酸化すると、1,
3,5−アダマンタントリオールなどを得ることができ
る。
【0102】なお、基質の種類に応じて、酸化反応の前
後や反応過程において、反応成分や反応生成物のヒドロ
キシル基、ヒドロキシメチル基、アミノ基、カルボキシ
ル基は前記保護基により保護してもよい。これらの保護
基の導入、脱離は、前記と同様の方法により行うことが
できる。
【0103】前記ヒドロキシル基(保護基で保護された
ヒドロキシル基を含む)を複数個有するアダマンタン誘
導体のうち、特に非重合性アシルオキシ基を有するアダ
マンタン誘導体は、下記反応工程式(II-1)にしたがっ
て得ることができる。反応工程式(II-1)
【0104】
【化16】 (式中、X3i、X4iは、同一又は異なって、H、R、N
2 、OH、NH2 、COOH、CH2 OH、NCOを
示し、X2rはOAc を示す。X1b、X3c、X4c、X3h
4hは前記と同じ) 反応工程式(II-1)において、化合物(IIb-1)から化
合物(IIc)を導く酸化反応、化合物(IIc)から化合物
(IIa-1)を生成させる酸化反応は、前記酸素酸化方法
により行うことができる。また、アシル化は、基質と、
前記アシル化剤とを反応させることにより行うことがで
きる。アシル化は、酸化反応の前後や酸化反応過程で行
うことができる。
【0105】化合物(IIb-1)は、前記化合物(Ib)に
相当する。化合物(IIb-1)を酸化し、アシル化剤と反
応させると、化合物(IIc)を得ることができる。例え
ば、化合物(IIb-1)のうちアダマンタンを前記イミド
化合物(2)を用いる酸素酸化に供し、酢酸と反応させ
ると、1−アセチルオキシアダマンタン、1,3−アセ
チルオキシアダマンタン、1,3,5−アセチルオキシ
アダマンタンなどが得られる。
【0106】化合物(IIc)には、例えば、1−アセチ
ルオキシアダマンタン、1−アセチルオキシ−3−メチ
ルアダマンタン、1−アセチルオキシ−3,5−ジメチ
ルアダマンタン、1,3−ジアセチルオキシアダマンタ
ン、1,3−ジアセチルオキシ−5−メチルアダマンタ
ン、1,3,5−トリアセチルオキシアダマンタンなど
のC2-6 アシル−オキシ基を有するアダマンタンなどが
含まれる。化合物(IIc)に対して前記酸素酸化方法を
適用すると、化合物(IIa-1)を得ることができる。化
合物(IIc)のうち1−アセチルオキシアダマンタン
を、前記イミド化合物(2)を用いる酸素酸化方法に供
すると、1−アセチルオキシ−3−アダマンタノール、
1−アセチルオキシ−3,5−アダマンタンジオール、
1−アセチルオキシ−3,5,7−アダマンタントリオ
ールなどを得ることができる。また、本発明では、1,
3−ジアセチルオキシ−5−アダマンタノール、1,3
−ジアセチルオキシ−5,7−アダマンタンジオール
は、1,3−ジアセチルオキシアダマンタンの酸素酸化
から得ることができ、1,3,5−トリアセチルオキシ
−7−アダマンタノールは、1,3,5−トリアセチル
オキシアダマンタンに対して前記酸素酸化方法を適用す
ると得ることができる。
【0107】なお、化合物(IIb-1)を酸素酸化し、少
なくとも2つのヒドロキシル基を有するアダマンタン誘
導体(例えば、1,3−アダマンタンジオール、5−メ
チル−1,3−アダマンタンジオール、5,7−ジメチ
ル−1,3−アダマンタンジオール、1,3,5−アダ
マンタントリオール、1,3,5,7−アダマンタンテ
トラオールなど)を生成させ、アシル化剤を作用させ
て、化合物(IIa-1)を得てもよい。
【0108】ヒドロキシル基(保護基で保護されたヒド
ロキシル基を含む)とともに、カルボキシル基(保護基
で保護されたカルボキシル基を含む)を有するアダマン
タン誘導体は、例えば、下記反応工程式(III)に従っ
て得ることができる。反応工程式(III)
【0109】
【化17】 (式中、X2jはCOOHを、X3j、X4j、X3k、X4k
同一又は異なって、H、R、NO2 、OH、NH2 、C
OOH、CH2 OH、NCOを示す。X1b、X3c
4c、X3f及びX4fは前記に同じ) 反応工程式(III)において、化合物(IIIb)を化合物
(IIId)に導く酸化反応、化合物(IIIc)から化合物
(IIIa)を生成させる酸化反応は、前記イミド化合物
(2)で構成された酸化触媒、又はスミド化合物(2)と
助触媒とで構成された触媒系を用いる酸化反応(酸素酸
化方法)により行うことができる。化合物(IIIb)は、
化合物(Ib)に相当し、化合物(IIIb)を酸素酸化する
と、化合物(IIId)、すなわち化合物(Ie)を得ること
ができる。
【0110】化合物(IIIc)には、例えば、1−カルボ
キシアダマンタン、1−カルボキシ−3−メチルアダマ
ンタン、1−カルボキシ−3,5−ジメチルアダマンタ
ン、1,3−ジカルボキシアダマンタン、1,3−ジカ
ルボキシ−5−メチルアダマンタン、1,3,5−トリ
カルボキシアダマンタンなどが含まれる。化合物(III
c)を、前記酸化反応と同様にして、イミド化合物(2)
で構成された酸化触媒を用いて酸素酸化すると、化合物
(IIIa)を得ることができる。化合物(IIIc)のうち1
−カルボキシアダマンタンに対して、前記イミド化合物
(2)を用いる酸素酸化方法を適用すると、1−カルボ
キシ−3−アダマンタノール、1−カルボキシ−3,5
−アダマンタンジオール、1−カルボキシ−3,5,7
−アダマンタントリオールなどを得ることができる。ま
た、1,3−ジカルボキシアダマンタンを酸素酸化する
と、1,3−ジカルボキシ−5−アダマンタノール、
1,3−ジカルボキシ−5,7−アダマンタンジオール
などを得ることができ、1,3,5−トリカルボキシア
ダマンタンを酸素酸化すると、1,3,5−トリカルボ
キシ−7−アダマンタノールなどを得ることができる。
【0111】[カルボキシル化反応]反応工程式(II
I)において、化合物(IIIb)から化合物(IIIc)を生
成させるカルボキシル化反応、化合物(IIId)から化合
物(IIIa)を導くカルボキシル化反応は、前記式(2)
で表されるイミド化合物で構成された触媒の存在下、基
質[化合物(IIIb)、化合物(IIId)]と、一酸化炭素
及び酸素とを接触させる方法などを用いることができ
る。
【0112】化合物(IIIb)をカルボキシル化反応に供
すると、化合物(IIIc)を得ることができる。化合物
(IIIb)のうちアダマンタンをカルボキシル化反応に供
すると、1−カルボキシアダマンタン、1,3−ジカル
ボキシアダマンタン、1,3,5−トリカルボキシアダ
マンタンなどを得ることができる。また、1,3−アダ
マンタンジオールをカルボキシル化すると、1−カルボ
キシ−3,5−アダマンタンジオールなどを得ることが
できる。また、化合物(IIId)を、前記イミド化合物
(2)を用いるカルボキシル化反応(カルボキシル化方
法)に供すると、化合物(IIIa)を得ることができる。
化合物(IIId)のうち1−アダマンタノールを前記イミ
ド化合物(2)を用いるカルボキシル化反応に供する
と、1−カルボキシ−3−アダマンタノール、1,3−
ジカルボキシ−5−アダマンタノール、1,3,5−ト
リカルボキシ−7−アダマンタノールなどを得ることが
できる。
【0113】[触媒]カルボキシル化反応におけるイミ
ド化合物としては、前記ニトロ化反応の項で例示のイミ
ド化合物(2)を用いることができる。このカルボキシ
ル化反応では、触媒は、前記酸化反応と同様のイミド化
合物(2)と助触媒とで構成してもよい。
【0114】[一酸化炭素及び酸素]カルボキシル化反
応で使用される一酸化炭素は、純粋な一酸化炭素であっ
てもよく、前記酸化反応での酸素の項で例示の不活性ガ
スで希釈して使用してもよい。また、酸素は、前記酸化
反応で用いることができる酸素を使用できる。
【0115】カルボキシル化反応において、前記式
(2)で表されるイミド化合物の使用量は、前記イミド
化合物(2)を用いるニトロ化反応の項で例示のイミド
化合物の使用量の範囲から選択できる。また、助触媒の
使用量は、前記イミド化合物(2)を用いる酸素酸化反
応の項で例示の助触媒の使用量の範囲から選択してもよ
い。なお、イミド化合物に対する助触媒の割合も同様
に、前記酸素酸化反応の項で例示のイミド化合物と助触
媒との割合の範囲から選択できる。
【0116】一酸化炭素の使用量は、基質1モルに対し
て1モル以上(例えば、1〜1000モル)の範囲から
選択でき、好ましくは過剰モルであり、例えば、1.5
〜100モル(例えば、2〜50モル)、さらに好まし
くは2〜30モル(例えば5〜25モル)程度である。
【0117】また酸素の使用量は、例えば、基質1モル
に対して0.5モル以上(例えば、0.5〜100モ
ル)、好ましくは0.5〜30モル、さらに好ましくは
0.5〜25モル程度の範囲から選択できる。
【0118】なお、一酸化炭素(CO)と酸素(O2
との割合は、双方の成分がそれぞれ前記範囲である限り
広い範囲、例えば、CO/O2 =1/99〜99.99
/0.01(モル%)程度の範囲から選択してもよく、
酸素に対して一酸化炭素を多く用いる方が有利である。
COとO2 との割合は、通常、CO/O2 =1/99〜
99/1(モル%)[例えば、10/90〜99/1
(モル%)]程度の範囲から選択でき、好ましくは30
/70〜98/2(モル%)、さらに好ましくは50/
50〜95/5(モル%)、特に60/40〜90/1
0(モル%)程度である。
【0119】また、供給ラインにおける一酸化炭素と酸
素との容積割合は、例えば、CO/O2 =1/99〜9
9.99/0.01(容積%)程度の範囲から選択で
き、通常、例えば、1/99〜99/1(容積%)、好
ましくは30/70〜98/2(容積%)、さらに好ま
しくは50/50〜95/5(容積%)、特に60/4
0〜90/10(容積%)程度である。
【0120】カルボキシル化反応は、反応に不活性な有
機溶媒中で行ってもよい。このような有機溶媒として
は、前記ニトロ化反応の項で例示の有機溶媒を用いるこ
とができ、有機酸(例えば、酢酸などのカルボン酸な
ど)、ニトリル類(例えば、アセトニトリルなど)、ハ
ロゲン化炭化水素類(例えば、ジクロロエタンなど)な
どを用いる場合が多い。
【0121】前記イミド化合物(2)を用いるカルボキ
シル化反応は、比較的温和な条件であっても円滑に進行
する。反応温度は、イミド化合物や基質の種類などに応
じて、例えば、0〜200℃、、好ましくは10〜15
0℃(例えば、10〜120℃)、さらに好ましくは1
0〜100℃(例えば、10〜80℃)程度の範囲から
選択できる。なお、反応は、常圧又は加圧下で行うこと
ができる。
【0122】なお、基質の種類に応じて、酸化反応やカ
ルボキシル化反応の前後や、それぞれの反応過程におい
て、反応成分や反応生成物のヒドロキシル基[例えば、
化合物(IIIa)、化合物(IIId)のヒドロキシル基]、
ヒドロキシメチル基、アミノ基、カルボキシル基[例え
ば、化合物(IIIa)、化合物(IIIc)のカルボキシル
基]は前記保護基により保護してもよい。これらの保護
基の導入、脱離は前記と同様の方法により行うことがで
きる。
【0123】例えば、化合物(IIIc)のうち1−カルボ
キシアダマンタンを酸素酸化し、生成したアルコール体
を酢酸と反応させると、1−カルボキシ−3−アセチル
オキシアダマンタン、1−カルボキシ−3,5−ジアセ
チルオキシアダマンタン、1−カルボキシ−3,5,7
−トリアセチルオキシアダマンタンなどを得ることがで
きる。また、化合物(IIIa)のうち1−カルボキシ−3
−アダマンタノールをメタノールと反応させることによ
り、前記のように、1−メトキシカルボニル−3−アダ
マンタノールを得ることができる。化合物(IIIc)のう
ち1−カルボキシアダマンタンと、エタノールとを反応
させ、前記酸素酸化反応に供すると、1−エトキシカル
ボニル−3−アダマンタノール、1−エトキシカルボニ
ル−3,5−アダマンタンジオール、1−エトキシカル
ボニル−3,5,7−アダマンタントリオールなどを得
ることができる。また、1,3−ジカルボキシアダマン
タンをエタノールと反応させ、酸素酸化すると、1,3
−ジ(エトキシカルボニル)−5−アダマンタノール、
1,3−ジ(エトキシカルボニル)−5,7−アダマン
タンジオールなどを得ることができる。
【0124】なお、溶媒として、アルコール又はその低
級アルキルエステル(例えば、酢酸エチルなど)を用
い、基質をカルボキシル化反応に供すると、保護基(ア
ルコキシ基)により保護されているカルボキシル基を有
するアダマンタン誘導体を得ることができる。
【0125】ヒドロキシル基(保護基で保護されたヒド
ロキシル基を含む)とともに、ヒドロキシメチル基(保
護基で保護されたヒドロキシメチル基を含む)を有する
アダマンタン誘導体は、例えば、下記反応工程式(IV)
にしたがって得ることができる。反応工程式(IV)
【0126】
【化18】 (式中、X2mはCH2 OHを示し、X3n、X4nは同一又
は異なって、H、R、NO2 、OH、NH2 、CH2
H、NCOを示す。X1b、X2j、X3j、X4jは前記に同
じ) 反応工程式(IV)において、化合物(IIIa)を化合物
(IVa)に導く還元反応は、慣用の方法、例えば、前記
の還元剤として水素を用いる接触水素添加法、水素化還
元剤を用いる方法などにより行うことができる。好まし
い水素化還元剤には、水素化ホウ素ナトリウム−ルイス
酸、水素化アルミニウム、水素化アルミニウムリチウ
ム、水素化トリアルコキシアルミニウムリチウム、ジボ
ランなどが含まれる。なお、化合物(IIIa)は、前記反
応工程式(III)により得ることができる。例えば、1
−カルボキシ−3−アダマンタノールを、水素化アルミ
ニウムリチウムで還元することにより、1−ヒドロキシ
−3−ヒドロキシメチルアダマンタンを生成させること
ができる。
【0127】なお、基質の種類に応じて、還元反応の前
後において、反応成分や反応生成物のヒドロキシル基、
ヒドロキシメチル基、アミノ基、カルボキシル基は前記
保護基により保護してもよい。これらの保護基の導入、
脱離は前記と同様の方法により行うことができる。
【0128】ヒドロキシル基(保護基で保護されたヒド
ロキシル基を含む)とともに、イソシアナト基を有する
アダマンタン誘導体は、例えば、下記反応工程式(V)
にしたがって得ることができる。反応工程式(V)
【0129】
【化19】 (式中、X2oはNH2 を示し、X2PはNCOを示し、X
3q、X4qは、同一又は異なって、H、R、NO2 、O
H、NH2 、COOH、CH2 OH、NCOを示す。X
1b、X3b、X4bは前記に同じ) 反応工程式(V)において、化合物(Vb)を化合物(V
a)に導く反応は、慣用の方法、例えば、ホスゲンを用
いる方法により行うことができる。化合物(Vb)は、前
記反応工程式(I)で得られる化合物(Ia)のうち、X
2bがNH2 である化合物に相当する。
【0130】化合物(Vb)とホスゲンとの反応は、例え
ば、溶媒の存在又は不存在下、−10℃〜100℃程度
の温度で行うことができる。ホスゲンの使用量は、化合
物(Vb)1モルに対して、例えば0.8〜10モル、好
ましくは1〜2モル程度である。例えば、1−アセチル
オキシ−3−アミノアダマンタンをホスゲンと反応させ
ることにより、1−アセチルオキシ−3−イソシアナト
アダマンタンを得ることができる。
【0131】なお、基質の種類に応じて、イソシアナト
化反応の前後において、反応成分や反応生成物のヒドロ
キシル基、ヒドロキシメチル基、アミノ基、カルボキシ
ル基は前記保護基により保護してもよい。これらの保護
基の導入、脱離は前記と同様の方法により行うことがで
きる。
【0132】なお、上記のアダマンタン誘導体の製造方
法において、アダマンタン骨格にメチン炭素原子を少な
くとも2つ有するアダマンタン化合物を、前記イミド化
合物の存在下、前記ニトロ化反応に用いる窒素酸化物及
び酸素と反応させることにより、1ステップで、アダマ
ンタン骨格にニトロ基及びヒドロキシル基を導入でき
る。また、前記アダマンタン化合物を、前記イミド化合
物の存在下、前記ニトロ化反応に用いる窒素酸化物、酸
素及び一酸化炭素と反応させることにより、1ステップ
で、アダマンタン骨格にニトロ基、ヒドロキシル基及び
カルボキシル基のうち少なくとも2種の官能基が導入さ
れた誘導体を得ることができる。反応は、目的化合物に
応じて、前記ニトロ化反応、酸化反応又はカルボキシル
化反応の項に記載した反応条件及び操作に準じて行うこ
とができる。
【0133】例えば、アダマンタンを、前記イミド化合
物の存在下、一酸化窒素、酸素及び一酸化炭素と反応さ
せると、1−カルボキシ−3−ニトロ−5−アダマンタ
ノール、1−ニトロ−3,5−アダマンタンジオール、
1−カルボキシ−3,5−アダマンタンジオール、1,
3,5−アダマンタントリオール、1,3−ジニトロ−
5−アダマンタノール、1,3−ジカルボキシ−5−ア
ダマンタノールなどが生成する。
【0134】ヒドロキシル基と、官能基とを有するアダ
マンタン誘導体の製造方法において、好ましい製造方法
としては、前記式(2)で表されるイミド化合物、又は
このイミド化合物と助触媒とで構成された酸化触媒の存
在下、下記式(1a)で表されるアダマンタン誘導体を、
酸素酸化する方法が挙げられる。
【0135】
【化20】 (式中、X2 はニトロ基、保護基により保護されていて
もよいアミノ基又はN−置換アミノ基、保護基により保
護されていてもよいヒドロキシル基、保護基により保護
されていてもよいカルボキシル基、保護基により保護さ
れていてもよいヒドロキシメチル基、またはイソシアナ
ト基を示し、X3a及びX4aは同一又は異なって、水素原
子、アルキル基、ニトロ基、保護基により保護されてい
てもよいヒドロキシル基、保護基により保護されていて
もよいアミノ基又はN−置換アミノ基、保護基により保
護されていてもよいカルボキシル基、保護基により保護
されていてもよいヒドロキシメチル基、またはイソシア
ナト基を示す) また、アダマンタン誘導体のさらに好ましい製造方法で
は、上記式(1a)において、 (i)X2 がニトロ基であるとき、X3a及びX4aは同一
又は異なって、水素原子、アルキル基、ニトロ基であ
る。 (ii)X2 が保護基により保護されていてもよいアミノ
基又はN−置換アミノ基であるとき、X3a及びX4aは同
一又は異なって、水素原子、アルキル基、保護基により
保護されていてもよいアミノ基又はN−置換アミノ基で
ある。 (iii)X2 が保護基により保護されていてもよいヒド
ロキシル基であるとき、X3 、X4 は同一又は異なっ
て、水素原子、アルキル基、保護基により保護されてい
るヒドロキシル基である。 (iv)X2 が保護基により保護されていてもよいカルボ
キシル基であるとき、X3a及びX4aは同一又は異なっ
て、水素原子、アルキル基、保護基により保護されてい
てもよいカルボキシル基である。 (v)X2 が保護基により保護されていてもよいヒドロ
キシメチル基であるとき、X3 、X4 は同一又は異なっ
て、水素原子、アルキル基、保護基により保護されてい
てもよいヒドロキシメチル基である。 (vi)X2 がイソシアナト基であるとき、X3 、X4
同一又は異なって、水素原子、アルキル基、イソシアナ
ト基である。
【0136】なお、新規なアダマンタン誘導体の製造に
おいて、酸化方法には、慣用の酸化方法、例えば、硝酸
やクロム酸を用いる酸化方法、触媒としてコバルト塩を
用いる酸素酸化方法、生化学的方法などを採用してもよ
い。また、ヒドロキシ基の導入には、基質に、ハロゲン
原子(例えば、臭素原子など)を導入し、硝酸銀や硫酸
銀などの無機塩を用いて加水分解して、基質にヒドロキ
シル基を導入する方法を採用してもよい。
【0137】なお、ヒドロキシル基および官能基を有す
るアダマンタン誘導体のうち塩基性基、酸性基を有する
化合物は、塩を形成することができる。例えば、カルボ
キシル基を有するアダマンタン誘導体は、塩基性化合物
との反応により塩を形成することができる。塩基性化合
物としては、例えば、アンモニアの他、前記アミノ基を
有する化合物(Ia)や化合物(Id)と、ハロゲン化炭化
水素との反応の項で例示の塩基性化合物(有機塩基、無
機塩基など)を用いることができる。
【0138】また、ヒドロキシル基および官能基を有す
るアダマンタン誘導体のうち塩基性基を有する化合物、
例えば、アミノ基を有するアダマンタン誘導体は、酸と
の反応により塩を形成することができる。酸には、例え
ば、無機酸(例えば、塩酸、硫酸、硝酸、塩化水素酸な
ど)、有機酸(例えば、酢酸、プロピオン酸などの脂肪
族カルボン酸、安息香酸などの芳香族カルボン酸、メタ
ンスルホン酸、エタンスルホン酸などのアルキルスルホ
ン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸な
どのアリールスルホン酸など)などが含まれる。
【0139】なお、酸化反応などの反応は、バッチ式、
セミバッチ式、連続式のいずれの方式でも行うことがで
きる。反応終了後、反応生成物は、慣用の方法、例え
ば、瀘過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶、カラムク
ロマトグラフィーなどの分離手段や、これらを組み合わ
せた分離手段により、容易に分離精製できる。
【0140】本発明の方法では、前記式(1)で表され
るアダマンタン誘導体や公知のアダマンタン誘導体を高
い転化率及び選択率で、効率よく製造できる。このよう
なアダマンタン誘導体は、前記のように高機能性材料
(例えば、光ファイバー、光学用素子、光学レンズ、ホ
ログラム、光ディスク、コンタクトレンズなどの光学材
料、有機ガラス用透明樹脂コーティング剤、導電性ポリ
マー、写真感光性材料、蛍光性材料など)の原料などと
して有用である。また、高い薬理活性を有する医薬、農
薬を誘導する原料としても有用である。
【0141】
【発明の効果】本発明では、高機能材料として有用であ
る新規なアダマンタン誘導体を提供できる。また、特定
のイミド化合物で構成された酸化触媒を用いると、前記
新規化合物のみならず、公知のアダマンタン誘導体を効
率よく得ることができる。さらに、温和な条件であって
も、前記アダマンタン誘導体を高い転化率及び選択率で
得ることができる。
【0142】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定
されるものではない。なお、赤外線吸収スペクトルは、
反応生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製した
後、測定した。マススペクトルデータにおける「Ac」、
「Ph」は、それぞれ、アセチル基、フェニル基を示す。
【0143】実施例1 1−アセチルアミノアダマンタン(アルドリッチ社製)
10ミリモル、N−ヒドロキシフタルイミド(NHP
I) 1ミリモル、バナジウム(III)アセチルアセト
ナート(V(AA)3 ) 0.05ミリモル、酢酸25
mlの混合物を、酸素雰囲気下、表1に示す条件(温
度、時間)で撹拌した。反応液中の生成物をガスクロマ
トグラフィー分析により調べたところ、表1に示す転化
率、収率で1−アセチルアミノ−3−アダマンタノール
(化合物1)、1−アセチルアミノ−3,5−アダマン
タンジオール(化合物2)、1−アセチルアミノ−4−
アダマンタノン(化合物3)を得た。
【0144】
【表1】 実施例2 アダマンタン 10ミリモル、NHPI 1ミリモル、
Co(AA)2 0.005ミリモルを酢酸25ml中
に仕込み、混合ガス(2Lの一酸化炭素と、0.5Lの
酸素との混合ガス)を封入したガスパックを反応器へ接
続し、60℃で6時間撹拌し、1−カルボキシアダマン
タン、1,3−ジカルボキシアダマンタンを得た。この
1−カルボキシアダマンタン 10ミリモル、NHPI
1ミリモル、V(AA)3 0.05ミリモル、酢酸
25mlの混合物を、酸素雰囲気下、表2に示す条件
(時間、温度)で撹拌したところ、表2に示す転化率、
収率で1−カルボキシ−3−アダマンタノール(化合物
1)、1−カルボキシ−3,5−アダマンタンジオール
(化合物2)、1−カルボキシ−4−アダマンタノン
(化合物3)を得た。
【0145】
【表2】 実施例3 実施例2で得られた1−カルボキシアダマンタンを、酸
性触媒(p−トルエンスルホン酸)の存在下、過剰量の
エタノールと反応させて1−エトキシカルボニルアダマ
ンタンを得た。この1−エトキシカルボキシアダマンタ
ン 10ミリモル、NHPI 1ミリモル、V(AA)
3 0.05ミリモル、酢酸25mlの混合物を、酸素
雰囲気下、表3に示す条件(温度、時間)で撹拌したと
ころ、表3に示す転化率、収率で1−エトキシカルボニ
ル−3−アダマンタノール(化合物1)、1−エトキシ
カルボニル−3,5−アダマンタンジオール(化合物
2)、1−エトキシ−4−カルボニルアダマンタノン
(化合物3)を得た。
【0146】
【表3】 実施例4 枝付きナスフラスコ(50ml)を氷水に浸漬して、減
圧し、ガスパック(1L)から一酸化窒素をフラスコ内
に導入するとともに、ガスパック(1L)から酸素をフ
ラスコ内に導入した。フラスコ内が赤褐色の気体で充満
し、赤褐色の気体が沈殿するとともにN2 3 を主成分
とする青色の液体が生成した。上記一酸化炭素の導入と
酸素の導入とを繰返し、約1.5mlの青色液体を生成
させ、液体窒素より凍結させた。凍結した青色液体
1.8g(N2 3 換算で0.024モル)、アダマン
タン 1ミリモル、NHPI 0.05ミリモル、酢酸
5mlを混合し、撹拌しながら温度100℃で10時
間反応させて、1−ニトロアダマンタン、1,3−ジニ
トロアダマンタンを得た。この1−ニトロアダマンタン
10ミリモル、NHPI 1ミリモル、V(AA)3
0.05ミリモルを酢酸25ml中に仕込み、酸素雰
囲気下、75℃で8時間撹拌した。反応液中の生成物を
ガスクロマトグラフィー分析により調べたところ、1−
ニトロアダマンタンの転化率76%で、1−ニトロ−3
−アダマンタノール(収率48%)、1−ニトロ−3,
5−アダマンタンジオール(収率19%)、1−ニトロ
−3,5,7−アダマンタントリオール(収率2%)が
生成していた。また、これらの生成物を質量分析により
調べた。 (1)1−ニトロ−3−アダマンタノール 淡黄色固体 マススペクトルデータ(フラグメント) [M]+ :181、[M]- :163(-OH2 )、
[M]--:117(-NO2 ) (2)1−ニトロ−3,5−アダマンタンジオール 淡黄色固体 マススペクトルデータ(フラグメント) [M]+ :197、[M]- :179(-OH2 )、
[M]--:133(-NO2 )。
【0147】実施例5 実施例4で得られた1,3−ジニトロアダマンタン 1
0ミリモル、NHPI1ミリモル、V(AA)3 0.
05ミリモル、酢酸25mlを混合し、酸素雰囲気下、
85℃で8時間撹拌したところ、1,3−ジニトロアダ
マンタンの転化率79%で1,3−ジニトロ−5−アダ
マンタノール(収率46%)、1,3−ジニトロ−5,
7−アダマンタンジオール(収率24%)が生成してい
た。 (1)1,3−ジニトロ−5−アダマンタノール 淡黄色固体 マススペクトルデータ(フラグメント) [M]+ :226、[M]- :208(-OH2 )、
[M]--:162(-NO2 )、[M]---:115(-HNO
2 ) (2)1,3−ジニトロ−5,7−アダマンタンジオー
ル 淡黄色固体 マススペクトルデータ(フラグメント) [M]+ :242、[M]- :224(-OH2 )、
[M]--:178(-NO2 )、[M]---:131(-HNO
2 )。
【0148】実施例6 実施例2で得られた1−カルボキシアダマンタン 10
ミリモル、NHPI1ミリモル、V(AA)3 0.0
5ミリモル、酢酸25mlを混合し、酸素雰囲気下、7
5℃で8時間撹拌したところ、1−カルボキシアダマン
タンの転化率94%で、1−カルボキシ−3−アダマン
タノール(収率28%)、1−カルボキシ−3,5−ア
ダマンタンジオール(収率48%)、1−カルボキシ−
3,5,7−アダマンタントリオール(収率10%)が
生成していた。 (1)1−カルボキシ−3−アダマンタノール 白色固体 マススペクトルデータ(フラグメント) [M]+ :196、[M]- :178(-OH2 )、
[M]--:133(-COOH) (2)1−カルボキシ−3,5−アダマンタンジオール 白色固体 マススペクトルデータ(フラグメント) [M]+ :212、[M]- :194(-OH2 )、
[M]--:149(-COOH)。
【0149】実施例7 実施例2で得られた1,3−ジカルボキシアダマンタン
10ミリモル、NHPI 1ミリモル、V(AA)3
0.05ミリモル、酢酸25mlを混合し、酸素雰囲
気下、85℃で8時間撹拌したところ、1,3−ジカル
ボキシアダマンタンの転化率86%で、1,3−ジカル
ボキシ−5−アダマンタノール(収率52%)、1,3
−ジカルボキシ−5,7−アダマンタンジオール(収率
26%)が生成していた。 (1)1,3−ジカルボキシ−5−アダマンタノール 白色固体 マススペクトルデータ(フラグメント) [M]+ :228、[M]- :210(-OH2 )、
[M]--:165(-COOH)、[M]---:119(-HCOO
H) (2)1,3−ジカルボキシ−5,7−アダマンタンジ
オール 白色固体 マススペクトルデータ(フラグメント) [M]+ :244、[M]- :216(-OH2 )、
[M]--:171(-COOH)、[M]---:125(-HCOO
H)。
【0150】実施例8 アダマンタン 10ミリモル、NHPI 1ミリモル、
コバルト(II)アセチルアセトナート(Co(AA)
2 ) 0.05ミリモル、酢酸25mlの混合物を、酸
素雰囲気下、75℃で6時間撹拌して、1−アセチルオ
キシアダマンタン、1,3−ジアセチルオキシアダマン
タンを得た。この1−アセチルオキシアダマンタン 1
0ミリモル、NHPI 1ミリモル、V(AA)3
0.05ミリモルを酢酸25ml中に仕込み、酸素雰囲
気下、75℃で8時間撹拌したところ、1−アセチルオ
キシアダマンタンの転化率89%で、1−アセチルオキ
シ−3−アダマンタノール(収率37%)、1−アセチ
ルオキシ−3,5−アダマンタンジオール(収率25
%)、1−アセチルオキシ−3,5,7−アダマンタン
トリオール(収率11%)が生成していた。 (1)1−アセチルオキシ−3−アダマンタノール 白色固体 マススペクトルデータ(フラグメント) [M]+ :210、[M]- :151(-OAc )、
[M]--:133(-OH2 ) (2)1−アセチルオキシ−3,5−アダマンタンジオ
ール 白色固体 マススペクトルデータ(フラグメント) [M]+ :226、[M]- :167(-OAc )、
[M]--:149(-OH2 )。
【0151】実施例9 実施例8で得られた1,3−ジアセチルオキシアダマン
タン 10ミリモル、NHPI 1ミリモル、V(A
A)3 0.05ミリモルを酢酸25ml中に仕込み、
酸素雰囲気下、85℃で8時間撹拌したところ、1,3
−ジアセチルオキシアダマンタンの転化率93%で、
1,3−ジアセチルオキシ−5−アダマンタノール(収
率60%)、1,3−ジアセチルオキシ−5,7−アダ
マンタンジオール(収率19%)で生成していた。 (1)1,3−ジアセチルオキシ−5−アダマンタノー
ル 白色固体 マススペクトルデータ(フラグメント) [M]+ :268、[M]- :209(-OAc )、
[M]--:191(-OH2 )、[M]---:131(-HOAc
) (2)1,3−ジアセチルオキシ−5,7−アダマンタ
ンジオール 白色固体 マススペクトルデータ(フラグメント) [M]+ :284、[M]- :225(-OAc )、
[M]--:207(-OH2 )、[M]---:147(-HOAc
)。
【0152】実施例10 1−ベンゾイルアミノアダマンタン(アルドリッチ社
製) 10ミリモル、NHPI 1ミリモル、V(A
A)3 0.05ミリモル、酢酸25mlを混合し、酸
素雰囲気下、75℃で8時間撹拌したところ、1−ベン
ゾイルアミノアダマンタンの転化率91%で、1−ベン
ゾイルアミノ−3−アダマンタノール(収率53%)、
1−ベンゾイルアミノ−3,5−アダマンタンジオール
(収率23%)、1−ベンゾイルアミノ−3,5,7−
アダマンタントリオール(収率7%)が生成していた。 (1)1−ベンゾイルアミノ−3−アダマンタノール 淡黄色固体 マススペクトルデータ(フラグメント) [M]+ :271、[M]- :253(-OH2 )、
[M]--:133(-NHCOPh) (2)1−ベンゾイルアミノ−3,5−アダマンタンジ
オール 淡黄色固体 マススペクトルデータ(フラグメント) [M]+ :287、[M]- :269(-OH2 )、
[M]--:149(-NHCOPh)。
【0153】実施例11 実施例2で得られた1−カルボキシアダマンタンを、酸
性触媒(p−トルエンスルホン酸)の存在下、過剰量の
メタノールと反応させ、1−メトキシカルボニルアダマ
ンタンを得た。この1−メトキシカルボニルアダマンタ
ン 10ミリモル、NHPI 1ミリモル、V(AA)
3 0.05ミリモル、酢酸25mlを混合し、酸素雰
囲気下、75℃で8時間撹拌したところ、1−メトキシ
カルボニルアダマンタンの転化率95%で、1−メトキ
シカルボニル−3−アダマンタノール(収率47%)、
1−メトキシカルボニル−3,5−アダマンタンジオー
ル(収率31%)、1−メトキシカルボニル−3,5,
7−アダマンタントリオール(収率8%)が生成してい
た。 (1)1−メトキシカルボニル−3−アダマンタノール 白色固体 マススペクトルデータ(フラグメント) [M]+ :212、[M]- :194(-OH2 )、
[M]--:179(-CH3 )、[M]---:135(-COO) (2)1−メトキシカルボニル−3,5−アダマンタン
ジオール 白色固体 マススペクトルデータ(フラグメント) [M]+ :228、[M]- :210(-OH2 )、
[M]--:195(-CH3 )、[M]---:151(-CO
O)。
【0154】実施例12 実施例2で得られた1,3−ジカルボキシアダマンタン
を、酸性触媒(p−トルエンスルホン酸)の存在下、過
剰量のメタノールと反応させ、1,3−ジメトキシカル
ボニルアダマンタンを得た。この1,3−ジメトキシカ
ルボニルアダマンタン 10ミリモル、NHPI1ミリ
モル、V(AA)3 0.05ミリモルを酢酸25ml
中に仕込み、酸素雰囲気下、85℃で8時間撹拌したと
ころ、1,3−ジメトキシカルボニルアダマンタンの転
化率92%で、1,3−ジメトキシカルボニル−5−ア
ダマンタノール(収率42%)、1,3−ジメトキシカ
ルボニル−5,7−アダマンタンジイオール(収率36
%)が生成していた。 (1)1,3−ジメトキシカルボニル−5−アダマンタ
ノール 白色固体 マススペクトルデータ(フラグメント) [M]+ :272、[M]- :254(-OH2 )、
[M]--:239(-CH3 )、[M]---:195(-COO) (2)1,3−ジメトキシカルボニル−5,7−アダマ
ンタンジオール 白色固体 マススペクトルデータ(フラグメント) [M]+ :288、[M]- :270(-OH2 )、
[M]--:255(-CH3 )、[M]---:211(-COO) 実施例13 窒素雰囲気下、実施例2の方法で得られた1−カルボキ
シ−3−アダマンタノール 10ミリモルをN,N−ジ
メチルホルムアミド(DMF)10mlに溶解し、塩化
チオニル 15ミリモルを30分かけて滴下し、滴下が
終了する頃に還流が開始するように昇温した。2時間還
流した後、冷却し、液温を10℃以下に保ちつつ、ジメ
チルアミン 25ミリモルを30分かけて滴下し、さら
に2時間撹拌した。その結果、1−カルボキシ−3−ア
ダマンタノールの転化率99%で、1−(N,N−ジメ
チルカルバモイル)−3−アダマンタノール(収率95
%)が生成していた。 淡黄色固体 マススペクトルデータ [M]+ :223 IR(cm-1):3360、1650、700。
【0155】実施例14 窒素雰囲気下、実施例4の方法で得られた1−ニトロ−
3−アダマンタノール10ミリモル及びトリエチルアミ
ン 12ミリモルをDMF10mlに溶解し、塩化アセ
チル 11ミリモルを40℃で30分かけて滴下した。
さらに、40℃で3時間撹拌した。その結果、1−ニト
ロ−3−アダマンタノールの転化率99%で、1−アセ
チルオキシ−3−ニトロアダマンタン(収率95%)が
生成していた。 淡黄色液体 マススペクトルデータ [M]+ :210 IR(cm-1):1720、1570、1340。
【0156】実施例15 オートクレーブに、実施例14の方法で得られた1−ア
セチルオキシ−3−ニトロアダマンタン 10ミリモ
ル、5%Pd−C(基質に対し、Pdとして10モル
%)、希塩酸1ml及びメタノール10mlを仕込み、
30atmの水素雰囲気下、80℃で2時間撹拌した。
その結果、1−アセチルオキシ−3−ニトロアダマンタ
ンの転化率90%で、1−アセチルオキシ−3−アミノ
アダマンタン(収率70%)が生成していた。 淡黄色液体 マススペクトルデータ [M]+ :209 IR(cm-1):3310、1650、1620。
【0157】実施例16 1−アセチルオキシ−3−ニトロアダマンタンに代え
て、実施例4の方法で得られた1−ニトロ−3−アダマ
ンタノールを用いた以外は、実施例15と同様の操作を
行い、1−ニトロ−3−アダマンタノールの転化率99
%で、1−アミノ−3−アダマンタノール(収率95
%)を得た。 淡黄色固体 マススペクトルデータ [M]+ :167 IR(cm-1):3370、3340、1620、136
0 窒素雰囲気下、上記の方法で得られた1−アミノ−3−
アダマンタノール 10ミリモル及びトリエチルアミン
24ミリモルをDMF10mlに溶解し、塩化アセチ
ル 22ミリモルを40℃で、30分かけて滴下し、さ
らに、40℃で3時間撹拌した。その結果、1−アミノ
−3−アダマンタノールの転化率90%で、1−アセチ
ルアミノ−3−アセチルオキシアダマンタン(収率80
%)が生成していた。 淡黄色液体 マススペクトルデータ [M]+ :251 IR(cm-1):3300、1680、1620 なお、上記の反応において、1−アミノ−3−アダマン
タノールに代えて、1,3−アダマンタンジオールを用
いて同様の操作を行ったところ、1,3−アダマンタン
ジオールの転化率99%で、1,3−ビス(アセチルオ
キシ)アダマンタン(収率95%)が得られた。 無色液体 マススペクトルデータ [M]+ :252 IR(cm-1):1630、1210、1020。
【0158】実施例17 窒素雰囲気下、実施例2の方法で得られた1−カルボキ
シ−3−アダマンタノール 10ミリモルをDMF10
mlに溶解し、塩化チオニル 15ミリモルを30分か
けて滴下し、滴下が終了する頃に還流が開始するように
昇温した。2時間還流した後、冷却し、トリエチルアミ
ン 20ミリモルを加え、液温を10℃以下に保ちつ
つ、メタノール 11ミリモルを30分かけて滴下し、
さらに2時間撹拌した。その結果、1−カルボキシ−3
−アダマンタノールの転化率99%で、1−メトキシカ
ルボニル−3−アダマンタノール(収率95%)が生成
していた。 白色固体 マススペクトルデータ [M]+ :210 IR(cm-1):3350、1730、1130 1−ニトロ−3−アダマンタノールに代えて、上記の方
法で得られた1−メトキシカルボニル−3−アダマンタ
ノールを用いた以外は実施例14と同様の操作を行っ
た。その結果、1−メトキシカルボニル−3−アダマン
タノールの転化率95%で、1−アセチルオキシ−3−
メトキシカルボニルアダマンタン(収率80%)が生成
していた。 無色液体 マススペクトルデータ [M]+ :252 IR(cm-1):1660、1620、1240。
【0159】実施例18 窒素雰囲気下、水素化アルミニウムリチウム 15ミリ
モルをテトラヒドロフラン(THF)15mlに懸濁さ
せ、氷浴を用いて液温を10℃以下に保ちつつ、実施例
2の方法で得られた1−カルボキシ−3−アダマンタノ
ール 10ミリモルをゆっくりと添加した。室温に戻し
た後、16時間還流した。その結果、1−カルボキシ−
3−アダマンタノールの転化率99%で、1−ヒドロキ
シメチル−3−アダマンタノール(収率95%)を得
た。 白色固体 マススペクトルデータ [M]+ :182 IR(cm-1):3370、1380、1120 1−ニトロ−3−アダマンタノールに代えて、上記の方
法で得られた1−ヒドロキシメチル−3−アダマンタノ
ールを用いた以外は実施例14と同様の操作を行ったと
ころ、1−ヒドロキシメチル−3−アダマンタノールの
転化率90%で、1−アセチルオキシ−3−ヒドロキシ
メチルアダマンタン(収率80%)が生成していた。 無色液体 マススペクトルデータ [M]+ :224 IR(cm-1):3310、1640、1230。
【0160】実施例19 1−ニトロ−3−アダマンタノールに代えて、実施例2
の方法で得られた1−カルボキシ−3−アダマンタノー
ルを用いた以外は実施例14と同様の操作を行ったとこ
ろ、1−カルボキシ−3−アダマンタノールの転化率9
0%で、1−アセチルオキシ−3−カルボキシアダマン
タン(収率80%)が生成していた。 無色液体 マススペクトルデータ [M]+ :238 IR(cm-1):3000、1640、1600 窒素雰囲気下、上記の方法で得られた1−アセチルオキ
シ−3−カルボキシアダマンタン 10ミリモルをDM
F10mlに溶解し、これに粉末状のN,N′−カルボ
ジイミダゾール 15ミリモルを一度に添加した。室温
で1時間撹拌した後、ジメチルアミン 15ミリモル及
びジアザビシクロウンデセン 15ミリモルを添加し
た。100℃に加熱し、8時間撹拌した。その結果、1
−アセチルオキシ−3−カルボキシアダマンタンの転化
率80%で、1−アセチルオキシ−3−(N,N−ジメ
チルカルバモイル)アダマンタン(収率70%)が生成
していた。 淡黄色液体 マススペクトルデータ [M]+ :265 IR(cm-1):1670、1620、1220。
【0161】実施例20 窒素雰囲気下、1,3−アダマンタンジオール 10ミ
リモル及びピリジン12ミリモルをDMF10mlに溶
解し、撹拌下、室温で、塩化メトキシカルボニル 11
ミリモルを滴下した。発熱が始まったところで氷冷を開
始し、発熱が収まったところで、60℃に加熱し、1時
間撹拌した。その結果、1,3−アダマンタンジオール
の転化率99%で、1−メトキシカルボニルオキシ−3
−アダマンタノール(収率85%)が生成していた。 無色液体 マススペクトルデータ [M]+ :226 IR(cm-1):3320、1620、1240。
【0162】実施例21 窒素雰囲気下、1,3−アダマンタンジオール 10ミ
リモル及びピリジン24ミリモルをDMF10mlに溶
解し、撹拌下、室温で、塩化メトキシカルボニル 22
ミリモルを滴下した。発熱が始まったところで氷冷を開
始し、発熱が収まったところで、60℃に加熱し、1時
間撹拌した。その結果、1,3−アダマンタンジオール
の転化率99%で、1,3−ビス(メトキシカルボニル
オキシ)アダマンタン(収率90%)が生成していた。 無色液体 マススペクトルデータ [M]+ :284 IR(cm-1):1620、1340、1170。
【0163】実施例22 窒素雰囲気下、1,3−アダマンタンジオール 10ミ
リモル及びピリジン1滴をDMF10mlに溶解し、撹
拌下、メチルイソシアナート 10ミリモルを滴下し
た。発熱が始まったところで氷冷を開始し、発熱が収ま
ったところで、60℃に加熱し、1時間撹拌した。その
結果、1,3−アダマンタンジオールの転化率99%
で、1−(N−メチルカルバモイルオキシ)−3−アダ
マンタノール(収率85%)が生成していた。 淡黄色液体 マススペクトルデータ [M]+ :225 IR(cm-1):3300、1660、1270。
【0164】実施例23 窒素雰囲気下、1,3−アダマンタンジオール 10ミ
リモル及びピリジン1滴をDMF10mlに溶解し、撹
拌下、メチルイソシアナート 20ミリモルを滴下し
た。発熱が始まったところで氷冷を開始し、発熱が収ま
ったところで、60℃に加熱し、1時間撹拌した。その
結果、1,3−アダマンタンジオールの転化率99%
で、1−(N−メチルカルバモイルオキシ)−3−アダ
マンタノール(収率90%)が生成していた。 淡黄色液体 マススペクトルデータ [M]+ :282 IR(cm-1):1670、1260、1140。
【0165】実施例24 1,3−アダマンタンジオールに代えて、実施例4の方
法で得られた1−ニトロ−3−アダマンタノールを用い
た以外は実施例20と同様の操作を行い、1−ニトロ−
3−アダマンタノールの転化率99%で、1−メトキシ
カルボニルオキシ−3−ニトロアダマンタン(収率90
%)を得た。 淡黄色液体 マススペクトルデータ [M]+ :255 IR(cm-1):1620、1560、1340、117
0。
【0166】実施例25 1,3−アダマンタンジオールに代えて、実施例5の方
法で得られた1−カルボキシ−3−アダマンタノールを
用いた以外は実施例20と同様の操作を行い、1−カル
ボキシ−3−アダマンタノールの転化率99%で、1−
カルボキシ−3−メトキシカルボニルオキシアダマンタ
ン(収率90%)を得た。 白色固体 マススペクトルデータ [M]+ :254 IR(cm-1):3030、1670、1620、143
0。
【0167】実施例26 1,3−アダマンタンジオールに代えて、実施例11の
方法で得られた1−メトキシカルボニル−3−アダマン
タノールを用いた以外は実施例20と同様の操作を行
い、1−メトキシカルボニル−3−アダマンタノールの
転化率99%で1−メトキシカルボニル−3−メトキシ
カルボニルオキシアダマンタン(収率90%)を得た。 白色固体 マススペクトルデータ [M]+ :268 IR(cm-1):1650、1620、1440、124
0。
【0168】実施例27 1−アセチルアミノアダマンタンに代えて、1−アダマ
ンタノールを用いた以外は実施例1と同様の操作(但
し、反応温度75℃、反応時間6時間)を行い、1−ア
ダマンタノールの転化率99%で、1,3−アダマンタ
ンジオール(収率80%)を得た。 白色固体 マススペクトルデータ [M]+ :168 IR(cm-1):3350、1370、11101−ニト
ロ−3−アダマンタノールに代えて、上記の方法で得ら
れた1,3−アダマンタンジオールを用いた以外は実施
例14と同様の操作を行い、1,3−アダマンタンジオ
ールの転化率99%で、1−アセチルオキシ−3−アダ
マンタノール(収率95%)で得た。 無色液体 マススペクトルデータ [M]+ :210 IR(cm-1):3350、1720、1120 1,3−アダマンタンジオールに代えて、上記の方法で
得られた1−アセチルオキシ−3−アダマンタノールを
用いた以外は実施例20と同様の操作を行い、1−アセ
チルオキシ−3−アダマンタノールの転化率99%で、
1−アセチルオキシ−3−メトキシカルボニルオキシア
ダマンタン(収率90%)を得た。 白色固体 マススペクトルデータ [M]+ :268 IR(cm-1):1670、1630、1440、124
0。
【0169】実施例28 窒素雰囲気下、塩化アセチル 11ミリモル及びトリエ
チルアミン 12ミリモルをTHF2mlに溶解し、得
られた溶液に、実施例16の方法で得られた1−アミノ
−3−アダマンタノール 10ミリモルのDMF(10
ml)溶液を、40℃で30分かけて滴下し、さらに、
40℃で3時間撹拌した。その結果、1−アミノ−3−
アダマンタノールの転化率99%で、1−アセチルアミ
ノ−3−アダマンタノール(収率95%)が得られた。 淡黄色液体 マススペクトルデータ [M]+ :209 IR(cm-1):3350、1670、690 1,3−アダマンタンジオールに代えて、上記の方法で
得られた1−アセチルアミノ−3−アダマンタノールを
用いた以外は実施例20と同様の操作を行い、1−アセ
チルアミノ−3−アダマンタノールの転化率99%で、
1−アセチルアミノ−3−メトキシカルボニルオキシア
ダマンタン(収率90%)を得た。 淡黄色液体 マススペクトルデータ [M]+ :267 IR(cm-1):3300、1650、1620、124
0。
【0170】実施例29 1,3−アダマンタンジオールに代えて、実施例18の
方法で得られた1−ヒドロキシメチル−3−アダマンタ
ノールを用いた以外は実施例20と同様の操作を行い、
1−ヒドロキシメチル−3−アダマンタノールの転化率
99%で、1−ヒドロキシメチル−3−メトキシカルボ
ニルオキシアダマンタン(収率90%)を得た。 白色固体 マススペクトルデータ [M]+ :240 IR(cm-1):3300、1650、1440、124
0。
【0171】実施例30 1,3−アダマンタンジオールに代えて、実施例13の
方法で得られた1−(N,N−ジメチルカルバモイル)
−3−アダマンタノールを用いた以外は実施例20と同
様の操作を行い、1−(N,N−ジメチルカルバモイ
ル)−3−アダマンタノールの転化率99%で、1−
(N,N−ジメチルカルバモイル)−3−メトキシカル
ボニルオキシアダマンタン(収率90%)を得た。 淡黄色液体 マススペクトルデータ [M]+ :281 IR(cm-1):1650、1620、1280、117
0。
【0172】実施例31 実施例15の方法で得られた1−アセチルオキシ−3−
アミノアダマンタン10ミリモルをトルエン(100m
l)に溶解し、得られた溶液に、ホスゲン12ミリモル
を室温で添加し、6時間撹拌した。その結果、1−アセ
チルオキシ−3−アミノアダマンタンの転化率95%
で、1−アセチルオキシ−3−イソシアナトアダマンタ
ン(収率85%)が得られた。 淡黄色液体 マススペクトルデータ [M]+ :235 IR(cm-1):2200、1670、1330、75
0。
【0173】実施例32 1−アセチルアミノアダマンタンに代えて、1,3−ア
ダマンタンジールを用いた以外は実施例1と同様の操作
(但し、反応温度75℃、反応時間6時間)を行い、
1,3−アダマンタンジオールの転化率99%で、1,
3,5−アダマンタントリオール(収率80%)を得
た。 白色固体 マススペクトルデータ [M]+ :184 IR(cm-1):3320、1320、1170 1−ニトロ−3−アダマンタノールに代えて、上記の方
法で得られた1,3,5−アダマンタントリオールを用
いた以外は実施例14と同様の操作を行い、1,3,5
−アダマンタントリオールの転化率99%で、1−アセ
チルオキシ−3,5−アダマンタンジオール(収率90
%)を得た。 無色液体 マススペクトルデータ [M]+ :226 IR(cm-1):3320、1620、1320、114
0。
【0174】実施例33 窒素雰囲気下、実施例32の方法で得られた1,3,5
−アダマンタントリオール 10ミリモル及びトリエチ
ルアミン 24ミリモルをDMF10mlに溶解し、塩
化アセチル 22ミリモルを40℃で30分かけて滴下
した。さらに、40℃で3時間撹拌した。その結果、
1,3,5−アダマンタントリオールの転化率99%
で、1,3−ビス(アセチルオキシ)−5−アダマンタ
ノール(収率80%)が生成していた。 無色液体 マススペクトルデータ [M]+ :268 IR(cm-1):3300、1610、1310、115
0。
【0175】実施例34 窒素雰囲気下、実施例32の方法で得られた1,3,5
−アダマンタントリオール 10ミリモル及びトリエチ
ルアミン 36ミリモルをDMF10mlに溶解し、塩
化アセチル 33ミリモルを40℃で30分かけて滴下
した。さらに、40℃で3時間撹拌した。その結果、
1,3,5−アダマンタントリオールの転化率99%
で、1,3,5−トリス(アセチルオキシ)アダマンタ
ン(収率95%)が生成していた。 無色液体 マススペクトルデータ [M]+ :310 IR(cm-1):1620、1320、1140。
【0176】実施例35 1,3−アダマンタンジオールに代えて、実施例32の
方法で得られた1,3,5−アダマンタントリオールを
用いた以外は実施例20と同様の操作を行ったところ、
1,3,5−アダマンタントリオールの転化率99%
で、1−メトキシカルボニルオキシ−3,5−アダマン
タンジオール(収率90%)を得た。 無色液体 マススペクトルデータ [M]+ :242 IR(cm-1):3320、1620、1270。
【0177】実施例36 1,3−アダマンタンジオールに代えて、実施例32の
方法で得られた1,3,5−アダマンタントリオールを
用いた以外は実施例21と同様の操作を行ったところ、
1,3,5−アダマンタントリオールの転化率99%
で、1,3−ビス(メトキシカルボニルオキシ)−5−
アダマンタノール(収率80%)が得られた。 無色液体 マススペクトルデータ [M]+ :300 IR(cm-1):3330、1610、1260。
【0178】実施例37 窒素雰囲気下、実施例32の方法で得られた1,3,5
−アダマンタントリオール 10ミリモル及びピリジン
36ミリモルをDMF10mlに溶解し、撹拌下、室温
で、塩化メトキシカルボニル 33ミリモルを滴下し
た。発熱が始まったところで氷冷を開始し、発熱が収ま
ったところで、60℃に加熱し、1時間撹拌した。その
結果、1,3,5−アダマンタントリオールの転化率9
9%で、1,3,5−トリス(メトキシカルボニルオキ
シ)アダマンタン(収率95%)が生成していた。 無色液体 マススペクトルデータ [M]+ :358 IR(cm-1):1630、1280、1110。
【0179】実施例38 1,3−アダマンタンジオールに代えて、実施例32の
方法で得られた1,3,5−アダマンタントリオールを
用いた以外は実施例22と同様の操作を行ったところ、
1,3,5−アダマンタントリオールの転化率99%
で、1−(N−メチルカルバモイルオキシ)−3,5−
アダマンタンジオール(収率90%)が得られた。 淡黄色液体 マススペクトルデータ [M]+ :241 IR(cm-1):3350、1670、1280。
【0180】実施例39 1,3−アダマンタンジオールに代えて、実施例32の
方法で得られた1,3,5−アダマンタントリオールを
用いた以外は実施例23と同様の操作を行ったところ、
1,3,5−アダマンタントリオールの転化率99%
で、1,3−ビス(N−メチルカルバモイルオキシ)−
5−アダマンタノール(収率80%)が得られた。 淡黄色液体 マススペクトルデータ [M]+ :298 IR(cm-1):3340、1680、1310。
【0181】実施例40 窒素雰囲気下、実施例32の方法で得られた1,3,5
−アダマンタントリオール 10ミリモル及びピリジン
1滴をDMF10mlに溶解し、撹拌下、メチルイソシ
アナート 30ミリモルを滴下した。発熱が始まったと
ころで氷冷を開始し、発熱が収まったところで、60℃
に加熱し、1時間撹拌した。その結果、1,3,5−ア
ダマンタントリオールの転化率99%で、1,3,5−
トリス(N−メチルカルバモイルオキシ)アダマンタン
(収率95%)が得られた。 淡黄色液体 マススペクトルデータ [M]+ :339 IR(cm-1):1670、1310、1140。
【0182】実施例41 枝付きナスフラスコ(50ml)を氷水に浸漬して、減
圧し、ガスパック(1L)から一酸化窒素をフラスコ内
に導入するとともに、ガスパック(1L)から酸素をフ
ラスコ内に導入した。フラスコ内が赤褐色の気体で充満
し、赤褐色の気体が沈殿するとともにN2 3 を主成分
とする青色の液体が生成した。上記一酸化炭素の導入と
酸素の導入とを繰返し、約1.5mlの青色液体を生成
させ、液体窒素より凍結させた。凍結した青色液体
1.8g(N2 3 換算で0.024モル)、実施例2
7の方法で得られた1,3−アダマンタンジオール 1
ミリモル、NHPI 0.05ミリモル、酢酸 5ml
を混合し、撹拌しながら温度100℃で10時間反応さ
せたところ、1,3−アダマンタンジオールの転化率9
9%で、1−ニトロ−3,5−アダマンタンジオール
(収率80%)が得られた。 淡黄色液体 マススペクトルデータ [M]+ :213 IR(cm-1):3320、1320、1170。
【0183】実施例42 1,3−アダマンタンジオールに代えて、実施例41の
方法で得られた1−ニトロ−3,5−アダマンタンジオ
ールを用いた以外は実施例21と同様の操作を行ったと
ころ、1−ニトロ−3,5−アダマンタンジオールの転
化率99%で、1,3−ビス(メトキシカルボニルオキ
シ)−5−ニトロ−アダマンタン(収率90%)が得ら
れた。 淡黄色液体 マススペクトルデータ [M]+ :349 IR(cm-1):1650、1590、1360、112
0 実施例43 1,3−アダマンタンジオール 10ミリモル、NHP
I 1ミリモル、Co(AA)2 0.005ミリモル
を酢酸25ml中に仕込み、混合ガス(2Lの一酸化炭
素と、0.5Lの酸素との混合ガス;圧力:5kg/c
2 )を封入したガスパックを反応器へ接続し、60℃
で6時間撹拌したところ、1,3−アダマンタンジオー
ルの転化率99%で、1−カルボキシ−3,5−アダマ
ンタンジオール(収率80%)が得られた。 白色固体 マススペクトルデータ [M]+ :212 IR(cm-1):3320、1320、1170 1,3−アダマンタンジオールに代えて、上記の方法で
得られた1−カルボキシ−3,5−アダマンタンジオー
ルを用いた以外は実施例21と同様の操作を行ったとこ
ろ、1−カルボキシ−3,5−アダマンタンジオールの
転化率99%で、1−カルボキシ−3,5−ビス(メト
キシカルボニルオキシ)アダマンタン(収率90%)が
得られた。 無色液体 マススペクトルデータ [M]+ :240 IR(cm-1):3370、1670、1470、132
0。
【0184】実施例44 実施例2の方法で得た1−カルボキシアダマンタン 1
0ミリモル、NHPI1ミリモル、Co(AA)2
0.005ミリモル及び酢酸25mlの混合液に、一酸
化窒素と酸素とを、前者:後者(モル比)=5:1の割
合で導入しつつ、80℃で4時間撹拌したところ、1−
カルボキシ−3−ニトロアダマンタンが70%の収率で
得られた。上記の方法で得られた1−カルボキシ−3−
ニトロアダマンタン 10ミリモル、NHPI 1ミリ
モル、V(AA)3 0.05ミリモル及び酢酸25m
lの混合液を、酸素雰囲気下、85℃で4時間反応させ
た。反応生成物をガス−マススペクトル装置により分析
したところ、1−カルボキシ−3−ニトロ−5−アダマ
ンタノールが80%の収率で生成していた。
【0185】実施例45 アダマンタン 10ミリモル、NHPI 1ミリモル、
Co(AA)2 0.005ミリモル及び酢酸25ml
の混合液に、一酸化窒素(NO)と一酸化炭素(CO)
と酸素(O2 )とを、NO:CO:O2 (モル比)=1
0:15:1の割合で導入し(圧力:26kg/c
2 )、100℃で6時間撹拌した。反応生成物を、ガ
スクロマトグラフィー及びガス−マススペクトル装置に
より分析したところ、アダマンタンの転化率90%で、
1−カルボキシ−3−ニトロ−5−アダマンタノール
(収率5%)、1−ニトロ−3,5−アダマンタンジオ
ール(収率10%)、1−カルボキシ−3,5−アダマ
ンタンジオール(収率10%)、1,3,5−アダマン
タントリオール(収率15%)、1,3−ジニトロ−5
−アダマンタノール(収率8%)、1,3−ジカルボキ
シ−5−アダマンタノール(収率3%)、1,3,5−
トリニトロアダマンタン(収率5%)、1−カルボキシ
−3,5−ジニトロアダマンタン(収率5%)、1,3
−ジカルボキシ−5−ニトロアダマンタン(収率1%)
及び1,3,5−トリカルボキシアダマンタン(収率1
%)が生成していた。
【0186】実施例46 アダマンタン 10ミリモル、NHPI 1ミリモル、
及びCo(AA)2 0.005ミリモルを酢酸25ml
中に仕込み、混合ガス(3Lの一酸化炭素と0.75L
の酸素との混合ガス)を封入したガスパックを反応器へ
接続し、60℃で12時間撹拌し、1−カルボキシアダ
マンタン、1,3−ジカルボキシアダマンタンと共に、
1,3,5−トリカルボキシアダマンタンを得た。この
1,3,5−トリカルボキシアダマンタン 10ミリモ
ル、NHPI 1ミリモル、及びCo(AA)2 0.
005ミリモルを酢酸25ml中に仕込み、酸素雰囲気
下75℃で6時間撹拌したところ、転化率76%、収率
70%で1,3,5−トリカルボキシ−7−アダマンタ
ノールを得た。 (1)1,3,5−トリカルボキシアダマンタン 白色固体 マススペクトルデータ(フラグメント) [M]+ :268、[M]- :223(-CO2 H)、[M]
--:178(-CO2 H)、[M]---:133(-CO2 H) (2)1,3,5−トリカルボキシ−7−アダマンタノ
ール 白色固体 マススペクトルデータ(フラグメント) [M]+ :284、[M]- :266(-OH2 )、
[M]--:221(-CO2 H)、[M]---:176(-CO2
H)、[M]----:131(-CO2 H)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 62/24 C07C 62/24 69/12 69/12 69/21 69/21 69/757 69/757 Z 69/96 69/96 Z 201/12 201/12 205/18 205/18 231/10 231/10 235/40 235/40 271/34 271/34 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1)で表されるアダマンタン誘導
    体又はその塩。 【化1】 (式中、X1 は保護基により保護されていてもよいヒド
    ロキシル基を示し、X2はニトロ基、保護基により保護
    されていてもよいアミノ基又はN−置換アミノ基、保護
    基により保護されていてもよいヒドロキシル基、保護基
    により保護されていてもよいカルボキシル基、保護基に
    より保護されていてもよいヒドロキシメチル基、または
    イソシアナト基を示す。 (i)X2 がニトロ基であるとき、X3 、X4 は同一又
    は異なって、水素原子、アルキル基、ニトロ基、保護基
    により保護されていてもよいヒドロキシル基、保護基に
    より保護されていてもよいアミノ基又はN−置換アミノ
    基、保護基により保護されていてもよいカルボキシル
    基、保護基により保護されていてもよいヒドロキシメチ
    ル基、またはイソシアナト基である。ただし、X1 がヒ
    ドロキシル基のとき、X3 、X4 は同時に水素原子では
    ない。 (ii)X2 が保護基により保護されていてもよいアミノ
    基又はN−置換アミノ基であるとき、X3 、X4 は同一
    又は異なって、水素原子、アルキル基、保護基により保
    護されていてもよいアミノ基又はN−置換アミノ基、保
    護基により保護されていてもよいヒドロキシル基、保護
    基により保護されていてもよいカルボキシル基、保護基
    により保護されていてもよいヒドロキシメチル基、また
    はイソシアナト基である。ただし、X1 がヒドロキシル
    基のとき、X3 、X4 は同時に水素原子、アルキル基で
    はない。 (iii)X2 が保護基により保護されていてもよいヒド
    ロキシル基であるとき、X3 、X4 は同一又は異なっ
    て、水素原子、アルキル基、保護基により保護されてい
    てもよいヒドロキシル基、保護基により保護されていて
    もよいカルボキシル基、保護基により保護されていても
    よいヒドロキシメチル基、またはイソシアナト基であ
    る。ただし、X1 がヒドロキシル基又は飽和脂肪族アシ
    ルオキシ基であり、且つX2 がヒドロキシル基又は飽和
    脂肪族アシルオキシ基のとき、X3 、X4 は同時に水素
    原子、アルキル基ではない。また、X1 、X2 がともに
    ヒドロキシル基であるとき、X3 とX4 は水素原子と保
    護基により保護されていてもよいカルボキシル基との組
    み合わせではない。 (iv)X2 が保護基により保護されていてもよいカルボ
    キシル基であるとき、X3 、X4 は同一又は異なって、
    水素原子、アルキル基、保護基により保護されていても
    よいカルボキシル基、保護基により保護されていてもよ
    いヒドロキシメチル基、またはイソシアナト基である。
    ただし、X1 がヒドロキシル基または飽和脂肪族アシル
    オキシ基のとき、X3 、X4 は同時に水素原子、アルキ
    ル基ではなく、またX3 とX4 は水素原子とアルキル基
    との組み合わせではない。 (v)X2 が保護基により保護されていてもよいヒドロ
    キシメチル基であるとき、X3 、X4 は同一又は異なっ
    て、水素原子、アルキル基、保護基により保護されてい
    てもよいヒドロキシメチル基、またはイソシアナト基で
    ある。ただし、X1 がヒドロキシル基のとき、X3 、X
    4 は同時に水素原子ではない。 (vi)X2 がイソシアナト基であるとき、X3 、X4
    同一又は異なって、水素原子、アルキル基、またはイソ
    シアナト基である。ただし、X1 がヒドロキシル基のと
    き、X3 、X4 は同時に水素原子ではない)
  2. 【請求項2】 前記式(1)において、X1 がヒドロキ
    シル基、C2-6 飽和脂肪族アシルオキシ基、C1-6 アル
    コキシ−カルボニルオキシ基、または置換基を有してい
    てもよいカルバモイルオキシ基であり、X2 がニトロ
    基、アミノ基、C2-6 アシルアミノ基、C1-6 アルコキ
    シ−カルボニルアミノ基、C2-6 飽和脂肪族アシルオキ
    シ基、C1-6 アルコキシ−カルボニルオキシ基、置換基
    を有していてもよいカルバモイルオキシ基、カルボキシ
    ル基、C1-6 アルコキシ−カルボニル基、置換基を有し
    ていてもよいカルバモイル基、ヒドロキシメチル基、ま
    たはイソシアナト基である請求項1記載のアダマンタン
    誘導体又はその塩。
  3. 【請求項3】 下記式(2) 【化2】 (式中、R1 及びR2 は、同一又は異なって、水素原
    子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シクロア
    ルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシ
    ル基、アルコキシカルボニル基、アシル基を示し、R1
    及びR2 は互いに結合して二重結合、または芳香族性又
    は非芳香族性の環を形成してもよい。Yは酸素原子又は
    ヒドロキシル基を示し、nは1〜3の整数を示す)で表
    されるイミド化合物で構成された酸化触媒の存在下、下
    記式(1a) 【化3】 (式中、X2 はニトロ基、保護基により保護されていて
    もよいアミノ基又はN−置換アミノ基、保護基により保
    護されていてもよいヒドロキシル基、保護基により保護
    されていてもよいカルボキシル基、保護基により保護さ
    れていてもよいヒドロキシメチル基、またはイソシアナ
    ト基を示し、X3a及びX4aは同一又は異なって、水素原
    子、アルキル基、ニトロ基、保護基により保護されてい
    てもよいヒドロキシル基、保護基により保護されていて
    もよいアミノ基又はN−置換アミノ基、保護基により保
    護されていてもよいカルボキシル基、保護基により保護
    されていてもよいヒドロキシメチル基、またはイソシア
    ナト基を示す)で表されるアダマンタン誘導体と、酸素
    とを接触させるアダマンタン誘導体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記式(2)で表されるイミド化合物に
    おいて、R1 及びR2 が互いに結合して、置換基を有し
    ていてもよいシクロアルカン環、置換基を有していても
    よいシクロアルケン環、置換基を有していてもよい橋か
    け式炭化水素環、置換基を有していてもよい芳香族環を
    形成する請求項3記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記式(2)で表されるイミド化合物が
    下記式(2a)〜(2f)で表される化合物である請求項3
    記載の製造方法。 【化4】 (式中、R3 〜R6 は、同一又は異なって、水素原子、
    アルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキ
    シル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、ニトロ
    基、シアノ基、アミノ基、ハロゲン原子を示す。R1
    2 、Y及びnは前記に同じ)
  6. 【請求項6】 前記式(2)で表されるイミド化合物
    が、N−ヒドロキシコハク酸イミド、N−ヒドロキシマ
    レイン酸イミド、N−ヒドロキシヘキサヒドロフタル酸
    イミド、N,N′−ジヒドロキシシクロヘキサンテトラ
    カルボン酸イミド、N−ヒドロキシフタル酸イミド、N
    −ヒドロキシテトラブロモフタル酸イミド、N−ヒドロ
    キシテトラクロロフタル酸イミド、N−ヒドロキシヘッ
    ト酸イミド、N−ヒドロキシハイミック酸イミド、N−
    ヒドロキシトリメリット酸イミド、N,N′−ジヒドロ
    キシピロメリット酸イミドおよびN,N′−ジヒドロキ
    シナフタレンテトラカルボン酸イミドからなる群から選
    択された少なくとも一種の化合物である請求項3記載の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 酸化触媒が、前記式(2)で表されるイ
    ミド化合物と、助触媒とで構成されている請求項3記載
    の製造方法。
  8. 【請求項8】 助触媒が周期表2A族元素、遷移金属元
    素、周期表3B族元素からなる群から選択された少なく
    とも一種の元素を含む化合物である請求項7記載の製造
    方法。
  9. 【請求項9】 助触媒が、周期表3A族元素,4A族元
    素,5A族元素,6A族元素,7A族元素,8族元素,
    1B族元素からなる群から選択された少なくとも一種の
    元素を含む化合物である請求項7記載の製造方法。
  10. 【請求項10】 下記式(1a) 【化5】 (式中、X2 はニトロ基、保護基により保護されていて
    もよいヒドロキシル基、保護基により保護されていても
    よいアミノ基又はN−置換アミノ基、保護基により保護
    されていてもよいヒドロキシル基、保護基により保護さ
    れていてもよいカルボキシル基、保護基により保護され
    ていてもよいヒドロキシメチル基、またはイソシアナト
    基を示し、X3a及びX4aは同一又は異なって、水素原
    子、アルキル基、ニトロ基、保護基により保護されてい
    てもよいヒドロキシル基、保護基により保護されていて
    もよいアミノ基又はN−置換アミノ基、保護基により保
    護されていてもよいカルボキシル基、保護基により保護
    されていてもよいヒドロキシメチル基、またはイソシア
    ナト基を示す)で表されるアダマンタン誘導体を、下記
    酸化工程(i),ニトロ化工程(ii)およびカルボキシ
    ル化工程(iii)のうち少なくとも1つの工程に供し、
    少なくともヒドロキシル基を有するアダマンタン誘導体
    を製造する方法。 (i)下記式(2) 【化6】 (式中、R1 及びR2 は、同一又は異なって、水素原
    子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シクロア
    ルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシ
    ル基、アルコキシカルボニル基、アシル基を示し、R1
    及びR2 は互いに結合して二重結合、または芳香族性又
    は非芳香族性の環を形成してもよい。Yは酸素原子又は
    ヒドロキシル基を示し、nは1〜3の整数を示す)で表
    されるイミド化合物で構成された触媒の存在下、酸素に
    よる酸化工程 (ii)下記(iia)〜(iic)の少なくとも1つのニトロ
    化工程 (iia)前記式(2)で表されるイミド化合物で構成された
    触媒の存在下、窒素酸化物によるニトロ化工程、(iib)
    酸化二窒素および一酸化窒素のうち少なくともいずれか
    一方の窒素酸化物と酸素とによるニトロ化工程、および
    (iic)二酸化窒素によるニトロ化工程 (iii)前記式(2)で表されるイミド化合物で構成され
    た触媒の存在下、一酸化炭素および酸素によるカルボキ
    シル化工程
  11. 【請求項11】 さらに、ニトロ化工程(ii)およびカ
    ルボキシル化工程(iii)のうち少なくとも一方の工程
    の後、反応生成物を還元工程に供し、アミノ基およびヒ
    ドロキシメチル基のうち少なくとも一方の基を生成させ
    る請求項10記載の製造方法。
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