JP2010516670A - 穏和な条件下及び水性媒体中で、ガス状及び液体アルカンをカルボン酸へ転化する方法 - Google Patents

穏和な条件下及び水性媒体中で、ガス状及び液体アルカンをカルボン酸へ転化する方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、穏和な条件下及び水性媒体中で、ガス状(エタン、プロパン及びn−ブタン)及び液体(n−ペンタン、n−ヘキサン、シクロペンタン及びシクロヘキサン)のアルカンを、炭素原子を1個多く有するカルボン酸へ選択的に変換するための新規の効率的な方法であって、酸化剤(ペルオキソ二硫酸塩)も含有する系において、水/アセトニトリル液体媒体中で、金属触媒の非存在下又は存在下で、アルカンと一酸化炭素を単一ポット低温(25〜60℃)反応させることを特徴とする方法に関する。

Description

本発明は、有機化学、触媒反応及び配位化学に関し、金属触媒を用いたプロセス又は金属を用いないプロセス中で、HO/MeCN媒体中及び酸化剤の存在下で、様々なアルカンから、COとのその低温反応を介してカルボン酸を製造するための効率的な単一ポット法に関する。
本発明者らの研究所で実施した、溶媒としてトリフルオロ酢酸(TFA)を、並びに触媒として様々なV及びRe化合物を含有する系における、アルカンのカルボン酸へのカルボキシル化に関する最近の研究を追究する中で[1、2]、本発明者らは、相当に高価で、反応中に消費され、腐食性のあるTFAを、上述の欠点を克服し得る別の溶媒又は溶媒組成物で置換することを目的として、そのような種類のアルカン変換を実行するための、新規の、より効率的な方法を探してきている。金属触媒を用いたシクロアルカンの対応するアルコール及びケトンへの過酸化的酸化(すなわち、Hを用いる)は、例えば、本発明者らの研究所で実施したアルカン変換に関する他の研究が示しているように、水/アセトニトリル液体媒体中で起こり得るということを考慮に入れることによって[3、4]、本発明者らは初めて、この溶媒の混合物が、金属触媒の非存在下でさえ、(n+1)個の炭素原子を有するカルボン酸を選択的に生じるための、COによるガス状及び液体Cアルカンの両方の効率的なカルボキシル化にも顕著に好適となり得ることを見出した。
本研究は、Dr.M.V.Kirillova及びDr.A.M.Kirillovの博士過程内で、科学技術基金(Foundation for Science and Technology)(FCT)のPOCI2010プログラム(FEDERが資金提供)、及び欧州ネットワーク(European network)(人的資源及び流動性、マリーキュリー研究訓練ネットワーク、AQUACHEMプロジェクト)(Human Resources and Mobility Marie−Curie Research Training Network, AQUACHEM project)の後援の下で、A.J.L Pombeiro教授の責任下のプロジェクトの一環として、Centro de Quimica Estrutural、Complexo I、Instituto Superior Tecnico、Universidade Tecnica de Lisboaで展開された。
(a)目的及び利点
〜C脂肪族カルボン酸は、その幅広い工業的用途を考慮すると、非常に重要な、大きなトン数の製品である[5]。これらの酸の製造について、様々な方法が知られており、現在適用されているが[5]、通常、それらは相当に高価な原材料及び触媒の使用、複数の反応段、並びに過酷な反応条件を必要とし、低い収率及び選択性を示す。
したがって、本発明の全般的な目的は、アルカン(豊富で比較的安価な原材料として)の使用に基づいた、上記の制限を示さないであろう、それらのカルボン酸を合成するための新規の改善された方法を見出すこと、穏和な条件下で操作すること、並びに、好ましくは水(水性媒体)を含有する好都合な溶媒組成物を使用することにある。
穏和な条件下での、カルボン酸へのアルカン変換のための、本発明の前に知られている、多少関連している方法は、最初にFujiwara[6]によって開発され、本発明者らの研究所で、最適化し、様々なアルカン及び触媒に拡大した[1、2]。この系は、80℃で、溶媒としての無水トリフルオロ酢酸(TFA)中で及び金属触媒の存在下で、アルカンをCO及びペルオキソ二硫酸塩と反応させることに基づいている。TFAが別の溶媒によって置換された場合、又はTFA及び任意の他の溶媒を含む溶媒組成物を使用した場合(後者の相対量が低い場合、例えば、1:20でも)、その反応は上手くいかなかった。メタンを酢酸へ転化するためのカルボニル化剤[7]として、COの代わりにCOを使用することも、適切な溶媒としてTFAを必要とする。溶媒としてのTFAの使用は、そのコストが高いこと、回収が困難であること、及び反応に伴う消費が原因で、大きな欠点を構成する。その上、TFAは、強力で非常に腐食性の酸であり、環境面で許容できない溶媒である。
したがって、本発明の主な利点は、以下のものである。
単純で、容易に入手可能及びリサイクル可能であり、適用された反応条件下で不活性であり、TFAよりずっと安価であり、この酸の刺激性を有さない溶媒(水/アセトニトリル)を使用すること、
より穏和な反応条件下(TFAを用いた方法における80℃に対し、50〜60℃)で操作すること、
例えば、抽出により、反応混合物からの生成物(カルボン酸)がより容易に分離されること、
常に金属触媒を必要とするTFA操作方法とは対照的に、金属触媒を使用することなく、その反応が実施できること、
選択性が優れていること、すなわち、典型的にTFA含有方法で得られるフッ素化副生成物(例えば、トリフルオロアルカン、トリフルオロカルボン酸エステル及び様々なアルキルトリフレート)を形成しないこと。
水又はアセトニトリル中でのカルボン酸へのアルカン変換は既に研究されてきているが[8〜10]、本発明のものとは異なる方法及び系を含み、非常に低い活性(アルカンのカルボン酸への転化率は、通常、アルカンに基づいて3%を超えない)、中程度の選択性、及び特定のアルカンへの限定的な適用を示すことを述べる必要がある。
したがって、本発明のさらなる利点は、カルボン酸の顕著に高い収率(1バッチ中のアルカンに基づいて最大で72%)、優れた選択性(触媒の種類又はその非存在によっても制御できる)、並びに直鎖又は環状のC〜Cガス状及びC〜C液体アルカン、或いはそれらの混合物の変換への適用性にある。さらに、本発明は、高い酸化剤効率(酸化剤に基づいた製品収率は最大で48%)も示す。
本発明のさらに別の特定の利点は、単塩、酸化物、又は様々な配位化合物を含む、広範囲の遷移金属(典型的に、Cu、Fe、V、Mn又はCr)化合物を使用できることを含む。
(b)革新的特徴
本発明は、穏和な条件下で、ガス状(エタン、プロパン及びn−ブタン)及び液体(n−ペンタン、n−ヘキサン、シクロペンタン及びシクロヘキサン)のアルカンを、水/アセトニトリル溶媒中で、金属触媒の非存在下又は存在下で、前記アルカンの少なくとも1種をCO及びペルオキソ二硫酸塩と反応させることによって、炭素原子を1個多く有するカルボン酸へ変換するための新規の効率的な方法に関する。
上で示したように、COによるアルカンのカルボン酸へのカルボキシル化は既に達成されているが、この発明の前には、相当の効率を示すためには、強酸性媒体(無水トリフルオロ酸として)の使用及び金属触媒[1、2、6]の存在が必要とされていた。したがって、本発明の主な革新的特徴は、高い収率及び選択性で、様々なアルカンを、炭素原子を1個多く有するカルボン酸へ変換することを可能にする新規の溶媒組成物(すなわち、水/アセトニトリル混合物)の発見にある。この方法は、上述したような様々な利点を示し、経済的に魅力的である。
本発明者らの反応条件下では、水又はアセトニトリルのみではその反応は進行しないため、これら2種の溶媒の存在が不可欠であることも述べるべきである。様々な溶媒(例えば、TFA[1、2、6]、HSO [7]、H[8a、c、10b]、HO/過フッ素化酸[8b]、など)が、アルカンのカルボキシル化(TFA系は別として、非常に低い効率を有する)に関して試験されてきたが、水/アセトニトリル混合物は、特に好適であり、そのようなタイプのプロセスに適用されたことはない。
本発明の別の重要な革新的特徴は、カルボン酸の形成のための他のプロセスの大部分で必要とされるものとは対照的に、金属触媒を必要とすることなく、アルカンのカルボキシル化を実施できることに関する。しかし、本発明者らの方法では、その反応は、金属触媒の存在下で促進することができ、より短い反応時間でより高い転化率となる。本発明者らは、トリエタノールアミンを有する銅化合物、すなわち、アルカンの過酸化的酸化に触媒作用を及ぼすと知られている[3a、b、4a]がそのカルボキシル化反応に適用されたことがない水溶性四核錯体[O⊂Cu{N(CHCHO)(BOH)][BF、が特に適切な触媒であることを見出した。
さらに、本発明は、穏和な条件下(25〜60℃の温度範囲)及び水性媒体中で効率的及び選択的に進行する、ガス状及び液体アルカンからC−C結合を形成する珍しいプロセスを提供し、C〜C脂肪族カルボン酸のための既知の工業的プロセス[5]に対してだけではなく、大多数のアルカンの官能基化反応[11]に対しても、優れているいくつかの点を示している。
(c)技術的説明
本発明は、アルカン、一酸化炭素、酸化剤としてのペルオキソ二硫酸塩及び触媒(任意選択)を含む混合物を、水/アセトニトリル混合溶媒中で、好ましくは50〜60℃で反応させることによって、穏和な条件下で、様々なCアルカンを、(n+1)個の炭素原子を有するカルボン酸に選択的に単一ポットで変換する新規の効率的方法(図式1)に関する。したがって、エタンはプロピオン酸へ、プロパンはイソ酪酸及び酪酸へ、n−ブタンは2−メチルブタン酸へ、シクロペンタンはシクロペンタンカルボン酸へ、n−ヘキサンは2−メチルヘキサン酸及び2−エチルペンタン酸へ、並びにシクロヘキサンはシクロヘキサンカルボン酸へ、それぞれ直接変換できる。
Figure 2010516670
典型的な実験手順の詳細な説明、及び本発明に従ったアルカン変換に関する選択した実施例に関する議論を以下に示す。
1−実験の詳細
典型的な実験では、反応混合物を以下のように調製した。テフロン(登録商標)被覆磁気攪拌子を備えた13.0mLのステンレス鋼オートクレーブに、触媒(任意選択)を0〜32.0μmol(典型的に8.0μmol)、Kを1.00〜2.00mmol(典型的に1.50mmol)、HOを2.0〜3.0mL、MeCNを2.0〜4.0mL、及び液体アルカン(ペンタン、シクロペンタン、ヘキサン及びシクロヘキサンの場合)を1.00〜1.50mmol(典型的に1.00mmol)添加した。次いで、オートクレーブを閉じて、空気を取り除くために窒素を用いて3回洗い流し、20〜40atm(典型的に20atm)の一酸化炭素で加圧した。ガス状アルカン(エタン、プロパン又はn−ブタン)を使用する場合、COを入れる前に、反応器を1〜10atmのこのガスで加圧した。反応混合物を、磁気攪拌子及び油浴を使用して、25〜60℃で2〜6時間勢いよく攪拌し、その後、氷浴中で冷却し、ガスを抜き、開けてシュレンク管へ移した。無機化合物から分離するためのジエチルエーテル(9.0〜11.0mL)及びシクロヘプタノン(90μL、内部標準)を添加した。得られた混合物を勢いよく攪拌し、Fisons Instruments GC8000シリーズのガスクロマトグラフをDB WAX融解石英毛管カラム(P/N123−7032)及びJasco−Borwin v.1.50ソフトウェアと共に使用して、有機層をガスクロマトグラフィー(内部標準法)により分析した。生成物は、連結したCarlo Erba(Auto/HRGC/MS)ガスクロマトグラフと共にTrio 2000 Fisons分光計及びVarian UNITY300NMR分光計をそれぞれ使用して、GC−MS、H及び13C−{H}NMR技法によって同定した場合もあった。各触媒は、前述の方法[3a、4a、12]に従って、又は市販元から得た。
アルカン、一酸化炭素、酸化剤、溶媒及びその組成物の相対量、触媒の種類、並びに反応温度などの、アルカンのカルボキシル化に対する様々な要因の影響の例については、表1及び2に列挙し、以下で論じる。
2−実施例
金属触媒の非存在下でさえも、様々なアルカンを、HO/MeCN媒体中でCOによってカルボキシル化してカルボン酸を得ることができる(表1)。最も高いアルカンの転化率は、プロパン及びn−ペンタンに関して観察されており、C及びCカルボン酸の合計収率は、それぞれ最大で約34及び18%となっている(実施例2及び4)。他の場合では、カルボン酸全体の収率は、6〜12%の範囲である。

表1.HO/MeCN媒体中でのアルカンの対応するカルボン酸への金属を用いないカルボキシル化。[a]
Figure 2010516670

[a]選択した結果:典型的な(別段の定めのない限り)反応条件:p(ガス状アルカン)=C、C及びn−C10に関して、それぞれ10、5又は1.5atm(2.66、1.33又は0.40mmol)、液体アルカン(1.00mmol)、p(CO)=20atm(5.32mmol)、K(1.50mmol)、HO(3.0mL)/MeCN(3.0mL)、60℃、オートクレーブ(容量13.0mL)中で6時間。[b]製品収率%(製品のモル/アルカン100モル)。[c](2.00mmol)。[d]p(CO)=30atm。[e]O(2.0mL)/MeCN(4.0mL)。[f]シクロペンタン(1.50mmol)。「g」50℃。
アルカンのカルボキシル化は、典型的に、金属触媒の存在下でより効率的に進行し、したがって、カルボン酸のより高い収率につながり、これは、触媒の非存在下で実施される同じ反応と比較して、通常、より短い反応時間及び低い反応温度で達成できる。
四銅トリエタノールアミネート錯体[O⊂Cu{N(CHCHO)(BOH)][BFは、試験した錯体の中で最も高いレベルの活性を示す(表2)。この触媒に関しては、様々なアルカン全体の最大収率は、以下の順である。シクロヘキサンからシクロヘキサンカルボン酸(約72%、実施例15)、n−ヘキサンから2−メチルヘキサン酸及び2−エチルペンタン酸(約45%、実施例14)、プロパンからイソ酪酸及び酪酸(約38%、実施例9)、n−ブタンから2−メチルブタン酸(約30%、実施例10)、n−ペンタンから2−メチルペンタン酸及び2−エチルブタン酸(約23%、実施例11)、シクロペンタンからシクロペンタンカルボン酸(約22%、実施例12)、並びにエタンからプロピオン酸(約9%、実施例8)。ペルオキソ二硫酸塩酸化剤に基づいた収率も高く、典型的に、アルカンに基づいたものの2/3である。

表2.HO/MeCN媒体中での、アルカンの、対応するカルボン酸への金属触媒を用いたカルボキシル化。[a]
Figure 2010516670

[a]選択した結果:典型的な(別段の定めのない限り)反応条件:p(ガス状アルカン)=C、C及びn−C10に関して、それぞれ10、3又は1.5atm(2.66、0.78又は0.40mmol)、液体アルカン(1.00mmol)、p(CO)=20atm(5.32mmol)、触媒(8.0μmol)、K(1.50mmol)、HO(3.0mL)/MeCN(3.0mL)、60℃、オートクレーブ(容量13.0mL)中で6時間。[b]製品収率%(製品のモル/アルカン100モル)、酸化剤に基づいた製品収率は[(アルカンに基づいた収率)/1.5]として求め得る。[c]カルボン酸製品のモル/触媒のモル。[d]p(CO)=30atm。[e]O(2.0mL)/MeCN(4.0mL)。[f]50℃。「g」シクロペンタン(1.50mmol)。[h]p(CO)=40atm。[i]触媒(2.0μmol)。[j]触媒(4.0μmol)。[l]tea=トリエタノールアミンのモノ脱プロトン化した形態。[m]触媒(16.0μmol)。[n]触媒(32.0μmol)。[o]O(2.0mL)/MeCN(2.0mL)。[p]触媒(10.0μmol)。
他の触媒、すなわち、[Cu(Htea){C(COO)−1,4}]・2nHO、[Cu(Htea)(N)]、Cu(NO・2.5HO、Ca[V{ON(CHCOO)]、KCr、MnO及びFe(OH)・0.5HOも、例えば、シクロヘキサンのカルボキシル化に適用されることができ、14〜39%の範囲のカルボン酸の収率となる(表2、実施例17〜23)。
触媒の量は、製品収率に対してわずかな影響しか有さないが、触媒量が低いと、TONが相当に高くなる。例えば、シクロペンタンのカルボキシル化の場合、触媒量が8.0から2.0μmolへ減少すると、収率は22.2から20.5%へとわずかしか低下しないが、TONは42から153に増大する(表2、実施例12及び13)。
金属を用いないプロセス及び金属触媒を用いたプロセスの両方で、アルカン中の第2級炭素原子は、より容易にカルボキシル化され、分岐カルボン酸の形成に有利である。さらに、本発明者らのプロセスでは、直鎖アルカンのカルボン酸(典型的に、TFA含有系で発生する)又はアルコール及びケトンへの部分的酸化はそれほど進行しない。
アルカンのカルボキシル化のための金属を用いないプロセス及び金属触媒を用いたプロセスの両方の効率は、様々な要因、すなわち、溶媒混合物の量及び組成(1:1又は1:2のHO/MeCN容積比が通常非常に好ましいが、排他的なものではない)、並びにCO圧力(20atmの典型的なCO圧力で、最も高い収率及び選択性が普通達成される)に応じて決まる。それにもかかわらず、触媒の種類及び量、酸化剤の量、全ての反応成分の相対量、並びに反応時間などの他の要因も、得られた結果に影響する。
参考文献
Figure 2010516670

Figure 2010516670

Figure 2010516670

Claims (11)

  1. 穏和な条件下でアルカンを一酸化炭素及び酸化剤と反応させることによりカルボン酸を調製する方法において、金属触媒の非存在下又は存在下で、反応媒体として水/アセトニトリル混合物を使用することを特徴とする方法。
  2. 1:1の容積比のHO/MeCNを使用することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. アルカンとして、エタン、プロパン、n−ブタン、n−ペンタン、シクロペンタン、n−ヘキサン及びシクロヘキサン、又はこれらのアルカンのいずれかを含む混合物を使用することにより、炭素原子を1個多く有する対応するカルボン酸、すなわち、プロピオン酸、イソ酪酸、酪酸、2−メチルブタン酸、2−メチルペンタン酸、2−エチルブタン酸、シクロペンタンカルボン酸、2−メチルヘキサン酸、2−エチルペンタン酸及びシクロヘキサンカルボン酸、又は対応する酸の混合物を形成することを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 酸化剤として、ペルオキソ二硫酸塩化合物をそのままで或いは別の固体、液体又はガス状の酸化剤との混合物として使用することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. ペルオキソ二硫酸塩化合物として、ペルオキソ二硫酸カリウムを使用することを特徴とする、請求項4に記載の方法。
  6. 触媒として、遷移金属化合物を使用することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 遷移金属化合物として、式[O⊂Cu{N(CHCHO)−(BOH)][BFの四銅トリエタノールアミネート化合物を使用することを特徴とする、請求項6に記載の方法。
  8. 遷移金属化合物として、[Cu(Htea){C(COO)−1,4}]・2nHO、[Cu(Htea)(N)]、Cu(NO・2.5HO、Ca[V{ON(CHCOO)]、Fe(OH)・0.5HO、MnO及びFe(OH)・0.5HOからなる群から選択される化合物(式中、Hteaは、トリエタノールアミンのモノ脱プロトン化した形態を意味する)を使用することを特徴とする、請求項6に記載の方法。
  9. 25〜60℃の範囲の反応温度及び2〜6時間の範囲の反応時間を使用することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. リサイクルされた反応物、混合溶媒及び触媒(使用された場合)を使用することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 触媒の種類、並びにアルカン、CO及び酸化剤の相対量によって、カルボン酸異性体の形成における選択性を制御することを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
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