JPH11106287A - 半導体ウエハ処理方法及び装置 - Google Patents

半導体ウエハ処理方法及び装置

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JPH11106287A
JPH11106287A JP28618897A JP28618897A JPH11106287A JP H11106287 A JPH11106287 A JP H11106287A JP 28618897 A JP28618897 A JP 28618897A JP 28618897 A JP28618897 A JP 28618897A JP H11106287 A JPH11106287 A JP H11106287A
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semiconductor wafer
support
substrate
crystal orientation
wafer substrate
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JP28618897A
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English (en)
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Shinji Nakahara
信司 中原
Masato Imai
正人 今井
Masanori Mayuzumi
雅典 黛
Kazutoshi Inoue
和俊 井上
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Super Silicon Crystal Research Institute Corp
Original Assignee
Super Silicon Crystal Research Institute Corp
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  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
  • Container, Conveyance, Adherence, Positioning, Of Wafer (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 結晶格子のスリップ、欠陥等の少ない半導体
ウエハを製造する。 【解決手段】 半導体単結晶から結晶面(100)で切
り出された半導体ウエハ基板を熱処理内の所定位置に設
けられた基板支持台により垂直または傾斜状態に支持し
て加熱条件下で処理する方法において、半導体ウエハ基
板の結晶方位<110>に該当するウエハ外周上の部位
を下端支持位置として特定する位置決め工程と、前記下
端支持位置を基板支持台の下部に設けられた下端支持部
に下向きに合わせて半導体ウエハ基板を基板支持台に設
置する設置工程とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体ウエハを加
熱条件下で処理する方法と装置に関するものであり、特
に加熱条件下における半導体ウエハの支持に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】半導体ウエハ製造プロセスでは、半導体
ウエハに様々な熱処理が施される。半導体ウエハの熱処
理としては、主に酸化膜形成、化学的気相法によるエピ
タキシャル成長、ドーパント拡散、ゲッタリング熱処理
等がある。
【0003】このような半導体ウエハの熱処理は、酸化
炉、エピタキシャル成長炉等の熱処理炉内の所定の位置
に設けられたボードまたはサセプタ等の基板支持台上に
設置し、熱処理炉内を所定のガス雰囲気下で1000℃
以上に加熱し、各プロセスに応じた所定の処理を施すこ
とにより行われる。
【0004】例えば、化学気相法によるエピタキシャル
成長プロセスの場合には、次のように行われる。シリコ
ンエピタキシャルウエハの場合、先ず、単結晶引上げ法
等により製造されたシリコン単結晶インゴットから半導
体ウエハを切り出し、この半導体ウエハの表面を研磨す
る。研磨により仕上げられた半導体ウエハ基板は、所定
の余熱温度(約700〜800℃)に加熱されたエピタ
キシャル成長炉内に挿入して炉内の所定位置に設けられ
たSiC製のサセプタ上に設置し、ローディングを完了
する。
【0005】次に、半導体ウエハ基板をサセプタ上に保
持した状態で成長炉を密閉し、炉内にSiH4 、SiH
Cl3 等のSiを含んだ反応ガスを注入して所定の反応
温度(約1100℃)まで加熱する。これにより、反応
ガスによる還元又は熱分解によって半導体ウエハ基板の
表面上にシリコンが析出・成長し、所定時間後に表面に
所定厚さの単結晶薄膜(エピタキシャル層)が成長した
半導体ウエハ、すなわちエピタキシャルウエハが得られ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】熱処理炉内で半導体ウ
エハ基板を垂直又は傾斜状態に保持した状態で加熱条件
下で所定の処理を実行する場合、半導体ウエハ基板を支
持する基板支持台には、半導体ウエハ基板の下方又は下
半面の外周部分に接触して基板を支持するための複数の
支持部が設けられる。このため、半導体ウエハ基板は、
その自重により、下方部分で支持部から局所的な支持力
を受けることになる。
【0007】一方、半導体ウエハには、ウエハのスライ
ス方向と表面の結晶方位との関係によって、その物性
上、機械的強度が強い部分と弱い部分が存在する。これ
は、半導体ウエハの結晶構造に基づくものであり、例え
ば、結晶面(100)で切り出されたシリコンウエハの
場合、表面の結晶方位[110]に該当する位置は最も
機械的強度を有し、結晶方位[001]または[01
0]に該当する位置は機械的強度が最も弱いことが一般
的に知られている。
【0008】このため、基板支持台との接触点が例えば
結晶方位[001]に該当する位置のような物性上弱い
部分にあると、半導体ウエハ基板の基板支持台への設置
時の衝撃や、加熱処理によって、半導体ウエハ基板の結
晶格子にスリップが発生しやすい。このため、スリップ
の発生を防止するために、加熱条件を狭い範囲に制限し
なければならず、加熱温度の制限によってプロセスのス
ループットが向上できないという問題がある。
【0009】また、エピタキシャル成長処理において、
全面で均質な組織のエピタキシャルウエハを製造する目
的で、基板支持台によってウエハを設置面内で回転させ
ながら、半導体ウエハ基板にエピタキシャル層を成長さ
せる場合がある。この場合には、基板支持台の回転中に
基板支持台と半導体ウエハ基板に相対的な位置ずれが生
じ、これによって半導体ウエハ基板にキズ等が生じる恐
れがあるという問題もある。
【0010】ところで、近年、直径400mm以上のい
わゆる大径半導体ウエハを製造することが試みられてい
る。しかしながら、このような大径半導体ウエハは、小
径の半導体ウエハよりも外周長が大きい分、より多くの
接触点で基板支持台に支持させなければならない。この
ように多くの接触点を伴う場合、そのうちのどこかの接
触点が半導体ウエハ基板の物性上弱い部分にあたる確率
も高くなる。従って、大径半導体ウエハ基板の場合に
は、小径の半導体ウエハの場合に比べて、結晶格子にス
リップ欠陥が生じる割合も多くなるという問題がある。
【0011】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたものであり、半導体ウエハ基板を、その物性上比較
的高い強度を有する部分で支持した状態で加熱処理を行
うことにより、殆ど欠陥のない高品質な半導体ウエハを
製造する半導体ウエハの処理方法及び装置を提供するこ
とを目的とする。
【0012】また、本発明の別の目的は、スリップ等の
欠陥の発生を低減することにより、加熱条件の制限を緩
和し、必要に応じて処理温度を高くすることにより高い
スループットを実現し、また400mm以上の大径ウエ
ハにも適用できる半導体ウエハの処理方法及び装置を提
供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明の基本理念による半導体ウエハ処理方法は、
半導体単結晶から結晶面(100)で切り出された半導
体ウエハ基板を熱処理内の所定位置に設けられた基板支
持台により垂直または傾斜状態に支持して加熱条件下で
処理する方法において、半導体ウエハ基板の結晶方位<
110>に該当するウエハ外周上の部位を下端支持位置
として特定する位置決め工程、前記下端支持位置を基板
支持台の下部に設けられた下端支持部に下向きに合わせ
て半導体ウエハ基板を基板支持台に設置する設置工程と
を備えたことを特徴とする。
【0014】本発明では、結晶面(100)の半導体ウ
エハ基板を、機械的強度を有する結晶方位<110>に
該当する部位で支持するため、かかる部位で半導体ウエ
ハを支持した状態で加熱処理を実行することができ、ウ
エハに発生する結晶格子のスリップを低減することがで
きる。
【0015】本発明において半導体ウエハを加熱条件下
で処理する方法には、例えば、酸化膜形成、化学的気相
法によるエピタキシャル成長、ドーパント拡散、ゲッタ
リング熱処理等の熱処理炉内で基板支持台に半導体ウエ
ハを設置して加熱処理を施す全ての方法が含まれる。
【0016】「結晶方位<110>」とは、シリコン単
結晶等の立方結晶系において、結晶方位[110]及び
該結晶方位[110]と結晶構造上の性質が共通する等
価な方位をいい、具体的には表1に示すAからLまでの
方位がこれに該当する。
【0017】
【表1】
【0018】また、「結晶方位<110>に該当するウ
エハ外周上の部位」とは、半導体ウエハの(100)面
に対して、結晶方位<110>上に存在するウエハ外周
上の部位をいう。
【0019】図6には、シリコンウエハのミラー指数
(100)の結晶面内で結晶をi方向(iは図6の晶帯
軸[001]と[010]との間の任意の方向)に引き
伸ばしたときのi方向の歪みεi と、それに垂直なj方
向の歪みεj との比vij、すなわちポアソン比を示して
いる。図6によると、(100)結晶面の場合、晶帯軸
[110]方位に該当する位置で最もポアソン比の値が
小さく、従って高い強度を有することがわかる。従っ
て、結晶方位<110>に該当する部位が、(100)
半導体ウエハ基板において物性上最も高い機械的強度を
有することになる。
【0020】通常、半導体ウエハ基板には、ウエハ面内
の<110>方位を示すオリエンテーションフラットや
オリエンテーションノッチ或いはその他のマーキングが
設けられているから、個々の半導体ウエハ基板における
結晶方位<110>は、これらオリエンテーションフラ
ットまたはオリエンテーションノッチに基づいて特定す
ることが可能である。
【0021】例えば、結晶方位[110]と等価な方位
である表1に示したE,F,G,Hの各方位は、いずれ
も半導体ウエハ基板の半径方向にあり、かつウエハの周
方向で90度の角度間隔となる。従って、各結晶方位に
該当するウエハ外周上の部位として、表1のE,F,
G,Hのいずれかの方位に当たる部位を下端支持位置を
特定した場合には、その下端支持位置は、半導体ウエハ
基板裏面のウエハの中心角90度間隔で存在するウエハ
外周の位置となる。
【0022】下端支持位置は、結晶方位<110>に該
当する外周上の部位であれば任意の部位を特定すること
ができる。しかし、下端支持位置としては、半導体ウエ
ハ基板を基板支持位置に設置した際に、半導体ウエハ基
板の最下端となるような位置を特定することが好まし
い。かかる位置が、基板支持台からの支持力を最も受け
るからである。下端支持位置が、基板支持台に設置され
た半導体ウエハ基板の最下端としない場合には、基板支
持台からの支持力を分散させるため、複数の下端支持位
置を特定することが好ましい。
【0023】設置工程では、半導体ウエハ基板の最も機
械的強度を有する下端支持位置に基板支持台の下端支持
部を合致させて設置するので、設置の際の衝撃により、
半導体ウエハ基板にキズ、割れ等が発生することを防止
することができる。ここで、基板支持台の下端支持部
は、予め半導体ウエハ基板の下端支持位置に対応した位
置に設けたものでなければならない。
【0024】また、例えば、基板支持台を熱処理炉内の
所定位置に設け、半導体ウエハ基板を熱処理炉外部から
搬入し、基板支持台に設置することができる他、熱処理
炉外部で半導体ウエハ基板に支持位置を特定した後、基
板支持台に設置し、その後、半導体ウエハ基板を設置し
た基板支持台ごと熱処理炉内の所定位置に搬入するよう
に構成することもできる。
【0025】このように本発明では、下端支持位置で半
導体ウエハ基板を下方から支持した状態、すなわち、半
導体ウエハ基板の外周において最も支持力を受ける部分
を最も機械的強度を有する位置とした状態で加熱処理を
実行することができるので、半導体ウエハ基板の結晶格
子のスリップの発生を低減することができ、歩溜まりを
向上させることができる。また、本発明では、結晶格子
のスリップの発生を低減できるので、加熱条件の制限を
緩和することができ、処理効率を向上させることができ
る。
【0026】請求項2に係る発明は、請求項1に記載の
半導体ウエハ処理方法において、前記位置決め工程が、
結晶方位<110>に該当するウエハ外周上の部位であ
って前記下端支持位置とは異なる部位を外周支持位置と
して更に特定する工程を含み、前記設置工程が、前記外
周支持位置を基板支持台の前記下端支持部とは別の位置
に設けられた外周支持部に更に合致させて半導体ウエハ
基板を基板支持台に設置する工程を含むことを特徴とす
る。
【0027】本発明は、半導体ウエハ基板を下端支持位
置の他、下端支持位置以外の外周上の最も機械的強度を
有する外周支持位置を特定するため、下端支持位置と外
周支持位置で半導体ウエハを支持した状態で加熱処理を
実行することができ、半導体ウエハの結晶格子のスリッ
プの発生を更に低減させることができる。
【0028】例えば、下端支持位置、外周支持位置とし
て、表1のE,F,G,Hの4つ方位に当たる部位を特
定した場合には、各支持位置は半導体ウエハ基板外周部
のウエハの中心角で90度間隔で存在する位置となる。
尚、下端支持位置と外周支持位置は、半導体ウエハ基板
を安定させて保持するため、少なくとも方位の異なる3
点を特定することが好ましい。
【0029】請求項3に係る発明は、請求項1又は2に
記載の半導体ウエハ処理方法において、前記位置決め工
程において、結晶方位<110>に該当するウエハ外周
上の部位を、結晶方位<110>を中心とする±10度
の範囲内に特定することを特徴とする。
【0030】本発明において、「結晶方位<110>を
中心とする±10度の範囲内」の部位は、半導体ウエハ
基板の高い強度を維持することができる位置である。す
なわち、図7は、(100)シリコンウエハの最外周を
90度間隔で支持し、その支持位置を結晶方位[11
0]からずらした場合の支持位置と発生応力との関係図
を示したものである。この関係図は、図6のポアソン比
の結晶異方性を考慮した有限要素法による計算機シュミ
レーションにより算出したものである。
【0031】図7において、横軸は、結晶方位[11
0]から該方位と直角な方位[100]までの方位を角
度で表し、縦軸は各結晶方位に当たる位置での発生応力
値を表している。図7によると結晶方位[110]との
角度が10度以下の場合に発生応力値が約0.1255
MPa以下となり、半導体ウエハ基板の機械的強度が低
減しないことがわかる。
【0032】言い換えると、本発明では、半導体ウエハ
基板を結晶方位<110>を中心とする±10度の範囲
内で支持することができるため、半導体ウエハ基板の高
い機械的強度を維持した状態で加熱処理を実行して、結
晶格子のスリップ欠陥の発生を防止できる。このため、
かかる範囲内で半導体ウエハ基板の下端支持位置及び外
周支持位置に自由度を持たせることができ、サイズの異
なる複数の半導体ウエハ基板の基板支持台への載置、加
熱処理を一枚ごとに連続的に行わせることが容易にな
る。
【0033】請求項4に係る発明は、請求項1〜3のい
ずれか1項に記載の半導体ウエハ処理方法において、前
記位置決め工程が、結晶方位<110>に該当するウエ
ハ裏面上の部位を裏面支持位置として更に特定する工程
を含み、前記設置工程が、前記裏面支持位置を基板支持
台に設けられた裏面支持部に合致させて半導体ウエハ基
板を基板支持台に設置する工程を含むことを特徴とす
る。
【0034】本発明は、半導体ウエハ基板を下端支持位
置又は外周支持位置の他、半導体ウエハ基板裏面の最も
機械的強度を有する位置を特定するため、更にかかる位
置でも基板支持台で支持した状態で加熱処理を実行する
ことができ、半導体ウエハ基板の結晶格子のスリップの
発生を更に低減させることができる。本発明は、半導体
ウエハ基板を熱処理炉内の所定位置で、傾斜させて基板
支持台で保持する場合に特に効果的である。
【0035】すなわち、基板支持台の表面は、面粗度に
限界があるため完全な平面ではなく、一般にはランダム
な突起を含む粗面となっている。このため、半導体ウエ
ハ基板は、複数の突起で点接触により支持された状態と
なっており、かかる複数の接触点でも局所的に基板支持
台からの支持力を受けている。従って、半導体ウエハ基
板の裏面を最も機械的強度を有する結晶方位<110>
に該当する部位で支持することにより、結晶格子に発生
するスリップを更に低減することができる。
【0036】裏面支持位置は、結晶方位<110>上の
部位であれば任意の部位を特定することができる。半導
体ウエハ基板を基板支持台上に設置した場合、安定に支
持するため、複数の部位を特定することが好ましい。
【0037】また、各結晶方位ごとに該方位上に複数の
部位を裏面支持位置として特定することができる。更
に、各方位ごとに該方位に該当する直線部分を支持する
ように特定することもできる。これらの場合には、半導
体ウエハ基板を基板支持台上に設置した場合に、機械的
強度を有する部位で、かつより安定に半導体ウエハ基板
を支持することができるため、特に重量の大きい大径の
半導体ウエハ基板に有利である。
【0038】請求項5に係る発明は、請求項4に記載の
半導体ウエハ処理方法において、前記位置決め工程にお
いて、結晶方位<110>に該当するウエハ裏面上の部
位を、結晶方位<110>を中心とする±10度の範囲
内に特定することを特徴とする。
【0039】本発明では、半導体ウエハ基板の裏面を結
晶方位<110>を中心とする±10度の範囲内の部位
を特定するため、かかる部位を支持した状態で加熱処理
を実行することができ、半導体ウエハ基板の高い機械的
強度を維持して、結晶格子のスリップ欠陥の発生を防止
できる。このため、結晶方位<110>を中心とする±
10度の範囲内で半導体ウエハ基板の裏面支持位置に自
由度を持たせることができ、サイズの異なる複数の半導
体ウエハ基板の基板支持台への載置、加熱処理を一枚ご
とに連続的に行わせることが容易になる。
【0040】請求項6に係る発明は、請求項4に記載の
半導体ウエハ処理方法において、前記位置決め工程が、
前記裏面支持位置に前記基板支持台の裏面支持部に嵌合
する凹部を設ける工程を含むことを特徴とする。
【0041】本発明では、位置決め工程で特定された裏
面支持位置に、基板支持台の裏面支持部に嵌合する凹部
を設けているので、半導体ウエハ基板を基板支持台に設
置した際、基板支持台の裏面支持部と半導体ウエハ基板
の凹部とが嵌合し固定される。このため、例えば、エピ
タキシャル成長処理において、均質なエピタキシャル成
長を行わせるべく、基板支持台を回転させながら半導体
ウエハ基板にエピタキシャル層を成長させた場合でも、
半導体ウエハ基板の回転中に裏面支持位置と基板支持台
の裏面支持部との間に相対的なずれを生じることはな
い。従って、半導体ウエハ基板裏面へのキズ等の発生を
防止し、欠陥のなく、かつ均質で高品質なエピタキシャ
ルウエハを製造することができる。
【0042】本発明において、半導体ウエハ基板の裏面
支持位置に設ける凹部は、基板支持台の裏面支持部と嵌
合するものであれば、その構成は限定されるものではな
い。例えば、裏面支持部と嵌合する半球状の凹部または
V字溝等とすることができる。
【0043】請求項7に係る発明は、半導体単結晶から
結晶面(100)で切り出された半導体ウエハ基板を熱
処理炉内の所定位置に設けられた基板支持台により垂直
または傾斜状態に支持して加熱条件下で処理する装置に
おいて、前記基板支持台が半導体ウエハ基板を下方から
支持する下端支持部を有し、該下端支持部は、半導体ウ
エハ基板の結晶方位<110>に該当するウエハ外周上
の部位に対応した位置に設けられていることを特徴とす
る。
【0044】本発明は、請求項1に記載の半導体ウエハ
処理方法を実施する装置である。本発明において半導体
ウエハを加熱条件下で処理する装置には、例えば、酸化
膜形成、化学的気相法によるエピタキシャル成長、ドー
パント拡散、ゲッタリング熱処理等の熱処理炉内で基板
支持台に半導体ウエハを設置して加熱処理を施す全ての
装置が含まれる。
【0045】「結晶方位<110>に該当するウエハ外
周上の部位に対応した位置」とは、半導体ウエハ基板を
基板支持台に設置した状態で、半導体ウエハ外周の結晶
方位<110>上に存在する部位と接触する位置をい
う。そして、基板支持台の下端支持部は、半導体ウエハ
基板を該位置を下方にして設置したときに、該位置に合
致する箇所に設ける。
【0046】本発明では、基板支持台の下端支持部によ
り、半導体ウエハ基板の外周を最も機械的強度を有する
位置で支持することできるため、加熱処理によりウエハ
に発生する結晶格子のスリップを低減することができ
る。
【0047】下端支持部は、半導体ウエハ外周の結晶方
位<110>に対応した位置に設けられていれば、その
構成は限定されるものではない。しかし、下端支持部と
しては、半導体ウエハ基板を基板支持台に設置した際
に、半導体ウエハ基板の最下端となるような位置に設け
ることが好ましい。半導体ウエハ基板のかかる位置が、
基板支持台からの支持力を最も受けるからである。
【0048】下端支持部を、半導体ウエハ基板の最下端
となる位置に設けない場合には、基板支持台からの支持
力を分散させるため、複数の下端支持部を半導体ウエハ
基板の下半面の外周を支持するように設けることが好ま
しい。
【0049】また、下端支持部の材質は、特に限定され
るものではないが、熱処理によりウエハを汚染しない材
料、例えば、SiC、石英等で構成することが好まし
い。
【0050】請求項8に係る発明は、請求項7に記載の
半導体ウエハ処理装置において、前記基板支持台の前記
下端支持部が、半導体ウエハ基板の結晶方位<110>
を中心とする±10度の範囲内に対応した位置に設けら
れていることを特徴とする。
【0051】本発明は、請求項3に記載の発明を実施す
るための装置であり、基板支持台の下端支持部が、半導
体ウエハの機械的強度を維持できる位置を支持するた
め、請求項3に係る発明と同様の作用効果を奏する。
【0052】請求項9に係る発明は、請求項7に記載の
半導体ウエハ処理装置において、前記基板支持台が前記
下端支持部とは別の位置に外周支持部を更に備え、該外
周支持部は、半導体ウエハ基板の結晶方位<110>に
該当するウエハ外周上の部位に対応した位置に設けられ
ていることを特徴とする。
【0053】本発明は、請求項2に係る発明を実施する
ための装置であり、下端支持部の他、下端支持部以外の
外周支持部においても機械的強度を有する位置で支持す
るので、半導体ウエハ基板の結晶格子のスリップの発生
を更に低減させることができる。
【0054】例えば、下端支持部、外周支持部として、
表1のE,F,G,Hの4つ方位に当たる部位を支持す
るように基板支持台に設けることができ、この場合、各
支持部は、半導体ウエハ基板を基板支持台に設置した場
合に、半導体ウエハ基板の外周部位にウエハの中心角9
0度間隔で接触する位置となる。尚、下端支持部と外周
支持部は、半導体ウエハ基板を安定させて保持するた
め、少なくとも方位の異なる3点を特定することが好ま
しい。
【0055】また、外周支持部の材質も、特に限定され
るものではないが、熱処理によりウエハを汚染しない材
料、例えば、SiC、石英等で構成することが好まし
い。
【0056】請求項10に係る発明は、請求項9に記載
の半導体ウエハ処理装置において、前記基板支持台の前
記外周支持部が、半導体ウエハ基板の結晶方位<110
>を中心とする±10度の範囲内に対応した位置に設け
られていることを特徴とする。
【0057】本発明は、請求項3に記載の発明を実施す
るための装置であり、基板支持台の外周支持部が、半導
体ウエハの機械的強度を維持できる位置を支持するた
め、請求項3に係る発明と同様の作用効果を奏する。
【0058】請求項11に係る発明は、請求項10に記
載の半導体ウエハ処理装置において、前記基板支持台が
裏面支持部を更に備え、該裏面支持部は半導体ウエハ基
板の結晶方位<110>に該当するウエハ裏面上の部位
に対応した位置に設けられていることを特徴とする。
【0059】本発明は、請求項4に係る発明を実施する
装置であり、下端支持部又は外周支持部の他、裏面支持
部によって、半導体ウエハ基板裏面の最も機械的強度を
有する位置を支持した状態で加熱処理を実行することが
でき、半導体ウエハ基板の結晶格子のスリップの発生を
更に低減させることができる。特に、本発明は、半導体
ウエハ基板を傾斜させて基板支持台で保持する場合に効
果的である。
【0060】「半導体ウエハ基板の結晶方位<110>
に該当するウエハ裏面上の部位に対応した位置」とは、
半導体ウエハ基板を基板支持台に設置した状態で、半導
体ウエハ裏面の結晶方位<110>上に存在する部位と
接触する位置をいう。基板支持台の裏面支持部は、半導
体ウエハ基板を設置したときに、該方位の位置に合致す
る箇所に設ける。
【0061】裏面支持部は、結晶方位<110>に該当
するウエハ裏面上の部位に該当する位置に合致するよう
に設けられていれば、その構成は特に限定されるもので
はなく、任意の部位とすることができる。
【0062】また、裏面支持部は、各方位ごとに該方位
上に複数の部位を支持するように構成することができ
る。更に、裏面支持部は、各方位ごとに該方位に該当す
る直線部分の部位を支持するように構成してもよい。こ
れらの場合には、半導体ウエハ基板を基板支持台上に設
置した場合に、機械的強度を有する部位で、かつより安
定に半導体ウエハ基板を支持することができるため、特
に重量の大きい大径の半導体ウエハ基板に有利である。
【0063】裏面支持部の形状及び大きさも特に限定さ
れるものではない。例えば、支持部を該当する方位に点
接触する凸部として構成することができる。また、裏面
支持部を該当する方位に直線で接触する凸状として構成
することもできる。
【0064】例えば、結晶方位[110]と等価な方位
である表1のE,F,G,Hの4つ方位は、上述のとお
り、いずれも半導体ウエハ裏面上の半径方向で、かつ各
々ウエハの中心角で90度間隔の方向となる。従って、
これらの4つの結晶方位に該当する部位で半導体ウエハ
基板を支持する場合には、基板支持台の裏面支持部を、
それぞれサセプタの90度間隔の半径上に設けた4つの
凸部として構成することができる。また、支持部を、該
半径方向の直線状の凸部として構成することもできる。
【0065】請求項12に係る発明は、請求項11に記
載の半導体ウエハ処理装置において、前記基板支持台の
前記裏面支持部が、半導体ウエハ基板の裏面の結晶方位
<110>を中心とする±10度の範囲内に対応した位
置に設けられていることを特徴とする。
【0066】本発明は、請求項5に記載の発明を実施す
るための装置であり、基板支持台の裏面支持部が半導体
ウエハの機械的強度を維持できる位置を支持するため、
請求項5に係る発明と同様の作用効果を奏する。
【0067】請求項13に係る発明は、請求項12に記
載の半導体ウエハ処理装置において、半導体ウエハ基板
の裏面の結晶方位<110>を中心とする±10度の範
囲内の位置に凹部が設けられ、前記基板支持台の前記裏
面支持部が、半導体ウエハ基板の裏面の凹部に嵌合する
凸部を備えていることを特徴とする。
【0068】本発明は、請求項6に係る発明を実施する
ための装置である。本発明では、半導体ウエハ基板裏面
の前記裏面支持位置に凹部が設けられ、基板支持台が、
該凹部に嵌合する凸状の裏面支持部を備えているので、
半導体ウエハ基板を基板支持台に設置した際、基板支持
台の凸状の裏面支持部と半導体ウエハ基板の凹部とが嵌
合し固定される。従って、基板支持台を回転させた状態
で半導体ウエハ基板に加熱処理を施す場合、例えばエピ
タキシャル層を成長させる場合でも、回転中に基板支持
台と裏面支持位置がずれることなく、半導体ウエハ基板
にキズ等が生じることを防止することができる。
【0069】本発明の凸状の裏面支持部は、半導体ウエ
ハ基板の凹部と嵌合するものであれば、その構成は限定
されるものではない。例えば、半導体ウエハ基板の凹部
が半球状であれば、凸状支持部をそれに対応させて半球
状に構成することができる。また、基板支持台に半球状
の凹部を設け、該凹部に球状の裏面支持部を嵌合させ、
該球状の上半球部分を半導体ウエハ基板の凹部と嵌合さ
せるように構成してもよい。また、半導体ウエハ基板の
凹部が半径方向に設けられたV字溝であれば、支持部を
半径方向の逆V字形状とすることができる。
【0070】また、裏面支持部の材質は、特に限定され
るものではないが、熱処理によりウエハを汚染しない材
料、例えば、SiC、石英等で構成することが好まし
い。
【0071】請求項14に係る発明は、請求項11〜1
3のいずれか1項に記載の半導体ウエハ処理装置におい
て、前記基板支持台と前記裏面支持部との間に弾性部材
を備えたことを特徴とする。
【0072】本発明は、基板支持台と裏面支持部との間
に弾性部材が設けられているので、半導体ウエハ基板を
基板支持台に設置する際及び基板支持台を回転させて加
熱処理を実行する際の衝撃を緩和して、半導体ウエハ基
板にキズ等が生じることを防止することができる。
【0073】弾性部材の構成は特に限定されるものでは
なく、例えば、薄い石英、ガラス繊維等を使用すること
ができる。
【0074】例えば、基板支持台に半球状の凹部を設
け、該凹部に球状の裏面支持部を嵌合させ、該球状の上
半球部分を半導体ウエハ基板の凹部と嵌合させるように
構成する場合には、基板支持台の凹部に弾性部材として
の薄い石英、ガラス繊維等を設けることができる。
【0075】本願の更に別の発明は、半導体単結晶から
結晶面(100)で切り出された半導体ウエハ基板にお
いて、前記半導体ウエハ基板の外周に、結晶方位<11
0>に該当する部位が下端支持位置及び外周支持位置と
して特定され、前記半導体ウエハ基板の裏面に、結晶方
位<110>に該当する部位が裏面支持位置として特定
されていることを特徴とする。
【0076】本発明では、結晶方位<110>に該当す
る部位が予め支持位置として特定されているので、半導
体ウエハ基板の該支持位置を基板支持台の支持部に合致
させて設置することにより、半導体ウエハ基板の裏面を
最も機械的強度を有する位置で支持することできる。こ
のため、基板支持台上に半導体ウエハ基板を設置する際
に、ウエハ基板に載置の衝撃によるキズ等の発生を防止
できる。また、半導体ウエハに加熱処理を施す場合に、
ウエハに発生する結晶格子のスリップを低減することが
できる。
【0077】ここで、本発明の下端支持位置、外周支持
位置及び裏面支持位置は、ウエハ面内の<110>方位
を示すオリエンテーションフラットやオリエンテーショ
ンノッチ等に基づいて特定することが可能である。
【0078】また、支持位置には、結晶方位<110>
に該当する部位に施されたマーク、ノッチ等の切欠き部
等が含まれる。また、基板支持台が凸状支持部を有する
場合には、裏面支持位置を該凸状支持部に嵌合する凹部
とすることもできる。この場合には、請求項13と同様
の作用効果を奏する。
【0079】本願の更に別の発明は、半導体単結晶から
結晶面(100)で切り出された半導体ウエハ基板にお
いて、前記半導体ウエハ基板の外周に、結晶方位<11
0>を中心とする±10度の範囲内の部位が下端支持位
置及び外周支持位置として特定され、前記半導体ウエハ
基板の裏面に、結晶方位<110>を中心とする±10
度の範囲内の部位が裏面支持位置として特定されている
ことを特徴とする。
【0080】本発明では、半導体ウエハ基板の支持位置
として結晶方位<110>を中心とする±10度の範囲
内の部位が予め特定されており、請求項3及び5と同様
の作用効果を奏する。
【0081】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態について、図示例とともに説明する。図5には、本発
明の一実施形態に係るエピタキシャルウエハ製造装置の
概略構成図を示している。即ち、本実施形態は、本発明
をエピタキシャル成長処理に応用したものである。この
実施形態における半導体ウエハ処理装置は、バレル型炉
を応用したものであり、エピタキシャル成長炉1、エピ
タキシャル成長炉内の基板支持台としてのSiC製のサ
セプタ3、サセプタ3上のシリコンウエハ基板Wを加熱
する複数の赤外線ランプ5から概略構成されている。
【0082】尚、本発明は、バレル型炉に限定されるも
のではなく、サセプタ3によりシリコンウエハ基板を垂
直または傾斜状態に支持してエピタキシャル成長プロセ
スを実行するものであれば、本発明の効果は達成させ
る。
【0083】また、本実施形態では、エピタキシャル成
長における熱処理に応用したものであるが、本発明はこ
れに限られるものではなく、半導体ウエハ製造プロセス
において熱処理を施すいずれのプロセス、例えば、酸化
膜形成、ドーパント拡散、ゲッタリング熱処理等にも応
用することができる。
【0084】本実施形態のサセプタ3は、傾斜面を有
し、シリコン単結晶を結晶面(100)で切り出された
シリコンウエハ基板は該傾斜面に設置される。図1に、
シリコンウエハ基板Wが載置された状態のサセプタ3の
構成図を示す。サセプタ3の表面には、シリコンウエハ
基板Wを支持するための、4つの支持部が設けられてい
る。4つの支持部は、シリコンウエハの外周部の最下端
を支持する下端支持部7と、シリコンウエハの外周の上
端、右端及び左端をそれぞれ支持する3つの外周支持部
8から構成される。
【0085】下端支持部7は、シリコンウエハ基板Wの
結晶面(100)に対し、最も機械的強度を有する結晶
方位[110]と等価な方位である表1のEの方位で下
方からシリコンウエハ基板Wを支持している。
【0086】また、3つの外周支持部は、それぞれ同表
のF,G,Hの方向からシリコンウエハ基板Wを支持し
ている。これらの4つの方位は、シリコンウエハ基板W
の裏面上で、かつ90度の角度間隔の半径方向となる。
このため、下端支持部7及び3つの外周支持部8は、各
方位に対応して各々90度の角度間隔でウエハ外周に接
触するように設けられている。
【0087】尚、下端支持部7及び外周支持部8の位置
は、結晶方位<110>上に存在するものであれば、特
に限定されるものではない。他の一例として、下端支持
部7をシリコンウエハ基板Wの最下端より左右上方の2
箇所に設けた場合の構成を図2に示す。
【0088】図2では、サセプタ3に、2個の下端支持
部7と2個の外周支持部8を設けている。2個の下端支
持部7は、シリコンウエハ基板Wの外周の最下端からウ
エハの中心角で45度上方の外周の部位を、それぞれ表
1のE,Fの方位で斜め下方から支持するように設けら
れている。また、2個の外周支持部8は、シリコンウエ
ハ基板Wの最上端からウエハの中心角で45度下方の外
周の部位を、それぞれ表1のG,Hの方位で斜め上方か
ら支持するように設けられている。
【0089】また、下端支持部7及び外周支持部8を、
機械的強度が著しく減少しない位置、すなわち各結晶方
位を中心とするウエハの中心角±10度の範囲内に設け
てもよい。また、凸状支持部7の上面を該角度範囲に亘
りシリコンウエハ基板Wの外周面と合致する曲面状とし
てもよい。
【0090】本実施形態では、サセプタ3の傾斜面にシ
リコンウエハWが設置されるため、サセプタ3の表面に
半球状の裏面支持部10を設け、シリコンウエハ基板W
を複数の裏面支持部10でシリコンウエハ基板Wの裏面
から支持するように構成してもよい。図3に4箇所に裏
面支持部10を設けたサセプタ3の構成図を示す。
【0091】各裏面支持部10は、下端支持部7及び外
周支持部8が設けられている結晶方位び位置に対応し
て、表1のE,F,G,Hに該当する部位を支持するよ
うに配置されている。これらの4つの方位は、上述のと
おり、シリコンウエハ基板Wの裏面上で、かつ90度の
角度間隔で中心から外周に向かう半径方向であるため、
4つの裏面支持部10は、該半径方向の直線上に存在
し、かつシリコンウエハ基板Wの裏面と点接触するよう
に設けられている。
【0092】尚、裏面支持部10の数は、本実施形態に
限定されるものではなく、シリコンウエハ基板Wを安定
させて支持するため、各方位ごとに半球形状の裏面支持
部10をそれぞれ複数設けてもよい。
【0093】また、裏面支持部10の形状は、半球状に
限定されるものではなく、結晶方位<110>の半径方
向に亘る直線状の凸部としてもよい。
【0094】裏面支持部7の位置も、機械的強度が著し
く減少しない位置、すなわち各結晶方位に該当する位置
からシリコンウエハ基板Wの中心角で±10度の角度範
囲内に設けることができる。また、裏面支持部10の上
面を該角度範囲に亘り平坦面とすることもできる。
【0095】次に、本実施形態のエピタキシャルウエハ
製造装置を利用したエピタキシャルウエハ製造方法につ
いて説明する。本実施形態のエピタキシャルウエハ製造
方法は、支持位置の位置決め工程と、シリコンウエハの
設置工程と、シリコンウエハのエピタキシャル成長工程
から構成される。
【0096】位置決め工程では、シリコンウエハ基板W
の外周部に結晶方位[110]と等価な方位である表1
のE,F,G,Hに該当する部位をマーキングし、下端
支持位置及び外周支持位置として特定する。該結晶方位
の方向は、予めオリエンテーションフラット加工工程に
よりシリコンウエハ基板Wの外径部分に加工された特定
の方位を示すフラット部に基づいて定められる。
【0097】例えば、図8に示すように、シリコンウエ
ハ基板Wのオリエンテーションフラットが、結晶方位<
110>の方向を示している場合には、該フラット部分
と垂直な直線方向及び該直線方向と垂直な直線方向が、
結晶方位[110]と等価な方向となる。従って、オリ
エンテーションフラットと垂直な方向で、かつシリコン
ウエハの中心点を通る直線上の任意の部位及び該直線と
垂直で、かつシリコンウエハの中心点を通る直線上の任
意の部位を下端支持位置及び外周支持位置として特定
し、マークを施す。
【0098】尚、本実施形態では、表1のE,F,G,
Hの方位に該当する部位を特定しているが、これに限ら
れるものではなく、表1のA〜Lの方位のいずれの方位
に該当する部位を下端支持位置及び外周支持位置として
特定できる。
【0099】また、本実施形態では、オリエンテーショ
ンフラットに基づいて、下端支持位置及び外周支持位置
を特定しているが、オリエンテーションノッチがある場
合には、これに基づいて支持位置を特定することができ
る。例えば、図9に示すように、ノッチが、結晶方位
[110]又はこれと等価な方位に該当する部分に存在
するときには、ノッチとシリコンウエハの中心点を通る
直線上の任意の部位及び該直線と垂直で、かつシリコン
ウエハの中心点を通る直線上の任意の部位を支持位置と
して特定し、マークを施す。
【0100】次に、設置工程では、位置決め工程におい
て、下端支持位置及び外周支持位置が特定されたシリコ
ンウエハ基板Wが、ロボットハンド(図示せず)により
サセプタ3上に設置される。このとき、エピタキシャル
成長炉1内部は、赤外線ランプ5により約700〜80
0℃に余熱されている。
【0101】シリコンウエハ基板Wのサセプタ3への設
置は、シリコンウエハ基板Wの下端支持位置及び外周支
持位置としてマークを施した箇所が、サセプタ3の凸状
支持部7と合致して設置されるように、ロボットハンド
が制御される。
【0102】支持位置は、シリコンウエハ基板Wの最も
機械的強度を有する結晶方位に該当する部位であるた
め、シリコンウエハ基板Wへの載置時の衝撃によるりキ
ズ等の発生を低減することができる。
【0103】成長工程では、サセプタ3の下端支持部7
及び外周支持部8でシリコンウエハ基板Wを支持した状
態のまま、反応ガス注入口9から、SiHCl3 等の反
応ガスがエピタキシャル成長炉1内部に注入される。さ
らに、エピタキシャル成長炉1の内部が、反応温度であ
る約1100〜1200℃に加熱されると共に、反応ガ
スの還元、熱分解作用により、シリコンウエハ基板Wに
エピタキシャル層が成長する。
【0104】このように、シリコンウエハ基板Wを、最
も機械的強度を有する部位をサセプタ3からの支持力が
作用する最下端にして下端支持部7で支持し、また、同
様に機械的強度を有する最下端以外の部位を外周支持部
8で支持した状態でエピタキシャル成長プロセスを実行
しているので、シリコンウエハ基板Wへの結晶格子のス
リップの発生を低減することができる。また、スリップ
の発生を低減できるので、エピタキシャル成長時の加熱
条件の制限を緩和することができ、エピタキシャル成長
プロセスのスループットを向上させることができる。
【0105】また、エピタキシャル成長工程において、
均一なエピタキシャルウエハを製造するため、シリコン
ウエハ基板Wをサセプタ3ごと回転させてもよい。この
場合には、サセプタ3の表面に凹部を設け、該凹部にS
iC、石英等の材質で構成された球状の裏面支持部10
の下部を嵌合させる。そして、シリコンウエハ基板Wの
裏面の表1のE,F,G,Hの結晶方位に位置に球状の
支持部7の上部が嵌合する凹部を設け、シリコンウエハ
基板Wをサセプタ3上に設置したときに、シリコンウエ
ハ基板W裏面の凹部に裏面支持部10を嵌合させるよう
に構成する。
【0106】図4は、シリコンウエハ基板Wをサセプタ
3上に設置した状態のシリコンウエハ基板Wとサセプタ
3の断面図を示している。この場合には、シリコンウエ
ハ基板W裏面の凹部と、サセプタ3の裏面支持部10の
上部が嵌合するため、サセプタ3を回転させても、サセ
プタ3とシリコンウエハ基板Wとにずれが生じない。こ
のため、回転中に、シリコンウエハ基板W裏面にキズ等
が生じることがなく、高品質なエピタキシャルウエハを
製造することが可能である。
【0107】尚、裏面支持部10がサセプタ3と嵌合す
る凹部に、薄い石英、ガラス繊維等の弾性部材を設けて
も良い。この場合には、シリコンウエハ基板Wのサセプ
タ3への設置時、及びサセプタ3の回転中の衝撃を緩和
し、シリコンウエハ基板Wにキズなどの欠陥の発生を低
減することが可能である。
【0108】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明は、結晶面
(100)の半導体ウエハ基板の結晶方位<110>に
該当する外周上の部位又はウエハ裏面上の部位を支持し
た状態で加熱処理を実行するため、半導体ウエハ基板に
キズ、結晶格子のスリップの発生を低減することがで
き、高品質な半導体ウエハを製造することができるとい
う効果がある。
【0109】また、本発明は、結晶面(100)の半導
体ウエハ基板を結晶方位<110>に該当するウエハ裏
面上の部位の凹部と基板支持台の裏面支持部の凸部を嵌
合させて支持するため、基板支持台を回転させて加熱処
理を実行した場合でも、半導体ウエハ基板にキズ、結晶
格子のスリップ等の発生を低減することができるととも
に、均質なエピタキシャルウエハを製造することができ
るという効果がある。
【0110】また、本発明は、加熱処理を実行する際
に、半導体ウエハ基板に結晶格子のスリップの発生を低
減することができるため、スリップ発生防止のための加
熱条件の制限を緩和することができる。従って、半導体
ウエハ製造における処理効率を大幅に向上させることが
できるという効果がある。
【0111】更に、本発明は、結晶面(100)の半導
体ウエハ基板を結晶方位<110>から±10度の位置
で支持した状態で加熱処理を実行するため、ウエハに発
生する結晶格子のスリップの低減という効果を維持しつ
つ、支持位置に自由度を持たせることができるため、サ
イズの異なる複数の半導体ウエハ基板の基板支持台への
設置、加熱処理を一枚ごとに連続的に行わせることが容
易になるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態におけるサセプタにシリコンウエハ
基板を設置した状態の平面図である。
【図2】本実施形態におけるサセプタにシリコンウエハ
基板を設置した状態の平面図である。
【図3】本実施形態における裏面支持部を有するサセプ
タの平面図である。
【図4】本実施形態における裏面支持部を有するサセプ
タにシリコンウエハ基板を載置した状態の断面図であ
る。
【図5】本実施形態におけるエピタキシャルウエハ製造
装置の概略構成図である。
【図6】結晶面(100)のシリコンウエハにおけるポ
アソン図である。
【図7】結晶方位と応力との関係図である。
【図8】オリエンテーションフラット加工を施したシリ
コンウエハの平面図である。
【図9】オリエンテーションノッチ加工を施したシリコ
ンウエハの平面図である。
【符号の説明】
1:エピタキシャル成長炉 3:サセプタ 5:赤外線ランプ 7:下端支持部 8:外周支持部 9:反応ガス注入口 10:裏面支持部 W:シリコンウエハ
フロントページの続き (72)発明者 井上 和俊 群馬県安中市中野谷555番地の1 株式会 社スーパーシリコン研究所内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体単結晶から結晶面(100)で切
    り出された半導体ウエハ基板を熱処理内の所定位置に設
    けられた基板支持台により垂直または傾斜状態に支持し
    て加熱条件下で処理する方法において、 半導体ウエハ基板の結晶方位<110>に該当するウエ
    ハ外周上の部位を下端支持位置として特定する位置決め
    工程と、 前記下端支持位置を基板支持台の下部に設けられた下端
    支持部に下向きに合わせて半導体ウエハ基板を基板支持
    台に設置する設置工程とを備えたことを特徴とする半導
    体ウエハ処理方法。
  2. 【請求項2】 前記位置決め工程が、結晶方位<110
    >に該当するウエハ外周上の部位であって前記下端支持
    位置とは異なる部位を外周支持位置として更に特定する
    工程を含み、 前記設置工程が、前記外周支持位置を基板支持台の前記
    下端支持部とは別の位置に設けられた外周支持部に更に
    合致させて半導体ウエハ基板を基板支持台に設置する工
    程を含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体ウエ
    ハ処理方法。
  3. 【請求項3】 前記位置決め工程において、結晶方位<
    110>に該当するウエハ外周上の部位を、結晶方位<
    110>を中心とする±10度の範囲内に特定すること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の半導体ウエハ処理
    方法。
  4. 【請求項4】 前記位置決め工程が、結晶方位<110
    >に該当するウエハ裏面上の部位を裏面支持位置として
    更に特定する工程を含み、 前記設置工程が、前記裏面支持位置を基板支持台に設け
    られた裏面支持部に合致させて半導体ウエハ基板を基板
    支持台に設置する工程を含むことを特徴とする請求項1
    〜3のいずれか1項に記載の半導体ウエハ処理方法。
  5. 【請求項5】 前記位置決め工程において、結晶方位<
    110>に該当するウエハ裏面上の部位を、結晶方位<
    110>を中心とする±10度の範囲内に特定すること
    を特徴とする請求項4に記載の半導体ウエハ処理方法。
  6. 【請求項6】 前記位置決め工程が、前記裏面支持位置
    に前記基板支持台の裏面支持部に嵌合する凹部を設ける
    工程を含むことを特徴とする請求項4に記載の半導体ウ
    エハ処理方法。
  7. 【請求項7】 半導体単結晶から結晶面(100)で切
    り出された半導体ウエハ基板を熱処理炉内の所定位置に
    設けられた基板支持台により垂直または傾斜状態に支持
    して加熱条件下で処理する装置において、 前記基板支持台が半導体ウエハ基板を下方から支持する
    下端支持部を有し、該下端支持部は、半導体ウエハ基板
    の結晶方位<110>に該当するウエハ外周上の部位に
    対応した位置に設けられていることを特徴とする半導体
    ウエハ処理装置。
  8. 【請求項8】 前記基板支持台の前記下端支持部が、半
    導体ウエハ基板の結晶方位<110>を中心とする±1
    0度の範囲内に対応した位置に設けられていることを特
    徴とする請求項7に記載の半導体ウエハ処理装置。
  9. 【請求項9】 前記基板支持台が前記下端支持部とは別
    の位置に外周支持部を更に備え、該外周支持部は、半導
    体ウエハ基板の結晶方位<110>に該当するウエハ外
    周上の部位に対応した位置に設けられていることを特徴
    とする請求項7に記載の半導体ウエハ処理装置。
  10. 【請求項10】 前記基板支持台の前記外周支持部が、
    半導体ウエハ基板の結晶方位<110>を中心とする±
    10度の範囲内に対応した位置に設けられていることを
    特徴とする請求項9に記載の半導体ウエハ処理装置。
  11. 【請求項11】 前記基板支持台が裏面支持部を更に備
    え、該裏面支持部は半導体ウエハ基板の結晶方位<11
    0>に該当するウエハ裏面上の部位に対応した位置に設
    けられていることを特徴とする請求項10に記載の半導
    体ウエハ処理装置。
  12. 【請求項12】 前記基板支持台の前記裏面支持部が、
    半導体ウエハ基板の裏面の結晶方位<110>を中心と
    する±10度の範囲内に対応した位置に設けられている
    ことを特徴とする請求項11に記載の半導体ウエハ処理
    装置。
  13. 【請求項13】 半導体ウエハ基板の裏面の結晶方位<
    110>を中心とする±10度の範囲内の位置に凹部が
    設けられ、前記基板支持台の前記裏面支持部が、半導体
    ウエハ基板の裏面の凹部に嵌合する凸部を備えているこ
    とを特徴とする請求項12に記載の半導体ウエハ処理装
    置。
  14. 【請求項14】 前記基板支持台と前記裏面支持部との
    間に弾性部材を備えたことを特徴とする請求項11〜1
    3のいずれか1項に記載の半導体ウエハ処理装置。
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