JPH11106282A - シリコン単結晶およびその製造方法、評価方法 - Google Patents

シリコン単結晶およびその製造方法、評価方法

Info

Publication number
JPH11106282A
JPH11106282A JP28465897A JP28465897A JPH11106282A JP H11106282 A JPH11106282 A JP H11106282A JP 28465897 A JP28465897 A JP 28465897A JP 28465897 A JP28465897 A JP 28465897A JP H11106282 A JPH11106282 A JP H11106282A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
crystal
single crystal
less
silicon single
crystal growth
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP28465897A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4107700B2 (ja
Inventor
Katsuhiko Nakai
克彦 中居
Masami Hasebe
政美 長谷部
Kuniteru Ota
国照 太田
Kazunori Ishizaka
和紀 石坂
Toshio Iwasaki
俊夫 岩崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Siltronic Japan Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
NSC Electron Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp, NSC Electron Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP28465897A priority Critical patent/JP4107700B2/ja
Publication of JPH11106282A publication Critical patent/JPH11106282A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4107700B2 publication Critical patent/JP4107700B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Materials By The Use Of Optical Means Adapted For Particular Applications (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)
  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
  • Testing Or Measuring Of Semiconductors Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 この発明は、シリコン単結晶育成時に形成さ
れる転位クラスターサイズの評価法を提供するものであ
る。また、この発明は、COP等のgrown−in欠
陥が少なく、なおかつ転位クラスターサイズ、あるいは
転位クラスターサイズと密度の積を低減させるシリコン
単結晶製造条件、及びシリコン単結晶を提供することを
目的としている。 【解決手段】 シリコン単結晶の評価法において、赤外
干渉法によって得られた転位クラスター像から転位クラ
スターサイズを評価する。また、チョクラルスキー法に
よって得られるシリコン単結晶において、COPが10
4 個/cm3以下であり、かつ転位クラスターサイズが
50μm以下、あるいは転位クラスターサイズと密度の
積が105 μm/cm3 以下となるような単結晶シリコ
ンを提供する。また、チョクラルスキー法におけるシリ
コン単結晶製造法において、引上速度を制御することに
よって上記の様なシリコン単結晶を製造する方法を提供
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコン単結晶、
及びその製造法、評価方法に関するもので、酸化膜耐圧
特性、pn接合リーク特性に優れた品質のシリコンウエ
ハ及びその製造方法、評価方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高集積MOSデバイスの基板として用い
られるチョクラルスキー法により製造されるシリコン単
結晶ウエハには、酸化膜耐圧特性やpn接合リーク特性
などのデバイス特性に悪影響を与えないような高品質な
結晶が求められている。
【0003】近年、結晶育成直後のシリコン単結晶中
に、酸化膜耐圧特性のうちの初期絶縁破壊特性(TZD
B特性)を劣化させる結晶欠陥が存在することが明らか
となってきた。それらの結晶欠陥は、選択エッチング
法、アンモニア系のウエハ洗浄、あるいは赤外散乱・赤
外干渉を用いた結晶欠陥評価法で検出されるものであ
り、総じてgrown−in欠陥と呼ばれる。これらの
欠陥はいずれも八面体ボイド欠陥であり、特にアンモニ
ア系のウエハ洗浄後に八面体ボイド欠陥が表面にエッチ
ピットとして顕在化したものはCOP(Crystal
Originated Particle)と呼ばれ
ている( J. Ryuta, E. Morita,
T. Tanaka and Y. Shimanu
ki, Jpn. J. Appl. Phys. 2
9, L1947 (1990))。
【0004】このCOP等のgrown−in欠陥を減
らすことを目的とした結晶製造方法として、例えば特開
平2−2671695号公報で規定するような結晶成長
速度を0.8mm/分以下とすることを特徴とする結晶
育成法では、上記に述べたような八面体ボイド欠陥が少
なく、初期絶縁破壊特性に優れた結晶を製造することが
可能である。また、特開平7−257991号公報で規
定するように、結晶育成速度[mm/分]とシリコン融
液と結晶界面の結晶温度勾配[℃/mm]の比率をある
一定値以下であることを特徴とする結晶育成法において
も、同様な結晶を製造することが可能である。
【0005】これらの結晶では950℃以上の温度で酸
化熱処理を行ったときに発生するリング状OSF(酸化
誘起積層欠陥)分布領域(M. Hasebe S.
Shinoyama, S. Naito, Ring
−likely distributed stack
ing faults in CZ−Si wafer
s. K. Sumino, Eds., Defec
t controlin Semiconductor
s (Elsevier SciencePublis
hers B. V., 1990), vol.
I.)がウエハ中心で消滅しており、リング状OSF分
布の外側のgrown−in欠陥が少ない領域がウエハ
全面に広がっているため、初期絶縁破壊特性に優れた結
晶となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、リング状OS
F分布の外側の領域はgrown−in欠陥に比べて低
密度ではあるが、103 /cm3 程度の低密度の転位ク
ラスターが存在している(H. Takeno et
al. Mat. Res. Soc. Symp.
Proc. vol. 262, 1992)。このよ
うな転位クラスターの一部が表面に突き出した場合、そ
の部分に作成されていたデバイスのpn接合リーク特性
に悪影響を与えることが明らかとなってきた。
【0007】今後のデバイスの微細化に伴い、数十μm
程度の転位クラスターがデバイス特性に影響を与えるこ
とが考えられるため、そのような微小転位クラスターの
評価は重要である。また、転位クラスターのサイズが数
十μm以上と非常に大きい場合、それがウエハ表面に突
出する頻度が高くなる。そのため、転位クラスターの密
度のみならずサイズを制御し、pn接合リーク特性に優
れた結晶を製造することが重要である。
【0008】従来転位クラスター評価にはX線トポグラ
フが用いられてきたが、この手法は比較的大きな転位ク
ラスター(50μm以上)しか捕らえられていなかっ
た。またK2 Cr2 7 と沸酸と水との混合液であるS
ecco液(F. SeccoD′ Aragona,
J. Electrochem. Soc. 11
9, p948, 1972)を用いたエッチング法も
用いられてきたが、この方法では欠陥個数は測定できる
ものの、欠陥サイズは分からなかった。そのため、これ
までは103 /cm3 という低密度の転位クラスターの
サイズを測定しうる信頼性の高い評価手段が存在しなか
った。
【0009】この発明は103 /cm3 という低密度の
転位クラスターのサイズを定量的に評価できる新しい評
価方法を提供するものである。さらに上記に述べたよう
な転位クラスターの密度・サイズを制御することでデバ
イス特性への悪影響を排除し、酸化膜耐圧特性に優れ、
かつpn接合リーク特性も良好であるようなシリコン単
結晶、及びそのようなシリコン単結晶の製造方法を提供
するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らはシリコンウ
エハ中の転位クラスターを赤外干渉法で評価した(J.
S. Bacthelder and M. A.
Taubenblatt, Appl. Phys.
Lett. 55(3), 17 (1989))。赤
外干渉法とは、波長1.0〜1.3μmの赤外線を振動
方向が互いに垂直である二つの直線偏光した光束に分離
し、レンズで集光してシリコンウエハ中で焦点を形成し
たときに、二つの光束のうちどちらか一方の光束にのみ
欠陥が存在したときに、二つの光束間に発生する位相差
を検知することで、欠陥を検出するような欠陥評価法で
ある。その結果、上記手法を用いることで転位クラスタ
ーの密度・サイズを測定できることを見出し、本発明を
完成した。
【0011】すなわち、本発明は、(1) シリコン単
結晶中の結晶欠陥を評価するにあたり、波長1.0〜
1.3μmの赤外線を振動方向が互いに垂直である二つ
の直線偏光した光束に分離し、レンズで集光してシリコ
ンウエハ中で焦点を形成したときに、二つの光束のうち
どちらか一方の光束にのみ欠陥が存在したときに、二つ
の光束間に発生する位相差を検知することで、欠陥を検
出するような欠陥評価法において、シリコンウエハ内の
ある領域を二つの光束で走査して、二つの光束間に発生
する位相差を解析することで得られた転位クラスター像
について、特定な結晶方向に沿って測ったサイズの総和
をその転位クラスターのサイズとすることを特徴とする
結晶欠陥評価法である。
【0012】更に本発明者らは、種々の結晶において転
位クラスターの密度・サイズとデバイス特性との関係を
調査した結果、結晶中に存在するこれらの欠陥の密度・
サイズを低減させることがデバイス特性に優れた結晶を
製造する上で有効であることを見出した。更に育成条件
と結晶欠陥との関係を子細に検討した結果、転位クラス
ターの密度・サイズを低減し、pn接合リーク特性に優
れた結晶を育成できる熱履歴条件を見出し、本発明を完
成した。
【0013】すなわち、本発明は、(2) チョクラル
スキー法により製造されたシリコン単結晶であって、表
面異物計で測定したサイズ0.11μm以上のCOPの
密度がウエハ全面にわたって104 個/cm3 以下、か
つ転位クラスターのサイズがウエハ全面にわたって50
μm以下であることを特徴とするシリコン単結晶、
(3) チョクラルスキー法により製造されたシリコン
単結晶であって、表面異物計で測定したサイズ0.11
μm以上のCOPの密度がウエハ全面にわたって104
個/cm3 以下、かつ転位クラスターのサイズの平均値
と転位密度の積がウエハー全面にわたって105 μm/
cm3 以下であることを特徴とするシリコン単結晶、
(4) チョクラルスキー法により製造されたシリコン
単結晶であって、表面異物計で測定したサイズ0.11
μm以上のCOPの密度がウエハ全面にわたって104
個/cm3 以下、かつ転位クラスターのサイズがウエハ
全面にわたって50μm以下、かつ転位クラスターのサ
イズの平均値と転位密度の積がウエハ全面にわたって1
5 μm/cm3 以下であることを特徴とするシリコン
単結晶、(5) チョクラルスキー法により製造された
シリコン単結晶において、結晶育成速度を0.8mm/
分以下となる条件で結晶を育成し、かつ結晶成長時にお
ける1050℃から900℃までの温度範囲において冷
却速度が2℃/分以上となる領域があることを特徴とす
るシリコン単結晶の製造方法、(6) チョクラルスキ
ー法により製造されたシリコン単結晶において、結晶育
成速度をV[mm/分]、シリコン融液と結晶界面の結
晶成長軸方向の温度勾配をG[℃/mm]としたとき
に、V/Gが0.15[mm2 /℃・分]以下となる条
件で結晶を育成し、かつ結晶成長時における1050℃
から900℃までの温度範囲において冷却速度が2℃/
分以上となる領域があることを特徴とするシリコン単結
晶の製造方法、(7) チョクラルスキー法により製造
されたシリコン単結晶において、結晶育成速度を0.8
mm/分以下となる条件で結晶を育成し、かつ結晶成長
時におけるシリコンの融点から1300℃までの冷却速
度を0.5℃/分以下とすることを特徴とするシリコン
単結晶の製造方法、(8) チョクラルスキー法により
製造されたシリコン単結晶において、結晶育成速度をV
[mm/分]、シリコン融液と結晶界面の結晶成長軸方
向の温度勾配をG[℃/mm]としたときに、V/Gが
0.15[mm2 /℃・分]以下となる条件で結晶を育
成し、かつ結晶成長時におけるシリコンの融点から13
00℃までの冷却速度を0.5℃/分以下とすることを
特徴とするシリコン単結晶の製造方法、(9) チョク
ラルスキー法により製造されたシリコン単結晶におい
て、結晶育成速度を0.8mm/分以下となる条件で結
晶を育成し、かつ結晶成長時におけるシリコンの融点か
ら1300℃までの冷却速度を0.5℃/分以下、かつ
結晶成長時における1050℃から900℃までの温度
範囲において冷却速度が2℃/分以上となる領域がある
ことを特徴とするシリコン単結晶の製造方法、(10)
チョクラルスキー法により製造されたシリコン単結晶
において、結晶育成速度をV[mm/分]、シリコン融
液と結晶界面の結晶成長軸方向の温度勾配をG[℃/m
m]としたときに、V/Gが0.15[mm2 /℃・
分]以下となる条件で結晶を育成し、かつ結晶成長時に
おけるシリコンの融点から1300℃までの冷却速度を
0.5℃/分以下、かつ結晶成長時における1050℃
から900℃までの温度範囲において冷却速度が2℃/
分以上となる領域があることを特徴とするシリコン単結
晶の製造方法、(11) チョクラルスキー法により製
造されたシリコン単結晶において、リング状OSF分布
の直径が結晶径の0.1倍になるときの結晶育成速度を
Vmm/分としたときに、結晶の長手方向にわたって結
晶育成速度が0.75V以上0.99V以下の範囲内に
収まる条件で結晶を育成することを特徴とするシリコン
単結晶の製造方法、である。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明者らはリング状OSF分布
領域がウエハ中心で消滅したシリコン結晶から切り出し
たシリコンウエハを赤外干渉法で評価した(J. S.
Bacthelder and M. A. Tau
benblatt, Appl. Phys. Let
t. 55(3), 17 (1989))。赤外干渉
法による市販の欠陥評価装置としては、例えば米国HY
T社製OPP(OpticalPrecipitate
Profiler)がある。本装置では互いに0.5
μmずつ重なり合うように配置した二本の光束で、結晶
内のある領域を走査し、欠陥に起因する二つの光束間の
位相差を電気的手法で信号強度(V)として検知するこ
とで、その領域内に存在する欠陥を検出する装置であ
る。従来、本装置による欠陥測定では欠陥から得られる
信号強度の大きさだけをモニターしていたが、今回はそ
の走査した領域内で得られた信号強度の分布を二次元図
として表す方法を用いた。その結果図1の(a)に示す
ような欠陥像が得られた。これまでリング状OSF分布
の内側の結晶を測定して得られた欠陥像を(b)に示
す。これら(a)と(b)は信号強度の大きさ及び欠陥
像の形態において大きな差異があり、OPPではそれぞ
れ異なる欠陥として識別することが可能である。更にO
PPで観察したこれらの欠陥をTEMで観察した結果、
(a)の欠陥は転位が集まったものであることが、
(b)の欠陥は八面体ボイド欠陥であることが分かっ
た。以上の結果からOPPでリング状OSF分布の外側
の結晶に存在する転位クラスターが評価できることが初
めて明らかとなった。
【0015】このOPP像から転位クラスターの立体的
構造を子細に調査したところ、転位クラスターが<11
0>方向に長く伸びた転位ループの集まりであることを
見出した。よって一つの転位クラスターについてすべて
の<110>方向の長さを総和することで転位クラスタ
ーのサイズを定義できることが判った。この際、例えば
100面がミラー面に相当するウエハの場合、図2にお
いてC,Dの方向に平行な転位像は実際はウエハ面に対
して45゜の角度を持っているので、画面上で得られる
長さをcos45゜で割った値を取る。ちなみに、OP
PとX線トポグラフによる転位クラスター評価結果を比
較した結果、X線トポグラフでは50μm以下のサイズ
の転位クラスターが検出されていないことが分かってお
り、微小転位クラスターを検出する上でもOPPは有効
である。
【0016】上記転位クラスターはシリコン単結晶育成
時にシリコン融液−結晶の固液界面から導入された点欠
陥(格子間原子)が、ある温度域で凝集を起こして形成
されると考えられる。そのため転位クラスターの密度・
サイズは、結晶育成時に導入された点欠陥濃度と、それ
が凝集する温度域での結晶冷却条件などによって決まる
ことが考えられる。そこで本発明者らは種々の結晶につ
いて転位密度・サイズと電気特性との関係を系統的に調
査した。
【0017】まず本発明者らは、COP等のgrown
−in欠陥が104 /cm3 以下になるように、リング
状OSF分布領域をウエハ中心で消滅させるような条件
でシリコン単結晶を育成した。リング状OSF分布領域
をウエハ中心で消滅させるためには、例えば結晶育成速
度を0.8mm/min以下、あるいは結晶育成速度を
V[mm/分]、シリコン融液と結晶界面の結晶成長軸
方向の温度勾配をG[℃/mm]としたときに、V/G
が0.15[mm2 /℃・分]以下となるような条件で
育成すればよい。ここで結晶界面の結晶温度勾配[℃/
mm]は、結晶を一定速度で育成しながら融点温度から
1300℃まで結晶温度を測定し、平均温度勾配を求め
て得られたものである。
【0018】リング状OSF分布領域がウエハ中心で消
滅していない条件で育成した結晶では、COP等の八面
体ボイド欠陥が104 /cm3 超導入されてしまい、M
OSデバイスにおける酸化膜耐圧特性のCモード合格率
が60%以下に劣化してしまった。
【0019】転位クラスターの密度・サイズと電気特性
の関係を調査した結果、サイズが50μm超あった場
合、その転位クラスターが表面に突出する頻度が高くな
るため、デバイスのpn接合リーク特性は著しく悪化す
る。転位サイズが50μm以下であった場合、突出する
確率は少なくなり、pn接合リーク特性の劣化はそれほ
ど見られなかった。また、転位クラスター密度とサイズ
の関係を見た場合、転位クラスター密度が小さければあ
る程度サイズが大きくても表面に突出する確率が下が
り、逆に転位クラスターサイズが非常に小さければ、密
度がある程度大きくても表面に突出する確率が少ない。
両者の関係の最適な条件を調べた結果、転位クラスター
サイズの平均値と転位クラスター密度の積が105 μm
/cm3 以下の関係を満たすときに、pn接合リーク特
性が特に良好であることが判った。転位クラスターサイ
ズの平均値と転位クラスター密度の積が105 μm/c
3 超の場合は表面に突出する確率が高くなるため、p
n接合リーク特性は劣化した。転位クラスター形成に寄
与する導入点欠陥量が一定であった場合、転位クラスタ
ー密度が少なくなると転位クラスターサイズは増加し、
密度が多くなると個々のサイズは減少する。よって上記
の関係を満たすためには導入点欠陥量自体を下げる必要
があると考えられる。
【0020】次に本発明者らは転位クラスターの密度・
サイズをコントロールし、pn接合リーク特性に優れた
結晶を製造するための結晶育成条件を探索した。その結
果、シリコン単結晶育成時の結晶熱履歴において、
(A)結晶育成中の冷却条件、(B)結晶育成速度の精
密な制御、が結晶転位クラスターの密度・サイズの制御
の上で重要であることを見出した。
【0021】すなわち(A)については (A−1) 固液界面〜1300℃の徐冷 固液界面〜1300℃を長く保持することにより転位ク
ラスターと表面近傍の酸素析出物を低減することが可能
である。すなわち、この温度域は点欠陥の固液界面への
坂道拡散、及び結晶外側への外方拡散が起こっており、
点欠陥が結晶から外へ盛んに抜け出ている領域であると
考えられる。よってこの温度域を長時間保持することに
より、点欠陥の総量を減らすことができ、それに起因す
る転位クラスターの密度を減らすことが可能となる。
【0022】(A−2) 1050〜900℃の急冷 1050〜900℃を急冷することで、転位クラスター
サイズを低下させることが可能となる。すなわち、この
温度域では点欠陥(格子間原子)が凝集を起こして転位
クラスターを形成する。よってこの温度域を短時間で通
過することにより、転位クラスターのサイズを減らすこ
とが可能となる。
【0023】また(B)については (B−1) 0.75V以上0.99V以下の引上速度
による育成(リング状OSF分布の直径が結晶直径の
0.1倍になる時の育成速度をVとする) リング領域が結晶内側に消滅するような結晶育成速度よ
り若干小さな結晶育成速度で製造した結晶において、転
位クラスター密度と転位クラスターサイズの積が非常に
小さくなる。このことは転位クラスター形成に寄与する
導入点欠陥量が小さくなっていることを意味している。
すなわち、固液界面から導入される点欠陥には二種類あ
り、COP等の八面体ボイド欠陥形成に寄与する原子空
孔と転位クラスター形成に寄与する格子間原子が存在す
る。結晶育成速度が大きい場合は原子空孔が格子間原子
より多く導入される。導入された二種類の点欠陥は結晶
温度が高いうちにすぐに結合して消滅、すなわち対消滅
を起こすため、最終的には原子空孔が残留し、それがあ
る温度で凝集してCOP等の八面体ボイド欠陥を形成す
る。一方、結晶育成速度が小さい場合は格子間原子が原
子空孔より多く導入されるため、対消滅後格子間原子の
みが残り、それがある温度で凝集して転位クラスターを
形成する。しかし、格子間原子と原子空孔の導入量が拮
抗するような結晶育成速度にした場合は残留格子間原子
の量が少なくなるため、形成される転位クラスターの転
位クラスター密度と転位クラスターサイズの積は小さく
なると考えられる。なおこの際に残留格子間原子量をウ
エハ全面にわたって少なくするためには、結晶半径方向
の温度をなるべく均一に保つように制御することが重要
である。更にこの育成条件をより精密に制御するために
は、リング状OSF分布の直径が結晶直径の0.1倍に
なる時の育成速度Vを求め、0.75V以上0.99V
以下の間に引き上げ速度が収まるような育成を行うこと
が有効である。
【0024】本発明の(5)、(6)は(A−2)の効
果により転位クラスターの成長を抑制し、転位クラスタ
ーのサイズを低下させる。冷却速度が2℃/分以下とな
る温度が存在する場合は、転位クラスターの成長に十分
な時間が与えられるため、転位クラスターサイズが増大
してしまう。
【0025】本発明の(7)、(8)は(A−1)の効
果により転位クラスターの凝集を少なくし、転位クラス
ターのサイズを抑える。冷却速度が0.5℃/分以上の
場合は、固液界面から導入された点欠陥が固液界面、及
び結晶の外へ十分拡散しないため、転位クラスター個数
が増えてしまう。
【0026】本発明の(9)、(10)は(A−1)と
(A−2)の効果を組み合わせることにより、転位クラ
スターの密度とサイズを減少させる。
【0027】本発明(11)は(B−1)の効果によ
り、転位クラスターの密度とサイズを減少させる。育成
速度が0.99V超になるとリング状OSF分布がウエ
ハの中心部に発生してしまうので好ましくなく、また育
成速度が0.75V未満になると転位クラスターサイズ
が増大するため、pn接合リーク特性は劣ってしまう。
【0028】
【実施例】以下に本発明の実施例を挙げて説明するが、
本発明はこれらの実施例の記載によって制限されるもの
ではない。
【0029】実施例1 本実施例に用いられるシリコン単結晶製造装置は、通常
のCZ法によるシリコン単結晶製造に用いられるもので
あれば特に制限されるものではなく、本実施例では図5
に示すような製造方法を用いた。
【0030】このCZ法シリコン単結晶装置は、シリコ
ン融液Mを収納する石英坩堝6aとそれを保護する黒煙
坩堝6bとから構成された坩堝6と、育成されたシリコ
ン単結晶インゴットSとを収納する結晶引上炉1を有す
る。坩堝6の側面部には、加熱ヒーター4と加熱ヒータ
ー4からの熱が結晶引上炉外部に逃げるのを防止するた
めの断熱材3が坩堝6の周辺に設置されている。またこ
の坩堝6は、図示されていない駆動装置と回転治具5に
よって接続され、この駆動装置によって所定の速度で回
転されると共に、坩堝6内のシリコン融液Mの減少に伴
い、シリコン融液表面が相対的に低下するのを補償する
ために昇降されるようになっている。引上炉1内には、
炉外部上方より垂下された引上ワイヤ7が設置され、こ
のワイヤの下端には種結晶8を保持するチャック9が設
けられている。この引上ワイヤ7の上端部は炉外部上方
に設置されたワイヤ巻き上げ機2に巻き取られ、種結晶
下部に成長するシリコン単結晶Sが引き上げられるよう
になっており、引上装置を構成している。そして、引上
炉1内には、引上炉に形成されたガス導入口10からA
rガスが導入され、引上炉1内を流通してガス流出口1
1から排出される。このようにArガスを流通させるの
は、シリコン融液に伴って引上炉1内に発生するSiO
をシリコン融液内に混入させないようにするためであ
る。結晶熱履歴制御装置12としては、熱遮断用の断熱
材、又は結晶を囲むように設置された黒鉛加熱ヒータ
ー、水冷管等の組み合わせなどが有効である。
【0031】この装置を利用して、この単結晶製造装置
を利用して、単結晶育成速度を0.8mm/minと
し、結晶育成中の1050℃から900℃までの温度範
囲において冷却速度が2℃/分以上となるような条件で
シリコン単結晶の引上成長を行った。
【0032】この条件で育成されたシリコン単結晶の仕
様は以下のものである。伝導型:p型(ボロンドー
プ)、結晶径:5インチ(125mm)〜12インチ
(300mm)、抵抗率:10Ωcm、酸素濃度9.5
×1017atoms/cm3 (日本電子工業振興協会に
よる酸素濃度換算係数を用いて算出)、炭素濃度<1×
1016atoms/cm3 (日本電子工業振興協会によ
る炭素濃度換算係数を用いて算出)。
【0033】このインゴットから切り出したウエハをH
2 O、H2 2 、NH4 OHを組成とするSC1洗浄液
で洗浄し、0.11μm以上のCOPを表面異物計で測
定した。COPの体積密度はSC1の繰り返し洗浄を行
った時のCOP増加数から求めた(森田 他 第39回
応用物理学会春季予稿集第一分冊p278,199
2)。
【0034】更に同じインゴットから切り出したウエハ
を両面研磨し、赤外干渉法で測定した。市販されている
赤外干渉法による欠陥評価装置として、HYT社のOP
P(Optical Precipitate Pro
filer)を用いた。測定条件は、レーザーの二光束
の焦点を測定時に下側となるミラー面から300μmウ
エハ内部に入った位置に設定し、ミラー面に対して平行
にウエハを走査した。その時に二光束の位相差を電気的
に信号処理して得られる信号強度が0.2V以上となる
領域を転位クラスター像と認識して、図2に従った方法
で10個以上の転位クラスターについてサイズを測定し
た。得られたサイズ分布からサイズの平均値を求め、測
定領域の体積と転位クラスターの個数から密度を求めた
後に、サイズの平均値×密度を計算により求めた。
【0035】酸化膜耐圧特性を評価するために、100
0℃乾燥酸素中でウエハ上に250オングストロームの
ゲート酸化膜を積み、その上に厚み5000オングスト
ローム、面積20mm2 のボロンドープポリシリコン電
極を積んだMOSキャパシターを作成した。上記MOS
キャパシターに電界を印加し、判定電流が1×10-6
/cm2 の時のゲート酸化膜にかかる平均電界が7.5
MV/cm以上を示すMOSキャパシターの個数の割合
をCモード合格率とした。
【0036】また、pn接合リーク特性を評価するため
に、下記の条件でpn接合ダイオードを作成した。ま
ず、ウエハ基板を1000℃乾燥酸素雰囲気中で保護酸
化を行い、リンを5×1015/cm2 イオン注入した後
に、1000℃30分の窒素雰囲気でドライブアニール
を行った。素子分離として、素子を囲む形で、ガードリ
ング電極を配置して、pn接合ダイオードを作成した。
素子面積は30mm2 で、6インチウエハの面内に30
8点素子を作成した。評価条件として、室温にて、逆バ
イアス電圧を30V印加し、その時に流れる電流が1p
A以上であった素子数を評価した。
【0037】このウエハから切り出したウエハの欠陥評
価結果、電気特性評価結果を表1に示す。この結晶では
COP密度は104 /cm3 以下であった。OPP測定
で得られた転位クラスター像の例を図3に、転位クラス
ターのサイズ分布を図4に示す。得られたクラスターの
平均サイズは20μmであり、50μm以下であった。
酸化膜耐圧特性はCモード合格率が60%以上であり良
好であった。pn接合リーク特性についても、電流量が
1pA以上である素子数が少なく良好であった。
【0038】実施例2 本実施例では実施例1と同じ様な単結晶製造装置を利用
して、単結晶育成速度を0.4mm/minとし結晶育
成中の1050℃から900℃までの温度範囲において
冷却速度が2℃/分となるような条件でシリコン単結晶
の引上成長を行った。
【0039】この条件で育成されたシリコン単結晶の仕
様は実施例1と同じものである。
【0040】このウエハから切り出したウエハの欠陥評
価結果、電気特性評価結果を表1に示す。この結晶では
COP密度は104 /cm3 以下、転位クラスターサイ
ズは50μm以下であった。酸化膜耐圧特性はCモード
合格率が60%以上であり良好であった。pn接合リー
ク特性についても、電流量が1pA以上である素子数が
少なく良好であった。
【0041】実施例3 本実施例では実施例1と同じ様な単結晶製造装置を利用
して、単結晶育成速度を0.8mm/minとし結晶育
成中の1050℃から1000℃までの温度範囲におい
て冷却速度が2℃/分となるような条件でシリコン単結
晶の引上成長を行った。
【0042】この条件で育成されたシリコン単結晶の仕
様は実施例1と同じものである。
【0043】このウエハから切り出したウエハの欠陥評
価結果、電気特性評価結果を表1に示す。この結晶では
COP密度は104 /cm3 以下、転位クラスターサイ
ズは50μm以下であった。酸化膜耐圧特性はCモード
合格率が60%以上であり良好であった。pn接合リー
ク特性についても、電流量が1pA以上である素子数が
少なく良好であった。
【0044】実施例4 本実施例では実施例1と同じ様な単結晶製造装置を利用
して、単結晶育成速度を0.4mm/minとし結晶育
成中の1050℃から1000℃までの温度範囲におい
て冷却速度が2℃/分となるような条件でシリコン単結
晶の引上成長を行った。
【0045】この条件で育成されたシリコン単結晶の仕
様は実施例1と同じものである。
【0046】このウエハから切り出したウエハの欠陥評
価結果、電気特性評価結果を表1に示す。この結晶では
COP密度は104 /cm3 以下、転位クラスターサイ
ズは50μm以下であった。酸化膜耐圧特性はCモード
合格率が60%以上であり良好であった。pn接合リー
ク特性についても、電流量が1pA以上である素子数が
少なく良好であった。
【0047】実施例5 本実施例では実施例1と同じ様な単結晶製造装置を利用
して、単結晶育成速度を0.8mm/minとし結晶育
成中の1050℃から900℃までの温度範囲において
冷却速度が4℃/分となるような条件でシリコン単結晶
の引上成長を行った。
【0048】この条件で育成されたシリコン単結晶の仕
様は実施例1と同じものである。
【0049】このウエハから切り出したウエハの欠陥評
価結果、電気特性評価結果を表1に示す。この結晶では
COP密度は104 /cm3 以下、転位クラスターサイ
ズは50μm以下であった。酸化膜耐圧特性はCモード
合格率が60%以上であり良好であった。pn接合リー
ク特性についても、電流量が1pA以上である素子数が
少なく良好であった。
【0050】実施例6 本実施例では実施例1と同じ様な単結晶製造装置を利用
して、単結晶育成速度を0.4mm/minとし結晶育
成中の1050℃から900℃までの温度範囲において
冷却速度が4℃/分となるような条件でシリコン単結晶
の引上成長を行った。
【0051】この条件で育成されたシリコン単結晶の仕
様は実施例1と同じものである。
【0052】このウエハから切り出したウエハの欠陥評
価結果、電気特性評価結果を表1に示す。この結晶では
COP密度は104 /cm3 以下、転位クラスターサイ
ズは50μm以下であった。酸化膜耐圧特性はCモード
合格率が60%以上であり良好であった。pn接合リー
ク特性についても、電流量が1pA以上である素子数が
少なく良好であった。
【0053】実施例7 本実施例では実施例1と同じ様な単結晶製造装置を利用
して、単結晶育成速度を0.8mm/minとし結晶育
成中の1050℃から1000℃までの温度範囲におい
て冷却速度が4℃/分となるような条件でシリコン単結
晶の引上成長を行った。
【0054】この条件で育成されたシリコン単結晶の仕
様は実施例1と同じものである。
【0055】このウエハから切り出したウエハの欠陥評
価結果、電気特性評価結果を表1に示す。この結晶では
COP密度は104 /cm3 以下、転位クラスターサイ
ズは50μm以下であった。酸化膜耐圧特性はCモード
合格率が60%以上であり良好であった。pn接合リー
ク特性についても、電流量が1pA以上である素子数が
少なく良好であった。
【0056】実施例8 本実施例では実施例1と同じ様な単結晶製造装置を利用
して、単結晶育成速度を0.4mm/minとし結晶育
成中の1050℃から1000℃までの温度範囲におい
て冷却速度が4℃/分となるような条件でシリコン単結
晶の引上成長を行った。
【0057】この条件で育成されたシリコン単結晶の仕
様は実施例1と同じものである。
【0058】このウエハから切り出したウエハの欠陥評
価結果、電気特性評価結果を表1に示す。この結晶では
COP密度は104 /cm3 以下、転位クラスターサイ
ズは50μm以下であった。酸化膜耐圧特性はCモード
合格率が60%以上であり良好であった。pn接合リー
ク特性についても、電流量が1pA以上である素子数が
少なく良好であった。
【0059】
【表1】
【0060】実施例9 本実施例では実施例1と同じ様な単結晶製造装置を利用
して、結晶育成速度をV[mm/分]、シリコン融液と
結晶界面の結晶成長軸方向の温度勾配をG[℃/mm]
としたときに、V/Gが0.15[mm2 /℃・分]と
なり、結晶育成中の1050℃から900℃までの温度
範囲において冷却速度が2℃/分となるような条件でシ
リコン単結晶の引上成長を行った。
【0061】この条件で育成されたシリコン単結晶の仕
様は実施例1と同じものである。
【0062】このウエハから切り出したウエハの欠陥評
価結果、電気特性評価結果を表2に示す。この結晶では
COP密度は104 /cm3 以下、転位クラスターサイ
ズは50μm以下であった。酸化膜耐圧特性はCモード
合格率が60%以上であり良好であった。pn接合リー
ク特性についても、電流量が1pA以上である素子数が
少なく良好であった。
【0063】実施例10 本実施例では実施例1と同じ様な単結晶製造装置を利用
して、結晶育成速度をV[mm/分]、シリコン融液と
結晶界面の結晶成長軸方向の温度勾配をG[℃/mm]
としたときに、V/Gが0.10[mm2 /℃・分]と
なり、結晶育成中の1050℃から900℃までの温度
範囲において冷却速度が2℃/分となるような条件でシ
リコン単結晶の引上成長を行った。
【0064】この条件で育成されたシリコン単結晶の仕
様は実施例1と同じものである。
【0065】このウエハから切り出したウエハの欠陥評
価結果、電気特性評価結果を表2に示す。この結晶では
COP密度は104 /cm3 以下、転位クラスターサイ
ズは50μm以下であった。酸化膜耐圧特性はCモード
合格率が60%以上であり良好であった。pn接合リー
ク特性についても、電流量が1pA以上である素子数が
少なく良好であった。
【0066】実施例11 本実施例では実施例1と同じ様な単結晶製造装置を利用
して、結晶育成速度をV[mm/分]、シリコン融液と
結晶界面の結晶成長軸方向の温度勾配をG[℃/mm]
としたときに、V/Gが0.15[mm2 /℃・分]と
なり、結晶育成中の1050℃から1000℃までの温
度範囲において冷却速度が2℃/分となるような条件で
シリコン単結晶の引上成長を行った。
【0067】この条件で育成されたシリコン単結晶の仕
様は実施例1と同じものである。
【0068】このウエハから切り出したウエハの欠陥評
価結果、電気特性評価結果を表2に示す。この結晶では
COP密度は104 /cm3 以下、転位クラスターサイ
ズは50μm以下であった。酸化膜耐圧特性はCモード
合格率が60%以上であり良好であった。pn接合リー
ク特性についても、電流量が1pA以上である素子数が
少なく良好であった。
【0069】実施例12 本実施例では実施例1と同じ様な単結晶製造装置を利用
して、結晶育成速度をV[mm/分]、シリコン融液と
結晶界面の結晶成長軸方向の温度勾配をG[℃/mm]
としたときに、V/Gが0.10[mm2 /℃・分]と
なり、結晶育成中の1050℃から1000℃までの温
度範囲において冷却速度が2℃/分となるような条件で
シリコン単結晶の引上成長を行った。
【0070】この条件で育成されたシリコン単結晶の仕
様は実施例1と同じものである。
【0071】このウエハから切り出したウエハの欠陥評
価結果、電気特性評価結果を表2に示す。この結晶では
COP密度は104 /cm3 以下、転位クラスターサイ
ズは50μm以下であった。酸化膜耐圧特性はCモード
合格率が60%以上であり良好であった。pn接合リー
ク特性についても、電流量が1pA以上である素子数が
少なく良好であった。
【0072】実施例13 本実施例では実施例1と同じ様な単結晶製造装置を利用
して、結晶育成速度をV[mm/分]、シリコン融液と
結晶界面の結晶成長軸方向の温度勾配をG[℃/mm]
としたときに、V/Gが0.15[mm2 /℃・分]と
なり、結晶育成中の1050℃から900℃までの温度
範囲において冷却速度が4℃/分となるような条件でシ
リコン単結晶の引上成長を行った。
【0073】この条件で育成されたシリコン単結晶の仕
様は実施例1と同じものである。
【0074】このウエハから切り出したウエハの欠陥評
価結果、電気特性評価結果を表2に示す。この結晶では
COP密度は104 /cm3 以下、転位クラスターサイ
ズは50μm以下であった。酸化膜耐圧特性はCモード
合格率が60%以上であり良好であった。pn接合リー
ク特性についても、電流量が1pA以上である素子数が
少なく良好であった。
【0075】実施例14 本実施例では実施例1と同じ様な単結晶製造装置を利用
して、結晶育成速度をV[mm/分]、シリコン融液と
結晶界面の結晶成長軸方向の温度勾配をG[℃/mm]
としたときに、V/Gが0.10[mm2 /℃・分]と
なり、結晶育成中の1050℃から900℃までの温度
範囲において冷却速度が4℃/分となるような条件でシ
リコン単結晶の引上成長を行った。
【0076】この条件で育成されたシリコン単結晶の仕
様は実施例1と同じものである。
【0077】このウエハから切り出したウエハの欠陥評
価結果、電気特性評価結果を表2に示す。この結晶では
COP密度は104 /cm3 以下、転位クラスターサイ
ズは50μm以下であった。酸化膜耐圧特性はCモード
合格率が60%以上であり良好であった。pn接合リー
ク特性についても、電流量が1pA以上である素子数が
少なく良好であった。
【0078】実施例15 本実施例では実施例1と同じ様な単結晶製造装置を利用
して、結晶育成速度をV[mm/分]、シリコン融液と
結晶界面の結晶成長軸方向の温度勾配をG[℃/mm]
としたときに、V/Gが0.15[mm2 /℃・分]と
なり、結晶育成中の1050℃から1000℃までの温
度範囲において冷却速度が4℃/分となるような条件で
シリコン単結晶の引上成長を行った。
【0079】この条件で育成されたシリコン単結晶の仕
様は実施例1と同じものである。
【0080】このウエハから切り出したウエハの欠陥評
価結果、電気特性評価結果を表2に示す。この結晶では
COP密度は104 /cm3 以下、転位クラスターサイ
ズは50μm以下であった。酸化膜耐圧特性はCモード
合格率が60%以上であり良好であった。pn接合リー
ク特性についても、電流量が1pA以上である素子数が
少なく良好であった。
【0081】実施例16 本実施例では実施例1と同じ様な単結晶製造装置を利用
して、結晶育成速度をV[mm/分]、シリコン融液と
結晶界面の結晶成長軸方向の温度勾配をG[℃/mm]
としたときに、V/Gが0.10[mm2 /℃・分]と
なり、結晶育成中の1050℃から1000℃までの温
度範囲において冷却速度が4℃/分となるような条件で
シリコン単結晶の引上成長を行った。
【0082】この条件で育成されたシリコン単結晶の仕
様は実施例1と同じものである。
【0083】このウエハから切り出したウエハの欠陥評
価結果、電気特性評価結果を表2に示す。この結晶では
COP密度は104 /cm3 以下、転位クラスターサイ
ズは50μm以下であった。酸化膜耐圧特性はCモード
合格率が60%以上であり良好であった。pn接合リー
ク特性についても、電流量が1pA以上である素子数が
少なく良好であった。
【0084】
【表2】
【0085】実施例17 本実施例では図6に示すように結晶引上装置に結晶熱履
歴制御装置13を設置した。温度制御装置としては、熱
遮断用の断熱材、又は結晶を囲むように設置された黒鉛
加熱ヒーター、水冷管等の組み合わせなどが有効であ
る。この単結晶製造装置を利用して単結晶育成速度を
0.8mm/minとし、結晶育成中のシリコンの融点
から1300℃までの冷却速度が0.5℃/分となるよ
うな条件でシリコン単結晶の引上成長を行った。
【0086】この条件で育成されたシリコン単結晶の仕
様は実施例1と同じものである。
【0087】このウエハから切り出したウエハの欠陥評
価結果、電気特性評価結果を表3に示す。この結晶では
COP密度は104 /cm3 以下、転位クラスターサイ
ズと密度の積は1×105 μm/cm3 以下であった。
酸化膜耐圧特性はCモード合格率が60%以上であり良
好であった。pn接合リーク特性についても、電流量が
1pA以上である素子数が少なく良好であった。
【0088】実施例18 本実施例では実施例17と同じ様な単結晶製造装置を利
用して、単結晶育成速度を0.4mm/minとし、結
晶育成中のシリコンの融点から1300℃までの冷却速
度が0.5℃/分となるような条件でシリコン単結晶の
引上成長を行った。
【0089】この条件で育成されたシリコン単結晶の仕
様は実施例1と同じものである。
【0090】このウエハから切り出したウエハの欠陥評
価結果、電気特性評価結果を表3に示す。この結晶では
COP密度は104 /cm3 以下、転位クラスターサイ
ズと密度の積は1×105 μm/cm3 以下であった。
酸化膜耐圧特性はCモード合格率が60%以上であり良
好であった。pn接合リーク特性についても、電流量が
1pA以上である素子数が少なく良好であった。
【0091】実施例19 本実施例では実施例17と同じ様な単結晶製造装置を利
用して、単結晶育成速度を0.8mm/minとし、結
晶育成中のシリコンの融点から1300℃までの冷却速
度が0.2℃/分となるような条件でシリコン単結晶の
引上成長を行った。
【0092】この条件で育成されたシリコン単結晶の仕
様は実施例1と同じものである。
【0093】このウエハから切り出したウエハの欠陥評
価結果、電気特性評価結果を表3に示す。この結晶では
COP密度は104 /cm3 以下、転位クラスターサイ
ズと密度の積は1×105 μm/cm3 以下であった。
酸化膜耐圧特性はCモード合格率が60%以上であり良
好であった。pn接合リーク特性についても、電流量が
1pA以上である素子数が少なく良好であった。
【0094】実施例20 本実施例では実施例17と同じ様な単結晶製造装置を利
用して、単結晶育成速度を0.4mm/minとし、結
晶育成中のシリコンの融点から1300℃までの冷却速
度が0.2℃/分となるような条件でシリコン単結晶の
引上成長を行った。
【0095】この条件で育成されたシリコン単結晶の仕
様は実施例1と同じものである。
【0096】このウエハから切り出したウエハの欠陥評
価結果、電気特性評価結果を表3に示す。この結晶では
COP密度は104 /cm3 以下、転位クラスターサイ
ズと密度の積は1×105 μm/cm3 以下であった。
酸化膜耐圧特性はCモード合格率が60%以上であり良
好であった。pn接合リーク特性についても、電流量が
1pA以上である素子数が少なく良好であった。
【0097】実施例21 本実施例では実施例17と同じ様な単結晶製造装置を利
用して、結晶育成速度をV[mm/分]、シリコン融液
と結晶界面の結晶成長軸方向の温度勾配をG[℃/m
m]としたときに、V/Gが0.15[mm2 /℃・
分]となり、結晶育成中のシリコンの融点から1300
℃までの冷却速度が0.5℃/分となるような条件でシ
リコン単結晶の引上成長を行った。
【0098】この条件で育成されたシリコン単結晶の仕
様は実施例1と同じものである。
【0099】このウエハから切り出したウエハの欠陥評
価結果、電気特性評価結果を表3に示す。この結晶では
COP密度は104 /cm3 以下、転位クラスターサイ
ズと密度の積は1×105 μm/cm3 以下であった。
酸化膜耐圧特性はCモード合格率が60%以上であり良
好であった。pn接合リーク特性についても、電流量が
1pA以上である素子数が少なく良好であった。
【0100】実施例22 本実施例では実施例17と同じ様な単結晶製造装置を利
用して、結晶育成速度をV[mm/分]、シリコン融液
と結晶界面の結晶成長軸方向の温度勾配をG[℃/m
m]としたときに、V/Gが0.10[mm2 /℃・
分]となり、結晶育成中のシリコンの融点から1300
℃までの冷却速度が0.5℃/分となるような条件でシ
リコン単結晶の引上成長を行った。
【0101】この条件で育成されたシリコン単結晶の仕
様は実施例1と同じものである。
【0102】このウエハから切り出したウエハの欠陥評
価結果、電気特性評価結果を表3に示す。この結晶では
COP密度は104 /cm3 以下、転位クラスターサイ
ズと密度の積は1×105 μm/cm3 以下であった。
酸化膜耐圧特性はCモード合格率が60%以上であり良
好であった。pn接合リーク特性についても、電流量が
1pA以上である素子数が少なく良好であった。
【0103】実施例23 本実施例では実施例17と同じ様な単結晶製造装置を利
用して、結晶育成速度をV[mm/分]、シリコン融液
と結晶界面の結晶成長軸方向の温度勾配をG[℃/m
m]としたときに、V/Gが0.15[mm2 /℃・
分]となり、結晶育成中のシリコンの融点から1300
℃までの冷却速度が0.2℃/分となるような条件でシ
リコン単結晶の引上成長を行った。
【0104】この条件で育成されたシリコン単結晶の仕
様は実施例1と同じものである。
【0105】このウエハから切り出したウエハの欠陥評
価結果、電気特性評価結果を表3に示す。この結晶では
COP密度は104 /cm3 以下、転位クラスターサイ
ズと密度の積は1×105 μm/cm3 以下であった。
酸化膜耐圧特性はCモード合格率が60%以上であり良
好であった。pn接合リーク特性についても、電流量が
1pA以上である素子数が少なく良好であった。
【0106】実施例24 本実施例では実施例17と同じ様な単結晶製造装置を利
用して、結晶育成速度をV[mm/分]、シリコン融液
と結晶界面の結晶成長軸方向の温度勾配をG[℃/m
m]としたときに、V/Gが0.10[mm2 /℃・
分]となり、結晶育成中のシリコンの融点から1300
℃までの冷却速度が0.2℃/分となるような条件でシ
リコン単結晶の引上成長を行った。
【0107】この条件で育成されたシリコン単結晶の仕
様は実施例1と同じものである。
【0108】このウエハから切り出したウエハの欠陥評
価結果、電気特性評価結果を表3に示す。この結晶では
COP密度は104 /cm3 以下、転位クラスターサイ
ズと密度の積は1×105 μm/cm3 以下であった。
酸化膜耐圧特性はCモード合格率が60%以上であり良
好であった。pn接合リーク特性についても、電流量が
1pA以上である素子数が少なく良好であった。
【0109】
【表3】
【0110】実施例25 本実施例では図7に示すように結晶引上装置に結晶熱履
歴制御装置12と結晶熱履歴制御装置13を設置した。
この単結晶製造装置を利用して、単結晶育成速度を0.
8mm/minとし、結晶育成中のシリコンの融点から
1300℃までの冷却速度が0.5℃/分とし、かつ1
050℃から900℃までの温度範囲において冷却速度
が2℃/分となるような条件でシリコン単結晶の引上成
長を行った。
【0111】この条件で育成されたシリコン単結晶の仕
様は実施例1と同じものである。
【0112】このウエハから切り出したウエハの欠陥評
価結果、電気特性評価結果を表4に示す。この結晶では
COP密度は104 /cm3 以下、転位クラスターサイ
ズは50μm以下であり、かつ転位クラスターサイズと
密度の積は1×105 μm/cm3 以下であった。酸化
膜耐圧特性はCモード合格率が60%以上であり良好で
あった。pn接合リーク特性についても、電流量が1p
A以上である素子数が非常に少なく良好であった。
【0113】実施例26 本実施例では実施例25と同じ様な単結晶製造装置を利
用して、単結晶育成速度を0.8mm/minとし、結
晶育成中のシリコンの融点から1300℃までの冷却速
度が0.2℃/分とし、かつ1050℃から900℃ま
での温度範囲において冷却速度が2℃/分となるような
条件でシリコン単結晶の引上成長を行った。
【0114】この条件で育成されたシリコン単結晶の仕
様は実施例1と同じものである。
【0115】このウエハから切り出したウエハの欠陥評
価結果、電気特性評価結果を表4に示す。この結晶では
COP密度は104 /cm3 以下、転位クラスターサイ
ズは50μm以下であり、かつ転位クラスターサイズと
密度の積は1×105 μm/cm3 以下であった。酸化
膜耐圧特性はCモード合格率が60%以上であり良好で
あった。pn接合リーク特性についても、電流量が1p
A以上である素子数が非常に少なく良好であった。
【0116】実施例27 本実施例では実施例25と同じ様な単結晶製造装置を利
用して、単結晶育成速度を0.8mm/minとし、結
晶育成中のシリコンの融点から1300℃までの冷却速
度が0.5℃/分とし、かつ1050℃から1000℃
までの温度範囲において冷却速度が2℃/分となるよう
な条件でシリコン単結晶の引上成長を行った。
【0117】この条件で育成されたシリコン単結晶の仕
様は実施例1と同じものである。
【0118】このウエハから切り出したウエハの欠陥評
価結果、電気特性評価結果を表4に示す。この結晶では
COP密度は104 /cm3 以下、転位クラスターサイ
ズは50μm以下であり、かつ転位クラスターサイズと
密度の積は1×105 μm/cm3 以下であった。酸化
膜耐圧特性はCモード合格率が60%以上であり良好で
あった。pn接合リーク特性についても、電流量が1p
A以上である素子数が非常に少なく良好であった。
【0119】実施例28 本実施例では実施例25と同じ様な単結晶製造装置を利
用して、単結晶育成速度を0.8mm/minとし、結
晶育成中のシリコンの融点から1300℃までの冷却速
度が0.2℃/分とし、かつ1050℃から1000℃
までの温度範囲において冷却速度が2℃/分となるよう
な条件でシリコン単結晶の引上成長を行った。
【0120】この条件で育成されたシリコン単結晶の仕
様は実施例1と同じものである。
【0121】このウエハから切り出したウエハの欠陥評
価結果、電気特性評価結果を表4に示す。この結晶では
COP密度は104 /cm3 以下、転位クラスターサイ
ズは50μm以下であり、かつ転位クラスターサイズと
密度の積は1×105 μm/cm3 以下であった。酸化
膜耐圧特性はCモード合格率が60%以上であり良好で
あった。pn接合リーク特性についても、電流量が1p
A以上である素子数が非常に少なく良好であった。
【0122】実施例29 本実施例では実施例25と同じ様な単結晶製造装置を利
用して、単結晶育成速度を0.8mm/minとし、結
晶育成中のシリコンの融点から1300℃までの冷却速
度が0.5℃/分とし、かつ1050℃から900℃ま
での温度範囲において冷却速度が4℃/分となるような
条件でシリコン単結晶の引上成長を行った。
【0123】この条件で育成されたシリコン単結晶の仕
様は実施例1と同じものである。
【0124】このウエハから切り出したウエハの欠陥評
価結果、電気特性評価結果を表4に示す。この結晶では
COP密度は104 /cm3 以下、転位クラスターサイ
ズは50μm以下であり、かつ転位クラスターサイズと
密度の積は1×105 μm/cm3 以下であった。酸化
膜耐圧特性はCモード合格率が60%以上であり良好で
あった。pn接合リーク特性についても、電流量が1p
A以上である素子数が非常に少なく良好であった。
【0125】実施例30 本実施例では実施例25と同じ様な単結晶製造装置を利
用して、単結晶育成速度を0.8mm/minとし、結
晶育成中のシリコンの融点から1300℃までの冷却速
度が0.2℃/分とし、かつ1050℃から900℃ま
での温度範囲において冷却速度が4℃/分となるような
条件でシリコン単結晶の引上成長を行った。
【0126】この条件で育成されたシリコン単結晶の仕
様は実施例1と同じものである。
【0127】このウエハから切り出したウエハの欠陥評
価結果、電気特性評価結果を表4に示す。この結晶では
COP密度は104 /cm3 以下、転位クラスターサイ
ズは50μm以下であり、かつ転位クラスターサイズと
密度の積は1×105 μm/cm3 以下であった。酸化
膜耐圧特性はCモード合格率が60%以上であり良好で
あった。pn接合リーク特性についても、電流量が1p
A以上である素子数が非常に少なく良好であった。
【0128】実施例31 本実施例では実施例25と同じ様な単結晶製造装置を利
用して、単結晶育成速度を0.8mm/minとし、結
晶育成中のシリコンの融点から1300℃までの冷却速
度が0.5℃/分とし、かつ1050℃から1000℃
までの温度範囲において冷却速度が4℃/分となるよう
な条件でシリコン単結晶の引上成長を行った。
【0129】この条件で育成されたシリコン単結晶の仕
様は実施例1と同じものである。
【0130】このウエハから切り出したウエハの欠陥評
価結果、電気特性評価結果を表4に示す。この結晶では
COP密度は104 /cm3 以下、転位クラスターサイ
ズは50μm以下であり、かつ転位クラスターサイズと
密度の積は1×105 μm/cm3 以下であった。酸化
膜耐圧特性はCモード合格率が60%以上であり良好で
あった。pn接合リーク特性についても、電流量が1p
A以上である素子数が非常に少なく良好であった。
【0131】実施例32 本実施例では実施例25と同じ様な単結晶製造装置を利
用して、単結晶育成速度を0.8mm/minとし、結
晶育成中のシリコンの融点から1300℃までの冷却速
度が0.2℃/分とし、かつ1050℃から1000℃
までの温度範囲において冷却速度が4℃/分となるよう
な条件でシリコン単結晶の引上成長を行った。
【0132】この条件で育成されたシリコン単結晶の仕
様は実施例1と同じものである。
【0133】このウエハから切り出したウエハの欠陥評
価結果、電気特性評価結果を表4に示す。この結晶では
COP密度は104 /cm3 以下、転位クラスターサイ
ズは50μm以下であり、かつ転位クラスターサイズと
密度の積は1×105 μm/cm3 以下であった。酸化
膜耐圧特性はCモード合格率が60%以上であり良好で
あった。pn接合リーク特性についても、電流量が1p
A以上である素子数が非常に少なく良好であった。
【0134】
【表4】
【0135】実施例33 本実施例では実施例25と同じ様な単結晶製造装置を利
用して、結晶育成速度をV[mm/分]、シリコン融液
と結晶界面の結晶成長軸方向の温度勾配をG[℃/m
m]としたときに、V/Gが0.15[mm2 /℃・
分]となり、結晶育成中のシリコンの融点から1300
℃までの冷却速度が0.5℃/分とし、かつ1050℃
から900℃までの温度範囲において冷却速度が2℃/
分となるような条件でシリコン単結晶の引上成長を行っ
た。
【0136】この条件で育成されたシリコン単結晶の仕
様は実施例1と同じものである。
【0137】このウエハから切り出したウエハの欠陥評
価結果、電気特性評価結果を表5に示す。この結晶では
COP密度は104 /cm3 以下、転位クラスターサイ
ズは50μm以下であり、かつ転位クラスターサイズと
密度の積は1×105 μm/cm3 以下であった。酸化
膜耐圧特性はCモード合格率が60%以上であり良好で
あった。pn接合リーク特性についても、電流量が1p
A以上である素子数が非常に少なく良好であった。
【0138】実施例34 本実施例では実施例25と同じ様な単結晶製造装置を利
用して、結晶育成速度をV[mm/分]、シリコン融液
と結晶界面の結晶成長軸方向の温度勾配をG[℃/m
m]としたときに、V/Gが0.15[mm2 /℃・
分]となり、結晶育成中のシリコンの融点から1300
℃までの冷却速度が0.2℃/分とし、かつ1050℃
から900℃までの温度範囲において冷却速度が2℃/
分となるような条件でシリコン単結晶の引上成長を行っ
た。
【0139】この条件で育成されたシリコン単結晶の仕
様は実施例1と同じものである。
【0140】このウエハから切り出したウエハの欠陥評
価結果、電気特性評価結果を表5に示す。この結晶では
COP密度は104 /cm3 以下、転位クラスターサイ
ズは50μm以下であり、かつ転位クラスターサイズと
密度の積は1×105 μm/cm3 以下であった。酸化
膜耐圧特性はCモード合格率が60%以上であり良好で
あった。pn接合リーク特性についても、電流量が1p
A以上である素子数が非常に少なく良好であった。
【0141】実施例35 本実施例では実施例25と同じ様な単結晶製造装置を利
用して、結晶育成速度をV[mm/分]、シリコン融液
と結晶界面の結晶成長軸方向の温度勾配をG[℃/m
m]としたときに、V/Gが0.15[mm2 /℃・
分]となり、結晶育成中のシリコンの融点から1300
℃までの冷却速度が0.5℃/分とし、かつ1050℃
から1000℃までの温度範囲において冷却速度が2℃
/分となるような条件でシリコン単結晶の引上成長を行
った。
【0142】この条件で育成されたシリコン単結晶の仕
様は実施例1と同じものである。
【0143】このウエハから切り出したウエハの欠陥評
価結果、電気特性評価結果を表5に示す。この結晶では
COP密度は104 /cm3 以下、転位クラスターサイ
ズは50μm以下であり、かつ転位クラスターサイズと
密度の積は1×105 μm/cm3 以下であった。酸化
膜耐圧特性はCモード合格率が60%以上であり良好で
あった。pn接合リーク特性についても、電流量が1p
A以上である素子数が非常に少なく良好であった。
【0144】実施例36 本実施例では実施例25と同じ様な単結晶製造装置を利
用して、結晶育成速度をV[mm/分]、シリコン融液
と結晶界面の居サ成長軸方向の温度勾配をG[℃/m
m]としたときに、V/Gが0.15[mm2 /℃・
分]となり、結晶育成中のシリコンの融点から1300
℃までの冷却速度が0.2℃/分とし、かつ1050℃
から1000℃までの温度範囲において冷却速度が2℃
/分となるような条件でシリコン単結晶の引上成長を行
った。
【0145】この条件で育成されたシリコン単結晶の仕
様は実施例1と同じものである。
【0146】このウエハから切り出したウエハの欠陥評
価結果、電気特性評価結果を表5に示す。この結晶では
COP密度は104 /cm3 以下、転位クラスターサイ
ズは50μm以下であり、かつ転位クラスターサイズと
密度の積は1×105 μm/cm3 以下であった。酸化
膜耐圧特性はCモード合格率が60%以上であり良好で
あった。pn接合リーク特性についても、電流量が1p
A以上である素子数が非常に少なく良好であった。
【0147】実施例37 本実施例では実施例25と同じ様な単結晶製造装置を利
用して、結晶育成速度をV[mm/分]、シリコン融液
と結晶界面の結晶成長軸方向の温度勾配をG[℃/m
m]としたときに、V/Gが0.15[mm2 /℃・
分]となり、結晶育成中のシリコンの融点から1300
℃までの冷却速度が0.5℃/分とし、かつ1050℃
から900℃までの温度範囲において冷却速度が4℃/
分となるような条件でシリコン単結晶の引上成長を行っ
た。
【0148】この条件で育成されたシリコン単結晶の仕
様は実施例1と同じものである。
【0149】このウエハから切り出したウエハの欠陥評
価結果、電気特性評価結果を表5に示す。この結晶では
COP密度は104 /cm3 以下、転位クラスターサイ
ズは50μm以下であり、かつ転位クラスターサイズと
密度の積は1×105 μm/cm3 以下であった。酸化
膜耐圧特性はCモード合格率が60%以上であり良好で
あった。pn接合リーク特性についても、電流量が1p
A以上である素子数が非常に少なく良好であった。
【0150】実施例38 本実施例では実施例25と同じ様な単結晶製造装置を利
用して、結晶育成速度をV[mm/分]、シリコン融液
と結晶界面の結晶成長軸方向の温度勾配をG[℃/m
m]としたときに、V/Gが0.15[mm2 /℃・
分]となり、結晶育成中のシリコンの融点から1300
℃までの冷却速度が0.2℃/分とし、かつ1050℃
から900℃までの温度範囲において冷却速度が4℃/
分となるような条件でシリコン単結晶の引上成長を行っ
た。
【0151】この条件で育成されたシリコン単結晶の仕
様は実施例1と同じものである。
【0152】このウエハから切り出したウエハの欠陥評
価結果、電気特性評価結果を表5に示す。この結晶では
COP密度は104 /cm3 以下、転位クラスターサイ
ズは50μm以下であり、かつ転位クラスターサイズと
密度の積は1×105 μm/cm3 以下であった。酸化
膜耐圧特性はCモード合格率が60%以上であり良好で
あった。pn接合リーク特性についても、電流量が1p
A以上である素子数が非常に少なく良好であった。
【0153】実施例39 本実施例では実施例25と同じ様な単結晶製造装置を利
用して、結晶育成速度をV[mm/分]、シリコン融液
と結晶界面の結晶成長軸方向の温度勾配をG[℃/m
m]としたときに、V/Gが0.15[mm2 /℃・
分]となり、結晶育成中のシリコンの融点から1300
℃までの冷却速度が0.5℃/分とし、かつ1050℃
から1000℃までの温度範囲において冷却速度が4℃
/分となるような条件でシリコン単結晶の引上成長を行
った。
【0154】この条件で育成されたシリコン単結晶の仕
様は実施例1と同じものである。
【0155】このウエハから切り出したウエハの欠陥評
価結果、電気特性評価結果を表5に示す。この結晶では
COP密度は104 /cm3 以下、転位クラスターサイ
ズは50μm以下であり、かつ転位クラスターサイズと
密度の積は1×105 μm/cm3 以下であった。酸化
膜耐圧特性はCモード合格率が60%以上であり良好で
あった。pn接合リーク特性についても、電流量が1p
A以上である素子数が非常に少なく良好であった。
【0156】実施例40 本実施例では実施例25と同じ様な単結晶製造装置を利
用して、結晶育成速度をV[mm/分]、シリコン融液
と結晶界面の結晶成長軸方向の温度勾配をG[℃/m
m]としたときに、V/Gが0.15[mm2 /℃・
分]となり、結晶育成中のシリコンの融点から1300
℃までの冷却速度が0.2℃/分とし、かつ1050℃
から1000℃までの温度範囲において冷却速度が4℃
/分となるような条件でシリコン単結晶の引上成長を行
った。
【0157】この条件で育成されたシリコン単結晶の仕
様は実施例1と同じものである。
【0158】このウエハから切り出したウエハの欠陥評
価結果、電気特性評価結果を表5に示す。この結晶では
COP密度は104 /cm3 以下、転位クラスターサイ
ズは50μm以下であり、かつ転位クラスターサイズと
密度の積は1×105 μm/cm3 以下であった。酸化
膜耐圧特性はCモード合格率が60%以上であり良好で
あった。pn接合リーク特性についても、電流量が1p
A以上である素子数が非常に少なく良好であった。
【0159】
【表5】
【0160】実施例41 本実施例では図8に示す様な単結晶製造装置を利用し
て、リング状OSF分布の直径が結晶径の0.1倍にな
るときの結晶育成速度をVmm/分としたときに、結晶
の長手方向にわたって結晶育成速度が0.9Vとなるよ
うな条件でシリコン単結晶の引上成長を行った。そのと
きの結晶育成速度をV[mm/分]、シリコン融液と結
晶界面の結晶成長軸方向の温度勾配をG[℃/mm]と
したときのV/Gは0.14であった。
【0161】この条件で育成されたシリコン単結晶の仕
様は実施例1と同じものである。
【0162】このウエハから切り出したウエハの欠陥評
価結果、電気特性評価結果を表6に示す。この結晶では
COP密度は104 /cm3 以下、転位クラスターのサ
イズは50μm以下かつ転位クラスターサイズと密度の
積は1×105 μm/cm3以下であった。酸化膜耐圧
特性はCモード合格率が60%以上であり良好であっ
た。pn接合リーク特性についても、電流量が1pA以
上である素子数がゼロであり非常に良好であった。
【0163】実施例42 本実施例では実施例41と同じ様な単結晶製造装置を利
用して、リング状OSF分布の直径が結晶径の0.1倍
になるときの結晶育成速度をVmm/分としたときに、
結晶の長手方向にわたって結晶育成速度が0.8Vとな
るような条件でシリコン単結晶の引上成長を行った。そ
のときの結晶育成速度をV[mm/分]、シリコン融液
と結晶界面の結晶成長軸方向の温度勾配をG[℃/m
m]としたときのV/Gは0.12であった。
【0164】この条件で育成されたシリコン単結晶の仕
様は実施例1と同じものである。
【0165】このウエハから切り出したウエハの欠陥評
価結果、電気特性評価結果を表6に示す。この結晶では
COP密度は104 /cm3 以下、転位クラスターのサ
イズは50μm以下かつ転位クラスターサイズと密度の
積は1×105 μm/cm3以下であった。酸化膜耐圧
特性はCモード合格率が60%以上であり良好であっ
た。pn接合リーク特性についても、電流量が1pA以
上である素子数が少なく非常に良好であった。
【0166】実施例43 本実施例では実施例41と同じ様な単結晶製造装置を利
用して、リング状OSF分布の直径が結晶径の0.1倍
になるときの結晶育成速度をVmm/分としたときに、
結晶の長手方向にわたって結晶育成速度が0.76Vと
なるような条件でシリコン単結晶の引上成長を行った。
そのときの結晶育成速度をV[mm/分]、シリコン融
液と結晶界面の結晶成長軸方向の温度勾配をG[℃/m
m]としたときのV/Gは0.11であった。
【0167】この条件で育成されたシリコン単結晶の仕
様は実施例1と同じものである。
【0168】このウエハから切り出したウエハの欠陥評
価結果、電気特性評価結果を表6に示す。この結晶では
COP密度は104 /cm3 以下、転位クラスターのサ
イズは50μm以下かつ転位クラスターサイズと密度の
積は1×105 μm/cm3以下であった。酸化膜耐圧
特性はCモード合格率が60%以上であり良好であっ
た。pn接合リーク特性についても、電流量が1pA以
上である素子数が少なく良好であった。
【0169】比較例1 本比較例では、実施例1と同じ様な単結晶製造装置を利
用して、単結晶育成速度を0.8mm/minとし、結
晶育成中の1050℃から900℃までの温度範囲にお
いて冷却速度が1.5℃/分となるような条件でシリコ
ン単結晶の引上成長を行った。
【0170】この条件で育成されたシリコン単結晶の仕
様は実施例1と同じものであり、結晶径は8インチ(2
00mm)であった。
【0171】このインゴットから切り出したウエハの欠
陥評価結果、電気特性評価結果を表6に示す。この結晶
ではCOP密度は104 /cm3 以下であったが、転位
クラスターサイズは50μm超で大きかった。酸化膜耐
圧特性はCモード合格率が60%以上であり良好であっ
たものの、pn接合リーク特性については、電流量が1
pA以上である素子数が多く、実施例に比較して劣っ
た。
【0172】比較例2 本比較例では、実施例1と同じ様な単結晶製造装置を利
用して、結晶育成速度をV[mm/分]、シリコン融液
と結晶界面の結晶成長軸方向の温度勾配をG[℃/m
m]としたときに、V/Gが0.15[mm2 /℃・
分]となり、結晶育成中の1050℃から900℃まで
の温度範囲において冷却速度が1.4℃/分となるよう
な条件でシリコン単結晶の引上成長を行った。
【0173】この条件で育成されたシリコン単結晶の仕
様は実施例1と同じものであり、結晶径は8インチ(2
00mm)であった。
【0174】このインゴットから切り出したウエハの欠
陥評価結果、電気特性評価結果を表6に示す。この結晶
ではCOP密度は104 /cm3 以下であったが、転位
クラスターサイズは50μm超で大きかった。酸化膜耐
圧特性はCモード合格率が60%以上であり良好であっ
たものの、pn接合リーク特性については、電流量が1
pA以上である素子数が多く、実施例に比較して劣っ
た。
【0175】比較例3 本比較例では、実施例17と同じ様な単結晶製造装置を
利用して、単結晶育成速度を0.8mm/minとし、
結晶育成中のシリコンの融点から1300℃までの冷却
速度が3.0℃/分となるような条件でシリコン単結晶
の引上成長を行った。
【0176】この条件で育成されたシリコン単結晶の仕
様は実施例1と同じものであり、結晶径は8インチ(2
00mm)であった。
【0177】このインゴットから切り出したウエハの欠
陥評価結果、電気特性評価結果を表6に示す。この結晶
ではCOP密度は104 /cm3 以下であったが、転位
クラスターサイズと密度の積は1×105 μm/cm3
超で大きかった。酸化膜耐圧特性はCモード合格率が6
0%以上であり良好であったものの、pn接合リーク特
性については、電流量が1pA以上である素子数が多
く、実施例に比較して劣った。
【0178】比較例4 本比較例では、実施例17と同じ様な単結晶製造装置を
利用して、結晶育成速度をV[mm/分]、シリコン融
液と結晶界面の結晶成長軸方向の温度勾配をG[℃/m
m]としたときに、V/Gが0.15[mm2 /℃・
分]となり、結晶育成中のシリコンの融点から1300
℃までの冷却速度が3.0℃/分となるような条件でシ
リコン単結晶の引上成長を行った。
【0179】この条件で育成されたシリコン単結晶の仕
様は実施例1と同じものであり、結晶径は8インチ(2
00mm)であった。
【0180】このインゴットから切り出したウエハの欠
陥評価結果、電気特性評価結果を表6に示す。この結晶
ではCOP密度は104 /cm3 以下であったが、転位
クラスターサイズと密度の積は1×105 μm/cm3
超で大きかった。酸化膜耐圧特性はCモード合格率が6
0%以上であり良好であったものの、pn接合リーク特
性については、電流量が1pA以上である素子数が多
く、実施例に比較して劣った。
【0181】比較例5 本比較例では、実施例25と同じ様な単結晶製造装置を
利用して、単結晶育成速度を0.8mm/minとし、
結晶育成中のシリコンの融点から1300℃までの冷却
速度が2.0℃/分、かつ1050℃から900℃まで
の温度範囲において冷却速度が1.2℃/分となるよう
な条件でシリコン単結晶の引上成長を行った。
【0182】この条件で育成されたシリコン単結晶の仕
様は実施例1と同じものであり、結晶径は8インチ(2
00mm)であった。
【0183】このインゴットから切り出したウエハの欠
陥評価結果、電気特性評価結果を表6に示す。この結晶
ではCOP密度は104 /cm3 以下であったが、転位
クラスターサイズは50μm超で大きく、かつ転位クラ
スターサイズと密度の積は1×105 μm/cm3 超で
大きかった。酸化膜耐圧特性はCモード合格率が60%
以上であり良好であったものの、pn接合リーク特性に
ついては、電流量が1pA以上である素子数が多く、実
施例に比較して劣った。
【0184】比較例6 本比較例では、実施例25と同じ様な単結晶製造装置を
利用して、結晶育成速度をV[mm/分]、シリコン融
液と結晶界面の結晶成長軸方向の温度勾配をG[℃/m
m]としたときに、V/Gが0.15[mm2 /℃・
分]となり、結晶育成中のシリコンの融点から1300
℃までの冷却速度が2.0℃/分、かつ1050℃から
900℃までの温度範囲において冷却速度が1.4℃/
分となるような条件でシリコン単結晶の引上成長を行っ
た。
【0185】この条件で育成されたシリコン単結晶の仕
様は実施例1と同じものであり、結晶径は8インチ(2
00mm)であった。
【0186】このインゴットから切り出したウエハの欠
陥評価結果、電気特性評価結果を表6に示す。この結晶
ではCOP密度は104 /cm3 以下であったが、転位
クラスターサイズは50μm超で大きく、かつ転位クラ
スターサイズと密度の積は1×105 μm/cm3 超で
大きかった。酸化膜耐圧特性はCモード合格率が60%
以上であり良好であったものの、pn接合リーク特性に
ついては、電流量が1pA以上である素子数が多く、実
施例に比較して劣った。
【0187】比較例7 本比較例では、実施例41と同じ様な単結晶製造装置を
利用して、単結晶育成速度を1.2mm/minとなる
ような条件でシリコン単結晶の引上成長を行った。
【0188】この条件で育成されたシリコン単結晶の仕
様は実施例1と同じものであり、結晶径は8インチ(2
00mm)であった。
【0189】このインゴットから切り出したウエハの欠
陥評価結果、電気特性評価結果を表6に示す。この結晶
ではCOP密度は104 /cm3 超で非常に多かった
が、転位クラスター密度は0個/cm3 で非常に少なか
った。酸化膜耐圧特性はCモード合格率が60%以下で
あり実施例に比較して劣ったものの、pn接合リーク特
性については、電流量が1pA以上である素子数がゼロ
であり、実施例に比較して非常に良好であった。
【0190】比較例8 本比較例では、実施例41と同じ様な単結晶製造装置を
利用して、結晶育成速度をV[mm/分]、シリコン融
液と結晶界面の結晶成長軸方向の温度勾配をG[℃/m
m]としたときに、V/Gが0.40[mm2 /℃・
分]となるような条件でシリコン単結晶の引上成長を行
った。
【0191】この条件で育成されたシリコン単結晶の仕
様は実施例1と同じものであり、結晶径は8インチ(2
00mm)であった。
【0192】このインゴットから切り出したウエハの欠
陥評価結果、電気特性評価結果を表6に示す。この結晶
ではCOP密度は104 /cm3 超で非常に多かった
が、転位クラスター密度は0個/cm3 で非常に少なか
った。酸化膜耐圧特性はCモード合格率が60%以下で
あり実施例に比較して劣ったものの、pn接合リーク特
性については、電流量が1pA以上である素子数がゼロ
であり、実施例に比較して非常に良好であった。
【0193】
【表6】
【0194】
【発明の効果】本発明の評価法により、シリコン単結晶
中に存在する転位クラスターのサイズ評価が可能とな
る。また、本発明の製造方法によるシリコン単結晶は、
TZDBに悪影響を与えるようなgrown−in欠陥
がない上に、転位クラスターサイズ、あるいは転位クラ
スターサイズと密度の積が少なくpn接合リーク特性に
優れたものであり、高集積度の高い信頼性を要求される
MOSデバイス用ウエハを製造するのに最適な結晶であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 赤外干渉法による欠陥評価装置により、転位
クラスターの観察結果の例を示す図面であって、ディス
プレー上に表示した中間調画像を表わしている写真であ
る。なお、同図面上には、スケール及び面方位を示し
た。
【図2】 転位クラスター像における転位サイズ測定法
を説明する図である。
【図3】 赤外干渉法による欠陥評価装置により、実施
例1の結晶における転位クラスターの観察結果の例を示
す図面であって、ディスプレー上に表示した中間調画像
を表わしている写真である。なお、同図面上には、スケ
ール及び面方位を示した。
【図4】 実施例1の結晶における転位クラスターサイ
ズの分布を表した図である。
【図5】 実施例1〜16、比較例1〜2に用いた結晶
製造装置の模式図である。
【図6】 実施例17〜24、比較例3〜4に用いた結
晶製造装置の模式図である。
【図7】 実施例25〜40、比較例5〜6に用いた結
晶製造装置の模式図である。
【図8】 実施例41〜43、比較例7〜8に用いた結
晶製造装置の模式図である。
【符号の説明】
1…CZ法シリコン単結晶引上炉、 2…ワイヤ巻き上げ機、 3…断熱材、 4…加熱ヒーター、 5…回転治具、 6…坩堝、 6a…石英坩堝、 6b…黒鉛坩堝、 7…ワイヤ、 8…種結晶、 9…チャック、 10…ガス導入口、 11…ガス流出口、 12…結晶熱履歴制御装置、 13…結晶熱履歴制御装置、 M…シリコン融液、 S…シリコン単結晶インゴット。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 太田 国照 神奈川県川崎市中原区井田3−35−1 新 日本製鐵株式会社技術開発本部内 (72)発明者 石坂 和紀 神奈川県川崎市中原区井田3−35−1 新 日本製鐵株式会社技術開発本部内 (72)発明者 岩崎 俊夫 山口県光市大字島田3434番地 ニッテツ電 子株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チョクラルスキー法により製造されたシ
    リコン単結晶であって、表面異物計で測定したサイズ
    0.11μm以上のCOPの密度がウエハ全面にわたっ
    て104 個/cm3 以下、かつ転位クラスターのサイズ
    がウエハ全面にわたって50μm以下であることを特徴
    とするシリコン単結晶。
  2. 【請求項2】 チョクラルスキー法により製造されたシ
    リコン単結晶であって、表面異物計で測定したサイズ
    0.11μm以上のCOPの密度がウエハ全面にわたっ
    て104 個/cm3 以下、かつ転位クラスターのサイズ
    の平均値と転位密度の積がウエハ全面にわたって105
    μm/cm3 以下であることを特徴とするシリコン単結
    晶。
  3. 【請求項3】 チョクラルスキー法により製造されたシ
    リコン単結晶であって、表面異物計で測定したサイズ
    0.11μm以上のCOPの密度がウエハ全面にわたっ
    て104 個/cm3 以下、かつ転位クラスターのサイズ
    がウエハ全面にわたって50μm以下、かつ転位クラス
    ターのサイズの平均値と転位密度の積がウエハ全面にわ
    たって105 μm/cm3 以下であることを特徴とする
    シリコン単結晶。
  4. 【請求項4】 チョクラルスキー法により製造されたシ
    リコン単結晶において、結晶育成速度を0.8mm/分
    以下となる条件で結晶を育成し、かつ結晶成長時におけ
    る1050℃から900℃までの温度範囲において冷却
    速度が2℃/分以上となる領域があることを特徴とする
    シリコン単結晶の製造方法。
  5. 【請求項5】 チョクラルスキー法により製造されたシ
    リコン単結晶において、結晶育成速度をV[mm/
    分]、シリコン融液と結晶界面の結晶成長軸方向の温度
    勾配をG[℃/mm]としたときに、V/Gが0.15
    [mm2 /℃・分]以下となる条件で結晶を育成し、か
    つ結晶成長時における1050℃から900℃までの温
    度範囲において冷却速度が2℃/分以上となる領域があ
    ることを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
  6. 【請求項6】 チョクラルスキー法により製造されたシ
    リコン単結晶において、結晶育成速度を0.8mm/分
    以下となる条件で結晶を育成し、かつ結晶成長時におけ
    るシリコンの融点から1300℃までの冷却速度を0.
    5℃/分以下とすることを特徴とするシリコン単結晶の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 チョクラルスキー法により製造されたシ
    リコン単結晶において、結晶育成速度をV[mm/
    分]、シリコン融液と結晶界面の結晶成長軸方向の温度
    勾配をG[℃/mm]としたときに、V/Gが0.15
    [mm2 /℃・分]以下となる条件で結晶を育成し、か
    つ結晶成長時におけるシリコンの融点から1300℃ま
    での冷却速度を0.5℃/分以下とすることを特徴とす
    るシリコン単結晶の製造方法。
  8. 【請求項8】 チョクラルスキー法により製造されたシ
    リコン単結晶において、結晶育成速度を0.8mm/分
    以下となる条件で結晶を育成し、かつ結晶成長時におけ
    るシリコンの融点から1300℃までの冷却速度を0.
    5℃/分以下、かつ結晶成長時における1050℃から
    900℃までの温度範囲において冷却速度が2℃/分以
    上となる領域があることを特徴とするシリコン単結晶の
    製造方法。
  9. 【請求項9】 チョクラルスキー法により製造されたシ
    リコン単結晶において、結晶育成速度をV[mm/
    分]、シリコン融液と結晶界面の結晶成長軸方向の温度
    勾配をG[℃/mm]としたときに、V/Gが0.15
    [mm2 /℃・分]以下となる条件で結晶を育成し、か
    つ結晶成長時におけるシリコンの融点から1300℃ま
    での冷却速度を0.5℃/分以下、かつ結晶成長時にお
    ける1050℃から900℃までの温度範囲において冷
    却速度が2℃/分以上となる領域があることを特徴とす
    るシリコン単結晶の製造方法。
  10. 【請求項10】 チョクラルスキー法により製造された
    シリコン単結晶において、リング状OSF分布の直径が
    結晶径の0.1倍になるときの結晶育成速度をVmm/
    分としたときに、結晶の長手方向にわたって結晶育成速
    度が0.75V以上0.99V以下の範囲内に収まる条
    件で結晶を育成することを特徴とするシリコン単結晶の
    製造方法。
  11. 【請求項11】 シリコン単結晶中の結晶欠陥を評価す
    るにあたり、波長1.0〜1.3μmの赤外線を振動方
    向が互いに垂直である二つの直線偏光した光束に分離
    し、レンズで集光してシリコンウエハ中で焦点を形成し
    たときに、二つの光束のうちどちらか一方の光束にのみ
    欠陥が存在したときに、二つの光束間に発生する位相差
    を検知することで、欠陥を検出するような欠陥評価法に
    おいて、 シリコンウエハ内のある領域を二つの光束で走査して、
    二つの光束間に発生する位相差を解析することで得られ
    た転位クラスター像について、ある特定な結晶方向に沿
    って測ったサイズの総和をその転位クラスターのサイズ
    とすることを特徴とする結晶欠陥評価法。
JP28465897A 1997-10-01 1997-10-01 シリコン単結晶およびその製造方法、評価方法 Expired - Lifetime JP4107700B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28465897A JP4107700B2 (ja) 1997-10-01 1997-10-01 シリコン単結晶およびその製造方法、評価方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28465897A JP4107700B2 (ja) 1997-10-01 1997-10-01 シリコン単結晶およびその製造方法、評価方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11106282A true JPH11106282A (ja) 1999-04-20
JP4107700B2 JP4107700B2 (ja) 2008-06-25

Family

ID=17681316

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28465897A Expired - Lifetime JP4107700B2 (ja) 1997-10-01 1997-10-01 シリコン単結晶およびその製造方法、評価方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4107700B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002012499A (ja) * 2000-06-26 2002-01-15 Sumitomo Metal Ind Ltd 単結晶の引上げ方法およびそれを用いて製造されたエピタキシャルウェーハ
WO2007142024A1 (ja) * 2006-06-09 2007-12-13 Sumco Corporation 単結晶シリコンウェーハのcop評価方法
JP2009292682A (ja) * 2008-06-05 2009-12-17 Sumco Corp シリコン単結晶の引上げ装置及び引上げ方法
JP2010013306A (ja) * 2008-07-02 2010-01-21 Sumco Corp 単結晶シリコンウェーハのcop発生要因の判定方法
WO2011115332A1 (en) * 2010-03-16 2011-09-22 Lg Siltron Inc. Methed of manufacturing single crystal ingot and wafer manufactured by thereby
JP2013043809A (ja) * 2011-08-25 2013-03-04 Shin Etsu Handotai Co Ltd 炭素ドープシリコン単結晶の製造方法

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002012499A (ja) * 2000-06-26 2002-01-15 Sumitomo Metal Ind Ltd 単結晶の引上げ方法およびそれを用いて製造されたエピタキシャルウェーハ
WO2007142024A1 (ja) * 2006-06-09 2007-12-13 Sumco Corporation 単結晶シリコンウェーハのcop評価方法
JPWO2007142024A1 (ja) * 2006-06-09 2009-10-22 株式会社Sumco 単結晶シリコンウェーハのcop評価方法
JP4640504B2 (ja) * 2006-06-09 2011-03-02 株式会社Sumco 単結晶シリコンウェーハのcop評価方法
US8173449B2 (en) 2006-06-09 2012-05-08 Sumco Corporation Method for making COP evaluation on single-crystal silicon wafer
JP2009292682A (ja) * 2008-06-05 2009-12-17 Sumco Corp シリコン単結晶の引上げ装置及び引上げ方法
JP2010013306A (ja) * 2008-07-02 2010-01-21 Sumco Corp 単結晶シリコンウェーハのcop発生要因の判定方法
WO2011115332A1 (en) * 2010-03-16 2011-09-22 Lg Siltron Inc. Methed of manufacturing single crystal ingot and wafer manufactured by thereby
JP2013522157A (ja) * 2010-03-16 2013-06-13 エルジー シルトロン インコーポレイテッド 単結晶インゴットの製造方法およびこれによって製造されたウェハ
JP2013043809A (ja) * 2011-08-25 2013-03-04 Shin Etsu Handotai Co Ltd 炭素ドープシリコン単結晶の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4107700B2 (ja) 2008-06-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4805681B2 (ja) エピタキシャルウェーハおよびエピタキシャルウェーハの製造方法
JP3943717B2 (ja) シリコン単結晶ウエーハ及びその製造方法
US6893499B2 (en) Silicon single crystal wafer and method for manufacturing the same
JP5121139B2 (ja) アニールウエハの製造方法
JPH06103714B2 (ja) シリコン単結晶の電気特性検査方法
US7311888B2 (en) Annealed wafer and method for manufacturing the same
JP3589119B2 (ja) エピタキシャルウェーハの製造方法
JP2002226295A (ja) チョクラルスキー法によるシリコン単結晶製造工程の管理方法及びチョクラルスキー法による高抵抗シリコン単結晶の製造方法並びにシリコン単結晶
JP4192530B2 (ja) パーティクルモニター用シリコン単結晶ウェーハの製造方法
JP5151628B2 (ja) シリコン単結晶ウエーハ、シリコン単結晶の製造方法および半導体デバイス
JPH11106282A (ja) シリコン単結晶およびその製造方法、評価方法
JP2011222842A (ja) エピタキシャルウェーハの製造方法、エピタキシャルウェーハ及び撮像用デバイスの製造方法
JPH1143396A (ja) シリコン単結晶およびその製造方法ならびに製造装置
JP4218080B2 (ja) シリコン単結晶ウエーハ及びその製造方法
JP4510997B2 (ja) シリコン半導体基板およびその製造方法
JP4276764B2 (ja) シリコン単結晶基板及びその製造方法
JP4154891B2 (ja) シリコン単結晶の製造方法
JPH1143393A (ja) シリコン単結晶ウエハーおよびその製造方法
JPH1143397A (ja) シリコン単結晶およびその製造方法
JP4615785B2 (ja) 窒素添加基板を用いたエピ層欠陥のないエピタキシャルウエハの製造方法
JP5282762B2 (ja) シリコン単結晶の製造方法
JP2002201091A (ja) 窒素および炭素添加基板を用いたエピ層欠陥のないエピウエハの製造方法
US8460463B2 (en) Silicon wafer and method for producing the same
JP3621290B2 (ja) パーティクルモニター用シリコン単結晶ウエーハの製造方法およびパーティクルモニター用シリコン単結晶ウエーハ
JPH11186184A (ja) 高品質シリコンウェーハの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040804

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061016

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070731

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070928

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080108

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080128

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080318

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080401

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110411

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120411

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130411

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130411

Year of fee payment: 5

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130411

Year of fee payment: 5

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130411

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140411

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term