JP4615785B2 - 窒素添加基板を用いたエピ層欠陥のないエピタキシャルウエハの製造方法 - Google Patents

窒素添加基板を用いたエピ層欠陥のないエピタキシャルウエハの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリコン半導体基板及びその製造法に関するもので、結晶欠陥がなくデバイス特性に優れた品質のシリコン半導体基板及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高集積MOSデバイスの基板として用いられるチョクラルスキー(CZ)法により製造されたシリコン単結晶基板には、単結晶製造中に混入した酸素が過飽和に存在しており、それが、後のデバイスプロセス中に析出して、ウエハ内部に酸素析出物が形成される。この酸素析出物が、基板内部に十分な量存在した場合、デバイスプロセス中に混入してくる重金属は、ウエハ内部に吸収され、デバイス活性層であるウエハ表面は清浄に保たれる。このような状況を重金属がイントリンシックゲッタリング(IG)されている状況と呼ぶ。重金属がIGされることにより、重金属汚染によるデバイス特性劣化が防止されるため、シリコン単結晶基板には、デバイスプロセス中に適度の酸素析出が起こることが求められている。
【0003】
近年、高品質デバイス用の基板として、シリコン単結晶基板の表面にシリコン単結晶層(エピ層)を堆積(エピ堆積)させたシリコン半導体基板(いわゆるエピウエハ)が用いられてきている。エピウエハは、ウエハ表面にCOP(Crystal Originated Particle)等のgrown−in欠陥が存在せず、酸化膜耐圧特性等のデバイス特性が良好になることが知られている。しかし、エピウエハは、その製造プロセス上で1100℃以上の高温熱処理を経るため、特に抵抗値0.1〜50Ωcmのサブストレートにエピ堆積を行ったp/p−と呼ばれるエピタキシャルウエハは、デバイスプロセス中の酸素析出が起こりにくくなり、ゲッタリング特性が(エピ堆積のない)ミラーウエハに比べて劣る。これは、結晶育成中に形成された酸素析出核がエピ堆積プロセスの高温熱処理中に消滅するため、その後のデバイスプロセスにおいて酸素析出が起こりにくくなるためと考えられる。エピ工程後の酸素析出不足を補う方法として、エピ堆積前のサブストレートに熱処理を施し、その後にエピ堆積を行う方法が提案されている(応用物理学会第44回春季学術講演会予稿集第一分冊29a−L−2)。しかしこの方法では工程数が増加するため、エピタキシャルウエハ製造コストの増大に繋がり、好ましくない。これに対して、エピ堆積前の前熱処理なしでデバイスプロセス中に酸素析出が起こるようなp/p−エピタキシャルウエハを製造する方法として、例えば特開H11−189493、特開2000−44389、特開2000−109396、特開2001−106594に示すような窒素を添加したサブストレートを用いたエピタキシャルウエハの製造方法が提案されている。
【0004】
しかしながら、窒素を添加したサブストレートにエピ堆積を行った場合、条件次第ではエピ層にこれまで知られていなかった特有の結晶欠陥(N−SF、E−pit、エピ層転写OSF)が発生することがわかった(詳細は「発明が解決しようとする課題」で述べる)。これらの結晶欠陥はエピタキシャルウエハの上に作成したデバイスの特性を劣化させるため、このような結晶欠陥が発生するエピタキシャルウエハは高集積MOSデバイスの基板としては使用できない。
【0005】
詳細な調査の結果、エピ層に発生する窒素添加起因の結晶欠陥は、サブストレートに存在する欠陥領域(V領域、OSF領域、I領域と呼ばれている)と密接な関係があることが判明した。サブストレートの欠陥領域は窒素濃度と結晶育成条件V/G(ただし、V:引上速度[mm/min]、G:融点〜1350℃までの結晶成長軸方向の平均温度勾配[℃/mm])に依存することが知られている。図1にサブストレートの欠陥領域と窒素濃度、V/Gの関係を示す。一本の窒素添加結晶は窒素濃度とV/Gにある幅を持っており、窒素濃度−V/G図の中では四角の領域(育成条件範囲と呼ぶ)で示される。これは、結晶はボトム側に行くに従って窒素濃度が高くなり、結晶外周部は中心部に比べてV/Gが低くなるためである。詳細な調査の結果、サブストレートにOSF領域が存在する場合、上記に述べたエピ層欠陥が発生する。サブストレートの欠陥領域とエピ層に発生する窒素添加起因の結晶欠陥の発生状況との関係は図2に示す通りである。図2中で育成条件範囲の一部がOSF領域になっているような結晶をサブストレートとして使ったエピウエハは(育成条件範囲2、3、4、5)、表に示すような状況でエピ層欠陥が発生することがわかった。OSF領域を除外する方法として窒素濃度を下げていく方法もあるが(育成条件範囲1)、窒素濃度が低すぎるとエピ堆積後の析出が起こらなくなるため、IG能がなくなる。つまりIG能を確保し、なおかつエピ層欠陥が発生しない窒素添加結晶を育成するためには、窒素濃度とV/Gを育成条件範囲6のように制御する必要がある。
【0006】
特開H11−189493公報に示される方法の場合、窒素の下限のみを規定しているが、そのようなサブストレートを用いたエピタキシャルウエハは窒素が多くなると図2の育成条件範囲2,3,4,5のようになるためエピ層欠陥が発生してしまい、高集積MOSデバイスの基板としては使用できない。特に同公報に記載されているように析出を確保するためOSF領域をウエハ全面に渡って活用するようなサブストレート(育成条件範囲4あるいは5に相当)の場合、エピ堆積後にエピ層欠陥(N−SF、E−pit、エピ層転写OSF)が確実に発生してしまう。
【0007】
特開2000−44389公報に示される方法の場合、窒素濃度上限を5x1015atoms/cm3と規定しているが、このような窒素濃度上限規定のみではたとえ同公報に記載されているように酸素濃度を18ppma以下に抑えても、エピ層欠陥が発生してしまう(育成条件範囲2,3,4,5に相当)。また、同公報に記載されている窒素濃度上限値1x1014atoms/cm3ではエピ層欠陥防止は可能かもしれないが、窒素濃度が低すぎてエピ堆積後の酸素析出が起こらずIG能力不足となる(育成条件範囲1に相当)。このような課題は抵抗値を0.1Ωcm以上に規定しても回避できない。
特開2000−109396公報に示される方法の場合、窒素濃度上限を5x1015atoms/cm3と規定しているが、このような窒素濃度上限規定のみではエピ層欠陥(N−SF、E−pit、エピ層転写OSF)が発生してしまう(育成条件範囲2,3,4,5に相当)。このような課題は同公報に記載されているように、結晶育成条件において800℃付近の温度域を2℃/分以上で急冷しても、あるいは800℃〜400℃の温度範囲を1℃/分以上で急冷しても回避できない。
【0008】
特開2001−106594公報の場合エピ層欠陥を除外する方法として、サブストレートのOSF領域をウエハ半径に対して85%より外側に除外することが記載されているが、ウエハ半径の85%付近までがOSF領域であるようなサブストレートでは、エピ堆積をした場合エピ層欠陥(エピ層転写OSF)が発生してしまう(育成条件範囲2に相当)。また、OSF領域を、ウエハ半径の85%より外側に除外した結晶を実現するために、同公報の請求項3に記載されているように窒素濃度上限値を1x1014atoms/cm3にした場合、窒素濃度が低すぎてエピ堆積後の酸素析出が起こらずIG能力不足となる(育成条件範囲1に相当)。また、OSF領域を、ウエハ半径の85%より外側に除外した結晶を実現するために、同公報の段落「0026」に記載されているように育成するシリコン単結晶を製品となるウエハより大きくし、丸め加工時に外側のOSF領域を削り取る方法を用いた場合、削り取られる結晶部分が多くなるためコストアップにつながる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
窒素添加されたシリコン単結晶ウエハにエピ層を堆積した時に発生する結晶欠陥は、エピ層堆積する前のシリコン単結晶ウエハの品質に起因していることは既に述べた通りである。よって、窒素添加シリコン単結晶ウエハをエピウエハの基板として使用する場合は、従来の酸素析出という品質の他に、エピ層に欠陥が発生しないような品質の窒素添加シリコン単結晶ウエハを作り込む必要がある。本発明は、結晶品質が十分に制御された窒素添加サブストレートを用いることで、エピ堆積工程の前に酸素析出促進もしくは欠陥消滅を目的とした余分な熱処理工程を加えることなしに、エピ後の酸素析出が充分起こり、かつ窒素添加起因のエピ層欠陥(N−SF、E−pit、エピ層転写OSF)が発生しないエピタキシャルウエハ及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
窒素を添加したサブストレートを用いることで、エピ堆積後のデバイス熱処理で酸素析出が十分に起こるエピタキシャルウエハを製造することが可能となる。
これは窒素を添加することで結晶育成中に熱的に安定な酸素析出核が形成され、それがエピ堆積工程中も収縮・消滅することがないため、エピ堆積後のデバイス熱処理においてそのような酸素析出核を基点にして酸素析出物が発生することによる。すなわち、結晶育成中の熱履歴が一種のエピ堆積前処理の役目を果たすため、結晶育成直後のサブストレートは既にエピ堆積後も酸素析出が起こる状態になっていると考えることができる。このような基板を用いることにより、エピ堆積前に前熱処理などの余分な工程を加えることなしにエピ堆積後の酸素析出を確保することが可能となる。
【0011】
エピ堆積後のゲッタリング能力を確保するためには、シリコン単結晶ウエハの厚み中心に一定密度以上の酸素析出物が存在する必要がある。これまでの試験の結果、サブストレート内部で2x108個/cm3以上の酸素析出物が存在した場合、Fe、Ni、Cu等の重金属に対するゲッタリング能力が充分あることが判っている。エピ堆積後の析出物密度は窒素濃度によってコントロールできる。種々の実験の結果、ゲッタリングに十分な密度である2x108個/cm3以上の析出物密度をエピ堆積後のエピタキシャルウエハにおけるサブストレート内部で確保するためには、請求項1に記載されている通り、窒素濃度としては1×1014atoms/cm3以上が必要であることがわかった。窒素濃度が1×1014atoms/cm3未満ではエピタキシャルウエハの析出物密度は2x108個/cm3未満となってしまうため、重金属に対する十分なゲッタリング能力が得られない。
【0012】
このように窒素添加サブストレートは酸素析出を確保する上で有用であるが、一方で窒素添加サブストレートエピ堆積を行った場合、エピ層にこれまで知られていなかったN−SF、E−pit、エピ層転写OSFといった結晶欠陥が発生することがわかった。これらの欠陥のうち、N−SFとE−pitはエピ堆積直後の状態でエピ層に発生している欠陥であり、エピ層転写OSFはエピ堆積後酸化熱処理を行うことにより発生する欠陥である。
【0013】
N−SFは、図3に示すように、サブストレートとエピ層界面からエピ層表面へ伸びる{111}面上の格子間原子型積層欠陥であり、(100)ウエハにエピ堆積を行った場合、エピ膜厚をT[μm]としたときに、辺長がほぼT×√2[μm]となる正三角形に近い構造を取る。N−SFはエピ堆積を行ったときに初めて発生する欠陥であり、エピ堆積前のサブストレートではN−SFの存在は確認できない。このN−SFは、表面異物計で見たときに、ウエハ上の異物と同じような散乱像として見えることから、エピ層堆積後のウエハを表面異物計で測ることにより、その個数を評価することが出来る。
【0014】
E−pitは、図4に示すように、エピ層界面からエピ層表面へ伸びる一本あるいは数本の転位である。E−pitはエピ堆積前のサブストレートに既に存在しており、エピ堆積を行うことでエピ層に転写する。このE−pitは、表面異物計では見ることが出来ないが、エピ層堆積後のウエハ表面をライトエッチ・セコエッチ等の選択エッチングを行うことでできるピットを数えることによって、その個数を評価することが出来る。
【0015】
エピ層転写OSFはエピタキシャルウエハを酸化熱処理した際に発生する積層欠陥(Oxidation induced Stacking Fault)がエピ層まで伝搬したものである。OSFは、中心に酸素析出物(OSF核)が存在する直径数μm程度の円盤状の積層欠陥であり、酸化熱処理を行うことによって、酸化膜−シリコン母相の界面から発生する格子間原子が、OSF核の周囲に凝集することによって形成される。OSF核とは酸素析出物の中でも格子間原子を集める性質を有する特殊な析出物であり、結晶育成直後の段階でサブストレートに既に存在しているものと考えられている。OSF核はサイズが小さい(10nm以下と考えられている)ことから、異物計、赤外トモグラフ等の現状の評価方法では検出されない。そのため、OSFの存在は、酸化熱処理を行うことで、初めて確認することができる。なお、このエピ層転写OSFは、エピ堆積後のウエハをそのまま調べても検出することができず、エピ堆積後酸化熱処理を行うことによって、初めて有無が明らかになるものである。いわゆるエピ層に存在する積層欠陥等のエピ層欠陥とは異なるものである。
【0016】
これまで窒素を添加していないサブストレートにも、結晶成長条件によってはOSFが発生する場合があった。例えばV/Gがある値になった場合にサブストレートの中でリング状に発生するリングOSFが知られている(M. Hasebe, Y. Takeoka, S. Shinoyama and S. Naito, Defect Control in Semiconductors, edt. K. Sumino, (Elsevier Science Publishers B. V., 1990) 157.)。
【0017】
しかし、このようなリングOSFが発生するような窒素を添加していないサブストレートにエピ堆積した場合は、エピ堆積工程中の高温熱処理でOSF核が消滅するため、その後の酸化熱処理ではエピ層転写OSFが発生せず、問題になっていなかった。これに対して、窒素を添加したサブストレートのOSF核は、エピ堆積後も消滅せずにそのまま残留する。その結果、酸化熱処理でサブストレート表面のOSFがエピ層内に転写してエピ層転写OSFとなり、エピ表面のデバイス活性層になる領域まで成長する(図5)。
【0018】
エピ層転写OSFを評価するための酸化熱処理条件は、特に規定しないが、例えば、一番OSFを検出し易い条件として、水蒸気含有酸素雰囲気中で1100℃、1時間の酸化処理等を用いればよい。エピ層転写OSF評価は、一般的に用いられているライトエッチ液等でエッチングし、楕円状、半月状あるいは棒状のOSFピットを光学顕微鏡等でカウントすればよい。エピ層厚み領域のOSF密度は、エピ層厚み分をライトエッチ液等でエッチングし、表面に発生したOSFピットの面積密度を算出する。
【0019】
N−SFが0.05個/cm2超、あるいはE−pitが0.05個/cm2超存在した場合、例えば電極面積20mm2のデバイスにおいて、これらの欠陥によって破壊が引き起こされる確率が1%を越える。これらの欠陥が多数存在する電極は、TDDB特性などの電気特性が劣化するため、このような欠陥を多数内在するウエハは、高品質デバイス用のシリコン半導体基板として使うことができない。よってN−SFおよびE−pitは0.05個/cm2以下に抑える必要がある。また、エピ層転写OSFは積層欠陥であるので、その周囲は電気的な準位を伴っており、デバイス構造のpn接合中にOSFが存在した場合、それがリークパスとなって、pn接合リークを引き起こす。一般に堆積したエピ層の厚み分の領域はすべてデバイス活性層になりうるので、エピ層厚み領域内にはエピ層転写OSFが存在しないことが望ましい。エピ層転写OSF面積密度としては、0.05個/cm2を越えると、例えば、電極面積20mm2のデバイスにおいて、欠陥によってpn接合リークが引き起こされる確率が1%を越えるため、このようなエピウエハは、高品質デバイス用の基板としては不適当である。そのため、エピ層転写OSF面積密度は、0.05個/cm2以下に抑える必要がある。特に、エピ膜厚が薄くなるほど、エピ層へのOSF転写は顕著になる。
【0020】
上記に述べたようなN−SF、E−pit、エピ層転写OSFといったエピ層に発生する結晶欠陥は、エピ堆積前のサブストレートに存在する欠陥領域と密接な関係を持っている。サブストレートの欠陥領域は窒素濃度と結晶育成条件V/G(ただし、V:引上速度[mm/min]、G:融点〜1350℃までの結晶成長軸方向の平均温度勾配[℃/mm])によって決まる(M.Iida,W.Kusaki,M.Tamatsuka,E.Iino,M.Kimura,S.Muraoka,DefectinSilicon,ed.T.Abe,W.M.Bullisetal.,(ECS.,PenningtonN.J.,1999)136)。つまり、エピ層欠陥防止のためにはエピ堆積前のサブストレートに存在する欠陥領域を窒素濃度とV/Gによってコントロールすることが重要となる。
【0021】
エピ堆積前のサブストレートに存在する欠陥領域と窒素濃度・V/Gの関係を図6で説明する。窒素添加したCZ−Si結晶には3種類の欠陥領域(ボイド領域、OSF領域、I領域)が存在する。V領域とは、結晶育成中に過剰の原子空孔が導入される領域であり、それらの原子空孔が凝集してできたボイド欠陥が存在する。OSF領域は、シリコン単結晶ウエハを酸化熱処理したときに、OSFが発生する領域である。OSF領域には先に述べた通り、OSF核となる酸素析出物が存在している。I領域とは、結晶育成中に過剰の格子間原子が導入される領域である。
【0022】
一本の窒素添加結晶は図6中で示す通り四角い育成条件範囲として表される。
これは、結晶はボトム側に行くに従って窒素濃度が高くなり、結晶外周部は中心部に比べてV/Gが低くなるためである。CZ−Si結晶への窒素添加は、窒素を添加した融液を用いることによって行うが、固化する際に融液から結晶へ取り込まれる窒素濃度の比率(偏析係数)は1に比べて非常に小さいことが分かっている。そのため、融液中の窒素の大部分は融液中に残留し、融液中の窒素濃度は結晶育成が経過するに従って濃化される。結果的に結晶下部では窒素濃度が高くなる。また、融点〜1350℃までの結晶成長軸方向の平均温度勾配G[℃/mm]は一般に結晶外周部結晶外周部の方が大きい。それは結晶外周部の方が輻射による冷却度が大きいためである。その結果、V/Gは結晶外周部の方が低くなる。例えば図6に示すような育成条件範囲の結晶は、結晶中心側にV領域が、結晶外周部にOSF領域が存在することになる。窒素濃度範囲を固定してV/Gを大きくした場合、OSF領域がウエハ外周部より外に除外されボイド領域がウエハ全面に渡って広がる。V/Gを小さくすると、V領域がウエハ中心付近に存在し、その外側にOSF領域、更にその外側にI領域が発生する。V/Gを更に小さくすると、V領域とOSF領域はともにウエハ中心部に完全に収縮してしまい、ウエハ全面がI領域になる。また、V/Gを固定して窒素濃度を高くした場合、外周部からOSF領域が発生し、ウエハ全面に広がるようになる。
【0023】
窒素添加に起因するエピ層欠陥の発生位置とそれに対応する窒素濃度・V/Gとの関係を詳細に調査した結果、エピ堆積後の欠陥領域は図7のようになる。窒素濃度が高くなった場合、OSF領域がウエハ全面に広がるため、エピ層欠陥が発生しやすい状況になる。N−SF、E−pit、エピ層転写OSFは全てエピ堆積前のサブストレートにおけるOSF領域に当る位置に表れる。エピ層転写OSF領域はエピ堆積前のサブストレートにおけるOSF領域よりも若干狭い領域になっている、例えば、OSF領域の内側境界の半径が85mmであるようなサブストレートにエピ堆積した場合、エピタキシャルウエハのエピ層転写OSF領域の内側境界半径は91mm程度となる。N−SF, E−pitはそれぞれ領域が明確に分かれている。図2に示す育成条件範囲2、3、4、5に対応するサブストレートを用いた時のエピ堆積後の欠陥分布は図7の通りになる。育成条件範囲2では外周側にエピ層転写OSFのみが表れ、育成条件範囲3では外周側にN−SFとエピ層転写OSFが共存する領域、その内側にエピ層転写OSFのみが発生する領域が存在する。育成条件範囲4では外周部にE−pitとエピ層転写OSFが共存する領域、その内側にN−SFとエピ層転写OSFが共存する領域、さらにその内側にエピ層転写OSFのみが発生する領域が存在する。育成条件範囲5では外周部にE−pitとエピ層転写OSFが共存する領域、その内側にN−SFとエピ層転写OSFが共存する領域が存在する。
【0024】
N−SF、E−pit、エピ層転写OSFといったエピ層に発生する結晶欠陥が発生しないような窒素添加サブストレートを作るためには、サブストレートのOSF領域を結晶外周部より外に除外するような結晶育成が必要となる。種々の窒素濃度、引上条件の窒素添加結晶について、asgrownサブストレートのOSF領域の位置と、エピ層欠陥との関係を調べた結果、例えば直径200mmのasgrownサブストレートにおいて、OSF領域の内側境界の半径が95mm以上になっているサブストレートをエピウエハの基板として用いた場合、請求項2に記載されているようにN−SFが0.05個/cm2以下、かつE−pitが0.05個/cm2、かつエピ層転写OSFが0.05個/cm2以下であるようなエピタキシャルウエハが製造可能であることを確認した。内側境界の半径が95mm未満の場合、少なくともエピ層転写OSFを0.05個/cm2以下にすることができない(育成条件範囲2に相当)。
【0025】
このようにOSF領域が除外されている窒素添加サブストレートを実現するためには、まずV/Gを上げることが必要である。特に結晶外周部はV/Gが低くなっているので、結晶外周部のV/Gをなるべく大きくすることが結晶育成条件における重要なポイントとなる。現状の操業において種々の条件変更を行った結果、例えば後述するように結晶の周囲に配置された半円錐形の熱遮蔽板の先端と融液表面との距離Lを広げることで、結晶外周部のV/Gを結晶育成初期から終期にわたって安定的に0.12にすることが可能であることがわかった。ちなみに、そのような工夫を行わない場合は晶外周部のV/Gは0.10程度である。
結晶外周部はV/Gが一番低くなっているので、結晶外周部のV/Gを0.12にした場合、ウエハ面内全域ではV/Gは0.12以上である状態が実現していることになる。そのような育成条件で窒素濃度を変えた複数の結晶を育成し、OSF領域の発生状況を調べた結果、窒素濃度が2×1015atoms/cm3以下であれば、サブストレートのOSF領域が除外され、エピ層欠陥も発生しないことが明らかとなった。すなわち、請求項1に記載されている様に、サブストレートの窒素濃度上限値を2×1015atoms/cm3とし、かつV/Gをウエハ全面に渡って0.12以上にすることで、請求項1に記載されているようにN−SFが0.05個/cm2以下、かつE−pitが0.05個/cm2、かつエピ層転写OSFが0.05個/cm2以下であるような高品質デバイス用途に耐えうる品質のエピタキシャルウエハが製造可能であることがわかった(図8)。この条件は結晶径が200mm、300mm如何に関わらず成立し、結晶径によらず普遍的な指標であることも確認した。何らかの方法で結晶外周部のV/Gを0.12以上に上げることができれば、窒素濃度上限値は2×1015atoms/cm3より大きくすることも可能である。
【0026】
なお、V/G上限値は特に規定しないが、現実的には結晶中心部で0.35程度が実現可能である。V/Gが0.12未満の場合は、例え窒素濃度範囲が請求項1に記載されている通り1×1014atoms/cm3以上2×1015atoms/cm3以下になっていてもN−SF、E−pit、エピ層転写OSFのうち少なくともいずれか一つが0.05個/cm2超となってしまう。
【0027】
【発明の実施の形態】
シリコン単結晶製造方法として、ルツボ内融液から結晶を育成させつつ引き上げるCZ法が広く行われている。このCZ法によりシリコン単結晶を得ようとする場合、例えば図9に模式的に示すような構成の単結晶製造装置が用いられる。
このようなシリコン単結晶製造方法において、まず図中のルツボ内に原料としてシリコン多結晶を入れ、それらを取り囲むヒーター(ヒーター、断熱材などの炉内構造物を総称してホットゾーンという)によってこの原料を融解する。そしてこのルツボ内の融液の上方より種結晶を降ろして融液表面に接触させる。この種結晶を回転させながら、引き上げ速度Vを制御しつつ上方に引き上げることにより所定の径の単結晶を作製する。結晶が育成していくにつれてシリコン融液が減っていくがこれによってシリコン融液内の熱伝導や流動などの結晶育成環境が変化していく。これらの環境をなるべく一定にし結晶育成を安定にするために実際の結晶製造工程では様々な工夫がなされている。例えば一般に結晶引上げ中はシリコン融液表面の位置をヒーターに対して一定にするために引上げられた結晶重量に応じてルツボ位置を上昇させている。結晶が育成していく過程で結晶側の伝熱条件の変化は融液側と比較すると極めて小さく、ほぼ炉構造および炉内のホットゾーン構造により決まり、結晶長さによってゆっくり小さく変化する。
【0028】
結晶成長界面の温度勾配Gは結晶面内で一般には均一ではない。結晶成長界面における結晶側温度勾配は結晶外周部の方が結晶中心部より大きい。それは結晶側面からの放射冷却により、結晶側面の方がより冷やされるためである。そのため同じ引上速度Vにおいても、V/Gは結晶外周部の方が低くなり、エピ層欠陥発生の元となるOSF領域が結晶外周部に生じやすくなる。結晶外周部のV/Gを高くするためには、結晶外周部の放射冷却を少なくする必要がある。例えば図9に示すような結晶の周囲に配置された半円錐形の熱遮蔽板の先端と融液表面との距離Lを広げることが有効である。しかし、元々この熱遮蔽板は融液から結晶への輻射や石英ルツボの外側に配置されているヒーターから結晶への輻射を遮蔽し、結晶の冷却を促進する効果を有してる。そのため必要以上にLを広げてしまうと熱遮蔽が十分でなくなり、結晶育成速度Vが低下してV/Gが低下してしまう。ホットゾーン構造にもよるが、我々の実験の場合、Lが30mm〜40mm程度の場合、エッジ部のV/Gが一番高くなることを確認した。なお、結晶成長界面における結晶引上げ方向の結晶側温度勾配Gは、結晶内部に熱電対を差し込み実際に結晶育成を行なうなどの実験を繰り返し厳密に測定している。
【0029】
窒素が添加されたCZ−Si結晶を製造するためには例えば、原料溶解中に窒素ガスを導入する方法、あるいは窒化物をCVD方等によって堆積させたシリコンウエハを原料溶解中に混入させる方法等がある。凝固後の結晶中に取り込まれる窒素の融液中濃度に対する比率である偏析係数kは7x10-4(W. Zulehner and D. Huber, Crystal Growth, Properties and Applications, p28, Springer−Verlag, New York, 1982)である。融液から結晶中に取り込まれる窒素濃度は、その時の結晶の固化率g=(結晶化したシリコンの重量)/(初期融液重量)を用いて下記のように表される。
【0030】
(結晶中の窒素濃度)=k×(初期融液窒素濃度)×(1−g)k-1
この関係は引上炉の構造や引上速度などの条件によらずほぼ一定に保たれているため、結晶中の窒素濃度制御は初期融液の窒素濃度によってほぼ一義的に制御が可能である。
【0031】
なお、CZ法によるシリコン単結晶の製造では、ルツボとして石英を使用する。結晶引上げ中にこの石英ルツボはシリコン融液に少しずつ溶解するために、シリコン融液中には酸素が存在する。この石英坩堝から溶け出た酸素はシリコン融液の流動および拡散によって移動し、大部分は融液表面からSiOガスとなって蒸発する。しかし一部は結晶に取り込まれる。高温で取り込まれた酸素は結晶が冷える過程で過飽和になり、凝集を起こして結晶冷却中に微小な酸素クラスターを形成する。これが析出核となって、ウエハにした後のデバイス熱処理でSiOxとして析出し、酸素析出物となる。
【0032】
できあがった結晶からエピタキシャルウエハ用の基板となるサブストレートを作り出すが、通常シリコン単結晶をワイヤーソーあるいは内周歯スライサーを用いてスライスし、面取り、エッチング、鏡面研磨の行程を経てサブストレートが作られる。なお、酸素析出促進もしくは欠陥消滅を目的とした余分な熱処理工程を加える場合は通常この後に熱処理行程が入る。しかし、本明細書で述べている窒素添加サブストレートの場合はそのような工程は不要であり、通常ウエハと同じ工程で作ればよい。
【0033】
このようにして出来上がったサブストレートの表面にエピタキシャル層を堆積するエピタキシャル成長(エピ堆積)工程は気相成長装置で行う。通常気相成長前に、水素ガス雰囲気中内で所定の温度域(一般には900〜1200℃の範囲内)まで昇温し、引き続き塩化水素を含むガス等によるエッチングを数分行い、表面コンタミネーション除去及びウエハ表面の活性化を行った後、シラン系ガスを用いてウエハ表面にエピタキシャル薄膜を成長させる。エピ膜厚については、特に規定しないが、一般的に膜厚の制御性から0.5μm以上が望ましい。0.5μm未満のエピ膜厚では、面内の膜厚均一性を達成するのが困難になる。また、スループットから20μm以下が望ましい。20μm超のエピ膜厚では、エピ堆積工程が30分以上となるため、生産性が落ちて実用的ではない。現状の市販の装置では一枚ごとの処理になるため、工程時間をなるべく短くするため、加熱にランプ加熱を用いて、昇降温に要する時間を数分程度に抑えている。窒素添加をしていない通常のサブストレートの場合、結晶育成中に形成された酸素析出核はこのエピ堆積工程の急速昇温中に消滅してしまうため、エピ堆積後のエピタキシャルウエハはデバイス熱処理を経ても酸素析出が起こらなくなる。窒素添加サブストレートに形成された酸素析出核は窒素の効果によって熱的に安定となっており、このエピ堆積工程の急速昇温中にも消滅することがない。なお、酸素析出促進もしくは欠陥消滅を目的とした余分な熱処理工程をこのエピ堆積工程中で行う場合もある。その時は、塩化水素を含むガス等によるエッチングの前後で、所定の温度・時間で熱処理を行い、引き続きシラン系ガスを用いてウエハ表面にエピタキシャル薄膜を成長させる工程に入る。しかし、そのように余分な工程を加えるとエピ堆積工程全体の時間が長くなるため、生産性が低下し、製造コストアップにつながる。しかし、本特許で述べている窒素添加サブストレートの場合はそのような工程は不要であり、通常ウエハと同じエピ堆積条件を用いればよい。
【0034】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例の記載によって制限されるものではない。
【0035】
(実施例1)
本実施例に用いられるシリコン単結晶製造装置は、通常のCZ法によるシリコン単結晶製造に用いられるものであれば、特に制限されるものではない。この装置を利用して育成されたシリコン単結晶は、伝導型:p型(ボロンドープ)、結晶径:8インチ(200mm)、抵抗率:5〜20Ωcmである。
【0036】
引上時のV/Gを求めるに際して、軸方向温度勾配Gを結晶面内三点(中心、1/2半径、エッジ10mm)で測定し、引上速度VからV/Gを計算して、最小となる値を代表値とした。一般に結晶外周側はGが大きくなるため、V/G代表値は結晶外周部の値になる。
【0037】
窒素添加は、シリコン融液中に窒化膜付きウエハを投入することによって行った。この単結晶の同一部位からウエハを複数枚切り出し、ミラー加工して作成したサブストレートに、エピタキシャル法によりエピ層を堆積して、エピタキシャルウエハを作成した。エピ層の抵抗率は5〜20Ωcmとした。
【0038】
窒素濃度は、エピ層堆積後のエピタキシャルウエハからサンプルを採取し、表面のエピ層を除去するために20μmのポリッシュを行った後、二次イオン質量分析装置(SIMS)を用いて測定した。
【0039】
エピ層のN−SFは、以下の手順で評価した。先ず、エピタキシャルウエハをそのまま、Tencor社製表面異物計SP1を用い、測定条件として0.11μm以上の異物を評価するモードにて、異物の個数と分布を調査した。その後、エピタキシャルウエハをSC1洗浄にかけて異物を除去し、再び表面異物計にて異物を測定し、洗浄前後で残っている異物をN−SFと判定して、ウエハ面内の個数をカウントした。N−SF個数とウエハ面積からN−SF面積密度を算出した。
【0040】
エピ層のE−pitは以下の手順で評価した。評価は、ライトエッチ液にてエピ層厚み分をエッチングし、1μm以上のサイズを持つ菱形もしくは流線型状のピットの個数を、光学顕微鏡観察にてカウントした。観察したE−pitの個数を観察領域の総面積で割ってE−pitの面積密度を求めた。
【0041】
エピ堆積後のエピタキシャルウエハのエピ層転写OSF評価は、下記の方法で行った。まず、エピタキシャルウエハを1100℃、1時間、水蒸気含有酸素雰囲気中で酸化処理した。その後、フッ酸で酸化膜を除去した後、ライトエッチ液にてエピ層厚み分をエッチングし、表面に発生した楕円状、半月状あるいは棒状のOSFピットを光学顕微鏡で観察した。エピ層転写OSF面積密度[個/cm2]は、光学顕微鏡にてウエハ直径方向を複数回走査してOSFピット個数をカウントし、OSFピット個数÷観察総面積で求めた。
【0042】
エピ堆積後のエピタキシャルウエハの酸素析出特性評価は、下記の方法で行った。まず、エピ後のウエハに800℃4hrと1000℃16hrの二段析出熱処理を施した後に、ウエハを劈開して、三井金属製BMDアナライザーMO−4にて、内部の酸素析出物密度を測定した。
【0043】
評価結果を、比較例も含めて、表1に示す。
【0044】
【表1】
Figure 0004615785
【0045】
結晶引上炉における熱遮蔽板とシリコン融液表面の間隔Lを20mmから30mmに広げたものに関しては、V/Gが0.12と高くなり、基板窒素濃度が、1×1014atoms/cm3以上、2×1015atoms/cm3以下の窒素濃度範囲で、エピ堆積後のエピタキシャルウエハのN−SFが0.05個/cm2以下、E−pitが0.05個/cm2以下、エピ層転写OSF密度が0.05個/cm2以下になった。また、二段析出熱処理後の析出物密度は2x108/cm3以上であり、析出能力にも優れていた。
【0046】
基板窒素濃度が1×1014atoms/cm3未満のものは、熱処理後の析出物密度が2x108/cm3未満であり、実施例に比べて劣った。
【0047】
基板窒素濃度が2×1015atoms/cm3超のものは、エピ堆積後のN−SF、E−pit、エピ層転写OSF少なくともいずれか一つが0.05個/cm2超となり、実施例に比べて劣った。
【0048】
【発明の効果】
本発明のシリコンエピタキシャルウエハは、エピ層欠陥や酸化熱処理後に発生するOSFが少なく、デバイス特性に優れたものであり、高集積度の高い信頼性を要求されるMOSデバイス用ウエハを製造するのに最適なエピタキシャルウエハである。また、本発明の製造方法によれば、従来のCZ法によるシリコン単結晶製造装置をそのまま使うことができ、複雑な製造プロセスを経ることがないため、大幅なコストアップをすることなく、高品質のシリコンエピタキシャルウエハを安定して供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 窒素濃度・V/Gに対する欠陥領域を示した図
【図2】 サブストレートの欠陥領域とエピ層に発生する窒素添加起因の結晶欠陥の発生状況との関係を示す図
【図3】 N−SFの構造を表す模式図
【図4】 E−pitの構造を表す模式図
【図5】 エピ層転写OSFの構造を示す模式図
【図6】 窒素添加結晶の欠陥領域が形成される機構を説明した図
【図7】 窒素添加結晶の欠陥領域とエピ層欠陥面内分布の関係を示す図
【図8】 本明細書に記載された方法で製造した窒素添加結晶の窒素濃度と
V/G範囲を示す図
【図9】 シリコン単結晶引上炉を示す概略図
【符号の説明】
1…CZ法シリコン単結晶引上炉
2…ワイヤ巻き上げ機
3…断熱材
4…加熱ヒーター
5…回転治具
6…坩堝
6a…石英坩堝
6b…黒鉛坩堝
7…ワイヤ
8…種結晶
9…チャック
10…ガス導入口
11…ガス排出口
12…熱遮蔽板
S…シリコン単結晶
M…シリコン融液
L…熱遮蔽板とシリコン融液表面との間隔

Claims (2)

  1. チョクラルスキー法により製造された、窒素濃度1×1014atoms/cm以上2×1015atoms/cm以下(但し、1×10 14 atoms/cm を除く。)、かつ、引上速度をV[mm/min]、融点〜1350℃までの結晶成長軸方向の平均温度勾配をG[℃/mm]とした時にウエハ全面にわたって、0.35≧V/G[mm/℃min]≧0.12である条件で作成した結晶径200mm以上のシリコン単結晶から切り出したサブストレートであって、前記サブストレートの表面に、エピタキシャル法によりシリコン単結晶層を堆積してなることを特徴とするエピタキシャルウエハの製造方法。
  2. 請求項1記載の製造方法にて製造したエピタキシャルウエハであって、ウエハ全面にわたってエピ層欠陥としてN−SFが0.05個/cm2以下、かつE−pitが0.05個/cm2、かつエピ層転写OSFが0.05個/cm2以下であることを特徴とするエピタキシャルウエハ。
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