JPH11105832A - 液体包装用充填機チャンバーの無菌陽圧保持方法及び装置 - Google Patents

液体包装用充填機チャンバーの無菌陽圧保持方法及び装置

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JPH11105832A
JPH11105832A JP9269027A JP26902797A JPH11105832A JP H11105832 A JPH11105832 A JP H11105832A JP 9269027 A JP9269027 A JP 9269027A JP 26902797 A JP26902797 A JP 26902797A JP H11105832 A JPH11105832 A JP H11105832A
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Yasuaki Matsumoto
泰明 松本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】液体包装用充填機におけるチャンバーの無菌状
態及び陽圧状態を保持する方法及び装置であって無菌処
理用フィルター手段のフィルターに過酸化水素水の噴霧
による滅菌洗浄処理に強い材質を用いてフィルターの滅
菌処理に対する耐性を高めてフィルターの交換サイクル
を延ばし、終夜運転による電力や動力の無駄な消費の発
生を回避することにある。 【解決手段】テトラフルオロエチレン系フィルムにエア
透過孔を穿設したメンブレン型フィルター手段4に圧送
エアを通過させ無菌処理されたエアをチャンバー内に圧
送し、フィルター滅菌手段の滅菌処理動作時にはブロア
手段2から供給される圧送エアを加熱して、その加熱さ
れた圧送エアによりフィルター手段を加熱昇温させた後
に所定のシーケンスにて過酸化水素水を噴霧して滅菌処
理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、四角筒状若しくは
円筒状の紙製液体包装容器に液体内容物を充填密封包装
する液体包装用充填機におけるチャンバーの無菌陽圧保
持方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に液体包装用充填機は、図5(a)
の側面図及び図5(b)の平面図に示すように、容器成
形部40と、該容器成形部40と接続して設けられた陽
圧状態の無菌チャンバー50とからなり、無菌チャンバ
ー50の下部にはキャリア51が一定間隔で取り付けて
あるチェーン52からなる搬送機構53、および前記チ
ェーン52に沿ってガイド54が設けられている。
【0003】前記成形部40は、折り畳まれた偏平形状
の四角筒体1を多数枚集積して前方に1枚ずつフィード
するカートンマガジン部41と、四角筒体1を偏平形状
から立体形状の四角筒体1に立ち起こす立ち起こし部4
2と、立ち起こした四角筒体1を装填支持して容器底部
をシール成形して角筒容器Cを成形するマンドレルアー
ム45を回転中心部44に放射状に有して回転するマン
ドレル部43を備えている。
【0004】無菌チャンバー50には搬入部61から搬
入された容器Cの外部を殺菌する外部殺菌部55と、容
器C内部を殺菌する内部殺菌部56と、容器C内部の殺
菌液を乾燥すると共に加熱殺菌する乾燥部57と、ジュ
ース、牛乳、酒等の内容物を容器Cに頂部開口部より充
填する充填部58と、容器Cの頂部開口部を加熱する加
熱部59と、この加熱した開口部を圧着して密封する密
封部60と、充填密封容器Cを搬出する搬出部62から
なっている。そして無菌チャンバー50内には無菌エア
圧送管63より無菌エアが圧送されて、該チャンバー5
0内は無菌状態及び陽圧状態となっている。
【0005】前記無菌チャンバー50内に圧送される上
記の無菌エアは、無菌陽圧保持装置のブロア手段によっ
てエアを圧送し、無菌処理用のフィルター手段によって
無菌状態にすることによって得られる。
【0006】従来の無菌陽圧保持装置は、図6に示すよ
うにハウジング31内にブロア手段32と無菌処理用フ
ィルター(HEPAフィルター、ULPAフィルター)
を取り付けたフィルター手段34を備え、前記ブロア手
段32側にはエア(外気)を取り込む取り込み口32a
とエア通過させて清浄化する塵除去フィルター32bと
を備え、前記フィルター手段34側には無菌圧送エアを
送流する送流管63を備えている。
【0007】また、前記ブロア手段32とフィルター手
段34との間には、蒸気エロフィン若しくは電熱ヒータ
ーによるフィルター加熱手段35を備え、また、前記フ
ィルター手段34とフィルター加熱手段35との間には
ブロア手段32によって圧送されるエアの温度を測定す
る温度センサー33を備え、該フィルター加熱手段35
には蒸気供給管36と蒸気排出管37を備え、蒸気供給
管36には蒸気供給バルブ36a、蒸気プレッシャゲー
ジPGを備えており、前記蒸気供給バルブ36aは温度
センサー33からの温度検出信号に基づいて制御動作さ
れ、蒸気排出管37には蒸気バルブ37a、37bと、
蒸気トラップ38と、前記蒸気バルブ37a、37b間
に備えたバイパス管に蒸気バルブ37cを備えている。
【0008】前記フィルター手段34側にはフィルター
及びフィルター手段34本体を滅菌処理するための殺菌
液(過酸化水素水)を噴霧する噴霧ノズル26を備え、
この噴霧ノズル26は、殺菌液供給管22と、噴霧エア
供給管23と、噴霧ノズル26内のニードルバルブの開
閉動作のための噴霧駆動用エア供給管24とに接続さ
れ、また、前記殺菌液供給管22と噴霧エア供給管23
は殺菌液タンク21(加圧タンク)に接続され、噴霧エ
ア供給管23には圧送エア供給管25が接続されてい
る。なお、22a、22bは殺菌液供給バルブ、22c
は殺菌液中の挟雑物を除去するラインストレーナ、供給
センサー、23a、23bは噴霧エア供給バルブ、24
aは駆動エア供給バルブ、25aは圧送エア供給バル
ブ、PGは圧送エアのプレッシャゲージである。
【0009】そして、前記ブロア手段32はエア取り込
み口32aよりエアを取り込み、塵除去フィルター32
bを通過させてブロア管32cよりフィルター手段34
方向に圧送し、途中、圧送されたエアはフィルター加熱
手段35によって加熱されてフィルター手段34の無菌
処理用フィルター繊維内を通過して無菌状態の圧送エア
となる。そして、この無菌状態の圧送エアは、送流管6
3を通って無菌チャンバー50内に送流されて無菌チャ
ンバー50内を無菌状態及び陽圧状態に保持する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、夜間など充
填包装作業の無い時間帯にブロア手段32など無菌陽圧
保持装置をはじめとして液体包装用充填機の稼働を停止
した場合は、充填機の無菌チャンバー50内への無菌エ
アの圧送が停止して、無菌チャンバー50内の陽圧が解
除されるため、無菌陽圧保持装置の無菌処理用フィルタ
ー手段34から充填機の無菌チャンバー50までの間の
空間は無菌状態を保持できなくなり、無菌処理用フィル
ター手段34の送流管63側(フィルタ二次側)は外部
エアと接触することになる。
【0011】そのため、充填包装の再稼働では、外部エ
アと接触した無菌処理用フィルター手段34の滅菌処理
をするために適時に噴霧ノズル26より過酸化水素水
(H22 )を無菌処理用フィルター手段34に対して
噴霧しながらブロア手段32にてエアを圧送して滅菌洗
浄処理をしている。
【0012】ところが従来の無菌処理用フィルター手段
34に使用される無菌処理用フィルターは、ガラス繊維
など繊維系のフィルター(デプス型フィルター)である
ために水濡れに非常に弱く、フィルター表面に過酸化水
素水(H2 2 )を噴霧して滅菌処理した場合、フィル
ターの破損が進行し易くなり、フィルターの交換サイク
ルを縮める要因となっている。また、従来の前記フィル
ターはこのように破損し易いため、図6に示すように無
菌処理用フィルター手段34を二段や多段構えにする必
要があった。
【0013】また、夜間など充填包装作業の無い時間帯
にブロア手段32など無菌陽圧保持装置を連続運転させ
て液体包装用充填機の無菌チャンバー50内の無菌状
態、陽圧状態を保持しつつ無菌処理用フィルター手段3
4のフィルタ二次側の無菌状態を保持することは可能で
あるが、終夜連続運転による電力や動力の無駄な消費が
発生し、また、塵除去フィルター32や無菌処理用フィ
ルター手段34の終夜連続使用によるフィルター目詰ま
りの程度が激しくなるためフィルター交換回数の増大な
どが発生する。
【0014】本発明は、液体包装用充填機におけるチャ
ンバーの無菌状態及び陽圧状態を保持する方法及び装置
であって、無菌処理用フィルター手段のフィルターに過
酸化水素水の噴霧による滅菌洗浄処理に強い材質を用い
てフィルターの滅菌処理に対する耐性を高めることによ
り、フィルターの交換サイクルを延ばすとともに、終夜
連続運転による電力や動力の無駄な消費の発生を回避す
ることにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の発明は、
圧送エアを供給するブロア手段と該ブロア手段から供給
される圧送エアを通過させて無菌処理するフィルター手
段と殺菌液を噴霧して該フィルター手段本体を適時に滅
菌処理するフィルター滅菌手段とを備え、フィルター手
段にて無菌処理されたエアーをチャンバー内に圧送し、
該チャンバー内を無菌エア状態及び陽圧エア状態に保持
する液体包装用充填機チャンバーの無菌陽圧保持方法に
おいて、テトラフルオロエチレン系樹脂フィルムに多数
の微細なエア透過孔を穿設したメンブレン型フィルター
を用いたフィルター手段に圧送エアを通過させて無菌処
理されたエアをチャンバー内に圧送するとともに、滅菌
処理するフィルター滅菌手段の滅菌処理動作時には、ブ
ロア手段から供給される圧送エアをフィルター加熱手段
にて加熱し、その加熱された圧送エアによりフィルター
手段を加熱昇温した後に、殺菌液を所定のインターバル
をおいて繰り返し噴霧して該フィルター手段本体を滅菌
処理することを特徴とする液体包装用充填機チャンバー
の無菌陽圧保持方法である。
【0016】また本発明は、上記第1の発明方法におい
て、前記ブロア手段から供給される圧送エアを蒸気エロ
フィンにて加熱する液体包装用充填機チャンバーの無菌
陽圧保持方法である。
【0017】また本発明は、上記第1の発明方法におい
て、前記加熱された圧送エアによるフィルター手段の加
熱昇温の温度は常温以上であって30〜100℃である
液体包装用充填機チャンバーの無菌陽圧保持方法であ
る。
【0018】次に、本発明の第2の発明は、圧送エアを
供給するブロア手段と該ブロア手段から供給される圧送
エアを通過させて無菌処理するフィルター手段とを備
え、無菌処理されたエアーをチャンバー内に圧送し、該
チャンバー内を無菌エア状態及び陽圧エア状態に保持す
る液体包装用充填機チャンバーの無菌陽圧保持装置にお
いて、テトラフルオロエチレン系樹脂フィルムに多数の
微細なエア透過孔を穿設したメンブレン型フィルターを
用いたフィルター手段と、該フィルター手段を加熱する
フィルター加熱手段と、殺菌液を噴霧して該フィルター
手段を滅菌処理するフィルター滅菌処理手段とを備え、
該フィルター手段を滅菌処理する際に前記フィルター加
熱手段を所定時間動作させ且つその後に前記フィルター
滅菌処理手段を所定インターバルにて所定時間繰り返し
動作させるフィルター滅菌処理制御手段を備えることを
特徴とする液体包装用充填機チャンバーの無菌陽圧保持
装置である。
【0019】また本発明は、上記第2の発明装置におい
て、前記フィルター加熱手段が、蒸気エロフィンである
液体包装用充填機チャンバーの無菌陽圧保持装置であ
る。
【0020】また本発明は、上記第2の発明装置におい
て、前記フィルター加熱手段が、電熱ヒーターである液
体包装用充填機チャンバーの無菌陽圧保持装置である。
【0021】また本発明は、上記第2の発明装置におい
て、前記フィルター手段の昇温温度は常温以上であって
30〜100℃である液体包装用充填機チャンバーの無
菌陽圧保持装置である。
【0022】
【発明の実施の形態】上記第1の発明方法を上記第2の
発明装置とともに、図1の本発明装置ブロック図に従っ
て以下に詳細に説明する。図1に示すように、本発明装
置は、ハウジング1内に、ブロア手段2と、無菌処理用
フィルター(HEPAフィルター、ULPAフィルタ
ー)を取り付けたフィルター手段4とを備え、前記ブロ
ア手段2側には外部エア(外気)を取り込む取り込み口
2aと取り込む外部エアの塵などを除去する塵除去フィ
ルター2bとを備え、前記フィルター手段4側には無菌
圧送エアを送流する送流管63を備えている。
【0023】また、前記ブロア手段2とフィルター手段
4との間にはブロア手段2によって圧送されるエアの温
度を測定する温度センサー3を備え、温度センサー3の
温度検出信号に基づいて加熱手段2bを制御動作するこ
とにより、ブロア手段32による圧送エアの温度が常温
若しくは30℃以下の一定温度になるように制御してい
る。
【0024】前記フィルター手段4のフィルターには、
テトラフルオロエチレン系樹脂フィルムに多数の微細な
エア透過孔(直径0.1〜2μm、好ましくは0.1〜
0.5μm、さらに好ましくは0.1〜0.2μm)を
穿設した耐水性のあるメンブレン型フィルターが用いら
れている。
【0025】また、前記ブロア手段2とフィルター手段
4との間には、蒸気エロフィン若しくは電熱ヒーターに
よるフィルター加熱手段5を備えている。
【0026】例えば図1に示すフィルター加熱手段5は
蒸気エロフィンであって、蒸気供給管6と蒸気排出管7
を備え、蒸気供給管6には蒸気供給バルブ6a、蒸気プ
レッシャゲージPGを備えており、前記蒸気供給バルブ
6aは温度センサー3からの温度検出信号に基づいて制
御動作され、蒸気排出管7には蒸気バルブ7a、7b
と、蒸気トラップ8と、前記蒸気バルブ7a、7b間に
備えたバイパス管に蒸気バルブ7cを備えている。
【0027】前記フィルター手段4側にはフィルター及
びフィルター手段4本体を滅菌処理するための殺菌液
(過酸化水素水)を噴霧する噴霧ノズル26を備え、こ
の噴霧ノズル26は、殺菌液供給管22と、噴霧エア供
給管23と、フィルター手段4に対する殺菌液の均一な
噴霧のために噴霧ノズル26内のニードルバルブを開閉
動作するための噴霧駆動用エア供給管24とに接続され
ている。
【0028】また、前記殺菌液供給管22と噴霧エア供
給管23は殺菌液タンク21(加圧タンク)に接続さ
れ、噴霧エア供給管23には圧送エア供給管25が接続
されている。なお22a、22bは殺菌液供給バルブ、
22cは殺菌液中の挟雑物を除去するラインストレー
ナ、23a、23bは噴霧エア供給バルブ、24aは駆
動エア供給バルブ、25aは圧送エア供給バルブ、PG
は圧送エアのプレッシャゲージである。
【0029】そして、前記ブロア手段2はエア取り込み
口2aより外気を塵除去フィルター2bを通過させて取
り込み、ブロア管2cよりフィルター手段4に圧送す
る。
【0030】フィルター手段4では圧送されたエアがテ
トラフルオロエチレン系樹脂製の無菌処理用フィルター
に穿設された微細孔を通過して無菌状態の圧送エアとな
る。
【0031】そして、この無菌状態の圧送エアは送流管
63を通って無菌チャンバー50内に送流されて無菌チ
ャンバー50内を無菌状態及び陽圧状態に保持する。
【0032】上記第1の発明装置の動作を以下に詳細に
説明する。なお、第1の発明装置の動作はこれに限定さ
れるものではない。
【0033】図2は装置のフィルター滅菌処理制御手段
による動作シーケンスの一例を説明するタイミングチャ
ートであり、この制御手段はマイクロプロセッサやプロ
グラマブルコントローラを搭載したコンピユータによる
制御手段であって、マイクロプロセッサやプログラマブ
ルコントローラにより所定のシーケンスに基づいて所定
のバルブ(電磁バルブ、パルスモーター駆動式バルブ)
を開放動作又は閉鎖動作させて制御するものであり、ま
ず、ブロア手段2を始動させてフィルター手段4に対し
てエアを圧送供給すると同時に蒸気用バルブ6a(電磁
バルブ)を時間t1 だけ開放動作する。温度検出センサ
ー3は、その圧送エアの温度を検出してその検出信号に
基づいて蒸気用バルブ6a(電磁バルブ)の開放量を適
宜に制御調整して、圧送エアが予め設定された所定温度
になるように調整される。なお、ブロア手段2の始動後
しばらくしてから蒸気用バルブ6a(電磁バルブ)を時
間t1 だけ開放動作するようにしてもよい。
【0034】蒸気用バルブ6a(電磁バルブ)の開放に
より、蒸気供給源Sから蒸気エロフィン5(加熱手段)
に対して高温蒸気が時間t1 だけ供給されて、蒸気エロ
フィン5はその蒸気により加熱され、そこを通過する圧
送エアを加熱する。
【0035】そして、加熱された圧送エアはテトラフル
オロエチレン系樹脂製のフィルターを装着したフィルタ
ー手段4を通過して加熱し、フィルター手段4を常温以
上の温度(例えば30〜90℃程度)に昇温する。この
時間t1 経過後には、蒸気用バルブ6aの閉鎖動作とと
もにブロア手段2はブロア動作を一旦停止する。
【0036】続いて、駆動エア用バルブ24aと噴霧エ
ア用バルブ23bと殺菌液用バルブ22b(それぞれ電
磁バルブ)は同時に開放動作して、噴霧ノズル26内の
ニードルバルブを開閉動作させるとともに、フィルター
手段4に向かって殺菌液(過酸化水素水)の噴霧動作を
開始する。
【0037】そして、そのうち駆動エア用バルブ24a
と殺菌液用バルブ22bとは時間t 21だけ噴霧ノズル2
6の揺動及び噴霧動作を継続した後に時間t22だけ閉鎖
動作により噴霧ノズル26の揺動及び噴霧動作を停止
し、続いてブロア手段2は再度始動してブロア動作を継
続するとともに、前記駆動エア用バルブ24aと殺菌液
用バルブ22bとは再び時間t23だけ開放動作して揺動
及び噴霧動作を継続した後に時間t24だけ閉鎖動作して
揺動及び噴霧動作を停止し、再び時間t25だけ開放動作
して揺動及び噴霧動作を継続した後に時間t26だけ閉鎖
動作して揺動及び噴霧動作を停止し、続いて再び時間t
27だけ開放動作して揺動及び噴霧動作を継続した後に時
間t28だけ閉鎖動作して揺動及び噴霧動作を停止する。
この時間t 21〜t28、即ち時間t2 の間、前記噴霧エア
用バルブ23bは開放動作を継続する。
【0038】続いて、蒸気用バルブ6aが時間t3 だけ
再び開放動作して、蒸気供給源Sから蒸気エロフィン5
に対して高温蒸気が時間t3 だけ供給されて、蒸気エロ
フィン5はその蒸気により加熱されて圧送エアを加熱す
るとともに、加熱された圧送エアはフィルター手段4を
通過する際に該フィルター手段4に付着している殺菌液
を乾燥させる。
【0039】前記動作継続中のブロア手段2は、殺菌液
の乾燥処理時間t3 経過後もブロア動作を継続して圧送
エアをフィルター手段4に送り込み、該フィルター手段
4を通過して無菌状態となった圧送エアは送流管63を
通って無菌チャンバー50内に圧送され、該無菌チャン
バー50内を無菌状態及び陽圧状態にして、充填包装作
業の開始に備えるものであり、殺菌液乾燥後から充填包
装作業終了までの時間tK の間、継続動作させる。
【0040】なお、前記駆動エア用バルブ24aと殺菌
液用バルブ22bの繰り返しによる開放及び閉鎖動作
は、噴霧ノズル26の先端部に残留付着する殺菌液をパ
ージするために行うものである。
【0041】図3は、装置の動作シーケンスの他の例を
説明するタイミングチャートであって、上記図2に示し
た動作シーケンスにおける蒸気用バルブ6aの開放、閉
鎖動作のタイミングを変更した場合の例であり、蒸気用
バルブ6aをフィルター手段4の昇温から殺菌液乾燥ま
での間、継続して開放動作させた場合の例である。
【0042】
【実施例】上記装置の動作シーケンスにおける具体的実
施例を図4に従って以下に説明する。
【0043】<実施例> t1 =30分 t2 = 3分 t21=t23=t25=t27=30秒 t22=t24=t26=t28=15秒 t3 =15分 tk =充填包装作業継続時間
【0044】
【発明の効果】本発明の液体包装用充填機チャンバーの
無菌陽圧保持方法及び装置は、液体包装用充填機におけ
るチャンバーの無菌状態及び陽圧状態を保持する方法及
び装置であって、無菌処理用フィルター手段のフィルタ
ーに過酸化水素水の噴霧による水濡れに強い材質を用い
てフィルターの滅菌処理に対する耐性を高めることによ
りフィルターの交換サイクルを延ばすことができる効果
があり、また水濡れに強い材質を用いているために、常
に充填包装作業に入る前の必要な時にフィルターに対し
て殺菌液を噴霧して滅菌処理でき、夜間など充填包装作
業の無い時間帯にブロア手段など無菌陽圧保持装置を連
続運転させて、次の充填包装作業に入るまでの間、液体
包装用充填機の無菌チャンバー内の無菌状態、陽圧状態
を保持しつつ無菌処理用フィルター手段のフィルタ二次
側の無菌状態を保持する必要がなくなるため、従来のよ
うな終夜連続運転による電力や動力の無駄な消費を削減
できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の概要側面図である。
【図2】本発明装置及び方法の動作シーケンスの一例を
説明するタイミングチャートである。
【図3】本発明装置及び方法の動作シーケンスの他の例
を説明するタイミングチャートである。
【図4】本発明装置及び方法の動作シーケンスの具体的
実施例を説明するタイミングチャートである。
【図5】(a)は一般的な液体包装用充填機及び無菌チ
ャンバーの概要側面図、(b)はその平面図である。
【図6】従来の装置の概要側面図である。
【符号の説明】
1…ハウジング 2…ブロア手段 3…温度検出センサ
ー 4…無菌処理用フィルター手段 5…蒸気エロフィン
6…蒸気供給管 7…蒸気排出管 21…殺菌液タンク 22…殺菌液供給管 23…噴霧
エア供給管 24…駆動エア供給管 25…噴霧エア圧送管 26…
噴霧ノズル 63…無菌圧送エア送流管

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧送エアを供給するブロア手段と該ブロア
    手段から供給される圧送エアを通過させて無菌処理する
    フィルター手段と殺菌液を噴霧して該フィルター手段本
    体を適時に滅菌処理するフィルター滅菌手段とを備え、
    フィルター手段にて無菌処理されたエアーをチャンバー
    内に圧送し、該チャンバー内を無菌エア状態及び陽圧エ
    ア状態に保持する液体包装用充填機チャンバーの無菌陽
    圧保持方法において、テトラフルオロエチレン系樹脂フ
    ィルムに多数の微細なエア透過孔を穿設したメンブレン
    型フィルターを用いたフィルター手段に圧送エアを通過
    させて無菌処理されたエアをチャンバー内に圧送すると
    ともに、滅菌処理するフィルター滅菌手段の滅菌処理動
    作時には、ブロア手段から供給される圧送エアをフィル
    ター加熱手段にて加熱し、その加熱された圧送エアによ
    りフィルター手段を加熱昇温した後に、殺菌液を所定の
    インターバルをおいて繰り返し噴霧して該フィルター手
    段本体を滅菌処理することを特徴とする液体包装用充填
    機チャンバーの無菌陽圧保持方法。
  2. 【請求項2】前記ブロア手段から供給される圧送エアを
    蒸気エロフィンにて加熱する請求項1記載の液体包装用
    充填機チャンバーの無菌陽圧保持方法。
  3. 【請求項3】前記加熱された圧送エアによるフィルター
    手段の加熱昇温の温度は常温以上であって30〜100
    ℃である請求項1又は請求項2記載の液体包装用充填機
    チャンバーの無菌陽圧保持方法。
  4. 【請求項4】圧送エアを供給するブロア手段と該ブロア
    手段から供給される圧送エアを通過させて無菌処理する
    フィルター手段とを備え、無菌処理されたエアーをチャ
    ンバー内に圧送し、該チャンバー内を無菌エア状態及び
    陽圧エア状態に保持する液体包装用充填機チャンバーの
    無菌陽圧保持装置において、テトラフルオロエチレン系
    樹脂フィルムに多数の微細なエア透過孔を穿設したメン
    ブレン型フィルターを用いたフィルター手段と、該フィ
    ルター手段を加熱するフィルター加熱手段と、殺菌液を
    噴霧して該フィルター手段を滅菌処理するフィルター滅
    菌処理手段とを備え、該フィルター手段を滅菌処理する
    際に前記フィルター加熱手段を所定時間動作させ且つそ
    の後に前記フィルター滅菌処理手段を所定インターバル
    にて所定時間繰り返し動作させるフィルター滅菌処理制
    御手段を備えることを特徴とする液体包装用充填機チャ
    ンバーの無菌陽圧保持装置。
  5. 【請求項5】前記フィルター加熱手段が、蒸気エロフィ
    ンである請求項4記載の液体包装用充填機チャンバーの
    無菌陽圧保持装置。
  6. 【請求項6】前記フィルター加熱手段が、電熱ヒーター
    である請求項4記載の液体包装用充填機チャンバーの無
    菌陽圧保持装置。
  7. 【請求項7】前記フィルター手段の昇温温度は常温以上
    であって30〜100℃である請求項4乃至請求項6記
    載の液体包装用充填機チャンバーの無菌陽圧保持装置。
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