JPH08299926A - 超音波洗浄装置 - Google Patents

超音波洗浄装置

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JPH08299926A
JPH08299926A JP12950695A JP12950695A JPH08299926A JP H08299926 A JPH08299926 A JP H08299926A JP 12950695 A JP12950695 A JP 12950695A JP 12950695 A JP12950695 A JP 12950695A JP H08299926 A JPH08299926 A JP H08299926A
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JP
Japan
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cleaning liquid
tank
cleaning
rinse water
pipe
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JP12950695A
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Inventor
Masahiko Yano
正彦 矢野
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Suzuki Motor Corp
Original Assignee
Suzuki Motor Corp
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B08CLEANING
    • B08BCLEANING IN GENERAL; PREVENTION OF FOULING IN GENERAL
    • B08B3/00Cleaning by methods involving the use or presence of liquid or steam
    • B08B3/04Cleaning involving contact with liquid
    • B08B3/10Cleaning involving contact with liquid with additional treatment of the liquid or of the object being cleaned, e.g. by heat, by electricity or by vibration
    • B08B3/12Cleaning involving contact with liquid with additional treatment of the liquid or of the object being cleaned, e.g. by heat, by electricity or by vibration by sonic or ultrasonic vibrations
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B08CLEANING
    • B08BCLEANING IN GENERAL; PREVENTION OF FOULING IN GENERAL
    • B08B3/00Cleaning by methods involving the use or presence of liquid or steam
    • B08B3/04Cleaning involving contact with liquid
    • B08B3/06Cleaning involving contact with liquid using perforated drums in which the article or material is placed

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  • Cleaning By Liquid Or Steam (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】洗浄液およびすすぎ水を洗浄槽から残留するこ
と無く排出する。 【構成】洗浄槽10と、この洗浄槽10に超音波振動を
伝達する超音波振動子25と、洗浄液を貯留する洗浄液
タンク31と、洗浄液タンク31と洗浄槽10との間に
配設した洗浄液連絡用配管34および洗浄液流動付勢手
段37と、すすぎ水を貯留するすすぎ水タンク41と、
すすぎ水タンク41と洗浄槽10との間に配設したすす
ぎ水連絡用配管44およびすすぎ水流動付勢手段47
と、洗浄槽10に連絡流路18を介して併設されると共
に,洗浄液連絡用配管34とすすぎ水連絡用配管34と
を開閉弁36,46を介して連結されたヘッダ領域17
とを有し、ヘッダ領域17の内底面17Aと連絡流路1
8の内底面18Aと洗浄液連絡用配管34の内底面34
Aとすすぎ水連絡用配管44の内底面44Aとを一様に
同じ高さに且つ水平に設定した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超音波洗浄装置に係
り、特に洗浄液及びすすぎ水の循環系を備える超音波洗
浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図5(A)に従来の構成を示す。この従
来の超音波洗浄装置100は、底面部の内底面110A
が水平な洗浄槽110と、この洗浄槽110の底面部に
下方から当接し超音波振動を発生する複数の超音波振動
子120と、予め洗浄液を所定量貯留する洗浄液タンク
131と、この洗浄液タンク131と洗浄槽110との
間で洗浄液を循環する洗浄液循環系130と、予めすす
ぎ水を所定量貯留するすすぎ水タンク141と、このす
すぎ水タンク141と洗浄槽110との間ですすぎ水を
循環するすすぎ水循環系140とを有している。
【0003】これらを詳述すると、まず洗浄槽110
は、その内部に洗浄液またはすすぎ水を満たすことが可
能な容器となっており、その形状は有底の筒状となって
いる。この洗浄槽110の内側底面である内底面110
Aは、平滑であり、この内底面110Aが水平方向とな
るように洗浄槽110この超音波洗浄装置100に組み
込まれている。
【0004】洗浄槽110の外部下方には、前述の内底
面110Aに対応する位置に当接して複数の超音波振動
子120が配設されている。洗浄を行う際には、これら
複数の超音波振動子120が超音波振動を発生し、これ
が洗浄槽110の内底面110Aに伝達され、さらにこ
の内底面110Aを介して洗浄槽内部の洗浄液に超音波
振動が伝達されて、洗浄が行われる。
【0005】洗浄液循環系130は、洗浄液連絡用配管
132と,この洗浄液連絡用配管132に沿った洗浄液
の流動を付勢する洗浄液流動付勢手段とからなり、この
洗浄液連絡用配管132は、洗浄液を貯留している洗浄
液タンク131と洗浄槽110との間に配設された洗浄
液給水用配管133および洗浄液排水用配管134から
構成されている。
【0006】洗浄液給水用配管133には、洗浄液流動
付勢手段として給水ポンプ137がこの配管の途中に設
けられている。また、洗浄液排水用配管134は、洗浄
液タンク131が洗浄槽110の下方に配置されてい
る。これにより、重力に従って洗浄槽110内部の洗浄
液は洗浄液タンク131へ帰還するため、洗浄液排水用
配管134の洗浄液流動付勢手段は不要となっている。
【0007】すすぎ水循環系140は、すすぎ水連絡用
配管142と,このすすぎ水連絡用配管142に沿った
すすぎ水の流動を付勢するすすぎ水流動付勢手段とから
なり、このすすぎ水連絡用配管142は、すすぎ水を貯
留しているすすぎ水タンク141と洗浄槽110との間
に配設されたすすぎ水給水用配管143およびすすぎ水
排水用配管144から構成されている。
【0008】すすぎ水給水用配管143には、すすぎ水
流動付勢手段として給水ポンプ147がこの配管の途中
に設けられている。また、すすぎ水排水用配管144
は、すすぎ水タンク141が洗浄槽110の下方に配置
されている。これにより、重力に従って洗浄槽110内
部のすすぎ水はすすぎ水タンク141へ帰還するため、
すすぎ水排水用配管144のすすぎ水流動付勢手段は不
要となっている。
【0009】上述した洗浄液給水用配管133,洗浄液
排水用配管134,すすぎ水給水用配管143,および
すすぎ水排水用配管144の各配管は皆、洗浄槽110
から水平方向に延びる連絡流路111を介して洗浄槽1
10と連結されている。図5(B)は、これらの各配管
と連絡流路111の連結状態を示す拡大説明図である。
【0010】図5(B)によれば、この連絡流路111
は、その内底面110Aが、洗浄槽110の内底面11
0Aと同じ高さとなるように配設されており、これによ
り、特に、洗浄槽110から洗浄液タンク131へ洗浄
液が流動する際に、この洗浄液が洗浄槽110の内底面
110Aに残留しない構造となっている。
【0011】そして、洗浄液給水用配管133とすすぎ
水給水用配管143とは、上方からこの連絡流路111
に連結され、洗浄液排水用配管134とすすぎ水排水用
配管144とは、下方から連絡流路111に連結されて
いる。
【0012】また、上述した洗浄液給水用配管133,
洗浄液排水用配管134,すすぎ水給水用配管143,
およびすすぎ水排水用配管144の各配管には、この連
絡流路111との連結部の近くにそれぞれ開閉弁として
の電磁弁135,136,145,146が設けられて
いる。これらの電磁弁135,136,145,146
は、この超音波洗浄装置100の一連の動作の際に、図
示しない制御部により、図示しない連絡手段を介して随
時信号が伝達されて開閉を行うようになっている。ま
た、同様にして前述の給水ポンプ137,147および
複数の振動子120の作動も、この制御部に制御され
る。
【0013】上述した超音波洗浄装置100は、洗浄の
際には、洗浄槽110内に被洗浄物が入れられ、給水ポ
ンプ137が作動して洗浄液タンク131内の洗浄液が
洗浄槽に給水される。このとき、各電磁弁は、電磁弁1
35を除き全てが閉鎖されている。
【0014】洗浄液が所定量洗浄槽110に給水した
後、給水ポンプ137は停止し、電磁弁は全て閉鎖され
る。そして、超音波振動子120により超音波振動を発
生させ、洗浄槽110の底面部110Aを介して洗浄液
に伝達され、振動状態となった洗浄液の運動により、被
洗浄物の汚れ等の付着物が除去される。
【0015】その後、電磁弁136が開放され、重力に
従い洗浄液は洗浄槽110から洗浄液タンク131に流
動する。
【0016】次に、電磁弁145を開放し、他の全ての
電磁弁を閉鎖状態として、給水ポンプ147が作動して
すすぎ水タンク141内のすすぎ水が洗浄槽110に給
水される。このすすぎ水の給水により、被洗浄物,洗浄
槽110,連絡流路111等の各部に残留した洗浄液が
すすがれ、その後、電磁弁145が閉鎖され、電磁弁1
46が開放される。
【0017】すすぎ水は、重力に従い洗浄槽110から
すすぎ水タンク141に流動して、一連の洗浄動作が終
了する。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】上述した超音波洗浄装
置100は、洗浄液およびすすぎ水を循環させて繰り返
し使用するために、洗浄液およびすすぎ水は、常に、そ
れぞれ高い純度を保持することが望ましい。上述の従来
例では、特に、洗浄槽110から洗浄液を排出した後
に、すすぎ水を給水する際に、洗浄槽110および連絡
流路111等の洗浄液とすすぎ水とが共有して使用する
領域に残留する洗浄液が、すすぎ水に混入されること
が、すすぎ水の純度の保持に大きく影響する。
【0019】しかしながら、上記従来例にあっては、洗
浄液が洗浄槽110から排出された場合、図5(B)に
示されるように、閉鎖された電磁弁146と連絡流路1
11との間の領域144Aに、洗浄液が残留してしまう
という不都合があった。電磁弁146を連絡用通路11
1に近接させて設けることにより、洗浄液の残留する量
を低減することは可能であるが、電磁弁の構造上,一定
の隔たりが生じることは不可避であり、これに伴い洗浄
液が残留することも不可避であった。
【0020】
【発明の目的】本発明は、係る従来例の有する不都合を
改善し、洗浄液およびすすぎ水を洗浄槽から排出した際
に、これらの残留量を低減し得る超音波洗浄装置を提供
することを、その目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明では、底面部の内
底面が水平な洗浄槽と、この洗浄槽の底面部に下方から
当接し超音波振動を発生する超音波振動子と、予め洗浄
液を所定量貯留する洗浄液タンクと、この洗浄液タンク
と洗浄槽との間で洗浄液を循環する洗浄液循環系と、予
めすすぎ水を所定量貯留するすすぎ水タンクと、このす
すぎ水タンクと洗浄槽との間ですすぎ水を循環するすす
ぎ水循環系とを有している。
【0022】上述の洗浄液循環系は、洗浄液連絡用配管
と,この洗浄液連絡用配管に沿った洗浄液の流動を付勢
する洗浄液流動付勢手段とから構成され、また上述のす
すぎ水循環系は、すすぎ水連絡用配管と,このすすぎ水
連絡用配管に沿ったすすぎ水の流動を付勢するすすぎ水
流動付勢手段とから構成される。
【0023】そして、洗浄槽に連絡流路を介して水平な
底面部の内底面を有するヘッダ領域を併設し、このヘッ
ダ領域の内底面と連絡流路の内底面とを一様に洗浄槽の
内底面と同じ高さに設定し、さらに、洗浄液連絡用配管
とすすぎ水連絡用配管とを,それぞれヘッダ領域の水平
方向から,開閉弁を介して連結させると共に、当該ヘッ
ダ領域の内底面と各配管内部の内底面の高さとが一様と
なるように設定するという構成を採っている。これによ
って前述した目的を達成しようとするものである。
【0024】
【作用】上記の構成により洗浄を行う際には、洗浄槽内
に被洗浄物が入れられ、洗浄液タンク内の洗浄液が、洗
浄液流動付勢手段により洗浄液連絡用配管に沿って流動
を付勢され、開閉弁,ヘッダ領域,連絡流路を介して洗
浄槽に給水される。このとき、洗浄液連絡用配管側の開
閉弁は開けられた状態にあり、またすすぎ水連絡用配管
側の開閉弁は閉じられている。
【0025】給水終了後、洗浄液連絡用配管側の開閉弁
を閉じ、洗浄槽の底面部に下方から当接する超音波振動
子により超音波振動を発生させる。この超音波振動は洗
浄槽の底面部を介して洗浄液に伝達され、振動状態とな
った洗浄液の運動により、被洗浄物の汚れ等の付着物が
除去される。
【0026】被洗浄物の付着物の除去が終了すると、洗
浄液連絡用配管側の開閉弁を開け、洗浄液流動付勢手段
により洗浄槽から洗浄液タンク方向に流動を付勢して洗
浄槽内の洗浄液を洗浄液連絡用配管を介して洗浄液タン
クに戻す。この時、洗浄液は、洗浄槽から、連絡流路,
ヘッダ領域,洗浄液連絡用配管を通過して洗浄液タンク
に戻されるが、洗浄槽の底面部−連絡流路間,連絡流路
−ヘッダ領域間,ヘッダ領域−洗浄液連絡用配管間の各
内底面にはそれぞれ段差がなく一様に水平であるため、
洗浄液は、表面張力等の影響により随所に付着した僅か
な量を除いて、洗浄液タンクに戻される。
【0027】次に、洗浄液連絡用配管側の開閉弁が閉じ
られ、すすぎ水連絡用配管側の開閉弁が開けられて、す
すぎ水タンクから洗浄槽内へ向かってすすぎ水流動付勢
手段により流動を付勢されて、すすぎ水連絡用配管,開
閉弁,ヘッダ領域,連絡流路を介して、すすぎ水が給水
される。
【0028】給水後、すすぎ水連絡用配管側の開閉弁を
閉じ、このすすぎ水により、洗浄の際に表面張力等の影
響により洗浄槽,被洗浄物等に残留した洗浄液を洗い流
す。そして、再びすすぎ水連絡用配管側の開閉弁を開け
て、すすぎ水流動付勢手段により洗浄槽からすすぎ水タ
ンク方向に流動を付勢して洗浄槽内のすすぎ水をすすぎ
水連絡用配管を介してすすぎ水タンクに戻す。この時、
すすぎ水は、洗浄槽から、連絡流路,ヘッダ領域,すす
ぎ水連絡用配管を通過してすすぎ水タンクに戻される
が、洗浄槽の底面部−連絡流路間,連絡流路−ヘッダ領
域間,ヘッダ領域−すすぎ水連絡用配管間の各内底面に
はそれぞれ段差がなく一様に水平であるため、すすぎ水
は、表面張力等の影響により随所に付着した僅かな量を
除いて、洗浄液タンクに戻される。
【0029】以上により、本発明の各部の動作が終了す
る。
【0030】
【実施例】本発明の一実施例を図1乃至図4に基づいて
説明する。図1(A)は、本実施例の全体構成を示す説
明図である。
【0031】本実施例は、底面部の内底面が水平な洗浄
槽10と、この洗浄槽10の底面部に下方から当接し超
音波振動を発生する超音波振動子25と、予め洗浄液を
所定量貯留する洗浄液タンク31と、この洗浄液タンク
31と洗浄槽10との間で洗浄液を循環する洗浄液循環
系30と、予めすすぎ水を所定量貯留するすすぎ水タン
ク41と、このすすぎ水タンク41と洗浄槽10との間
ですすぎ水を循環するすすぎ水循環系40とを有し、洗
浄槽10に連絡流路を介して所定の内部空間を有するヘ
ッダ領域17を併設している超音波洗浄装置1である。
【0032】さらに、この超音波洗浄装置1は、加熱空
気により被洗浄物を乾燥させる熱乾燥機構50と,洗浄
槽10内部を真空にして乾燥を図る真空乾燥機構70
と,洗浄槽10内部において一定の高さ以上給水された
洗浄液またはすすぎ水をそれぞれのタンクに返還する返
還系60とを洗浄槽10に併設すると共に、被洗浄物を
収納し回転させるバレル機構を洗浄槽10の内部に備え
ている。
【0033】上述した各部を詳述する。
【0034】本実施例の洗浄槽10は、後述する真空乾
燥機構70により内部を真空にする場合に備えて、その
構造は強固であり,また密閉可能となっている。即ち、
円筒状の洗浄槽本体11と、洗浄槽本体11の下方開口
端を塞ぐように固定装備された底面部と、洗浄槽本体1
1の上方開口端で開閉自在に設けられた蓋部13とから
構成される。
【0035】洗浄槽本体11は鋼材からなる円筒形状部
材であり、軸方向の断面が円形であることから、内部真
空時の外部圧力に対する耐久力に優れた構造となってい
る。また、この洗浄槽本体11の上方開口部に沿ってフ
ランジ11Aが装備されており、後述する蓋部13に装
備されたフランジ13Aとこのフランジ11Aは、ほぼ
同じ大きさで、蓋部13の閉鎖時に互いに対応するよう
に配置されている。
【0036】蓋部13は、上述の洗浄槽本体11の軸方
向の円形断面とほぼ同じ大きさの円形に形成されてお
り、この蓋部13の円形断面の軸方向の断面形状は、よ
り緩やかな半径の略円弧状に形成されている。洗浄槽本
体11との当接側には、前述したようにフランジ13A
が設けられており、蓋部13の閉鎖時には、このフラン
ジ13Aが、洗浄槽本体11のフランジ11Aと、パッ
キング11aを介挿して対向する。このパッキング11
aは、前述した洗浄槽本体11のフランジ11Aに予め
設けられた溝11bに担持されており、このパッキング
11aにより、洗浄槽本体11と蓋部13との間の密閉
性が保持されている。
【0037】また、この蓋部13は、図1(A)におけ
る右端部に回動支点16および回動アーム14,15を
介して、洗浄槽本体11と連結されており、一方の回動
アーム14の回動端は洗浄槽本体11に固定され、他方
の回動アーム15の回動端はこの蓋部13と連結されて
いる。これにより、蓋部13は、洗浄槽本体11に対し
て回動自在となっている。
【0038】洗浄槽本体11の下方は、底面板12が付
設され、この底面板12は、溶接,溶着,接着等の手段
により洗浄槽本体11に固定されており、これにより洗
浄槽本体11と底面板12との間の密閉性が保持されて
いる。この底面板12を洗浄槽本体11と固着すること
により、有底の容器が形成される。この容器の内側の底
面である内底面10Aは、平滑に形成され、且つこの内
底面10Aが水平状態となるように洗浄槽10は、超音
波洗浄装置1に付設されている。
【0039】上述の構成からなる洗浄槽10の外部下方
には、底面板12に当接して複数の超音波振動子25が
配設されている。本実施例では、四つの超音波振動子2
5が配設されているが、この個数に限定されず、より多
く付設しても良い。この超音波振動子25は、ボルト締
め振動子であり、発振回路26により発振周波数の電圧
の印可を受けると超音波振動を発生する。
【0040】洗浄槽10内部には、バレル機構20が配
設されている。このバレル機構20は、バレル本体21
と,支えアーム22と,図示しない回転駆動手段等を有
している。バレル本体21は、この内部に、被洗浄物を
収納可能とする正六角形の収納容器となっている。
【0041】このバレル本体21は、パッチングメタル
で構成されており、このパッチングメタルの表面上に形
成された直径6[mm]程の無数の穴は、後述する本実
施例の各動作を妨げない。すなわち、洗浄の際には、洗
浄液を介する超音波振動の伝達を妨げること無く、ま
た、すすぎ水の流通も容易になされ、さらに、熱乾燥の
際にも、熱風を容易に内部まで流通させる。
【0042】また、このバレル本体21の六角形形状の
中心位置には、回動支点23が設けられており(図1
(A)中に図示される面の反対側にもこの回動支点が設
けられているがここでは図示略)、この回動支点23に
は、図示しない回転駆動手段が伝達機構を介して係合し
ている。
【0043】支えアーム22は、洗浄槽10内部におい
て洗浄槽本体11の内壁に図示のように架設されている
(バレル本体21の回動支点と同様にしてバレル本体2
1の反対側にもう一つの支えアームが設けられている
が、図示は省略する)。この支えアーム22は、その中
心部分がU字状に曲折されており、このU字状の曲折部
分で上述のバレル本体21の回動支点を回動自在且つ着
脱自在に担持する。
【0044】上述のように、バレル機構20は構成され
るが、バレル本体21の形状については、正六角形では
なく円形,または他の正多角形でも良い。
【0045】洗浄槽10は、前述したように、その内部
において、被洗浄物の洗浄,すすぎ,乾燥等の各動作が
行われる。これらの各動作の内、洗浄とすすぎについて
は、この洗浄槽10内部に、それぞれ洗浄液とすすぎ水
が給水されて行われる。従って、この超音波洗浄装置1
には、洗浄液およびすすぎ水の給・排水を行うための洗
浄液循環系30およびすすぎ水循環系40と、洗浄液お
よびすすぎ水の供給源となる洗浄液タンク31およびす
すぎ水タンク41とが設けられている。
【0046】この内、洗浄液循環系30は、洗浄液連絡
用配管32と,この洗浄液連絡用配管32に沿った洗浄
液の流動を付勢する洗浄液流動付勢手段とからなり、こ
の洗浄液連絡用配管32は、洗浄液を貯留している洗浄
液タンク31と洗浄槽10との間に配設された洗浄液給
水用配管33および洗浄液排水用配管34から構成され
ている。
【0047】洗浄液給水用配管33には、洗浄液流動付
勢手段として給水ポンプ37がこの配管の途中に設けら
れている。一方、洗浄液排水用配管34には、液体が高
所から低所へ流れ落ちる性質を利用して、洗浄液タンク
31を洗浄槽10の下方に配置することにより(図2参
照)、洗浄液流動付勢手段を不要としている。また、こ
の場合、洗浄液排水用配管34は、洗浄液が滞りなく洗
浄液タンク31に導かれるように、洗浄液排水用配管3
4の全領域において、水平方向,または洗浄槽10から
洗浄液タンク31へ向かう方向に対して傾斜,下降方向
に配設されている。
【0048】また、この洗浄液給水用配管33は,給水
ポンプ37と洗浄槽10の間で、二股に分離して、再び
その下流側で合流する形状となっている。この分離箇所
の一方には、フィルター39およびこのフィルター39
に前後して二つの手動弁39A,39Bが設けられ、他
方には、手動弁39Cのみが設けられている。
【0049】通常は手動弁39Cを閉鎖し、手動弁39
A,39Bを開放して、フィルター39側に洗浄液を流
すことにより、洗浄液中の不純物が取り除かれて、常に
清浄な状態で洗浄槽10に供給される。一方、フィルタ
ー39の洗浄能力が低下した場合には、手動弁39A,
39Bを閉鎖し、手動弁39Cを開放することにより、
洗浄液の流動時においてもフィルター39の交換可能な
構造となっている。
【0050】上述の洗浄液タンク31は、洗浄槽10に
洗浄液を充分に供給するだけの容積を有している。この
洗浄液タンク31には外部と導通する空気の流通が可能
な弁を設けても良い。これにより、洗浄液タンク31の
内部圧力の変化により、洗浄液の流動の妨げとなる状態
を回避することが可能である。
【0051】すすぎ水循環系40は、すすぎ水連絡用配
管42と,このすすぎ水連絡用配管42に沿ったすすぎ
水の流動を付勢するすすぎ水流動付勢手段とからなり、
このすすぎ水連絡用配管42は、すすぎ水を貯留してい
るすすぎ水タンク41と洗浄槽10との間に配設された
すすぎ水給水用配管43およびすすぎ水排水用配管44
から構成されている。
【0052】すすぎ水給水用配管43には、すすぎ水流
動付勢手段として給水ポンプ47がこの配管の途中に設
けられている。一方、すすぎ水排水用配管44には、液
体が高所から低所へ流れ落ちる性質を利用して、すすぎ
水タンク41を洗浄槽10の下方に配置することにより
(図2参照)、すすぎ水流動付勢手段を不要としてい
る。また、この場合、すすぎ水排水用配管44は、すす
ぎ水が滞りなくすすぎ水タンク41に導かれるように、
すすぎ水排水用配管44の全領域において、水平方向,
または洗浄槽10からすすぎ水タンク41へ向かう方向
に下降,傾斜して配設されている。
【0053】また、このすすぎ水給水用配管43は,給
水ポンプ47と洗浄槽10の間で、二股に分離して、再
びその下流側で合流する形状となっている。この分離箇
所の一方には、フィルター49およびこのフィルター4
9に前後して二つの手動弁49A,49Bが設けられ、
他方には、手動弁49Cのみが設けられている。
【0054】通常は手動弁49Cを閉鎖し、手動弁49
A,49Bを開放して、フィルター49側にすすぎ水を
流すことにより、すすぎ水中の不純物が取り除かれて、
常に清浄な状態で洗浄槽10に供給される。一方、フィ
ルター49の洗浄能力が低下した場合には、手動弁49
A,49Bを閉鎖し、手動弁49Cを開放することによ
り、すすぎ水の流動時においてもフィルター49の交換
が行える構造となっている。
【0055】上述のすすぎ水タンク41は、洗浄槽10
にすすぎ水を充分に供給するだけの容積を有している。
このすすぎ水タンク41には外部と導通する空気の流通
が可能な弁を設けても良い。これにより、すすぎ水タン
ク41の内部圧力の変化により、すすぎ水の流動の妨げ
となる状態を回避することが可能である。
【0056】上述した洗浄液給水用配管33,洗浄液排
水用配管34,すすぎ水給水用配管43,およびすすぎ
水排水用配管44の各配管は皆、洗浄槽10に直接連結
されているのではなく、洗浄槽10に併設されたヘッダ
領域17を介して連結されている。このヘッダ領域17
は、洗浄槽10から水平方向に延びる連絡流路18を介
して洗浄槽10と連結されている。図1(B)は、ヘッ
ダ領域17を図1(A)の矢印方向からみた部分側面図
である。
【0057】このヘッダ領域17は、直方体形状の内部
空間を有する容器であり、この内部空間には内底面17
Aが形成されている。また、このヘッダ領域17と洗浄
槽10との連絡流路18にも内底面18Aが形成されて
おり、これらの内底面17A,18Aと洗浄槽10の内
底面10Aとは、一様に同じ高さで且つ水平に設定され
ている。
【0058】さらに、洗浄液給水用配管33,洗浄液排
水用配管34,すすぎ水給水用配管43,およびすすぎ
水排水用配管44の各々には、ヘッダ領域17との連結
部に近接して、電気信号により開閉が行われる開閉弁で
ある電磁弁35,36,45,46が設けられている。
これらの連結状態を図1(B)に基づいて説明すると、
上述の各配管の中で、洗浄液給水用配管33と洗浄液排
水用配管34とは、両方とも水平方向からヘッダ領域1
7の左側に連結されており、特に、洗浄液排水用配管3
4は、その内部に形成される内底面34Aがヘッダ領域
17の内底面17Aと高さが一様となるように連結され
ている。
【0059】また、すすぎ水給水用配管43とすすぎ水
排水用配管44とは、両方とも水平方向からヘッダ領域
17の右側に連結されており、特に、すすぎ水排水用配
管44は、その内部に形成される内底面44Aがヘッダ
領域17の内底面17Aと高さが一様となるように連結
されている。ここで、洗浄液またはすすぎ水の流動の際
にそれぞれ干渉することがないように、このヘッダ領域
17の図1(B)における横方向の幅をある一定の間隔
に設定している。
【0060】ヘッダ領域17と各配管33,34,4
3,44とが上記のように連結されることにより、洗浄
槽10から洗浄液またはすすぎ水が、各排水用配管3
4,44を通り排水される際に、これらの洗浄液または
すすぎ水が洗浄槽10の内底面10A,連絡流路18の
内底面18A,ヘッダ領域17の内底面17A、および
各排水用配管34,44の連結部一帯の水平部分の内底
面34A,44Aに残留しない構造となっている。
【0061】ここで、本実施例では、上述したように、
洗浄槽10の内底面10Aと,連絡流路18の内底面1
8Aと,ヘッダ領域17の内底面17Aと,洗浄液排水
用配管34およびすすぎ水排水用配管44の各内底面3
4A,44Aとを全て一様に同じ高さで且つ水平に設定
することにより、上記各領域に排水後まで洗浄液または
すすぎ水が残留することを防止しているが、図3(A)
に示すように、連絡流路18の内底面18Aが洗浄槽1
0からヘッダ領域17に向かって低くなるように、連絡
流路18を傾斜させて設けても良い。また、図3(B)
に示すように、ヘッダ領域17の内底面17Aが連絡流
路18の内底面18Aより低くなる位置にヘッダ領域1
7を設けても良い。
【0062】次に、返還系60を説明する。本実施例で
は、洗浄または、すすぎを行う際に、これらの動作が終
了するまで、洗浄槽10への洗浄液またはすすぎ水の給
水が継続される。返還系60は、この給水の持続によ
り、洗浄槽10内部の一定の高さを越える洗浄液または
すすぎ水を、洗浄液タンク31またはすすぎ水タンク4
1に返還する各配管等により主に構成される。
【0063】即ち、図1(A)に示されるように、洗浄
槽10内に配設され,上端部が所定の高さに設定されて
いる堰部61と、この堰部61を越えた洗浄液またはす
すぎ水を洗浄槽10外部に導く導通配管62と、この導
通配管62に連結され,下流端で二股に分かれているT
字状の配管63と、このT字状の配管63の一方の下流
端から洗浄液タンク31へと導通している洗浄液返還用
配管64と、T字状の配管63の他方の下流端からすす
ぎ水タンク41へと導通しているすすぎ水返還用配管6
5とから、返還系60は構成されている。
【0064】さらに詳述すると、堰部61は、洗浄槽本
体11の内部壁に洗浄槽本体11の中心方向に迫り出す
ように付設されている。この堰部61の上端部の高さ設
定により、洗浄工程またはすすぎ工程の際に、洗浄槽1
0内部に確保される洗浄液またはすすぎ水の量が決定さ
れる。
【0065】そして、導通配管62は、堰部61を越え
た洗浄液またはすすぎ水を洗浄槽10の外部へ案内する
ように水平,或いは外部へ向かって下降する方向に傾斜
して設けられている。この導通配管62の下流端には、
前述したT字状の配管63の上流端と連結されると共
に、後述する真空乾燥機構70にも連結されている。つ
まり、本実施例では、真空乾燥を行う際に,洗浄槽10
内部の空気等を外部へ導く案内用の配管として、この導
通配管62を共用している。
【0066】T字状の配管63は、いわゆるアルファベ
ットのTの文字の形状であり、これを逆さまにした状態
で超音波洗浄装置1に配設されている。そして、その状
態で上端部となる上流端が導通配管62と連結されてい
る。さらに、このT字状の配管63は、二股に分かれる
下流端部が、それぞれ電磁弁66,67を介して洗浄液
返還用配管64およびすすぎ水返還用配管65と連結さ
れている。
【0067】洗浄液返還用配管64およびすすぎ水返還
用配管65は、共に、洗浄液およびすすぎ水が重力に従
って、洗浄液タンク31およびすすぎ水タンク41に返
還されるように、洗浄液返還用配管64およびすすぎ水
返還用配管65の全領域において、水平方向,または洗
浄槽10から洗浄液タンク31およびすすぎ水タンク4
1へ向かう方向に下降,傾斜して配設されている。
【0068】上述した返還系60により、給水および返
還を持続して行うことが可能となり、洗浄の工程におい
ては、洗浄液が洗浄液タンク31と洗浄槽10との間を
往復し、洗浄液給水用配管33の途中に設けられたフィ
ルター39により、洗浄液内の汚れ等が濾されるため
に、洗浄効率が向上する。また、すすぎの工程において
は、洗浄槽10内部のすすぎ水の流動が活発化し、すす
ぎ効率が向上する。
【0069】次に、熱乾燥機構50について説明する。
この熱乾燥機構50は、一端部が洗浄槽10の内部に導
通すると共に、他端部に外気の取り入れ口54を有する
熱供給管51と、この熱供給管51の内部の途中箇所に
設けられた熱源とから構成されている。
【0070】即ち、熱供給管51は、その全体が、洗浄
槽本体11の側壁の外部から内部に導通する配管で構成
されている。そして、洗浄槽10内においてその一端部
は、クランク状に先端がより高い位置に来るように形成
され、さらにその先端には、吹き出しノズル53が設け
られている。この吹き出しノズル53は、洗浄槽10内
部に配設されたバレル本体21に向けられており、より
効率良く被洗浄物の乾燥が行えるように、前述した返還
系60の堰部61により設定された洗浄液またはすすぎ
水の高さよりも低くならない範囲で,よりバレル本体2
1に近接する位置に設定されている。
【0071】熱供給管51の他端部には、熱源としての
ヒータ52を収納する領域が形成されると共に、ヒータ
52に近接して外気の取り入れ口54が設けられてい
る。この外気の取り入れ口54には電磁弁55が付設さ
れ、開閉自在となっている。
【0072】熱源としてのヒータ52は、図示しない熱
供給管51の外部に設けられた電源から電力を供給され
て熱を発生するものであり、このヒータ52の電源と接
続される接続部は熱供給管51の密閉状態を維持した状
態で外部に露出されている。またこのヒータ52の周囲
には、熱供給管51を構成する管壁の内側部分とヒータ
52との間に間隙が形成されており、外気の取り入れ口
54から取り込まれた外気が、この間隙を通過する際
に、ヒータ52により加熱される構造となっている。本
実施例では、外気を取り入れるために、外部の空気圧縮
手段等により射出される圧縮空気をこの外気の取り入れ
口54から熱供給管51の内部に送り込んでいるが、外
気の取り入れ口54に、外気取り入れ手段としてのファ
ン等を装備しても良い。
【0073】次に、真空乾燥機構70を説明する。この
真空乾燥機構70は、洗浄槽10内部に導通する導通配
管62と、排気管72と、真空ポンプ71と、排気口7
3とから構成される。導通配管62は、前述の返還系6
0では,洗浄槽10から溢れた洗浄液またはすすぎ水を
洗浄槽10外部へ案内する配管として機能したが、この
真空乾燥機構70では、洗浄槽10内部の空気および水
蒸気等を洗浄槽10外部へ案内する配管として機能す
る。この導通配管62の下流端は、図1(A)の上下方
向に分かれており、下方が循環系のT字状の配管63に
連結され、上方はこの真空乾燥機構70の排気管72と
連結されている。さらにこの排気管72は上部で真空ポ
ンプ71と連結され、真空ポンプ71には、この真空ポ
ンプ71により付勢された洗浄槽10内の空気および水
蒸気等を排出する排気口73が設けられている。
【0074】次に、超音波洗浄装置1の制御系80につ
いて説明する。この制御系80は、図2に示すコントロ
ールボックス内に収納されている。図4は、この制御系
80の構成図である。これによると、この制御系80で
は、前述した本実施例の各構成の中で、各電磁弁35,
36,45,46,55,66,67,給水ポンプ3
7,47,真空ポンプ71,超音波振動子25の発振回
路26,ヒータ52,バレル機構20の回転駆動手段等
の作動の順序,タイミング,条件等を全て記憶すると共
に,これらの条件に従って動作指令を出力するシーケン
サ部81と、この動作指令を受けてリレー部83に動作
信号を送信すると共に,超音波洗浄装置1の各部に設け
られた各種センサの信号を受け付けてシーケンサ部81
に伝達するI/O部82と、動作信号を受けて上述の各
作動手段の始動電源等のスイッチのオンオフを行うリレ
ー部83とから構成される。
【0075】後述する超音波洗浄装置1の各部の動作
は、シーケンサ部81によって予め設定されている動作
の順序,動作の継続時間等に従って行われるものであ
る。また、洗浄槽10内部に設けられ温度センサによ
り,洗浄槽10内部の温度が感知され,洗浄,すすぎが
目的合った温度で行われるように図示しない熱源により
洗浄槽10内部の温度が調節される制御や、洗浄槽10
内部に付設されたレベルセンサにより,液面高さが検知
されると,バレル機構20が作動する,給水ポンプ3
7,47が緊急停止する等の外部の状況変化に対応する
制御もこのシーケンサ部81で行われる。
【0076】本実施例の動作を説明する。本実施例の動
作は、大別して洗浄,すすぎ,熱乾燥,真空乾燥の四つ
の工程で行われる。
【0077】まず、動作前の準備として、被洗浄物を収
納したバレル本体21を洗浄槽10内部に装着し、洗浄
槽10の蓋部13を閉じる。この時点では、全ての電磁
弁35,36,45,46,55,66,67は閉鎖さ
れている。
【0078】次に、洗浄動作が行われる。電磁弁35,
66が開放されると共に、給水ポンプ37が作動し、洗
浄液タンク31から洗浄液が洗浄槽10内へ洗浄液給水
用配管33を介して給水される。洗浄槽10内部で洗浄
液がある高さまで給水されると、バレル機構20の回転
駆動手段によりバレル本体21の回転が開始され、さら
に、発振回路26から発振周波数の電圧が複数の超音波
振動子25に印可されて、洗浄槽10内の洗浄液に底面
板12を介して超音波振動が伝達される。この時、被洗
浄物は、バレル本体21内で回転することにより、超音
波が洗浄液を介して一様に伝達され、その表面上の汚れ
等が除去される。
【0079】この後、洗浄液の給水は、所定時間継続さ
れ、洗浄槽10内部で、堰部61を越えた洗浄液は、電
磁弁66を介して、洗浄液返還用配管64に沿って重力
に従って洗浄液タンク31内部に返還される。この時、
被洗浄物から除去された汚れ等も、この洗浄液と共に洗
浄液タンク31に返還される。そして、再び、給水ポン
プ37により洗浄液タンク31から洗浄槽10へ向う流
動が付勢され、この途中に設けられたフィルター39に
より汚れが濾し取られて、洗浄液は清浄化されて洗浄槽
10に到達する。
【0080】上記の給水と返還を繰り返した後、給水ポ
ンプ37を停止し、また超音波振動子25に対する発振
回路26の電圧の印可も停止する。そして、電磁弁35
が閉鎖され、電磁弁36が開放される。これにより洗浄
液は、連絡流路18,ヘッダ領域17,電磁弁36,洗
浄液排水用配管34を通り、洗浄槽10内から洗浄液が
排水される。このとき、洗浄槽10の内底面10A,連
絡流路18の内底面18A,ヘッダ領域17の内底面1
7A,洗浄液排水用配管34の内底面34Aが一様に同
じ高さで,且つ水平に設定されているために、表面張力
等の原因により各所に付着する僅かな量を除いて、残留
することなく、洗浄液は洗浄液タンク31まで帰還す
る。
【0081】洗浄液の排水終了後も、バレル機構20は
回転を行い、これにより、被洗浄物に残留した洗浄液が
振り落とされる。さらに、電磁弁55を開放し、熱乾燥
機構50の外気取り入れ口54から、外部の空気圧縮手
段により圧縮空気が送り込まれ、この圧縮空気が、吹き
出しノズル53から射出して、バレル本体21内の被洗
浄物に付着した洗浄液の除去を促進する。また、圧縮空
気が送り込まれることにより、洗浄槽10内部で、電磁
弁36,66に向かう空気の流動が付勢され、各部に付
着した洗浄液が、これらの電磁弁36,66の方向に移
動を付勢される。
【0082】上記の洗浄液の水切り作業が数秒間から1
0秒間ほど行われると、電磁弁35,55,66が閉鎖
され、すすぎ工程に移行する。
【0083】まず、電磁弁45,67が開放され、給水
ポンプ47が作動する。これにより、すすぎ水がすすぎ
水タンク41から洗浄槽10に流動を付勢されて、給水
が行われる。この給水は、洗浄槽10内部の堰部61位
置まで到達した後、さらに所定時間継続される。洗浄槽
10内部で、堰部61を越えた洗浄液は、電磁弁67を
介して、すすぎ水返還用配管65に沿って重力に従って
すすぎ水タンク41内部に返還される。この給水,返還
が繰り返されることにより、洗浄槽10内部ですすぎ水
は一定の流動状態となり、洗浄槽10の各所に付着残留
していた洗浄液は、有効に洗い流される。
【0084】この給水の継続時に、バレル機構20では
回転動作を継続しているために、バレル本体21内部の
すすぎ水は、この回転による流動状態となり、被洗浄物
に付着していた洗浄液は、すすぎ水に洗い流される。ま
たこの給水時に、発振回路26により超音波振動子25
から超音波振動を発生させても良い。伝達される超音波
振動により、洗浄槽10内部に残留付着していた洗浄液
は、より有効にすすぎ落とされる。
【0085】すすぎ水タンク41に返還されたすすぎ水
は、再び、給水ポンプ47によりすすぎ水タンク41か
ら洗浄槽10へ向う流動が付勢され、この途中に設けら
れたフィルター49によりすすぎ水中の不純物が濾し取
られて、すすぎ水は清浄化されて洗浄槽10に到達す
る。
【0086】上記の給水と返還が繰り返された後、給水
ポンプ47を停止する。そして、電磁弁45が閉鎖さ
れ、電磁弁46が開放される。これにより、すすぎ水
は、連絡流路18,ヘッダ領域17,電磁弁46,すす
ぎ水排水用配管44を通り、洗浄槽10内からすすぎ水
が排水される。このとき、洗浄槽10の内底面10A,
連絡流路18の内底面18A,ヘッダ領域17の内底面
17A,すすぎ水排水用配管44の内底面44Aが一様
に同じ高さで,且つ水平に設定されているために、表面
張力等の原因により各所に付着する僅かのすすぎ水を除
いて、残留すること無く、洗浄液は洗浄液タンク31ま
で帰還する。また、すすぎ水の排水中にも、バレル機構
20は回転を行い、これにより、被洗浄物に付着したす
すぎ水が振り落とされる。
【0087】排水終了後は、熱乾燥工程に移行する。ま
ず、電磁弁55を開放し、ヒータ52に電力を供給して
加熱させ、外気取り入れ口54から、外部の空気圧縮手
段により圧縮空気を送り込む。圧縮空気は、ヒータ52
により加熱されることにより加熱空気となって、吹き出
しノズル53からバレル本体21に吹き付けられ、バレ
ル本体21内の被洗浄物に付着したすすぎ水の除去を促
進する。また、圧縮空気が送り込まれることにより、洗
浄槽10内部で、電磁弁46,67に向かう空気の流動
が付勢され、各部に付着したすすぎ水が、これらの電磁
弁46,67方向に移動を付勢される。
【0088】上述の熱乾燥機構50は、外部の空気圧縮
手段に代わり真空ポンプ71を使用しても良い。即ち、
電磁弁55を除く他の全ての電磁弁を閉鎖し、ヒータ5
2に電力を供給し真空ポンプ71を作動させる。これに
より、洗浄槽10の内部圧力の低下と共に外気の取り入
れ口54から外気が吸入され、洗浄槽10内部に、吹き
出しノズル53から加熱された外気が供給され、洗浄槽
10内部の乾燥が促進される。
【0089】上述の熱乾燥が数秒から20秒ほど行われ
た後に、真空乾燥工程に移行する。この時、全ての電磁
弁を閉鎖して真空ポンプ71を作動させる。これによ
り、洗浄槽10内部の圧力は低下し、これに伴い、洗浄
槽10内部のすすぎ水は沸騰,気化蒸発し、この気化し
たすすぎ水は、洗浄槽10内部空気と共に、真空ポンプ
71により排気口73から外部に排出される。
【0090】上記のように、洗浄,すすぎ,熱乾燥,真
空乾燥の四つの工程が行われ、電磁弁55を開放して洗
浄槽10内部を大気圧に戻し、蓋部13を開けて洗浄槽
10内部からバレル本体21を取り出し、さらにこのバ
レル本体21内から被洗浄物を取り出して、本実施例の
動作は終了する。
【0091】
【発明の効果】本発明は、洗浄槽に連絡流路を介してヘ
ッダ領域を設ける構成としたために、このヘッダ領域に
洗浄液連絡用配管およびすすぎ水連絡用配管をまとめて
連結することが可能となり、これにより、連絡流路を長
く形成する必要がなくなり、従来のように連絡流路の内
底面に洗浄液またはすすぎ水が残留することを有効に排
除することが可能となった。
【0092】また、洗浄槽,連絡流路,ヘッダ領域,洗
浄液連絡用配管,およびすすぎ水連絡用配管のそれぞれ
の内底面を水平且つ一様に同じ高さに設定しているため
に、洗浄槽から洗浄液およびすすぎ水を排水する際に、
洗浄槽,連絡流路,およびヘッダ領域の各内底面に洗浄
液およびすすぎ水が残留するという不都合を有効に排除
することが可能となった。
【0093】そして、以上のように構成され機能するの
で、洗浄後にすすぎを行う際に、すすぎ水に混入する洗
浄液の量が低減され、すすぎ水は高い純度を保持するこ
とが可能となり、このすすぎ水の長寿命化を図ることが
可能となる従来にない優れた超音波洗浄装置を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す図であり、図1(A)
は概略的に全体を示す構成図であり、図1(B)は一実
施例のヘッダ領域を図1(A)の矢印方向からみた一部
を切り欠いた図である。
【図2】図1に開示した超音波洗浄装置の各部の概略的
な配置を示す説明図である。
【図3】図1に開示した超音波洗浄装置の洗浄槽,連絡
流路およびヘッダ領域の位置関係の異なる例を示す図で
あり、図3(A)は連絡流路が傾斜している例を示す部
分断面図であり、図3(B)はヘッダ領域が低い位置に
ある他の例を示す部分断面図である。
【図4】図1に開示した超音波洗浄装置の制御系を示す
ブロック図である。
【図5】従来の超音波洗浄装置を示す図であり、図5
(A)は一部省略した説明図であり、図5(B)は図5
(A)の連絡流路部分を拡大した断面図である。
【符号の説明】
1 超音波洗浄装置 10 洗浄槽 10A 内底面 17 ヘッダ領域 17A 内底面 18 連絡流路 18A 内底面 25 超音波洗浄装置 30 洗浄液循環系 31 洗浄液タンク 32 洗浄液連絡用配管 33 洗浄液給水用配管 34 洗浄液排水用配管 34A 内底面 35,36,45,46 開閉弁(電磁弁) 37 洗浄液流動付勢手段(給水ポンプ) 40 すすぎ水循環系 41 すすぎ水タンク 42 すすぎ水連絡用配管 43 すすぎ水給水用配管 44 すすぎ水排水用配管 44A 内底面 47 すすぎ水流動付勢手段(給水ポンプ)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 底面部の内底面が水平な洗浄槽と、この
    洗浄槽の底面部に下方から当接し超音波振動を発生する
    超音波振動子と、予め洗浄液を所定量貯留する洗浄液タ
    ンクと、この洗浄液タンクと前記洗浄槽との間で前記洗
    浄液を循環する洗浄液循環系と、予めすすぎ水を所定量
    貯留するすすぎ水タンクと、このすすぎ水タンクと前記
    洗浄槽との間で前記すすぎ水を循環するすすぎ水循環系
    とを有し、 前記洗浄液循環系を、洗浄液連絡用配管と,この洗浄液
    連絡用配管に沿った前記洗浄液の流動を付勢する洗浄液
    流動付勢手段とから構成すると共に、 前記すすぎ水循環系を、すすぎ水連絡用配管と,このす
    すぎ水連絡用配管に沿った前記すすぎ水の流動を付勢す
    るすすぎ水流動付勢手段とから構成し、 前記洗浄槽に連絡流路を介して水平な底面部の内底面を
    有するヘッダ領域を併設し、このヘッダ領域の内底面と
    前記連絡流路の内底面とを一様に前記洗浄槽の内底面と
    同じ高さに設定し、 前記洗浄液連絡用配管と前記すすぎ水連絡用配管とを,
    それぞれ前記ヘッダ領域の水平方向から,開閉弁を介し
    て連結させると共に、 当該ヘッダ領域の内底面と前記各配管内部の内底面の高
    さとが一様となるように設定したことを特徴とする超音
    波洗浄装置。
  2. 【請求項2】 前記洗浄液連絡用配管を,洗浄液給水用
    配管と洗浄液排水用配管とから構成すると同時に、前記
    すすぎ水連絡用配管を,すすぎ水給水用配管とすすぎ水
    排水用配管とから構成し、 前記洗浄液排水用配管と前記すすぎ水排水用配管とを,
    それぞれ前記ヘッダ領域の水平方向から,開閉弁を介し
    て連結させると共に、 当該ヘッダ領域の内底面と前記各配管内部の内底面の高
    さとが一様となるように設定したことを特徴とする請求
    項1記載の超音波洗浄装置。
JP12950695A 1995-04-28 1995-04-28 超音波洗浄装置 Withdrawn JPH08299926A (ja)

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