JPH11105744A - 車両のフレーム構造 - Google Patents

車両のフレーム構造

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JPH11105744A
JPH11105744A JP27608697A JP27608697A JPH11105744A JP H11105744 A JPH11105744 A JP H11105744A JP 27608697 A JP27608697 A JP 27608697A JP 27608697 A JP27608697 A JP 27608697A JP H11105744 A JPH11105744 A JP H11105744A
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良治 永田
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健次 浅井
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岩男 山田
Tetsuji Himeno
哲児 姫野
Hirobumi Matsukane
博文 松金
Takashi Fukaya
敬 深谷
Katsuki Matsushita
活己 松下
Toyoji Koike
豊司 小池
Mikio Noguchi
幹夫 野口
Hiroyuki Tanaka
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 キャブオーバ車において正突時の衝撃力を車
体部材で十分吸収可能に図った車両のフレーム構造を提
供する。 【解決手段】 車体部材である車両前部の一対のサイド
フレーム(2,2)に井桁状のサスペンションフレーム(4)が
所定以上の荷重の入力によりせん断破壊する所定の締結
具(52)で取り付けられており、シャシ部品(22,28)は当
該サスペンションフレームに一体に取り付けられてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両のフレーム構
造に係り、詳しくはサスペンションフレーム等の配設構
造に関する。
【0002】
【関連する背景技術】近年、車両の車体構造は、衝突時
に衝撃力を吸収可能なようキャビンにおいて容易に変形
可能に構成されている。例えば、車両が走行中に前面衝
突したような正突時を想定し、車両の左右に配設された
サイドフレーム或いはサイドメンバ等の車体部材は衝撃
力を吸収しながら車両前後方向で座屈するように設計さ
れている。
【0003】ところが、キャブオーバ車のように、車両
前部にエンジンルームが存在せずエンジンがキャビンの
下部に配設されるような車両にあっては車両前部の車体
の変形を大きく許容すると変形部が室内空間にまで接近
する虞があり好ましいことではない。そこで、このよう
なキャブオーバ車にあっては、通常は車体変形量を少な
くして車両前部の剛性が比較的高くなるよう車体を構成
している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに車体剛性を高くすると、衝撃力が十分に吸収されな
いことから、正突時において乗員に急激な衝撃を与える
虞があり好ましいことではない。そこで、キャブオーバ
車において車両前部を外装部品で突出させ、この突出部
で衝撃力を吸収することも考えられているが、通常キャ
ブオーバ車においては、車両の比較的前部に前輪を支持
するサスペンションロアアームやステアリングラック等
の各種シャシ部品がサイドフレーム等の車体部材に取り
付けられて配設されており、実際には当該シャシ部品の
存在が車体変形を阻害し衝撃力の吸収を阻む大きな要因
となっている。故に、正突時において衝撃力を十分に吸
収可能とすべく、これらシャシ部品をサイドフレーム等
との関係において車体変形の障害とならないよういかに
配設するかが課題となる。
【0005】本発明は、上述した事情に基づきなされた
もので、その目的とするところは、キャブオーバ車にお
いて正突時の衝撃力を十分吸収可能に図った車両のフレ
ーム構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1の発明では、車両前部の一対のサイドフレ
ームに井桁状のサスペンションフレームが所定以上の荷
重の入力によりせん断破壊する所定の締結具で取り付け
られており、シャシ部品は当該サスペンションフレーム
に支持されている。
【0007】従って、車両の正突時等に車両前方から所
定以上の入力が加わると、所定の締結具がせん断破壊し
てサスペンションフレームがシャシ部品とともに車両後
方にスライドしながら一対のサイドフレームから脱離す
ることになり、車両前部がシャシ部品の障害なく一様に
して滑らか且つ良好に変形可能とされる。故に、車両に
作用する衝撃力が一対のサイドフレーム等車体部材の変
形により十分に吸収されることになり、乗員が良好に保
護される。
【0008】なお、サスペンションフレームは車両前後
方向で高剛性にされているので、正突時に所定以上の入
力があっても自身は変形せず、せん断可能な所定の締結
具の全てに良好に上記入力が伝達される。故に、締結部
の補強構造を変えてやると所定の締結具は所定以上の入
力に対して確実にせん断破壊可能である。また、請求項
2の発明では、サスペンションフレームより後方の一対
のサイドフレーム間には、サイドフレームに支持されて
該サスペンションフレームを車両下方にスライドさせる
一対の腕部を有したエンジンマウンティングフレームが
備えられている。
【0009】従って、サイドフレームから車両後方にス
ライドしながら脱離したサスペンションフレームが該エ
ンジンマウンティングフレームの一対の腕部によって車
両下方に良好にガイドされることになり、脱離したサス
ペンションフレームが、例えばエンジンと衝突物との間
で突っ張って車体部材の変形を阻害するようなことが防
止され、車両に作用する衝撃力が車体部材の変形により
十分に吸収される。
【0010】また、請求項3の発明では、エンジンマウ
ンティングフレームには、軸受部を介してプロペラシャ
フトを支持するとともに車両に所定以上の荷重が入力さ
れたときにプロペラシャフトを離脱可能な止め部材が設
けられている。従って、サスペンションフレームがサイ
ドフレームから車両後方にスライドする際、止め部材が
エンジンマウンティングフレームから外れてプロペラシ
ャフトが突っ張りなく曲折自在とされ、故に、正突時等
において車体部材の変形が阻害されることなく車両に作
用する衝撃力が十分に吸収される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施形態を説明する。図1を参照すると、エンジンが前
後輪間のキャビン下側に配設された車両、即ちキャブオ
ーバ型車両のフロア部前部の上視図が示されており、ま
た、図2を参照すると、図1中の矢視A方向から視た上
記フロア部前部の側面図が示されており、以下、図1及
び図2を参照して本発明に係るキャブオーバ型車両のフ
レーム構造について詳細に説明する。
【0012】本発明に係るキャブオーバ型車両は、図1
中に外板輪郭線Pで示すように、通常のキャブオーバ型
車両、即ち所謂フルキャブオーバ型車両よりも車両前部
が前方に突出した車体構造を有するセミキャブオーバ型
車両として構成されている。そして、図1に示すよう
に、車両のフロア部には車体の一部として車両前後方向
に延びて左右一対のサイドフレーム2,2が設けられて
おり、車両の前部の当該サイドフレーム2,2間には、
井桁形状のサスペンションフレーム(以下、井桁フレー
ムという)4が車両下部側からサイドフレーム2,2の
各下面にボルトにより取り付けられ支持されている。
【0013】該井桁フレーム4は、図1に示すように、
車両幅方向に延びるフロントメンバ部材6に一対のサイ
ドメンバ部材8,8が車両前後方向に延びて接続され、
さらにフロントメンバ部材6より後方の該一対のサイド
メンバ部材8,8間にフロントメンバ部材6と略平行に
してクロスメンバ部材10が接続されて井桁状に構成さ
れている。なお、これらフロントメンバ部材6、サイド
メンバ部材8,8及びクロスメンバ部材10は例えば中
空の鋼材であり、互いに溶接により接続されている。ま
た、特にフロントメンバ部材6及びサイドメンバ部材
8,8はクロスメンバ部材10よりも部材がはるかに厚
く形成されており、フロントメンバ部材6については曲
げ方向で高強度を有し、サイドメンバ部材8,8につい
ては軸線方向、即ち車両前後方向で高強度を有するよう
に構成されている。
【0014】図1に示すように、車両の略中央の前部座
席S(図2参照)の下部に配設されたエンジン60には
センタデファレンシャルギヤを備えたトランスミッショ
ン62が接続されており、井桁フレーム4には、該トラ
ンスミッション62にプロペラシャフト20を介して連
結された前輪用デファレンシャルギヤボックス22の
他、左右一対の前輪WF,WFを懸架するロアアーム2
6,26及び該一対の前輪WF,WFを操舵するためのス
テアリングラック28等のシャシ部品が取り付けられて
いる。なお、図中符号63はトランスミッション62か
ら後輪に向けて延びる後輪用プロペラシャフトを示して
いる。
【0015】より詳しくは、フロントメンバ部材6には
取付ブラケット12が、クロスメンバ部材10には取付
ブラケット13が、また左側のサイドメンバ部材8には
取付ブラケット14が設けられており、一方デファレン
シャルギヤボックス22にはボルトで固定されて支持部
材24及び支持部材25が取り付けられている。従っ
て、デファレンシャルギヤボックス22は、支持部材2
4の前端部がラバーブッシュ12bを介して振動吸収可
能なよう取付ブラケット12に支持され、後端部がやは
りラバーブッシュ13bを介して取付ブラケット13に
支持され、また、支持部材25の後端部がやはりラバー
ブッシュ14bを介して取付ブラケット14に支持され
て井桁フレーム4に取り付けられている。
【0016】また、サイドメンバ部材8,8には取付ブ
ラケット16と取付ブラケット17が設けられており、
各ロアアーム26は、前部支持部が取付ブラケット16
に揺動自在に支持され、後端支持部が取付ブラケット1
7に揺動自在に支持されて井桁フレーム4に取り付けら
れている。また、フロントメンバ部材6には取付ブラケ
ット18及び取付ブラケット19が互いに離間して設け
られており、これら取付ブラケット18及び取付ブラケ
ット19にステアリングラック28が取り付けられてい
る。詳しくは、取付ブラケット18及び取付ブラケット
19にはそれぞれステアリングラック28を押さえるた
めの止め部材18aと止め部材19aとが設けられてお
り、ステアリングラック28はこれら止め部材18a、
止め部材19aがそれぞれボルトで取付ブラケット18
及び取付ブラケット19に締結されて井桁フレーム4に
取り付けられている。
【0017】そして、フロントメンバ部材6の両端に
は、井桁フレーム4の前部をサイドフレーム2,2に支
持させるための前側マウントブラケット30,30が溶
接により固定されて設けられており、井桁フレーム4の
前部は、当該マウントブラケット30,30がそれぞれ
前側ボルト(所定の締結具)50によってサイドフレー
ム2,2の下面に固定されることでサイドフレーム2,
2に支持されている。なお、マウントブラケット30,
30は、主としてフロントメンバ部材6の上側に位置す
るラジエータ90との干渉を回避することを目的として
いるため、ある程度の高さ寸法を有している(図2参
照)。
【0018】ここで、図3を参照すると、図1中の矢視
B方向から視たマウントブラケット30の拡大図が、ま
た図4を参照すると、図3中のC−C線に沿うマウント
ブラケット30の断面図が示されており、以下これら図
3及び図4に基づいてマウントブラケット30の構成に
ついて説明する。図3に示すように、マウントブラケッ
ト30は、ブラケット本体32とプレート34とが溶接
されて外殻が形成され、さらにブラケット本体32の内
側に上端が溶接されたパイプ部材36を有して構成され
ている。つまり、ブラケット本体32がパイプ部材36
の外周を覆うように設けられている。
【0019】詳しくは、図4に示すように、フロントメ
ンバ部材6の端部6aは上下方向に潰されて扁平形状と
され且つ開口孔6bが穿設されており、パイプ部材36
の下端部がこの開口孔6bに嵌入されフロントメンバ部
材6の端部6aと溶接されている。そして、ブラケット
本体32の上面32aには、パイプ部材36の内部通路
37の開口と一致するようにして孔33が穿設されてお
り、これにより、同図に示すようにパイプ部材36の内
部通路37内を通ってボルト50がサイドフレーム2ま
で貫通可能とされている。
【0020】このように、マウントブラケット30は、
ブラケット本体32、プレート34及びフロントメンバ
部材6の端部6aとで箱形状にされるとともに、ボルト
50を外嵌して該ボルト50により締め付けられるよう
にパイプ部材36が設けられているため、特にボルト5
0の締め付け方向での強度が高く、全体として高剛性と
されている。
【0021】一方、サイドフレーム2,2には、図4に
示すように、上記孔33と同径の孔2aが穿設されてお
り、該孔2aと穴位置が一致するようにしてウェルドナ
ット2bが溶接されている。従って、マウントブラケッ
ト30,30はボルト50がウェルドナット2bと締結
されることでサイドフレーム2,2に固定されており、
つまり井桁フレーム4はその前部ではボルト50によっ
てサイドフレーム2,2に吊持されている。
【0022】この際、図4に示すように、前側ボルト5
0は、該ボルト50の腹部のうち胴部50aとねじ部5
0bとの境界部50cがブラケット本体32の上面32
aより上方に位置するように配設されている。つまり、
ボルト50は胴部50aがサイドフレーム2の孔2aに
掛かるようにされている。また、サイドメンバ部材8,
8の後端部8a,8aも図2に示すように扁平形状に加
工されており、該後端部8a,8aには上記マウントブ
ラケット30と同様にして後側マウントブラケット4
0,40が設けられている。
【0023】図5を参照すると、図1中のD−D線に沿
うマウントブラケット40の断面図が示されており、以
下図5に基づきマウントブラケット40の構成について
説明する。マウントブラケット40はブラケット本体4
2とブラケット本体42の内側に上端が溶接されたパイ
プ部材44とから構成されている。そして、上記パイプ
部材36と同様に、該パイプ部材44の下端部は後端部
8aの開口孔8bに嵌入されて該後端部8aと溶接され
ている。
【0024】ブラケット本体42の上面42aには、パ
イプ部材44の内部通路45の開口と一致するようにし
て孔43が穿設されており、これにより、同図に示すよ
うにパイプ部材44の内部通路45内を通って後側ボル
ト(所定の締結具)52がサイドフレーム2まで貫通可
能とされている。一方、サイドフレーム2,2にはやは
り孔2aが穿設されており、該孔2aと穴位置が一致す
るようにしてウェルドナット2bが溶接されている。
【0025】従って、マウントブラケット40,40に
ついてもボルト52がウェルドナット2bと締結される
ことでサイドフレーム2,2に固定されており、つまり
井桁フレーム4の後部も前部同様にボルト52によって
サイドフレーム2,2に吊持されている。ところで、図
5に示すように、後側ボルト52については、上記ボル
ト50の場合とは異なり該ボルト52の腹部のうち胴部
52aとねじ部52bとの境界部52cがブラケット本
体42の上面42aと一致するように配設されている。
つまり、ボルト52については胴部52aがサイドフレ
ーム2の孔2aに掛からないようにされている。
【0026】また、図1及び図2を参照すると、サイド
フレーム2,2間には、さらにエンジンマウンティング
フレーム64がサイドフレーム2,2を互いに連結する
ようにして設けられている。詳しくは、エンジンマウン
ティングフレーム64は、該エンジンマウンティングフ
レーム64と一体に設けられた各一対のブラケット6
5,65及びブラケット66,66がそれぞれボルトで
サイドフレーム2,2に固定されてサイドフレーム2,
2に取り付けられている。そして、エンジンマウンティ
ングフレーム64には、ブラケット67及びブラケット
68が一体に設けられており、これらブラケット67,
68に上記エンジン60がボルトで固定されている。な
お、ブラケット67,68にはそれぞれラバー材67
a,68aが固着され介装されており、これによりエン
ジン60の振動が吸収可能とされている。
【0027】また、エンジンマウンティングフレーム6
4には、ブラケット70及びブラケット72が一体に設
けられており、これらブラケット70,72には、止め
部材74が上記プロペラシャフト20を挟み込むように
してボルトで固定されている。図6を参照すると、エン
ジンマウンティングフレーム64に止め部材74を介し
て吊持されたプロペラシャフト20の拡大図が示されて
おり、以下同図に基づきプロペラシャフト20及び止め
部材74の詳細について説明する。
【0028】同図に示すように、実際には、プロペラシ
ャフト20は、シャフト20a、シャフト20b及びシ
ャフト20cの3つの部材がそれぞれ連結部20d及び
連結部21において軸心に対し互いに回転自在に連結さ
れており、シャフト20aが止め部材74を介してエン
ジンマウンティングフレーム64に固定されている。な
お、連結部21には複数の鋼球21aが内装されて回転
自在に構成されているが、その詳細についての説明は省
略する。
【0029】より詳しくは、シャフト20aには、軸受
部80が設けられており、この軸受部80が止め部材7
4によって挟持されている。軸受部80は、シャフト2
0aに嵌合されたベアリング82と外殻84との間にラ
バー材86を介装して構成されており、故に外殻84が
止め部材74で固持されてもシャフト20a自体は回転
自在とされている。そして、シャフト20aの回転振動
がラバー材86で良好に吸収可能とされている。
【0030】また、図6に示すように、ブラケット7
0,72に対向する止め部材74のフランジ部74a,
74bには、切欠75及び切欠76が形成されており、
これら切欠75及び切欠76を通ってボルトがブラケッ
ト70,72のウェルドナットと締結され、これにより
止め部材74がブラケット70,72に固定されてい
る。
【0031】さらに、図2を参照すると、エンジンマウ
ンティングフレーム64のサイドフレーム2,2に沿う
部分には、車両前方に向け斜め上方に延びてそれぞれ一
対の傾斜部(腕部)64a,64aが形成されている。
以下、上記のように構成された本発明に係る井桁フレー
ム4等の作用について説明する。
【0032】図7を参照すると、正突時のように前方か
ら車両に外力Fが加わった場合の外板部材(外板輪郭線
Pで示す)、サイドフレーム2,2の座屈及び井桁フレ
ーム4の移動の様子が概略的に示されており、以下図7
を参照して本発明に係るフレーム構造の作用を説明す
る。同図に示すように、前方から車両に外力Fが加わる
と、サイドフレーム2,2の先端や外板部材等の車体部
材が変形し始める。これにより車両に作用する衝撃力が
徐々に吸収され始めることになる。
【0033】そして、サイドフレーム2,2の先端の変
形が井桁フレーム4にまで達すると井桁フレーム4に外
力Fよりも若干減衰した外力F'が作用し始めることに
なるが、この際、外力F'が所定値以上(所定以上の荷
重)であると、井桁フレーム4をサイドフレーム2,2
に固定する前側のボルト50はそのままである一方、高
剛性を有した井桁フレーム4が外力F'をそのまま後側
のボルト52に伝達するため、該ボルト52がせん破壊
することになる。
【0034】図8を参照すると、外力F'によってボル
ト52がせん断破壊しマウントブラケット8a、即ち井
桁フレーム4がサイドフレーム2,2から脱離する様子
が断面図で示されているが、このように、ボルト52は
応力集中する胴部52aとねじ部52bとの境界部52
cで良好に破断することになる。なお、せん断強度は予
め実験等により設定されており、これに応じてボルト5
2の材質や径等が決定され加工されている。ここに、ボ
ルト52が引張方向で十分な強度、性能を有しているこ
とは勿論である。
【0035】このようにボルト52がせん断破壊する
と、井桁フレーム4の後部は、サイドフレーム2,2に
沿い後方にスライドしながらデファレンシャルギヤボッ
クス22やステアリングラック28等とともにサイドフ
レーム2,2から離脱する(矢印方向)。このとき、井
桁フレーム4のサイドメンバ部材8,8は上記エンジン
マウンティングフレーム64の傾斜部64a,64aと
当接し、二点鎖線で示すように、該傾斜部64a,64
aにガイドされながら後下方に移動(スライド)するこ
とになる。井桁フレーム4がこのように移動することに
なると、該井桁フレーム4が離脱後にエンジン60と衝
突物との間に挟まれて車体部材の変形が阻まれるという
ことが良好に回避される。また、井桁フレーム4がエン
ジン60と当接しないことでエンジン60自体の保護も
図られる。
【0036】この際、デファレンシャルギヤボックス2
2からトランスミッション62に延びるプロペラシャフ
ト20が問題となるが、プロペラシャフト20は、上述
したようにシャフト20a、シャフト20b及びシャフ
ト20cの3つの部材がそれぞれ連結部20d及び連結
部21において回転自在に連結されており、さらに、該
プロペラシャフト20を保持する止め部材74は、ボル
トが切欠75及び切欠76を介して締結されている。
【0037】従って、上記外力F'が加わり井桁フレー
ム4が脱離すると、プロペラシャフト20にもその力が
作用することになるが、図6中に示すように、この際、
プロペラシャフト20の軸受部80によって止め部材7
4が車両後方に押され、切欠75及び切欠76がボルト
から外れることになる。そして、同図中矢印及び二点鎖
線で示すように、止め部材74がエンジンマウンティン
グフレーム64から脱離し、その後プロペラシャフト2
0が連結部20d及び連結部21で折れ曲がることにな
る。故に、井桁フレーム4が脱離した場合であっても、
該井桁フレーム4が車両後方に移動する際にプロペラシ
ャフト20がその障害となることはない。
【0038】つまり、本発明のフレーム構造によれば、
正突時のように車両の正面から比較的大きな外力Fが加
わったときに井桁フレーム4の後部が容易且つ良好に車
両下方に脱離するよう構成されているので、デファレン
シャルギヤボックス22やステアリングラック28等に
よって外板部材やサイドフレーム2,2等の車体部材の
変形が阻害されることがなくなり、図7に示すように、
サイドフレーム2,2については破線のように蛇腹状に
圧縮変形し、外板部材についてはやはり破線のように良
好に変形することになる。故に、正突時等において、車
両に作用する衝撃力が車体部材によって十分に吸収され
ることとなり、乗員が急激な衝撃を感じることなく十分
に保護されることとなる。
【0039】図9を参照すると、実測された車体変形量
Lと減加速度G(即ち車両に作用する衝撃力)との関係
を示すグラフが示されており、本発明のフレーム構造を
有した車両の関係が実線で、従来の車両の関係が破線で
示されているが、同図に示すように、シャシ部品が車体
側に直接取り付けられた従来車両ではシャシ部品の影響
で車体変形量Lが小さい段階で車体変形が阻止され減加
速度G(衝撃力)が極端に大きくなっている一方、本発
明に係る車両ではシャシ部品の影響なく車体が良好に変
形し減加速度G(衝撃力)が極端に大きくなることなく
一様にして滑らか且つ十分に吸収されることになるので
ある。
【0040】なお、上記実施形態では、車両がセミキャ
ブオーバ型車両である場合について説明したが、これに
限定されるものではなく、車両の種類を問わず本発明の
フレーム構造を適用可能である。
【0041】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
係る請求項1の車両のフレーム構造によれば、車両の正
突時等に車両前方から所定以上の入力が加わると、所定
の締結具がせん断破壊してサスペンションフレームがシ
ャシ部品とともに車両後方にスライドしながら一対のサ
イドフレームから脱離するので、車両前部をシャシ部品
の障害なく一様にして滑らか且つ良好に変形させること
ができる。故に、車両に作用する衝撃力を一対のサイド
フレーム等車体部材の変形により十分に吸収でき、乗員
を良好に保護することができる。
【0042】なお、サスペンションフレームは車両前後
方向で高剛性にされているので、正突時において所定以
上の入力をせん断可能な所定の締結具の全てに良好に伝
達させることができ、締結部の補強構造を変えてやるこ
とにより所定の締結具を所定以上の入力に対し確実にせ
ん断破壊させることができる。また、請求項2の車両の
フレーム構造によれば、サイドフレームから車両後方に
スライドしながら脱離したサスペンションフレームが該
エンジンマウンティングフレームの一対の腕部によって
車両下方に良好にガイドされるので、脱離したサスペン
ションフレームが例えばエンジンと衝突物との間で突っ
張り車体部材の変形を阻害するようなことを防止でき、
車両に作用する衝撃力を車体部材の変形により十分に吸
収することができる。
【0043】また、請求項3の車両のフレーム構造によ
れば、サスペンションフレームがサイドフレームから車
両後方にスライドする際にプロペラシャフトを支持する
止め部材がエンジンマウンティングフレームから外れる
ので、プロペラシャフトを突っ張りなく曲折自在にで
き、故にプロペラシャフトが正突時等における車体部材
の変形の阻害要因とならないようにでき、車両に作用す
る衝撃力を十分に吸収することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】エンジンが前後輪間のキャビン下側に配設され
たキャブオーバ型車両のフロア部前部を示す上視図であ
って、本発明に係る井桁フレームやエンジンマウンティ
ングフレーム等を示す図である。
【図2】図1中の矢視A方向から視たフロア部前部の側
面図である。
【図3】図1中の矢視B方向から視た前側マウントブラ
ケットの側面図である。
【図4】図3中のC−C線に沿う前側マウントブラケッ
トの断面図である。
【図5】図1中のD−D線に沿う後側マウントブラケッ
トの断面図である。
【図6】エンジンマウンティングフレームとプロペラシ
ャフトとの関係を示す図であって、正突時のプロペラシ
ャフトの挙動を示す図である。
【図7】正突時における井桁フレームの挙動を説明する
図である。
【図8】正突時における井桁フレームの後側取付ボルト
のせん断破壊状況を示す図である。
【図9】車体変形量Lと減加速度G(即ち車両に作用す
る衝撃力)との関係を示すグラフであり、本発明に係る
フレーム構造の効果を示す図である。
【符号の説明】
2 サイドフレーム 2b ウェルドナット 4 井桁フレーム(サスペンションフレーム) 6 フロントメンバ部材 8 サイドメンバ部材 10 クロスメンバ部材 20 プロペラシャフト 22 前輪用デファレンシャルギヤボックス(シャシ部
品) 26 ロアアーム(シャシ部品) 28 ステアリングラック(シャシ部品) 30 前側マウントブラケット 40 後側マウントブラケット 50 前側ボルト(所定の締結具) 52 後側ボルト(所定の締結具) 52a 胴部 52b ねじ部 52c 境界部 64 エンジンマウンティングフレーム 64a 傾斜部(腕部) 74 止め部材
フロントページの続き (72)発明者 山田 岩男 東京都大田区下丸子四丁目21番1号 三菱 自動車エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 姫野 哲児 東京都大田区下丸子四丁目21番1号 三菱 自動車エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 松金 博文 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内 (72)発明者 深谷 敬 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内 (72)発明者 松下 活己 東京都大田区下丸子四丁目21番1号 三菱 自動車エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 小池 豊司 東京都大田区下丸子四丁目21番1号 三菱 自動車エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 野口 幹夫 東京都大田区下丸子四丁目21番1号 三菱 自動車エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 田中 啓之 東京都大田区下丸子四丁目21番1号 三菱 自動車エンジニアリング株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の下部に車両前後方向に延びて配設
    された左右一対のサイドフレームと、 前記一対のサイドフレーム間に支持され、車両前後方向
    で所定以上の荷重が入力されても耐えるような剛性を有
    し、シャシ部品が取り付けられた井桁状のサスペンショ
    ンフレームと、 前記サスペンションフレームを前記一対のサイドフレー
    ムに車両上下方向で取り付け、前記所定以上の荷重の入
    力により前記サスペンションフレームを前記一対のサイ
    ドフレームに対しスライドさせながらせん断破壊する所
    定の締結具と、 を備えたことを特徴とする車両のフレーム構造。
  2. 【請求項2】 前記サスペンションフレームより後方の
    前記一対のサイドフレーム間には、前記サスペンション
    フレームと対向する部位に前記サイドフレームに支持さ
    れ該サスペンションフレームを車両下方にスライドさせ
    る一対の腕部を有したエンジンマウンティングフレーム
    を備えたことを特徴とする請求項1記載の車両のフレー
    ム構造。
  3. 【請求項3】 前記エンジンマウンティングフレームに
    は、軸受部を介してプロペラシャフトを支持するととも
    に車両に前記所定以上の荷重が入力されたときに前記プ
    ロペラシャフトを離脱可能な止め部材が設けられている
    ことを特徴とする請求項2記載の車両のフレーム構造。
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