JPH111056A - スタンプ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】インク含浸体に保持されるインクが外部に漏れ
難いスタンプ装置を提供する。 【解決手段】スタンプ装置は、インク含浸体３が下面に
取り付けられたスタンプ本体２に嵌合するスカート部材
であって、矩形状の貫通孔を設けると共に、貫通孔の相
対向する１対の辺縁部の各辺に沿って立設されてスタン
プ本体２に装着の際にインク含浸体３の下面部に装着さ
れた孔版原紙Ｋの側縁部を折り曲げる第１ガイド部材１
４と、前記辺縁部とは異なる相対向する１対の辺縁部の
各辺に沿って立設されて前記と異なる側縁部を折り曲げ
る第１ガイド部材１４より低い第２ガイド部材１５と、
第１ガイド部材１４及び第２ガイド部材１５により折り
返されて形成される孔版原紙Ｋの耳部を第１ガイド部材
１４側又は第２ガイド部材１５側に折り返す第３ガイド
部材１６とを設けたスカート部材１０を備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、スタンプ本体の下
面部に取り付けられたインク含浸体に、穿孔画像が形成
された孔版原紙を密着させて、孔版原紙及びインク含浸
体を印刷対象体に押圧して穿孔画像を印刷するスタンプ
装置に関し、更に詳しくは、スタンプ本体の下端部に設
けられ、孔版原紙の外周部分をインク含浸体の側面側へ
立ち上げるスカート部材を備えたスタンプ装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来より、把持部を有するスタンプ本体
と、スタンプ本体の下面部に取り付けられたインク含浸
体と、予め穿孔画像が形成されインク含浸体の下面に密
着して設けられる感熱性の孔版原紙とからなり、孔版原
紙及びインク含浸体を印刷対象体に押圧して穿孔画像を
印刷するスタンプ装置が実用化されている。

【０００３】そして、本願出願人は、孔版原紙のスタン
プ本体への装着が容易であり、しかもインク含浸体から
のインク漏れを軽減することのできる図７乃至図９に示
すようなスタンプ装置を既に提案している。

【０００４】同図に示すように、このスタンプ装置１０
０は、把持部１０２を有する直方体状のスタンプ本体１
０１と、スタンプ本体１０１の下面部に取り付けられた
インク含浸体１０３と、穿孔画像が形成された孔版原紙
Ｋと、スタンプ本体１０１に着脱自在に外嵌されるスカ
ート部材１０５等で構成される。

【０００５】スカート部材１０５はその底面部に開口部
１０６を有し、スカート部材１０５の相対向する１対の
内壁面１０７には、開口部１０６の上方第１高さ部位
に、内壁面１０７から内側へ開口部１０６の外周縁に対
応する位置まで突出して水平方向に延びる内側下がり傾
斜状の傾斜案内面１１０を有する第１案内部１０９が設
けられ、前記とは異なる相対向する１対の内壁面１０８
には、開口部１０６の上方第１高さよりも低い第２高さ
部位に、内壁面１０８から内側へ開口部１０６の外周縁
に対応する位置まで突出して水平方向に延びる内側下が
り傾斜状の傾斜案内面１１２を有する第２案内部１１１
が設けられ、図８に示すように、スカート部材１０５内
部の４隅の各々の第１案内部１０９と第２案内部１１１
との間には、孔版原紙Ｋが第１案内部１０９及び第２案
内部１１１で案内されて折り込まれた際に、孔版原紙Ｋ
の角部分を逃がすための逃し部１１３が形成されてい
る。

【０００６】孔版原紙Ｋをスタンプ本体１０１へ装着す
る場合、シート状の孔版原紙Ｋをインク含浸体１０３の
下面に付着させた状態で、スタンプ本体１０１の下部に
スカート部材１０５を外嵌合させていくと、まず、１対
の第１案内部１０９の傾斜案内面１１０により、孔版原
紙Ｋの外周部の平行な両辺部が案内されてスタンプ本体
１０１の側面に密着し、次に、１対の第２案内部１１１
の傾斜案内面１１２により、孔版原紙Ｋの外周部の前記
両辺部とは異なる平行な両辺部が案内されてスタンプ本
体１０１の側面に密着する。そして、図９に示すよう
に、折り曲げられた孔版原紙Ｋの４隅には耳部１１４が
形成され、この耳部１１４が前記逃し部１１３に収ま
る。

【０００７】このスタンプ装置１００によれば、孔版原
紙Ｋをスタンプ本体１０１へ装着する際に、まず第１案
内部１０９により、ついで第２案内部１１１により孔版
原紙Ｋを折り曲げているので、支障なくこれを折り曲げ
ることができ、当該折り曲げ部が破断するという不都合
を生じない。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】上述したスタンプ装置
１００の、孔版原紙Ｋの第１案内部１０９及び第２案内
部１１１に対応する部分の外周縁部は、当該第１案内部
１０９及び第２案内部１１１により垂直に折り返されて
スタンプ本体１０１の側面に密着しているが、耳部１１
４はスタンプ本体１０１の側面には密着しておらず、そ
の上端部はむしろ開口した状態となっている。

【０００９】また、図１０に示すように、スカート部材
１０５の上端部はスタンプ本体１０１に接触しておら
ず、スカート部材１０５の上端部とスタンプ本体１０１
との間に間隙１１５があり、前記逃し部１１３はこの間
隙１１５を介して外部と連通している。

【００１０】従って、前記インク含浸体１０３に保持さ
れるインク量が多い場合には、このスタンプ装置１００
を横置きにすると、前記耳部１１４の開口部からインク
が流れ出し、これがスカート部材１０５の上端部とスタ
ンプ本体１０１との間隙１１５を通って外部に漏れ出す
という不都合を生じる。

【００１１】スタンプ装置１００を立てた状態で使用す
る場合にはこのような漏れの問題は生じないのである
が、一般消費者である使用者にこのような厳密な取り扱
いを求めるのは困難であり、結局使用者の扱い勝手を良
くするには、スタンプ装置１００を横置きにした場合に
でも、インク漏れを生じないようにする必要がある。

【００１２】本発明は、かかる課題を解決すべくなされ
たものであって、インク含浸体に保持されるインクが外
部に漏れ難いスタンプ装置の提供を目的とする。

【００１３】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の請求項１に係る発明は、把持部を有し下面部
が矩形状に形成されるスタンプ本体と、インクが含浸さ
れ前記スタンプ本体の下面部に取り付けられるインク含
浸体と、穿孔画像が形成され且つ前記インク含浸体の下
面よりも大きく形成されてインク含浸体の下面部を覆う
孔版原紙と、上下面に貫通する矩形状の貫通孔を備える
とともに、該貫通孔の相対向する１対の辺縁部に該各辺
に沿って立設され、前記スタンプ本体の下端外側面に嵌
合する第１ガイド部材を備え、該第１ガイド部材よりも
低い高さを有し且つ前記貫通孔の前記辺縁部とは異なる
相対向する１対の辺縁部に該各辺に沿って立設され、前
記スタンプ本体の前記と異なる下端外側面に嵌合する第
２ガイド部材を備え、まず、前記第１ガイド部材が前記
インク含浸体の下面部に設けられる孔版原紙の側縁部を
押し返し、ついで第２ガイド部材が前記孔版原紙の前記
と異なる側縁部を折り返して該第１ガイド部材及び第２
ガイド部材が前記スタンプ本体の下端外側面に嵌合する
ように構成され、前記スタンプ本体に嵌合した際に前記
インク含浸体の下面に対応する前記孔版原紙の印面部が
前記貫通孔から外部に臨むように構成されてなるスカー
ト部材とを備え、前記孔版原紙と前記インク含浸体とを
印刷対象体に押圧して穿孔画像を該印刷対象体に印刷す
るスタンプ装置において、前記スカート部材に、前記第
１ガイド部材及び第２ガイド部材により折り返されて形
成される孔版原紙の耳部を前記第１ガイド部材側又は第
２ガイド部材側に折り返す第３ガイド部材を設けたこと
を特徴とするものである。

【００１４】この発明によれば、側縁部を折り返し形成
された孔版原紙の耳部を、第３ガイド部材により更に折
り返しているので、当該耳部が前記スタンプ本体の側面
に密着し、孔版原紙がインク含浸体を密閉状に包み込む
ので、スタンプ装置を横置きにした場合であってもイン
クが当該耳部から容易には漏洩しない。

【００１５】また、請求項２に係る発明は、把持部を有
し下面部が矩形状に形成されるスタンプ本体と、インク
が含浸され前記スタンプ本体の下面部に取り付けられる
インク含浸体と、穿孔画像が形成され且つ前記インク含
浸体の下面よりも大きく形成されてインク含浸体の下面
部を覆う孔版原紙と、上下面に貫通する矩形の貫通孔を
有し且つ前記スタンプ本体の下部に下方より嵌合するよ
うに設けられ、前記スタンプ本体に嵌合した際に前記イ
ンク含浸体の下面に対応する前記孔版原紙の印面部が前
記貫通孔から外部に臨むように構成してなるスカート部
材とを備え、孔版原紙とインク含浸体とを印刷対象体に
押圧して穿孔画像を該印刷対象体に印刷するスタンプ装
置において、前記スタンプ本体が、前記インク含浸体を
下面に保持するインク含浸体保持部を下面に備えるとと
もに、該インク含浸体保持部の外側の下面外周縁に立設
される外壁を備え、前記スカート部材が、上下面に貫通
した矩形状の貫通孔を中央部に備えた矩形平板状の基盤
と、該基盤の上面外周縁に立設され、前記スタンプ本体
の外壁に嵌合する係合壁と、前記貫通孔の相対向する１
対の辺縁部に該各辺に沿って立設され、前記インク含浸
体保持部の下端外側面に嵌合する第１ガイド片と、該１
対の第１ガイド片間に設けられ且つ前記貫通孔の前記辺
縁部とは異なる相対向する１対の辺縁部に該各辺に沿っ
て立設されるとともに、前記第１ガイド片と適宜間隔を
あけて設けられ、前記インク含浸体保持部の前記と異な
る下端外側面に嵌合する１対の第２ガイド片と、前記係
合壁と第２ガイド片との間にそれぞれ立設される１対の
第３ガイド片とを備え、前記第１ガイド片，第２ガイド
片及び第３ガイド片の上端の高さを第１ガイド片，第２
ガイド片，第３ガイド片の順に高くなるように設けられ
るとともに、第３ガイド片の両端部が第１ガイド片と第
２ガイド片との間隙に位置するように屈曲し且つ第１ガ
イド片の側面に接合するように形成されてなり、前記ス
カート部材を前記スタンプ本体に取り付ける際に、ま
ず、前記第１ガイド片が前記インク含浸体の下面部に設
けられる前記孔版原紙の側縁部を折り返し、ついで第２
ガイド片が前記孔版原紙の前記とは異なる側縁部を折り
返し、ついで第１ガイド片及び第２ガイド片により折り
返されて形成される前記孔版原紙の耳部を第３ガイド片
により折り返し、該耳部を第２ガイド片と第３ガイド片
との間隙に案内するように構成したことを特徴とするも
のである。

【００１６】この発明によれば、上記請求項１に係る発
明と同様に、側縁部を折り返し形成された孔版原紙の耳
部を、第３ガイド片により更に折り返しているので、当
該耳部が前記インク含浸体保持部の側面に密着し、孔版
原紙がインク含浸体を密閉状に包み込むので、スタンプ
装置を横置きにした場合であってもインクが当該耳部か
ら容易には漏洩しない。また、前記耳部を第２ガイド片
と第３ガイド片の間隙に案内するようにしているので、
仮に当該耳部からインクが漏洩しても、漏洩したインク
は当該第２ガイド片と第３ガイド片の間隙に毛細管現象
によって保持され、更にスカート部材の係合壁とスタン
プ本体の外壁が係合するように両者を組み付けているの
で、前記第２ガイド片と第３ガイド片との間隙はスタン
プ本体とスカート部材とで形成される閉空間内にあり、
例え前記間隙からインクが更に漏れ出したとしても、前
記係合壁及び外壁が障害となって更にスタンプ装置外に
インクが漏れ出すのが抑制される。

【００１７】また、請求項３に係る発明は、請求項２の
発明の前記スカート部材の前記第３ガイド片及び係合壁
で挟まれる空間を形成する内壁の角部を曲面に形成した
ことを特徴とするものである。この内壁の角部が鋭角で
あると、第２ガイド片と第３ガイド片の間隙からインク
が漏れ出した場合に、この角部の毛細管現象によって前
記係合壁と外壁との接合部にインクを導く経路が形成さ
れることがある。請求項３に係る発明によれば、前記角
部を曲面に形成し、これを鈍角にしているので、同部に
毛細管現象によるインク導出経路は形成されず、更にイ
ンク漏れを生じ難いものとなっている。

【００１８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施形態
に係るスタンプ装置ついて添付図面に基づき説明する。

【００１９】図１は本実施形態に係るスタンプ装置を各
部材に分解して示す斜視図であり、図４は組み付けたス
タンプ装置を図１に示す矢示Ａ−Ａ方向から視て示す断
面図であるが、同図に示すように、このスタンプ装置１
は、スタンプ本体２と、このスタンプ本体２の下面に貼
着されるインク含浸体８と、このインク含浸体８の下面
に設けられる孔版原紙Ｋと、スタンプ本体２の下端部に
装着されるスカート部材１０と、スカート部材１０の下
端部に装着されるカバー３１とを備えてなるものであ
る。以下、各部の詳細について説明する。

【００２０】図１及び図４に示すように、前記スタンプ
本体２は、矩形平板状の基盤３と、この基盤３の下面に
設けられ、下方に開口する適宜空間５ａを有する矩形筐
体状のインク含浸体保持部５と、このインク含浸体保持
部５の外側であり且つ前記基盤３の下面外周縁に立設し
た外壁６と、基盤３の上面に設けた把持部４とを備えた
構造を有するものである。

【００２１】前記インク含浸体８は合成樹脂発泡体，不
織布等、インクを保持し得る素材を矩形平板状に成形し
て得られるものであり、前記インク含浸体保持部５の下
面に当該下面から突出するように貼着されている。そし
て、前記インク含浸体保持部５の空間に貯留されるイン
クが開口部より滲み出し、当該インク含浸体８に保持さ
れる。

【００２２】前記孔版原紙Ｋは感熱性の孔版原紙からな
るもので、サーマルプリンタ等により所望の画像が穿孔
可能に形成されており、少なくとも前記インク含浸体保
持部５の下面よりも大きい面積となるように裁断されて
いる。

【００２３】図２は前記スカート部材１０を図１におけ
る上方から視た平面図であるが、図１及び図２に示すよ
うに、このスカート部材１０は、中央部が上下面に貫通
した矩形の貫通孔１３を備える矩形平板状の基盤１１
と、この基盤１１の上面外周縁に立設され、前記スタン
プ本体２の外壁６に外嵌合する係合壁１２と、前記貫通
孔１３の長辺縁部のそれぞれに相互に対向するように立
設される１対の第１ガイド片１４，１４と、この１対の
第１ガイド片１４，１４の間に設けられ且つ前記貫通孔
１３の短辺縁部のそれぞれに相互に対向するように立設
されるとともに、前記第１ガイド片１４，１４と適宜間
隔をあけて設けられる１対の第２ガイド片１５，１５
と、前記係合壁１２，１２と第２ガイド片１５，１５と
の間にそれぞれ立設される１対の第３ガイド片１６，１
６とを備えた構造を有するものである。

【００２４】前記第１ガイド片１４，第２ガイド片１
５，第３ガイド片１６の上端の高さは、第１ガイド片１
４が最も高く、ついで第２ガイド片１５が高く、第３ガ
イド片１６が最も低くなるように設定されている。ま
た、第３ガイド片１６は、その両端部が第１ガイド片１
４と第２ガイド片１５との間隙に位置するように屈曲し
且つ第１ガイド片１４の側面に接合するように設けられ
ている。そして、このスカート部材１０を前記スタンプ
本体２の下端部に取り付けると、全体として輪環状に形
成される１対の第１ガイド片１４，１４及び第２ガイド
片１５，１５がインク含浸体保持部５の外側面に外嵌合
する。

【００２５】また、図３は図２の矢視Ｂ−Ｂ方向の断面
図であるが、同図に示すように、側壁１２と第１ガイド
片１４との間の基盤１１下面には、前記カバー３１と係
合する凹部１７が設けられており、係合壁１２と第３ガ
イド片１６との間及び第２ガイド片１５と第３ガイド片
１６との間の基盤１１の上面１１ｂは、係合壁１２と第
１ガイド片１４との間の基盤１１の上面１１ａよりも低
くなっている。また、係合壁１２と第３ガイド片１６と
の間には前記上面１１ａと同じ高さの上面を有するリブ
１８が設けられている。

【００２６】前記カバー３１は上部が開口した筐体状の
部材からなり、上端の両側縁に前記スカート部材１０の
凹部１７と係合する係合部３２を備えており、スタンプ
装置１を使用しない場合にはこのカバー３１を前記スカ
ート部材１０に装着する。

【００２７】以上の各部材よりなるスタンプ装置１は以
下のようにして組み付けられる。即ち、まず、展開状態
の孔版原紙Ｋを前記スタンプ本体２の下面に取り付けた
インク含浸体８の下面に付着する。ついで、スカート部
材１０を、その１対の第１ガイド片１４，１４及び第２
ガイド片１５，１５が前記インク含浸体保持部５の外側
面に外嵌合するようにスタンプ本体２の下端部に取り付
ける。

【００２８】これにより、まず、最も高さの高い第１ガ
イド片１４，１４によって、これに当接する孔版原紙Ｋ
の側縁部が折り曲げられ、図５（ａ）に示すように、同
側縁部がインク含浸体保持部５の外側面に沿うように立
ち上げられる。ついで、第２ガイド片１５，１５によっ
て、これに当接する孔版原紙の残りの側縁部が折り曲げ
られ、同図（ｂ）に示すように、同側縁部がインク含浸
体保持部５の外側面に沿うように立ち上げられ、耳部Ｍ
が形成される。ついで、同図（ｃ）に示すように、第３
ガイド片１６，１６の屈曲部に案内されて、孔版原紙Ｋ
の耳部Ｍが第２ガイド片１５と第３ガイド片１６との間
に位置するように折り曲げられる。この後、インク含浸
体保持部５の下端部がスカート部材１０貫通孔１３に嵌
挿され、インク含浸体８がこれに当接する孔版原紙Ｋと
ともにスカート部材１０の下端面より下方に突出する
（突出した部分が印面部となる）一方、スカート部材１
０の係合壁１２がスタンプ本体２の外壁６に嵌合し、ス
タンプ本体２の下端部にスカート部材１０が取り付けら
れる。

【００２９】このように、スタンプ装置１によれば、孔
版原紙Ｋの取り付けを迅速且つ容易に行うことができ
る。また、耳部Ｍの下端角部Ｍａはしっかりと折り込ま
れるので、前述した従来のものに当たる図５（ｂ）に示
した耳部Ｍに比べてその開口度合いが小さく、例えば図
６に示すようにスタンプ装置１を横置きにした場合にも
同部から容易にはインクが漏出しない。

【００３０】しかしながら、インク含浸体保持部５の下
端部を孔版原紙Ｋにより包み完全に密閉することは困難
であるので、スタンプ装置１を横置きにした場合当該耳
部Ｍからインクが多少漏れ出る場合がある。この場合に
は前述したように当該耳部Ｍが第２ガイド片１５と第３
ガイド片１６との間に位置しているので、インクは耳部
Ｍから第２ガイド片１５と第３ガイド片１６との間隙に
漏出し、毛細管現象により同間隙内に保持される。斯く
して第２ガイド片１５と第３ガイド片１６との間隙は漏
れ出たインクの溜まり部として機能する。

【００３１】また、スカート部材１０の係合壁１２とス
タンプ本体２の外壁６とが係合して両者が組み付けられ
るので、前記第２ガイド片１５と第３ガイド片１６との
間隙はスタンプ本体２とスカート部材１０とで形成され
る閉空間内にあり、例え前記間隙からインクが更に漏れ
出したとしても、前記係合壁１２及び外壁６が障害とな
ってスタンプ装置１外に更にインクが漏れ出すのが抑制
される。

【００３２】また、前記第２ガイド片１５と第３ガイド
片１６との間隙からインクが漏出し、第３ガイド片１６
の表面を伝って係合壁１２と第３ガイド片１６との間に
インクが移動する場合がある。この場合、例えば図２に
示すリブ１８と係合壁１２及び第３ガイド片１６との接
合部が直角であると、毛細管現象によってこの接合部を
経路とした第３ガイド１６の側面１６ａ−基盤１１の表
面１１ｂ−係合壁１２の内側面１２ａ（図６）というイ
ンクの移動経路が形成され、これを経由して係合壁１２
と外壁６との嵌合部からインクが滲み出すこともある。
そこで、本実施形態においては、図２に示すようにリブ
１８と係合壁１２及び第３ガイド片１６との接合部をＲ
形状に形成し、同部に毛細管現象によるインクの移動経
路が形成されるのを防止した。

【００３３】以上、本発明の一実施形態について説明し
たが、本発明の具体的な形態がこれに限定されるもので
ないことは言うまでもない。

【００３４】

【発明の効果】以上に詳述したように、請求項１に係る
発明によれば、側縁部を折り返し形成された孔版原紙の
耳部を、第３ガイド片により更に折り返しているので、
当該耳部が前記スタンプ本体の側面に密着し、孔版原紙
がインク含浸体を密閉状に包み込むので、スタンプ装置
を横置きにした場合であってもインクが当該耳部から容
易には漏洩しない。

【００３５】また、請求項２に係る発明によれば、更
に、前記耳部を第２ガイド片と第３ガイド片の間隙に案
内するようにしているので、仮に当該耳部からインクが
漏洩しても、漏洩したインクは当該第２ガイド片と第３
ガイド片の間隙に毛細管現象によって保持され、更にス
カート部材の係合壁とスタンプ本体の外壁が係合するよ
うに両者を組み付けるようにしているので、前記第２ガ
イド片と第３ガイド片との間隙はスタンプ本体とスカー
ト部材とで形成される閉空間内にあり、例え前記間隙か
らインクが更に漏れ出したとしても、前記係合壁及び外
壁が障害となってスタンプ装置外に更にインクが漏れ出
すのが抑制される。

【００３６】また、請求項３に係る発明によれば、スカ
ート部材の第３ガイド片及び係合壁で挟まれる空間を形
成する内壁の角部を曲面に形成し、これを鈍角にしてい
るので、同部に毛細管現象によるインク導出経路が形成
されず、更にインク漏れが生じ難い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態に係るスタンプ装置を各部材
に分解して示す斜視図である。

【図２】スカート部材を図１における上方から視た平面
図である。

【図３】図２の矢視Ｂ−Ｂ断面図である。

【図４】組み付けたスタンプ装置を図１に示す矢示Ａ−
Ａ方向から視て示す断面図である。

【図５】孔版原紙の折り返し作用を説明するための説明
図である。

【図６】スタンプ装置を横置きにした状態を一部省略し
て示す断面図である。

【図７】従来のスタンプ装置を各部材に分解して示す斜
視図である。

【図８】従来装置のスカート部材を一部省略して示す平
面図である。

【図９】従来装置の孔版原紙の折り返し作用を説明する
ための斜視図である。

【図１０】組み付けた従来のスタンプ装置を示す斜視図
である。

【符号の説明】

１ スタンプ装置 ２ スタンプ本体 ３ 基盤 ４ 把持部 ５ インク含浸体保持部 ６ 外壁 ８ インク含浸体 １０ スカート部材 １１ 基盤 １２ 係合壁 １３ 貫通孔 １４ 第１ガイド片 １５ 第２ガイド片 １６ 第３ガイド片 １７ 凹部 １８ リブ １９ カバー Ｋ 孔版原紙 Ｍ 耳部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 把持部を有し下面部が矩形状に形成され
   るスタンプ本体と、 インクが含浸され前記スタンプ本体の下面部に取り付け
   られるインク含浸体と、 穿孔画像が形成され且つ前記インク含浸体の下面よりも
   大きく形成されてインク含浸体の下面部を覆う孔版原紙
   と、 上下面に貫通する矩形状の貫通孔を備えるとともに、該
   貫通孔の相対向する１対の辺縁部に該各辺に沿って立設
   され、前記スタンプ本体の下端外側面に嵌合する第１ガ
   イド部材を備え、該第１ガイド部材よりも低い高さを有
   し且つ前記貫通孔の前記辺縁部とは異なる相対向する１
   対の辺縁部に該各辺に沿って立設され、前記スタンプ本
   体の前記と異なる下端外側面に嵌合する第２ガイド部材
   を備え、まず、前記第１ガイド部材が前記インク含浸体
   の下面部に設けられる孔版原紙の側縁部を押し返し、つ
   いで第２ガイド部材が前記孔版原紙の前記と異なる側縁
   部を折り返して該第１ガイド部材及び第２ガイド部材が
   前記スタンプ本体の下端外側面に嵌合するように構成さ
   れ、前記スタンプ本体に嵌合した際に前記インク含浸体
   の下面に対応する前記孔版原紙の印面部が前記貫通孔か
   ら外部に臨むように構成されてなるスカート部材とを備
   え、 前記孔版原紙と前記インク含浸体とを印刷対象体に押圧
   して穿孔画像を該印刷対象体に印刷するスタンプ装置に
   おいて、 前記スカート部材に、前記第１ガイド部材及び第２ガイ
   ド部材により折り返されて形成される孔版原紙の耳部を
   前記第１ガイド部材側又は第２ガイド部材側に折り返す
   第３ガイド部材を設けたことを特徴とするスタンプ装
   置。
2. 【請求項２】 把持部を有し下面部が矩形状に形成され
   るスタンプ本体と、インクが含浸され前記スタンプ本体
   の下面部に取り付けられるインク含浸体と、穿孔画像が
   形成され且つ前記インク含浸体の下面よりも大きく形成
   されてインク含浸体の下面部を覆う孔版原紙と、上下面
   に貫通する矩形の貫通孔を有し且つ前記スタンプ本体の
   下部に下方より嵌合するように設けられ、前記スタンプ
   本体に嵌合した際に前記インク含浸体の下面に対応する
   前記孔版原紙の印面部が前記貫通孔から外部に臨むよう
   に構成してなるスカート部材とを備え、孔版原紙とイン
   ク含浸体とを印刷対象体に押圧して穿孔画像を該印刷対
   象体に印刷するスタンプ装置において、 前記スタンプ本体が、前記インク含浸体を下面に保持す
   るインク含浸体保持部を下面に備えるとともに、該イン
   ク含浸体保持部の外側の下面外周縁に立設される外壁を
   備え、 前記スカート部材が、上下面に貫通した矩形状の貫通孔
   を中央部に備えた矩形平板状の基盤と、該基盤の上面外
   周縁に立設され、前記スタンプ本体の外壁に嵌合する係
   合壁と、前記貫通孔の相対向する１対の辺縁部に該各辺
   に沿って立設され、前記インク含浸体保持部の下端外側
   面に嵌合する第１ガイド片と、該１対の第１ガイド片間
   に設けられ且つ前記貫通孔の前記辺縁部とは異なる相対
   向する１対の辺縁部に該各辺に沿って立設されるととも
   に、前記第１ガイド片と適宜間隔をあけて設けられ、前
   記インク含浸体保持部の前記と異なる下端外側面に嵌合
   する１対の第２ガイド片と、前記係合壁と第２ガイド片
   との間にそれぞれ立設される１対の第３ガイド片とを備
   え、前記第１ガイド片，第２ガイド片及び第３ガイド片
   の上端の高さが第１ガイド片，第２ガイド片，第３ガイ
   ド片の順に高くなるように設けられるとともに、第３ガ
   イド片の両端部が第１ガイド片と第２ガイド片との間隙
   に位置するように屈曲し且つ第１ガイド片の側面に接合
   するように形成されてなり、 前記スカート部材を前記スタンプ本体に取り付ける際
   に、まず、前記第１ガイド片が前記インク含浸体の下面
   部に設けられる前記孔版原紙の側縁部を折り返し、つい
   で第２ガイド片が前記孔版原紙の前記とは異なる側縁部
   を折り返し、ついで第１ガイド片及び第２ガイド片によ
   り折り返されて形成される前記孔版原紙の耳部を第３ガ
   イド片により折り返し、該耳部を第２ガイド片と第３ガ
   イド片との間隙に案内するように構成したことを特徴と
   するスタンプ装置。
3. 【請求項３】 前記スカート部材の前記第３ガイド片及
   び係合壁で挟まれる空間を形成する内壁の角部を曲面に
   形成したことを特徴とする請求項２記載のスタンプ装
   置。