JP4003312B2 - スタンプユニット - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スカート部材と、スカート部材内で上下摺動可能に保持されるとともに下端部にて印材を保持するホルダ部材と、ホルダ部材の上方に連結されてホルダ部材を下方に移動させるグリップ部材とを有してなり、ホルダ部材をスカート部材の下から挿通すると、スカート部材に設けられた弾性部材により、ホルダ部材がスカート部材内で上方に付勢されて摺動可能に保持され、ホルダ部材の上方にグリップ部材を連結すると一体化されるスタンプユニットに関し、特に、ホルダ部材をスカート部材の下から挿通する際の弾性部材の外れを防止することができるスタンプユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、各種タイプのスタンプユニットが提案されており、かかるスタンプユニットに使用される印判の作成方法に着目した場合、その1つのタイプとしては、例えば、特願平9−249983号(本出願人により出願中)の明細書、図面に記載されているように、グリップ部材、ホルダ部及びスカート部を備え、ホルダ部がスカート部内で上下に移動可能となるようにホルダ部とグリップ部材とを連結し、また、ホルダ部の下面に印面形成部材(印材)を配設したスタンプユニットが存在する。
【0003】
かかるスタンプユニットでは、印面形成部材は、硬質多孔性樹脂からなる上側層、及び、カーボンブラック等の光エネルギ吸収物質を分散させた軟質多孔性樹脂からなる下側層を有する2層構造に形成されている。この印面形成部材を製版するには、先ず、スタンプ製造装置内でロール状の透明フィルムを搬送しつつサーマルヘッド及び転写リボンを介して文字、画像を印刷してポジ原稿を作成し、このポジ原稿を透明アクリル板上へ搬送する。次に、このポジ原稿と印面成形部材の下側層とが対向するように、ホルダ部、スカート部及びグリップ部材を一体化してなるスタンプユニットをスタンプ製造装置にセットする。この状態で、透明アクリル板の下方に配置されているキセノン管を発光させると、ポジ原稿を通して光が印面形成部材の下側層に照射される。
【0004】
これにより、原稿の透明部分に対応して光が照射された下側層の部分だけが光吸収材の発熱作用によって溶融された後固化され、一方、溶融固化されなかった印面形成部材の下側層は、原稿の文字等に対応してそのまま残存することとなる。これにより、印面形成部材の下面に印判が形成される。そして、文字等を印刷する場合、印面形成部材の下面に外側からインクを塗布して印面形成部材下面の非溶融固化部(文字等を構成する)からインクを含浸させた後、スタンプユニットを印刷用紙上の所望位置に配置した状態で、グリップ部材を下方に押圧すると、印面形成部材内に含浸されたインクが非溶融固化部から印刷用紙に付着し、これにより文字等の印刷が行われる。
【0005】
しかしながら、前記スタンプユニットでは、ホルダ部の下面に配置された印面形成部材に印判を形成するに際して、ホルダ部、スカート部及びグリップ部材を一体化したスタンプユニット全体をスタンプ製造装置内にセットした状態で印面形成部材の下面に印判を形成するように構成されている。かかる場合、スタンプユニット全体を収納する収納部をスタンプ製造装置内に設ける必要があり、また、これに付随して各種の部材を配置するスペースが必要となる。従って、スタンプ製造装置自体も必然的に大型化してしまうとともに、コストアップを招来するという問題がある。
【0006】
また、印面形成部材の下面に正確且つ綺麗な印判を形成するためには、スタンプユニットをスタンプ製造装置内の所定製版位置に正確にセットする必要があるが、このようにスタンプユニットをスタンプ製造装置内に正確にセットするについては、スタンプユニット側に位置決めの基準となる凹部、穴等を形成しなければならない場合が多い。かかる場合、スカート部はスタンプ装置の外部に露出されるので、位置決めのための凹部や穴等をスカート部に形成すると、スタンプユニット全体の美観が損なわれたり、また、デザイン上のデメリットが顕著になる問題がある。この点、例えば、ホルダ部は、スカート部内に配置されてスタンプユニットの外部からは見えないので、ホルダ部に対して前記した位置決めの基準となる凹部等を形成しても何ら問題はない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、特願平10−065242号(本出願人により出願中)の明細書、図面に記載されているように、スタンプユニットを形成する前のホルダ部材をスタンプ製造装置内にセットした状態で印面形成部材の下面に印判を形成するように、スタンプ製造装置を構成し、印判が形成された後のホルダ部材をスカート部材内に挿通するという簡単な作業だけで、ホルダ部材がスカート部材内で上方に付勢されて摺動可能に保持されるようにしたスタンプユニットが提案されている。
【0008】
しかしながら、印判が形成された後のホルダ部材をスカート部材内に挿通するという作業は、スタンプ製造装置を操作することのできる一般人により行われる。そのため、ホルダ部材をスカート部材内に挿通する作業が適切でない場合に、ホルダ部材をスカート部材内で上方に付勢するための弾性部材が外れたりして、スタンプユニットの一体化に失敗することがあるということが判明した。
【0009】
本発明は前記従来の問題点を解消するためになされたものであり、ホルダ部材をスカート部材内に挿通するという簡単な作業により、スカート部材内でホルダ部材を上方に付勢しつつ摺動可能に保持することができ、スタンプユニットの一体化が誰でも確実にできるスタンプユニットを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する、請求項1のスタンプユニットは、スカート部材と、スカート部材内で上下に摺動可能に保持されるとともに下端部にて印材を保持するホルダ部材と、ホルダ部材の上方に連結されてホルダ部材を下方に移動させるグリップ部材とを有してなり、ホルダ部材をスカート部材の下から挿通することにより、ホルダ部材がスカート部材内で上方に付勢されつつ摺動可能に保持され、ホルダ部材の上方にグリップ部材を連結すると一体化されるスタンプユニットであって、前記スカート部材に設けられた少なくとも一対の第1壁部と、前記ホルダ部材に設けられ、前記第1壁部に対応する少なくとも一対の第2壁部と、前記第1壁部の少なくとも一方に形成された第1係止部と、前記第1係止部が形成された前記第1壁部に対応する前記第2壁部に形成された第2係止部と、前記スカート部材に設けられ、前記第1係止部に一方端が係止されており、前記第2係止部に他方端が係止されることにより、ホルダ部材をスカート部材内で上方に付勢する弾性部材と、前記第1壁部に形成され、前記他方端の途中が外方へ移動するのを規制する規制部材と、を備え、前記第2係止部は、前記第2壁部から外側下方に向かって傾斜して突出する楔状に形成されており、ホルダ部材をスカート部材内に挿通したとき、前記第2係止部の楔形状に基づき前記他方端を乗り越える際に、前記規制部材が前記他方端の外方への移動を規制しつつ、前記他方端が前記第2係止部の下端に係止されるようにしたことを特徴とするものである。
【0011】
請求項1のスタンプユニットによると、ホルダ部材をスカート部材内に挿通したとき、弾性部材の他方端が第2係止部の外方下側に傾斜して突出する楔形状に基づき、外方に押し出されつつ、前記他方端が前記第2係止部を乗り越えようとするが、前記規制部材が前記他方端の途中の外方への移動を規制しているため、スカート部材に予め保持された弾性部材が外れること無く、前記他方端が外方に押し出され、前記第2係止部を乗り越え、第2係止部の下端に係止される。これにより、ホルダ部材をスカート部材内に下から挿通するだけで、スカート部材内でホルダ部材が上方に付勢しつつ摺動可能に保持される。
【0012】
また、請求項2のスタンプユニットは、前記弾性部材は、前記一方端と前記他方端とコイル部とを有する捻りバネから構成されており、前記各第1壁部には、前記コイル部に対する保持部が形成されていることを特徴とする請求項1記載のものである。
【0013】
請求項2のスタンプユニットによると、スカート部材に保持される弾性部材がコイル部を有する占有スペースの小さい捻りバネから構成されているため、コイル部をスカート部材の記第1壁部に設けられた保持部で保持し、スカート部材の第1壁部にコンパクトに設けることができるとともに、前記保持部からの外れの防止に前記規制部材が有効に作用する。
【0014】
また、請求項3のスタンプユニットは、前記各第1壁部には、下端が開放されるとともに前記第2係止部を上下方向に案内する垂直溝が形成され、前記垂直溝に沿って前記規制部材が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のものである。
【0015】
請求項3のスタンプユニットによると、スカート部材の第1壁部の垂直溝に沿って前記規制部材が設けられているため、ホルダ部材の第2係止部が弾性部材の他方端を外方に押し出す際に、この他方端の途中が、ホルダ部材のスカート部材への挿通の間、上下に多少ずれても一定の間隔で規制される。
【0016】
また、請求項4のスタンプユニットは、前記印材が保持されたホルダ部材の状態で、印判製造装置内にホルダ部材をセットして印材から印判を作成した後、ホルダ部材をスカート部材内に挿通することにより、ホルダ部材がスカート部材内に摺動可能に保持される請求項1〜3記載のいずれかのものである。
【0017】
請求項4のスタンプユニットによると、印材を有するホルダ部材だけを印判製造装置にセットして印判を作成し、その後スカート部材にホルダ部材を挿通し、グリップ部材を連結してスタンプユニットを一体化できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0019】
図1は、本実施の形態のスタンプユニットの概略的な全体分解斜視図であり、図2は、インクパック収納部に未開封のインクパックが収納された状態でのスタンプユニットの側断面図である。図3は、インクパック収納部のインクパックが開封された直後のスタンプユニットの側断面図である。図1〜図3に示すように、本実施の形態のスタンプユニット1は、スタンプ印刷時にスタンプユニット1全体を支持するスカート部材2と、スカート部材2内で上下方向に摺動可能に保持できるように配置されるとともにその下端部に熱圧により印材3が保持されたホルダ部材4と、ホルダ部材4に嵌合して連結され、スタンプ印刷時にホルダ部材4を下方に移動させて印材3を印刷用紙(図示せず)に押し付けるためのグリップ部材5と、ホルダ部材4の印材3をカバーおよび保護するためのキャップ部材60とを備えている。
【0020】
ホルダ部材4のインクパック収納部22には、フィルム材から形成された袋状のパック内にインクが充填されてなるインクパック6を収納可能である。インクパック6には印材3において貯溜可能なインク量とほぼ等しい量のインクが袋詰めされている。そして、インクパック6とグリップ部材5の底面との間には、厚板紙37が配置される。上記フィルム材としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン等が単独で若しくはこれらを2種類以上貼り合せたものが使用されている。
【0021】
次に、スタンプユニット1のスカート部材2について、図4〜図6をさらに参照して説明する。図4はスカート部材2の側面図、図5はスカート部材2の端面図、図6はスカート部材2の側断面図である。これらの図において、スカート部材2は、平面視で略長方形の挿通孔10を有しており、挿通孔10にはホルダ部材4を摺動可能に挿通する内壁(第1壁部)11が設けられている。また、スカート部材2は、内壁11の外側で内壁11と一体に形成された外壁12を有する上部スカート部13と、外壁12に連続して若干裾広がりとなるように形成された外壁14を有する下部スカート部15とから一体に構成されている。
【0022】
上部スカート部13の両端面(左右端面)の内壁11の上方位置には、ホルダ部材4を挿通孔10内で常時上方に付勢すべく捻りバネ(弾性部材)16の一方端を係止するバネ係止部(第1係止部)17が形成されている。また、バネ係止部17の斜め下方位置には、捻りバネ16のコイル部が外挿されてコイル部の位置決めを行う半月状の位置決め突起(保持部)18が形成されている。さらに、内壁11の略中央位置には、ホルダ部材4の両端面に形成された傾斜突起(第2係止部)35(後述する)を上下に摺動可能に挿嵌する垂直溝19が形成されている。かかる垂直溝19は、スタンプ印刷時にホルダ部材4が下方に移動する際に、ホルダ部材4の傾斜突起35を上下方向に案内する作用を行う。また、垂直溝19と位置決め突起18との間には、捻りバネ16が端面から離れる方向に動くのを規制して、捻りバネ16と傾斜突起35の下端との係止が解除されないようにするために捻りバネ16が挿入される開口部(図示せず)を有するバネずれ抑制部材(規制部材)9が設けられている。
【0023】
下部スカート部材15は、スタンプ印刷時に印刷用紙上に載置されてスタンプユニット1全体を印刷用紙上で支持するものであり、下部スカート部材15を構成する外壁14の四隅の下端位置には、外壁14の下端縁を印刷用紙の紙面から離間した状態で支持する支持突起20が設けられている。なお、下部スカート部材15における外壁14の四面中央位置には、スタンプ印刷面の中心を示す下向き矢印部21が形成されている。
【0024】
次に、ホルダ部材4について、図7〜図11をさらに参照して説明する。図7はホルダ部材4の斜視図、図8はホルダ部材4の側面図、図9はホルダ部材4の側断面図、図10は平面図、図11は底面図である。これらの図において、ホルダ部材4は、スカート部材2の上部スカート部13と下部スカート部15のそれぞれの形状に合わせて、上部ホルダ部30および下部ホルダ部31とから一体に構成されている。上部ホルダ部30は、平面視で略長方形状の筒状体を構成する周壁32(第2壁部)を有し、周壁32における前側壁および後側壁(図8中には、その一方のみを図示する)の上部には、3つの長穴状の凹溝33が水平方向に整列して形成されている。また、3つの凹溝33の間には、周壁32の壁面から外側下方に傾斜する楔状の規制突起34がそれぞれ設けられている。ここに、各凹溝33には、グリップ部材5のリブ係止溝54(後述する)が嵌合され、これによりホルダ部材4とグリップ部材5とが固定連結されるものである。また、規制突起34は、スタンプ印刷時にホルダ部材4を下方に移動する際に、スカート部材2における上部スカート部13の外壁12の上端縁に当接して、ホルダ部材4の下方移動量を規制する作用を行う。
【0025】
また、上ホルダ部30の周壁32の両端面(図8中、左右端面)には、周壁32の壁面から外側下方に向かって突出するように傾斜した楔状の傾斜突起(第2係止部)35が設けられている。かかる傾斜突起35は、スカート部材2の下側からホルダ部材4を挿入する際に、上スカート部13の垂直溝19内にて上下に摺動可能に挿嵌され、また、傾斜突起35の下端には、捻りバネ16の他方端が係止される。これにより、ホルダ部材4は、傾斜突起35と垂直溝19との協働によりスカート部材2内で上下方向に摺動可能にされ、また、捻りバネ16の一端が上スカート部13のバネ係止部17の下端に係止され、且つ、他端が傾斜突起35の下端に係止されることに基づき、ホルダ部材4はスカート部材2内で常時上方に付勢されることとなる。
【0026】
ホルダ部材4の上部ホルダ部30の周壁32に囲まれたほぼ直方体領域であるインクパック収納部22は、その底面23が平坦面となっており、その中央には下部ホルダ部31に連通するインク供給孔24が設けられている。また、インク供給孔24には、インクパック6を切断開封するための切断リブ25が、底面23よりも若干突出して設けられている。
【0027】
インクパック収納部22の内壁面には、ホルダ部材4の上端から後述する支持柱27(図11参照)の底面にまで達する長穴状の4つのインク補充孔26が設けられている。かかるインク補充孔26は、インクパック6により供給されたインクの印材3における貯溜量が少なくなった時に、ユーザによりインクパックを用いることなく予備的にインクを補給する際に使用される。このとき、インクは、グリップ部材5を取り外した状態でインク補充孔26から注入される。
【0028】
また、図11に示すように、ホルダ部材4の下部ホルダ部31には、長さ数mmの多数の円柱状の支持柱27が格子状に配置されている。支持柱27は下部ホルダ部31の下端から若干引っ込んだ位置であってホルダ部材4に保持された印材3と接触する位置にまで伸延しており、支持柱27の底面は実質的に一つの平面を形成している。また、下部ホルダ部31は、上部ホルダ部30から連続して一体に形成され、周壁32より外側で一回り大きい周壁38を有する。なお、ホルダ部材4は、ABS樹脂、ポリアセタールコポリマー、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン等のポリオレフィン系樹脂、PC樹脂等のいずれかによって形成されている。
【0029】
切断リブ25は、グリップ部材5を押下した際に、厚紙板37との間でインクパック6を挟圧し、インクパック6を破断して開封する作用を行う。かかるインクパック6の開封を確実に行うべく、切断リブ25の両縁部は、尖って形成されている。また、インク供給孔24は、切断リブ25によって開封されたインクパック6から流出したインクを下方に案内するものであり、これによりインクは印材3に含浸されていく。
【0030】
下部ホルダ部31を構成する周壁38の長手壁の外側には、その略中央位置にて内方に向かって傾斜溝43が楔状に形成されており、また、傾斜溝43の両側には、1つまたは2つの検出溝44が形成されている。ここに、傾斜溝43は、本出願人による特願平9−249983号の明細書、図面に開示されたスタンプ製造装置を使用して、印材3から印判を形成する際に、ホルダ部材4をスタンプ製造装置における所定製版位置にセットするための溝である。このとき、傾斜溝43は、その両側が傾斜面に形成されているので、スタンプ製造装置における位置決め機構とホルダ部材4との位置関係が多少ずれた場合においても、位置決め機構の位置決め部材と傾斜面とのカム作用に基づき、ホルダ部材4は、位置決め部材が傾斜溝43の中央位置に当接するように移動されることとなる。これにより、ホルダ部材4は、スタンプ製造装置の所定製版位置にセットされる。また、検出溝44は、その個数および形成位置がホルダ部材4のサイズに従って変更されており、スタンプ製造装置の位置決め機構内に設けられた溝センサとの協働により、ホルダ部材4のサイズを特定するために使用される。なお、周壁38の一壁面における傾斜溝43および検出溝44の形成位置は、他壁面における傾斜溝43、検出溝44の形成位置と回転対称となるように設定されている。これは、ホルダ部材4をスタンプ製造装置の位置決め機構による所定製版位置にセットする際に、前壁と後壁を逆転してセットした場合においても、印材3の製版を可能とするためである。
【0031】
また、周壁38の長手壁における下部位置には、図8に示すように、一対の係止突起45が形成されている。かかる係止突起45は、後述するキャップ部材60の係止溝62に係止され、キャップ部材60を下部ホルダ部31の下端に取り付けるために使用される。これにより、周壁38の下端に保持された印材3の印面はキャップ部材60により保護される。
【0032】
次に、グリップ部材5について、図12〜図14をさらに参照して説明する。図12はグリップ部材5の側面図、図13はグリップ部材5の底面図、図12はグリップ部材5の幅方向における断面図である。
【0033】
これらの図において、グリップ部材5の上面には、前記のように印材3に形成したスタンプ内容を表示するラベル等を貼付するためのラベル貼付部50が形成されている。また、グリップ部材5の内部において、その上壁下面からは、図2、図13および図14に示すように、ホルダ部材4の上部ホルダ部30の周壁32内に挿嵌される挿嵌部51が形成されている。かかる挿嵌部51は、厚紙板37を介してホルダ部材4内に配置されたインクパック6を押圧する作用を行う。
【0034】
また、挿嵌部51は、底面視において図13に示すように、基本的に長方形状を有しており、その両側位置で相互に対向する位置には4つの凹部52が形成されている。かかる凹部52は、グリップ部材5の挿嵌部51をホルダ部材4の周壁32内に挿嵌する際に、周壁32に沿って形成されたインク補充孔26に対応した位置に設けられている。なお、凹部52が二対形成されているのは、どのような状態でグリップ部材5の挿嵌部51を周壁32内に挿嵌した場合においても、インク補充孔26の壁部が挿嵌の支障とならないようにするためである。また、グリップ部材5の内壁面には、複数個(図13には、12個)のリブ53が垂直方向に形成されている。また、各リブ53のうち、長方形の長辺の内側にあるものは、その下端近傍にはリブ係止溝54が一体に形成されている。リブ係止溝54は、前記した周壁32の外面上部に形成された各凹溝33に嵌合されるものであり、これによりホルダ部材4とグリップ部材5とが一体に連結されるものである。また、各リブ53のうち、長方形の短辺の内側にあるものは、段部55が形成されている。段部55は、印材3による捺印が可能な程度にホルダ部材4をスカート部材2内で下方に摺動させたとき、スカート部材2の長方形の挿通孔10を形成する内壁11の短辺の上端に当たって、ホルダ部材4を捺印に十分な程度以上に摺動させないようになっている。
【0035】
次に、ホルダ部材4の下部ホルダ部31の下端部に取り付けられるキャップ部材60について図15および図16をさらに参照して説明する。図15はキャップ部材60の側面図、図16はキャップ部材60の側断面図である。各図において、キャップ部材60は上方を開放した箱状を有しており、その外壁両側面の略中央位置には、図15に示すように、キャップ部材60をホルダ部材4に取り付ける際、および、取り外す際に指により把持される把持部61が形成されている。また、キャップ部材60の両側内壁面には、前記周壁38に形成された一対の係止突起45が係止される一対の係止溝62が設けられている。キャップ部材60の各係止溝62が周壁38の各係止突起45に係止されることにより、キャップ部材60は周壁38に取り付けられ、これによりキャップ部材60を介して周壁38の下端に保持された印材3の印面が保護されるものである。
【0036】
図1乃至図3において、印材3は、例えば気孔率90%程度のポリビニルホルマールである厚さ3mmの硬質多孔性樹脂からなる上側層71と、上側層71と同じ材料からなる厚さ2mmの硬質多孔性樹脂である中間層72と、例えばカーボンブラック等の光エネルギ吸収物質を分散させた気孔率65%程度のウレタン系樹脂である軟質多孔性樹脂からなる下側層73との3層構造に形成されている。中間層72と下側層73は格子点状に塗付された接着剤によって互いに固定されているが、上側層71と中間層72は人為的に接着されていないフリー状態である。
【0037】
上側層71には直径1〜2mmの断面円形の貫通孔74がそれぞれ複数設けられている。つまり、上側層71および中間層72を1つの硬質多孔性樹脂層として考えると、硬質多孔性樹脂層には下側層73に到達していない凹部が設けられていることになる。3層構造の印材3の上側層71に貫通孔74が設けられているので、インク供給孔24から供給されて上側層71上に拡がったインクが貫通孔74bを通って直ぐに中間層72に到達する。そして、中間層72に達したインクは中間層72内をゆっくりと浸透して下側層73に達する。そのため、本実施の形態のように印材3が3層構造であって硬質多孔性樹脂層の合計厚みが大きい場合であっても、インクが軟質多孔性樹脂層である下側層73に到達するまでの時間は、2層構造であって硬質多孔性樹脂層の合計厚みが比較的小さい場合とほとんど変わらない。従って、本実施の形態のスタンプユニット1によると、例えば5千〜1万回のスタンプ印刷が可能なほどに印材3でのインク貯溜量を増大させつつ、インクパック開封時から下側層73へのインク到達時(すなわち、スタンプ印刷可能時)までに必要な時間を大幅に削減することが可能となる。
【0038】
図2において、印材3の下側層73の周縁とホルダ部材4の下端縁とは熱圧により変形され、下側層73の周縁が斜面に形成されるとともに、ホルダ部材4の下端縁が下側層73の周縁の端を引っ掛けるように押しつぶされてシールされていいる。また、印材3の下側層73の傾斜した周縁は、気孔が熱又は樹脂で塞がれており、インクが漏れでないようになっている。従って、印材の下側層73の周縁を除く部分に印判が形成される。
【0039】
本実施の形態のスタンプユニット1を製造するには、まず、ホルダ部材4をスタンプ製造装置(図示せず)の所定製版位置にセットする。このとき、下部ホルダ部31に形成された傾斜溝43の傾斜面と位置決め機構の位置決め部材とのカム作用に基づき、ホルダ部材4は、スタンプ製造装置の所定製版位置にセットされる。また、各検出溝44と位置決め機構内に設けられた溝センサとの協働により、ホルダ部材4のサイズが特定される。
【0040】
そして、スタンプ製造装置内でロール状の透明フィルムを搬送しつつサーマルヘッドおよび転写リボンを介して文字、画像を透明フィルムに印刷してポジ原稿を作成する。さらに、このポジ原稿と印材3の下側層とが対向するように、両者の間に透明アクリル板を介在させた状態でホルダ部材4をセットする。この状態で、キセノン管を発光させると、ポジ原稿を通して光が印材3の下側層73に照射される。これにより、原稿の透明部分に対応して光が照射された下側層73の一部分だけが光吸収材の発熱作用によって溶融された後固化されてシールされる。一方、溶融固化されなかった部分の印材3の下側層73は、原稿の文字等に対応してそのまま残存することとなる。これにより、印材3の下面にシール部と非シール部とが混在した印判が形成される。
【0041】
また、前記スタンプユニット1においては、ホルダ部材4に印材3を保持した状態でスタンプ製造装置内の所定製版位置にセットし、印材3から印判を作成した後、ホルダ部材4をスカート部材2内部に挿通するだけでホルダ部材4はスカート部材2内で上方に付勢されつつ摺動可能に配置することができる。このとき、印材3を有するホルダ部材4自体をスタンプ製造装置にセットして印判が作成されるので、スタンプユニット1全体をスタンプ製造装置内にセットする場合に比して、スタンプ製造装置の小型化を図ることができる。また、印材3が保持されたホルダ部材4の状態で直接印判を形成することによりスカート部材2に位置決め凹部等を形成することなくホルダ部材4に傾斜溝43、検出溝44を形成することが可能となり、また、ホルダ部材4はスカート部材2内に配置されて外部からは見えないので、スタンプユニット1の美観を維持することが可能となる。
【0042】
図17は、ホルダ部材4をスカート部材2の下から挿通することにより、ホルダ部材4をスカート部材2内で上方に付勢されつつ摺動可能に保持する構造の詳細を示す。スカート部材2は略長方形の内壁11で囲われた挿通孔10を有し、略長方形の挿通孔10の短辺が一対の第1壁部11aを形成している。ホルダ部材4の長方形の周壁32の短辺側が、第1壁部11aに対応する第2壁部32aを形成している。
【0043】
スカート部材2の第1壁部11aには、第1係止部としてのバネ係止部17と、保持部としての半円状の位置決め突起18と、規制部材としてのバネずれ抑制部材9と、垂直溝19とが設けられている。保持部18は、弾性部材としての捻りバネ16のコイル部16aを片持ち状の突起に嵌めて位置ずれしないように保持するものである。第1係止部17は、捻りバネで構成された弾性部材16の一方端16bを係止する。また、第1壁部11aと外壁12との間には、後述する第2係止部35と同じ向きに傾斜し、弾性部材16の他方端16cの上限を決める係止部12aが設けられている。この係止部12aにより、弾性部材16の他方端16cを上向きに付勢した状態でスカート部材2に予め取り付けておくことができる。下端が開放される垂直溝19は、後述する第2係止部35を上下方向に案内するためのものである。規制部材9は、第1壁部11aと連続する外壁12から第1壁部11aに向かって突出するレール9aであって、弾性部材16の他方端の途中を外方に移動するのを規制し、外方へのずれを抑制するように形成されている。このレール9aは、垂直溝19に沿って所定間隔を隔てて設けられている。またレール9aの上端は第1壁部11aと連続する連続部9bになっているが、上端開放にすることもできる。また、規制部材9は、内壁11に連続する外壁12を介して第1壁部11aに設けられる構成であったが、第1壁部11aから突出し、弾性部材16の他方端16cの途中を止める鉤状に形成することもできる。
【0044】
ホルダ部材4の第2壁部32aに設けられた傾斜突起35は、弾性部材16の他方端16aに対する第2規制部材となる。この第2規制部材35は、外側下方に向かって傾斜する楔形状になっている。図示のように、ホルダ部材4がスカート部材2の下方から挿通されると、第2係止部35の傾斜部35aが弾性部材16の他方端16cを外方に押し出すが、他方端16cのコイル部16aに至る途中が規制部材9のレール9aで規制されている。そのため、弾性部材16の他方端16cは規制部材9のレール9a以降が外方に変形し、弾性部材16のコイル部16aは内方に押される。弾性部材16の他方端16cが第2係止部35の傾斜部35aを乗り越えると、弾性部材16の他方端16cは係止部12aの傾斜に沿って第1壁部11a側の内方に位置し、第2係止部35の下端35bに係止される。すると、弾性部材16の他方端16cは、第2係止部35を介して、ホルダ部材4の全体を上方に付勢するとともに、スカート部材2内にホルダ部材4の全体を、上下摺動可能に保持する。なお、スカート部材2内におけるホルダ部材4の上限位置は、図1において、スカート部材2の段部14aの下側に、ホルダ部材4の段部31aが当たることにより決まる。
【0045】
このような弾性部材16は、スカート部材2とホルダ部材4の対向する短辺側の両方にそれぞれ設けられる。ただし、スカート部材2とホルダ部材4の対向する長辺側を含めて4個設けることもできる。
また、挿通孔10の短辺側及び長辺側の長さの差が小さく、即ち正方形に近似した形であり、かつ共に長さが短い場合は、短辺側もしくは長辺側の片側のみに弾性部材16を設けてもよい。これにより、部品点数が少なくなると共に、弾性部材16の入るスペースが小さくなるため、インクパックを入れるスペースが増え、インク量が多くなって捺印回数が増える。
さらに、弾性部材16は、捻りバネが好ましいが、一本のロッド状バネであってもよい。
【0046】
図18は、ホルダ部材4の印材3の製版終了後、スカート部材2の下側からホルダ部材4を挿通する状態を示している。同図(A)は挿通初期、同図(B)は挿通終期、同図(C)は挿通完了の時点を示している。同図(A)(B)(C)において、正面の図はホルダ部材4の壁が見える状態の部分断面図であり、上側図はホルダ部材4とスカート部材2の端の上面図であり、右側図はホルダ部材4とスカート部材2の長手方向の縦断面図である。
【0047】
同図(A)において、上部スカート部13の両端面において、捻りバネ(弾性部材)16のコイル部が予め保持部18に位置決めされるとともに、捻りバネ16の一端が第1係止部17に係止された状態のスカート部材2の挿通孔10内に、ホルダ部材4が下方から挿通される。上側図の如く、捻りバネ16の他方端16cは、第1壁部11aの側にあって、規制部材9から離れている。また、右側図の如く、捻りバネ16の他方端16cは、傾斜突起35の斜面で外方に押される直前の状態にある。
【0048】
更にホルダ部材4を挿通すると、同図(B)に示されるように、ホルダ部材4における上部ホルダ部30の周壁32の両端面に形成された第2係止部(傾斜突起)35は、スカート部材2の開放端から垂直溝19内を上方に摺動される。上側図に示されるように、規制部材9以降の弾性部材16の他方端16cが外方に変形するが、他方端16cの途中が規制部材9で規制され、バネ外れが抑制されていることが判る。また、右側図の如く、捻りバネ16の他方端16cは、傾斜突起35の斜面の全部を駆け上がった状態にある。
【0049】
同図(C)に示されるように、第2係止部(傾斜突起)35がその楔形状に従って捻りバネ16の他端を乗り越えた時点で捻りバネ16の他端が第2係止部(傾斜突起)35のの下端に係止される。この状態で、ホルダ部材4は、スカート部材2内で捻りバネ16の付勢力により上方に付勢されるとともに、捻りバネ16の付勢力に抗してホルダ部材4を下方向に摺動可能とする。
【0050】
以上説明したように、ホルダ部材4をスカート部材2内に挿通するという簡単な操作により、ホルダ部材4をスカート部材2内に摺動可能に保持することができ、この挿通時に、規制部材9のレール9aによって弾性部材16の保持部18からの外れが防止されるため、弾性部材16の外れが無いように注意深く挿通作業を行う必要がなくなる。また、スカート部材2に保持される弾性部材16がコイル部16aを有する占有スペースの小さい捻りバネから構成されているため、コイル部16aをスカート部材2の記第1壁部11aに設けられた保持部18で保持し、スカート部材2の第1壁部11aとその第1係止端17にコンパクトに予め設けることができるとともに、ホルダ部材4をスカート部材2内に挿通するときに、特に片持ち状の保持部18から外れやすくなる捻りバネを規制部材9が外れないように規制する。また、スカート部材2の第1壁部11aの垂直溝19に沿って規制部材9が設けられているため、ホルダ部材4の第2係止部35が弾性部材16の他方端16cを外方に押し出す際に、この他方端16cの途中の規制がホルダ部材4のスカート部材2への挿通の間、一定の間隔で規制されるため、ホルダ部材4のスカート部材2への挿通が一気にでき、ホルダ部材4をスカート部材2内に挿通したことの完了が第2係止部35の下端35bに係止されるときの音で明確に判るようになる。
【0051】
前記のようにホルダ部材4とスカート部材2とを組み立てた後、図2のように、インクパック6と厚紙板37をホルダ部材4のインクパック収納部22に入れ、グリップ部材5の挿嵌部51をホルダ部材4の周壁32内に挿嵌する。このように、挿嵌部51を周壁32内に挿嵌した状態で更にグリップ部材5を押下すると、ホルダ部材4内のインクパック6は、厚紙板37と切断リブ25との間で挟圧されていく。このとき、インクパック6に及ぼされる押圧力は、厚紙板37の作用に基づき、インクパック6に対して略均一に及ぼされることとなる。そして、図3の網目部分に示されるように、インクパック6から流出したインクを、インク供給孔24の中に一時貯留することができる。従って、インクパック6が開封された際にインクが一度に流出した場合においても、インクがホルダ部材4から外部に漏出することを防止することができる。また、厚紙板37は、インク吸収能を有していることから、前記のように、グリップ部材5を下方に移動させてホルダ部材4内でインクパック6を開封する際に、インクパック6の上側に流出したインクを吸収してインクがスタンプユニット1の外部に漏出することを防止することができる。
【0052】
インクパック6から流出したインクは、ホルダ部材4の底部全体に渡って均一に分散され、これによりインクを印材3の全体に渡って均一に含浸させることができる。また、グリップ部材5を下方に移動させることによりインクパック6を開封した時点で、グリップ部材5の各リブ53に下端に形成されたリブ突起54は、ホルダ部材4の周壁32の形成された各凹部33に嵌合され、これによりホルダ部材4とグリップ部材5とが一体に連結される。従って、前記のように印材3にインクを含浸させた後、印材3に形成された印判に従って文字等のスタンプ印刷を行う場合には、グリップ部材5とホルダ部材4とは一体に移動し、これよりスタンプ印刷が可能となるものである。
【0053】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。例えば、本発明のスタンプユニットは、ホルダ部材の状態で印判が形成されるものに好適であるが、これに限らず、ホルダ部材をスカート部材の下から挿通すると、スカート部材に設けられた弾性部材により、ホルダ部材がスカート部材内で上方に付勢されて摺動可能に保持され、ホルダ部材の上方にグリップ部材を連結すると一体化できるスタンプユニットであれば、本発明が適用できる。
【0054】
【発明の効果】
請求項1のスタンプユニットによると、ホルダ部材をスカート部材内に挿通するという簡単な操作により、ホルダ部材をスカート部材内に摺動可能に保持することができ、この挿通時に、規制部材によって弾性部材の外れが防止されるため、弾性部材の外れが無いように注意深く挿通作業を行う必要がなくなる。そのため、ホルダ部材をスカート部材の下から挿通し、ホルダ部材の上方にグリップ部材を連結するという操作により、誰でも一体化されたスタンプユニットを簡単に得ることができる。
【0055】
請求項2のスタンプユニットによると、スカート部材に保持される弾性部材がコイル部を有する占有スペースの小さい捻りバネから構成されているため、コイル部をスカート部材の記第1壁部に設けられた保持部で保持し、スカート部材の第1壁部とその第1係止端にコンパクトに予め設けることができるとともに、ホルダ部材をスカート部材内に挿通するときに、前記保持部から外れやすくなる捻りバネを前記規制部材が外れないように規制することができる。
【0056】
請求項3のスタンプユニットによると、スカート部材の第1壁部の垂直溝に沿って前記規制部材が設けられているため、ホルダ部材の第2係止部が弾性部材の他方端を外方に押し出す際に、この他方端の途中の規制がホルダ部材のスカート部材への挿通の間、一定の間隔で規制されるため、ホルダ部材のスカート部材への挿通が一気にでき、ホルダ部材をスカート部材内に挿通することの完了が第2係止部の下端に係止されるときの音で明確に判るようになる。
【0057】
請求項4のスタンプユニットによると、印材を有するホルダ部材だけを印判製造装置にセットして印判を作成し、その後スカート部材にホルダ部材を挿通し、グリップ部材を連結してスタンプユニットを一体化できるので、スタンプユニット全体を印判製造装置内にセットする場合に比して、印判製造装置の小型化を図ることが可能となる。また、印材が保持されたホルダ部材の状態で直接印判を形成することによりスカート部材に位置決め凹部等を形成することなくホルダ部材に位置決め凹部等を形成可能となり、また、ホルダ部材はスカート部材内に配置されて外部からは見えないので、スタンプユニットの美観を維持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態のスタンプユニットの全体分解斜視図である。
【図2】図1のスタンプユニットのインクパック未開封時の側断面図である。
【図3】図1のスタンプユニットのインクパック開封直後の側断面図である。
【図4】図1に示されたスカート部材の側面図である。
【図5】図1に示されたスカート部材の端面図である。
【図6】図1に示されたスカート部材の側断面図である。
【図7】図1に示されたホルダ部材の斜視図である。
【図8】図1に示されたホルダ部材の側面図である。
【図9】図1に示されたホルダ部材の側断面図である。
【図10】図1に示されたホルダ部材の平面図である。
【図11】図1に示されたホルダ部材の底面図である。
【図12】図1に示されたグリップ部材の側面図である。
【図13】図1に示されたグリップ部材の底面図である。
【図14】図1に示されたグリップ部材の断面図である。
【図15】図1に示されたキャップ部材の側面図である。
【図16】図1に示されたキャップ部材の側断面図である。
【図17】ホルダ部材をスカート部材の下から挿通する状態を詳細に示す斜視図である。
【図18】ホルダ部材をスカート部材の下から挿通する状態を段階的に示す作動図である。
【符号の説明】
1 スタンプユニット
2 スカート部材
3 印材
4 ホルダ部材
5 グリップ部材
6 インクパック
9 バネずれ抑制部材(規制部材)
10 挿通孔
11 内壁
11a 第1壁部
16 捻りバネ(弾性部材)
16a コイル部
16b 一方端
16c 他方端
17 バネ係止部(第1係止部)
18 位置決め突起(保持部)
19 垂直溝
32 周壁
32a 第2壁部

Claims (4)

  1. スカート部材と、スカート部材内で上下に摺動可能に保持されるとともに下端部にて印材を保持するホルダ部材と、ホルダ部材の上方に連結されてホルダ部材を下方に移動させるグリップ部材とを有してなり、ホルダ部材をスカート部材の下から挿通することにより、ホルダ部材がスカート部材内で上方に付勢されつつ摺動可能に保持され、ホルダ部材の上方にグリップ部材を連結すると一体化されるスタンプユニットであって、
    前記スカート部材に設けられた少なくとも一対の第1壁部と、
    前記ホルダ部材に設けられ、前記第1壁部に対応する少なくとも一対の第2壁部と、
    前記第1壁部の少なくとも一方に形成された第1係止部と、
    前記第1係止部が形成された前記第1壁部に対応する前記第2壁部に形成された第2係止部と、
    前記スカート部材に設けられ、前記第1係止部に一方端が係止されており、前記第2係止部に他方端が係止されることにより、ホルダ部材をスカート部材内で上方に付勢する弾性部材と、
    前記第1壁部に形成され、前記他方端の途中が外方へ移動するのを規制する規制部材と、を備え、
    前記第2係止部は、前記第2壁部から外側下方に向かって傾斜して突出する楔状に形成されており、ホルダ部材をスカート部材内に挿通したとき、前記第2係止部の楔形状に基づき前記他方端を乗り越える際に、前記規制部材が前記他方端の外方への移動を規制しつつ、前記他方端が前記第2係止部の下端に係止されるようにしたことを特徴とするスタンプユニット。
  2. 前記弾性部材は、前記一方端と前記他方端とコイル部とを有する捻りバネから構成されており、前記各第1壁部には、前記コイル部に対する保持部が形成されていることを特徴とする請求項1記載のスタンプユニット。
  3. 前記各第1壁部には、下端が開放されるとともに前記第2係止部を上下方向に案内する垂直溝が形成され、前記垂直溝に沿って前記規制部材が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のスタンプユニット。
  4. 前記印材が保持されたホルダ部材の状態で、印判製造装置内にホルダ部材をセットして印材から印判を作成した後、ホルダ部材をスカート部材内に挿通することにより、ホルダ部材がスカート部材内に摺動可能に保持される請求項1〜3記載のいずれかのスタンプユニット。
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