JPH11105435A - 熱可逆記録媒体、カード、ラベル、ディスクカートリッジ及びディスクとその製造方法と画像処理方法 - Google Patents

熱可逆記録媒体、カード、ラベル、ディスクカートリッジ及びディスクとその製造方法と画像処理方法

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JPH11105435A
JPH11105435A JP21653498A JP21653498A JPH11105435A JP H11105435 A JPH11105435 A JP H11105435A JP 21653498 A JP21653498 A JP 21653498A JP 21653498 A JP21653498 A JP 21653498A JP H11105435 A JPH11105435 A JP H11105435A
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Kunitoshi Sugiyama
邦利 杉山
Hideyuki Kobori
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Katsuyuki Sugiyama
克之 杉山
Katsuaki Kokubo
勝明 小久保
Koji Kawai
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和夫 細田
Masafumi Moriya
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像耐熱性を維持したまま透明化する温度幅
を広げ、環境温度が変化しても十分な透明性ひいては十
分なコントラストが得られ、かつ良好な繰り返し耐久性
が得られる熱可逆性記録媒体、その製法、これを用いた
画像形成、消去のための画像処理方法そのための画像処
理装置を提供すること。 【解決手段】 樹脂母材及び樹脂母材中に分散された有
機低分子物質を主成分とし、温度に依存して透明度が可
逆的に変化する感熱層を有する熱可逆記録媒体におい
て、下記の3条件を満足することを特徴とする熱可逆記
録媒体。 (1)透明化上限温度が125℃以上 (2)透明化上限温度と白濁化下限温度の温度差が20
℃以下 (3)透明化開始温度が95℃未満

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感熱層の温度によ
る可逆的な透明度変化を利用して、画像の形成及び消去
を何度でも繰り返して行なうことのできる熱可逆記録媒
体、カード、ラベル、ディスクカートリッジ、ディス
ク、テープカセット及び熱可逆記録媒体の製造方法及び
記録、消去方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、一時的な画像表示が行なえ、不要
となったときにはその画像の消去ができ、温度に依存し
て透明度が可逆的に変化する感熱層を有する熱可逆記録
媒体が注目されている。その代表的なものとしては、特
開昭55−154198号に記載の塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体等の樹脂母材中に高級脂肪酸等の有機低分
子物質を分散した熱可逆記録媒体が知られている。しか
し、これらの従来の熱可逆記録媒体は、透光、透明性を
示す温度範囲の幅が2〜4℃と狭い欠点があり、透光・
透明性や遮光・白濁性を利用して画像を形成する際の温
度制御に難があった。この点に考慮して、本発明者ら
は、特開平2−1363号公報、特開平3−2089号
公報に記載されているように、高級脂肪酸と脂肪族ジカ
ルボン酸を混合して用いることにより、透明になる温度
範囲を20℃前後まで広げ、画像を消去(透明化)する
ことを容易にできることを明らかにしたが、周囲の環境
温度が大きく変化する場合や、消去のための加熱時間が
短い場合には未だ十分なものではなかった。
【0003】さらに、特開平4−366682号公報、
特開平5−294062号公報、特開平6−25524
7号公報等に記載されているように、より消去性を向上
させるために高級脂肪酸より融点の低い高級ケトンや脂
肪酸エステルと脂肪族ジカルボン酸や飽和脂肪族ビスア
ミドを混合して用い、透明化温度幅を広げることが提案
されている。しかし、これらは、透明化温度の幅は広が
り消去性は向上するものの、融点の低い材料を使用して
いるため透明化温度が低温に広がっており、高温環境下
では形成された白濁画像が消えてしまうという欠点があ
った。
【0004】画像耐熱性を低下させずに消去性を向上さ
せるためには、特開平5−139053号公報、特開平
6−48024号公報、特開平6−48025号公報等
に記載されている脂肪族ジカルボン酸より大幅に融点の
高い融点200℃程度の脂環式ジカルボン酸や、特開平
8−20167号公報、特開平8−282131号公報
に記載されている200℃近い融点を有するステロイド
骨格を有する低分子物質を、低融点の低分子物質と混合
して用い、透明化温度を高温にシフトすることが提案さ
れている。しかし、これらは、画像耐熱性を維持したま
ま消去性を向上することも可能であるが、透明化の上限
温度から白濁化の開始温度までの温度差が大きく、白濁
画像を形成する際に、非常に大きなエネルギーを必要と
し、媒体の表面が傷ついたり、印字消去の繰り返しによ
り白濁度が低下しやすくなる等の、繰り返し耐久性に問
題が生じるという欠点を有していた。また、白濁画像を
形成するためのエネルギーが高くなると、電源電圧の制
約からサーマルヘッドのパルス印加時間を長くする必要
が生じ、記録速度が遅くなったり、さらにエネルギーが
高くなるとサーマルヘッドの寿命が短くなるなど、この
媒体を使い記録消去する装置にも悪影響を及ぼす欠点が
あった。この場合に、白濁化の開始温度が非常に高い温
度となるのは、必要以上に高い融点を持つ低分子物質を
使っているためであると考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、この
ような現状に鑑み、画像耐熱性を維持したまま透明化す
る温度幅を広げ、環境温度が変化しても十分な画像消去
性ひいては十分なコントラストが得られ、かつ良好な繰
り返し耐久性が得られる熱可逆性記録媒体、その製法、
これを用いた画像形成、消去のための画像処理方法、そ
のための画像処理装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記のような課題は、本
発明の(1)「樹脂母材および樹脂母材中に分散された
有機低分子物質を主成分とし、温度に依存して透明度が
可逆的に変化する感熱層を有する熱可逆記録媒体におい
て、下記の3条件を満足することを特徴とする熱可逆記
録媒体。 (1)透明化上限温度が125℃以上 (2)透明化上限温度と白濁化下限温度の温度差が20
℃以下 (3)透明化開始温度が95℃未満」、(2)「透明化
温度幅が30℃以上であることを特徴とする前記第
(1)項に記載の熱可逆記録媒体」、(3)「透明化上
限温度が130℃以上であることを特徴とする前記第
(1)項または(2)項に記載の熱可逆記録媒体」、
(4)「透明化上限温度と白濁化下限温度の温度差が1
5℃以下であることを特徴とする前記第(1)項、
(2)項又は(3)項のいずれかに記載の熱可逆記録媒
体」、(5)「樹脂母材及び樹脂母材中に分散された有
機低分子物質を主成分とし、温度に依存して透明度が可
逆的に変化する感熱層を有する熱可逆記録媒体におい
て、該有機低分子物質として、アミド結合、尿素結合、
スルホニル結合の少なくとも一つとカルボキシル基を有
する融点130℃以上の直鎖炭化水素含有化合物(A)
の少なくとも一種と該直鎖炭化水素含有化合物(A)の
融点より30℃以上低い融点の直鎖炭化水素含有化合物
(B)の少なくとも一種を混合して用いることを特徴と
する熱可逆記録媒体」、(6)「前記直鎖炭化水素含有
化合物(B)の融点が100℃未満であることを特徴と
する前記第(5)項に記載の熱可逆記録媒体」、(7)
「前記直鎖炭化水素含有化合物(B)の融点が50℃以
上であることを特徴とする前記第(5)項または(6)
項に記載の熱可逆記録媒体」、(8)「前記直鎖炭化水
素含有化合物(B)と前記直鎖炭化水素含有化合物
(A)の混合比が98:2〜10:90であることを特
徴とする前記第(5)項、(6)項、(7)項のうち何
れか1に記載の熱可逆記録媒体」、(9)「前記直鎖炭
化水素含有化合物(A)として、アミド結合とカルボキ
シル基を有する直鎖炭化水素含有化合物を用いることを
特徴とする前記第(5)項、(6)項、(7)項、
(8)項のうち何れか1に記載の熱可逆記録媒体」、
(10)「前記直鎖炭化水素含有化合物(A)として下
記一般式(1)の構造の材料を用いることを特徴とする
前記第(9)項記載の熱可逆記録媒体。
【0007】
【化3】 HOOC-(CH2)n−X−(CH2)m−Y−(CH2)n−COOH・・・・・一般式(1) (ここで、26≧n≧1、26≧m≧1、X、YはCO
NH又はNHCOを表し、ただしXとYは同時に同じ構
造をとらない。)」、(11)「前記直鎖炭化水素含有
化合物(A)として、尿素結合とカルボキシル基を有す
る直鎖炭化水素含有化合物を用いることを特徴とする前
記第(5)項、(6)項、(7)項、(8)項のうち何
れか1に記載の熱可逆記録媒体」、(12)「前記直鎖
炭化水素含有化合物(A)として、スルホニル結合とカ
ルボキシル基を有する直鎖炭化水素含有化合物を用いる
ことを特徴とする前記第(5)項、(6)項、(7)
項、(8)項のうち何れか1に記載の熱可逆記録媒
体」、(13)「直鎖炭化水素含有化合物(A)として
下記一般式(2)の構造の材料を用いることを特徴とす
る前記第(11)項または(12)項に記載の熱可逆記
録媒体。
【0008】
【化4】 CH3−(CH2)n−Z−(CH2)m−COOH・・・・・一般式(2) (ここで、25≧n≧0、26≧m≧1、ZはNHCO
NH又はSO2を表す。)」、(14)「前記有機低分
子物質として、前記直鎖炭化水素含有化合物(B)の融
点より10℃以上高くかつ前記直鎖炭化水素含有化合物
(A)の融点より10℃以上低い融点を有する直鎖炭化
水素含有化合物(C)を混合して用いることを特徴とす
る前記第(5)項乃至(13)項のうち何れか1に記載
の熱可逆記録媒体」により達成される。
【0009】また、前記目的は、本発明の(15)「支
持体上に、樹脂母材及び樹脂母材中に分散された有機低
分子物質を主成分とし、温度に依存して透明度が可逆的
に変化する感熱層を設けた熱可逆記録媒体の製造方法に
おいて、有機低分子物質の少なくとも一部として融点1
30℃以上の有機低分子物質を用い、樹脂溶液中に1種
以上の有機低分子物質を固体状態で分散した分散液を支
持体上に塗布し、加熱乾燥させ、該加熱乾燥時に分散さ
れた有機低分子物質が分散溶媒に溶解し、感熱層を形成
することを特徴とする熱可逆記録媒体の製造方法」、
(16)「分散液を支持体に塗布し、乾燥させる際の乾
燥温度において分散液溶媒に対する分散液中に分散され
た有機低分子物質の溶解度が0.5%以上であることを
特徴とする前記第(15)項に記載の熱可逆記録媒体の
製造方法」、(17)「常温において、分散液溶媒に対
する分散液中に分散された有機低分子物質の溶解度が、
0.5%未満であることを特徴とする前記第(15)項
に記載の熱可逆記録媒体の製造方法」、(18)「支持
体上に、樹脂母材及び樹脂母材中に分散された有機低分
子物質を主成分とし、温度に依存して透明度が可逆的に
変化する感熱層を設けた熱可逆記録媒体の製造方法にお
いて、有機低分子物質の少なくとも一部として融点13
0℃以上の有機低分子物質を用い、樹脂溶液中に2種以
上の有機低分子物質を固体状態で分散した分散液を支持
体上に塗布し、感熱層中の一番高い融点を持つ有機低分
子物質の融点より低い温度で加熱乾燥させて感熱層を形
成し、次いで感熱層中のすべての有機低分子物質の融点
以上の温度で感熱層を加熱することを特徴とする熱可逆
記録媒体の製造方法」により達成される。
【0010】さらに、前記目的は、本発明の(19)
「前記第(1)項乃至(14)項のうち何れか1に記載
の条件を満足する熱可逆記録媒体を有する熱可逆記録部
と情報記憶部を有することを特徴とするカード」、(2
0)「該情報記憶部が、磁気記録層、IC、光メモリか
ら選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする前記
第(19)項に記載のカード」、(21)「少なくとも
熱可逆記録部と支持体と磁気記録層からなり、この順で
積層することを特徴とする前記第(20)項に記載のカ
ード」、(22)「少なくとも前記第(1)項乃至(1
4)項のうち何れか1に記載の熱可逆記録媒体を有する
熱可逆記録部と支持体と接着剤層もしくは粘着剤層から
なり、この順で積層することを特徴とする熱可逆記録ラ
ベル」、(23)「記憶情報が書換可能なディスクを内
蔵したカートリッジ上に前記第(1)項乃至(14)項
のうち何れか1に記載の熱可逆記録媒体を有する熱可逆
記録部を形成、もしくは前記第(22)項に記載のラベ
ルを貼着したことを特徴とする可逆表示付ディスクカー
トリッジ」、(24)「記憶情報が書換もしくは追記可
能なディスク上に前記第(1)項乃至(14)項のうち
何れか1に記載の熱可逆記録媒体を有する熱可逆記録部
を形成、もしくは前記第(22)項に記載のラベルを貼
着したことを特徴とする可逆表示付ディスク」、(2
5)「記憶情報が書換可能なテープカセット上に前記第
(1)項乃至(14)項のうち何れか1に記載の熱可逆
記録媒体を有する熱可逆記録部を形成、もしくは前記第
(22)項に記載のラベルを貼着したことを特徴とする
可逆表示付テープカセット」により達成される。
【0011】さらにまた、前記目的は、本発明の(2
6)「少なくとも1部に印刷によって画像を形成するこ
とを特徴とする前記第(19)項乃至(25)項に記載
のカード、ラベル、ディスクカートリッジ、ディスク、
テープカセット」、(27)「前記第(1)項乃至(1
4)項または前記第(19)項乃至(26)項のうち何
れか1に記載の熱可逆記録媒体、カード、ラベル、可逆
表示付ディスクカートリッジ、可逆表示付ディスク、ま
たは可逆表示付テープカセットを用い、加熱により画像
の記録と消去を行なう画像処理方法」、(28)「サー
マルヘッドにより画像を記録することを特徴とする前記
第(27)項に記載の画像処理方法」、(29)「セラ
ミックヒーターにより画像を消去することを特徴とする
前記第(27)項と(28)項に記載の画像処理方
法」、(30)「セラミックヒータの設定温度が110
℃以上であることを特徴とする前記第(29)項に記載
の画像処理方法」、(31)「サーマルヘッドにより画
像を消去することを特徴とする前記第(27)項と(2
8)項に記載の画像処理装置」、(32)「サーマルヘ
ッドを用い、すでに形成されている画像をオーバーライ
トし、該画像の消去と新しい画像の記録を行なうことを
特徴とする前記第(31)項に記載の画像処理方法」に
よって達成される。
【0012】さらにまた、前記目的は、本発明の(3
3)「前記第(1)項乃至(14)項または前記第(1
9)項乃至(26)項のうち何れか1に記載の熱可逆記
録媒体、カード、ラベル、可逆表示付ディスクカートリ
ッジ、可逆表示付ディスクまたは可逆表示付テープカセ
ットを用い、加熱により画像の記録と消去を行なう画像
処理装置」、(34)「セラミックヒータにより画像を
消去することを特徴とする前記第(33)項に記載の画
像処理装置」、(35)「セラミックヒータの設定温度
が110℃以上であることを特徴とする前記(34)項
に記載の画像処理装置」、(36)「サーマルヘッドに
より画像を消去することを特徴とする前記第(33)項
に記載の画像処理装置」、(37)「サーマルヘッドを
用い、すでに形成されている画像をオーバーライトし、
該画像の消去と新しい画像の記録を行なうことを特徴と
する前記第(36)項に記載の画像処理方法」により達
成される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。本発明の熱可逆記録媒体は、前記のごとき透明度
変化(透明状態、白濁不透明状態)を利用するものであ
るが、この透明状態と白濁不透明状態との違いは次のよ
うに推測される。
【0014】すなわち、(i)透明の場合には樹脂母材
中に分散された有機低分子物質の粒子と樹脂母材は隙間
なく密着しており、また粒子部内にも空隙はなく、片側
から入射した光は散乱されることなく反対側に透過する
ため透明に見えること、また、(ii)白濁の場合には有
機低分子物質の粒子は有機低分子物質の微細な結晶が集
合した多結晶で構成され、結晶の界面若しくは粒子と樹
脂母材の界面に隙間ができ、片側から入射した光は空隙
と結晶、空隙と樹脂の界面で屈折、反射し、散乱される
ため白く見えること、等に由来している。
【0015】図1は、本発明の熱可逆記録媒体の1例に
おける温度−透明変化を判り易く説明するものであり、
図1において、樹脂母材とこの樹脂母材中に分散された
有機低分子物質とを主成分とする感熱層は、例えばT0
以下の常温で白濁不透明状態にある。これを加熱してい
くと温度T1から徐々に透明になり始め、温度T2〜T3
に加熱すると透明となり、この状態で再びT0以下の常
温に戻しても透明のままである。これは温度T1付近か
ら樹脂が軟化し始め、軟化が進むにつれ、樹脂が例えば
収縮し樹脂と有機低分子物質粒子との界面若しくは粒子
内の空隙を減少させるため、徐々に透明度が上がり、温
度T2〜T3では有機低分子物質が半溶融状態となり、残
った空隙を溶融した有機低分子物質が埋めることにより
透明となり、種結晶が残ったまま冷却されることによ
り、比較的高温で結晶化し、その際樹脂がまだ軟化状態
のため、結晶化にともなう粒子の体積変化に樹脂が追随
するため、空隙ができず透明状態が維持されるためと考
えられる。
【0016】さらにT4以上の温度に加熱すると、最大
透明度と最大不透明度との中間の半透明状態になる。次
に、この温度を下げていくと、再び透明状態をとること
なく最初の白濁不透明状態に戻る。これは温度T4以上
で有機低分子物質が完全に溶融した後、過冷却状態とな
り、T0より少し高い温度で結晶化し、その際、樹脂が
結晶化にともなう体積変化に追随できず、空隙が発生す
るためであると思われる。ただし、図1に示した温度−
透明度変化曲線は代表的な例を示しただけであり、材料
を変えることにより各状態の透明度等はその材料に応じ
て変化が生じることがある。
【0017】透明化上限温度(Ttu)、白濁化下限温度
(Tsl)、透明化上限温度と白濁化下限温度の温度差
(ΔTts)、透明化開始温度(Tta)、透明化温度幅
(ΔTw)は下記のとおり決められる。まず、白濁化さ
れた熱可逆記録媒体を用意する。透明化された媒体や十
分に白濁されていない媒体を用いるには、十分に加熱し
たホットプレートに媒体を押しあて加熱することによっ
て、事前に媒体を白濁させる。加熱する時間は10秒〜
30秒程度でよい。加熱する温度が白濁化するために十
分な温度であることを確認するのは、その温度よりやや
高い温度(例えば10℃高い温度)で再度加熱してみれ
ばよい。白濁度が両者で変わらなければ最初の加熱温度
が白濁化するために十分に高い温度であったことにな
る。やや高い温度で加熱した方が白濁度が高くなってい
れば、最初の温度ではまだ温度が低かったことになり、
加熱温度を上げて再度同じことを繰り返せばよい。
【0018】次に、この白濁化された記録媒体を温度を
変えて加熱し、透明になる温度を調べる。記録媒体の加
熱には熱傾斜試験機(東洋精機製HG−100)を用い
る。この熱傾斜試験機は5つの加熱ブロックを持ち、各
ブロックは個別に温度を設定でき、加熱時間、圧力をコ
ントロールすることも可能であり、設定された条件で、
一度に5つの異なる温度で媒体を加熱することができ
る。具体的には、加熱時間を1秒とし、加熱時の圧力は
約2.5kg/cm2とし、加熱温度は、加熱しても白
さが変化しない低温度から1〜5℃の等温度間隔で十分
に白濁する温度まで加熱する。熱ブロックへの媒体の粘
着を防ぐため、ポリイミドやポリアミドの薄い(10μ
m以下)フィルムを上にのせてもよい。そのように加熱
した後、常温に冷却し、マクベスRD−914反射濃度
計を用い、各温度で加熱した部分の濃度を測定し、図2
のように横軸を熱傾斜試験機の設定温度、縦軸を反射濃
度としたグラフを作成する。媒体が透明な支持体を用い
ている場合には、光を吸収するシートか、光を正反射す
るシートを媒体の背面に敷いて濃度を測定する。グラフ
は各温度毎の濃度値をプロットした後、プロットした隣
接点同士を直線で結ぶことにより完成される。作成され
たグラフは通常図2のように台形状となる。
【0019】これらのデータは、感熱層と支持体を合わ
せた媒体の厚みや材質によっても影響を受ける。媒体の
厚みは300μm以下であれば厚みの影響は受けず、ほ
ぼ同じデータが得られるが、それ以上の厚みの場合は、
支持体側を削ったり、剥がしたりして厚みを300μm
以下にするか、厚みの厚い分を換算すればよい。材質は
ポリマー主体ならば何でもよいが、金属などの場合は換
算することが必要である。
【0020】このグラフから、前記の透明化上限温度や
白濁化下限温度等を読み取り計算してゆく。最初にこの
グラフの中で最大濃度値(Dmax)を読み取る。次にy
=0.7×Dmaxの線を引き、この線より高濃度のプロ
ット点を選択する。このプロット点の数は5〜20点が
好ましい。少ないと、この後の計算結果が不確かなもの
となる。プロット点の数が少ない場合には、前述の熱傾
斜試験機での加熱の温度間隔を狭くし、数を増やすこと
が必要である。選択されたプロット点のうち、濃度値の
大きいもの、濃度値の小さいものを各々同数だけ除外
し、残ったものの濃度値を平均したものを平均透明濃度
(Dtav)とする。濃度値の大、小を除外する割合は選
択されたプロット点のうち、各々10〜30%、好まし
くは15〜25%である。このように濃度値が大きいも
のと小さいものを除外することにより、媒体の透明濃度
の正確な値が算出できる。
【0021】次に、透明化下限濃度(Dtm)を次の数式
(I)式により算出する。
【0022】
【数1】 Dtm=Dtav−0.2×(Dtav−Dmin)・・・・・数式(I) ここでDminは最大白濁濃度であり、温度を上げていっ
て、隣接した3点のプロット点が濃度値0.3以内にな
ったとき、その3点の濃度の平均値から算出される。D
tmはこの濃度以上であれば目視でほぼ透明に見える濃度
を表わす。
【0023】さらに、グラフ上にy=Dtmの線を引き、
濃度温度曲線との交点の温度を求める。この交点のう
ち、低温側を透明化下限温度(Ttl)、高温側を透明化
上限温度(Ttu)とする。透明化温度幅(ΔTw)は数
式(II)により求められる。
【0024】
【数2】ΔTw=Ttu−Ttl・・・・・数式(II) また、白濁化上限濃度(Ds)は数式(III)によって
算出される。
【0025】
【数3】 Ds=Dmin+0.1×(Dtav−Dmin)・・・・・数式(III) グラフ上にy=Dsの線を引き、濃度−温度曲線の透明
から白濁へと変化する部分との交点の温度を白濁化下限
温度(Tsl)とする。透明化上限温度と白濁化下限温度
の差(ΔTts)は数式(IV)で求められる。
【0026】
【数4】ΔTts=Tsl−Ttu・・・・・数式(IV) 透明化開始濃度(Dta)は次の数式(V)で求められ
る。
【0027】
【数5】 Dta=Dmin+0.25×(Dtav−Dmin)・・・・・数式(V) 透明化開始温度(Tta)は、図2に示されるようにy=
tsとグラフの交点から求められる。
【0028】透明化上限温度(Ttu)は、125℃以上
であることが必要である。Ttuが高温になることによ
り、画像耐久性を低下させることなく、透明化温度幅の
拡大が可能となる。透明化上限温度(Ttu)は130℃
以上が好ましく、135℃以上が更に好ましく、140
℃以上が特に好ましい。この温度が高くなるほど印字感
度が向上する。また、Ttuは190℃以下が好ましく、
180℃以下が更に好ましく、170℃以下が特に好ま
しい。この温度が低いほど印字感度が向上する。
【0029】透明化上限温度と白濁化下限温度の差(Δ
ts)は20℃以下であることが必要である。ΔTts
これより大きくなると、白濁になる温度が必要以上に高
くなるため、白濁画像を形成する際、非常に高いエネル
ギーが必要となり、画像の記録と消去を繰り返すと媒体
表面に傷がついたり、画像の白濁度が低下してしまう。
ΔTtsは15℃以下が好ましく、10℃以下が更に好ま
しい。
【0030】透明化開始温度(Tta)は、95℃未満で
ある。90℃以下がさらに好ましく、85℃以下が特に
好ましく、70℃以上が好ましく、75℃以上が特に好
ましい。この温度が低いと消去性が向上し、高いと画像
耐熱性が向上する。
【0031】透明化温度幅(ΔTw)は30℃以上であ
ることが好ましい。ΔTwがこれより小さくなると消去
性が低下する。透明化温度幅(ΔTw)は40℃以上が
より好ましく、45℃以上がさらに好ましく、50℃以
上が特に好ましい。この温度幅が広い方が消去性が向上
する。またΔTwは100℃以下が好ましく、90℃以
下がさらに好ましく、80℃以下が特に好ましい。特に
透明化温度幅(ΔTw)がより広くなると消去の際の処
理速度が速くなっても均一な消去が可能になるという利
点がある。この場合のΔTwは60℃以上が好ましく、
70℃以上がさらに好ましい。特に透明化温度幅(ΔT
w)がより広くなると消去の際の処理速度が速くなって
も均一な消去が可能になるという利点がある。この場合
のΔTwは60℃以上が好ましく、70℃以上がさらに
好ましい。
【0032】これらの如き、熱可逆記録媒体を作成する
には、用いる低分子物質がポイントとなる。すなわち、
融点130℃以上の直鎖炭化水素含有化合物(A)と、
該直鎖炭化水素含有化合物(A)の融点より30℃以上
低い融点の直鎖炭化水素含有化合物(B)を混合して用
いることにより達成される。直鎖炭化水素含有化合物
(A)の融点は135℃以上が好ましく、140℃以上
が更に好ましく、また、200℃以下が好ましく、19
0℃以下が更に好ましく、170℃以下が特に好まし
い。直鎖炭化水素含有化合物(A)と直鎖炭化水素含有
化合物(B)の融点の差の下限は、30℃以上が好まし
く、40℃以上がさらに好ましく、50℃以上が特に好
ましく、融点差が大きい方が消去性は向上する。融点差
の上限は、100℃以下が好ましく、90℃以下がさら
に好ましく、80℃以下が特に好ましい。融点差の上限
が小さい方が印字感度が向上する。
【0033】直鎖炭化水素含有化合物(B)の融点の下
限は50℃以上が好ましく、60℃以上が更に好まし
く、70℃以上が特に好ましく、融点が高い方が耐熱性
が向上する。また、融点の上限は110℃未満が好まし
く、100℃未満が更に好ましく、90℃未満が特に好
ましい。この温度が低い方が消去性が向上する。更に、
直鎖炭化水素含有化合物(B)の融点より融点が10℃
以上高く、かつ直鎖炭化水素含有化合物(A)の融点よ
り融点が10℃以上低い直鎖炭化水素含有化合物(C)
を混合してもよい。直鎖炭化水素含有化合物(C)を混
合することによりコントラストの向上をはかることがで
きる。直鎖炭化水素含有化合物(C)の融点は80℃以
上が好ましく、90℃以上が更に好ましく、100℃以
上が特に好ましく、また、150℃未満が好ましく、1
40℃未満が更に好ましく、130℃未満が特に好まし
い。
【0034】これらの直鎖炭化水素含有化合物(A)、
(B)、(C)は、各々1種類でもよいし、複数用いて
もよい。これらは長鎖構造を有することが好ましく、長
鎖構造は炭素数4以上が好ましく、6以上が更に好まし
く、8以上が特に好ましい。炭素数が多いと繰り返し耐
久性が向上する。この長鎖構造は1つの分子中に1つで
もよいし、2つ以上の複数でもよい。また、前記の長鎖
構造の炭素数は、分子全体の合計で示している。つまり
炭素数6の長鎖構造を2か所有する分子は炭素数12の
長鎖構造を有すると定義する。
【0035】直鎖炭化水素含有化合物(A)と直鎖炭化
水素含有化合物(B)を混合したときの両者を合わせた
有機低分子物質全体に対する直鎖炭化水素含有化合物
(A)の比率は3%以上が好ましく、5%以上が更に好
ましく、10%以上が特に好ましく、この比率が大きい
方が消去性が向上する。また、50%未満が好ましく、
40%未満が更に好ましく、30%未満が特に好まし
い。この比率が小さい方が透明度が向上する。直鎖炭化
水素含有化合物(B)の比率は、30%以上が好まし
く、また、50%以上が更に好ましく、60%以上が特
に好ましく、この比率が小さい方が消去性が向上する。
また、95%未満が好ましく、90%未満がさらに好ま
しく、85%未満が特に好ましい。この比率が大きい方
が消去時の透明度が向上する。
【0036】これらに更に直鎖炭化水素含有化合物
(C)を混合したときの有機低分子物質全体に対する直
鎖炭化水素含有化合物(C)の比率は、3%以上が好ま
しく、5%以上が更に好ましく、10%以上が特に好ま
しく、この比率が大きい方が透明度が向上する。また、
50%未満が好ましく、40%未満が更に好ましく、3
0%未満が特に好ましい。この比率が小さい方が消去性
が向上する。
【0037】本発明の目的は、感熱層中の有機低分子物
質の少なくとも一部として、アミド結合、尿素結合、ス
ルホニル結合の少なくとも一つとカルボキシル基を有す
る融点130℃以上の直鎖炭化水素含有化合物(A)の
少なくとも一種と該直鎖炭化水素含有化合物(A)の融
点より30℃以上低い融点の直鎖炭化水素含有化合物
(B)の少なくとも一種を混合して用いることにより達
成される。アミド結合、尿素結合、スルホニル結合は同
種のものが一つ乃至は二つ以上あっても良いし、異種の
ものが一つ乃至は二つ以上あっても良く、分子の末端で
も中心部でも良い。また、カルボキシル基は一つでも二
つ以上でも良く、分子の末端でも側鎖に位置しても良
い。直鎖炭化水素含有化合物(A)はアミド結合とカル
ボキシル基を有することが好ましい。アミド結合とカル
ボキシル基の少なくとも一方が複数であることが更に好
ましく、アミド結合とカルボキシル基の両方が複数であ
ることが特に好ましい。アミド結合とカルボキシル基を
有する直鎖炭化水素含有化合物(A)の一般式の例を以
下に挙げるが、これに限定されるものではない。
【0038】
【化5】 HOOC-(CH2)n−X−(CH2)m−Y−(CH2)n−COOH・・・・・一般式(1) (ここで、26≧n≧1、26≧m≧1、X、YはCO
NH又はNHCOを表し、ただしXとYは同時に同じ構
造をとらない。) 2n+mは6以上が好ましく、8以上が更に好ましく、
10以上が特に好ましい。直鎖炭化水素含有化合物
(A)は尿素結合とカルボキシル基を有することが好ま
しい。また、直鎖炭化水素含有化合物(A)はスルホニ
ル結合とカルボキシル基を有することが好ましい。尿素
結合とカルボキシル基を有する直鎖炭化水素含有化合物
(A)の一般式とスルホニル結合とカルボキシル基を有
する直鎖炭化水素含有化合物(A)の一般式の例を以下
に挙げるが、これに限定されるものではない。
【0039】
【化6】 CH3−(CH2)n−Z−(CH2)m−COOH・・・・・一般式(2) (ここで、25≧n≧0、26≧m≧1、ZはNHCO
NH又はSO2を表す。) n+mは6以上が好ましく、8以上が更に好ましく、1
0以上が特に好ましい。
【0040】一般式(1)の材料の融点は、130℃以
上が好ましく、135℃以上が更に好ましく、140℃
以上が特に好ましく、この融点が高い方が消去性が向上
する。また、200℃以下が好ましく、180℃以下が
更に好ましく、170℃以下が特に好ましく、160℃
以下が最も好ましい。この融点が低い方が熱感度が向上
する。また、一般式(2)の材料の融点は、135℃以
上が好ましく、140℃以上が更に好ましく、この融点
が高い方が消去性が向上する。また、190℃以下が好
ましく、170℃以下が更に好ましく、150℃以下が
特に好ましい。この融点が低い方が熱感度が向上する。
以下にそれぞれの材料の具体例を示すが、これらに限定
されるものではない。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】上記No.(15)の物質(HOOC・(CH2)5-NHCO(C
H2)10-CONH-(CH2)5・COOH)の合成例を以下に示すが、こ
れに限定されるものではない。アミノカプロン酸エチル
−塩酸塩81.6g、ビリジン33.0g、ドデカン二
酸32.0g、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール6
3.9gをテトラヒドロフラン500mlに溶解し、次
いで室温下でジイソプロピルカルボジイミド52.5g
を滴下した。滴下後還流下で3時間撹拌した後、この反
応液に水酸化ナトリウム170gを溶解させた90%エ
タノール水溶液800mlを加え、還流下4時間撹拌し
た。反応液を4N−塩酸で酸性とし、析出した結晶を濾
別、水洗、乾燥後、ジメチルホルムアミドから再結晶
し、目的の化合物29.7gを得た。上記No.(1)〜N
o.(14)の物質、No.(16)〜No.(22)の物質は使用す
る原料を変えることにより同じ方法で合成することが可
能である。
【0044】上記No.(24)の物質(HOOC-(CH2)4-CONH(C
H2)10-NHCO-(CH2)4-COOH)の合成例を以下に示すが、こ
れに限定されるものではない。アジピン酸モノエチルエ
ステル10.0g、1,10−ジアミノデカン48.8g、
1-ヒドロキシベンゾトリアゾール35.8gをテトラヒ
ドロフラン1200mlに溶解し、次いで室温下でジイ
ソプロピルカルボジイミド29.4gを溶解した90%
エタノール水溶液1500mlを加え、還流下に4時間
撹拌した。反応液を4N−塩酸で酸性とし、析出した結
晶を濾別、水洗、乾燥後、ジメチルホルムアミドから再
結晶し、目的の化合物16.4gを得た。上記No.(3
0)の物質、No.(33)の物質の合成例を下記に示すが、
これらに限定されるものではない。
【0045】No.(30)の物質(CH3-(CH2)17-NHCONH-(CH
2)2-COOH)の合成例 β−アラニンナトリウム塩23.9g、オクタデシルイ
ソシアネート35.5g、2−ブタノン900mlを仕
込み、還流下で6時間撹拌した。次いで、析出した結晶
を瀘別、水洗後、酢酸水溶液中に投じ3時間撹拌した
後、再び結晶を瀘別した。得られた結晶を水洗、乾燥後
トルエンから再結晶し、目的の化合物25.7gを得
た。
【0046】No.(33)の物質(CH3-(CH2)17-SO2-(CH2)2
-COOH)の合成例 1−オクタデセン75.6g、チオプロピオン酸26.
8g、2−ブタノン200mlを仕込み、還流下で12
時間撹拌した。この反応液に水を加え析出した結晶を瀘
別、水洗後、500ml酢酸中に投じた。次いで80〜
90℃にて30%過酸化水素水450mlを滴下し、1
0時間撹拌した。その後析出した結晶を瀘別、水洗い
し、イソプロパノールから再結晶し、目的の化合物3
2.7gを得た。
【0047】前記長鎖炭化水素含有化合物(B)は、上
記の融点の範囲にあり、長鎖構造を有するものならば何
でもよい。該長鎖構造の炭素数は8以上が好ましく、1
0以上が更に好ましく、12以上が特に好ましい。ま
た、50以下が好ましく、40以下が更に好ましく、3
0以下が特に好ましい。
【0048】この長鎖炭化水素含有化合物(B)として
は、アルカノール;アルカンジオール;ハロゲンアルカ
ノール又はハロゲンアルカンジオール;アルキルアミ
ン;アルカン;アルケン;アルキン;ハロゲンアルカ
ン;ハロゲンアルケン;ハロゲンアルキン;シクロアル
カン;シクロアルケン;シクロアルキン;飽和又は不飽
和モノ又はジカルボン酸又はこれらのエステル、アミド
又はアンモニウム塩;飽和又は不飽和ハロゲン脂肪酸又
はこれらのエステル、アミド又はアンモニウム塩;アリ
ルカルボン酸又はそれらのエステル、アミド又はアンモ
ニウム塩;ハロゲンアリルカルボン酸又はそれらのエス
テル、アミド又はアンモニウム塩;チオアルコール;チ
オカルボン酸又はそれらのエステル、アミン又はアンモ
ニウム塩;チオアルコールのカルボン酸エステル等が挙
げられる。これらは単独で又は2種以上混合して使用さ
れる。これらの化合物の炭素数は10〜60、好ましく
は10〜38、特に10〜30が好ましい。エステル中
のアルコール基部分は飽和していてもよく、飽和してい
なくてもよく、またハロゲン置換されていてもよい。い
ずれにしても有機低分子物質は分子中に酸素、窒素、硫
黄及びハロゲンの少なくとも1種、例えば−OH、−C
OOH、−CONH、−COOR、−NH、−NH2
−S−、−S−S−、−O−、ハロゲン等を含む化合物
であることが好ましい。
【0049】具体的には、脂肪族モノカルボン酸、脂肪
族ジカルボン酸、脂肪酸エステル、高級アルキル基を有
するケトン、二塩基酸エステル、多価アルコールジ脂肪
酸エステル、脂肪酸モノアミド、次の一般式(3)で表
わされる物質、一般式(4)で表わされる物質、が挙げ
られるが、これらに限定されるものではない。
【0050】
【化7】 CH3(CH2)n−X−(CH2)m−COOH・・・・・一般式(3) (ここで、一般式(3)の物質の融点は130℃未満で
あり、26≧n≧0、26≧m≧0、ただしn+m≧1
0であり、ZはNHCONH、SO2、CONH、又
は、NHCOを表わす。)
【0051】
【化8】 HOOC−(CH2)n−NHCO−(CH2)m−COOH・・・・・一般式(4) (ここで、一般式(4)の物質の融点は130℃未満で
あり、26≧n≧0、26≧m≧0、ただしn+m≧1
0である。)
【0052】以下にさらに具体的な例を挙げるが、これ
らに限定されるものではない。即ち、脂肪族モノカルボ
ン酸の具体例としては、例えば、ラウリン酸、トリデシ
ル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、
マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデシル酸、アラキジ
ン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタ
ン酸、メリシン酸等が挙げられる。
【0053】脂肪族ジカルボン酸の具体例としては、例
えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン
酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカ
ン二酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカ
ン二酸、ヘキサデカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタ
デカン二酸、ノナデカン二酸、エイコサン二酸、ヘンエ
イコサン二酸、ドコサン二酸等が挙げられる。
【0054】脂肪酸エステルの具体例としては、例え
ば、ラウリン酸オクタデシル、ラウリン酸ドコシル、ミ
リスチン酸ドコシル、パルミチン酸ドデシル、パルミチ
ン酸テトラデシル、パルミチン酸ペンタデシル、パルミ
チン酸ヘキサデシル、パルミチン酸オクタデシル、パル
ミチン酸トリアコンチル、パルミチン酸オクタデシル、
パルミチン酸ドコシル、ステアリン酸ビニル、ステアリ
ン酸プロピル、ステアリン酸イソプロピル、ステアリン
酸ブチル、ステアリン酸アミル、ステアリン酸ヘプチ
ル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸テトラデシ
ル、ステアリン酸ヘキサデシル、ステアリン酸ヘプタデ
シル、ステアリン酸オクタデシル、ステアリン酸ドコシ
ル、ステアリン酸ヘキサコシル、ステアリン酸トリアコ
ンチル、ベヘン酸ドデシル、ベヘン酸オクタデシル、ベ
ヘン酸ドコシル、リグノセリン酸トラコシル、メリシン
酸ミリシル等が挙げられる。
【0055】高級アルキル基を有するケトンの具体例と
しては、例えば、8−ペンタデカノン、9−ヘプタデカ
ノン、10−ノナデカノン、11−ヘンエイコサノン、
12−トリコサノン、14−ヘプタコサノン、16−ヘ
ントリアコンタノン、18−ペンタトリアコンタノン、
22−トリテトラコンタノン、2−ペンタデカノン、2
−ヘキサデカノン、2−ヘプタデカノン、2−オクタデ
カノン、2−ノナデカノン等が挙げられる。
【0056】二塩基酸エステルとしては、モノエステ
ル、ジエステルのいずれでもよく、下記一般式(5)で
表わされるものである。
【0057】
【化9】 ROOC−(CH2)n−COOR’・・・・・一般式(5) (式中、R,R’は水素原子、又は炭素数1〜30のア
ルキル基を表わし、R,R’は同一であっても異なって
いてもよいが、同時に水素原子である場合を除く。nは
0〜40の整数を表わす) 上記一般式(5)で表わされる二塩基酸エステルにおい
て、R,R’のアルキル基の炭素数は1〜22が好まし
く、nは、1〜30が好ましく、2〜20が更に好まし
い。また融点は40℃以上が好ましい。
【0058】具体的には、 コハク酸ジエステル アジピン酸ジエステル セバシン酸ジエステル 1−又は18−オクタデカメチレンジカルボン酸エステ
ル 等が挙げられる。
【0059】本発明で用いる有機低分子物質の多価アル
コールジ脂肪酸エステルとしては、下記の一般式(6)
で表わされるものが挙げられる。
【0060】
【化10】 CH3(CH2)m-2COO(CH2)nOOC(CH2)m-2CH3・・・・・一般式(6) (式中、nは2〜40、好ましくは3〜30、更に好ま
しくは4〜22の整数である。mは2〜40、好ましく
は3〜30、更に好ましくは4〜22の整数である。) 具体的には以下のものが挙げられる。 1,3プロパンジオールジアルカン酸エステル 1,6ヘキサンジオールジアルカン酸エステル 1,10デカンジオールジアルカン酸エステル 1,18オクタデカンジオールジアルカン酸エステル
【0061】脂肪酸モノアミドの具体例としては、例え
ば次の一般式(7)で示されるものが挙げられる。
【0062】
【化11】R1−CONH−R2・・・・・一般式(7) (ここで、R1は炭素数1〜25の直鎖炭化水素鎖、R2
は水素、炭素数1〜26の直鎖炭化水素鎖、またはメチ
ロール基であり、R1、R2の少なくともどちらか一方が
炭素数10以上の直鎖炭化水素鎖である。) これらの例としては、ノナンアミド、デカンアミド、ウ
ンデカンアミド、ドデカンアミド、トリデカンアミド、
テトラデカンアミド、ヘキサデカンアミド、オクタデカ
ンアミド、イコサンアミド、ドコサンアミド、トリコサ
ンアミド、ヘキサコサンアミド、オクタコサンアミド等
を挙げることができる。
【0063】また、前記一般式(3)、一般式(4)で
表わされる物質の例としては次のものが挙げられる。
【0064】
【表3】
【0065】
【表4】
【0066】前記の直鎖炭化水素含有化合物(A)と直
鎖炭化水素含有化合物(B)の他に、直鎖炭化水素含有
化合物(B)の融点より10℃以上高い融点であり、か
つ直鎖炭化水素含有化合物(A)より10℃以上低い融
点を持つ有機低分子物質を1種又は2種以上混合しても
よい。これらは前述の直鎖炭化水素含有化合物(B)の
例の中から適宜選択される。
【0067】感熱層に使用される樹脂母材は有機低分子
物質を均一に分散保持した層を形成すると共に、最大透
明時の透明度に影響を与える材料である。このため樹脂
母材は透明性が良く、機械的に安定で、且つ成膜性の良
い樹脂が好ましい。このような樹脂としてはポリ塩化ビ
ニル;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−
酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−
酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、塩化ビニル−アクリ
レート共重合体等の塩化ビニル系共重合体;ポリ塩化ビ
ニリデン、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、塩化
ビニリデン−アクリロニトリル共重合体等の塩化ビニリ
デン系共重合体;ポリエステル;ポリアミド;ポリアク
リレート又はポリメタクリレート或いはアクリレート−
メタクリレート共重合体;シリコーン樹脂等が挙げられ
る。これらの樹脂は単独で或いは2種以上混合して使用
して良いことはもちろんである。
【0068】これらの樹脂を架橋することが好ましい。
架橋した媒体は、印字と消去を繰り返しても感熱層内部
の構造が変化しにくく、白濁度、透明度の低下がないな
ど繰り返し耐久性が向上する。架橋する場合には樹脂中
にヒドロキシル基、カルボキシル基、エポキシ基などの
官能基を有することが好ましい。架橋の方法としては、
熱架橋、UVやEBの照射による方法があり、イソシア
ネートや各種アクリル系架橋剤を添加し架橋することが
好ましい。樹脂母剤のガラス転移温度は60℃以上が好
ましく、70℃以上がもっと好ましく、100℃未満が
好ましく、90℃未満がさらに好ましい。ガラス転移温
度が高くなると画像耐熱性が向上し低くなると消去性が
向上する。
【0069】本発明の熱可逆記録媒体の感熱層の厚さは
1〜30μmが好ましく、2〜20μmが更に好まし
い。4〜15μmが特に好ましい。記録層が厚すぎると
層内での熱の分布が発生し均一に透明化することが困難
となる。また、感熱層が薄すぎると白濁度が低下し、コ
ントラストが低くなる。なお、記録層中の脂肪酸の量を
増加させ、また、感熱層中の樹脂を架橋することによ
り、白濁度を増すことができる。なお、感熱層中の有機
低分子物質と樹脂(架橋構造を有する樹脂)との割合
は、重量比で2:1〜1:16程度が好ましく、1:2
〜1:8が更に好ましく、1:2〜1:5が特に好まし
く、1:2〜1:4がもっと好ましく、1:2.5〜
1:4がそれ以上に好ましい。樹脂の比率がこれ以下に
なると、有機低分子物質を樹脂中に保持した膜に形成す
ることが困難となり、またこれ以上になると、有機低分
子物質の量が少ないため、不透明化が困難になる。
【0070】また、感熱層上には感熱層を保護するため
に保護層を設けることができる。感熱層上に積層する保
護層(厚さ0.1〜5μm)材料としては、シリコーン
系ゴム、シリコーン樹脂(特開昭63−221087号
公報に記載)、ポリシロキサングラフトポリマー(特開
昭63−317385号公報に記載)や紫外線硬化樹脂
又は電子線硬化樹脂(特開平02−566号公報に記
載)等が挙げられる。これらの中には、有機若しくは無
機のフィラーを含有することができる。
【0071】更にまた、保護層形成液の溶剤やモノマー
成分等から感熱層を保護するために、保護層と感熱層と
の間に中間層を設けることができる(特開平1−133
781号公報に記載)。中間層の材料としては感熱層中
の樹脂母材として挙げたものの他に下記のような熱硬化
性樹脂、熱可塑性樹脂、UV硬化樹脂、EB硬化樹脂が
使用可能である。即ち、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリビニル
ブチラール、ポリウレタン、飽和ポリエステル、不飽和
ポリエステル、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカ
ーボネート、ポリアミド等が挙げられる。中間層の厚さ
は0.1〜2μmくらいが好ましい。これ以下になる
と、保護効果が下がり、これ以上になると熱感度が低下
する。
【0072】本発明の上記課題は、支持体上に、樹脂母
材及び樹脂母材中に分散された有機低分子物質を主成分
とし、温度に依存して透明度が可逆的に変化する感熱層
を設けた熱可逆記録媒体の製造方法において、有機低分
子物質の少なくとも一部として融点130℃以上の有機
低分子物質を用い、樹脂溶液中に1種以上の有機低分子
物質を固体状態で分散した分散液を支持体上に塗布し加
熱乾燥させ、該加熱乾燥時に分散された有機低分子物質
が分散溶媒に溶解し感熱層を形成することを特徴とする
熱可逆記録媒体の製造方法によって達成される。
【0073】用いられる有機低分子物質は、融点が30
℃以上異なるものを2種以上混合して用いることが好ま
しい。有機低分子物質は通常融点が高くなるにつれ、通
常の溶剤には常温では溶解しにくくなってくる。特に融
点が130℃以上となると、その傾向は顕著になる。こ
れらの溶剤に溶解しにくい有機低分子物質を分散して用
い、塗膜の加熱乾燥時に溶解させることにより、常温で
溶媒に溶解させて塗膜を形成する今までと同様の構造
(樹脂中に有機低分子物質が球状の微粒子で分散されて
いる)が得られ、また、有機低分子物質を上記のように
2種類以上用いた場合には、透明化温度範囲が広く、ま
た透明状態と不透明状態とのコントラストが大きく、透
明状態と不透明状態を繰り返し生じさせるための温度コ
ントロールが容易な熱可逆記録媒体を得ることができ
る。
【0074】ここで用いられる溶媒は2種以上混合して
もよく、溶媒の少なくとも1種として沸点の高い溶媒、
特に沸点が100℃以上の溶媒を用いることが好まし
く、それにより透明状態と不透明状態とのコントラスト
が更に大きな熱可逆記録媒体を得ることができる。
【0075】更に、混合液における沸点の高い溶媒の含
有量としては、混合液における全溶媒の10重量%以上
が特に好ましく、それにより樹脂マトリックス形状又は
2種類以上の有機低分子物質が共存する有機低分子物質
ドメイン形状が球形、楕円形又は丸みを帯びた形状とな
り、これによりコントラストの大きな透明状態と不透明
状態とを多数回にわたって繰り返し生じさせることので
きる熱可逆記録媒体を得ることができる。
【0076】上記のような熱可逆記録媒体の製造方法が
適用される好ましい場合は、上記の分散液中の有機低分
子物質として、混合液を支持体上に塗布し乾燥させる際
の乾燥温度において分散液溶媒に溶解する有機低分子物
質を用いる場合である。特に分散液溶媒に0.5%以上
溶解する有機低分子物質を用いることが好ましい。ま
た、常温において、分散液溶媒に対する分散液中に分散
された有機低分子物質の溶解度は0.5%未満であるこ
とが好ましい。有機低分子物質の平均分散粒径は20μ
m以下が好ましく、10μm以下が更に好ましく、5μ
m以下が特に好ましい。
【0077】このような有機低分子物質を用いることに
より、乾燥時に有機低分子物質が一旦溶媒に溶解し、相
分離過程を経て分散液中の2種類以上の有機低分子物質
が共存する有機低分子物質ドメインが形成される。
【0078】本発明の上記課題は、支持体上に、樹脂母
材及び樹脂母材中に分散された有機低分子物質を主成分
とし、温度に依存して透明度が可逆的に変化する感熱層
を設けた熱可逆記録媒体の製造方法において、有機低分
子物質の少なくとも一部として融点130℃以上の有機
低分子物質を用い、樹脂溶液中に2種以上の有機低分子
物質を固体状態で分散した分散液を支持体上に塗布し、
感熱層中の一番高い融点をもつ有機低分子物質の融点よ
り低い温度で加熱乾燥させて感熱層を形成し、次いで、
感熱層中のすべての有機低分子物質の融点以上の温度で
感熱層を加熱することを特徴とする熱可逆記録媒体の製
造方法によって達成される。用いられる有機低分子物質
は、融点が30℃以上異なるものを2種以上混合して用
いることが好ましい。
【0079】この有機低分子物質分散液を支持体上に塗
布し乾燥させて可逆性感熱記録層を形成し、次いで、有
機低分子物質の融点以上の温度で可逆性感熱記録層に加
熱処理を施すことにより、透明化温度範囲が広く、また
透明状態と不透明状態とのコントラストが大きく、透明
状態と不透明状態を繰り返し生じさせるための温度コン
トロールが容易な熱可逆記録媒体を得ることができる。
これは可逆性感熱記録層に加熱処理を施すことによっ
て、可逆性感熱記録層における樹脂マトリックス中にそ
れぞれ単独で分散している2種類以上の有機低分子物質
が溶融し、熱膨張し、また、樹脂が軟化することにより
合一して2種類以上の有機低分子物質が共存する有機低
分子物質ドメインが形成されることによるものである。
【0080】また、可逆性感熱記録層に有機低分子物質
の融点以上の温度で加熱処理を施すことによって、樹脂
マトリックス形状又は2種類以上の有機低分子物質が共
存する有機低分子物質ドメイン形状が球形、楕円形又は
丸みを帯びた形状となり、これによりコントラストの大
きな透明状態と不透明状態とを多数回にわたって繰り返
し生じさせることのできる可逆性感熱記録材料が得られ
る。球形、楕円形又は丸みを帯びている樹脂マトリック
ス形状又は有機低分子物質ドメイン形状の個数は全樹脂
マトリックス個数又は全有機低分子物質ドメイン個数の
10%以上であることが特に好ましい。これらの製造方
法において、有機低分子物質を2種以上用いる場合、例
えば1種が分散で用いられ、1種が常温でも溶媒に溶解
されて用いられていてもよい。
【0081】また、可逆性感熱層の他に着色層を設けそ
の上に可逆的感熱層を有するものが、可逆的可視像を目
視し易くするために好ましい。この場合、着色層を可視
光に対する反射率の異なる2種以上の部位からなるもの
とすることができる。
【0082】上記の3条件を満足する可逆表示可能な感
熱層と情報記憶部の両方を同一のカードに設けることに
より、情報記憶部に記憶された情報の一部を感熱層に表
示することにより、カード所有者等は特別な装置がなく
てもカードを見るだけで情報を確認することができ、利
便性が向上する。情報記憶部は必要な情報を記憶できる
ものなら何でもよいが、磁気記録、IC、光メモリが好
ましい。磁気記録層としては通常用いられる酸化鉄、バ
リウムフェライト等と塩ビ系やウレタン系或いはナイロ
ン系樹脂等を用い、支持体に塗工形成されるか、または
蒸着、スパッタリング等の方法により樹脂を用いず形成
される。磁気記録部は支持体の感熱層の反対面に設けて
もよいし、支持体と感熱層の間、感熱層上の一部に設け
てもよい。また、表示に用いる可逆感熱材料をバーコー
ド、2次元コード等により記憶部に用いてもよい。これ
らの中では磁気記録、ICが更に好ましい。
【0083】本発明の熱可逆記録媒体では、支持体の感
熱層形成面の反対面に接着剤層または粘着剤層を設けて
熱可逆記録ラベルとすることができる。接着剤層または
粘着剤層の材料は一般的に使われているものが使用可能
である。具体例としては、ユリア樹脂、メラミン樹脂、
フェノール樹脂、エポキシ樹脂、酢ビ系樹脂、酢酸ビニ
ル−アクリル系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、アクリル系樹脂、ポリビニルエーテル系樹脂、塩化
ビニル−酢酸ビニル系共重合体、ポリスチレン系樹脂、
ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド
系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、ポリビニルブチ
ラール系樹脂、アクリル酸エステル系共重合体、メタク
リル酸エステル系共重合体、天然ゴム、シアノアクリレ
ート系樹脂、シリコン系樹脂などが挙げられるが、これ
らに限定されるものではない。接着剤層または粘着剤層
の材料はホットメルトタイプでも良い。剥離紙を用いて
も良いし、無剥離紙タイプでも良い。
【0084】このように接着剤層または粘着剤層を設け
ることにより、感熱層の塗布が困難な磁気ストライプ付
塩ビカードなどの厚手の基板の全面もしくは一部に貼る
ことができる。これにより磁気に記憶された情報の一部
を表示することができる等、この媒体の利便性が向上す
る。このような接着剤層または粘着剤層を設けた熱可逆
記録ラベルは、前述の磁気付塩ビカードだけでなく、I
Cカードや光カードなどの厚手カードにも適用できる。
【0085】また、これらの熱可逆記録ラベルはフロッ
ピーディスクやMDやDVD−RAMなどの記憶情報が
書換可能なディスクを内蔵したディスクカートリッジ上
の表示ラベルの替わりとして用いることができる。図3
に熱可逆記録ラベルをMDのディスクカートリッジ上に
貼った例を示す。さらに、CD−RWなどのディスクカ
ートリッジを用いないディスクの場合には、直接ディス
クに熱可逆記録ラベルを貼ることもできる。それらの記
憶内容の変更に応じて自動的に表示内容を変更するなど
の用途への応用が可能である。図4に熱可逆記録ラベル
をCD−RW上に貼った例を示す。CD−Rなどの追記
型ディスク上に熱可逆記録ラベルを貼って、CD−Rに
追記した記憶情報の一部を書換え表示することも可能で
ある。図5は、AgInSbTe系の相変化形記憶材料
を用いた光情報記録媒体(CD−RW)上に熱可逆記録
ラベルを形成した構成の例である。基本的な構成は、案
内溝を有する基体上に第一誘電体層、光情報記憶層、第
二誘電体層、反射放熱層、中間層が設けられ、基体の裏
面にハードコート層を有する。さらに中間層上に熱可逆
記録ラベルが貼付されている。誘電体層は必ずしも記録
層の両側に設ける必要はないが、基体がポリカーボネー
ト樹脂のように耐熱性が低い材料の場合には第一誘電体
層を設けることが望ましい。
【0086】さらにまた、図6に示すようにビデオテー
プカセットの表示ラベルとして用いても良い。厚手カー
ド、ディスクカートリッジやディスク上に熱可逆記録機
能を設ける方法としては上述の熱可逆記録ラベルを貼る
方法以外に、それらの上に感熱層を直接塗布する方法や
あらかじめ別の支持体上に感熱層を形成しておき、厚手
カード、ディスクカートリッジやディスク上に感熱層を
転写する方法などがある。転写する場合には、感熱層上
にホットメルトタイプなどの接着層や粘着層を設けてお
いても良い。厚手カード、ディスク、ディスクカートリ
ッジ、テープカセットなどのように剛直なものの上に熱
可逆記録ラベルを貼着したり、感熱層を設ける場合に
は、サーマルヘッドとの接触性を向上させ画像を均一に
形成するために弾力があり、クッションとなる層もしく
はシートを剛直な基体とラベルもしくは感熱層の間に設
けることが好ましい。
【0087】特に、本発明の可逆性記録媒体が、書換可
能なバーコードを設けたものである場合には反射率の異
なる2種以上の部位からなるものとすることが好まし
い。というのは、人間が目視する場合には、例えば白濁
状態の画像部と着色状態の非画像部とは光量差に加えて
色調差があり、かつ、目視する角度によっては非画像部
からの過度の反射光によるグレアがなくなるので可逆的
可視像を目視し易くするが、一方、これを反射濃度計や
バーコード読取り装置のような装置で読み取る場合に
は、通常、光を斜めから入射させ面に対し垂直方向にセ
ンサーを置き読み取ることになり、これは、とりもなお
さず、着色層により可視光の少なくとも一部が吸収され
コントラストが低くなった結果を計測するに過ぎないた
めである。而して、本発明の可逆性感熱記録媒体におけ
る着色層は、可視光に対する反射率の異なる2種以上の
部位からなり、かつ、その少なくとも一方の部位が可視
光を吸収する層であり、他の少なくとも一部が可視光を
反射する層からなるものとして、目視でも画像を認識し
やすく、かつ、装置による測定でも高コントラストが得
られるものすることができる。
【0088】可逆性(可逆的)感熱層においてバーコー
ドを読み取るのに必要な高いコントラストを得るには、
有機低分子物質の平均粒子径が0.1〜2.0μmの範
囲にあることが好ましく、より適切な白濁度になる。そ
して、分散された有機低分子物質の平均粒子径が大きく
なればなるほど多結晶状態になり難くなり、光を散乱さ
せる効果が小さくなって、白濁度が低下してコントラス
トが低くなり、逆に、分散された有機低分子物質の平均
粒子径が小さくなればなるほど結晶の成長において分散
されたマトリックス中で多結晶状態を形成しにくくな
り、この場合も白濁度が低下してコントラストが低くな
るためと考えられる。さらに、バーコードを読み取る関
係から、有機低分子物質の粒子の平均粒子径がバーコー
ドを読み取る際の光源の波長の1/8から2倍までの範
囲にあるとき、バーコードの読み取り時のコントラスト
がさらに向上する。こうした現象が何故生じるかはいま
だに明らかにされていないが、大よそ次のように推察さ
れている。即ち、白濁度つまり光の散乱度は有機低分子
物質粒子中の結晶の大きさで決まると考えられ、さらに
この結晶の大きさは有機低分子物質粒子の大きさで決ま
ってくると考えられる。これは、有低分子物質粒子の大
きさにより、樹脂母材とその樹脂母材中に分散されてい
る有機低分子物質との界面の面積が決まり、この界面の
面積から樹脂母材と有機低分子物質との相互作用の強さ
が決まり、その相互作用の強さが粒子中の結晶の大きさ
に影響を与えるためと推測されている。また、ある波長
の光を一番散乱しやすい結晶の大きさがあり、これは個
々の材料によって異なるが、光の波長より小さい結晶が
その波長の光を散乱しやすい。つまり、有機低分子物質
の平均粒子径がバーコードを読み取る光の波長の1/8
から2倍までの範囲にあるとき白濁状態の有機低分子物
質粒子中の多結晶の個々の結晶の大きさがその波長の光
を最も散乱しやすい大きさになっているものと考えられ
ている。前記の平均粒子径が読み取り光源の波長の1/
8未満となると、散乱効果が減少し、白濁度が下がり、
コントラストが減少し、逆に、2倍を越えると樹脂母材
と有機低分子物質の界面の表面積が減少し、樹脂母材と
有機低分子物質との相互作用が減少し、有機低分子物質
粒子中の結晶の制御がしにくくなると考えられており、
白濁度が下がり、コントラストが減少する。なお、有機
低分子物質の粒径を制御する方法としては貧溶媒の混
入、記録層形成液塗工時の加熱乾燥の制御、分散性を制
御するための界面活性剤の添加等が考えられるがこれら
に限定されるものではない。
【0089】ところで、従来バーコードを読み取るため
の光源の波長は600nm以上と規定され(JIS B
9550)、通常600nmから1000nmの範囲の
波長の光源が用いられている。具体的にはLED(66
0nm及び940nmの波長のものが良く用いられ
る)、レーザー(He−Neレーザーで600nm、半
導体レーザーで680nm、780nm、及び960n
mが良く用いられる)が挙げられる。
【0090】本発明の可逆性記録媒体におけるバーコー
ド表示体によれば、上記したような660nm以上の波
長の光源を用いてバーコードを読み取ることは勿論可能
であるが、より短い波長の光源を用いることもでき、む
しろ短い波長の光源を用いた方がより高いコントラスト
が得られる。例えば、400〜600nmの光を用いれ
ば、600nm〜10000nmの光に比べ、コントラ
ストは最大で2倍近くになる。これは波長の短い光の方
が有機低分子物質に対する屈折率が大きくなり、光の散
乱が増え、そのため白濁度が向上するためであると考え
られる。
【0091】なお、ここでいう「バーコード」とは、光
の強弱や波長の変化等の光学的変化を可視光の波長域で
あってもなくても情報として認識しうるものであればよ
く、従って、二次元バーコード、OCR、カルラコード
に代表される他の光学的認識パターン表示体をも包含す
る。
【0092】例えば本発明の可逆性感熱記録媒体は図7
aに示されるように、支持体(11)上に、可逆性感熱
記録層(13)、保護層(14)を設けてなるフィル
ム、図7bに示されるように、支持体(11)上に、ア
ルミ反射層(12)、可逆性感熱記録層(13)、保護
層(14)を設けてなるフィルム、図7cに示されるよ
うに、支持体(11)上に、アルミ反射層(12)、可
逆性感熱記録層(13)、保護層(14)を設け支持体
(11)の裏面に磁気記録層(16)を設けてなるフィ
ルム、を図8に示されるように、印刷表示部(23)を
有するカード(21)に加工した形であることができ
る。
【0093】さらに、例えば図9aに示されるように、
支持体(11)上に、アルミ反射層(12)、可逆性感
熱記録層(13)、保護層(14)を設けてなるフィル
ムをカード状に加工し、ICチップを納める窪み部(2
3)を形成するとともにカード状に加工した形であるこ
とができる。この例においては、カード状の可逆性感熱
記録媒体に書き換え記録部(24)がラベル加工される
とともに、可逆性感熱記録媒体の裏面側には所定箇所に
ICチップ埋め込み用窪み部(23)が形成されてお
り、この窪み部(23)に、図9bに示されるようなウ
ェハ(231)が組込まれて固定される。ウェハ(23
1)は、ウェハ基板(232)上に集積回路(233)
が設けられると共に、この集積回路(233)に電気的
に接続されている複数の接触端子(234)がウェハ基
板(232)に設けられる。この接触端子(234)は
ウェハ基板(232)の裏面側に露出しており、専用の
プリンタ(リーダライタ)がこの接触端子(234)に
電気的に接触して所定の情報を読み出したり書き換えた
りできるように構成されている。この可逆的感熱記録カ
ードの機能例を、図10を参照しつつ説明する。
【0094】図10(a)は、集積回路(233)を示
す概略の構成ブロック図であり、(b)はRAMの記憶
データの1例を示す構成ブロック図である。集積回路
(233)は、例えばLSIで構成されており、その中
には制御動作を所定の手順で実行することのできるCP
U(235)と、CPU(235)の動作プログラムデ
ータを格納するROM(236)と、必要なデータの書
き込み及び読み出しができるRAM(237)を含む。
さらに集積回路(233)は、入力信号を受けてCPU
(235)に入力データを与えるとともにCPU(23
5)からの出力信号を受けて外部に出力する入出力イン
ターフェース(238)と、図示していないが、パワー
オンリセット回路、クロック発生回路、パルス分周回路
(割込パルス発生回路)、アドレスデコーダ回路とを含
む。CPU(235)は、パルス分周回路から定期的に
与えられる割込パルスに応じて、割込制御ルーチンの動
作を実行することが可能となる。また、アドレスデコー
ド回路はCPU(235)からのアドレスデータをデコ
ードし、ROM(236)、RAM(237)、入出力
インターフェース(238)にそれぞれ信号を与える。
入出力インターフェース(238)には、複数(図中で
は8個)の接触端子(234)が接続されており、前記
の専用プリンタ(リーダライタ)からの所定データがこ
の接触端子(234)から入出力インターフェース(2
38)を介してCPU(235)に入力される。CPU
(235)は、入力信号に応答して、かつROM(23
6)内に格納されたプログラムデータに従って、各動作
を行い、かつ、所定のデータ、信号を入出力インターフ
ェース(238)を介してカードリーダライタに出力す
る。
【0095】図10(b)に示されるように、RAM
(237)は複数の記憶領域(239a)〜(239
f)を含む。例えば領域(239a)にはカード番号が
記憶され、(239b)には例えばカード所有者の氏
名、住所、電話番号等のIDデータが記憶され、領域
(239c)には例えば所有者の使用しうる残存有価価
値又は有価物に相当する情報が記憶され、領域(239
d)(239e)(239f)及び(239g)には使
用済の有価価値又は有価物に相当する情報が記憶され
る。
【0096】上記の熱可逆記録媒体の画像の記録と消去
の方法と装置について以下に述べる。画像の記録はサー
マルヘッド、レーザ等、媒体を画像上に部分的に加熱可
能である画像記録手段が用いられる。画像の消去は、ホ
ットスタンプ、セラミックヒータ、ヒートローラ、熱風
等や、サーマルヘッド、レーザ等の画像消去手段が用い
られる。この中ではセラミックヒータが好ましく用いら
れる。セラミックヒータを用いることにより、装置が小
型化でき、かつ安定した消去状態が得られ、コントラス
トのよい画像が得られる。セラミックヒータの設定温度
は110℃以上が好ましく、112℃以上が更に好まし
く、115℃以上が特に好ましい。
【0097】また、サーマルヘッドを用いることによ
り、更に小型化が可能となり、また、消費電力を低減す
ることが可能であり、バッテリー駆動のハンディタイプ
の装置も可能となる。記録用と消去用を兼ねて一つのサ
ーマルヘッドとすれば、更に小型化が可能となる。一つ
のサーマルヘッドで記録と消去を行なう場合、一度前の
画像を全部消去した後、あらためて新しい画像を記録し
てもよいし、画像毎にエネルギーを変えて一度に前の画
像を消去し、新しい画像を記録していくオーバーライト
方式も可能である。オーバーライト方式では記録と消去
を合わせた時間が少なくなり、記録のスピードアップに
つながる。感熱層と情報記憶部を有するカードを用いる
場合、上記の装置には情報記憶部の記憶を読み取る手段
と書き換える手段も含まれる。
【0098】図11には、本発明の熱可逆性記録装置の
具体例を示す。図11aは、本発明により画像の消去を
セラミックヒータで、画像の形成をサーマルヘッドでそ
れぞれ行う場合の装置の概略例を示す。図11aの熱可
逆性記録装置においては、最初、記録媒体の磁気記録層
に記憶された情報を磁気ヘッドで読み取り、つぎにセラ
ミックヒータで可逆性感熱層に記録された画像を加熱消
去し、さらに、磁気ヘッドで読み取られた情報をもとに
して、処理された新たな情報がサーマルヘッドにより、
逆性感熱層に記録される。その後、磁気記録層の情報も
新たな情報に書き替えられる。
【0099】すなわち、図11aの熱可逆性記録装置に
おいては、感熱層の反対側に磁気記録層を設けた熱可逆
性記録媒体(1)は往復の矢印で図示されている搬送路
に沿って搬送され、或いは搬送路に沿って装置内を逆方
向に搬送される。熱可逆性記録媒体(1)は、磁気ヘッ
ド(34)と搬送ローラ(31)間で磁気記録層に磁気
記録或いは記録消去され、セラミックヒータ(38)と
搬送ローラ(40)間で像消去のため加熱処理され、サ
ーマルヘッド(53)及び搬送ローラ(47)間で像形
成され、その後、装置外に搬出される。先に説明したよ
うに、セラミックヒータ(38)の設定温度は110℃
以上が好ましく、112℃以上が更に好ましく、115
℃以上が特に好ましい。ただし磁気記録の書きかえはセ
ラッミックヒータによる画像消去の前であっても跡であ
ってもよい。また、所望により、セラミックヒータ(3
8)と搬送ローラ(40)間を通過後、又はサーマルヘ
ッド(53)及び搬送ローラ(47)間を通過後、搬送
路を逆方向に搬送され、セラミックヒータ(38)よる
再度の熱処理、サーマルヘッド(53)による再度の印
字処理を施すことができる。
【0100】図11bの熱可逆性記録装置においては、
出入口(30)から挿入された熱可逆性記録媒体(1)
は一点破線で図示されている搬送路(50)に沿って進
行し、或いは搬送路(50)に沿って装置内を逆方向に
進行する。出入口(30)から挿入された熱可逆性記録
媒体(1)は、搬送ローラ(31)及びガイドローラ
(32)により記録装置内を搬送され、搬送路(50)
の所定位置に到達するとセンサ(33)により制御手段
(34c)を介してその存在を認識され、磁気ヘッド
(34)とプラテンローラ(35)間で磁気記録層に磁
気記録或いは記録消去され、ガイドローラ(36)及び
搬送ローラ(37)間を通過し、ガイドローラ(39)
及び搬送ローラ(40)間を通過し、センサ(43)に
より、セラミックヒータ制御手段(38c)を介してそ
の存在を認識して作動するセラミックヒータ(38)と
プラテンローラ(44)間で像消去のため加熱処理さ
れ、搬送ローラ(45)(46)(47)により搬送路
(50)内を搬送され、所定位置にてセンサ(51)に
より、サーマルヘッド制御手段(53c)を介してその
存在を認識して作動するサーマルヘッド(53)及びプ
ラテンローラ(52)間で像形成され、搬送路(56
a)から搬送ローラ(59)及びガイドローラ(60)
により出口(61)を経て装置外に搬出される。ここ
で、セラミックヒータ(38)の設定温度は、先に説明
したように、110℃以上が好ましく、112℃以上が
更に好ましく、115℃以上が特に好ましい。
【0101】また、所望により、搬送路切換手段(55
a)を切り替えることにより搬送路(56b)に導き、
熱可逆性記録媒体(1)の押圧により入力するリミット
スイッチ(57a)の作動より逆方向に動く搬送ベルト
(58)によって、熱可逆性記録媒体(1)を再度、サ
ーマルヘッド(53)及びプラテンローラ(52)間で
熱処理した後、搬送路切換手段(55b)を切り替える
ことにより通じる搬送路(49b)、リミットスイッチ
(57b)、搬送ベルト(48)を介して順方向に搬送
し、搬送路(56a)から搬送ローラ(59)及びガイ
ドローラ(60)により出口(61)を経て装置外に搬
出することができる。さらに、このような分岐した搬送
路及び搬送切換手段は、セラミックヒータ(38)の両
側に設けることもでき、その場合にはセンサ(43a)
をプラテンローラ(44)と搬送ローラ(45)の間に
設けることが望ましい。
【0102】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に具体的に説
明する。なお、実施例中の「部」は重量部を表わす。 実施例1 約50μm厚の透明なポリエステルフィルム(東レ社
製、ルミラーT−60)上に、 ベヘン酸(SIGMA社製試薬、純度99%) 7部 HOOC(CH2)5NHCO(CH2)10CONH(CH2)5COOH 1.2部 エイコサン二酸(岡村製油社製、SL−20−90) 1.8部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 38部 (ユニオンカーバイト社製、VYHH) ジメチルホルムアミド 230部 よりなる溶液を塗布し、加熱乾燥して約12μm厚の感
熱層を設けた。その上に、 ウレタンアクリレート系紫外線硬化性樹脂の 10部 75%酢酸ブチル溶液 (大日本インキ化学工業社製、ユニディック C7−157) イソプロピルアルコール 10部 よりなる溶液をワイヤーバーで塗布し、加熱乾燥後、8
0w/cmの高圧水銀灯で紫外線を照射し、硬化させ、
約3μm厚のオーバーコート層を設け、熱可逆記録媒体
を作製した。
【0103】実施例2 大日本インキ工業社製磁気原反(メモリディック DS
−1711−1040:188μm厚の透明PETフィ
ルム上に磁気記録層及びセルフクリーニング層を塗工し
たもの)のPETフィルム側に約400ÅのAlを真空
蒸着して光反射層を設けた。その上に、 塩化ビニル−酢酸ビニル−リン酸エステル共重合体 10部 (電気化学工業社製、デンカビニール♯1000P) メチルエチルケトン 45部 トルエン 45部 よりなる溶液を塗布、加熱乾燥し、約0.5μm厚の接
着層を設けた。更にその上に、実施例1と同様に感熱層
及びオーバーコート層を設け、熱可逆記録媒体を作製し
た。
【0104】実施例3 感熱層の塗工溶液を下記のとおり変更する以外は、実施
例1と同様にして熱可逆記録媒体を作製した。 12−トリコサノン(東京化成社製、試薬) 5.2部 14−ヘプタコサノン(東京化成社製、試薬) 1.8部 エイコサン二酸(岡村製油社製、SL−20−90) 1.8部 CH3(CH2)17SO2(CH2)2COOH 1.2部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 38部 (ユニオンカーバイト社製、VYHH) ジメチルホルムアミド 230部
【0105】実施例4 感熱層の塗工溶液を下記のとおり変更する以外は、実施
例1と同様にして熱可逆記録媒体を作製した。 14−ヘプタコサノン(東京化成社製、試薬) 8部 CH3(CH2)17SO2(CH2)2COOH 2部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 38部 (ユニオンカーバイト社製、VYHH) テトラヒドロフラン 210部 トルエン 20部
【0106】実施例5 感熱層の塗工溶液を下記のとおり変更する以外は、実施
例1と同様にして熱可逆記録媒体を作製した。 ベヘン酸(SIGMA社製試薬、純度99%) 5部 CH3(CH2)17SO2(CH2)2COOH 5部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 38部 (ユニオンカーバイト社製、VYHH) テトラヒドロフラン 210部 トルエン 20部
【0107】実施例6 ガラスビン中に、 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 6部 (ユニオンカーバイト社製、VYHH) テトラヒドロフラン 33部 エチルセロソルブ 8部 よるなる溶液を入れ、更に、 CH3(CH2)17NHCONH(CH2)2COOH 3部 を加え、更にガラスビン中に直径約2mmのセラミック
ビーズを入れ、ペイントシェーカー(浅田鉄工(株)
製)を用い、約18時間分散し、粒径約10μmの分散
液(A)を作製した。次に、 ベヘン酸(SIGMA社製試薬、純度99%) 7部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 32部 (ユニオンカーバイト社製、VYHH) テトラヒドロフラン 120部 エチルセロソルブ 32部 からなる溶液を作製し、この溶液191に対し、分散液
(A)50の比率で混合し、感熱層用の塗工液を作製し
た。この感熱層用の塗工液を用いる以外は実施例1と同
様にして熱可逆記録媒体を作製した。
【0108】比較例1 感熱層の塗工溶液を下記のとおり変更する以外は、実施
例1と同様にして熱可逆記録媒体を作製した。 ベヘン酸(SIGMA社製試薬、純度99%) 5部 エイコサン二酸(岡村製油社製、SL−20−90) 5部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 38部 (ユニオンカーバイト社製、VYHH) テトラヒドロフラン 210部 トルエン 20部
【0109】比較例2 約50μm厚の透明なポリエステルフィルム(東レ社
製、ルミラーT−60)上に、 ベヘン酸(SIGMA社製試薬、純度99%) 6部 エイコサン二酸(岡村製油社製、SL−20−90) 1部 1,4−シスシクロヘキサンジカルボン酸 0.7部 (東京化成社製、試薬) 1,4−トランスシクロヘキサンジカルボン酸 0.7部 (東京化成社製、試薬) 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体 24部 (積水化学工業社製、エスレックA) イソシアナート 2.4部 (旭化成社製硬化剤、デュラネート24A−100) トリエチレンジアミン(東京化成社製試薬、硬化促進剤) 0.24部 テトラヒドロフラン 136部 トルエン 14部 よりなる溶液を塗布した後、130℃、3分間加熱し、
乾燥、硬化して約12μm厚の感熱層を設けた。その上
に、実施例1と同様にオーバーコート層を設け、熱可逆
記録媒体を作製した。
【0110】比較例3 感熱層の塗工溶液を下記のとおり変更する以外は、比較
例2と同様にして熱可逆記録媒体を作製した。 ベヘン酸(SIGMA社製試薬、純度99%) 9部 1,4−シスシクロヘキサンジカルボン酸 0.5部 (東京化成社製、試薬) 1,4−トランスシクロヘキサンジカルボン酸 0.5部 (東京化成社製、試薬) 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体 30部 (積水化学工業社製、エスレックA) イソシアナート 3部 (旭化成社製硬化剤、デュラネート24A−100) トリエチレンジアミン(東京化成社製試薬、硬化促進剤) 0.3部 テトラヒドロフラン 170部 トルエン 17部
【0111】比較例4 感熱層の塗工溶液を下記のとおり変更する以外は、実施
例1と同様にして熱可逆記録媒体を作製した。 12−トリコサノン(東京化成社製、試薬) 33部 14−ヘプタコサノン(東京化成社製、試薬) 11部 デオキシコール酸(東京化成社製、試薬) 4部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 100部 (ユニオンカーバイト社製、VYHH) テトラヒドロフラン 550部 トルエン 55部
【0112】比較例5 感熱層の塗工溶液を下記のとおり変更する以外は、実施
例1と同様にして熱可逆記録媒体を作製した。 リグノセリン酸エチル(東京化成社製、試薬) 30部 デオキシコール酸(東京化成社製、試薬) 10部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 100部 (ユニオンカーバイト社製、VYHH) テトラヒドロフラン 570部 トルエン 57部
【0113】実施例7 ガラスビン中に、 塩化ビニル系共重合体 5部 (日本ゼオン社製、MR−110) テトラヒドロフラン 42部 よるなる溶液を入れ、更に、 HOOC(CH2)5NHCO(CH2)4CONH(CH2)5COOH 3部 を加え、更にガラスビン中に直径約2mmのセラミック
ビーズを入れ、ペイントシェーカー(浅田鉄工(株)
製)を用い、約48時間分散し、粒径約2μmの分散液
(B)を作製した。次に、 ベヘン酸(ミヨシ油脂社製、B−95) 7部 エイコサン二酸(岡村製油社製、SL−20−90) 1.5部 塩化ビニル系共重合体 24部 (日本ゼオン社製、MR−110) テトラヒドロフラン 125部 オルトキシレン 27部 からなる溶液を作製し、この溶液184.5部に対し、
分散液(B)25部の比率で混合し、更にイソシアネー
ト化合物(日本ポリウレタン社製、コロネートHK)を
2.5部混合することにより、感熱層用の塗工液を作製
した。実施例2と同様にして作製した光反射層と接着層
付きの磁気原反の接着層の上に、この感熱層用塗工液を
塗布し、約130℃で3分間、加熱乾燥して約10μm
の感熱層を設け、さらに約60℃の環境下に24時間放
置し、記録層中のイソシアネートと塩化ビニル系共重合
体を架橋させた。次に、感熱層上に実施例1と同様にし
て、オーバーコート層を設けた後、約150℃で30秒
間加熱し、感熱層中の有機低分子物質を相互に溶融さ
せ、熱可逆記録媒体を作製した。
【0114】実施例8 実施例7のベヘン酸7部を、 12−トリコサノン(東京化成社製、試薬) 5.2部 14−ヘプタコサノン(東京化成社製、試薬) 1.8部 とする以外は、実施例7と同様にして熱可逆記録媒体を
作製した。
【0115】実施例9 分散液(B)のHOOC(CH2)5NHCO(CH2)4CO
NH(CH2)5COOHを、HOOC(CH2)3NHCO
(CH2)12CONH(CH2)3COOHとし、オーバーコ
ート層を設けた後の加熱温度を160℃とする以外は、
実施例7と同様にして熱可逆記録媒体を作製した。
【0116】実施例10 分散液(B)のHOOC(CH2)5NHCO(CH2)4CO
NH(CH2)5COOHを、HOOC(CH2)5NHCO
(CH2)2CONH(CH2)5COOHとし、オーバーコー
ト層を設けた後の加熱温度を175℃とする以外は、実
施例7と同様にして熱可逆記録媒体を作製した。
【0117】実施例11 実施例1で作製した熱可逆記録媒体の支持体の感熱層面
の裏面に、約5μmのアクリル系粘着剤層を設け、熱可
逆記録ラベルを作製した。このラベルを図4のようにド
ーナッツ状にして図5のようにCD−RW上に貼り合わ
せて可逆表示機能付きの光情報記録媒体を作製した。上
記のように作製した光情報記録媒体を用い、CD−RW
ドライブ((株)リコー製 MP6200S)で記憶し
た情報の一部(年月日、時刻など)を、記録手段(サー
マルヘッド)と消去手段(セラミックヒーター)を有す
る記録装置を用いて、サーマルヘッドの記録エネルギー
をそれぞれの媒体の記録温度の変化に合わせて調整して
感熱層へ表示記録し、可視化した。また、該ドライブを
用い、光情報記録媒体の記憶層の情報を書き換え、記録
装置により消去手段を用い、先の記録を消去し新たにサ
ーマルヘッドで、書き換えた情報を感熱層に書き換え、
表示記録した。さらに、この表示記録の書き換えを10
0回繰り返したが、記録および消去は可能であった。
【0118】実施例12 実施例11の熱可逆記録ラベルを図3に示すようにミニ
ディスク(MD)ディスクカートリッジ上に貼り付け
た。MDに記憶された情報の一部(年月日、曲名など)
を、記録手段(サーマルヘッド)と消去手段(セラミッ
クヒーター)を有する記録装置を用いて、サーマルヘッ
ドの記録エネルギーをそれぞれの媒体の記録温度の変化
に合わせて調整して感熱層へ表示記録し、可視化した。
さらに、この表示記録の書き換えを100回繰り返した
が、記録および消去は可能であった。
【0119】比較例6 感熱層の塗工溶液を下記のとおり変更する以外は、実施
例2と同様にして熱可逆記録媒体を作製した。ここで形
成された感熱層は、白色の粒子が目立ち均一性の悪いも
のであった。 ベヘン酸ベヘニル(シグマ社製、試薬) 9.5部 エチレンビスベヘン酸アミド 0.5部 (日本化成社製、スリパックスB) 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 30部 (ユニオンカーバイト社製、VYHH) テトラヒドロフラン 160部
【0120】次に、実施例1〜10、比較例1〜6に係
る熱可逆記録媒体を熱傾斜試験機(東洋精機製、HG−
100)を用い、加熱時間1秒、圧力約2.5kg/c
2とし、5℃間隔で温度を変え、加熱した後、常温に
冷却し、実施例1、実施例3〜6、比較例1〜5の場合
は加熱した部位の背面に透明PETフィルム上に約40
0Å厚でAlを蒸着したフィルム(東洋メタライジング
(株)♯50 メタルミー)を蒸着面側を上にして置
き、実施例2、7〜10、比較例6の場合はそのままで
マクベスRD914反射濃度計を用い、各温度に加熱し
た後の濃度値を測定した。その結果を図12〜17に示
す。この図から、最大濃度値(Dmax)、平均透明濃度
(Dtav)、透明化下限濃度(Dtm)、白濁上限濃度
(Ds)、透明化開始濃度度(Dta)、白濁化下限温度
(Tsl)、透明化開始温度(Tta)、透明化下限温度
(Ttl)、透明化上限温度(Ttu)、透明化上限温度と
白濁化下限温度の差(ΔTts)、透明化温度幅(Δ
w)を読み取り、若しくは算出した。その結果を表
5、7に示す。
【0121】更に、下記の測定を行なった。その結果を
表6、8に示す。 (1)コントラスト=Dtav−Dmin(表5、7の数値か
ら算出) (2)消去性 あらかじめ、媒体を透明化しておき、九州松下電器製リ
ーダライタ(R−3000)を用い、0℃環境下で、熱
傾斜試験機で部分的に白濁化させた後、消去温度の中心
近辺の最適消去温度で消去することを、50枚行ない、
画像の消去状態を目視で判定した。 ○:すべて消去可能 ○〜△:薄い消し残りが少し発生 △:明らかな消し残りが時々発生 ×:消し残りが頻繁に発生 (3)耐熱性 あらかじめ、媒体を透明化した後、熱傾斜試験機で十分
加熱し、部分的に白濁化させた媒体を60℃、65℃、
70℃に設定した恒温槽中に24時間放置した後、取り
出し、白濁部(白濁画像)をマクベスRD914反射濃
度計を用い濃度値を測定した。 (4)最適印字エネルギー あらかじめ、媒体を透明化した後、沖電気製(RC−3
0/M20)を用い、印字エネルギーを上げていき、十
分に白濁化可能になり始めるエネルギーを最適印字エネ
ルギーとした。 (5)繰り返し耐久性−1 それぞれの媒体上に、RIテスタを用い、OPニス(大
日本インキ社製、ニューダイキュアGPOPニス)を約
2μm厚で形成した後、高圧水銀灯で紫外線を照射し、
硬化させた。この媒体を沖電気製リーダライタ(RC−
30/M20)を用い、それぞれ最適エネルギーで印字
し、最適消去温度で消去した。印字と消去を50回繰り
返した後、表面のOPニスのキズの状態を目視で判定し
た。 ○:ほとんど発生なし △:少し発生 △〜×:やや悪い ×:悪い (6)繰り返し耐久性−2 「(5)繰り返し耐久性−1」で得られたそれぞれの媒
体の最適印字エネルギーの40%増しのエネルギーで印
字する以外は、「(5)繰り返し耐久性−1」と同様に
して、画像の印字と消去を50回繰り返した。このよう
に印字エネルギーを40%増やすことにより、最適印字
エネルギーで500回繰り返した場合と同じ約10倍の
強制テストとなる。50回目の画像の濃度をマクベスR
D914反射濃度計を用い濃度値を測定した。ここで
(2)消去性、(4)最適印字エネルギー、(5)繰り
返し耐久性−1、(6)繰り返し耐久性−2の評価で
は、実施例1、実施例3〜6と比較例1〜5は媒体に1
25μmのPETフィルムを両面テープで貼り合わせた
後評価した。実施例2、7〜10、比例6はそのまま評
価した。
【0122】
【表5】
【0123】
【表6】
【0124】
【表7】
【0125】
【表8】
【0126】
【発明の効果】以上、詳細かつ具体的な説明から明らか
なように、本発明によれば、画像耐熱性を維持したまま
透明化する温度幅を広げ、環境温度が変化しても十分な
画像消去性ひいては十分なコントラストが得られ、かつ
良好な繰り返し耐久性が得られる熱可逆性記録媒体及び
これを用いたカードが提供され、また、そのための製造
方法及びこれら熱可逆性記録媒を用いるに適した画像方
法及び装置が提供されるという極めて優れた効果が発揮
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱可逆記録媒体による透明度の変
化を表した図である。
【図2】本発明に係る熱可逆記録媒体の透明化上限温
度、白濁化下限温度、透明化開始温度、透明化温度幅を
説明する図である。
【図3】熱可逆記録ラベルをMDのディスクカートリッ
ジ上に貼った例を示す図である。
【図4】熱可逆記録ラベルをCD−RW上に貼った例を
示す図である。
【図5】AgInSbTe系の相変化形記憶材料を用い
た光情報記録媒体(CD−RW)上に熱可逆記録ラベル
を形成した構成の例を示す図である。
【図6】ビデオテープカセットの表示ラベルを示す図で
ある。
【図7】本発明に係る熱可逆記録媒体の層構成例を示す
図である。
【図8】本発明に係る熱可逆記録媒体の1例を説明する
図である。
【図9】本発明に係る熱可逆記録媒体の別の1例を説明
する図である。
【図10】本発明に係る熱可逆記録媒体の使用例を説明
する図である。
【図11】本発明に係る熱可逆記録装置の1例を説明す
る図である。
【図12】本発明に係る熱可逆記録媒体例の温度−反射
濃度の関係を示す図である。
【図13】本発明に係る別の熱可逆記録媒体例の温度−
反射濃度の関係を示す図である。
【図14】比較例の熱可逆記録媒体例の温度−反射濃度
の関係を示す図である。
【図15】別の比較例の熱可逆記録媒体例の温度−反射
濃度の関係を示す図である。
【図16】本発明に係る別の熱可逆記録媒体例の温度−
反射濃度の関係を示す図である。
【図17】別の比較例の熱可逆記録媒体例の温度−反射
濃度の関係を示す図である。
【符号の説明】
1 熱可逆性記録媒体 11 支持体 12 アルミニウム反射層 13 感可逆性記録層 14 保護層 15 透明PETフイルム 16 空気層 17 接着層 20 磁気塗工層 21 カード 22 書き換え記録部 23 ICチップ用窪み部 24 書き換え記録部のラベル加工 30 出入口 31 搬送ローラ 32 ガイドローラ 33 センサ 34 磁気ヘッド 34c 制御手段 35 プラテンローラ 36 ガイドローラ 37 搬送ローラ 38 セラミックヒータ 38c 制御手段 39 ガイドローラ 40 搬送ローラ 43 センサ 44 プラテンローラ 45 搬送ローラ 46 搬送ローラ 47 搬送ローラ 48 搬送ベルト 49a 搬送路 49b 搬送路 50 搬送路 51 センサ 52 プラテンローラ 53 サーマルヘッド 53c 制御手段 54 搬送路 55a 搬送路切換手段 55b 搬送路切換手段 56a 搬送路 56b 搬送路 57a リミットスイッチ 57b リミットスイッチ 58 搬送ベルト 59 搬送ローラ 60 ガイドローラ 61 出口 231 ウエハ 232 ウエハ基板 233 集積回路 234 接触端子 235 CPU 236 ROM 237 RAM 238 入出力用インターフェース 239 RAM記憶領域の情報
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年8月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0095
【補正方法】変更
【補正内容】
【0095】 図10(b)に示されるように、RAM
(237)は複数の記憶領域(239a)〜(239
g)を含む。例えば領域(239a)にはカード番号が
記憶され、(239b)には例えばカード所有者の氏
名、住所、電話番号等のIDデータが記憶され、領域
(239c)には例えば所有者の使用しうる残存有価価
値又は有価物に相当する情報が記憶され、領域(239
d)(239e)(239f)及び(239g)には使
用済の有価価値又は有価物に相当する情報が記憶され
る。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図10
【補正方法】変更
【補正内容】
【図10】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鳥居 昌史 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 杉山 邦利 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 小堀 英之 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 杉山 克之 東京都葛飾区堀切4丁目66番1号 ミヨシ 油脂株式会社内 (72)発明者 小久保 勝明 東京都葛飾区堀切4丁目66番1号 ミヨシ 油脂株式会社内 (72)発明者 河合 功治 東京都葛飾区堀切4丁目66番1号 ミヨシ 油脂株式会社内 (72)発明者 細田 和夫 東京都葛飾区堀切4丁目66番1号 ミヨシ 油脂株式会社内 (72)発明者 守屋 雅文 東京都葛飾区堀切4丁目66番1号 ミヨシ 油脂株式会社内

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂母材および樹脂母材中に分散された
    有機低分子物質を主成分とし、温度に依存して透明度が
    可逆的に変化する感熱層を有する熱可逆記録媒体におい
    て、下記の3条件を満足することを特徴とする熱可逆記
    録媒体。 (1)透明化上限温度が125℃以上 (2)透明化上限温度と白濁化下限温度の温度差が20
    ℃以下 (3)透明化開始温度が95℃未満
  2. 【請求項2】 透明化温度幅が30℃以上であることを
    特徴とする請求項1に記載の熱可逆記録媒体。
  3. 【請求項3】 透明化上限温度が130℃以上であるこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の熱可逆記録媒
    体。
  4. 【請求項4】 透明化上限温度と白濁化下限温度の温度
    差が15℃以下であることを特徴とする請求項1、2又
    は3のいずれかに記載の熱可逆記録媒体。
  5. 【請求項5】 樹脂母材及び樹脂母材中に分散された有
    機低分子物質を主成分とし、温度に依存して透明度が可
    逆的に変化する感熱層を有する熱可逆記録媒体におい
    て、該有機低分子物質として、アミド結合、尿素結合、
    スルホニル結合の少なくとも一つとカルボキシル基を有
    する融点130℃以上の直鎖炭化水素含有化合物(A)
    の少なくとも一種と該直鎖炭化水素含有化合物(A)の
    融点より30℃以上低い融点の直鎖炭化水素含有化合物
    (B)の少なくとも一種を混合して用いることを特徴と
    する熱可逆記録媒体。
  6. 【請求項6】 前記直鎖炭化水素含有化合物(B)の融
    点が100℃未満であることを特徴とする請求項5記載
    の熱可逆記録媒体。
  7. 【請求項7】 前記直鎖炭化水素含有化合物(B)の融
    点が50℃以上であることを特徴とする請求項5または
    6記載の熱可逆記録媒体。
  8. 【請求項8】 前記直鎖炭化水素含有化合物(B)と前
    記直鎖炭化水素含有化合物(A)の混合比が98:2〜
    10:90であることを特徴とする請求項5、6または
    7に記載の熱可逆記録媒体。
  9. 【請求項9】 前記直鎖炭化水素含有化合物(A)とし
    て、アミド結合とカルボキシル基を有する直鎖炭化水素
    含有化合物を用いることを特徴とする請求項5、6、7
    または8に記載の熱可逆記録媒体。
  10. 【請求項10】 前記直鎖炭化水素含有化合物(A)と
    して下記一般式(1)の構造の材料を用いることを特徴
    とする請求項9記載の熱可逆記録媒体。 【化1】 HOOC-(CH2)n−X−(CH2)m−Y−(CH2)n−COOH・・・・・一般式(1) (ここで、26≧n≧1、26≧m≧1、X、YはCO
    NH又はNHCOを表し、ただしXとYは同時に同じ構
    造をとらない。)
  11. 【請求項11】 前記直鎖炭化水素含有化合物(A)と
    して、尿素結合とカルボキシル基を有する直鎖炭化水素
    含有化合物を用いることを特徴とする請求項5、6、7
    または8に記載の熱可逆記録媒体。
  12. 【請求項12】 前記直鎖炭化水素含有化合物(A)と
    して、スルホニル結合とカルボキシル基を有する直鎖炭
    化水素含有化合物を用いることを特徴とする請求項5、
    6、7または8に記載の熱可逆記録媒体。
  13. 【請求項13】 直鎖炭化水素含有化合物(A)として
    下記一般式(2)の構造の材料を用いることを特徴とす
    る請求項11または12に記載の熱可逆記録媒体。 【化2】 CH3−(CH2)n−Z−(CH2)m−COOH・・・・・一般式(2) (ここで、25≧n≧0、26≧m≧1、ZはNHCO
    NH又はSO2を表す。)
  14. 【請求項14】 前記有機低分子物質として、前記直鎖
    炭化水素含有化合物(B)の融点より10℃以上高くか
    つ前記直鎖炭化水素含有化合物(A)の融点より10℃
    以上低い融点を有する直鎖炭化水素含有化合物(C)を
    混合して用いることを特徴とする請求項5乃至13のう
    ち何れか1に記載の熱可逆記録媒体。
  15. 【請求項15】 支持体上に、樹脂母材及び樹脂母材中
    に分散された有機低分子物質を主成分とし、温度に依存
    して透明度が可逆的に変化する感熱層を設けた熱可逆記
    録媒体の製造方法において、有機低分子物質の少なくと
    も一部として融点130℃以上の有機低分子物質を用
    い、樹脂溶液中に1種以上の有機低分子物質を固体状態
    で分散した分散液を支持体上に塗布し、加熱乾燥させ、
    該加熱乾燥時に分散された有機低分子物質が分散溶媒に
    溶解し、感熱層を形成することを特徴とする熱可逆記録
    媒体の製造方法。
  16. 【請求項16】 分散液を支持体に塗布し、乾燥させる
    際の乾燥温度において分散液溶媒に対する分散液中に分
    散された有機低分子物質の溶解度が0.5%以上である
    ことを特徴とする請求項15に記載の熱可逆記録媒体の
    製造方法。
  17. 【請求項17】 常温において、分散液溶媒に対する分
    散液中に分散された有機低分子物質の溶解度が、0.5
    %未満であることを特徴とする請求項15に記載の熱可
    逆記録媒体の製造方法。
  18. 【請求項18】 支持体上に、樹脂母材及び樹脂母材中
    に分散された有機低分子物質を主成分とし、温度に依存
    して透明度が可逆的に変化する感熱層を設けた熱可逆記
    録媒体の製造方法において、有機低分子物質の少なくと
    も一部として融点130℃以上の有機低分子物質を用
    い、樹脂溶液中に2種以上の有機低分子物質を固体状態
    で分散した分散液を支持体上に塗布し、感熱層中の一番
    高い融点を持つ有機低分子物質の融点より低い温度で加
    熱乾燥させて感熱層を形成し、次いで感熱層中のすべて
    の有機低分子物質の融点以上の温度で感熱層を加熱する
    ことを特徴とする熱可逆記録媒体の製造方法。
  19. 【請求項19】 請求項1乃至14に記載の条件を満足
    する熱可逆記録媒体を有する熱可逆記録部と情報記憶部
    を有することを特徴とするカード。
  20. 【請求項20】 該情報記憶部が、磁気記録層、IC、
    光メモリから選ばれた少なくとも1種であることを特徴
    とする請求項19に記載のカード。
  21. 【請求項21】 少なくとも熱可逆記録部と支持体と磁
    気記録層からなり、この順で積層することを特徴とする
    請求項20に記載のカード。
  22. 【請求項22】 少なくとも請求項1乃至14のうち何
    れか1に記載の熱可逆記録媒体を有する熱可逆記録部と
    支持体と接着剤層もしくは粘着剤層からなり、この順で
    積層することを特徴とする熱可逆記録ラベル。
  23. 【請求項23】 記憶情報が書換可能なディスクを内蔵
    したカートリッジ上に請求項1乃至14のうち何れか1
    に記載の熱可逆記録媒体を有する熱可逆記録部を形成、
    もしくは請求項22に記載のラベルを貼着したことを特
    徴とする可逆表示付ディスクカートリッジ。
  24. 【請求項24】 記憶情報が書換もしくは追記可能なデ
    ィスク上に請求項1乃至14のうち何れか1に記載の熱
    可逆記録媒体を有する熱可逆記録部を形成、もしくは請
    求項22に記載のラベルを貼着したことを特徴とする可
    逆表示付ディスク。
  25. 【請求項25】 記憶情報が書換可能なテープカセット
    上に請求項1乃至14のうち何れか1に記載の熱可逆記
    録媒体を有する熱可逆記録部を形成、もしくは請求項2
    2に記載のラベルを貼着したことを特徴とする可逆表示
    付テープカセット。
  26. 【請求項26】 少なくとも1部に印刷によって画像を
    形成することを特徴とする請求項19乃至25に記載の
    カード、ラベル、ディスクカートリッジ、ディスク、テ
    ープカセット。
  27. 【請求項27】 請求項1乃至14または19乃至26
    のうち何れか1に記載の熱可逆記録媒体、カード、ラベ
    ル、可逆表示付ディスクカートリッジ、可逆表示付ディ
    スク、可逆表示付テープカセットを用い、加熱により画
    像の記録と消去を行なう画像処理方法。
  28. 【請求項28】 サーマルヘッドにより画像を記録する
    ことを特徴とする請求項27に記載の画像処理方法。
  29. 【請求項29】 セラミックヒーターにより画像を消去
    することを特徴とする請求項27と28に記載の画像処
    理方法。
  30. 【請求項30】 セラミックヒータの設定温度が110
    ℃以上であることを特徴とする請求項29に記載の画像
    処理方法。
  31. 【請求項31】 サーマルヘッドにより画像を消去する
    ことを特徴とする請求項27と28に記載の画像処理装
    置。
  32. 【請求項32】 サーマルヘッドを用い、すでに形成さ
    れている画像をオーバーライトし、該画像の消去と新し
    い画像の記録を行なうことを特徴とする請求項31に記
    載の画像処理方法。
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JP2016506382A (ja) * 2012-11-28 2016-03-03 ビクトリア リンク リミテッド 樹状コア化合物

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