JP3599163B2 - 熱可逆記録媒体、カード、ラベル、ディスクカートリッジ及びディスクとその製造方法及び画像処理方法 - Google Patents

熱可逆記録媒体、カード、ラベル、ディスクカートリッジ及びディスクとその製造方法及び画像処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、感熱層の温度による可逆的な透明度変化を利用して、画像の形成及び消去を何度でも繰り返して行なうことのできる熱可逆記録媒体、カード及び熱可逆記録媒体の製造方法及び記録、消去方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、一時的な画像表示が行なえ、不要となったときにはその画像の消去ができ、温度に依存して透明度が可逆的に変化する感熱層を有する熱可逆記録媒体が注目されている。その代表的なものとしては、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の樹脂母材中に高級脂肪酸等の有機低分子物質を分散した熱可逆記録媒体が知られている(特開昭55−154198号)。しかし、従来の熱可逆記録媒体は、透光、透明性を示す温度範囲の幅が2〜4℃と狭い欠点があり、透光・透明性や遮光・白濁性を利用して画像を形成する際の温度制御に難があった。
【0003】
この点を考慮して、本発明者らは、特開平2−1363号公報、特開平3−2089号公報において、高級脂肪酸と脂肪族ジカルボン酸を混合して用いることにより、透明になる温度範囲を20℃前後まで広げ、画像を消去(透明化)することを容易にできることを明らかにした。また、消去性をさらに向上させるために高級脂肪酸より融点の低い高級ケトンや脂肪酸エステルと脂肪族ジカルボン酸や飽和脂肪族ビスアミドを混合して用い、透明化温度幅を広げることが提案されている(特開平4−366682号公報、特開平5−294062号公報、特開平6−255247号公報)。これらは、透明化温度の幅は広がり消去性は向上するものの、融点の低い材料を使用しているため透明化温度が低温になっており、真夏に車のダッシュボードの上に置いた場合等の高温環境下では形成された白濁画像が消えてしまうという欠点があった。
【0004】
脂肪族ジカルボン酸より大幅に融点の高い融点200℃程度の脂環式ジカルボン酸(特開平5−139053号公報、特開平6−48024号公報、特開平6−48025号公報)や、200℃近い融点を有するステロイド骨格を有する低分子物質(特開平8−20167号公報、特開平8−282131号公報)を、低融点の低分子物質と混合して用い、透明化温度を高温にシフトすることが提案されている。しかし、これらは、極端に高融点の有機低分子化合物を使ったにも拘らず、実質的には透明化温度の上限はあまり上がらなかった。そのため消去性を向上させるためには低融点の低分子物質を使わざるを得ず、前記の例と同様に画像の耐熱性は低いものであった。透明化の上限温度から白濁化の開始温度までの温度差が大きく、白濁画像を形成する際に、非常に大きなエネルギーを必要とするため、媒体の表面が傷ついたり、印字消去の繰り返しにより白濁度が低下しやすくなる等の、繰り返し耐久性に問題が生じるという欠点を有していた。さらに、白濁画像を形成するためのエネルギーが高くなると、電源電圧の制約からサーマルヘッドのパルス印加時間を長くする必要が生じ、記録速度が遅くなったり、エネルギーが高くなるとサーマルヘッドの寿命が短くなるなど、この媒体を使い記録消去する装置にも悪影響を及ぼす欠点があった。この場合に、白濁化の開始温度が非常に高い温度となるのは、必要以上に高い融点を持つ低分子物質を使っているためであると考えられる。
【0005】
また、上記技術以外にロイコ染料と長鎖アルキル基を有する顕色剤を用いた熱可逆記録媒体が提案されている(特開平5−124360号公報、特開平5−294063号公報、特開平6−171225号公報等)。これらは、染料の選択により黒色や赤色など各種の色で記録が可能であるという利点があるが、画像耐熱性は前述の透明と白濁に変化する熱可逆記録媒体よりさらに低いという欠点があった。この熱可逆記録媒体の画像耐熱性が劣る理由は、顕色剤の融点が150℃以上の高融点である場合でも50〜60℃で顕色剤の長鎖アルキル基が熱振動を始め、顕色剤と染料が分離し、画像が消色する等のためであると考えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、このような現状に鑑み、良好な画像消去性をを維持したまま、高温環境下でも画像が消えず、高画像耐熱性を有し、かつ良好な繰り返し耐久性が得られる熱可逆性記録媒体、カード、ラベル、ディスクカートリッジ、ディスク、テープカセットとその製法、これを用いた画像形成及び消去のための画像処理方法、そのための画像処理装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記のような課題は、本発明の(1)「樹脂母材及び樹脂母材中に分散された有機低分子物質を主成分とし、温度に依存して透明度が可逆的に変化する感熱層を有する熱可逆記録媒体において、該有機低分子物質として、アミド結合、尿素結合、スルホニル結合の少なくとも一つとカルボキシル基を有する融点130℃以上200℃以下の直鎖炭化水素含有化合物(A)の少なくとも一種と、該直鎖炭化水素含有化合物(A)の融点より20℃以上低い融点であり、かつ融点85℃以上130℃未満の直鎖炭化水素含有化合物(B)の少なくとも一種を、該直鎖炭化水素含有化合物(B)と該直鎖炭化水素含有化合物(A)の混合比98:2〜10:90で混合して用いるものであり、しかも下記の3条件を満足することを特徴とする熱可逆記録媒体。
(1)透明化上限温度が125℃以上
(2)透明化上限温度と白濁化下限温度の温度差が20℃以下
(3)透明化開始温度が95℃以上」、(2)「透明化温度幅が20℃以上であることを特徴とする前記第(1)項に記載の熱可逆記録媒体」、(3)「透明化上限温度が130℃以上であることを特徴とする前記(1)又は(2)項に記載の熱可逆記録媒体」、(4)「透明化上限温度と白濁化下限温度の温度差が15℃以下であることを特徴とする前記(1)、(2)又は(3)項のいずれかに記載の熱可逆記録媒体」、(5)「前記直鎖炭化水素含有化合物(A)として、アミド結合とカルボキシル基を有する直鎖炭化水素含有化合物を用いることを特徴とする前記(1)乃至(4)項のうち何れか1に記載の熱可逆記録媒体」、(6)「前記直鎖炭化水素含有化合物(A)として、下記一般式(1)の構造の材料を用いることを特徴とする前記(5)項記載の熱可逆記録媒体、
【0008】
【化3】
HOOC−(CH2)n−X−(CH2)m−Y−(CH2)n−COOH・・・・一般式(1)
(ここで、26≧n≧1、26≧m≧1、X、YはCONH又はNHCOを表わし、ただしXとYは同時に同じ構造をとらない。)」、(7)「前記直鎖炭化水素含有化合物(A)として、尿素結合とカルボキシル基を有する直鎖炭化水素含有化合物を用いることを特徴とする前記(1)乃至(4)項のうち何れか1に記載の熱可逆記録媒体」、(8)「前記直鎖炭化水素含有化合物(A)として、スルホニル結合とカルボキシル基を有する直鎖炭化水素含有化合物を用いることを特徴とする前記(1)乃至(4)項のうち何れか1に記載の熱可逆記録媒体」、(9)「直鎖炭化水素含有化合物(A)として、下記一般式(2)の構造の材料を用いることを特徴とする前記(7)又は(8)項記載の熱可逆記録媒体、
【0009】
【化4】
CH3−(CH2)n−Z−(CH2)m−COOH・・・・・一般式(2)
(ここで、25≧n≧0、26≧m≧1、ZはNHCONH又はSO2を表わす。)」、(10)「前記有機低分子物質として、前記直鎖炭化水素含有化合物(B)の融点より10℃以上高く、かつ前記直鎖炭化水素含有化合物(A)の融点より10℃以上低い融点を有する直鎖炭化水素含有化合物(C)を混合して用いることを特徴とする前記(1)乃至(9)項のうち何れか1に記載の熱可逆記録媒体」により達成される。
【0010】
また、前記目的は、本発明の(11)「前記(1)乃至(10)のうち何れか1に記載の条件を満足する熱可逆記録媒体を有する熱可逆記録部と情報記憶部を有することを特徴とするカード」、(12)「該情報記憶部が、磁気記録層、IC、光メモリから選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする前記(11)項に記載のカード」、(13)「少なくとも熱可逆記録部と支持体と磁気記録層からなり、この順で積層することを特徴とする前記(12)項に記載のカード」、(14)「少なくとも前記(1)乃至(10)項のうち何れか1に記載の熱可逆記録媒体を有する熱可逆記録部と支持体と接着剤層若しくは粘着剤層からなり、この順で積層することを特徴とする熱可逆記録ラベル」、(15)「記憶情報が書換可能なディスクを内蔵したカートリッジ上に前記(1)乃至(10)項のうち何れか1に記載の熱可逆記録媒体を有する熱可逆記録部を形成することを特徴とする可逆表示付ディスクカートリッジ」、(16)「記憶情報が書換可能なディスクを内蔵したカートリッジ上に前記(14)項に記載のラベルを貼着したことを特徴とする可逆表示付ディスクカートリッジ」、(17)「記憶情報が書換若しくは追記可能なディスク上に前記(1)乃至(10)項のうち何れか1に記載の熱可逆記録媒体を有する熱可逆記録部が形成されたことを特徴とする可逆表示付ディスク」、(18)「記憶情報が書換若しくは追記可能なディスク上に前記(14)項に記載のラベルが貼着されたことを特徴とする可逆表示付ディスク」、(19)「記憶情報が書換可能なテープカセット上に前記(1)乃至(10)項のうち何れか1に記載の熱可逆記録媒体を有する熱可逆記録部が形成されたことを特徴とする可逆表示付テープカセット」、(20)「記憶情報が書換可能なテープカセット上に前記(14)項に記載のラベルが貼着されたことを特徴とする可逆表示付テープカセット」、(21)「少なくとも一部に印刷によって形成された画像を有することを特徴とする前記(11)乃至(20)項のうち何れか1に記載の熱可逆記録媒体、カード、ラベル、ディスクカートリッジ、ディスク又はテープカセット」により達成される。
【0011】
また、前記目的は、本発明の(22)「支持体上に、樹脂母材及び樹脂母材中に分散された有機低分子物質を主成分とし、温度に依存して透明度が可逆的に変化する感熱層を設けた熱可逆記録媒体の製造方法において、有機低分子物質の少なくとも一部として融点130℃以上の有機低分子物質を用い、樹脂溶液中に1種以上の有機低分子物質を固体状態で分散した分散液を支持体上に塗布し加熱乾燥させ、該加熱乾燥時に分散された有機低分子物質が分散溶媒に溶解し、感熱層を形成することを特徴とする前記(1)乃至(10)項のうちいずれか1に記載の熱可逆記録媒体の製造方法」、(23)「分散液を支持体に塗布し、乾燥させる際の乾燥温度において、分散液溶媒に対する分散液中に分散された有機低分子物質の溶解度が、0.5%以上であることを特徴とする前記(22)項に記載の熱可逆記録媒体の製造方法」、(24)「常温において、分散液溶媒に対する分散液中に分散された有機低分子物質の溶解度が、0.5%未満であることを特徴とする前記(22)項に記載の熱可逆記録媒体の製造方法」、(25)「支持体上に、樹脂母材及び樹脂母材中に分散された有機低分子物質を主成分とし、温度に依存して透明度が可逆的に変化する感熱層を設けた熱可逆記録媒体の製造方法において、有機低分子物質の少なくとも一部として融点130℃以上の有機低分子物質を用い、樹脂溶液中に2種以上の有機低分子物質を固体状態で分散した分散液を支持体上に塗布し、感熱層中の一番高い融点をもつ有機低分子物質の融点より低い温度で加熱乾燥させて感熱層を形成し、次いで感熱層中のすべての有機低分子物質の融点以上の温度で感熱層を加熱することを特徴とする前記(1)乃至(10)項のうちいずれか1に記載の熱可逆記録媒体の製造方法」により達成される。
【0012】
更にまた、前記目的は、本発明の(26)「前記(1)乃至(21)項のうち何れか1に記載の熱可逆記録媒体、カード、ラベル、ディスクカートリッジ、ディスク又はテープカセットを用い、加熱により画像の記録と消去を行なう画像処理方法」、(27)「サーマルヘッドを用い画像を形成することを特徴とする前記(26)項に記載の画像処理方法」、(28)「サーマルヘッドを用い画像を消去することを特徴とする前記(26)又は(27)項に記載の画像処理方法」、(29)「サーマルヘッドを用いすでに形成されている画像をオーバーライトし、該画像の消去と新しい画像の記録を行なうことを特徴とする前記(26)乃至(28)項にのうち何れか1に記載の画像処理方法」、(30)「セラミックヒータを用い画像を消去することを特徴とする前記(26)又は(27)項に記載の画像処理方法」、(31)「セラミックヒータの設定温度が110℃以上であることを特徴とする前記(30)項に記載の画像処理方法」によって達成される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
可逆記録媒体は、第1の特定温度に加熱した後と、第2の特定温度に加熱した後で透明度や濁度、色調などの色の状態が変化するもので、このようなものとしては例えば、樹脂中に脂肪酸などの長鎖低分子を分散し、第1の特定温度で透明状態となり、第2の特定温度で白濁状態となるもの、ロイコ染料と長鎖アルキル顕色剤を用い第2の特定温度に加熱後、黒、赤、青等に発色し、第1の特定温度で消色するもの、特定の樹脂と脂肪酸等を用い、第1の特定温度で白濁状態となり、第2の特定温度で透明状態となるもの、ロイコ染料と両性顕色剤を用い、第1の特定温度で発色し、第2の特定温度で消色するもの、が挙げられる。
【0014】
これらの中でも、ロイコ染料を用いた黒、赤、青等に発色するものはコントラストがよいため好ましく用いられる。ロイコ染料を用いたタイプの中でも長鎖アルキル顕色剤を用いたものは発色と消色の温度を制御しやすいため、より好ましい。また、有機低分子物質を樹脂中に分散したもので、第1の特定温度で透明状態となり、第2の特定状態で白濁状態となるものは、ロイコ染料を用いたタイプが化学的変化であるのに対し物理的変化であるため、保存安定性がよく、感度及び耐久性もよいという利点があり、特に好ましく用いられる。
本発明の熱可逆記録媒体は後者の有機低分子物質を樹脂に分散したタイプの熱可逆記録媒体に関するものであり、その透明状態と白濁不透明状態の違いは次のように推測される。
【0015】
すなわち、(i)透明の場合には樹脂母材中に分散された有機低分子物質の粒子と樹脂母材は隙間なく密着しており、また粒子部内にも空隙はなく、片側から入射した光は散乱されることなく反対側に透過するため透明に見えること、また、(ii)白濁の場合には有機低分子物質の粒子は有機低分子物質の微細な結晶が集合した多結晶で構成され、結晶の界面若しくは粒子と樹脂母材の界面に隙間ができ、片側から入射した光は空隙と結晶、空隙と樹脂の界面で屈折、反射し、散乱されるため白く見えること、等に由来している。
【0016】
図1は、本発明の熱可逆記録媒体の1例における温度−透明変化を判り易く説明するものであり、図1において、樹脂母材とこの樹脂母材中に分散された有機低分子物質とを主成分とする感熱層は、例えばT以下の常温で白濁不透明状態にある。
これを加熱していくと温度Tから徐々に透明になり始め、温度T〜Tに加熱すると透明となり、この状態で再びT以下の常温に戻しても透明のままである。これは温度T付近から樹脂が軟化し始め、軟化が進むにつれ、樹脂と有機低分子物質粒子との界面若しくは粒子内の空隙を減少させるため、徐々に透明度が上がり、温度T〜Tでは有機低分子物質が半溶融状態となり、残った空隙を溶融した有機低分子物質が埋めることにより透明となり、種結晶が残ったまま冷却されることにより、比較的高温で結晶化し、その際樹脂がまだ軟化状態のため、結晶化にともなう粒子の体積変化に樹脂が追随するため、空隙ができず透明状態が維持されるためと考えられる。
【0017】
さらにT以上の温度に加熱すると、最大透明度と最大不透明度との中間の半透明状態になる。次に、この温度を下げていくと、再び透明状態をとることなく最初の白濁不透明状態に戻る。これは温度T以上で有機低分子物質が完全に溶融した後、過冷却状態となり、Tより少し高い温度で結晶化し、その際、樹脂が結晶化にともなう体積変化に追随できず、空隙が発生するためであると思われる。
ただし、図1に示した温度−透明度変化曲線は代表的な例を示しただけであり、材料を変えることにより各状態の透明度、発色度等はその材料に応じて変化が生じることがある。
【0018】
樹脂中に長鎖低分子が分散され、第1の特定温度に加熱後、透明化し、第2の特定温度に加熱後白濁化する熱可逆記録媒体を例にとり、本発明における第1色上限温度(Ttu)、第2色下限温度(Tsl)、第1色上限温度と第2色下限温度の温度差(ΔTts)、第1色開始温度(Tta)、第1色変化温度幅(ΔTw)の決め方を説明する。
まず、白濁化された熱可逆記録媒体を用意する。透明化された媒体や十分に白濁されていない媒体を用いるには、十分に加熱したホットプレートに媒体を押しあて加熱することによって、事前に媒体を白濁させる。加熱する時間は10秒〜30秒程度でよい。加熱する温度が白濁化するために十分な温度であることを確認するのは、その温度よりやや高い温度(例えば10℃高い温度)で再度加熱してみればよい。白濁度が両者で変わらなければ最初の加熱温度が白濁化するために十分に高い温度であったことになる。やや高い温度で加熱した方が白濁度が高くなっていれば、最初の温度ではまだ温度が低かったことになり、加熱温度を上げて再度同じことを繰り返せばよい。
【0019】
次に、この白濁化された記録媒体を温度を変えて加熱し、透明になる温度を調べる。記録媒体の加熱には熱傾斜試験機(東洋精機製HG−100)を用いる。この熱傾斜試験機は5つの加熱ブロックを持ち、各ブロックは個別に温度を設定でき、加熱時間、圧力をコントロールすることも可能であり、設定された条件で、一度に5つの異なる温度で媒体を加熱することができる。具体的には、加熱時間を1秒とし、加熱時の圧力は約2.5kg/cmとし、加熱温度は、加熱しても白さが変化しない低温度から1〜5℃の等温度間隔で十分に白濁する温度まで加熱する。熱ブロックへの媒体の粘着を防ぐため、ポリイミドやポリアミドの薄い(10μm以下)フィルムを上にのせてもよい。そのように加熱した後、常温に冷却し、マクベスRD−914反射濃度計を用い、各温度で加熱した部分の濃度を測定し、図2のように横軸を熱傾斜試験機の設定温度、縦軸を反射濃度としたグラフを作成する。媒体が透明な支持体を用いている場合には、光を吸収するシートか、光を正反射するシートを媒体の背面に敷いて濃度を測定する。グラフは各温度毎の濃度値をプロットした後、プロットした隣接点同士を直線で結ぶことにより完成される。作成されたグラフは通常図2のように台形状となる。
【0020】
これらのデータは、感熱層と支持体を合わせた媒体の厚みや材質によっても影響を受ける。媒体の厚みは300μm以下であれば厚みの影響は受けず、ほぼ同じデータが得られるが、それ以上の厚みの場合は、支持体側を削ったり、剥がしたりして厚みを300μm以下にするか、厚みの厚い分を換算すればよい。材質はポリマー主体ならば何でもよいが、金属などの場合は換算することが必要である。
【0021】
このグラフから、前記の第1色上限温度や第2色下限温度等を読み取り計算してゆく。最初にこのグラフの中で最大濃度値(Dmax1)を読み取る。次にy=0.7×Dmax1の線を引き、この線より高濃度のプロット点を選択する。このプロット点の数は5〜20点が好ましい。この数が少ないと、この後の計算結果が不確かなものとなる。プロット点の数が少ない場合には、前述の熱傾斜試験機での加熱の温度間隔を狭くし、数を増やすことが必要である。選択されたプロット点のうち、濃度値の大きいもの、濃度値の小さいものを各々同数だけ除外し、残ったものの濃度値を平均したものを第1色平均濃度(Dtav)とする。濃度値の大、小を除外する割合は選択されたプロット点のうち、各々10〜30%、好ましくは15〜25%である。このように濃度値が大きいものと小さいものを除外することにより、媒体の第1色の濃度の正確な値が算出できる。
【0022】
次に、第1色下限濃度(Dtm)を次の数式(I)式により算出する。
【0023】
【数1】
tm=Dtav−0.2×(Dtav−Dmin1)・・・・・数式(I)
ここでDmin1は最小第2色濃度であり、温度を上げていって、隣接した3点のプロット点が十分な白濁状態になったとき、隣接した3点の濃度の平均値から算出される。Dtmはこの濃度以上であれば目視でほぼ透明に見える濃度を表わす。
【0024】
さらに、グラフ上にy=Dtmの線を引き、濃度温度曲線との交点の温度を求める。この交点のうち、低温側を第1色下限温度(Ttl)、高温側を第1色上限温度(Ttu)とする。第1色変化温度幅(ΔTw)は数式(II)により求められる。
【0025】
【数2】
ΔTw=Ttu−Ttl・・・・・数式(II)
また、第2色上限濃度(Ds)は数式(III)によって算出される。
【0026】
【数3】
Ds=Dmin1+0.1×(Dtav−Dmin1)・・・・・数式(III)
グラフ上にy=Dsの線を引き、濃度−温度曲線の第1色から第2色へと変化する部分との交点の温度を第2色下限温度(Tsl)とする。第1色上限温度と第2色下限温度の差(ΔTts)は数式(IV)で求められる。
【0027】
【数4】
ΔTts=Tsl−Ttu・・・・・数式(IV)
第1色開始濃度(Dta)は次の数式(V)で求められる。
【0028】
【数5】
ta=Dmin1+0.25×(Dtav−Dmin1)・・・・・数式(V)
第1色開始温度(Tta)は、図2に示されるようにy=Dtsとグラフの交点から求められる。
【0029】
これらの定義は、第1の特定温度に加熱後濃度値が高くなり、第2の特定温度に加熱後は濃度値が低くなるタイプの熱可逆記録媒体には同様に適用可能である。
上記とは逆に、第1の特定温度で濃度値が低くなり、第2の特定濃度で濃度値が高くなるタイプの熱可逆記録媒体の場合は、図2を用いて説明した定義はそのままは適用できない。このタイプの第1色上限温度(Ttu)、第2色下限温度(Tsl)、第1色上限温度と第2色下限温度の温度差(Tts)、第1色開始温度(Tta)、第1色変化温度幅(ΔT)などの決め方をロイコ染料と長鎖アルキル顕色剤を用いた熱可逆記録媒体を例にとり、以下に説明する。
【0030】
この熱可逆記録媒体を最初に第2の色にする方法や加熱方法、加熱装置などは図2を作成した場合と同様である。ただし、ロイコ染料を用いた媒体では加熱後急冷しなければ発色しないものがあり、その場合には加熱後、冷水や液体窒素に浸したり冷した金属に押し当てるなどの方法で媒体を急冷する。作成されたグラフは図3のように図2とは上下が逆になった形になる。以下、図3を用い、図2の説明と異なる点を中心に説明する。
【0031】
最初に図3のグラフの中で最小濃度値(Dmin2)を読み取る。次にy=1.5×Dmin2の線を引き、この線より低濃度のプロット点を選択する。以下、上述と同様に第1色平均濃度(Dtav)を算出する。上述の数式(I)から(V)のうち、数式(II)と(IV)はこのタイプにも適用可能であるが、数式(I)、(III)、(V)は下記のとおり変更する。
数式(I)のDtmの定義は数式(IV)に変更する。
【0032】
【数6】
tm=Dtav+0.05×(Dmax2−Dtav) ・・・数式(VI)
ここでDmax2は最大第2色濃度であり、温度を上げていき第2の色に十分発色したプロット点のうち、温度が比較的低い隣接した3点の濃度値の平均値である。Dtmはこの濃度以下であれば発色状態と比較し目視で十分な消色状態と見える濃度を表わす。
数式(III)のDの定義は数式(VII)に変更する。
【0033】
【数7】
=Dmax2−0.2×(Dmax2−Dtav) ・・・数式(VII)
数式(V)のDtaの定義は数式(VIII)に変更する。
【0034】
【数8】
ta=Dmax2−0.3×(Dmax2−Dtav) ・・・数式(VIII)
【0035】
第1の温度に加熱後濃度値が高くなり第2の温度に加熱後濃度値が低くなるタイプと、第1の温度に加熱後濃度値が低くなり第2の温度に加熱後濃度値が高くなるタイプで、数式が異なるのは以下の理由による。すなわち、同じ濃度値0.1の差であっても比較となる濃度値が低い場合には比較の濃度値に対する0.1の割合が大きくなり、逆に比較となる濃度値が高い場合には比較の濃度値に対する0.1の割合が小さくなるため、比較となる濃度値が低い場合には、数式(III)、(V)、(VI)のように式中の乗数を小さくしており、比較となる濃度値が高い場合には数式(I)、(VII)、(VIII)のように式中の乗数を大きくしている。
【0036】
第1色上限温度(Ttu)は、125℃以上であることが必要である。Ttuが高温になることにより、画像耐久性を低下させることなく、第1色変化温度幅の拡大が可能となる。第1色上限温度(Ttu)は130℃以上が好ましく、135℃以上が更に好ましく、140℃以上が特に好ましい。また、Ttuは190℃以下が好ましく、180℃以下が更に好ましく、170℃以下が特に好ましい。この温度が低い方が印字感度が向上する。
【0037】
第1色上限温度と第2色下限温度の差(ΔTts)は20℃以下であることが必要である。ΔTtsがこれより大きくなると、第2の色になる温度が必要以上に高くなるため、第2色の画像を形成する際、非常に高いエネルギーが必要となり、画像の記録と消去を繰り返すと媒体表面に傷がついたり、画像のコントラストが低下してしまう。ΔTtsは15℃以下が好ましく、10℃以下が更に好ましい。
【0038】
第1色開始温度(Tta)は、95℃以上である。(T ta がこれより小さくなると画像耐熱性が低下する。(T ta は100℃以上が好ましく、105℃以上がさらに好ましく、110℃以上が特に好ましい。また、(T ta は125℃以下が好ましく、120℃以下がさらに好ましく、115℃以下が特に好ましい。この温度が低い方が消去性、印字感度が向上する。
【0039】
第1色変化温度幅(ΔT)は20℃以上であることが好ましい。ΔTがこれより小さくなると消去性が低下する。第1色変化温度幅(ΔT)は30℃以上がより好ましく、40℃以上がさらに好ましく、45℃以上が特に好ましい。この温度巾が広い方が消去性が向上する。またΔTは100℃以下が好ましく、90℃以下がさらに好ましく、80℃以下が特に好ましい。この温度が小さい方が印字感度が向上する。特に、透明化温度幅(ΔT)がより広くなると消去の際の処理速度が早くなっても均一な消去が可能になるという利点がある。この場合のΔTは60℃以上が好ましく、70℃以上が更に好ましい。
【0040】
次に、これらの如き熱可逆記録媒体を作成する方法について、樹脂中に長鎖低分子が分散され、第1の特定温度に加熱後、透明化し、第2の特定温度に加熱後、白濁化する熱可逆記録媒体の改良を中心に説明する。この改良には、用いる低分子物質がポイントとなる。すなわち、融点130℃以上の直鎖炭化水素含有化合物(A)と、該直鎖炭化水素含有化合物(A)の融点より20℃以上低い融点の直鎖炭化水素含有化合物(B)を混合して用いることにより達成される。直鎖炭化水素含有化合物(A)の融点は130℃以上であり、135℃以上が好ましく、140℃以上が更に好ましく、この温度が高い方が消去性が向上する。また、200℃以下であり、190℃以下が更に好ましく、170℃以下が特に好ましい。この温度が低い方が印字感度が向上する。
【0041】
直鎖炭化水素含有化合物(B)の融点は85℃以上であり、90℃以上が更に好ましく、100℃以上が特に好ましく、融点が高い方が耐熱性が向上する。また、130℃未満であり、120℃未満が好ましく、110℃未満が更に好ましい。この温度が低い方が消去性が向上する。更に、直鎖炭化水素含有化合物(B)の融点より融点が10℃以上高く、かつ直鎖炭化水素含有化合物(A)の融点より融点が10℃以上低い直鎖炭化水素含有化合物(C)を混合してもよい。直鎖炭化水素含有化合物(C)を混合することによりコントラストの向上をはかることができる。直鎖炭化水素含有化合物(C)の融点は100℃以上が好ましく、110℃以上が更に好ましく、120℃以上が特に好ましく、また、150℃未満が好ましく、140℃未満が更に好ましく、130℃未満が特に好ましい。
【0042】
これらの直鎖炭化水素含有化合物(A)、(B)、(C)は、各々1種類でもよいし、複数用いてもよい。これらは長鎖構造を有することが好ましく、長鎖構造は炭素数4以上が好ましく、6以上が更に好ましく、8以上が特に好ましい。炭素数が多い方が耐久性が向上する。この長鎖構造は1つの分子中に1つでもよいし、2つ以上の複数でもよい。また、前記の長鎖構造の炭素数は、分子全体の合計で示している。つまり炭素数6の長鎖構造を2か所有する分子は炭素数12の長鎖構造を有すると定義する。
【0043】
直鎖炭化水素含有化合物(A)と直鎖炭化水素含有化合物(B)を混合したときの両者を合わせた有機低分子物質全体に対する直鎖炭化水素含有化合物(A)の比率は3%以上が好ましく、5%以上が更に好ましく、10%以上が特に好ましく、この比率が大きい方が消去性が向上する。また、50%未満が好ましく、40%未満が更に好ましく、30%未満が特に好ましい。この比率が小さい方が透明度が向上する。直鎖炭化水素含有化合物(B)の比率は、30%以上が好ましく、50%以上が更に好ましく、60%以上が特に好ましく、この比率が小さい方が消去性が向上する。また、95%未満が好ましく、90%未満が更に好ましく、85%未満が特に好ましい。この比率が大きい方が消去時の透明度が向上する。
【0044】
これらに更に直鎖炭化水素含有化合物(C)を混合したときの有機低分子物質全体に対する直鎖炭化水素含有化合物(C)の比率は、3%以上が好ましく、5%以上が更に好ましく、10%以上が特に好ましく、この比率が大きい方が透明度が向上する。また、50%未満が好ましく、40%未満が更に好ましく、30%未満が特に好ましい。この比率が小さい方が消去性が向上する。
【0045】
前記の直鎖炭化水素含有化合物(A)として、アミド結合、尿素結合、スルホニル結合の少なくとも一つとカルボキシル基を有する融点130℃以上の材料を用いることが好ましい。アミド結合、尿素結合、スルホニル結合は同種のものが1つ乃至は2つ以上あってもよいし、異種のものが1つ乃至は2つ以上あってもよく、分子の末端でも中心部でもよい。また、カルボキシル基は1つでも2つ以上でもよく、分子の末端でも側鎖に位置していてもよい。
直鎖炭化水素含有化合物(A)はアミド結合とカルボキシル基を有することが好ましい。アミド結合とカルボキシル基の少なくとも一方が複数であることが更に好ましく、アミド結合とカルボキシル基の両方が複数であることが特に好ましい。アミド結合とカルボキシル基を有する直鎖炭化水素含有化合物(A)の一般式を以下に挙げるが、これに限定されるものではない。
【0046】
【化5】
HOOC−(CH)n−X−(CH)m−Y−(CH)n−COOH・・・・・一般式(1)
(ここで、26≧n≧1、26≧m≧1、X、YはCONH又はNHCOを表し、ただしXとYは同時に同じ構造をとらない。)
2n+mは6以上が好ましく、8以上が更に好ましく、10以上が特に好ましい。
直鎖炭化水素含有化合物(A)は尿素結合とカルボキシル基を有することが好ましい。また、直鎖炭化水素含有化合物(A)はスルホニル結合とカルボキシル基を有することが好ましい。尿素結合とカルボキシル基を有する直鎖炭化水素含有化合物(A)の一般式とスルホニル結合とカルボキシル基を有する直鎖炭化水素含有化合物(A)の一般式の例を以下に挙げるが、これに限定されるものではない。
【0047】
【化6】
CH−(CH)n−Z−(CH)m−COOH・・・・・一般式(2)
(ここで、25≧n≧0、26≧m≧1、ZはNHCONH又はSOを表す。)
n+mは6以上が好ましく、8以上が更に好ましく、10以上が特に好ましい。
【0048】
一般式(1)の材料の内、本発明で用いるものの融点は、130℃以上であり、135℃以上が更に好ましく、140℃以上が特に好ましく、この融点が高い方が消去性が向上する。また、200℃以下であり、190℃以下が更に好ましく、170℃以下が特に好ましい。この融点が低い方が熱感度が向上する。また、一般式(2)の材料の融点は、135℃以上が好ましく、140℃以上が更に好ましく、この融点が高い方が消去性が向上する。また、190℃以下が好ましく、180℃以下が更に好ましく、170℃以下が特に好ましい。この融点が低い方が熱感度が向上する。
以下にそれぞれの材料の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
【0049】
【表1】
Figure 0003599163
【0050】
【表2】
Figure 0003599163
【0051】
上記No.(15)の物質(HOOC・(CH−NHCO(CH10−CONH−(CH・COOH)の合成例を以下に示すが、これに限定されるものではない。
5−アミノカプロン酸エチル−塩酸塩81.6g、ビリジン33.0g、ドデカン二酸32.0g、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール63.9gをテトラヒドロフラン500mlに溶解し、次いで室温下でジイソプロピルカルボジイミド52.5gを滴下した。滴下後還流下で3時間撹拌した後、この反応液に水酸化ナトリウム169.3gを溶解させた90%エタノール水溶液800mlを加え、還流下4時間撹拌した。反応液を4N−塩酸で酸性とし、析出した結晶を濾別、水洗、乾燥後、ジメチルホルムアミドから再結晶し、目的の化合物29.7gを得た。
上記No.(1)〜No.(14)の物質、No.(16)〜No.(22)の物質は使用する原料を変えることにより同じ方法で合成することが可能である。
【0052】
上記No.(24)の物質(HOOC−(CH−CONH(CH10−NHCO−(CH−COOH)の合成例を以下に示すが、これに限定されるものではない。
アジピン酸モノエチルエステル10.0g、1,10−ジアミノデカン48.8g、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール35.8gをテトラヒドロフラン1200mlに溶解し、次いで室温下でジイソプロピルカルボジイミド29.4gを滴下した。滴下後還流下で5時間撹拌した後、この反応液に水酸化ナトリウム113.7gを溶解させた90%エタノール水溶液1500mlを加え、還流下に4時間撹拌した。反応液を4N−塩酸で酸性とし、析出した結晶を濾別、水洗、乾燥後、ジメチルホルムアミドから再結晶し、目的の化合物16.4gを得た。
上記No.(30)の物質、No.(33)の物質の合成例を下記に示すが、これらに限定されるものではない。
【0053】
No.(30)の物質(CH−(CH17−NHCONH−(CH−COOH)の合成例
β−アラニンナトリウム塩23.9g、オクタデシルイソシアネート35.5g、2−ブタノン900mlを仕込み、還流下で6時間撹拌した。次いで、析出した結晶を瀘別、水洗後、酢酸水溶液中に投じ3時間撹拌した後、再び結晶を瀘別した。得られた結晶を水洗、乾燥後トルエンから再結晶し、目的の化合物25.7gを得た。
【0054】
No.(33)の物質(CH−(CH17−SO−(CH−COOH)の合成例
1−オクタデセン75.6g、チオプロピオン酸26.8g、2−ブタノン200mlを仕込み、還流下で12時間撹拌した。この反応液に水を加え析出した結晶を瀘別、水洗後、500ml酢酸中に投じた。次いで80〜90℃にて30%過酸化水素水450mlを滴下し、10時間撹拌した。その後析出した結晶を瀘別、水洗いし、イソプロパノールから再結晶し、目的の化合物32.7gを得た。
【0055】
前記長鎖炭化水素含有化合物(B)は、上記の融点の範囲にあり、長鎖構造を有するものならば何でもよい。該長鎖構造の炭素数は8以上が好ましく、10以上が更に好ましく、12以上が特に好ましい。また、50以下が好ましく、40以下が更に好ましく、30以下が特に好ましい。
【0056】
この長鎖炭化水素含有化合物(B)としては、アルカノール;アルカンジオール;ハロゲンアルカノール又はハロゲンアルカンジオール;アルキルアミン;アルカン;アルケン;アルキン;ハロゲンアルカン;ハロゲンアルケン;ハロゲンアルキン;シクロアルカン;シクロアルケン;シクロアルキン;飽和又は不飽和モノ又はジカルボン酸又はこれらのエステル、アミド又はアンモニウム塩;飽和又は不飽和ハロゲン脂肪酸又はこれらのエステル、アミド又はアンモニウム塩;アリルカルボン酸又はそれらのエステル、アミド又はアンモニウム塩;ハロゲンアリルカルボン酸又はそれらのエステル、アミド又はアンモニウム塩;チオアルコール;チオカルボン酸又はそれらのエステル、アミン又はアンモニウム塩;チオアルコールのカルボン酸エステル等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上混合して使用される。これらの化合物の炭素数は10〜60、好ましくは10〜38、特に10〜30が好ましい。エステル中のアルコール基部分は飽和していてもよく、飽和していなくてもよく、またハロゲン置換されていてもよい。いずれにしても有機低分子物質は分子中に酸素、窒素、硫黄及びハロゲンの少なくとも1種、例えば−OH、−COOH、−CONH、−COOR、−NH、−NH、−S−、−S−S−、−O−、ハロゲン等を含む化合物であることが好ましい。
【0057】
具体的には、脂肪族モノカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、脂肪酸モノアミド、次の一般式(3)で表わされる物質、一般式(4)で表わされる物質、が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0058】
【化7】
CH(CH)n−X−(CH)m−COOH・・・・・一般式(3)
(ここで、一般式(3)の物質の融点は130℃未満であり、26≧n≧0、26≧m≧0、ただしn+m≧10であり、ZはNHCONH、SO、CONH、又は、NHCOを表わす。)
【0059】
【化8】
HOOC−(CH)n−NHCO−(CH)m−COOH・・・・・一般式(4)
(ここで、一般式(4)の物質の融点は130℃未満であり、26≧n≧0、26≧m≧0、ただしn+m≧10である。)
【0060】
以下にそれぞれの材料の具体例を示すが、本発明においてはこれらに限定されるものではない。即ち、脂肪族モノカルボン酸の具体例としては、例えば、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸等が挙げられる。
脂肪族ジカルボン酸の具体例としては、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸、ノナデカン二酸、エイコサン二酸、ヘンエイコサン二酸、ドコサン二酸等が挙げられる。
【0061】
また、前記一般式(3)、一般式(4)で表わされる物質の例としては次のものが挙げられる。
【0062】
【表3】
Figure 0003599163
【0063】
【表4】
Figure 0003599163
【0064】
脂肪酸モノアミドの具体例としては、例えば次の一般式(5)で示されるものが挙げられる。
【0065】
【化9】
−CONH−R・・・・・一般式(5)
(ここで、Rは炭素数1〜25の直鎖炭化水素鎖、Rは水素、炭素数1〜26の直鎖炭化水素鎖、またはメチロール基であり、R、Rの少なくともどちらか一方が炭素数10以上の直鎖炭化水素鎖である。)
これらの例としては、ノナンアミド、デカンアミド、ウンデカンアミド、ドデカンアミド、トリデカンアミド、テトラデカンアミド、ヘキサデカンアミド、オクタデカンアミド、イコサンアミド、ドコサンアミド、トリコサンアミド、ヘキサコサンアミド、オクタコサンアミド等を挙げることができる。
【0066】
前記の直鎖炭化水素含有化合物(A)と直鎖炭化水素含有化合物(B)の他に、直鎖炭化水素含有化合物(B)の融点より10℃以上高い融点であり、かつ直鎖炭化水素含有化合物(A)より10℃以上低い融点を持つ有機低分子物質を1種又は2種以上混合してもよい。これらは前述の直鎖炭化水素含有化合物(B)の例の中から適宜選択される。
【0067】
感熱層に使用される樹脂母材は有機低分子物質を均一に分散保持した層を形成すると共に、最大透明時の透明度に影響を与える材料である。このため樹脂母材は透明性が良く、機械的に安定で、且つ成膜性の良い樹脂が好ましい。このような樹脂としてはポリ塩化ビニル;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、塩化ビニル−アクリレート共重合体等の塩化ビニル系共重合体;ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体等の塩化ビニリデン系共重合体;ポリエステル;ポリアミド;ポリアクリレート又はポリメタクリレート或いはアクリレート−メタクリレート共重合体;シリコーン樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は単独で或いは2種以上混合して使用して良いことはもちろんである。
【0068】
これらの樹脂を架橋することが好ましい。架橋した媒体は、印字と消去を繰り返しても感熱層内部の構造が変化しにくく、白濁度、透明度の低下がない等、繰り返し耐久性が向上する。架橋する場合には樹脂中にヒドロキシル基、カルボキシル基、エポキシ基などの官能基を有することが好ましい。架橋の方法としては、熱架橋、UVやEBの照射による方法があり、イソシアネートや各種アクリル系架橋剤を添加し架橋することが好ましい。樹脂母剤のガラス転移温度は70℃以上が好ましく、80℃以上がさらに好ましく、90℃以上が特に好ましい。ガラス転移温度が高くなると画像耐熱性がさらに向上する。
【0069】
本発明の熱可逆記録媒体の感熱層の厚さは1〜30μmが好ましく、2〜20μmが更に好ましい。4〜15μmが特に好ましい。記録層が厚すぎると層内での熱の分布が発生し均一に透明化することが困難となる。また、感熱層が薄すぎると白濁度が低下し、コントラストが低くなる。なお、記録層中の有機低分子物質の量を増加させると白濁度を増すことができる。なお、感熱層中の有機低分子物質と樹脂(架橋構造を有する樹脂)との割合は、重量比で2:1〜1:16程度が好ましく、1:2〜1:8が更に好ましく、1:2〜1:5が特に好ましく、1:2〜1:4がもっと好ましく、1:2.5〜1:4がそれ以上に好ましい。樹脂の比率がこれ以下になると、有機低分子物質を樹脂中に保持した膜に形成することが困難となり、またこれ以上になると、有機低分子物質の量が少ないため、不透明化が困難になる。
【0070】
また、感熱層上には感熱層を保護するために保護層を設けることができる。感熱層上に積層する保護層(厚さ0.1〜5μm)材料としては、シリコーン系ゴム、シリコーン樹脂(特開昭63−221087号公報に記載)、ポリシロキサングラフトポリマー(特願昭62−152550号に記載)や紫外線硬化樹脂又は電子線硬化樹脂(特願昭63−310600号に記載)等が挙げられる。これらの中には、有機若しくは無機のフィラーを含有することができる。
【0071】
更にまた、保護層形成液の溶剤やモノマー成分等から感熱層を保護するために、保護層と感熱層との間に中間層を設けることができる(特開平1−133781号公報に記載)。中間層の材料としては感熱層中の樹脂母材として挙げたものの他に下記のような熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、UV硬化樹脂、EB硬化樹脂が使用可能である。即ち、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、飽和ポリエステル、不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド等が挙げられる。中間層の厚さは0.1〜2μmくらいが好ましい。これ以下になると、保護効果が下がり、これ以上になると熱感度が低下する。
【0072】
本発明では、支持体上に、樹脂母材及び樹脂母材中に分散された有機低分子物質を主成分とし、温度に依存して透明度が可逆的に変化する感熱層を設けた熱可逆記録媒体の製造方法において、有機低分子物質の少なくとも一部として融点130℃以上の有機低分子物質を用い、樹脂溶液中に1種以上の有機低分子物質を固体状態で分散した分散液を支持体上に塗布し加熱乾燥させ、該加熱乾燥時に分散された有機低分子物質が分散溶媒に溶解し感熱層を形成することを特徴とする熱可逆記録媒体の製造方法を用いることが好ましい。
【0073】
用いられる有機低分子物質は、融点が20℃以上異なるものを2種以上混合して用いることが好ましい。有機低分子物質は通常融点が高くなるにつれ、通常の溶剤には常温では溶解しにくくなってくる。特に融点が130℃以上となると、その傾向は顕著になる。これらの溶剤に溶解しにくい有機低分子物質を分散して用い、塗膜の加熱乾燥時に溶解させることにより、常温で溶媒に溶解させて塗膜を形成する今までと同様の構造(樹脂中に有機低分子物質が球状の微粒子で分散されている)が得られ、また、有機低分子物質を上記のように2種類以上用いた場合には、透明化温度範囲が広く、また透明状態と不透明状態とのコントラストが大きく、透明状態と不透明状態を繰り返し生じさせるための温度コントロールが容易な熱可逆記録媒体を得ることができる。
【0074】
ここで用いられる溶媒は2種以上混合してもよく、溶媒の少なくとも1種として沸点の高い溶媒、特に沸点が100℃以上の溶媒を用いることが好ましく、それにより透明状態と不透明状態とのコントラストが更に大きな熱可逆記録媒体を得ることができる。
【0075】
更に、混合液における沸点の高い溶媒の含有量としては、混合液における全溶媒の10重量%以上が特に好ましく、それにより樹脂マトリックス形状又は2種類以上の有機低分子物質が共存する有機低分子物質ドメイン形状が球形、楕円形又は丸みを帯びた形状となり、これによりコントラストの大きな透明状態と不透明状態とを多数回にわたって繰り返し生じさせることのできる熱可逆記録媒体を得ることができる。
【0076】
上記のような可逆性感熱記録材料の製造方法が適用される好ましい場合は、上記の分散液中の有機低分子物質として、混合液を支持体上に塗布し乾燥させる際の乾燥温度において分散液溶媒に溶解する有機低分子物質を用いる場合である。特に分散液溶媒に0.5%以上溶解する有機低分子物質を用いることが好ましい。また、常温において、分散液溶媒に対する分散液中に分散された有機低分子物質の溶解度は0.5%未満であることが好ましい。有機低分子物質の平均分散粒径は50μm以下が好ましく、30μm以下が更に好ましく、10μm以下が特に好ましく、5μm以下がより好ましい。分散粒子径が小さくなるほど透明度と消去性が向上する。
【0077】
このような有機低分子物質を用いることにより、乾燥時に有機低分子物質が一旦溶媒に溶解し、相分離過程を経て分散液中の2種類以上の有機低分子物質が共存する有機低分子物質ドメインが形成される。
【0078】
本発明は、支持体上に、樹脂母材及び樹脂母材中に分散された有機低分子物質を主成分とし、温度に依存して透明度が可逆的に変化する感熱層を設けた熱可逆記録媒体の製造方法において、有機低分子物質の少なくとも一部として融点130℃以上の有機低分子物質を用い、樹脂溶液中に2種以上の有機低分子物質を固体状態で分散した分散液を支持体上に塗布し、感熱層中の一番高い融点をもつ有機低分子物質の融点より低い温度で加熱乾燥させて感熱層を形成し、次いで、感熱層中のすべての有機低分子物質の融点以上の温度で感熱層を加熱することを特徴とする熱可逆記録媒体の製造方法によって達成される。用いられる有機低分子物質は、融点が20℃以上異なるものを2種以上混合して用いることが好ましい。
【0079】
この有機低分子物質分散液を支持体上に塗布し乾燥させて可逆性感熱記録層を形成し、次いで、有機低分子物質の融点以上の温度で可逆性感熱記録層に加熱処理を施すことにより、透明化温度範囲が広く、また透明状態と不透明状態とのコントラストが大きく、透明状態と不透明状態を繰り返し生じさせるための温度コントロールが容易な熱可逆記録媒体を得ることができる。
これは可逆性感熱記録層に加熱処理を施すことによって、可逆性感熱記録層における樹脂マトリックス中にそれぞれ単独で分散している2種類以上の有機低分子物質が溶融し、熱膨張し、また、樹脂が軟化することにより合一して2種類以上の有機低分子物質が共存する有機低分子物質ドメインが形成されることによるものである。
【0080】
また、可逆性感熱記録層に有機低分子物質の融点以上の温度で加熱処理を施すことによって、樹脂マトリックス形状又は2種類以上の有機低分子物質が共存する有機低分子物質ドメイン形状が球形、楕円形又は丸みを帯びた形状となり、これによりコントラストの大きな透明状態と不透明状態とを多数回にわたって繰り返し生じさせることのできる可逆性感熱記録材料が得られる。球形、楕円形又は丸みを帯びている樹脂マトリックス形状又は有機低分子物質ドメイン形状の個数は全樹脂マトリックス個数又は全有機低分子物質ドメイン個数の10%以上であることが特に好ましい。これらの製造方法において、有機低分子物質を2種以上用いる場合、例えば1種が分散で用いられ、1種が常温でも溶媒に溶解されて用いられてもよい。
【0081】
上記の3条件を満足する可逆表示可能な熱可逆記録媒体を有する熱可逆記録部と情報記憶部の両方を同一のカードに設けることにより、情報記憶部に記憶された情報の一部を感熱層に表示することにより、カード所有者等は特別な装置がなくてもカードを見るだけで情報を確認することができ、利便性が向上する。情報記憶部は必要な情報を記憶できるものなら何でもよいが、磁気記録、IC、光メモリが好ましい。磁気記録層としては通常用いられる酸化鉄、バリウムフェライト等と塩ビ系やウレタン系或いはナイロン系樹脂等を用い、支持体に塗工形成されるか、または蒸着、スパッタリング等の方法により樹脂を用いず形成される。磁気記憶部は支持体の感熱層の反対面に設けてもよいし、支持体と感熱層の間、感熱層上の一部に設けてもよい。また、表示に用いる可逆感熱材料をバーコード、2次元コード等により記憶部に用いてもよい。これらの中では磁気記録、ICが更に好ましい。
【0082】
本発明の熱可逆記録媒体では、支持体の感熱層形成面の反対面に接着剤層又は粘着剤層を設けて熱可逆記録ラベルとすることができる。接着剤層又は粘着剤層の材料は一般的に使われているものが使用可能である。具体例としてはユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、酢ビ系樹脂、酢酸ビニル−アクリル系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリル系樹脂、ポリビニルエーテル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、アクリル酸エステル系共重合体、メタクリル酸エステル系共重合体、天然ゴム、シアノアクリレート系樹脂、シリコン系樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0083】
接着剤層又は粘着剤層の材料はホットメルトタイプでもよい。剥離紙を用いてもよいし、無剥離紙タイプでもよい。
このように接着剤層又は粘着剤層を設けることにより、感熱層の塗布が困難な磁気ストライプ付塩ビカードなどの厚手の基板の全面若しくは一部に貼ることができる。これにより磁気に記憶された情報の一部を表示することができる等、この媒体の利便性が向上する。このような接着剤層又は粘着剤層を設けた熱可逆記録ラベルは、前述の磁気付塩ビカードだけでなく、ICカードや光カード等の厚手カードにも適用できる。
【0084】
また、これらの熱可逆記録ラベルはフロッピーディスクやMDやDVD−RAMなどの記憶情報が書換可能なディスクを内蔵したディスクカートリッジ上の表示ラベルの替わりとして用いることができる。図4に熱可逆記録ラベルをMDのディスクカートリッジ上に貼った例を示す。さらに、CD−RWなどのディスクカートリッジを用いないディスクの場合には、直接ディスクに熱可逆記録ラベルを貼ることもできる。それらの記憶内容の変更に応じて自動的に表示内容を変更するなどの用途への応用が可能である。図5に熱可逆記録ラベルをCD−RW上に貼った例を示す。CD−Rなどの追記型ディスク上に熱可逆記録ラベルを貼ってCD−Rに追記した記憶情報の一部を書き換え表示することも可能である。
【0085】
図6は、AgInSbTe系の相変化型記憶材料を用いた光情報記憶媒体(CD−RW)上に熱可逆記録ラベルを形成した構成の例である。基本的な構造は、案内溝を有する基体上に第一誘電体層、光情報記憶層、第二誘電体層、反射放熱層、中間層が設けられ、基体の裏面にハードコート層を有する。さらに中間層上に熱可逆記録ラベルが貼付されている。誘電体層は必ずしも記録層の両側に設ける必要はないが、基体がポリカーボネート樹脂のように耐熱性が低い材料の場合には第一誘電体層を設けることが望ましい。
さらにまた、図7に示すようにビデオテープカセットの表示ラベルの替わりとして用いてもよい。
【0086】
厚手カード、ディスクカートリッジやディスク上に熱可逆記録機能を設ける方法としては、上述の熱可逆記録ラベルを貼る方法以外に、それらの上に感熱層を直接塗布する方法やあらかじめ別の支持体上に感熱層を形成しておき、厚手カード、ディスクカートリッジやディスク上に感熱層を転写する方法などがある。転写する場合には、感熱層上にホットメルトタイプなどの接着層や粘着層を設けて置いてもよい。
厚手カード、ディスク、ディスクカートリッジ、テープカセットなどのように剛直なものの上に熱可逆記録ラベルを貼着したり、感熱層を設ける場合にはサーマルヘッドとの接触性を向上させ、画像を均一に形成するために弾力がありクッションとなる層若しくはシートを剛直な基体とラベル若しくは熱可逆記録媒体や感熱層の間に設けることが好ましい。
【0087】
本発明の熱可逆記録媒体が書換可能なバーコードを設けたものである場合は、感熱層の背面に光を正反射する層を設けることが好ましい。光を正反射する層を設けることにより、白濁部の白濁度が向上し、ひいてはコントラストが向上し、バーコードの読み取り精度を向上させることができる。光を正反射する層はAlなどの金属薄膜や金属蒸着層が好適に用いられる。
【0088】
本発明の可逆性記録媒体が、書換可能なバーコードと人間が目視で認識する画像、文字、数字などの両方を設けたものである場合には反射率の異なる2種以上の部位からなるものとすることが好ましい。すなわち、書換可能なバーコードの背面には、上述の光を反射する層を設け、人間が目視する部位の背面には光を吸収する層、つまり着色層を設けることが好ましい。というのは、人間が目視する場合には、例えば白濁状態の画像部と着色状態の非画像部とは光量差に加えて色調差があり、かつ、目視する角度によっては非画像部からの過度の反射光によるグレアがなくなるので可逆的可視像を目視し易くするが、一方、これを反射濃度計やバーコード読取り装置のような装置で読み取る場合には、通常、光を斜めから入射させ面に対し垂直方向にセンサーを置き読み取ることになり、これは、とりもなおさず、着色層により可視光の少なくとも一部が吸収されコントラストが低くなった結果を計測するに過ぎないためである。而して、本発明の可逆性感熱記録媒体における着色層は、可視光に対する反射率の異なる2種以上の部位からなり、かつ、その少なくとも一方の部位が可視光を吸収する層であり、他の少なくとも一部が可視光を反射する層からなるものとして、目視でも画像を認識しやすく、かつ、装置による測定でも高コントラストが得られるものすることができる。
【0089】
可逆性(可逆的)感熱層においてバーコードを読み取るのに必要な高いコントラストを得るには、有機低分子物質の平均粒子径が0.1〜2.0μmの範囲にあることが好ましく、より適切な白濁度になる。そして、分散された有機低分子物質の平均粒子径が大きくなればなるほど多結晶状態になり難くなり、光を散乱させる効果が小さくなって、白濁度が低下してコントラストが低くなり、逆に、分散された有機低分子物質の平均粒子径が小さくなればなるほど結晶の成長において分散されたマトリックス中で多結晶状態を形成しにくくなり、この場合も白濁度が低下してコントラストが低くなるためと考えられる。さらに、バーコードを読み取る関係から、有機低分子物質の粒子の平均粒子径がバーコードを読み取る際の光源の波長の1/8から2倍までの範囲にあるとき、バーコードの読み取り時のコントラストがさらに向上する。こうした現象が何故生じるかはいまだに明らかにされていないが、大よそ次のように推察されている。即ち、白濁度つまり光の散乱度は有機低分子物質粒子中の結晶の大きさで決まると考えられ、さらにこの結晶の大きさは有機低分子物質粒子の大きさで決まってくると考えられる。これは、有低分子物質粒子の大きさにより、樹脂母材とその樹脂母材中に分散されている有機低分子物質との界面の面積が決まり、この界面の面積から樹脂母材と有機低分子物質との相互作用の強さが決まり、その相互作用の強さが粒子中の結晶の大きさに影響を与えるためと推測されている。また、ある波長の光を一番散乱しやすい結晶の大きさがあり、これは個々の材料によって異なるが、光の波長より小さい結晶がその波長の光を散乱しやすい。つまり、有機低分子物質の平均粒子径がバーコードを読み取る光の波長の1/8から2倍までの範囲にあるとき白濁状態の有機低分子物質粒子中の多結晶の個々の結晶の大きさがその波長の光を最も散乱しやすい大きさになっているものと考えられている。前記の平均粒子径が読み取り光源の波長の1/8未満となると、散乱効果が減少し、白濁度が下がり、コントラストが減少し、逆に、2倍を越えると樹脂母材と有機低分子物質の界面の表面積が減少し、樹脂母材と有機低分子物質との相互作用が減少し、有機低分子物質粒子中の結晶の制御がしにくくなると考えられており、白濁度が下がり、コントラストが減少する。なお、有機低分子物質の粒径を制御する方法としては貧溶媒の混入、記録層形成液塗工時の加熱乾燥の制御、分散性を制御するための界面活性剤の添加等が考えられるがこれらに限定されるものではない。
【0090】
ところで、従来バーコードを読み取るための光源の波長は600nm以上と規定され(JIS B9550)、通常600nmから1000nmの範囲の波長の光源が用いられている。具体的にはLED(660nm及び940nmの波長のものが良く用いられる)、レーザー(He−Neレーザーで600nm、半導体レーザーで680nm、780nm、及び960nmが良く用いられる)が挙げられる。
【0091】
本発明の可逆性記録媒体におけるバーコード表示体によれば、上記したような660nm以上の波長の光源を用いてバーコードを読み取ることは勿論可能であるが、より短い波長の光源を用いることもでき、むしろ短い波長の光源を用いた方がより高いコントラストが得られる。例えば、400〜600nmの光を用いれば、600nm〜10000nmの光に比べ、コントラストは最大で2倍近くになる。これは波長の短い光の方が有機低分子物質に対する屈折率が大きくなり、光の散乱が増え、そのため白濁度が向上するためであると考えられる。
【0092】
なお、ここでいう「バーコード」とは、光の強弱や波長の変化等の光学的変化を可視光の波長域であってもなくても情報として認識しうるものであればよく、従って、二次元バーコード、OCR、カルラコードに代表される他の光学的認識パターン表示体をも包含する。
【0093】
例えば本発明の可逆性感熱記録媒体は図8aに示されるように、支持体(11)上に、可逆性感熱記録層(13)、保護層(14)を設けてなるフィルム、図8bに示されるように、支持体(11)上に、アルミ反射層(12)、可逆性感熱記録層(13)、保護層(14)を設けてなるフィルム、図8cに示されるように、支持体(11)上に、アルミ反射層(12)、可逆性感熱記録層(13)、保護層(14)を設け支持体(11)の裏面に磁気記録層(16)を設けてなるフィルム、を図9に示されるように、印刷表示部(23)を有するカード(21)に加工した形であることができる。
【0094】
さらに、例えば図10aに示されるように、支持体(11)上に、アルミ反射層(12)、可逆性感熱記録層(13)、保護層(14)を設けてなるフィルムをカード状に加工し、ICチップを納める窪み部(23)を形成するとともにカード状に加工した形であることができる。この例においては、カード状の可逆性感熱記録媒体に書き換え記録部(24)がラベル加工されるとともに、可逆性感熱記録媒体の裏面側には所定箇所にICチップ埋め込み用窪み部(23)が形成されており、この窪み部(23)に、図10bに示されるようなウェハ(231)が組込まれて固定される。ウェハ(231)は、ウェハ基板(232)上に集積回路(233)が設けられると共に、この集積回路(233)に電気的に接続されている複数の接触端子(234)がウェハ基板(232)に設けられる。この接触端子(234)はウェハ基板(232)の裏面側に露出しており、専用のプリンタ(リーダライタ)がこの接触端子(234)に電気的に接触して所定の情報を読み出したり書き換えたりできるように構成されている。この可逆的感熱記録カードの1つの機能例を、図11を参照しつつ説明する。
【0095】
図11(a)は、集積回路(233)を示す概略の構成ブロック図であり、(b)はRAMの記憶データの1例を示す構成ブロック図である。集積回路(233)は、例えばLSIで構成されており、その中には制御動作を所定の手順で実行することのできるCPU(235)と、CPU(235)の動作プログラムデータを格納するROM(236)と、必要なデータの書き込み及び読み出しができるRAM(237)を含む。さらに集積回路(233)は、入力信号を受けてCPU(235)に入力データを与えるとともにCPU(235)からの出力信号を受けて外部に出力する入出力インターフェース(238)と、図示していないが、パワーオンリセット回路、クロック発生回路、パルス分周回路(割込パルス発生回路)、アドレスデコーダ回路とを含む。CPU(235)は、パルス分周回路から定期的に与えられる割込パルスに応じて、割込制御ルーチンの動作を実行することが可能となる。また、アドレスデコード回路はCPU(235)からのアドレスデータをデコードし、ROM(236)、RAM(237)、入出力インターフェース(238)にそれぞれ信号を与える。入出力インターフェース(238)には、複数(図中では8個)の接触端子(234)が接続されており、前記の専用プリンタ(リーダライタ)からの所定データがこの接触端子(234)から入出力インターフェース(238)を介してCPU(235)に入力される。CPU(235)は、入力信号に応答して、かつROM(236)内に格納されたプログラムデータに従って、各動作を行い、かつ、所定のデータ、信号を入出力インターフェース(238)を介してカードリーダライタに出力する。
【0096】
図11(b)に示されるように、RAM(237)は複数の記憶領域(239a)〜(239g)を含む。例えば領域(239a)にはカード番号が記憶され、(239b)には例えばカード所有者の氏名、住所、電話番号等のIDデータが記憶され、領域(239c)には例えば所有者の使用しうる残存有価価値又は有価物に相当する情報が記憶され、領域(239d)(239e)(239f)及び(239g)には使用済の有価価値又は有価物に相当する情報が記憶される。
【0097】
上記の熱可逆記録媒体の画像の記録と消去の方法と装置について以下に述べる。画像の記録はサーマルヘッド、レーザ等、媒体を画像上に部分的に加熱可能である画像記録手段が用いられる。画像の消去は、ホットスタンプ、セラミックヒータ、ヒートローラ、熱風等や、サーマルヘッド、レーザ等の画像消去手段が用いられる。この中ではセラミックヒータが好ましく用いられる。セラミックヒータを用いることにより、装置が小型化でき、かつ安定した消去状態が得られ、コントラストのよい画像が得られる。セラミックヒータの設定温度は110℃以上が好ましく、112℃以上が更に好ましく、115℃以上が特に好ましい。
【0098】
また、サーマルヘッドを用いることにより、更に小型化が可能となり、また、消費電力を低減することが可能であり、バッテリー駆動のハンディタイプの装置も可能となる。記録用と消去用を兼ねて一つのサーマルヘッドとすれば、更に小型化が可能となる。一つのサーマルヘッドで記録と消去を行なう場合、一度前の画像を全部消去した後、あらためて新しい画像を記録してもよいし、画素毎にエネルギーを変えて一度に前の画像を消去し、新しい画像を記録していくオーバーライト方式も可能である。オーバーライト方式では記録と消去を合わせた時間が少なくなり、記録のスピードアップにつながる。
感熱層と情報記憶部を有するカードを用いる場合、上記の装置には情報記憶部の記憶を読み取る手段と書き換える手段も含まれる。
【0099】
図12には、本発明の熱可逆性記録装置の具体例を示す。
図12aは、本発明により画像の消去をセラミックヒータで、画像の形成をサーマルヘッドでそれぞれ行う場合の装置の概略例を示す。図12aの熱可逆性記録装置においては、最初、記録媒体の磁気記録層に記憶された情報を磁気ヘッドで読み取り、つぎにセラミックヒータで可逆性感熱層に記録された画像を加熱消去し、さらに、磁気ヘッドで読み取られた情報をもとにして、処理された新たな情報がサーマルヘッドにより、可逆性感熱層に記録される。その後、磁気記録層の情報も新たな情報に書き替えられる。
【0100】
すなわち、図12aの熱可逆性記録装置においては、感熱層の反対側に磁気記録層を設けた熱可逆性記録媒体(1)は往復の矢印で図示されている搬送路に沿って搬送され、或いは搬送路に沿って装置内を逆方向に搬送される。熱可逆性記録媒体(1)は、磁気ヘッド(34)と搬送ローラ(31)間で磁気記録層に磁気記録或いは記録消去され、セラミックヒータ(38)と搬送ローラ(40)間で像消去のため加熱処理され、サーマルヘッド(53)及び搬送ローラ(47)間で像形成され、その後、装置外に搬出される。先に説明したように、セラミックヒータ(38)の設定温度は110℃以上が好ましく、112℃以上が更に好ましく、115℃以上が特に好ましい。ただし磁気記録の書きかえはセラッミックヒータによる画像消去の前であっても跡であってもよい。また、所望により、セラミックヒータ(38)と搬送ローラ(40)間を通過後、又はサーマルヘッド(53)及び搬送ローラ(47)間を通過後、搬送路を逆方向に搬送され、セラミックヒータ(38)よる再度の熱処理、サーマルヘッド(53)による再度の印字処理を施すことができる。
【0101】
図12bの熱可逆性記録装置においては、出入口(30)から挿入された熱可逆性記録媒体(1)は一点破線で図示されている搬送路(50)に沿って進行し、或いは搬送路(50)に沿って装置内を逆方向に進行する。出入口(30)から挿入された熱可逆性記録媒体(1)は、搬送ローラ(31)及びガイドローラ(32)により記録装置内を搬送され、搬送路(50)の所定位置に到達するとセンサ(33)により制御手段(34c)を介してその存在を認識され、磁気ヘッド(34)とプラテンローラ(35)間で磁気記録層に磁気記録或いは記録消去され、ガイドローラ(36)及び搬送ローラ(37)間を通過し、ガイドローラ(39)及び搬送ローラ(40)間を通過し、センサ(43)により、セラミックヒータ制御手段(38c)を介してその存在を認識して作動するセラミックヒータ(38)とプラテンローラ(44)間で像消去のため加熱処理され、搬送ローラ(45)(46)(47)により搬送路(50)内を搬送され、所定位置にてセンサ(51)により、サーマルヘッド制御手段(53c)を介してその存在を認識して作動するサーマルヘッド(53)及びプラテンローラ(52)間で像形成され、搬送路(50a)から搬送ローラ(59)及びガイドローラ(60)により出口(61)を経て装置外に搬出される。ここで、セラミックヒータ(38)の設定温度は、先に説明したように、110℃以上が好ましく、112℃以上が更に好ましく、115℃以上が特に好ましい。
【0102】
また、所望により、搬送路切換手段(55a)を切り替えることにより搬送路(56b)に導き、熱可逆性記録媒体(1)の押圧により入力するリミットスイッチ(57a)の作動より逆方向に動く搬送ベルト(58)によって、熱可逆性記録媒体(1)を再度、サーマルヘッド(53)及びプラテンローラ(52)間で熱処理した後、搬送路切換手段(55b)を切り替えることにより通じる搬送路(49b)、リミットスイッチ(57b)、搬送ベルト(48)を介して順方向に搬送し、搬送路(50a)から搬送ローラ(59)及びガイドローラ(60)により出口(61)を経て装置外に搬出することができる。さらに、このような分岐した搬送路及び搬送切換手段は、セラミックヒータ(38)の両側に設けることもでき、その場合にはセンサ(43a)をプラテンローラ(44)と搬送ローラ(45)の間に設けることが望ましい。
【0103】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明する。なお、実施例中の「部」は重量部を表わす。
実施例1
ガラスビン中に
Figure 0003599163
よりなる溶液を入れ、さらにメリシン酸(SIGMA社製、試薬)7部を加え、さらにビン中に直径約2mmのセラミックビーズを入れ、ペイントシェーカー(浅田鉄工(株)社製)を用い、約18時間分散し、粒径約10μmの分散液を作製した。その液を約50μm厚の透明なポリエステルフィルム(東レ社製、ルミラーT−60)上に塗布し、加熱乾燥して約12μm厚の感熱層を設けた。その上に、
Figure 0003599163
よりなる溶液をワイヤーバーで塗布し、加熱乾燥後、80w/cmの高圧水銀灯で紫外線を照射し、硬化させ、約3μm厚のオーバーコート層を設け、熱可逆記録媒体を作製した。
【0104】
実施例2
大日本インキ工業社製磁気原反(メモリディック DS−1711−1040:188μm厚の透明PETフィルム上に磁気記録層及びセルフクリーニング層を塗工したもの)のPETフィルム側に約400ÅのAlを真空蒸着して光反射層を設けた。その上に、
Figure 0003599163
よりなる溶液を塗布、加熱乾燥し、約0.5μm厚の接着層を設けた。更にその上に、実施例1と同様に感熱層及びオーバーコート層を設け、熱可逆記録媒体を作製した。
【0105】
実施例3
ガラスビン中に、
Figure 0003599163
を加え、更にガラスビン中に直径約2mmのセラミックビーズを入れ、ペイントシェーカー(浅田鉄工(株)製)を用い、約18時間分散し、粒径約10μmの分散液(A)を作製した。
次に、
Figure 0003599163
からなる溶液を作製し、この溶液175に対し、分散液(A)218の比率で混合し、感熱層用の塗工液を作製した。
この感熱層用の塗工液を用いる以外は実施例1と同様にして熱可逆記録媒体を作製した。
【0106】
実施例4
感熱層の塗工溶液を下記のとおり変更する以外は、実施例1と同様にして熱可逆記録媒体を作製した。
Figure 0003599163
【0107】
比較例1
感熱層の塗工溶液を下記のとおり変更する以外は、実施例1と同様にして熱可逆記録媒体を作製した。
Figure 0003599163
【0108】
比較例2
約50μm厚の透明なポリエステルフィルム(東レ社製、ルミラーT−60)上に、
Figure 0003599163
よりなる溶液を塗布した後、130℃、3分間加熱し、乾燥、硬化して約12μm厚の感熱層を設けた。その上に、実施例1と同様にオーバーコート層を設け、熱可逆記録媒体を作製した。
【0109】
比較例3
感熱層の塗工溶液を下記のとおり変更する以外は、比較例2と同様にして熱可逆記録媒体を作製した。
Figure 0003599163
【0110】
比較例4
感熱層の塗工溶液を下記のとおり変更する以外は、実施例1と同様にして熱可逆記録媒体を作製した。
Figure 0003599163
【0111】
比較例5
感熱層の塗工溶液を下記のとおり変更する以外は、実施例1と同様にして熱可逆記録媒体を作製した。
Figure 0003599163
【0112】
実施例5
ガラスビン中に、
Figure 0003599163
を加え、更にガラスビン中に直径約2mmのセラミックビーズを入れ、ペイントシェーカー(浅田鉄工(株)製)を用い、約48時間分散し、粒径約2μmの分散液を作製した。
次に、イソシアネート化合物(日本ポリウレタン社製、コロネートHK)を2.5部混合することにより、感熱層用塗工液を作製した。
実施例2と同様にして作製した光反射層と接着層付きの磁気原反の接着層の上に、この感熱層用塗工液を塗布し、約130℃で3分間、加熱乾燥して約10μmの感熱層を設け、さらに約60℃の環境下に24時間放置し、記録層中のイソシアネートと塩化ビニル系共重合体を架橋させた。
次に、感熱層上に実施例1と同様にしてオーバーコート層を設けた後、約150℃で30秒間加熱し、感熱層中の有機低分子物質を相互に溶融させた後、100℃で加熱透明化し、熱可逆記録媒体を作製した。
【0113】
実施例6
実施例5のメリシン酸を、アジピン酸モノステアリルアミドとする以外は実施例5と同様にして熱可逆記録媒体を作製した。
【0114】
実施例7
実施例5のHOOC(CHNHCO(CHCONH(CHCOOHを、HOOC(CHNHCO(CH12CONH(CHCOOHとし、オーバーコート層を設けた後の加熱温度を160℃とする以外は、実施例5と同様にして熱可逆記録媒体を作製した。
【0115】
実施例8
実施例5のHOOC(CHNHCO(CHCONH(CHCOOHを、HOOC(CHNHCO(CHCONH(CHCOOHとし、さらにメリシン酸をステアリン酸アミド(東京化成社製、試薬)とし、オーバーコート層を設けた後の加熱温度を175℃とする以外は、実施例5と同様にして熱可逆記録媒体を作製した。
【0116】
実施例9
実施例1で作製した熱可逆記録媒体の支持体の感熱層面の裏面に、約5μmのアクリル系粘着剤層を設け、熱可逆記録ラベルを作製した。このラベルを図5のようにドーナッツ状にして図6のようにCD−RW上に貼り合わせて、可逆表示機能付きの光情報記憶媒体を作製した。
【0117】
上記のように作製してた光情報記憶媒体を用い、CD−RWドライブ((株)リコー製 MP6200S)で記憶した情報の一部(年月日、時刻等)を記録手段(サーマルヘッド)と消去手段(セラミックヒーター)を有する記録装置を用いて、サーマルヘッドの記録エネルギーをそれぞれの媒体の記録温度の変化に合わせて調整して感熱層へ表示記録し、可視化した。また、該ドライブを用い、光情報記憶媒体の記憶層の情報を書き換え、記録装置により消去手段を用い、先の記録を消去した新たなサーマルヘッドで書き換えた情報を感熱層に書き換え、表示記録した。さらに、この表示記録の書き換えを100回繰り返したが、記録及び消去は可能であった。
【0118】
実施例10
実施例9の熱可逆記録ラベルを図4に示すようにミニディスク(MD)ディスクケース上に貼り付けた。MDに記憶された情報の一部(年月日、曲名等)を記録手段(サーマルヘッド)と消去手段(セラミックヒーター)を有する記録装置を用いて、サーマルヘッドの記録エネルギーをそれぞれの媒体の記録温度の変化に合わせて調整して感熱層へ表示記録し、可視化した。さらに、この表示記録の書き換えを100回繰り返したが、記録及び消去は可能であった。
【0119】
比較例6
感熱層の塗工溶液を下記の通り変更する以外は、実施例2と同様にして熱可逆記録媒体を作製した。ここで形成された感熱層は、白色の粒子が目立ち、均一性の悪いものであった。
Figure 0003599163
【0120】
次に、実施例1〜8、比較例1〜6に係る熱可逆記録媒体を熱傾斜試験機(東洋精機製、HG−100)を用い、加熱時間1秒、圧力約2.5kg/cmとし、5℃間隔で温度を変え、加熱した後、常温に冷却し、実施例1、実施例3〜6、比較例1〜5の場合は加熱した部位の背面に透明PETフィルム上に約400Å厚でAlを蒸着したフィルム(東洋メタライジング(株)♯50 メタルミー)を蒸着面側を上にして置き、実施例2、実施例5〜8、比較例6の場合はそのままでマクベスRD914反射濃度計を用い、各温度に加熱した後の濃度値を測定した。その結果を図13〜18に示す。
この図から、最大濃度値(Dmax1)、第1色平均濃度(Dtav)、第1色下限濃度(Dtm)、第2色上限濃度(D)、第1色開始濃度度(Dta)、第2色下限温度(Tsl)、第1色開始温度(Tta)、第1色下限温度(Ttl)、第1色上限温度(Ttu)、第1色上限温度と第2色下限温度の差(ΔTts)、第1色変化温度幅(ΔT)を読み取り、若しくは算出した。その結果を表5、6に示す。
【0121】
更に、下記の測定を行なった。その結果を表7、8に示す。
(1)コントラスト=Dtav−Dmin1(表5、6の数値から算出)
(2)耐熱性
あらかじめ、媒体を透明化した後、熱傾斜試験機で十分加熱し、部分的に白濁化させた媒体を75℃、80℃、85℃、90℃に設定した恒温槽中に1時間放置した後、取り出し、白濁部(白濁画像)をマクベスRD914反射濃度計を用い、濃度値を測定した。
(3)最適印字エネルギー
あらかじめ、媒体を透明化した後、沖電気製(RC−30/M20)を用い、印字エネルギーを上げていき、十分に白濁化可能になり始めるエネルギーを最適印字エネルギーとした。
【0122】
(4)繰り返し耐久性−1
それぞれの媒体上に、RIテスタを用い、OPニス(大日本インキ社製、ニューダイキュアGPOPニス)を約2μm厚で形成した後、高圧水銀灯で紫外線を照射し、硬化させた。この媒体を沖電気製リーダライタ(RC−30/M20)を用い、それぞれ最適エネルギーで印字し、最適消去温度で消去した。印字と消去を50回繰り返した後、表面のOPニスのキズの状態を目視で判定した。
○:ほとんど発生なし
△〜×:やや悪い
×:悪い
【0123】
(5)繰り返し耐久性−2
(4)繰り返し耐久性−1で得られたそれぞれの媒体の最適印字エネルギーの40%増しのエネルギーで印字する以外は、(4)繰り返し耐久性−1と同様にして、画像の印字と消去を50回繰り返した。このように印字エネルギーを40%増すことにより、最適印字エネルギーで500回繰り返した場合と同じ約10倍の強制テストとなる。50回目の画像の濃度をマクベスRD914反射濃度計を用い、濃度値を測定した。
(6)消去性
予め、媒体を透明化しておき、九州松下電器製リーダライタ(R−3000)を用い、熱傾斜試験機で部分的に白濁化させた後、35℃環境下で、消去温度の中心近辺の最適消去濃度で消去することを50枚行ない、画像の消去状態を目視で判定した。
○:すべて消去可能
○〜△:薄い消し残りが少し発生
ここで(3)最適印字エネルギー、(4)繰り返し耐久性−1、(5)繰り返し耐久性−2、(6)消去性の評価では、実施例1、3、4と比較例1〜5は媒体に125μmのPETフィルムを両面テープで貼り合わせた後評価した。実施例2、実施例5〜8、比較例6はそのまま評価した。
【0124】
【表5】
Figure 0003599163
【0125】
【表6】
Figure 0003599163
【0126】
【表7】
Figure 0003599163
【0127】
【表8】
Figure 0003599163
【0128】
【発明の効果】
以上、詳細かつ具体的な説明から明らかなように、本発明によれば、画像消去性を維持したまま高画像耐熱性、ひいては十分なコントラストが得られ、かつ良好な繰り返し耐久性が得られる熱可逆性記録媒体及びこれを用いたカードが提供され、また、そのための製造方法及びこれら熱可逆性記録媒を用いるに適した画像方法及び装置が提供されるという極めて優れた効果が発揮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱可逆記録媒体による透明度の変化を表した図である。
【図2】本発明に係る熱可逆記録媒体の透明化上限温度、白濁化下限温度、透明化開始温度、透明化温度幅を説明する図である。
【図3】本発明に係る熱可逆記録媒体の透明化上限温度、白濁化下限温度、透明化開始温度、透明化温度幅を説明する別の図である。
【図4】熱可逆記録ラベルをMDのディスクカートリッジ上に貼った例を示す図である。
【図5】熱可逆記録ラベルをCD−RW上に貼った例を示す図である。
【図6】AgInSbTe系の相変化型記憶材料を用いた光情報記録媒体(CD−RW)上に熱可逆記録ラベルを形成した構成の例を示す図である。
【図7】ビデオテープカセットの表示ラベルを示す図である。
【図8】本発明に係る熱可逆記録媒体の層構成例を示す図である。
【図9】本発明に係る熱可逆記録媒体の1例を説明する図である。
【図10】本発明に係る熱可逆記録媒体の別の1例を説明する図である。
【図11】本発明に係る熱可逆記録媒体の使用例を説明する図である。
【図12】本発明に係る熱可逆記録装置の1例を説明する図である。
【図13】本発明に係る熱可逆記録媒体例の温度−反射濃度の関係を示す図である。
【図14】本発明に係る別の熱可逆記録媒体例の温度−反射濃度の関係を示す図である。
【図15】比較例の熱可逆記録媒体例の温度−反射濃度の関係を示す図である。
【図16】別の比較例の熱可逆記録媒体例の温度−反射濃度の関係を示す図である。
【図17】本発明に係る別の熱可逆記録媒体例の温度−反射濃度の関係を示す図である。
【図18】別の比較例の熱可逆記録媒体例の温度−反射濃度の関係を示す図である。
【符号の説明】
1 熱可逆性記録媒体
11 支持体
12 アルミニウム反射層
13 感可逆性記録層
14 保護層
15 透明PETフイルム
16 空気層
17 接着層
20 磁気塗工層
21 カード
22 書き換え記録部
23 ICチップ用窪み部
24 書き換え記録部のラベル加工
30 出入口
31 搬送ローラ
32 ガイドローラ
33 センサ
34 磁気ヘッド
34c 制御手段
35 プラテンローラ
36 ガイドローラ
37 搬送ローラ
38 セラミックヒータ
38c 制御手段
39 ガイドローラ
40 搬送ローラ
43 センサ
44 プラテンローラ
45 搬送ローラ
46 搬送ローラ
47 搬送ローラ
48 搬送ベルト
49a 搬送路
49b 搬送路
50 搬送路
51 センサ
52 プラテンローラ
53 サーマルヘッド
53c 制御手段
54 搬送路
55a 搬送路切換手段
55b 搬送路切換手段
56a 搬送路
56b 搬送路
57a リミットスイッチ
57b リミットスイッチ
58 搬送ベルト
59 搬送ローラ
60 ガイドローラ
61 出口
231 ウエハ
232 ウエハ基板
233 集積回路
234 接触端子
235 CPU
236 ROM
237 RAM
238 入出力用インターフェース
239 RAM記憶領域の情報

Claims (31)

  1. 樹脂母材及び樹脂母材中に分散された有機低分子物質を主成分とし、温度に依存して透明度が可逆的に変化する感熱層を有する熱可逆記録媒体において、有機低分子物質として、アミド結合、尿素結合、スルホニル結合の少なくとも一つとカルボキシル基を有する融点130℃以上200℃以下の直鎖炭化水素含有化合物(A)の少なくとも一種と、該直鎖炭化水素含有化合物(A)の融点より20℃以上低い融点であり、かつ融点85℃以上130℃未満の直鎖炭化水素含有化合物(B)の少なくとも一種を、該直鎖炭化水素含有化合物(B)と該直鎖炭化水素含有化合物(A)の混合比98:2〜10:90で混合して用いるものであり、しかも下記の3条件を満足することを特徴とする熱可逆記録媒体。
    (1)透明化上限温度が125℃以上
    (2)透明化上限温度と白濁化下限温度の温度差が20℃以下
    (3)透明化開始温度が95℃以上
  2. 透明化温度幅が20℃以上であることを特徴とする請求項1に記載の熱可逆記録媒体。
  3. 透明化上限温度が130℃以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱可逆記録媒体。
  4. 透明化上限温度と白濁化下限温度の温度差が15℃以下であることを特徴とする請求項1、2又は3のいずれかに記載の熱可逆記録媒体。
  5. 前記直鎖炭化水素含有化合物(A)として、アミド結合とカルボキシル基を有する直鎖炭化水素含有化合物を用いることを特徴とする請求項1乃至4のうち何れか1に記載の熱可逆記録媒体。
  6. 前記直鎖炭化水素含有化合物(A)として下記一般式(1)の構造の材料を用いることを特徴とする請求項5に記載の熱可逆記録媒体。
    【化1】
    HOOC-(CH2)n−X−(CH2)m−Y−(CH2)n−COOH・・・・・一般式(1)
    (ここで、26≧n≧1、26≧m≧1、X、YはCONH又はNHCOを表し、ただしXとYは同時に同じ構造をとらない。)
  7. 前記直鎖炭化水素含有化合物(A)として、尿素結合とカルボキシル基を有する直鎖炭化水素含有化合物を用いることを特徴とする請求項1乃至4のうち何れか1に記載の熱可逆記録媒体。
  8. 前記直鎖炭化水素含有化合物(A)として、スルホニル結合とカルボキシル基を有する直鎖炭化水素含有化合物を用いることを特徴とする請求項1乃至4のうち何れか1に記載の熱可逆記録媒体。
  9. 直鎖炭化水素含有化合物(A)として下記一般式(2)の構造の材料を用いることを特徴とする請求項又は8に記載の熱可逆記録媒体。
    【化2】
    CH3−(CH2)n−Z−(CH2)m−COOH・・・・・一般式(2)
    (ここで、25≧n≧0、26≧m≧1、ZはNHCONH又はSO2を表す。)
  10. 前記有機低分子物質として、前記直鎖炭化水素含有化合物(B)の融点より10℃以上高く、かつ前記直鎖炭化水素含有化合物(A)の融点より10℃以上低い融点を有する直鎖炭化水素含有化合物(C)を混合して用いることを特徴とする請求項乃至のうち何れか1に記載の熱可逆記録媒体。
  11. 請求項1乃至10のうちの何れか1に記載の条件を満足する熱可逆記録媒体を有する熱可逆記録部と情報記憶部を有することを特徴とするカード。
  12. 該情報記憶部が、磁気記録層、IC、光メモリから選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項11に記載のカード。
  13. 少なくとも熱可逆記録部と支持体と磁気記録層からなり、この順で積層することを特徴とする請求項12に記載のカード。
  14. 少なくとも請求項1乃至10のうち何れか1に記載の熱可逆記録媒体を有する熱可逆記録部と支持体と接着剤層若しくは粘着剤層からなり、この順で積層することを特徴とする熱可逆記録ラベル。
  15. 記憶情報が書換可能なディスクを内蔵したカートリッジ上に請求項1乃至10のうち何れか1に記載の熱可逆記録媒体を有する熱可逆記録部を形成することを特徴とする可逆表示付ディスクカートリッジ。
  16. 記憶情報が書換可能なディスクを内蔵したカートリッジ上に請求項14に記載のラベルを貼着したことを特徴とする可逆表示付ディスクカートリッジ。
  17. 記憶情報が書換若しくは追記可能なディスク上に請求項1乃至10のうち何れか1に記載の熱可逆記録媒体を有する熱可逆記録部が形成されたことを特徴とする可逆表示付ディスク。
  18. 記憶情報が書換若しくは追記可能なディスク上に請求項14に記載のラベルが貼着されたことを特徴とする可逆表示付ディスク。
  19. 記憶情報が書換可能なテープカセット上に請求項1乃至10のうち何れか1に記載の熱可逆記録媒体を有する熱可逆記録部が形成されたことを特徴とする可逆表示付テープカセット。
  20. 記憶情報が書換可能なテープカセット上に請求項14に記載のラベルが貼着されたことを特徴とする可逆表示付テープカセット。
  21. 少なくとも一部に印刷によって形成された画像を有することを特徴とする請求項11乃至20のうち何れか1に記載の熱可逆記録媒体、カード、ラベル、ディスクカートリッジ、ディスク又はテープカセット。
  22. 支持体上に、樹脂母材及び樹脂母材中に分散された有機低分子物質を主成分とし、温度に依存して透明度が可逆的に変化する感熱層を設けた熱可逆記録媒体の製造方法において、有機低分子物質の少なくとも一部として融点130℃以上の有機低分子物質を用い、樹脂溶液中に1種以上の有機低分子物質を固体状態で分散した分散液を支持体上に塗布し加熱乾燥させ、該加熱乾燥時に分散された有機低分子物質が分散溶媒に溶解し、感熱層を形成することを特徴とする請求項1乃至10のうちいずれか1に記載の熱可逆記録媒体の製造方法。
  23. 分散液を支持体に塗布し、乾燥させる際の乾燥温度において、分散液溶媒に対する分散液中に分散された有機低分子物質の溶解度が、0.5%以上であることを特徴とする請求項22に記載の熱可逆記録媒体の製造方法。
  24. 常温において、分散液溶媒に対する分散液中に分散された有機低分子物質の溶解度が、0.5%未満であることを特徴とする請求項22に記載の熱可逆記録媒体の製造方法。
  25. 支持体上に、樹脂母材及び樹脂母材中に分散された有機低分子物質を主成分とし、温度に依存して透明度が可逆的に変化する感熱層を設けた熱可逆記録媒体の製造方法において、有機低分子物質の少なくとも一部として融点130℃以上の有機低分子物質を用い、樹脂溶液中に2種以上の有機低分子物質を固体状態で分散した分散液を支持体上に塗布し、感熱層中の一番高い融点をもつ有機低分子物質の融点より低い温度で加熱乾燥させて感熱層を形成し、次いで感熱層中のすべての有機低分子物質の融点以上の温度で感熱層を加熱することを特徴とする請求項1乃至10のうちいずれか1に記載の熱可逆記録媒体の製造方法。
  26. 請求項1乃至21のうち何れか1に記載の熱可逆記録媒体、カード、ラベル、ディスクカートリッジ、ディスク又はテープカセットを用い、加熱により画像の記録と消去を行なう画像処理方法。
  27. サーマルヘッドを用い画像を形成することを特徴とする請求項26に記載の画像処理方法。
  28. サーマルヘッドを用い画像を消去することを特徴とする請求項26又は27に記載の画像処理方法。
  29. サーマルヘッドを用いすでに形成されている画像をオーバーライトし、該画像の消去と新しい画像の記録を行なうことを特徴とする請求項26乃至28のうち何れか1に記載の画像処理方法。
  30. セラミックヒータを用い画像を消去することを特徴とする請求項26又は27に記載の画像処理方法。
  31. セラミックヒータの設定温度が110℃以上であることを特徴とする請求項30に記載の画像処理方法。
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