JP2006069004A - 可逆性感熱記録媒体とその製造方法、カード及びラベルと画像処理方法 - Google Patents
可逆性感熱記録媒体とその製造方法、カード及びラベルと画像処理方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2006069004A JP2006069004A JP2004254207A JP2004254207A JP2006069004A JP 2006069004 A JP2006069004 A JP 2006069004A JP 2004254207 A JP2004254207 A JP 2004254207A JP 2004254207 A JP2004254207 A JP 2004254207A JP 2006069004 A JP2006069004 A JP 2006069004A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- recording medium
- reversible thermosensitive
- thermosensitive recording
- temperature
- layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
Abstract
【解決手段】 温度に依存して透明度が可逆的に変化する、樹脂母材および有機低分子物質を主成分とした感熱層を有する可逆性感熱記録媒体において、該樹脂母材は、水酸基を有する樹脂が鎖式イソシアネート化合物を含有する架橋材によって架橋された構造の樹脂母材であり、該樹脂に対する該イソシアネート化合物に相当する部分の換算重量比率が17%以上28%以下であることを特徴とする可逆性感熱記録媒体。
【選択図】 図2
Description
また、可逆性感熱記録媒体上に印刷加工をする用途の場合、可逆性感熱記録媒体中の有機低分子物質の表面への析出等により、印刷インキがはじいてしまい、印刷加工できない欠点も認識された。
(1)「温度に依存して透明度が可逆的に変化する、樹脂母材および有機低分子物質を主成分とした感熱層を有する可逆性感熱記録媒体において、該樹脂母材は、水酸基を有する樹脂が鎖式イソシアネート化合物を含有する架橋材によって架橋された構造の樹脂母材であり、該樹脂に対する該イソシアネート化合物に相当する部分の換算重量比率が17%以上28%以下であることを特徴とする可逆性感熱記録媒体」;
(2)「前記有機低分子物質として、下記一般式(1)乃至(8)から選択されたカルボキシル基を有さない直鎖炭化水素含有化合物(A)の少なくとも一種と、該直鎖炭化水素含有化合物(A)の融点より20℃以上低い融点のカルボキシル基を有さない直鎖炭化水素含有化合物(B)の少なくとも一種を用いることを特徴とする前記第(1)項に記載の可逆性感熱記録媒体。(一般式(1)乃至(8)の式中、nは1〜30の整数を示し、mは1〜20の整数を示す。またR1、R2は−(CH2)m−又は−(CH2)m−O−(CH2)n−を示し、R3はCH3(CH2)m−又はCH3(CH2)m−O−(CH2)n−を示す。)
(4)「前記直鎖炭化水素含有化合物(B)の融点が50℃以上かつ100℃未満であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項の何れかに記載の可逆性感熱記録媒体」;
(5)「前記直鎖炭化水素含有化合物(A)と直鎖炭化水素含有化合物(B)の混合比が80:20〜1:99であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項の何れかに記載の可逆性感熱記録媒体」;
(6)「前記直鎖炭化水素含有化合物(B)が、脂肪酸エステル、高級アルキル基を有するケトン、二塩基酸エステル、多価アルコールジ脂肪酸エステル、脂肪族モノアミド化合物、脂肪族モノウレア化合物から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(5)項の何れかに記載の可逆性感熱記録媒体」;
(7)「下記の三条件を満足することを特徴とする前記第(1)項乃至第(6)項の何れかに記載の可逆性感熱記録媒体。
<1>透明化上限温度が115℃以上
<2>透明化上限温度と白濁化下限温度の温度差が20℃以下
<3>透明化温度幅が30℃以上」;
(8)「少なくとも前記感熱層上に保護層を設ける工程を有し、該工程が、保護層形成液を該感熱層上に塗布乾燥する際、感熱層中の最も融点の低い該有機低分子物質の融点以下の温度で加熱するものであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(7)項の何れかに記載の可逆性感熱記録媒体及びその製造方法」;
(9)「前記第(1)項乃至第(8)項のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体が、情報記憶部を有するカード、ディスク、ディスクカートリッジ、テープカセットから選択された一つに設けられていることを特徴とするカード、ディスク、ディスクカートリッジまたはテープカセット」;
(10)「少なくとも前記第(1)項乃至第(9)項の何れかに記載の可逆性感熱記録媒体を有する可逆性感熱記録部と支持体と接着剤層もしくは粘着剤層からなり、この順で積層することを特徴とする可逆性感熱記録ラベル」;
(11)「前記第(1)項乃至第(10)項の何れかに記載の可逆性感熱記録媒体、カード、ディスク、ディスクカートリッジ、テープカセットまたはラベルを用い、加熱により画像の記録及び/又は消去を行なう画像処理方法」;
(12)「サーマルヘッドを用い、画像を形成することを特徴とする前記第(11)項に記載の画像処理方法」。
本発明の可逆性感熱記録媒体は、前記のごとき透明度変化(透明状態、白濁不透明状態)を利用するものであるが、この透明状態と白濁不透明状態との違いは次のように推測される。すなわち、(i)透明の場合には、樹脂母材中に分散された有機低分子物質の粒子と樹脂母材は隙間なく密着しており、また、粒子部内にも空隙はなく、片側から入射した光は散乱されることなく反対側に透過するため透明に見えること、また、(ii)白濁の場合には、有機低分子物質の粒子は有機低分子物質の微細な結晶が集合した多結晶で構成され、結晶の界面若しくは粒子と樹脂母材の界面に隙間ができ、片側から入射した光は空隙と結晶、空隙と樹脂の界面で屈折、反射し、散乱されるため白く見えること、等に由来している。ここで、該感熱層は、樹脂母材と有機低分子物質の他、記録層中の残留溶剤(ppmオーダー)、塗布工程における記録層の塗膜均一性向上のためのシリコーン系等の界面活性剤(添加量0.1%以下)、透明濃度向上及び消去性向上のために添加される可塑剤、及び繰り返し耐久性向上のため積層される保護層の材料等を含み得る。本発明における樹脂母材および有機低分子物質を主成分とするとはこの意味である。
直鎖炭化水素含有化合物(B)の例としては、脂肪酸エステル、高級アルキル基を有するケトン、二塩基酸エステル、多価アルコールジ脂肪酸エステル、脂肪族モノアミド化合物、脂肪族モノウレア化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明で用いる有機低分子物質の多価アルコールジ脂肪酸エステルとしては、下記一般式(12)で表わされるものが挙げられる。
脂肪酸モノアミドの具体例としては、例えば次の一般式(13)で示されるものが挙げられる。
脂肪族ウレア化合物の具体例としては、例えば次の一般式(14)で表わされるものが挙げられる。
<1>透明化上限温度が115℃以上
<2>透明化上限温度と白濁化下限温度の温度差が20℃以下
<3>透明化温度幅が30℃以上
透明化上限温度(Ttu)、白濁化下限温度(Tsl)、透明化上限温度と白濁化下限温度の温度差(ΔTts)、透明化開始温度(Tta)、透明化温度幅(ΔTw)は下記のとおり決められる。まず、白濁化された可逆性感熱記録媒体を用意する。透明化された媒体や充分に白濁されていない媒体を用いるには、充分に加熱したホットプレートに媒体を押しあて加熱することによって、事前に媒体を白濁させる。加熱する時間は10秒〜30秒程度でよい。加熱する温度が白濁化するために充分な温度であることを確認するのは、その温度よりやや高い温度(例えば10℃高い温度)で再度加熱してみればよい。白濁度が両者で変わらなければ、最初の加熱温度が白濁化するために充分に高い温度であったことになる。やや高い温度で加熱した方が白濁度が高くなっていれば、最初の温度ではまだ温度が低かったことになり、加熱温度を上げて再度同じことを繰り返せばよい。
透明化上限温度(Ttu)は、115℃以上であることが好ましい。(Ttu)が高温になることにより、画像耐久性を低下させることなく、透明化温度幅の拡大が可能となる。透明化上限温度(Ttu)は120℃以上が好ましく、125℃以上が更に好ましく、130℃以上が特に好ましい。この温度が高くなるほど消去性が向上する。また、(Ttu)は170℃以下が好ましく、160℃以下が更に好ましく、150℃以下が特に好ましい。この温度が低いほど印字感度が向上する。
これらの如き、可逆性感熱記録媒体を作成するには、用いる低分子物質がポイントとなる。すなわち、上述の直鎖炭化水素含有化合物の中から融点120℃以上の直鎖炭化水素含有化合物(A)と、該直鎖炭化水素含有化合物(A)の融点より20℃以上低い融点の直鎖炭化水素含有化合物(B)を混合して用いることにより達成される。
保護層の厚みは0.5μm〜15μmが好ましく、さらに好ましくは1.0〜10μmである。
保護層の厚みが薄いと、印字消去の繰り返し耐久性の低下と感熱記録層中の有機低分子物質が保護層表面に析出しやすくなり、印刷加工が困難になる。
また保護層が厚すぎると熱に対する感度低下の欠点がある。
光を反射する層の厚みは好ましくは200〜600Åである。厚みが薄くなると光の反射がすくなりコントラスト不足となる。また厚くなりすぎると光を反射する層を加工する際、アルミニウム等の金属が酸化し着色してしまう場合がある。
また、これらの熱可逆記録ラベルはフロッピー(登録商標)ディスクやMDやDVD−RAMなどの記憶情報が書換可能なディスクを内蔵したディスクカートリッジ上の表示ラベルの替わりとして用いることができる。図3に熱可逆記録ラベルをMDのディスクカートリッジ上に貼った例を示す。さらに、CD−RWなどのディスクカートリッジを用いないディスクの場合には、直接ディスクに熱可逆記録ラベルを貼ることや直接ディスク上に感熱層を設けることもできる。こうすることによって、それらの記憶内容の変更に応じて自動的に表示内容を変更するなどの用途への応用が可能である。図4に熱可逆記録ラベルをCD−RW上に貼った例を示す。CD−Rなどの追記型ディスク上に熱可逆記録ラベルを貼って、CD−Rに追記した記憶情報の一部を書換え表示することも可能である。
また、画像消去手段としてサーマルヘッドを用いることにより、更に装置全体の小型化が可能となり、また、消費電力を低減することが可能であり、バッテリー駆動のハンディタイプの装置も可能となる。記録用と消去用を兼ねて一つのサーマルヘッドとすれば、更に小型化が可能となる。一つのサーマルヘッドで記録と消去を行なう場合、一度前の画像を全部消去した後、あらためて新しい画像を記録してもよいし、画像毎にエネルギーを変えて一度に前の画像を消去し、新しい画像を記録していくオーバーライト方式も可能である。オーバーライト方式では記録と消去を合わせた時間が少なくなり、記録のスピードアップにつながる。感熱層と情報記憶部を有するカードを用いる場合、上記の装置には情報記憶部の記憶を読み取る手段と書き換える手段も含まれる。
大日本インキ工業社製磁気原反(メモリディック DS−1711−1040:188μm厚の透明PETフィルム上に磁気記録層及びセルフクリーニング層を塗工したもの)のPETフィルム側に約400ÅのAlを真空蒸着して光反射層を設けた。その上に、
塩化ビニル−酢酸ビニル−リン酸エステル共重合体 10部
(電気化学工業社製、デンカビニール♯1000P)
メチルエチルケトン 45部
トルエン 45部
よりなる溶液を塗布、加熱乾燥し、約0.5μm厚の接着層を設けた。
直鎖炭化水素含有化合物(A);下記構造式(1)の材料
(ミヨシ油脂社製、融点115℃) 0.5部
直鎖炭化水素含有化合物(A);下記構造式(2)の材料(前記構造式(i)の材料)
(ミヨシ油脂社製、融点135℃) 0.5部
直鎖炭化水素含有化合物(B);ベヘン酸ドコシル
(ミヨシ油脂社製、融点73℃) 9.0部
この感熱層上に、
ウレタンアクリレート系紫外線硬化性樹脂の75%酢酸ブチル溶液
(大日本インキ化学工業社製、ユニディックV−9060) 10部
イソプロピルアルコール 8部
よりなる保護層形成液をワイヤーバーで塗布し、60℃2分間、加熱乾燥後、80w/cmの高圧水銀灯で紫外線を照射し、硬化させ、約3μm厚の保護層を設け可逆性感熱記録媒体を作成した。
鎖式イソシアネート化合物(日本ポリウレタン社製、コロネート2298−90T、固形分90%)を4.9部にする以外は実施例1と同様に可逆性感熱記録媒体を作成した。
鎖式イソシアネート化合物(日本ポリウレタン社製、コロネート2298−90T、固形分90%)を8.1部にする以外は実施例1と同様に可逆性感熱記録媒体を作成した。
(実施例4)
鎖式イソシアネート化合物(日本ポリウレタン社製、コロネート2298−90T、固形分90%)を鎖式イソシアネート化合物(旭化成ケミカルズ、デゥラネートE402−90T)に変更する以外は実施例1と同様に可逆性感熱記録媒体を作成した。
保護層形成液を73℃2分間、加熱乾燥する以外は実施例1と同様に可逆性感熱記録媒体を作成した。
実施例1の
「直鎖炭化水素含有化合物(A);上記構造式(1)の材料
(ミヨシ油脂社製、融点115℃) 0.5部
直鎖炭化水素含有化合物(A);上記構造式(2)の材料
(ミヨシ油脂社製、融点135℃) 0.5部
直鎖炭化水素含有化合物(B);ベヘン酸ドコシル
(ミヨシ油脂社製、融点73℃) 9.0部」
を
直鎖炭化水素含有化合物(A);下記構造式(3)の材料(前記構造式(a)の材料)
(ミヨシ油脂社製) 3.0部
直鎖炭化水素含有化合物(B);ベヘン酸ドコシル
(ミヨシ油脂社製、融点73℃) 7.0部
に変更する以外は、同様に可逆性感熱記録媒体を作成した。
直鎖炭化水素含有化合物(A)を下記構造式(4)の化合物(前記構造式(d)の材料)する以外は、実施例6と同様にして可逆性感熱記録媒体を作成した。
直鎖炭化水素含有化合物(A)を下記構造式(5)の化合物(前記構造式(e)の材料)とする以外は、実施例6と同様にして可逆性感熱記録媒体を作成した。
直鎖炭化水素含有化合物(A)を下記構造式(6)の化合物(前記構造式(f)の材料)とする以外は、実施例6と同様にして可逆性感熱記録媒体を作成した。
直鎖炭化水素含有化合物(A)を下記構造式(7)の化合物(前記構造式(g)の材料)とする以外は、実施例6と同様にして可逆性感熱記録媒体を作成した。
直鎖炭化水素含有化合物(A)を下記構造式(8)の化合物(前記構造式(h)の材料)とする以外は、実施例6と同様にして可逆性感熱記録媒体を作成した。
ベヘン酸ドコシルを、ジヘプタデシルケトン(日本化成(株)製、ワックスKS)とする以外は、実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作成した。
約50μm厚のAl蒸着ポリエステルフィルム(東レ社製、♯50メタルミー)のAl蒸着面上に、実施例1と同様に接着層、感熱層、保護層を形成した。さらに、支持体の感熱層面の裏面に、約7μmのアクリル系粘着剤層を設け、熱可逆記録ラベルを作製した。このラベルを図4のようにドーナッツ状にして図5のようにCD−RW上に貼り合わせて可逆表示機能付きの光情報記録媒体を作製した。上記のように作製した光情報記録媒体を用い、CD−RWドライブ((株)リコー製 MP6200S)で記憶した情報の一部(年月日、時刻など)を、記録手段(サーマルヘッド)と消去手段(セラミックヒーター)を有する記録装置を用いて、サーマルヘッドの記録エネルギーをそれぞれの媒体の記録温度の変化に合わせて調整して感熱層へ表示記録し、可視化した。また、該ドライブを用い、光情報記録媒体の記憶層の情報を書き換え、記録装置により消去手段を用い、先の記録を消去し新たにサーマルヘッドで、書き換えた情報を感熱層に書き換え、表示記録した。さらに、この表示記録の書き換えを100回繰り返したが、記録および消去は可能であった。
実施例13の熱可逆記録ラベルを図3に示すようにミニディスク(MD)ディスクカートリッジ上に貼り付けた。MDに記憶された情報の一部(年月日、曲名など)を、記録手段(サーマルヘッド)と消去手段(セラミックヒーター)を有する記録装置を用いて、サーマルヘッドの記録エネルギーをそれぞれの媒体の記録温度の変化に合わせて調整して感熱層へ表示記録し、可視化した。さらに、この表示記録の書き換えを100回繰り返したが、記録および消去は可能であった。また、上記MD上に貼り合わせた可逆表示機能付きの光情報記録媒体を予め透明化処理し35℃環境に1年保存後、を用い、記録手段(サーマルヘッド)と消去手段(セラミックヒータ)を有する記録装置を用いて5℃環境下で消去エネルギーを印加させた部分の状態を視認して観察したが、発色することはなく良好な透明状態であった。
鎖式イソシアネート化合物(日本ポリウレタン社製、コロネート2298−90T)を4部にする以外は実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作成した。
鎖式イソシアネート化合物(日本ポリウレタン社製、コロネート2298−90T)を9.5部にする以外は実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作成した。
鎖式イソシアネート化合物(日本ポリウレタン社製、コロネート2298−90T、固形分90%)を4.6部にする以外は実施例1と同様に可逆性感熱記録媒体を作成した。
鎖式イソシアネート化合物(日本ポリウレタン社製、コロネート2298−90T、固形分90%)を8.4部にする以外は実施例1と同様に可逆性感熱記録媒体を作成した。
感熱層の塗工溶液を下記のとおり変更する以外は、実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
ベヘン酸(SIGMA社製試薬、純度99%) 5部
エイコサン二酸(岡村製油社製、SL−20−90) 5部
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(ダウケミカル社製、VYHH) 38部
テトラヒドロフラン 210部
トルエン 20部
感熱層の塗工溶液を下記のとおり変更する以外は、実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。ここで形成された感熱層は、表面に白色の粒子が目立ち均一性の悪いものであった。
ベヘン酸ドコシル(シグマ社製、試薬) 9.5部
エチレンビスベヘン酸アミド(日本化成社製、スリパックスB) 0.5部
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(ダウケミカル社製、VYHH) 30部
テトラヒドロフラン 160部
(1)初期印字試験
実施例1〜13、比較例1〜6を用い、前記のようにして得られた媒体をあらかじめ透明化しておき、パナソニックコミュニケーションズの印字消去機能付磁気カードリーダライタ(KU−R−3001FA)を用いて、サーマルヘッドにより熱印加を行ない、室温まで急冷却して、マクベス反射濃度計で可逆性感熱記録媒体の画像部の反射濃度測定を行ない、これを初期画像濃度とした。次に、同じ装置を用いて、前記エネルギー値にて媒体に白濁画像を形成した後に、セラミックヒータにて熱印加を行ない、室温まで冷却して、マクベス反射濃度計で反射濃度測定を行ない、これを初期消去濃度とした。結果をまとめて表1に示す。
初期画像濃度
○ :0.18〜0.23以下
○〜△:0.24〜0.29
△ :0.30〜0.35
△〜×:0.36〜0.40
× :0.41以上
○ :1.10以上
○〜△:1.00〜1.09
△ :0.99〜0.90
△〜×:0.89〜0.80
× :0.79以下
実施例1〜13、比較例1〜6を用い、あらかじめ透明化された媒体を炭酸アンモニウム8%水溶液中に24時間浸漬した後に、前記の初期印字試験で用いた同じ装置、及び同じ方法にて画像濃度、消去濃度を測定し、これらを試験後画像濃度、試験後消去濃度とした。結果をまとめて表1に示す。
前記した測定方法を用いて、(Ttu)、(Tsl)、(ΔTts)、(Ttl)、(ΔTw)を測定した。結果をまとめて表2に示す。
実施例1〜13、比較例1〜4及び6を用い、予め、該媒体を透明化しておき、35℃環境に1年保存後、スター精密社製TCP300(白濁リライト設定、消去速度60mm/s)を用い、5℃環境下で消去エネルギーを印加させた後、該媒体に印加した部分の状態を視認して判定した。
○ :透明(発色なし)
○〜△:消去部と消去しない境目部分のみわずかに発色有り
△ :消去部と消去しない境目部分のみ発色有り
△〜×:消去部に発色有り
× :消去部が頻繁に発色発生あり
長期保存後白濁ムラ試験の結果をまとめて表3に示す。
実施例1〜13、比較例1〜6を用い、予め、該媒体を透明化しておきパナソニックコミュニケーションズ製の印字消去機能付磁気カードリーダライタ(KU−R−3001FA)を用いて、セラミックヒータで加熱後、サーマルヘッドにより熱印加を行ない、可逆性感熱記録媒体を室温まで急冷却して、可逆性感熱記録媒体に画像を形成させた、この画像形成を500回繰り返し、マクベス反射濃度計で画像部の反射濃度測定を行ない、これを500回後画像濃度とした。
500回後画像濃度
○ :0.18〜0.23以下
○〜△:0.24〜0.29
△ :0.30〜0.35
△〜×:0.36〜0.40
× :0.41以上
繰り返し耐久性試験の結果をまとめて表3に示す。
実施例1〜13、比較例1〜6を用い、予め、該媒体を透明化しておき、可逆性感熱記録媒体に明製作所製印刷評価機RIテスターにて東洋インキ社製、FDOLP多色OPニスM1のインキを1μm程度の厚みに印刷加工した。なお、印刷ムラの評価判定を容易にするために、印刷加工前に可逆性感熱記録媒体の一部を布で乾拭きした後、印刷加工を実施した。該媒体に印刷した部分の乾拭き部、未乾拭き部とのムラの差も含め、視認して判定した
○ :印刷ムラなし
○〜△:かすかにムラ有り
△ :ムラが容易に視認可能
△〜×:ムラが目立つ
× :顕著にムラが目立つ
印刷性の結果をまとめて表3に示す。
実施例1〜13、比較例1〜6を用い、前記のようにして得られた媒体をあらかじめ透明化し、その後、熱傾斜試験機で部分的に白濁化させた後、九州松下電器製の印字消去機能付磁気カードリーダライタ(KU−R−3001FA)を用い、5℃環境下で消去温度の中心付近の最適消去温度で消去することを各500枚を連続で行い、白濁化部の消去状態を目視で判定した。結果をまとめて表2に示す。
○ :消去不良はなく全て消える
△ :消し残りが時々発生する
× :消し残りが顕著に発生する
11 支持体
12 アルミ反射層
13 可逆性感熱記録層
14 保護層
16 磁気記録層
17 書き替え記録部
18 カード
19 印刷表示部
20 磁気記録部
23 ICチップ用窪み部
24 書き換え記録部のラベル加工
31 搬送ローラ
34 磁気ヘッド
38 セラミックヒータ
40 搬送ローラ
47 搬送ローラ
53 サーマルヘッド
231 ウェハ
232 ウェハ基板
233 集積回路
234 接触端子
235 CPU
236 ROM
237 RAM
238 入出力用インターフェース
239 RAM記憶領域の情報
Claims (12)
- 温度に依存して透明度が可逆的に変化する、樹脂母材および有機低分子物質を主成分とした感熱層を有する可逆性感熱記録媒体において、該樹脂母材は、水酸基を有する樹脂が鎖式イソシアネート化合物を含有する架橋材によって架橋された構造の樹脂母材であり、該樹脂に対する該イソシアネート化合物に相当する部分の換算重量比率が17%以上28%以下であることを特徴とする可逆性感熱記録媒体。
- 前記直鎖炭化水素含有化合物(A)の融点が100℃以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の可逆性感熱記録媒体。
- 前記直鎖炭化水素含有化合物(B)の融点が50℃以上かつ100℃未満であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の可逆性感熱記録媒体。
- 前記直鎖炭化水素含有化合物(A)と直鎖炭化水素含有化合物(B)の混合比が80:20〜1:99であることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の可逆性感熱記録媒体。
- 前記直鎖炭化水素含有化合物(B)が、脂肪酸エステル、高級アルキル基を有するケトン、二塩基酸エステル、多価アルコールジ脂肪酸エステル、脂肪族モノアミド化合物、脂肪族モノウレア化合物から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の可逆性感熱記録媒体。
- 下記の三条件を満足することを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の可逆性感熱記録媒体。
<1>透明化上限温度が115℃以上
<2>透明化上限温度と白濁化下限温度の温度差が20℃以下
<3>透明化温度幅が30℃以上 - 少なくとも前記感熱層上に保護層を設ける工程を有し、該工程が、保護層形成液を該感熱層上に塗布乾燥する際、感熱層中の最も融点の低い該有機低分子物質の融点以下の温度で加熱するものであることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の可逆性感熱記録媒体及びその製造方法。
- 請求項1乃至8のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体が、情報記憶部を有するカード、ディスク、ディスクカートリッジ、テープカセットから選択された一つに設けられていることを特徴とするカード、ディスク、ディスクカートリッジまたはテープカセット。
- 少なくとも請求項1乃至9の何れかに記載の可逆性感熱記録媒体を有する可逆性感熱記録部と支持体と接着剤層もしくは粘着剤層からなり、この順で積層することを特徴とする可逆性感熱記録ラベル。
- 請求項1乃至10の何れかに記載の可逆性感熱記録媒体、カード、ディスク、ディスクカートリッジ、テープカセットまたはラベルを用い、加熱により画像の記録及び/又は消去を行なう画像処理方法。
- サーマルヘッドを用い、画像を形成することを特徴とする請求項11に記載の画像処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004254207A JP2006069004A (ja) | 2004-09-01 | 2004-09-01 | 可逆性感熱記録媒体とその製造方法、カード及びラベルと画像処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004254207A JP2006069004A (ja) | 2004-09-01 | 2004-09-01 | 可逆性感熱記録媒体とその製造方法、カード及びラベルと画像処理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006069004A true JP2006069004A (ja) | 2006-03-16 |
Family
ID=36150117
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004254207A Pending JP2006069004A (ja) | 2004-09-01 | 2004-09-01 | 可逆性感熱記録媒体とその製造方法、カード及びラベルと画像処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006069004A (ja) |
-
2004
- 2004-09-01 JP JP2004254207A patent/JP2006069004A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6489265B1 (en) | Reversible thermosensitive recording medium, method of producing the medium, information recording devices using the medium, and image formation and erasing method using the medium | |
KR100730974B1 (ko) | 열가역 기록 매체, 열가역 기록 라벨, 열가역 기록 부재,화상 처리 장치 및 화상 처리 방법 | |
US6362130B1 (en) | Reversible thermosensitive recording medium, card, label, disk, disk cartridge, tape cassette, method of producing the recording medium, and method of recording and erasing images using the same | |
JP3957044B2 (ja) | 熱可逆記録媒体、カード及びラベルと画像処理方法 | |
EP1164031B1 (en) | Thermo reversible recording medium, member having information memorizing part, thermo reversible recording label, method of and apparatus for image processing | |
JP2000105947A (ja) | 可逆表示機能を有する光情報記憶媒体および表示記録方法 | |
JP2006069004A (ja) | 可逆性感熱記録媒体とその製造方法、カード及びラベルと画像処理方法 | |
JP4274345B2 (ja) | 熱可逆記録媒体、熱可逆記録ラベル、情報記憶部を有する部材及び画像処理方法 | |
JP4267387B2 (ja) | 熱可逆記録材料、熱可逆記録ラベル、情報記憶表示部材、画像処理方法 | |
JP3599163B2 (ja) | 熱可逆記録媒体、カード、ラベル、ディスクカートリッジ及びディスクとその製造方法及び画像処理方法 | |
JP3635310B2 (ja) | 熱可逆記録媒体、カード、ラベル、ディスクカートリッジ及びディスクとその製造方法と画像処理方法 | |
JP2002103654A (ja) | 可逆性感熱記録装置および可逆性感熱記録カード | |
JP3871295B2 (ja) | 熱可逆記録媒体、ラベル、カード、ディスク、ディスクカートリッジ及びテープカセットと画像処理方法 | |
JP3656703B2 (ja) | 熱可逆記録媒体及びカードとその製造方法と画像処理方法及び装置 | |
JP4180596B2 (ja) | 熱可逆記録媒体、ラベル、カード、ディスク、ディスクカートリッジ及びテープカセットと画像処理方法 | |
JP2002086932A (ja) | 熱可逆記録媒体、カード、ディスクカートリッジ、ディスク、テープカセット及びラベルと画像処理方法 | |
JP4247824B2 (ja) | 熱可逆記録媒体、並びに、熱可逆記録ラベル、熱可逆記録部材、画像処理装置及び画像処理方法 | |
JP2004074436A (ja) | 熱可逆発色組成物、該組成物を含む部材、該組成物を用いる画像を形成又は消去する方法 | |
JP3599162B2 (ja) | 可逆性感熱記録媒体 | |
JP2000052662A (ja) | 可逆性感熱記録材料 | |
JP3315811B2 (ja) | 可逆性感熱記録材料 | |
JP2001341436A (ja) | 熱可逆記録媒体、ラベル、カード及びその画像処理方法 | |
JPH11157224A (ja) | 可逆性感熱記録媒体、カード及び該媒体を用いる画像記録及び消去方法及び装置 | |
JPH09315054A (ja) | リライト表示付カード | |
JPH08118803A (ja) | 可逆性感熱記録材料および可逆性感熱記録方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20061218 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20090108 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090123 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090324 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20090521 |