JPH11101321A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

トロイダル型無段変速機

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JPH11101321A
JPH11101321A JP26526497A JP26526497A JPH11101321A JP H11101321 A JPH11101321 A JP H11101321A JP 26526497 A JP26526497 A JP 26526497A JP 26526497 A JP26526497 A JP 26526497A JP H11101321 A JPH11101321 A JP H11101321A
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JP
Japan
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toroidal
reverse
lubricating oil
continuously variable
type continuously
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JP26526497A
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Inventor
Atsushi Sugihara
杉原  淳
Masaki Nakano
正樹 中野
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両牽引時であっても充分な潤滑性能を確保
することができるトロイダル型無段変速機を提供するこ
と。 【解決手段】 第1入出力ディスクと、第2入出力ディ
スクと、パワーローラとを備えて構成される第1トロイ
ダル変速部、第2トロイダル変速部と、第1、第2トロ
イダル変速部からの駆動力により作動して車両が前進状
態にあるか後進状態にあるかを判断する前後進検出手段
90と、前後進検出手段90の検出結果に基づいて、前
進用変速制御装置と後進用変速制御装置とを切り替えて
第1、第2トロイダル変速部の変速を行なう切換バルブ
80と、を備えたトロイダル型無段変速機において、前
後進検出手段90の周囲を壁面101で囲って潤滑油だ
まり102を形成し、前後進検出手段90を潤滑油だま
り102の潤滑油に浸して配置する構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、トロイダル型無
段変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】 この種のトロイダル型無段変速機は、
例えば、特開平2−163562号公報に開示されるよ
うに、トロイダル変速部からの駆動力により車両が前進
状態にあるか後進状態にあるかを判断する前後進検出手
段の検出結果に基づいて、前進用変速制御装置と後進用
変速制御装置とを切換えて前記トロイダル変速部の変速
を行なう。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、かか
る従来のトロイダル型無段変速機にあっては、前後進検
出手段の潤滑を、一般の潤滑手法と同様に、エンジンに
より駆動されるオイルポンプからの潤滑油を用いた場合
には、エンジンが回っていない車両牽引時には潤滑不足
となる。また、後部ギヤ等によるかき上げ潤滑とした場
合であっても、設計方向とは逆方向に車両を牽引した時
には、同様に潤滑不足となる。このような潤滑不足は、
前後進検出手段の焼き付き等の原因になる。そこで、本
発明は、前後進検出手段への潤滑油の供給を改善したト
ロイダル型無段変速機を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】 かかる目的を達成する
ために本発明は、1対の入力ディスクと出力ディスク
と、該入出力ディスク間に傾斜可能に摩擦接触されるパ
ワーローラとを備えて構成されるトロイダル変速部と、
該トロイダル変速部からの駆動力により作動して車両が
前進状態にあるか後進状態にあるかを判断する前後進検
出手段と、該前後進検出手段の検出結果に基づいて、前
進用変速制御装置と後進用変速制御装置とを切り換えて
前記トロイダル変速部の変速を行なう制御装置切替手段
と、を備えたトロイダル型無段変速機において、前記前
後進検出手段の周囲を壁面で囲って潤滑油だまりを形成
し、前後進検出手段を前記潤滑油だまりの潤滑油に浸し
て配置する構成とした。
【0005】
【作用】 以上の構成により本発明のトロイダル型無段
変速機にあっては、前後進検出手段は常に潤滑油に浸さ
れるため、車両牽引時であっても充分な潤滑性能を確保
することが可能となる。
【0006】
【発明の実施の形態】 以下、本発明の実施の形態を図
面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明が適用され
るトロイダル型無段変速機10の変速制御部を示し、該
トロイダル型無段変速機10としては図2に示すように
概略が構成される。即ち、上記図2に示すトロイダル型
無段変速機10は、図中左側に設けられる動力源として
の図外のエンジンの回転が、トルクコンバータ12を介
して該トロイダル型無段変速機10に入力されるように
なっている。上記トルクコンバータ12は一般によく知
られるように、ポンプインペラ12a、タービンランナ
12bおよびステータ12cを備え、特に該トルクコン
バータ12ではロックアップクラッチ12dが設けられ
ている。そして、上記トロイダル型無段変速機10は、
上記トルクコンバータ12の出力回転軸14と同軸上に
配置されるトルク伝達軸16が設けられ、該トルク伝達
軸16に第1トロイダル変速部18と第2トロイダル変
速部20とがタンデム配置されている。上記トルク伝達
軸16は中空に形成されると共に、ハウジング22に対
し軸方向の若干の移動が可能に取り付けられる。上記第
1、第2トロイダル変速部18、20は、それぞれの対
抗面がトロイド曲面に形成される1対の第1入力ディス
ク18a、第1出力ディスク18bおよび第2入力ディ
スク20a、第2出力ディスク20bと、これら第1入
出力ディスク18a、18bおよび第2入出力ディスク
20a、20bのそれぞれの対抗面間に摩擦接触される
パワーローラ18c、18dおよび20c、20dとに
よって構成される。
【0007】上記第1トロイダル変速部18は上記トル
ク伝達軸16の図中左方に配置されると共に、上記第2
トルク変速部20は該トルク伝達軸16の図中右方に配
置され、かつ、それぞれの第1入力ディスク18aおよ
び第2入力ディスク20aは互いに外側に配置されると
共に、第1入力ディスク18bおよび第2入力ディスク
20bは互いに内側に配置されている。そして、上記第
1、第2入力ディスク18a、20aはボールスプライ
ン24、26を介して上記トルク伝達軸16に、回転方
向に係止されかつ軸方向の滑らかな移動が可能に取り付
けられる。一方、上記第1、第2出力ディスク18b、
20bは、上記トルク伝達軸16に相対回転可能に嵌合
された出力ギア28にスプライン嵌合され、該第1、第
2出力ディスク18b、20bに伝達された回転力は、
該出力ギア28およびこれに噛合される入力ギア30a
を介してカウンターシャフト30に伝達され、更に、回
転力出力経路を介して図外の出力軸に伝達される。とこ
ろで、上記第1入力ディスク18aの外側(図中左方)
にはローディングカム装置34が設けられ、該ローディ
ングカム装置34には、回転力入力経路を介して伝達さ
れるエンジン回転が入力され、この入力トルクに応じた
押圧力が該ローディングカム装置34によって発生され
るようになっている。尚、上記ローディングカム装置3
4のローディングカム34aは、上記トルク伝達軸16
に相対回転可能に嵌合されると共に、スラストベアリン
グ36を介して該トルク伝達軸16に係止される。ま
た、上記第2入力ディスク20aと上記トルク伝達軸1
6の図中右方端部との間に皿ばね38が設けられてい
る。従って、上記ローディングカム装置38で発生され
る押圧力は、第1入力ディスク18aに作用すると共
に、上記トルク伝達軸16および上記皿ばね38を介し
て第2入力ディスク20aにも作用し、かつ、上記皿ば
ね38によって発生される予圧力は、第2入力ディスク
20aに作用すると共に、上記トルク伝達軸16および
上記ローディングカム装置34を介して第1入力ディス
ク18aにも作用されるようになっている。ところで、
上記ローディングカム装置34と上記トルクコンバータ
12との間の回転力入力経路には、車両の前進時と後進
時の回転方向を切り換えるための前後進切換装置40が
設けられる。上記前後進切換装置40は、ダブルプラネ
タリー方式の遊星歯車機構42と、該遊星歯車機構42
のキャリア42aを上記出力回転軸14に締結可能なフ
ォワードクラッチ44と、該遊星歯車機構42のリング
ギア42bを上記ハウジング22に締結可能なリバース
ブレーキ46とによって構成される。そして、上記前後
進切換装置40では、フォワードクラッチ44を締結す
ると共に、リバースブレーキ46を開放することによ
り、エンジン回転と同方向の回転が上記ローディングカ
ム装置34に入力され、かつ、フォワードクラッチ44
を開放してリバースブレーキ46を締結することによ
り、逆方向の回転が入力されるようになっている。尚、
上記遊星歯車機構42で、42cはサンギア、42d、
42eは互いに噛合されるプラネタリギアである。
【0008】ところで、上記第1トロイダル変速部18
および第2トロイダル変速部20に設けられたパワーロ
ーラ18c、18dおよび20c、20dは、中心軸C
に対して対称に配置され、それぞれのパワーローラは上
記従来例として記載した実開昭63−92859号公報
に開示されるように、変速制御装置としてのコントロー
ルバルブおよび油圧アクチュエータを介して、車両運転
条件に応じて傾斜され、もって、入力ディスク18a、
20aの回転を無段階に変速して出力ディスク18b、
20bに伝達するようになっている。即ち、上記パワー
ローラ18c、18dおよび20c、20dは、図1中
に概略的に示したように、それぞれのパワーローラ18
c、18d、20c、20dに対応して設けられる油圧
アクチュエータ50、52、54、56によって、上下
移動される回転軸50a、52a、54a、56aに、
偏心軸50b、52b、54b、56bを介して回転自
在に装着され、該回転軸50a、52a、54a、56
aが上下移動されることによって、パワーローラ18
c、18d、20c、20dは傾斜できるようになって
いる。尚、このとき、上記回転軸50a、52a、54
a、56aは、これが上下移動されてパワーローラ18
c、18d、20c、20dが傾斜される際に回転され
る。従って、上記パワーローラ18c、18d、20
c、20dの傾斜量は、上記油圧アクチュエータ50、
52、54、56の稼動量によって決定され、延いて
は、上記回転軸50a、52a、54a、56aの回転
量によって決定されることになる。
【0009】ここで、図1に示すように、前進時に作動
される前進用変速制御装置としての第1コントロールバ
ルブ60と、後進時に作動される後進用変速制御装置と
しての第2コントロールバルブ70とを設け、これら第
1、第2コントロールバルブ60、70の切換えは制御
装置切換手段としての切換バルブ80によって行なわれ
るようになっている。上記第1、第2コントロールバル
ブ60、70は全く同一の構成のものを左右逆に配置し
たもので、いずれも、ロアバルブボディ181内に配置
される。そして、これら第1、第2コントロールバルブ
60、70はステップモータ61、71によって回転駆
動される駆動ロッド62、72と、スリーブ63、73
と、該スリーブ63、73の内径部に嵌挿されるスプー
ル64、74と、該スプール64、74を上記ステップ
モータ61、71とは反対方向に押圧するスプリング6
5、75とをそれぞれ備えている。
【0010】上記駆動ロッド62、72は先端部に雄ね
じ部62a、72aが形成され、これが上記スリーブ6
3、73に形成された雌ねじ部63a、73aに螺合さ
れる。上記スリーブ63、73の外周には軸方向の溝が
形成され、該溝にピン66,76が係合されることによ
り、該スリーブ63、73は回転されることなく軸方向
に移動できるようになっている。また、上記スプール6
4、74の上記スプリング65、75が設けられたとは
反対側端には、それぞれ上記回転軸50a、52a、5
4a、56aのうち1つの回転量が、プリセスカム6
7、77およびリンク67a、77aを介して軸方向移
動量に変換されて、この軸方向移動量をフィードバック
量として導入されるようになっている。即ち、上記回転
軸50a、52a、54a、56aの回転量は、パワー
ローラ18c、18d、20c、20dの傾斜量に比例
しており、該回転軸の回転量をフィードバックすること
は、パワーローラの傾斜量をフィードバックすることに
なる。尚、上記プリセスカム67、77が装着される回
転軸は、それぞれ別の回転軸とすることなく、1つの回
転軸を共有してもよい。上記スプール64、74にはそ
れぞれ2つのランド部64a、64bおよび74a、7
4bが設けられ、これらランド部64a、64bおよび
74a、74bスプール64、74の移動に伴って、導
入ポート68、78から導入されるライン圧を、第1ポ
ート68a、78aおよび第2ポート68b、78bに
配分する。尚、図示するスプール64、74位置は安定
状態にあり、上記導入ポート68、78のライン圧は左
右の第1ポート68a、78aおよび第2ポート68
b、78bに均等に配分されている。
【0011】一方、上記切換バルブ80は、前述したロ
アバルブボディ181に結合されるアッパーバルブボデ
ィ81内に摺動可能に嵌挿されるスプール82を備え、
該スプール82はスプリング83を介して図中左方に押
圧されると共に、該スプール82の図中左端部には前後
進検出手段90を介して切換信号が入力される。上記ア
ッパーバルブボディ81には、上記第1コントロールバ
ルブ60および第2コントロールバルブ70の導入ポー
ト68、78、第1ポート68a、78aおよび第2ポ
ート68b、78bにそれぞれ接続されるポート81
a、81b、81c、81d、81e、81fが形成さ
れ、また、上記油圧アクチュエータ50、52、54、
56に、上記第1コントロールバルブ60または上記第
2コントロールバルブ70で制御された油圧を供給する
ためのポート81g、81hが形成されており、更に、
ライン圧ポート81iが形成されている。上記ライン圧
ポート81iには、油圧ポンプ84からの吐出圧がレギ
ュレータバルブ85を介して調圧されたライン圧が導入
されている。また、上記油圧アクチュエータ50、5
2、54、56は、それぞれ上側室Aと下側室Bより高
い油圧が供給されることにより、それぞれの回転軸50
a、52a、54a、56aは下方に移動され、かつ、
これとは反対に下側室Bに上側室Aより高い油圧が供給
されることにより、回転軸50a、52a、54a、5
6aは上方に移動される。
【0012】一方、第1トロイダル変速部18の油圧ア
クチュエータ50、52および第2トロイダル変速部2
0の油圧アクチュエータ54、56は、それぞれ一方の
上側室Aと他方の下側室Bおよび一方の下側室Bと他方
の上側室Aとが交差して連通され、油圧アクチュエータ
50およびアクチュエータ54と、アクチュエータ52
およびアクチュエータ56とは互いに逆方向に稼動され
るようになっている。上記油圧アクチュエータ50、5
4の上側室Aと、油圧アクチュエータ52、56の下側
室Bとは、回路86を介して上記ポート81gに接続さ
れ、かつ、油圧アクチュエータ50、54の下側室Bと
油圧アクチュエータ52、56の上側室Aとは、回路8
7を介して上記ポート81hに接続されている。そし
て、上記切換バルブ80のスプール82は、前進状態で
は図中上半部位置に設定され、ライン圧ポート81iと
ポート81aおよびポート81eとポート81gそして
ポート81cとポート81hがそれぞれ連通されて、ラ
イン圧は第1コントロールバルブ60の導入ポート68
に供給されると共に、該第1コントロールバルブ60の
第1、第2ポート68a、68bに発生される油圧は、
それぞれ回路86、87を介して上記油圧アクチュエー
タ50、52、54、56に供給される。ところで、こ
の状態では上記第2コントロールバルブ70に通ずるポ
ート81b、81d、81fは全て遮断されている。一
方、後進状態では上記切換バルブ80のスプール82は
図中下半部位置に設定され、今後は上記第2コントロー
ルバルブ70に通ずるポート81b、81d、81f
は、それぞれ81i、81g、81hと連通され、ライ
ン圧は該第2コントロールバルブ70の導入ポート78
に供給されると共に、第1、第2ポート78a、78b
で発生された油圧は、回路86、87を介して上記油圧
アクチュエータ50、52、54、56に供給される。
ところで、この状態では上記第1コントロールバルブ6
0に通ずるポート81a、81c、81eは全て遮断さ
れている。
【0013】上記前後進検出手段90は図3に示すよう
に、カウンタシャフト30の端部に設けられ、該カウン
タシャフト30の回転方向によって前進状態および後進
状態を判断するようになっている。即ち、上記前後進検
出手段90は、カウンタシャフト30の端部から中心軸
上に突出される支持軸91と、該支持軸91の外周にワ
ンウェイクラッチ92を介して嵌合される中間カラー9
3と、該中間カラー93の更に外周に相対回転可能に嵌
合されるプッシングカラー94とを備えている。上記プ
ッシングカラー94はその両端に、中間カラー93とセ
レーション嵌合された1対のフリクションプレート96
が当接され、かつ、該フリクションプレート96には該
プッシングカラー94を挟圧する方向にスプリング97
の付勢力が作用している。また、上記プッシングカラー
94の外周から腕部94aが突設され、該腕部94aは
上記切換バルブ80のスプール82端に当接されてい
る。ところで、上記ワンウェイクラッチ92は、カウン
タシャフト30の正転時つまり前進時には空転し、逆転
時つまり後進時にはロックされるようになっている。
尚、98はニードルベアリング、99は油路で、該油路
99を介して上記ワンウェイクラッチ92に潤滑油を供
給するようになっている。従って、上記前後進検出手段
90はカウンタシャフト30が正転時にはワンウェイク
ラッチ92が空転されるため、プッシングカラー94に
は回転力が伝達されず、従って上記切換バルブ80のス
プール82は、スプリング83の付勢力により図中上半
部位置に設定されると共に、カウンタシャフト30が逆
転時にはワンウェイクラッチ92がロックされて、プッ
シングカラー94は回転され、腕部94aは上記スプー
ル82を押圧して図中下半部位置に設定する。尚、上記
プッシングカラー94はスプール82を図中下半部位置
に移動しきった時点で、フリクションプレート96の摩
擦力に打ち勝って、中間カラー93に対し相対回転され
る。
【0014】以上の構成により本実施の形態のトロイダ
ル型無段変速機10は、トルクコンバータ12および前
後進切換装置36を介してローディングカム装置34に
入力されたエンジンの回転力は、第1、第2トロイダル
変速部18、20を介して適宜無段変速された後、出力
ギア28からカウンタシャフト30の入力ギア30aに
伝達され、該カウンタシャフト30が回転される。この
とき、上記前後進切換装置40が前進状態、つまり、フ
ォワードクラッチ44が締結(リバースブレーキ46は
解放)された状態では、第1、第2入力ディスク18
a、20aに入力される回転は、エンジンの回転方向と
同方向となり、これに対しパワーローラ18c、20c
を介して第1、第2出力ディスク18b、20bでは一
旦逆転方向となるが、出力ギア28および入力ギア30
aを介してカウンタシャフト30では再度正転に戻さ
れ、このカウンタシャフト30回転が出力回転経路を介
して図外の駆動輪へと伝達される。また、上記前後進切
換装置40のリバースブレーキ46を締結(フォワード
クラッチ44は解放)して後進状態とした場合は、上記
ローディングカム装置34以下の回転は全てがそれぞれ
逆方向に回転されることになる。そして、上記カウンタ
シャフト30の回転は前後進検出手段90によって検出
され、前進時には該前後進検出手段90のワンウェイク
ラッチ92が空転されて切換バルブ80のスプール82
は図中上半部位置に設定されて、第2コントロールバル
ブ70に通ずるポート81b、81d、81fを全て遮
断し、第1コントロールバルブ60のみに通ずるポート
81a、81e、81cを連通する。従って、油圧ポン
プ84およびレギュレータバルブ85を介して出力され
るライン圧は、第1コントロールバルブ60の導入ポー
ト68に供給される。このとき、該第1コントロールバ
ルブ60のスプール64は、図外のコントロールユニッ
トから出力される車両運転条件に応じた制御信号で駆動
されるステップモータ61の回転量と、プリセスカム6
7を介して入力されるパワーローラのフィードバック量
とによって移動位置が決定され、このスプール64の移
動位置に応じて、第1、第2ポート68a、68bに発
生される制御圧が、油圧アクチュエータ50、52、5
4、56にそれぞれ供給され、前進状態に対応したパワ
ーローラ18c、18d、20c、20dの傾斜量を得
ることができる。
【0015】一方、車両の後進時には上記前後進検出手
段90のワンウェイクラッチ92がロックされるため、
プッシュカラー94の回転に伴って切換バルブ80は図
中下半部位置に設定され、この状態では第1コントロー
ルバルブ60に通ずるポート81a、81e、81cが
遮断され、第2コントロールバルブ70に通ずるポート
81b、81d、81fが連通され、油圧ポンプ84、
レギュレータバルブ85のライン圧は第2コントロール
バルブ70のみに供給される。そして、上記第1コント
ロールバルブ60と同様にステップモータ71およびプ
リセスカム77を介して移動されるスプール74によっ
て、第1、第2ポート78a、78bに制御圧が発生さ
れ、この制御圧によって上記油圧アクチュエータ50、
52、54、56が駆動され、後進状態に応じたパワー
ローラ18c、18d、20c、20dの傾斜量を得る
ことができる。また、上記第1、第2コントロールバル
ブ60、70はプリセスカム67、77からそれぞれの
コントロールバルブ60、70に入力されるフィードバ
ック量も前進状態および後進状態に的確に対応させるこ
とができる。
【0016】図4に、本発明の実施の形態1を示す。即
ち、前記切換バルブ80のスプール82が摺動自在に嵌
挿されるアッパーバルブボディ81に、前後進検出手段
90の周囲を囲むように壁面101を設け、該壁面10
1にて潤滑油だまり102を形成する。そして、該潤滑
油だまり102は、その液面Lが、前記前後進検出手段
90が潤滑油に浸るように、壁面101の高さを設定す
る。尚、図中、103は前記アクチュエータ50、5
2、54、56を摺動自在に支持するピストンボディ、
104は第1トロイダル変速部18、第2トロイダル変
速部20のハウジングケース、181はロアバルブボデ
ィを示す。以上の構成により、本実施の形態の前後進検
出手段90は常に潤滑油に浸されるため、オイルポンプ
が駆動されない車両の牽引時においても前後進検出手段
90は充分な潤滑性を確保できる。
【0017】次に、図5に本発明の実施の形態2を示
す。尚、前述した実施の形態1と同一の構成について
は、図中同一の番号を付し説明を省略する。本実施の形
態は、アッパーバルブボディ81とピストンボディ10
4に一体的に固定される形式のトロイダル型無段変速機
に適用したものである。このような形式をとった場合に
は、アッパーバルブボディ81とピストンボディ103
との間に潤滑油が流入する隙間がなくなるため、ピスト
ンボディ103の上部に貫通孔105を設け、該貫通孔
105を介して、潤滑油をピストンボディ103の外か
ら潤滑油だまり102に導入できるように構成してあ
る。本実施の形態においても、前記実施の形態1と同様
に前後進検出手段90が常に潤滑油に浸されるため、オ
イルポンプが駆動されない車両の牽引時においても前後
進検出手段90は充分な潤滑性を確保できる。尚、上記
実施の形態にあっては前後進検出手段90は、カウンタ
ーシャフト30の回転を検出するようにした場合を示し
たが、前後進切換装置40より以降(出力側)の回転を
検出するようにしてもよい。ところで、上記実施の形態
ではトロイダル変速部が2組設けられた場合を開示した
が、これに限ることなく実開昭63−92859号公報
に開示されたように1組のトロイダル変速部が設けられ
たもの、又はこれ以外に3組以上のトロイダル変速部が
設けられるものにあっても、本発明を適用することがで
きることは言うまでもない。
【0018】
【発明の効果】 以上説明してきたように、本発明のト
ロイダル型無段変速機にあっては、前後進検出手段の周
囲を壁面で囲って潤滑油だまりを形成し、前後進検出手
段を前記潤滑油だまりの潤滑油に浸して配置したので、
エンジンにより駆動されるオイルポンプが停止している
車両の牽引時にも、前後進検出手段に充分な潤滑油を供
給することができ、潤滑不足による焼き付き等の問題を
解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 トロイダル型無段変速機の変速制御要部のレ
イアウト図である。
【図2】 トロイダル型無段変速機の概略構成図であ
る。
【図3】 本発明に用いられる前後進検出手段の断面図
である。
【図4】 本発明の実施の形態1を示す断面図である。
【図5】 本発明の実施の形態2を示す断面図である。
【符号の説明】
C 中心軸 L 液面 10 トロイダル型無段変速機 12 トルクコンバータ 12a ポンプインペラ 12b タービンランナ 12c ステータ 12d ロックアップクラッチ 14 出力回転軸 16 トルク伝達軸 18 第1トロイダル変速部 18a 第1入力ディスク 18b 第1出力ディスク 18c パワーローラ 18d パワーローラ 20 第2トロイダル変速部 20a 第2入力ディスク 20b 第2出力ディスク 20c パワーローラ 20d パワーローラ 22 ハウジング 24 ボールスプライン 26 ボールスプライン 28 出力ギア 30 カウンターシャフト 30a 入力ギア 34 ローディングカム装置 34a ローディングカム 36 スラストベアリング 38 皿ばね 40 前後進切換装置 42 遊星歯車機構 42a キャリア 42b リングギア 42c サンギア 42d プラネタリギア 42e プラネタリギア 44 フォワードクラッチ 46 リバースブレーキ 50 油圧アクチュエータ 50a 回転軸 52 油圧アクチュエータ 52a 回転軸 54 油圧アクチュエータ 54a 回転軸 56 油圧アクチュエータ 56a 回転軸 60 第1コントロールバルブ(前進用変速制御装置) 61 ステップモータ 62 駆動ロッド 62a 雄ねじ部 63 スリーブ 63a 雌ねじ部 64 スプール 64a ランド部 64b ランド部 65 スプリング 67 プリセスカム 67a リンク 68 導入ポート 68a 第1ポート 68b 第2ポート 70 第2コントロールバルブ(後進用変速制御装置) 71 ステップモータ 72 駆動ロッド 72a 雄ねじ部 73 スリーブ 73a 雌ねじ部 74 スプール 74a ランド部 74b ランド部 75 スプリング 77 プリセスカム 77a リンク 78 導入ポート 78a 第1ポート 78b 第2ポート 80 切換バルブ(制御装置切換手段) 81 バルブボディ 81a ポート 81b ポート 81c ポート 81d ポート 81e ポート 81f ポート 81g ポート 81h ポート 81i ライン圧ポート 82 スプール 83 スプリング 84 油圧ポンプ 85 レギュレータバルブ 86 回路 87 回路 90 前後進検出手段 91 支持軸 92 ワンウェイクラッチ 93 中間カラー 94 プッシングカラー 94a 腕部 96 クッションプレート 97 スプリング 98 ニードルベアリング 99 油路 101 壁面 102 潤滑油だまり 103 ピストンボディ 104 ピストンボディ 105 貫通孔 181 ロアバルブボディ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1対の入力ディスクと出力ディスクと、
    該入出力ディスク間に傾斜可能に摩擦接触されるパワー
    ローラとを備えて構成されるトロイダル変速部と、 該トロイダル変速部からの駆動により作動して車両が前
    進状態にあるか後進状態にあるかを判断する前後進検出
    手段と、 該前後進検出手段の検出結果に基づいて、前進用変速制
    御装置と後進用変速制御装置とを切り換えて前記トロイ
    ダル変速部の変速を行なう制御装置切替手段と、を備え
    たトロイダル型無段変速機において、 前記前後進検出手段の周囲を壁面で囲って潤滑油だまり
    を形成し、前後進検出手段を前記潤滑油だまりの潤滑油
    に浸して配置したことを特徴とするトロイダル型無段変
    速機。
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