JPH11100955A - 樋受具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 樋の前面に軒先カバーを取付けるに際し、軒
先カバーの形状や樋の形状に制限を受けることなく、軒
先カバーを確実強固に取付けることのできる樋受具を提
供することである。 【解決手段】 軒先カバー取付け部材２を、谷形にわん
曲させた基部１４と、その基部１４の一端に設けた取付
け腕１５とにより構成し、上記基部１４に設けた長穴の
部分において該基部１４を樋受本体１の水平部４に取付
け、上記取付け腕１５を樋受本体１の外側樋耳係止部３
の上方を越えて、樋１３の前面で下向きに屈曲せしめて
なり、上記の取付け腕１５に軒先カバー２８を固定する
ようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は樋受具に関し、特
に軒先カバーを取付けることのできる樋受具に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】建物の軒下に取付けられる樋の前面を美
的に仕上げるために、樋の前面に沿って軒先カバーを取
付けることが従来から行われている。この場合、軒先カ
バーを取付ける構造として軒先カバーの裏面にクリップ
を装着し、そのクリップを樋の外側樋耳と前面下端の係
止溝にそれぞれ係止することにより取付ける構造がとら
れていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記の取付け構造によ
ると、クリップを軒先カバーの裏面に装着するための係
止溝が必要であるため、軒先カバーの形状がクリップの
係止構造に影響され、更にそのクリップを樋に係止する
ために樋に係止溝が必要となり、適当な係止溝のない樋
には取付けることができない問題があった。

【０００４】また、クリップは樋に対して単に係止され
るだけであるため、強風や降雪等の影響により軒先カバ
ーが外れることがあった。

【０００５】そこで、この発明は軒先カバーの形状や樋
の形状に制限を受けることなく、しかも軒先カバーを確
実かつ強固に取付けることのできる樋受具を提供するこ
とを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、外側樋耳係止部と内側樋耳係止部とを有する樋受
本体に建物に対する固定部を設けてなる樋受具におい
て、上記樋受本体とは別体の軒先カバー取付け部材を設
け、上記軒先カバー取付け部材を谷形にわん曲させた基
部と、その基部の一端に設けた取付け腕とにより構成
し、上記基部に設けた長穴の部分において該基部を上記
樋受本体に着脱自在に取付け、上記取付け腕を上記樋受
本体の外側樋耳係止部の上方を越えた位置で下向きに屈
曲し、その下端を樋の底部の高さに達せしめた構成とし
たものである。

【０００７】また、上記の外側樋耳係止部は、樋受本体
の先端を上向きに屈曲した形状であり、上記の内側樋耳
係止部は、内側樋耳に係止される段部を有すると共に、
抜止め用の押さえばねを備えた構成を採用することもで
きる。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を添付
図面に基づいて説明する。図１及び図２に示すように実
施形態の樋受具は、樋受本体１と軒先カバー取付け部材
２とから成る。樋受本体１は、帯状の金属板を屈曲して
外端（建物２５から遠い方の端部）にＬ形に屈曲された
外側樋耳係止部３が形成され、更に、その外側樋耳係止
部３の内側（建物２５側）に水平部４が形成される。そ
の水平部４の内端に上向きの屈曲部５を形成し、更に下
向きに屈曲して、その下向きの屈曲部分に固定部材６を
溶接等により固着している。

【０００９】上記の屈曲部５の下面に係止部材７がリベ
ット等により固定される。この係止部材７は、コの字形
に屈曲された内側樋耳係止部８を有し、更にその内側樋
耳係止部８の下端に下向きに屈曲された案内部９が形成
される。

【００１０】上記の水平部４の内端部下面に押さえばね
１１の一端がリベット１２により固着され、この押さえ
ばね１１の先端が上記案内部９に接近し、樋１３の板厚
と等しいか、これより若干大きい間隔をおいて対向して
いる。

【００１１】また、軒先カバー取付け部材２は、谷形に
わん曲された基部１４を前記の水平部４上に沿わせ、そ
の基部１４の外側端（建物２５から遠い方の端部）に取
付け腕１５が形成される。取付け腕１５は基部１４の外
側端を水平に屈曲して形成された上部取付け部１６、及
び外側樋耳係止部３よりも外側で下向きに屈曲して形成
された垂直部１７及びその垂直部１７の下端をほぼ樋１
３の底面の高さで内向き屈曲して形成された下部取付け
部１８から成る。

【００１２】上記の基部１４は、図３に示すように、水
平部４に接した水平の底部１９を有し、その底部１９の
外端側及び内端側がわん曲して立上がっている。その底
部１９から内端側にわたり長穴２０が形成され、その長
穴２０と水平部４に挿通したボルト２１と蝶ナット２２
とからなる締結具２３により、軒先カバー取付け部材２
が樋受本体１に取付けられる。

【００１３】実施形態の樋受具は以上のごときものであ
り、図１に示すように、固定部材６を釘２４により建物
２５に固定し、樋１３を取付けるに先立ち、予め締結具
２３を緩めて、軒先カバー取付け部材２を持ち上げ（図
４の矢印Ｂ参照）、その基部１４のわん曲部分を水平部
４上で転動させながら立ち上げる（図４の実線参照）。

【００１４】しかし、単に立ち上げただけでは、その自
重で元の状態に落ちることがあるので、更に締結具２３
のまわりで９０度回転させる（図４の二点鎖線参照）。
軒先カバー取付け部材２を上記のようにして水平部４上
に立上げる。次に、図４の二点鎖線で示すように、樋１
３を傾けてその外側樋耳２６を外側樋耳係止部３に係止
し、その外側樋耳２６側を支点として、矢印Ａで示すよ
うに押し上げて内側樋耳２７を内側樋耳係止部８に係止
する。樋１３の取付けを完了すると、軒先カバー取付け
部材２を元の状態に戻し、その後軒先カバー２８を取付
ける（図１参照）。

【００１５】軒先カバー２８は、その上下両端縁に取付
け縁２９、２９が形成され、その取付け縁２９、２９を
上部取付け部１６と下部取付け部１８に沿わせ、それぞ
れエアーハンマにより釘３１を打ち込んで取付ける。

【００１６】なお、軒先カバー２８の形状は、種々のデ
ザインがあるが、そのデザインに合わせて取付け腕１５
の屈曲形状が決定される。

【００１７】

【発明の効果】以上のように、この発明によれば、軒先
カバーを樋受具に直接取付けることができるので、クリ
ップなどの中間部材が不要となり、また軒先カバーを取
付け部材に直接取付けることにより強固に取付けること
ができる。

【００１８】更に、上記の取付け部材は、上方に持上げ
ることができるので、樋の取付けの際の支障になること
がなく、樋の取付け作業を能率的に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施形態の使用状態の断面図

【図２】同上の斜視図

【図３】同上の一部拡大断面図

【図４】同上の樋取付け時の一部側面図

【符号の説明】

１ 樋受本体 ２ 軒先カバー取付け部材 ３ 外側樋耳係止部 ４ 水平部 ５ 屈曲部 ６ 固定部材 ７ 係止部材 ８ 内側樋耳係止部 ９ 案内部 １１ 押さえばね １２ リベット １３ 樋 １４ 基部 １５ 取付け腕 １６ 上部取付け部 １７ 垂直部 １８ 下部取付け部 １９ 底部 ２０ 長穴 ２１ ボルト ２２ 蝶ナット ２３ 締結具 ２４ 釘 ２５ 建物 ２６ 外側樋耳 ２７ 内側樋耳 ２８ 軒先カバー ２９ 取付け縁 ３１ 釘

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 外側樋耳係止部と内側樋耳係止部とを有
   する樋受本体に建物に対する固定部を設けてなる樋受具
   において、上記樋受本体とは別体の軒先カバー取付け部
   材を設け、上記軒先カバー取付け部材を谷形にわん曲さ
   せた基部と、その基部の一端に設けた取付け腕とにより
   構成し、上記基部に設けた長穴の部分において該基部を
   上記樋受本体に着脱自在に取付け、上記取付け腕を上記
   樋受本体の外側樋耳係止部の上方を越えた位置で下向き
   に屈曲し、その下端を樋の底部の高さに達せしめたこと
   を特徴とする樋受具。
2. 【請求項２】 上記の外側樋耳係止部は、樋受本体の先
   端を上向きに屈曲した形状であり、上記の内側樋耳係止
   部は、内側樋耳に係止される段部を有すると共に、抜止
   め用の押さえばねを備えた構成であることを特徴とする
   請求項１に記載の樋受具。