JPH11100497A - 芳香族ポリカーボネート組成物 - Google Patents

芳香族ポリカーボネート組成物

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JPH11100497A
JPH11100497A JP26164397A JP26164397A JPH11100497A JP H11100497 A JPH11100497 A JP H11100497A JP 26164397 A JP26164397 A JP 26164397A JP 26164397 A JP26164397 A JP 26164397A JP H11100497 A JPH11100497 A JP H11100497A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 短期的、長期的な安定性、すなわち溶融成形
時の着色、分子量低下、黒色異物の生成、あるいは、熱
水又は水蒸気雰囲気下での耐加水分解性が良好な安定化
された芳香族ポリカーボネート組成物を得る。さらに金
型成形を行った場合の金型の汚れが少なく精密成形に好
適で成形操作効率の良好な芳香族ポリカーボネート組成
物を得る。 【解決手段】 芳香族ジオールと炭酸ジエステルとを、
塩基性窒素化合物及びアルカリ金属化合物を含有するエ
ステル交換触媒の存在下、溶融重縮合せしめて得られた
芳香族ポリカーボネート100重量部と、A成分;スル
ホン酸化合物1*10-6〜0.1重量部,B成分;燐酸
エステル系化合物 0.0005〜0.015重量
部,及びC成分;亜燐酸エステル系化合物 0.000
5〜0.03重量部,さらに好ましくは D成分;フェ
ノール系抗酸化剤 0.0005〜0.05重量部をさ
らに含有する安定化された芳香族ポリカーボネート組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、安定化された芳香
族ポリカーボネート組成物に関するものであり、さらに
詳しくは、第1の目的として色調が良好で、短期、長期
の安定性の良好な組成物に関する。更に第2の目的とし
て金属との接触時の安定性の向上した芳香族ポリカーボ
ネート組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネートは、耐衝撃性などの機
械的特性に優れ、しかも耐熱性、透明性などにも優れて
おり、広く用いられている。このようなポリカーボネー
トの製造方法としては、ビスフェノールAなどの芳香族
ジオールにホスゲンを直接反応させる方法(界面重合
法)、あるいはビスフェノールAなどの芳香族ジオール
とジフェニルカーボネートなどのジアリルカーボネート
とを溶融状態でエステル交換反応(溶融法)させる方法
などが知られている。
【0003】このような製造方法のなかで、芳香族ジオ
ールとジアリルカーボネートとのエステル交換反応(溶
融法)させる方法は、界面重合法による製造に比べて、
有毒なホスゲンやメチレンクロライド等のハロゲン化合
物を溶媒として使用する問題がなく、安価にポリカーボ
ネートを製造出来る利点があり、将来有望であると考え
られる。
【0004】エステル交換反応による溶融法ポリカーボ
ネート製造法では、製造効率を上げる為、プラスチック
材料講座 17 ポリカーボネート 頁48〜53頁
等の文献に記載のように通常エステル交感触媒を使用す
る。
【0005】これらエステル交換触媒の内で、塩基性窒
素化合物とアルカリ金属化合物とを併用する触媒が、ポ
リカーボネートの生産性、得られるポリカーボネートの
色調が良好でありポリマー分子中分岐構造の生成も少な
く、流動性等の品質が良好でありゲル等の異物の生成も
少なく好ましい触媒といえる。
【0006】しかしながら溶融重合法ポリカーボネート
は、エステル交感触媒として使用するアルカリ金属化合
物、その他の金属化合物を含有するため、安定性に問題
がある。 例えば短期的な安定性に関し、加熱溶融成形
時の着色、分子量低下、黒色異物生製等の問題があり、
長期的には高温環境下において下記問題の他成型品の機
械的物性の低下も見られる。また特殊環境下例えば水
中、特に熱水中あるいは水蒸気雰囲気中、加水分解を受
けやすい等の問題を、有している。
【0007】これらの問題を解決する為、特開平4―3
28124号公報および、特開平4―328156号公
報には、スルホン酸エステルを含む酸性化合物でエステ
ル交感触媒を中和する方法が提案されている。しかしこ
の方法では、スルホン酸エステルを含む酸性化合物より
強酸性化合物が副生し、該副生物によりスルホン酸エス
テルを含む酸性化合物の添加時、その後の加工時あるい
はポリカーボネートの使用時、加水分解等の劣化が起こ
り問題点の充分な解決には成っていない。
【0008】かかる方法で得られたポリカーボネートに
特開平8―59975号公報記載の方法に従い、スルホ
ン酸ホスホニウム塩を単独で、あるいは、亜燐酸エステ
ル系化合物あるいはフェノール系抗酸化剤を併用した場
合予想された通り前述の安定性は充分良好な値を、保つ
が、該ポリマーを、使用して射出成形を行うと、射出成
型機の金型表面の汚れが、界面重合法ポリカーボネート
を使用した場合に比較して大である事が解った。本欠点
は、光ディスク等精密成型品の成型時には例えばグルー
プ、ピット等の転写不良の原因と成る重大欠点である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らの研究によ
れば、前述した含窒素塩基性化合物とアルカリ金属化合
物との併用触媒の存在下、製造した芳香族ポリカーボネ
ート組成物の短期的、長期的な安定性、すなわち溶融成
形時の着色、分子量低下、黒色異物の生成、あるいは、
熱水又は水蒸気雰囲気下での耐加水分解性が良好である
と同時に、該組成物を使用して金型成形を行った場合、
金型の汚れが少なく精密成形に好適で成形操作効率の良
好な芳香族ポリカーボネート組成物を提供するものであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは芳香族ジオ
ール化合物と炭酸ジエステルとより、含窒素塩基性化合
物とアルカリ金属化合物との併用触媒の存在下にエステ
ル交換法(溶融重合法)により、溶融重縮合せしめた、
芳香族ポリカーボネートに対し、以下本文中に定義す
る、A成分;スルホン酸系化合物及び、B成分;燐酸エ
ステル系化合物及び、C成分;亜燐酸エステル系化合物
をともに含む組成物において短期的、長期的な安定性す
なわち加熱保持時あるいは溶融成形時の着色、分子量低
下、黒色異物の生成あるいは、熱水あるいは水蒸気雰囲
気下での耐加水分解性が良好下あると同時に、該組成物
を使用して、金型成形を、行った場合、金型の汚れが少
なく精密成形に好適で成形操作効率の良好な芳香族ポリ
カーボネート組成物を提供するものである。
【0011】本発明で言う、芳香族ポリカーボネートと
は主たる成分である芳香族ジヒドロキシ化合物と、炭酸
エステルとを塩基性窒素化合物とアルカリ金属化合物よ
りなるエステル交換触媒の存在下、溶融重縮合させた芳
香族ポリカーボネートであり、芳香族ジヒドロキシ化合
物としては下記一般式(1)に示される化合物が好まし
く用いられる。
【0012】
【化6】
【0013】(R1 、R2 、R3 、R4 は、それぞれ独
立に炭素数1〜4のアルキル基またはフェニル基であ
り、Wはアルキリデン基、アルキレン基、シクロアルキ
リデン基、シクロアルキレン基、フェニル基置換アルキ
レン基、酸素原子、硫黄原子、スルホキシド基またはス
ルホン基である。)
【0014】このような芳香族ジヒドロキシ化合物とし
ては、具体的にはビス(4―ヒドロキシフェニル)メタ
ン、2,2―ビス(4―ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2―ビス(4―ヒドロキシ―3―メチルフェニ
ル)プロパン、4,4―ビス(4―ヒドロキシフェニ
ル)ヘプタン、2,2―ビス(4―ヒドロキシ―3,5
―ジクロロフェニル)プロパン、2,2―ビス(4―ヒ
ドロキシ―3,5―ジブロモフェニル)プロパン、ビス
(4―ヒドロキシフェニル)オキサイド、ビス(3,5
―ジクロロ―4―ヒドロキシフェニル)オキサイド、
p,p′―ジヒドロキシジフェニル、3,3′―ジクロ
ロ―4,4′―ジヒドロキシジフェニル、ビス(ヒドロ
キシフェニル)スルホン、レゾルシノール、ハイドロキ
ノン、1,4―ジヒドロキシ―2,5―ジクロロベンゼ
ン、1,4―ジヒドロキシ―3―メチルベンゼン、ビス
(4―ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4―ヒ
ドロキシフェニル)スルホキシド等が挙げられるが、特
に2,2―ビス(4―ヒドロキシフェニル)プロパンが
好ましい。
【0015】炭酸ジエステルとしては、具体的にはジフ
ェニルカーボネート、ジトリールカーボネート、ビス
(クロロフェニル)カーボネート、m―クレジルカーボ
ネート、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフェニル)
カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボ
ネート、ジブチルカーボネート、ジシクロヘキシルカー
ボネートなどが用いられる。これらのうち特にジフェニ
ルカーボネートが好ましい。
【0016】本発明のポリカーボネートには必要に応じ
て、下記の成分を含有していても良い。 脂肪族ジオール;例えばエチレングリコール、1,4―
ブタンジオール、1,4―シクロヘキサンジメタノー
ル、1,10―デカンジオール等 ジカルボン酸類;例えば、コハク酸、イソフタル酸、
2,6―ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、シクロ
ヘキサンカルボン酸、テレフルタ酸等;オキシ酸類例え
ば、乳酸、P―ヒドロキシ安息香酸、6―ヒドロキシ―
2―ナフトエ酸等が挙げられる、これらの芳香族ポリカ
ーボネートの製造における触媒系については概に記述し
た如く、塩基性窒素化合物と、アルカリ金属化合物を併
用し、アルカリ金属化合物の使用量をビスフェノールA
1モル当り10×10-6モル未満に抑える事によりエ
ステル交換反応も、工業的に有利に進み、又ポリカーボ
ネート中の分岐構造の発生を抑制でき、流動性、色調良
好なポリカーボネートを得る事ができる。
【0017】触媒として用いられるアルカリ金属化合物
としては、例えばアルカリ金属の水酸化物、炭酸水素化
物、炭酸塩、酢酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、亜硫酸塩、シ
アン酸塩、チオシアン酸塩、ステアリン酸塩、水素化ホ
ウ素塩、安息香酸塩、リン酸水素化物、ビスフェノー
ル、フェノールの塩等が挙げられる。
【0018】具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭
酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸ナトリウム、
炭酸カリウム、炭酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カ
リウム、酢酸リチウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウ
ム、硝酸リチウム、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウ
ム、亜硝酸リチウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウ
ム、亜硫酸リチウム、シアン酸ナトリウム、シアン酸カ
リウム、シアン酸リチウム、チオシアン酸ナトリウム、
チオシアン酸カリウム、チオシアン酸リチウム、ステア
リン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン
酸リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カ
リウム、水素化ホウ素リチウム、フェニル化ホウ酸ナト
リウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息
香酸リチウム、リン酸水素ジナトリウム、リン酸水素ジ
カリウム、リン酸水素ジリチウム、ビスフェノールAの
ジナトリウム塩、ジカリウム塩、ジリチウム塩、フェノ
ールのナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩などが挙
げられる。
【0019】触媒としてのアルカリ金属化合物は、芳香
族ジヒドロキシ化合物1モルに対し好ましくは10-8
10-5モルの範囲で使用しうる。上記使用範囲を逸脱す
ると、得られるポリカーボネートの諸物性に悪影響を及
ぼしたり、また、エステル交換反応が充分に進行せず高
分子量のポリカーボネートが得られない等の問題があり
好ましくない。
【0020】また、触媒としての含窒素塩基性化合物と
しては、例えばテトラメチルアンモニウムヒドロキシド
(Me4NOH)、テトラエチルアンモニウムヒドロキ
シド(Et4NOH)、テトラブチルアンモニウムヒド
ロキシド(Bu4NOH)、ベンジルトリメチルアンモ
ニウムヒドロキシド(φ―CH2(Me)3NOH)、ヘ
キサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシドなどの
アルキル、アリール、アルキルアリール基などを有する
アンモニウムヒドロオキシド類、トリエチルアミン、ト
リブチルアミン、ジメチルベンジルアミン、ヘキサデシ
ルジメチルアミンなどの3級アミン類、あるいはテトラ
メチルアンモニウムボロハイドライド(Me4NB
4)、テトラブチルアンモニウムボロハイドライド
(Bu4NBH4)、テトラブチルアンモニウムテトラフ
ェニルボレート(Me4NBPh4)、テトラブチルアン
モニウムテトラフェニルボレート(Bu4NBPh4)な
どの塩基性塩を挙げることができる。
【0021】上記含窒素塩基性化合物は、含窒素塩基性
化合物中のアンモニウム窒素原子が芳香族ジヒドロキシ
化合物1モル当り1×10-5〜1×10-3当量となる割
合で用いるのが好ましい。より好ましい割合は同じ基準
に対し2×10-5〜7×10-4当量となる割合である。
特に好ましい割合は同じ基準に対し5×10-3〜5×1
-4当量となる割合である。
【0022】本発明においては所望により、触媒のアル
カリ金属化合物として、(a)周期律表第14族の元素
のアート錯体のアルカリ金属塩または(b)周期律表第
14族の元素のオキソ酸のアルカリ金属塩を用いること
ができる。ここで周期律表第14族の元素とは、ケイ
素、ゲルマニウム、スズのことをいう。
【0023】これらのアルカリ金属化合物を重縮合反応
触媒として用いることにより、重縮合反応を迅速かつ十
分にすすめることができる利点を有する。また、重縮合
反応中に生成する分岐反応のような、好ましくない副反
応を低いレベルに抑えることができる。
【0024】(a)周期率表第14族元素のアート錯体
のアルカリ金属塩としては、特開平7―268091号
公報に記載のものをいうが、具体的には、ゲルマニウム
(Ge)の化合物;NaGe(OMe)5、NaGe
(OEt)3、NaGe(OPr)5、NaGe(OB
u)5、NaGe(OPh)5、LiGe(OMe)5
LiGe(OBu)5、LiGe(OPh)5を挙げるこ
とができる。
【0025】スズ(Sn)の化合物としては、NaSn
(OMe)3、NaSn(OMe)2(OEt)、NaS
n(OPr)3、NaSn(O―n―C6133、Na
Sn(OMe)5、NaSn(OEt)5、NaSn(O
Bu)5、NaSn(O―n―C12255、NaSn
(OEt)、NaSn(OPh)5、NaSnBu2(O
Me)3を挙げることができる。
【0026】また(b)周期律表第14族元素のオキソ
酸のアルカリ金属塩としては、例えばケイ酸(silicic
acid)のアルカリ金属塩、スズ酸(stanic acid )のア
ルカリ金属塩、ゲルマニウム(II)酸(germanous aci
d)のアルカリ金属塩、ゲルマニウム(IV)酸(germani
c acid )のアルカリ金属塩を好ましいものとして挙げ
ることができる。
【0027】ケイ酸のアルカリ金属塩は、例えばモノケ
イ酸(monosilicic acid)またはその縮合体の酸性ある
いは中性アルカリ金属塩であり、その例としては、オル
トケイ酸モノナトリウム、オルトケイ酸ジナトリウム、
オルトケイ酸トリナトリウム、オルトケイ酸テトラナト
リウムを挙げることができる。
【0028】スズ酸のアルカリ金属塩は、例えばモノス
ズ酸(monostanic acid )またはその縮合体の酸性ある
いは中性アルカリ金属塩であり、その例としてはモノス
ズ酸ジナトリウム塩(Na2SnO3・CH2O、x=0
〜5)、モノスズ酸テトラナトリウム塩(Na4Sn
4)を挙げることができる。
【0029】ゲルマニウム(II)酸(germanous acid)
のアルカリ金属塩は、例えばモノゲルマニウム酸または
その縮合体の酸性あるいは中性アルカリ金属塩であり、
その例としてはゲルマニウム酸モノナトリウム塩(Na
HGeO2)を挙げることができる。
【0030】ゲルマニウム(IV)酸(germanic acid )
のアルカリ金属塩は、例えばモノゲルマニウム(IV)酸
またはその縮合体の酸性あるいは中性アルカリ金属塩で
あり、その例としてはオルトゲルマニウム酸モノリチウ
ム酸(LiH3GeO4)オルトゲルマニウム酸ジナトリ
ウム塩、オルトゲルマニウム酸テトラナトリウム塩、ジ
ゲルマニウム酸ジナトリウム塩(Na2Ge25)、テ
トラゲルマニウム酸ジナトリウム塩(Na2Ge
49)、ペンタゲルマニウム酸ジナトリウム塩(Na2
Ge511)を挙げることができる。
【0031】上記の如き重縮合反応触媒は、触媒中のア
ルカリ金属元素が芳香族ジヒドロキシ化合物1モル当り
1×10-7〜5×10-5当量となる場合で好ましく使用
される。より好ましい割合は同じ基準に対し5×10-7
〜1×10-5当量となる割合である。
【0032】本発明の重縮合反応には、上記触媒と一緒
に、必要により、周期律表第14族元素のオキソ酸およ
び同元素の酸化物よりなる群から選ばれる少なくとも1
種の助触媒を共存させることができる。
【0033】これら助触媒を特定の割合で用いることに
より、末端の封鎖反応、重縮合反応速度を損なうことな
く、重縮合反応中に生成し易い分岐反応や、成型加工時
における装置内での異物の生成、やけといった好ましく
ない副反応をより効果的に抑制することができる。
【0034】周期律表第14族元素のオキソ酸として
は、例えばケイ酸、スズ酸、ゲルマニウム酸を挙げるこ
とができる。周期律表第14族元素の酸化物としては、
一酸化ケイ素、二酸化ケイ素、一酸化スズ、二酸化ス
ズ、一酸化ゲルマニウム、二酸化ゲルマニウムおよびこ
れらの縮合体を挙げることができる。
【0035】助触媒は重縮合反応触媒中のアルカリ金属
元素1モル(原子)当り、助触媒中の周期律表第14族
の金属元素が50モル(原子)以下となる割合で存在せ
しめるのが好ましい。同金属元素が50モル(原子)を
超える割合で助触媒を用いると、重縮合反応速度が遅く
なり好ましくない。
【0036】助触媒は、重縮合反応触媒のアルカリ金属
元素1モル(原子)当り、助触媒の周期律表第14族の
金属元素が0.1〜30モル(原子)となる割合で存在
せしめるのがさらに好ましい。
【0037】これらの触媒系を重縮合反応、および以下
に記述する末端封止反応の触媒として、用いる事により
重縮合反応及び末端封止反応を迅速かつ十分に進める事
ができる利点を有する。又重縮合反応系中に生成する分
岐反応の様な好ましくない副反応を低いレベルに抑える
事ができる。
【0038】(A成分について)本発明に於て使用する
A成分スルホン酸系化合物は以下一般式(II)〜(V)
で表される化合物である。これら化合物の1種あるい
は、これ以上を芳香族ポリカーボネートが、溶融重合後
溶融状態にある時、該ポリマー100重量部当たり、1
*10-6〜0.1重量部の量で、添加される。これによ
りエステル交換触媒を使用して、製造した芳香族ポリカ
ーボネートを安定化でき、B)、C)成分と併用する事
により射出成型時の金型の汚れを有効に防止する事がで
きる。
【0039】
【化7】 A1―(Y1 ―SO3 1m ・・・(I) [ここで、A1 は置換基を有していてもよいm価の炭化
水素基であり、Y1 は単結合または酸素原子であり、X
1 は2級または3級の1価の炭化水素基、1当量の金属
カチオン、アンモニウムカチオンまたはホスホニウムカ
チオンであり、mは1〜4の整数である。但しY1 が単
結合で有るときm個のX1 の全てが1当量の金属カチオ
ンであることはない。]
【0040】
【化8】+2−A2−Y1−SO3 - ・・・(II) [ここで、A2 は2価の炭化水素基であり、 +2 は2
〜4級のアンモニウムカチオンまたは2〜4級のホスホ
ニウムカチオンであり、Y1 の定義は上記に同じであ
る。]
【0041】
【化9】 A3−(+3n・(R−Y1−SO3 -n ・・・(III) [ここで、A3 はn価の炭化水素基であり、 +3 は2
〜4級のアンモニウムカチオンまたは2〜4級のホスホ
ニウムカチオンであり、Rは1価の炭化水素基であり、
nは2〜4の整数であり、Y1 の定義は上記に同じであ
る。]
【0042】
【化10】 A5 −Ad1−A4 −(Ad2−A5k ・・・(IV) [ここで、A5 は1または2価の炭化水素基であり、A
4 は2価の炭化水素基であり、Ad1 およびAd2 は、
同一もしくは異なり―SO2 ―O―SO2 ―、―SO2
―O―CO―または―CO―O―SO2 ―から選ばれる
酸無水物基であり、kは0または1である。但し、kが
0のとき、―(Ad2 ―A5 )k は水素原子を表わすか
あるいはA4 とA5 とを結合する結合手を表わす(この
場合、A5は2価の炭化水素基または単結合であ
る)。]式(I)のスルホン酸化合物
【0043】
【化11】 A1―(Y1 ―SO3 1m ・・・(I)
【0044】ここで、A1 は置換基を有していてもよい
m価の炭化水素基であり、Y1 は単結合または酸素原子
であり、X1 は2級または3級の1価の炭化水素基、1
当量の金属カチオン、アンモニウムカチオンまたはホス
ホニウムカチオンであり、mは1〜4の整数である。但
しY1 が単結合であるときm個のX1 の全てが1当量の
金属カチオンであることはない。
【0045】2級または3級の1価の炭化水素基として
は、例えば下記式(I)―d
【0046】
【化12】
【0047】[ここで、R15は水素原子もしくは炭素数
1〜5のアルキル基であり、R16は水素原子、フェニル
基もしくは炭素数1〜5のアルキル基であり、そしてR
17はR15と同一もしくは異なりR15の定義と同じであ
る。但し、R15、R16およびR17の2つが水素原子であ
ることはない。]で表わされる2級または3級のアルキ
ル基が好ましい。これらのうち、特にR15およびR17
同一もしくは異なり、水素原子、メチル基、エチル基ま
たはプロピル基でありそしてR16がメチル基またはフェ
ニル基であるのがより好ましい。
【0048】1当量の金属カチオンとしては、例えばリ
チウム、ナトリウム、カリウムの如きアルカリ金属カチ
オン;カルシウム、バリウムの如きアルカリ土類金属カ
チオンの1/2あるいはアルミニウムの如き3価の金属
カチオンの1/3等を挙げることができる。
【0049】アンモニウムカチオンとしては、例えば下
記式(I)―a
【0050】
【化13】
【0051】[ここで、R1 、R2 、R3 およびR
4 は、互いに独立して水素原子または1価の炭化水素基
である。]で表わされるカチオンを挙げることができ
る。
【0052】式(I)―aにおいて、R1 等が表わす1
価の炭化水素基としては、例えば炭素数1〜20のアル
キル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜10
のアラルキル基等が好ましい。
【0053】また、ホスホニウムカチオンとしては、例
えば下記式(I)―b
【0054】
【化14】
【0055】[ここで、R5 、R6 、R7 およびR
8 は、互いに独立に水素原子または1価の炭化水素基で
ある。]で表わされるカチオンを挙げることができる。
【0056】式(I)―bにおいて、R5 等が表わす1
価の炭化水素基としては、式(I)―aについて例示し
た1価の炭素数基と同じものを挙げることができる。
【0057】これらのうち、X1 としては2級または3
級のアルキル基、アルカリ金属カチオン、上記式(I)
―aで表わされるカチオンおよび上記式(I)―bで表
わされるカチオンが好ましい。
【0058】また上記式(I)において、mは1〜4の
整数であり、好ましくは1または2である。
【0059】上記式(I)で表わされる化合物の具体例
としては、例えば下記の化合物を挙げることができる。
すなわち、ドデシルベンゼンスルホン酸2―フェニル―
2―プロピル、ドデシルベンゼンスルホン酸2―フェニ
ル―2―ブチル、オクチルスルホン酸テトラブチルホス
ホニウム塩、デシルスルホン酸テトラブチルホスホニウ
ム塩、ベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム
塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラエチルホスホニ
ウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホス
ホニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラヘキシ
ルホスホニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラ
オクチルホスホニウム塩、デシルアンモニウムブチルサ
ルフェート、デシルアンモニウムデシルサルフェート、
ドデシルアンモニウムメチルサルフェート、ドデシルア
ンモニウムエチルサルフェート、ドデシルメチルアンモ
ニウムメチルサルフェート、ドデシルジメチルアンモニ
ウムテトラデシルサルフェート、テトラデシルジメチル
アンモニウムメチルサルフェート、テトラメチルアンモ
ニウムヘキシルサルフェート、デシルトリメチルアンモ
ニウムヘキサデシルサルフェート、テトラブチルアンモ
ニウムドデシルベンジルサルフェート、テトラエチルア
ンモニウムドデシルベンジルサルフェート、テトラメチ
ルアンモニウムドデシルベンジルサルフェートなどが挙
げられる。
【0060】式(II)のスルホン酸化合物
【0061】
【化15】+2−A2−Y1−SO3 - ・・・(II)
【0062】ここで、A2 は2価の炭化水素基であり、
+2 は2〜4級のアンモニウムカチオンまたはホスホ
ニウムカチオンであり、そしてY1 の定義は上記に同じ
である。上記式(II)中、A2 の2価の炭化水素基とし
ては2価の飽和脂肪族炭化水素基が好ましい。この飽和
脂肪族炭化水素基としては炭素数1〜20のものがより
好ましい。+2 はアンモニウムカチオンもしくはホス
ホニウムカチオンである。アンモニウムカチオンとして
は、下記式(II)―a
【0063】
【化16】
【0064】[ここで、R9 、R10およびR11は、互い
に独立に水素原子または1価の炭化水素基である。]で
表わされるカチオンが好ましい。
【0065】R9 等の1価の炭化水素基としては上記
式(I)―aについて例示したものと同じものをここで
も例示できる。
【0066】ホスホニウムカチオンとしては、下記式
(II)―b
【0067】
【化17】
【0068】[ここで、R12、R13およびR14は、互い
に独立に水素原子または1価の炭化水素基である。]で
表わされるカチオンが好ましい。R12が表わす1価の炭
化水素基としては、上記(II)―bについて例示したも
のと同じものを例示できる。
【0069】上記式(II)で表わされる化合物の具体例
としては下記の化合物を例示することができる。
【0070】
【化18】
【0071】等を挙げることができる。
【0072】式(III)のスルホン酸化合物
【0073】
【化19】 A3−(+3n・(R−Y1−SO3 -n ・・・(III)
【0074】ここで、A3 はn価の炭化水素基であり、
+3 はアンモニウムカチオンもしくはホスホニウムカ
チオンであり、Rは1価の炭化水素基でありnは2〜4
の整数でありそしてY1 の定義は上記に同じである。
【0075】A3 のn価の炭化水素基としては、例えば
n価の飽和脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基または
飽和脂肪族―芳香族炭化水素基が好ましい。
【0076】また、 +3 はアンモニウムカチオンおよ
びホスホニウムカチオンとしてはそれぞれ例えば前期式
(II)―aおよび(II)―bで表わされるものを挙げる
ことができる。
【0077】Rは1価の炭化水素基であり、その例とし
てはアルキル基、アリール基およびアラルキル基が好ま
しい。アルキル基としては炭素数1〜20のものが好ま
しく、アリール基としては炭素数6〜20のものが好ま
しく、アラルキル基とは炭素数7〜20のものが好まし
い。
【0078】nは2、3または4であり、Y1 の定義は
前記と同じく、単結合もしくは酸素原子である。
【0079】上記式(III)で表わされる化合物の具体
例としては下記の化合物を例示することができる。
【0080】
【化20】
【0081】
【化21】
【0082】式(IV)のスルホン酸化合物
【0083】
【化22】 A5 −Ad1−A4 −(Ad2−A5k ・・・(IV)
【0084】ここで、A5 は1または2価の炭化水素基
であり、A4 は2価の炭化水素基であり、Ad1 および
Ad2 は、同一もしくは異なり―SO2 ―O―SO2
―、―SO2 ―O―CO―または―CO―O―SO2 ―
から選ばれる酸無水物基であり、kは0または1であ
る。但し、kが0のとき、―(Ad2 ―A5 )k は水素
原子を表わすかあるいはA4 とA5 とを結合する結合手
を表わす(この場合、A5は2価の炭化水素基または単
結合である)。
【0085】上記式(IV)で表わされる化合物の具体例
としては下記の化合物を挙げることができる。
【0086】
【化23】
【0087】
【化24】
【0088】
【化25】
【0089】などが挙げられる。
【0090】上記式(I)〜(IV)のスルホン酸化合物
の中でホスホニウムもしくはアンモニウム塩型のスルホ
ン酸化合物はそれ自身200℃以上でも特に安定であ
る。そしてそのスルホン酸化合物をポリマーに添加した
場合すみやかに触媒を中和し、目的とするポリマーを得
ることができる。
【0091】本発明方法では、上記式(I)〜(IV)で
表わされる化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1
種のスルホン酸化合物を、ポリカーボネート重縮合終了
後、あるいは以下記述する末端封止反応を実施する場
合、末端封止反応後に生成するポリカーボネートに対し
1*10-6〜0.1重量部の割合で、好ましくは1*1
-6〜0.05重量部より好ましくは1*10-6〜0.
03重量部の割合で使用する。
【0092】また、かかるスルホン酸化合物は、アルカ
リ金属エステル交換触媒に対する割合では、エステル交
換触媒1モル当り0.5〜50モルの割合で用いるのが
好ましい。
【0093】スルホン酸化合物を重縮合後あるいは末端
封止後のポリマーに添加する方法には特に限定されな
い。例えば、反応生成物であるポリカーボネートが溶融
状態にある間にこれらを添加してもよいし、一旦ポリカ
ーボネートをペレタイズした後再溶融して添加してもよ
い。
【0094】B成分について 本発明でいうB成分燐酸エステル系化合物としては燐酸
モノエステル、ジエステル、トリエステル、及びこれら
の混合物を含有する。
【0095】燐酸モノエステルは、燐酸の3個の水素原
子の内1個が炭化水素基に置換された構造を持つもの
で、例として;
【0096】
【化26】
【0097】で表されるものである。(式中R8は、ア
ルキル基、アリール基、アルキルアリール基、又はアリ
ールアルキル基を表す。)
【0098】上式において炭化水素基の内アルキル基の
例としては;メチル基、エチル基、オクチル基、シクロ
ヘキシル基、2―エチルヘキシル基、トリデシル基、ラ
ウリル基、ペンタエリスリトル基、ステアリル基等が挙
げられる。又アリール基の例としてはフェニル基、ビフ
ェニル基、ナフチル基等が挙げられる。アルキルアリル
基としてはトリル基、p―t―ブチルフェニル基、2,
4―ジ―t―ブチルフェニル基、4―ドデシルフェニル
基等が挙げられる。好ましい具体例としては;モノフェ
ニルホスフェート、モノ―p―ノニルフェニルホスフェ
ート、モノ(2,4―ジ―t―ブチルフェニール)ホス
フェート、等が挙げられる。
【0099】燐酸ジエステルは燐酸の2個の水素原子が
炭化水素基に置換された構造を持つものであり例とし
て;
【0100】
【化27】
【0101】(式中R8、R9は、アルキル基、アリール
基、アルキルアリール基、又はアリールアルキル基を表
す。) 上式においてアルキル基の例としてはメチル基、プロピ
ル基、ノニル基、シクロペンチル基、デカリル基、2―
エチルヘキシル基、デシル基、ラウリル基、ペンタエリ
スリトール基、ステリル基等が挙げられる。又アリール
基としてはフェニル基、ナフチル基。ターフェニル基等
が挙げられる。
【0102】アルキルアリール基としてはトリル基、p
―t―ブチルフェニル基、2―t―ブチル―4―メチル
フェニル基、2,6―ジ―t―ブチルフェニル基、m―
ノニルフェニル基、等が挙げられる。更にアリールアル
キル基としてはベンジル基、4―メチルベンジル基等が
挙げられる。
【0103】好ましい例とはジフェニルホスフェート、
ビス(4―ナニルフェニル)ホスフェート、ジメチルホ
スフェート、ビス(2,4―ジ―t―ブチルフェニル)
ホスフェート、ビス(p―t―ブチルフェニル)ホスフ
ェート等が挙げられる。
【0104】本発明で使用されるリン酸ジエステルには
上式で表されるもの以外にも例えば
【0105】
【化28】
【0106】(R8、R8′は、アルキル基、アリール
基、アルキルアリール基、又はアリールアルキル基を表
す。R10はアルキレン、アリレン、又はアリールアルキ
レン基を表す。)のようなリン原子2個を含むリン酸ジ
エステルも使用出来る。又以下の一般式;
【0107】
【化29】
【0108】(R8、R10は上記に同じ)で表されるも
のも使用できる。
【0109】これらのリン酸ジエステル中、芳香族リン
酸ジエステルが好ましい。特に好ましいものの例として
は:ジフェニルホスフェート、ビス(4―ノニルフェニ
ル)ホスフェート、ビス(2,4―ジ―t―ブチルフェ
ニル)ホスフェート等が挙げられる。これらのリン酸ジ
エステルは単独で使用しても良いし又混合物で使用して
も良い。
【0110】リン酸トリエステルはリン酸の3個の水素
原子が炭化水素基に置換された構造を持つものであり、
例えば一般式:
【0111】
【化30】
【0112】(式中R14、R15、R16は同一であっても
良いし、異なっていてもよく、アルキル基、アリール
基、アルキルアリール基、アリールアルキル基を表
す。)で表される。
【0113】上式でアルキル基としてはエチル基、ブチ
ル基、オクチル基、シクロヘキシル基、デシル基、ラウ
リル基、ペンタエリスリトール基、ステアリル基、等が
挙げられる。アリール基としてはフェニル基、ナフチル
基等が挙げられる。アルキルアリール基としてはトリル
基、p―t―ブチルフェニル基、2,4―ジ―t―ブチ
ルフェニル基、p―ノニルフェニル基、等が挙げられ
る。
【0114】好ましいものの例としてはトリス(2,4
―ジ―t―ブチルフェニル)ホスフェート、トリス(4
―ドデシルフェニル)ホスフェート、ビス(4―ノニル
フェニル)、フェニルホスフェート、トリフェニルホス
フェート等が挙げられる。
【0115】又一般式:
【0116】
【化31】
【0117】(式中R17、R18、R19、R20は同一であ
っても良いし、異なっていても良いアルキル基、アリー
ル基、アルキルアリール基、又はアリールアルキル基、
を示しR21はアルキレン基、アリレン基、アリールアル
キレン基、を示す。)で表されるリン酸トリエステルも
使用できる。具体例としてはテトラフェニルエチレング
リコールジホスフェート、テトラ(ドデシル)4,4′
―イソプロピリデンジフェニルジホスフェート、等が挙
げられる。 又一般式:
【0118】
【化32】
【0119】(式中R17、R18は上記に同じ。)で表さ
れるリン酸トリエステルも使用できる。
【0120】具体例としては、ビス(オクタデシル)ペ
ンタエリスリトールジホスフェート、ビス(ノニルフェ
ニル)ペンタエリスリトールジホスフェート、ビス
(2,4―ジ―t―ブチルフェニル)ペンタエリスリト
ールジホスフェート、ビス(2,6―ジ―t―ブチル―
4―メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスフェ
ート、ジステアリルペンタエリスリトールジホスフェー
ト、水添ビスフェノールA、ペンタエリスリトールホス
フェートポリマー、等が挙げられる。
【0121】更に一般式:
【0122】
【化33】
【0123】(式中R17、R18、R21は上記に同じ。)
で表されるリン酸トリエステルも使用できる。具体例と
しては、テトラフェニルテトラ(トリデシル)ペンタエ
リスリトールテトラホスフェート等が挙げられる。これ
らは単独で使用しても良いし、混合物として使用しても
良い。
【0124】2,4―ジ―t―ブチルフェニル基、2,
6―ジ―t―ブチルフェニル基、を持つものが該組成物
の耐加水分解性を向上させ特に好ましい。具体例として
はトリス(2,4―ジ―t―ブチルフェニル)ホスフェ
ート、ビス(2,4―ジ―t―ブチルフェニル)ペンタ
エリスリトールジホスフェート、ビス(2,6―ジ―t
―ブチル―4―メチルフェニル)ペンタエリスリトール
ジホスフェートが挙げられる。
【0125】本発明で言うB成分のリン酸エステル系化
合物は、金型汚れの低減に必須であり該成分をA成分と
併用する事により、芳香族ポリカーボネート組成物の耐
加水分解性及び長期熱老化性をより向上さす事ができ
る。
【0126】芳香族ポリカーボネート100重量部当
り、そのリン酸エステル化合物の使用量が0.0005
重量部に満たないと効果が発揮されないのに対し、又逆
に0.015重量部を超えて添加した場合、成型加工
時、黒色異物の発生及び分子量低下が見られる様にな
る。リン酸エステル化合物の添加量は好ましくは、0.
0005〜0.015重量部の範囲であり、より好まし
くは0.0005〜0.01重量部であり、一層好まし
くは0.0005〜0.008重量部の範囲である。前
述のリン酸エステル系化合物の内リン酸トリエステル系
化合物がその取扱い易さより好ましい。
【0127】C成分について 本発明で言うC成分亜燐酸エステル系化合物としては亜
燐酸モノエステル、ジエステル、トリエステル、及びこ
れらの混合物を含有する。
【0128】亜燐酸モノエステルは、亜燐酸の3個の水
素原子の内1個が炭化水素基に置換された構造を持つも
ので、例として;
【0129】
【化34】R8―O―P―(OH)2 (式中R8は上記に同じ)で表されるものである。
【0130】上式において炭化水素基の内アルキル基の
例としては;メチル基、エチル基、ブチル基、オクチル
基、シクロヘキシル基、2―エチルヘキシル基、トリデ
シル基、ラウリル基、ペンタエリスリトール基、ステア
リル基等が挙げられる。アリール基の例としてはフェニ
ル基、ビフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。アル
キルアリール基としてはトリル基、p―t―ブチルフェ
ニル基、2,4―ジ―t―ブチルフェニル基、4―ドデ
シルフェニル基等が挙げられる。
【0131】好ましい例としては;フェニメジハイドロ
ゲンホスフェート、モノ―p―ノニルフェニルジハイド
ロゲンホスファイト、モノ(2,4―ジ―t―ブチルフ
ェニル)ジハイドロゲンホスファイト、とが挙げられ
る。
【0132】亜燐酸ジエステルは燐酸の2個の水素原子
が炭化水素基に置換された構造を持つものであり例とし
て;
【0133】
【化35】
【0134】(式中R8、R9は、アルキル基、アリール
基、アルキルアリール基、又はアリールアルキル基を表
す。) 上式においてアルキル基の例としてはメチル基、プロピ
ル基、ノニル基、シクロペンチル基、デカリル基、2―
エチルヘキシル基、デシル基、ラウリル基、ペンタエリ
スリトール基、ステリル基等が挙げられる。又アリール
基としてはフェニール基、ナフチル基。ターフェニル基
等が挙げられる。
【0135】アルキルアリール基としてはトリル基。p
―t―ブチルフェニル基、2―t―ブチル―4―メチル
フェニル基、2,6―ジ―t―ブチルフェニル基、m―
ノニルフェニル基、等が挙げられる。更にアリールアル
キル基としてはベンジル基、4―メチルベンジル基等が
挙げられる。
【0136】好ましい例とはジフェニルハイドロゲンホ
スファイト、ビス(4―ノニルフェニル)ハイドロゲン
ホスファイト、ジメチルハイドロゲンホスファイト、ビ
ス(2,4―ジ―t―ブチルフェニル)ハイドロゲンホ
スファイト、ビス(p―t―ブチルフェニル)ハイドロ
ゲンホスファイト、ジクレジルハイドロゲンホスファイ
ト等が挙げられる。
【0137】本発明で使用されるリン酸ジエステルには
上式で表されるもの以外にも例えば
【0138】
【化36】
【0139】(R8は、前記に同じ。R10はアルキレ
ン、アリレン、又はアリールアルキレン基を表す。)の
ようなリン原子2個を含む亜リン酸ジエステルも使用出
来る。又以下の一般式;
【0140】
【化37】
【0141】(R8、R10は上記に同じ)で表されるも
のも使用できる。
【0142】これらの亜リン酸ジエステル中芳香族亜リ
ン酸ジエステルが好ましい。特に好ましいものの例とし
ては:ジフェニルハイドロゲンホスファイト、ビス(4
―ノニルフェニル)ハイドロゲンホスファイト、ビス
(2,4―ジ―t―ブチルフェニル)ハイドロゲンホス
ファイトとが挙げられる。これらの亜リン酸ジエステル
は単独で使用しても良いし又混合物で使用しても良い。
【0143】亜リン酸トリエステルはリン酸の3個の水
素原子が炭化水素基に置換された構造を持つものであ
り、例えば一般式:
【0144】
【化38】
【0145】(式中R14、R15、R16は同一であっても
良いし、異なっていてもよく、アルキル基、アリール
基、アルキルアリール基、アリールアルキル基を表
す。)で表される。
【0146】上式でアルキル基としては、エチル基、ブ
チル基、オクチル基、シクロヘキシル基、2―エチルヘ
キシル基、デシル基、ラウリル基、ペンタエリスリトー
ル基、ステアリル基等が挙げられる。アリール基として
はフェニール基、ナフチル基、等が挙げられる。アルキ
ルアリール基としてはトリル基、p―t―ブチルフェニ
ル基、2,4―ジ―t―ブチルフェニル基、p―ノニル
フェニル基、等が挙げられる。
【0147】好ましいものの例としてはトリス(2,4
―t―ブチルフェニルホスファイト、トリス(4―ドデ
シルフェニル)ホスファイト、ビス(4―ノニルフェニ
ル)、フェニルホスファイト、トリフェニルホスファイ
ト等が挙げられる。
【0148】又一般式:
【0149】
【化39】
【0150】(R17、R18、R19、R20は同一であって
も良いし、異なっていても良いアルキル基、アリール
基、アルキルアリール基、又はアリールアルキル基、を
示しR21はアルキレン基、アリレン基、アリールアルキ
レン基、を示す。)で表される亜リン酸トリエステルも
使用できる。
【0151】具体例としてはテトラフェニルエチレング
リコールジホスファイト、テトラ(ドデシル)4,4′
―イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、等が挙
げられる。
【0152】又一般式
【0153】
【化40】
【0154】(式中R17、R18は上記に同じ。)で表さ
れる亜リン酸トリエステルも使用出来る。
【0155】具体例としてはビス(オクタデシル)ペン
タエリスリトールジフォスファイト、ビス(ノニルフェ
ニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス
(2,4―ジ―t―ブチルフェニル)ペンタエリスリト
ールジホスファイト、ビス(2,6―ジ―t―ブチル―
4―メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファ
イト、ジステリアルペンタエリスリトールジホスファイ
ト、水添ビスフェノールA、ペンタエリスリトールホス
ファイトポリマー、等が挙げられる。
【0156】更に一般式:
【0157】
【化41】
【0158】(R17、R18、R21は上記に同じ)で表さ
れる亜リン酸トリエステルも使用できる。
【0159】具体例としてはテトラフェニルテトラ(ト
リデシル)ペンタエリスリトールテトラホスファイト等
が挙げられる。これらは単独で使用しても良いし、混合
物として使用していも良い。
【0160】2,4―ジ―t―ブチルフェニル基、2,
6―ジ―t―ブチルフェニル基、を持つものが該組成物
の耐加水分解性を向上させ特に好ましい。具体例として
はトリス(2,4―ジ―t―ブチルフェニル)ホスファ
イト、ビス(2,4―ジ―t―ブチルフェニル)ペンタ
エリスリトールジホスファイト、ビス(2,4―ジ―t
―ブチル―4―メチルフェニル)ペンタエリスリトール
ジホスファイトが挙げられる。
【0161】有機フォスフォナイトは、亜燐酸の3個の
水酸基の1個を炭化水素基で置換し、更に残りの2個の
水酸基の水素原子を炭化水素基で置換したものである。
例えば一般式
【0162】
【化42】
【0163】(式中、R22、R23、R24は同一であって
も、異なっていてもよく、アルキル基、アリール基、ア
ルキルアリール基、あるいはアリールアルキル基、を示
す。) 上式でのアルキル基としては、エチル基、プロピル基、
ノニル基、シクロヘキシル基、デシル基、トリデシル
基、ラウリル基、ステアリル基、等が挙げられる。アリ
ール基、としては、フェニル基、ナフチル基、等が挙げ
られる。アルキルアリール基としては、トリル基、p―
t―ブチルフェニル基、2,4―ジ―t―ブチルフェニ
ル基、p―ノニルフェニル基、2,4―ジ―ノニルフェ
ニル基、等が挙げられる。
【0164】上記以外に
【0165】
【化43】
【0166】(式中R25、R26、R27、R28は、同一で
あっても良いし、異なっていても良いアルキル基、アリ
ール基、アルキルアリール基、又はアリールアルキル基
を表す。R21は前述に同じ)で示されるようなリン原子
を2個有する有機フォスフォナイトが挙げられる。この
ような化合物の具体例としては、4,4′―ビフェニレ
ンジホスフィン酸テトラキス(2,4―ジ―t―ブチル
フェニル)等が挙げられる。これらは単独で使用しても
良いし混合物として使用しても良い。
【0167】C成分の亜燐酸エステル系化合物は、A成
分のスルホン酸化合物と併用する事により該組成物の加
熱、溶融成型時の、着色あるいは分子量低下あるいは黒
色異物の生成あるいは長期高温下使用時の着色等に対し
好ましい効果を発揮する。
【0168】C成分亜燐酸エステル系化合物の使用量
は、芳香族ポリカーボネート;100重量部に対して
0.0005〜0.03重量部であり更に、好ましくは
0.0005〜0.025重量部であり、特に好ましく
は0.0005〜0.02重量部の範囲である。亜燐酸
エステル系化合物0.0005重量部未満であると耐熱
性の向上は少なく、また0.03重量部を越えた場合、
長期耐熱時の重合度低下が大きくなり、好ましくない。
また同時に加熱成型時黒色異物の発生がみられるように
成り好ましくない。
【0169】D成分フェノール系抗酸化剤について D成分フェノール系抗酸化剤は、一般式;
【0170】
【化44】
【0171】(式中R11、R'11、R"11は水素原子、水
酸基、アルコキシ基等の置換基を有していても良い炭化
水素残基を示し、R11、R'11、R"11は同一でも、異な
っていても良い。ただしR11、R'11、R"11の内少なく
とも1つは置換基を有していても良い炭化水素残基を示
すものとする。)で示される。
【0172】具体的には、2,6―ジ―t―ブチル―p
―クレゾール、2,6―ジ―t―ブチル―p―アニソー
ル、2,6―ジ―t―ブチル―p―エチルフェノール、
2,2′―メチレンビス(6―t―ブチル―p―クレゾ
ール)、2,2′―メチレンビス(6―t―ブチル―p
―ブチルフェノール)、4,4′―メチレンビス(6―
t―ブチル―p―クレゾール)、4,4′―ブチリデン
ビス(6―t―ブチル―p―クレゾール)、テトラキス
[メチレン―3―(3′,5′―ジ―t―ブチル―4′
―ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、4,
4′―チオビス(6―t―ブチル―m―クレゾール)、
ステアリル―β―(3,5―ジ―t―ブチル―4―ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5―トリメ
チル―2,4,6―トリス(3,5―ジ―t―ブチル―
4―ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,1,3―トリ
ス(2―メチル―4―ヒドロキシ―5―t―ブチルフェ
ニル)ブタン、トリエチレングリコール―ビス[3―
(3―t―ブチル―5―メチル―4―ヒドロキシフェニ
ル)プロピネート]等が挙げられる。
【0173】好ましいフェノール系抗酸化剤としては、
一般式:
【0174】
【化45】
【0175】(式中R12はメチル基又はt―ブチル基、
13はt―ブチル基を、Aは炭素数1〜30のb価の炭
化水素又は複素環残基を示し、aは1〜4のbは1以上
の整数を示す。)で表されるものである。
【0176】具体的には、テトラキス[メチレン―3―
(3′,5―ジ―t―ブチル―4′―ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート]メタン、;(登録商標lrganox1
010、チバガイギー社製)ステアリル―β(3,5―
ジ―t―ブチル―4―ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート;(登録商標lrganox1076、チバガイギー社
製)トリエチレングリコール―ビス(3―t―ブチル―
5―メチル―4―ヒドロキシフェニル)プロピオネト等
が挙げられる。
【0177】更には3,5―ジ―t―ブチル―4―ヒド
ロキシベンジルフォスフォネート―ジエステル;(登録
商標lrganox1222、チバガイギー社製)ビス(3,
5―ジ―t―ブチル―4―ヒドロキシベンジルホスホン
酸エチル)カルシウム;(登録商標lrganox1425M
L、チバガイギー社製)等が挙げられる。これらのフェ
ノール系抗酸化剤は単独で用いても良いし、混合物で用
いても良い。
【0178】前述した芳香族ポリカーボネートに、A成
分、B成分、C成分を配合した組成物に対し更にD成
分;フェノール系抗酸化剤を添加して成る組成物におい
ては溶融成型時、長期化熱老化時の着色、分解を防ぐの
に有効である。特にB成分と併用した場合個の効果が大
と成り好ましい。
【0179】D成分の添加量は芳香族ポリカーボネート
100重量部当り0.0005〜0.1重量部であり好
ましくは0.0005〜0.07重量部、更に好ましく
は0.001〜0.05重量部である。0.0005重
量部以下ではフェノール系抗酸化剤の添加効果が、少な
く又逆に0.1重量部を超えるとポリカーボネートの分
解が顕著になり好ましくない。
【0180】本発明で使用するB、C、D成分はポリカ
ーボネート溶融重縮合終了時以降の段階に於いて所望の
段階においてポリカーボネートに添加しうる。
【0181】該剤をポリマーに添加する方法には、特に
限定されない。従来公知の方法で好ましく添加する事が
できる。例えば、反応生成物であるポリカーボネートが
溶融状態にある間に、これらを添加しても良いし、一旦
ポリカーボネートをペレタイズした後再溶融して添加し
ても良い。
【0182】又、これらの剤は一度に1種類づつ、添加
しても良いし、又あるいはこれらを連続的に添加しても
良いし、又いく種かを混合して添加しても良い。これら
の添加方法によって本発明の目的とするポリマーの安定
性が大きくそこなわれる事はない。
【0183】末端封止について 前述のごとく、例えば芳香族ジヒドロキシ化合物として
ビスフェノールA(BPA)、炭酸ジエステルとしてジ
フェニルカーボネート(DPC)を使用して芳香族ポリ
カーボネートを製造するとき芳香族ポリカーボネートの
生成反応式は;
【0184】
【化46】
【0185】で表される。上式で示されるPhOH(フ
ェノール)は、減圧当の操作により系外に除去され
【0186】
【化47】
【0187】で表される芳香族ポリカーボネートが生成
する事と成る。上式で表されるポリカーボネート分子の
片末端は芳香族性水酸基を有している。
【0188】芳香族性水酸基末端が生成する芳香族ポリ
カーボネートの短期、長期の安定性に対して好ましくな
い事は公知である。
【0189】例えば特開昭61―87724号公報、特
開昭61―87725号公報(GE社)には水酸基末端
を減少させる事によりポリマー安定性すなわち、老化テ
スト;250℃温度下15hr後の固有粘度の低下値を
減少させうる事が報告されている。
【0190】しかしながら分子の片方の末端に存在する
芳香族性水酸基は前述した式で示したごとく溶融重合法
ポリカーボネートの製造では必須の活性点である。
【0191】本発明者らは、ポリカーボネート製造中は
本来必要な水酸基末端を必要数維持し、ポリカーボネー
トの重合度(固有粘度)が所望の値に達して後ポリカー
ボネートの末端水酸基を所望の値にまで減少させる方法
を開発した。
【0192】すなわち、例えばポリカーボネートの固有
粘度が少なくとも0.3dl/gに達した後、下記式
(V)
【0193】
【化48】
【0194】[ここで、R1は塩素原子、メトキシカル
ボニル基またはエトキシカルボニル基であり、そしてR
2は炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のア
ルコキシル基、炭素数6〜30のアリール基または炭素
数6〜30のアリールオキシ基であり、ここで、炭素数
1〜30のアルキル基および炭素数1〜30のアルコキ
シル基はメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、
(o―メトキシカルボニルフェニル)オキシカルボニル
または(o―エトキシカルボニルフェニル)オキシカル
ボニルで置換されていてもよく、また炭素数6〜30の
アリール基および炭素数6〜30のアリールオキシ基は
メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、(o―メト
キシカルボニルフェニル)オキシカルボニル、(o―エ
トキシカルボニルフェニル)オキシカルボニル、炭素数
1〜30のアルキル、炭素数6〜30のアルコキシルで
置換されていてもよい]で表わされる化合物を添加し
て、添加時の固有粘度を基準として固有粘度の変化が
0.1dl/g以内で末端水酸基量が0〜30モル%で
ある末端封鎖ポリカーボネートを生成せしめることを特
徴とする、末端封鎖ポリカーボネートの製造方法によっ
て達成される。
【0195】本発明において用いられる上記式(V)で
表わされる化合物は、R2 の定義によって、カーボネー
トおよびカルボン酸エステルを包含する。
【0196】式(V)において、R1 は塩素原子、メト
キシカルボニル基(CH3 OCO―)またはエトキシカ
ルボニル基(C2 H5 OCO―)である。これらのう
ち、塩素原子およびメトキシカルボニル基が好ましく、
メトキシカルボニル基が特に好ましい。
【0197】また、R2 は炭素数1〜30のアルキル
基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数6〜30の
アリール基または炭素数6〜30のアリールオキシ基で
ある。
【0198】炭素数1〜30のアルキル基は、直鎖状で
あっても分岐鎖状であっても、環状であってもよく、ま
た不飽和基を有していてもよい。かかるアルキル基とし
ては、例えばメチル基、エチル基、n―プロピル基、n
―ブチル基、n―ペンチル基、n―ヘキシル基、n―オ
クチル基、n―ノニル基、n―ドデカニル基、n―ラウ
リル基、n―パルミチル基、ステアリル基などの直鎖状
アルキル基;イソプロピル基、t―ブチル基、4―ブチ
ルノニル基などの分岐状アルキル基;アリル基、ブテニ
ル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ドデセニル基、オ
レイル基、などの不飽和基を持つアルキル基、つまりア
ルケニル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、な
どのシクロアルキル基などが挙げられる。これにの中で
は、ポリマーの離型性向上の点から、長鎖アルキル基、
具体的には、ラウリル基、ステアリル基、ドデセニル基
が特に好ましい。
【0199】また、炭素数1〜30のアルコキシル基
は、直鎖状であっても、分岐鎖状であっても、環状であ
ってもよく、また不飽和基を有していてもよい。かかる
アルコキシル基としては、例えば、メトキシ基、エトキ
シ基、n―プロポキシ基、n―ブトキシ基、n―ペント
キシ基、n―ヘキソキシ基、n―オクトキシ基、n―ノ
ニルオキシ基、n―デカニルオキシ基、n―ラウリルオ
キシ基、n―パルミチルオキシ基、ステアリルオキシ基
の如き直鎖状アルコキシル基;iso―プロピル基、t
―ブチルオキシ基、4―ブチルノニルオキシ基の如き分
岐鎖状アルコキシル基;アリルオキシ基、ブテニルオキ
シ基、ペンテニルオキシ基、ヘキセニルオキシ基、ドデ
セニルオキシ基、オレイルオキシ基の如き不飽和基を持
つアルコキシ基;シクロペンチルオキシ基、ヘクロヘキ
シルオキシ基などのシクロアルキルオキシ基などが挙げ
られる。これらのうち、ポリマーの離型性向上の点か
ら、長鎖アルキル基例えばラウリルオキシ基、ステアリ
ルオキシ基、ドデセニルオキシ基が特に好ましい。
【0200】上記の如き、炭素数1〜30のアルキル基
および炭素数1〜30のアルコキシル基は、メトキシカ
ルボニル、エトキシカルボニル、(o―メトキシカルボ
ニルフェニル)オキシカルボニル
【0201】
【化49】
【0202】または(o―エトキシカルボニルフェニ
ル)オキシカルボニル
【0203】
【化50】
【0204】で置換されていてもよい。
【0205】炭素数6〜30のアリール基としては、例
えばフェニル、ナフチル、ビフェニル、アントラニル等
を挙げることができる。
【0206】また、炭素数6〜30のアリールオキシ基
としては、例えばフェノキシ、ナフトキシ、ビフェニル
オキシ、アントラニルオキシ等を挙げることができる。
【0207】これらの炭素数6〜30のアリール基およ
び炭素数6〜30のアリールオキシ基はメトキシカルボ
ニル、エトキシカルボニル、(o―メトキシカルボニル
フェニル)オキシカルボニル、(o―エトキシカルボニ
ルフェニル)オキシカルボニル、炭素数1〜30のアル
キルまたは炭素数1〜30のアルコキシルで置換されて
いてもよい。炭素数1〜30のアルキルおよび炭素数1
〜30のアルコキシルとしては前記した例示基と同じも
のを ここでも挙げることができる。
【0208】上記式(V)で表わされる化合物は、R2
の定義に基づいて、便宜的に、下記式(V)−1
【0209】
【化51】
【0210】(ここで、R1は塩素原子、メトキシカル
ボニル基またはエトキシカルボニル基でありそしてR21
は炭素数1〜30のアルキル基または炭素数6〜30の
アリール基であり、炭素数1〜30のアルキル基はメト
キシカルボニル、エトキシカルボニル、(o―メトキシ
カルボニルフェニル)オキシカルボニルまたは(o―エ
トキシカルボニルフェニル)オキシカルボニルで置換さ
れていてもよく、また炭素数6〜30のアリール基はメ
トキシカルボニル、エトキシカルボニル、(o―メトキ
シカルボニルフェニル)オキシカルボニル、(o―エト
キシカルボニルフェニル)オキシカルボニル、炭素数1
〜30のアルキル、炭素数1〜30のアルコキシルで置
換されていてもよい。)で表わされるカーボネート化合
物および下記式(V)−2
【0211】
【化52】
【0212】(ここで、R1 は塩素原子、メトキシカル
ボニル基またはエトキシカルボニル基であり、そしてR
22は炭素数1〜30のアルキル基または炭素数6〜30
のアリール基であり、炭素数1〜30のアルキル基およ
び炭素数1〜30のアルコキシル基はメトキシカルボニ
ル、エトキシカルボニル、(o―メトキシカルボニルフ
ェニル)オキシカルボニルまたは(o―エトキシカルボ
ニルフェニル)オキシカルボニルで置換されていてもよ
く、また炭素数6〜30のアリール基および炭素数6〜
30のアリールオキシ基はメトキシカルボニル、エトキ
シカルボニル、(o―メトキシカルボニルフェニル)オ
キシカルボニル、(o―エトキシカルボニルフェニル)
オキシカルボニル、炭素数1〜30のアルキル、炭素数
1〜30のアルコキシルで置換されていてもよい。)で
表わされるカルボン酸アリールエステルに、分類するこ
とができる。
【0213】上記式(V)−1で表わされるカーボネー
ト化合物としては、例えば2―クロロフェニル―フェニ
ルカーボネート、2―クロロフェニル―4′―メチルフ
ェニルカーボネート、2―クロロフェニル―4′―エチ
ルフェニルカーボネート、2―クロロフェニル―4′―
n―ブチルフェニルカーボネート、2―クロロフェニル
―4′―t―ブチルフェニルカーボネート、2―クロロ
フェニル―4′―ノニルフェニルカーボネート、2―ク
ロロフェニル―4′―クミルカーボネート、2―クロロ
フェニル―ナフチルカーボネート、2―クロロフェニル
―4′―メトキシフェニルカーボネート、2―クロロフ
ェニル―4′―エトキシフェニルカーボネート、2―ク
ロロフェニル―4′―n―ブトキシフェニルカーボネー
ト、2―クロロフェニル―4′―t―ブトキシフェニル
カーボネート、2―クロロフェニル―4′―ノニルオキ
シフェニルカーボネート、2―クロロフェニル―4′―
t―プロピルオキシフェニルカーボネート、2―クロロ
フェニル―2′―メトキシカルボニルフェニルカーボネ
ート、2―クロロフェニル―4′―メトキシカルボニル
フェニルカーボネート、2―クロロフェニル―2′―エ
トキシカルボニルフェニルカーボネート、2―クロロフ
ェニル―4′―エトキシカルボニルフェニルカーボネー
ト、2―クロロフェニル―2′―(o―メトキシカルボ
ニルフェニル)オキシカルボニルフェニルカーボネー
ト、2―クロロフェニル―2′―(o―エトキシカルボ
ニルフェニル)オキシカルボニルフェニルカーボネート
の如き2―クロロフェニル―アクリールカーボネート
類;2―クロロフェニルメチルカーボネート、2―クロ
ロフェニル―エチルカーボネート、2―クロロフェニル
―n―ブチルカーボネート、2―クロロフェニル―オク
チルカーボネート、2―クロロフェニル―i―プロピル
カーボネート、2―クロロフェニル―2―メトキシカル
ボニルエチルカーボネート、2―クロロフェニル―2―
エトキシカルボニルエチルカーボネート、2―クロロフ
ェニル―2―(o―エトキシカルボニルフェニル)オキ
シカルボニルエチルカーボネートの如き2―クロロフェ
ニル―アルキルカーボネート類;2―メトキシカルボニ
ルフェニル―フェニルカーボネート、2―メトキシカル
ボニルフェニル―メチルフェニルカーボネート、2―メ
トキシカルボニルフェニル―エチルフェニルカーボネー
ト、2―メトキシカルボニルフェニル―プロピルフェニ
ルカーボネート、2―メトキシカルボニルフェニル―n
―ブチルフェニルカーボネート、2―メトキシカルボニ
ルフェニル―t―ブチルフェニルカーボネート、2―メ
トキシカルボニルフェニル―ヘキシルフェニルカーボネ
ート、2―メトキシカルボニルフェニル―ノニルフェニ
ルカーボネート、2―メトキシカルボニルフェニル―ド
デシルフェニルカーボネート、2―メトキシカルボニル
フェニル―ヘキサデシルフェニルカーボネート、2―メ
トキシカルボニルフェニル―ジn―ブチルフェニルカー
ボネート、2―メトキシカルボニルフェニル―ジt―ブ
チルフェニルカーボネート、2―メトキシカルボニルフ
ェニル―ジノニルフェニルカーボネート、2―メトキシ
カルボニルフェニル―シクロヘキシルフェニルカーボネ
ート、2―メトキシカルボニルフェニル―ナフチルフェ
ニルカーボネート、2―メトキシカルボニルフェニル―
ビフェニルカーボネート、2―メトキシカルボニルフェ
ニル―クミルフェニルカーボネート、2―メトキシカル
ボニルフェニル―4′―メトキシフェニルカーボネー
ト、2―メトキシカルボニルフェニル―4′―エトキシ
フェニルカーボネート、2―メトキシカルボニルフェニ
ル―4′―n―ブトキシフェニルカーボネート、2―メ
トキシカルボニルフェニル―4′―t―ブトキシフェニ
ルカーボネート、2―メトキシカルボニルフェニル―
4′―ノニルオキシフェニルカーボネート、2―メトキ
シカルボニルフェニル―4′―クミルオキシフェニルカ
ーボネート、ジ(2―メトキシカルボニルフェニル)カ
ーボネート、2―メトキシカルボニルフェニル―4′―
メトキシカルボニルフェニルカーボネート、2―メトキ
シカルボニルフェニル―2′―エトキシカルボニルフェ
ニルカーボネート、2―メトキシカルボニルフェニル―
4′―エトキシカルボニルフェニルカーボネート、2―
メトキシカルボニルフェニル―2′―(o―メトキシカ
ルボニルフェニル)オキシカルボニルフェニルカーボネ
ート、2―メトキシカルボニルフェニル―2′―(o―
エトキシカルボニルフェニル)オキシカルボニルフェニ
ルカーボネートの如き2―メトキシカルボニルフェニル
アリールカーボネート類;2―メトキシカルボニルフェ
ニル―メチルカーボネート、2―メトキシカルボニルフ
ェニル―エチルカーボネート、2―メトキシカルボニル
フェニル―n―ブチルカーボネート、2―メトキシカル
ボニルフェニル―オクチルカーボネート、2―メトキシ
カルボニルフェニル―ノニルカーボネート、2―メトキ
シカルボニルフェニル―セチルカーボネート、2―メト
キシカルボニルフェニル―ラウリルカーボネート、2―
メトキシカルボニルフェニル―2―メトキシカルボニル
エチルカーボネート、2―メトキシカルボニルフェニル
―2―エトキシカルボニルエチルカーボネート、2―メ
トキシカルボニルフェニル―2―(o―メトキシカルボ
ニルフェニル)オキシカルボニルエチルカーボネート、
2―メトキシカルボニルフェニル―2―(o―エトキシ
カルボニルフェニル)オキシカルボニルエチルカーボネ
ートの如き2―メトキシカルボニルフェニル―アルキル
カーボネート類;2―エトキシカルボニルフェニル―フ
ェニルカーボネート、2―エトキシカルボニルフェニル
―メチルフェニルカーボネート、2―エトキシカルボニ
ルフェニル―エチルフェニルカーボネート、2―エトキ
シカルボニルフェニル―プロピルフェニルカーボネー
ト、2―エトキシカルボニルフェニル―n―ブチルフェ
ニルカーボネート、2―エトキシカルボニルフェニル―
t―ブチルフェニルカーボネート、2―エトキシカルボ
ニルフェニル―ヘキシルフェニルカーボネート、2―エ
トキシカルボニルフェニル―ノニルフェニルカーボネー
ト、2―エトキシカルボニルフェニル―ドデシルフェニ
ルカーボネート、2―エトキシカルボニルフェニル―ヘ
キサデシルフェニルカーボネート、2―エトキシカルボ
ニルフェニル―ジn―ブチルフェニルカーボネート、2
―エトキシカルボニルフェニル―ジt―ブチルフェニル
カーボネート、2―エトキシカルボニルフェニル―ジt
―ブチルフェニルカーボネート、2―エトキシカルボニ
ルフェニル―ジノニルフェニルカーボネート、2―エト
キシカルボニルフェニル―シクロヘキシルフェニルカー
ボネート、2―エトキシカルボニルフェニル―ナフチル
フェニルカーボネート、2―エトキシカルボニルフェニ
ル―ビフェニルカーボネート、2―エトキシカルボニル
フェニル―クミルフェニルカーボネート、2―エトキシ
カルボニルフェニル―4′―メトキシフェニルカーボネ
ート、2―エトキシカルボニルフェニル―4′―エトキ
シフェニルカーボネート、2―エトキシカルボニルフェ
ニル―4′―n―ブトキシフェニルカーボネート、2―
エトキシカルボニルフェニル―4′―t―ブトキシフェ
ニルカーボネート、2―エトキシカルボニルフェニル―
4′―ノニルオキシフェニルカーボネート、2―エトキ
シカルボニルフェニル―4′―クミルオキシフェニルカ
ーボネート、ジ(2―エトキシカルボニルフェニル)カ
ーボネート、2―エトキシカルボニルフェニル―4′―
メトキシカルボニルフェニルカーボネート、2―エトキ
シカルボニルフェニル―4′―エトキシカルボニルフェ
ニルカーボネート、2―エトキシカルボニルフェニル―
2′―(o―メトキシカルボニルフェニル)オキシカル
ボニルフェニルカーボネート、2―エトキシカルボニル
フェニル―2′―(o―エトキシカルボニルフェニル)
オキシカルボニルフェニルカーボネートの如き2―エト
キシカルボニルフェニル―アリールカーボネート類;2
―エトキシカルボニルフェニル―メチルカーボネート、
2―エトキシカルボニルフェニル―エチルカーボネー
ト、2―エトキシカルボニルフェニル―n―ブチルカー
ボネート、2―エトキシカルボニルフェニル―オクチル
カーボネート、2―エトキシカルボニルフェニル―2―
メトキシカルボニルエチルカーボネート、2―エトキシ
カルボニルフェニル―2―エトキシカルボニルエチルカ
ーボネート、2―エトキシカルボニルフェニル2―(o
―メトキシカルボニルフェニル)オキシカルボニルエチ
ルカーボネート、2―エトキシカルボニルフェニル―2
―(o―エトキシカルボニルフェニル)オキシカルボニ
ルエチルカーボネートの如き2―エトキシカルボニルフ
ェニル―アルキルカーボネート類;を挙げることができ
る。これらの中でも、2―メトキシカルボニルフェニル
―フェニルカーボネートは、フェニル基によって末端が
封鎖されるため耐加水分解性(耐湿温性)に優れてい
る。
【0214】また、上記式(V)−2で表わされるカル
ボン酸アリールエステルとしては、例えば安息香酸2―
クロロフェニル、4―メチル安息香酸2―クロロフェニ
ル、4―エチル安息香酸2―クロロフェニル、4―n―
ブチル安息香酸2―クロロフェニル、4―t―ブチル安
息香酸―2―クロロフェニル、4―ノニル安息香酸2―
クロロフェニル、4―クミル安息香酸2―クロロフェニ
ル、ナフトエ酸2―クロロフェニル、4―メトキシ安息
香酸2―クロロフェニル、4―エトキシ安息香酸2―ク
ロロフェニル、4―n―ブトキシ安息香酸2―クロロフ
ェニル、4―t―ブトキシ安息香酸2―クロロフェニ
ル、4―ノニルオキシ安息香酸2―クロロフェニル、4
―クミルオキシ安息香酸2―クロロフェニル、2―メト
キシカルボニル安息香酸2―クロロフェニル、4―メト
キシカルボニル安息香酸2―クロロフェニル、2―エト
キシカルボニル安息香酸2―クロロフェニル、4―エト
キシカルボニル安息香酸2―クロロフェニル、2―(o
―メトキシカルボニルフェニル)オキシカルボニル安息
香酸2―クロロフェニル、2―(o―エトキシカルボニ
ルフェニル)オキシカルボニル安息香酸2―クロロフェ
ニルの如き芳香族カルボン酸2―クロロフェニルエステ
ル;酢酸2―クロロフェニル、プロピオン酸2―クロロ
フェニル、2―クロロフェニルバレレート、2―クロロ
フェニルペラルゴレート、2―クロロフェニル―1―メ
チルプロピオネート、2―クロロフェニル―2―メトキ
シカルボニルプロピオネート、2―クロロフェニル―2
―エトキシカルボニルブチレート、2―クロロフェニル
4′―(2―メトキシカルボニルフェニル)オキシカル
ボニルブチレート、2―クロロフェニル4′―(2―メ
トキシカルボニルフェニル)オキシカルボニルブチレー
ト等の脂肪族カルボン酸―2―クロロフェニルエステ
ル、(2―メトキシカルボニルフェニル)ベンゾエー
ト、4―メチルベンゾイル―(2′―メトキシカルボニ
ルフェニル)エステル、4―エチルベンゾイル―(2′
―メトキシカルボニルフェニル)エステル、4―n―ブ
チルベンゾイル―(2′―メトキシカルボニルフェニ
ル)エステル、4―t―ブチルベンゾイル―(2′―メ
トキシカルボニルフェニル)エステル、ナフトエ酸―
(2′―メトキシカルボニルフェニル)エステル、4―
ノニル安息香酸(2′―メトキシカルボニルフェニル)
エステル、4―クミル安息香酸(2′―メトキシカルボ
ニルフェニル)エステル、4―メトキシ安息香酸(2′
―メトキシカルボニルフェニル)エステル、4―エトキ
シ安息香酸(2′―メトキシカルボニルフェニル)エス
テル、4―n―ブトキシ安息香酸(2′―メトキシカル
ボニルフェニル)エステル、4―t―ブトキシ安息香酸
(2′―メトキシカルボニルフェニル)エステル、4―
クミルオキシ安息香酸(2′―メトキシカルボニルフェ
ニル)エステル、2―メトキシカルボニル安息香酸
(2′―メトキシカルボニルフェニル)エステル、4―
メトキシカルボニル安息香酸(2′―メトキシカルボニ
ルフェニル)エステル、4―エトキシカルボニル安息香
酸(2′―メトキシカルボニルフェニル)エステル、3
―(o―メトキシカルボニルフェニル)オキシカルボニ
ル安息香酸(2′―メトキシカルボニルフェニル)エス
テル、4―(o―メトキシカルボニルフェニル)オキシ
カルボニル安息香酸(2′―メトキシカルボニルエステ
ル)エステル、3―(o―エトキシカルボニルフェニ
ル)、オキシカルボニル安息香酸(2′―メトキシカル
ボニルフェニル)エステルの如き、芳香族カルボン酸―
(2′―メトキシカルボニルフェニル)エステル、
【0215】(2―エトキシカルボニルフェニル)ベン
ゾエート、4―メチルベンゾイル―(2′―エトキシカ
ルボニルフェニル)エステル、4―エチルベンゾイル―
(2′―エトキシカルボニルフェニル)エステル、4―
n―ブチルベンゾイル(2′―エトキシカルボニルフェ
ニル)エステル、4―t―ブチルベンゾイル―(2′―
エトキシカルボニルフェニル)エステル、ナフトエ酸―
(2′―エトキシカルボニルフェニル)エステル、4―
ノニル安息香酸(2′―エトキシカルボニルフェニル)
エステル、4―クミル安息香酸(2′―エトキシカルボ
ニルフェニル)エステル、4―メトキシ安息香酸(2′
―エトキシカルボニルフェニル)エステル、4―エトキ
シ安息香酸(2′―エトキシカルボニルフェニル)エス
テル、4―n―ブトキシ安息香酸(2′―エトキシカル
ボニルフェニル)エステル、4―t―ブトキシ安息香酸
(2′―エトキシカルボニルフェニル)エステル、4―
ノニルオキシ安息香酸(2′―エトキシカルボニルフェ
ニル)エステル、4―クミルオキシ安息香酸(2′―エ
トキシカルボニルフェニル)エステル、2―メトキシカ
ルボニル安息香酸(2′―エトキシカルボニルフェニ
ル)エステル、4―エトキシカルボニル安息香酸(2′
―エトキシカルボニルフェニル)エステル、3―(o―
メトキシカルボニルフェニル)オキシカルボニル安息香
酸(2′―エトキシカルボニルフェニル)エステル、4
(o―メトキシカルボニルフェニル)オキシカルボニル
安息香酸(2′―エトキシカルボニルフェニル)エステ
ル、3―o―メトキシカルボニルフェニル)オキシカル
ボニル安息香酸(2′―エトキシカルボニルフェニル)
エステル、の如き、芳香族カルボン酸―(2′―エトキ
シカルボニルフェニル)エステルを挙げることができ
る。
【0216】上記式(V)で表わされる化合物として
は、とりわけ2―メトキシカルボニルフェニルベンゾエ
ート、4―クミル安息香酸―(2′―メトキシカルボニ
ルフェニル)エステル、2―エトキシカルボニルフェニ
ルベンゾエート、4―(o―メトキシカルボニルフェニ
ル)オキシカルボニル安息香酸(2′―メトキシカルボ
ニルフェニル)エステルが好ましい。
【0217】本発明方法では、上記式(V)で表わされ
る化合物はポリカーボネートに添加され、下記反応式
【0218】
【化53】
【0219】で示されるように、ポリカーボネートの末
端OH(〜OH)と反応してポリカーボネート末端を封
鎖する。末端封鎖を速かに且つ高収率で実施するために
は、生成した2―置換フェノールを留去しつつ行うのが
好ましい。
【0220】上記式(V)で表わされる化合物は、芳香
族ジヒドロキシ化合物とジフェニルカーボネートとを溶
融重縮合せしめて、ポリカーボネートの固有粘度が少な
くとも0.3dl/gに達した後添加される。添加後
は、ポリカーボネートの末端封鎖が速かに進行するの
で、ポリカーボネートの固有粘度の変化は0.1dl/
gの範囲内であり末端水酸基濃度は0〜30モル%と低
い水準におさえる事ができる。
【0221】上記式(V)で表わされる化合物は、ポリ
カーボネートの末端水酸基1当量当り、好ましくは0.
5〜2モル、より好ましくは0.7〜1.5モル、特に
好ましくは0.8〜1.2モルの割合で用いられる。
【0222】ポリマー中の末端水酸基濃度は剤添加に先
だち、毎回測定確認するのが好ましい。同一重縮合条件
で連続して、重縮合を実施する時は先行する重縮合時に
於て得られた水酸基濃度を便宜上そのまま使用しても良
い。
【0223】上記末端封止反応を実施するには、触媒が
必要であり、該触媒としては重縮合反応に使用する触媒
が、そのまま好ましく使用される。
【0224】特にポリカーボネート重縮合が終了した時
点で、ポリマーが未だ溶融状態に有る時末端封止反応を
実行するのが好ましい。したがって末端封止反応を行な
う時点は重縮合終了時点よりA成分スルホン酸系化合物
添加前でなくては成らない。又上述した時点であれば好
ましくは末端封止反応を実施出来る。
【0225】ポリカーボネート重縮合後、A成分を添加
した後でも末端封止反応に使用する触媒を新たにポリカ
ーボネート中に添加すれば同様に末端封止しうる事は可
能である。
【0226】又本発明においては、末端封止前、末端封
止途中、封止終了後の内少なくともいずれかにおいて、
B成分、C成分、D成分及びその他各種公知の添加剤を
加える事が出来る。例えばチオエーテル系安定剤、ヒン
ダードアニン系安定剤、エポキシ系安定剤、サリチル酸
系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤離
型剤、着色剤、帯電防止剤活剤、防曇剤、天然油合成
油、ワックス有機系無期系充填剤当を添加する事が出来
る。
【0227】ポリカーボネートの製造について 芳香族ジオールとジフェニルカーボネート(以下DPC
と略す)との重縮合反応によるポリマーの製造は、従来
公知の通常の方法と同様な条件下で行うことが出来る。
【0228】具体的には第一段目の反応を80〜250
℃、好ましくは100〜230℃、更に好ましくは12
0〜190℃の温度で、0.5〜5時間、好ましくは1
〜4時間、更に好ましくは1.5〜3時間、減圧下、芳
香族ジオールとDPCとを反応させる。次いで反応系の
真空度を高めながら、反応温度を高めて、芳香族ジオー
ルとDPCとの反応を行い、最終的には5Torr以
下、好ましくは1Torr以下の減圧下で240〜32
0℃で芳香族ジオールとDPCとの重縮合交換反応を行
う。
【0229】本発明において末端封止剤を添加する前
の、ポリカーボネートの水酸基末端を全末端に対して反
応速度の観点より75〜35モル%、好ましくは70〜
40モル%、更に好ましくは60〜40モル%に制御す
る事が好ましい。かくする事により、最終的に末端水酸
基を低い割合に制御でき、ポリマーの改質効果を高める
事が出来る。
【0230】ここでポリマーの一定量における末端水酸
基のモル数は、例えば1H―NMRにより決定出来る。
又ポリマーの水酸基末端の割合は、原料である芳香族ジ
オールとDPCとの仕込み比によっても又コントロール
する事が出来る。
【0231】本発明においてA成分、B成分、C成分、
D成分、末端封止剤が提供される供給機及び末端封止反
応を行う反応器には、特に制限はない。
【0232】又A成分、B成分、C成分、D成分、末端
封止剤の添加方法に関しては特には、制限はなく、固体
のまま添加しても、各種溶剤に溶解してから添加しても
よい。また、末端封鎖剤はポリマーの固有粘度が0.3
に到達した以後であれば、一度に所定量をまとめて加え
ても、数度かに分けて加えてもかまわない。
【0233】すなわち、末端封鎖剤はポリマーの固有粘
度が少なくとも0.3dl/gに到達した後に添加され
る。
【0234】本発明においては、末端を封鎖する前のポ
リカーボネート(プレポリマー)に含まれる、ポリマー
と共有結合していない遊離塩素の量を低く、好ましくは
50ppm以下、より好ましくは5ppm以下に抑える
ことが有利である。
【0235】これより遊離の塩素の量が多いと、末端封
鎖反応に関わる触媒活性が低下し易く、末端の封鎖が迅
速かつ十分に達成され難くなるので好ましくない。
【0236】また、塩素の量が多いと、得られたポリマ
ーの色相、安定性に悪影響を与えるため、好ましくな
い。
【0237】プレポリマー中に含まれる塩素の量を低い
レベルに抑制することは、原料中に含まれる塩素の量を
低いレベルに抑えることにより達成されうる。
【0238】また、本発明においては、末端を封鎖する
前のポリカーボネートに含まれる鉄の量も低く、例えば
1ppm以下、より好ましくは0.7ppm以下に抑え
ることが有利である。
【0239】これよりも鉄の量が多いと、末端改質反応
に関わる触媒の活性が低下し易く、末端封鎖が迅速かつ
十分に達成され難くなるので好ましくない。また、鉄の
量が多いと、得られたポリマーの色相、安定性に悪影響
を与えるため、好ましくない。
【0240】プレポリマー中に含まれる鉄の量を低いレ
ベルに抑制することは、原料中に含まれる鉄の量を低い
レベルに抑え、製造プロセス全般にわたり、鉄の混入を
防ぐことにより達成されうる。
【0241】末端封鎖剤の添加後は、少なくとも、反応
により生成するフェノール類を除去すべく減圧条件が好
ましい。具体的には50Torr以下、さらに好ましく
は10Torr以下である。通常は0.01〜100T
orrの範囲で実施することが好ましい。
【0242】末端封鎖剤添加後の反応温度は、通常25
0〜360℃、好ましくは260〜340℃の範囲であ
り、この範囲よりも低い温度ではポリマーが溶融せず、
この範囲よりも高い温度ではポリマーが分解、着色し、
好ましくない。反応時間としては、通常1〜30分、好
ましくは1〜20分であり、所望により1〜15分でも
可能である。
【0243】本発明においては、末端封鎖した後のポリ
マー中に含まれる残存フェノール類を低いレベルに抑え
ることができる。
【0244】末端封鎖反応後のポリマー中の残存フェノ
ール類の濃度しては、300ppm以下、より好ましく
は200ppm以下である。この濃度よりも残存フェノ
ール類が多いと、分子量の低下や着色がおこりやすく、
好ましくない。
【0245】上記のような重縮合反応は、連続式で行っ
てもよく、バッチ式で行ってもよい。また上記の反応を
行うに際して用いられる反応装置は槽型であっても管型
であっても塔型であってもよい。
【0246】本発明では得られるポリカーボネートに本
発明の目的を損なわない範囲で通常の耐熱安定性、紫外
線吸収剤、離型剤、着色剤、帯電防止剤、滑剤、防曇
剤、天然油、合成油、ワックス、有機系充填剤、無機系
充填剤などを添加してもよい。
【0247】さて、本発明者の研究によれば、上記式
(V)で表わされる化合物の中の特定の化合物を含むあ
る種の化合物は、ポリカーボネートの2分子を1分子に
よって、有利に末端封鎖することができ、その結果ポリ
カーボネートの重合度を顕著に向上させる作用、すなわ
ち重合促進作用を得ることが明らかにされた。
【0248】それ故、本発明によれば、第2に、芳香族
ジヒドロキシ化合物とジフェニルカーボネートを溶融重
縮合せしめてポリカーボネートを製造する方法におい
て、ポリカーボネートの固有粘度が少くとも0.3dl
/gに達したのち、下記式(VI)
【0249】
【化54】
【0250】ここで、R1 は塩素原子、メトキシカルボ
ニルまたはエトキシカルボニルであり、Xは酸素原子ま
たは下記式
【0251】
【化55】―R―COO― [ここで、Rは炭素数1〜30のアルキレン基または炭
素数6〜30のアリーレン基である、で表わされる基で
あり、そしてR3 は塩素原子、メトキシカルボニルまた
はエトキシカルボニルである]で表わされる化合物を添
加して、添加時の固有粘度より0.1を超えて高い固有
粘度を示すポリカーボネートを生成せしめることを特徴
とする、高められた固有粘度を示すポリカーボネートの
製造法が同様に提供される。
【0252】上記式(VI)で表わされる重合促進剤は、
固有粘度が少くとも0.3dl/gに達したポリカーボ
ネートに添加され、添加時のポリカーボネートの固有粘
度よりも0.1dl/gを超えて大きい固有粘度のポリ
カーボネートを与える。
【0253】上記式(V−3)で表わされる重合促進剤
は、添加時の末端水酸基1当量当り、好ましくは約0.
3〜約0.7モル、より好ましくは約0.4〜約0.6
モル、特に好ましくは約0.45〜約0.55モルの割
合で添加される。
【0254】重合促進剤は、ポリカーボネートに添加さ
れ、下記反応式
【0255】
【化56】
【0256】で表わされるように、ポリカーボネートの
末端OH(〜OH)と反応にポリカーボネート2分子を
カップリングさせる。
【0257】反応は上記反応式に示されているとおり、
2分子の2―置換フェノールを生成するので、カップリ
ングを速かにかつ高収率で実施するためには、生成した
2―置換フェノールを留去しつつ行うのが好ましい。
【0258】カップリングが終了した時点で、好ましく
は固有粘度が0.4を超え1.0dl/g未満、より好
ましくは固有粘度が0.41〜0.8dl/gであるポ
リカーボネートが生成される
【0259】
【実施例】以下、実施例に基づき、本発明をより詳細に
説明するが本発明はこれらの実施例により限定されるも
のではない。実施例においてポリマー物性測定は以下の
方法によって測定した。
【0260】1)固有粘度[η];塩化メチレン中20
℃でウベローデ粘度計で測定した。
【0261】2)末端水酸基濃度;サンプル0.02g
を0.4mlのクロロホルムに溶解し、20℃で1H―
NMR(日本電子社製EX―270)を用いて末端水酸
基および末端フェニル基を測定し、下記の式により末端
水酸基濃度を測定した。 末端水酸基濃度(モル%)=(末端水酸基濃度/全末端
数)×100
【0262】3)ポリマーの安定性; ア)短期安定性;ポリマーを340℃で15分間空気中
加熱し[η]低減率及び色相変化により評価した。 イ)長期安定性;ポリマーを150℃*500hr熱老
化後の[η]低減率、色相変化及びヘーズ値によって評
価した。
【0263】4)ポリマー湿熱安定性:ポリマーを12
0℃*100hr飽和水蒸気下保持ポリマーの[η]低
減率を測定した。
【0264】5)金型汚れ性;所定添加剤添加したポリ
マーにつき住友重機製DISK3成型機及び溝深さ19
3nmのCD―R用スタンパーCD―Rディスクを成形
した。 シリンダー温度;340℃、金型温度;105℃ 50K枚成形時スタンパの汚れを目し判定した。 ◎;良好汚れ認めがたし ○;良好汚れ極めて小 △;不良汚れやや認められる ×;不良汚れ明瞭に認められる
【0265】[実施例1] [ポリマーの製造]ビスフェノールA、228重量部、
DPC220重量部及び以下の表1示す種類、量の触媒
を攪拌装置、蒸留塔及び減圧装置を備えた反応槽に仕込
み窒素置換した後、140℃で溶解した。30分間攪拌
後、内温を180℃に昇温し、内圧100mmHgで3
0分間反応させ、生成するフェノールを留去した。
【0266】ついで内温を200℃に昇温しつつ徐々に
減圧し50mmHgで30分間フェノールを溜去しつつ
反応させた。更に220℃、30mmHg間で徐々に昇
温、減圧し、同温、同圧で30分間、更に240℃、1
0mmHg、260℃、1mmHg、270℃、1mm
Hg以下にまで上記と同じ手順で昇温、減圧を繰り返し
反応を続行した。
【0267】最終的に同温、同圧で重合反応を継続しポ
リカーボネートの固有粘度が約0.35程度になった時
点で、ポリマーを一部採取し測定した固有粘度、末端水
酸基濃度を以下の表1中に示す。
【0268】[末端封止反応]該ポリカーボネート10
0重量部当たり末端封止剤(2―メトキシカルボニルフ
ェニル―フェニル―カーボネート)所定量を50mmH
gの減圧下270℃で添加した。その後270℃、1m
mHg以下で5分間末端封止反応を継続した。
【0269】[安定剤の添加]上記ポリマー100重量
部当たり表1中記載の安定剤(A成分〜D成分)を添加
し、、同温、同圧にて10分間攪拌し、2軸ルーダーで
押しだしチップ化した。得られたポリカーボネートの短
期安定性、長期安定性、ポリマー湿熱安定性、金型汚れ
性を以下の表1中に示す。
【0270】[実施例2〜6、比較例1〜3]以下同様
に表1〜表3に記載の触媒量、安定剤添加量で同様にポ
リカーボネート組成物を得た。得られたポリカーボネー
トの短期安定性、長期安定性、ポリマー湿熱安定性、金
型汚れ性を以下の表1〜表3中に示す。
【0271】
【表1】
【0272】
【表2】
【0273】
【表3】
【0274】
【発明の効果】本発明によれば、芳香族ポリカーボネー
トとスルホン酸化合物、燐酸エステル系化合物、および
亜燐酸エステル系化合物、さらに好ましくはフェノール
系抗酸化剤より、安定化された芳香族ポリカーボネート
組成物が得られる。即ち、短期的、長期的な安定性、す
なわち溶融成形時の着色、分子量低下、黒色異物の生
成、あるいは、熱水又は水蒸気雰囲気下での耐加水分解
性が良好な芳香族ポリカーボネート組成物が得られる。
さらに金型成形を行った場合の金型の汚れが少なく精密
成形に好適で成形操作効率の良好な芳香族ポリカーボネ
ート組成物を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 5/524 C08K 5/524

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ジオールと炭酸ジエステルとを、
    塩基性窒素化合物及びアルカリ金属化合物を含有するエ
    ステル交換触媒の存在下、溶融重縮合せしめて得られた
    芳香族ポリカーボネート、100重量部と A成分;スルホン酸化合物 1*10-6〜0.1重量
    部, B成分;燐酸エステル系化合物 0.0005〜0.
    015重量部, 及びC成分;亜燐酸エステル系化合物 0.0005〜
    0.03重量部, とから成る、安定化された芳香族ポリカーボネート組成
    物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の芳香族ポリカーボネー
    ト組成物前にD成分;フェノール系抗酸化剤 0.00
    05〜0.05重量部をさらに含有する請求項1に記載
    の安定化された芳香族ポリカーボネート組成物。
  3. 【請求項3】 A成分のスルホン酸化合物が、下記の式
    (I)〜(IV)で表わされる化合物よりなる群から選ば
    れる少なくとも1種のスルホン酸化合物であることを特
    徴とする請求項1または2のいずれかに記載の安定化さ
    れた芳香族ポリカーボネート組成物。 【化1】 A1―(Y1 ―SO3 1m ・・・(I) [ここで、A1 は置換基を有していてもよいm価の炭化
    水素基であり、Y1 は単結合または酸素原子であり、X
    1 は2級または3級の1価の炭化水素基、1当量の金属
    カチオン、アンモニウムカチオンまたはホスホニウムカ
    チオンであり、mは1〜4の整数である。但しY1 が単
    結合で有るときm個のX1 の全てが1当量の金属カチオ
    ンであることはない。] 【化2】+2−A2−Y1−SO3 - ・・・(II) [ここで、A2 は2価の炭化水素基であり、 +2 は2
    〜4級のアンモニウムカチオンまたは2〜4級のホスホ
    ニウムカチオンであり、Y1 の定義は上記に同じであ
    る。] 【化3】 A3−(+3n・(R−Y1−SO3 -n ・・・(III) [ここで、A3 はn価の炭化水素基であり、 +3 は2
    〜4級のアンモニウムカチオンまたは2〜4級のホスホ
    ニウムカチオンであり、Rは1価の炭化水素基であり、
    nは2〜4の整数であり、Y1 の定義は上記に同じであ
    る。] 【化4】 A5 −Ad1−A4 −(Ad2−A5k ・・・(IV) [ここで、A5 は1または2価の炭化水素基であり、A
    4 は2価の炭化水素基であり、Ad1 およびAd2 は、
    同一もしくは異なり―SO2―O―SO2―、―SO2
    O―CO―または―CO―O―SO2―から選ばれる酸
    無水物基であり、kは0または1である。但し、kが0
    のとき、―(Ad2 ―A5 )k は水素原子を表わすかあ
    るいはA4 とA5 とを結合する結合手を表わす(この場
    合、A5 は2価の炭化水素基または単結合である)。]
  4. 【請求項4】 溶融重縮合により芳香族ポリカーボネー
    トを製造するに際し、エステル交換触媒として、芳香族
    ジオール1mol当たりの使用量が 塩基性窒素化合物 10〜500μmol アルカリ金属化合物 0.01〜10μmol であることを、特徴とする請求項1〜3のいずれかに記
    載の安定化された芳香族ポリカーボネート組成物。
  5. 【請求項5】 前記芳香族ポリカーボネートが下記式
    (V)で表わされる化合物の少なくとも1種の化合物に
    より、末端封止された芳香族ポリカーボネートであるこ
    とを特徴とする1〜4のいずれかに記載の、安定化され
    た芳香族ポリカーボネート組成物。 【化5】
  6. 【請求項6】 芳香族ポリカーボネートの分子末端が主
    として―O―Ar(アリルオキシ)基、―Ar′―OH
    (ヒドロキシ)基よりなり、かつ該―Ar′―OH(ヒ
    ドロキシ)基末端が全末端にしめる割合が、0〜30m
    ol%(0;含まず)であることを特徴とする請求項1
    〜5項のいずれかに記載の、安定化された芳香族ポリカ
    ーボネート組成物。
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