JPH1099266A - 内視鏡 - Google Patents

内視鏡

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JPH1099266A
JPH1099266A JP8259421A JP25942196A JPH1099266A JP H1099266 A JPH1099266 A JP H1099266A JP 8259421 A JP8259421 A JP 8259421A JP 25942196 A JP25942196 A JP 25942196A JP H1099266 A JPH1099266 A JP H1099266A
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wire
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敬一 荒井
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    • A61B1/00Instruments for performing medical examinations of the interior of cavities or tubes of the body by visual or photographical inspection, e.g. endoscopes; Illuminating arrangements therefor
    • A61B1/00064Constructional details of the endoscope body
    • A61B1/00071Insertion part of the endoscope body
    • A61B1/0008Insertion part of the endoscope body characterised by distal tip features
    • A61B1/00098Deflecting means for inserted tools

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 目的部位への導入或いは誘導を容易にし、患
者に時間的に負担をかけないで、処置具の案内ができる
内視鏡を提供する事を目的とする。 【解決手段】 挿入部の先端部3には照明窓18及び観
察窓19の他に、収納空間7に収納され、処置具案内溝
15を有する処置具台9が設けられ、この処置具台9の
先端寄りの位置には視野側から切り欠き、反対側に薄肉
の屈曲自在のヒンジ部26を設けた切り込み空間25が
形成されている。また、処置具台9の視野側の側壁の先
端側にワイヤ12の先端が取り付けられ、このワイヤ1
2の後端側を引っ張る操作を行うことにより処置具台9
をその基端側の回転軸11の回りで回動させて起上さ
せ、処置具チャンネルを経て突出される処置具28の先
端側の突出方向を起上方向に可変できるようにすると共
に、ヒンジ部26で視野側に屈曲させてヒンジ部26よ
り前側の処置具台前部9aを起上方向と略直交する視野
側に移動可能にしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は処置具チャンネルに
挿通された処置具の導出方向を制御する処置具起上機構
を備えた内視鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】十二指腸の乳頭への処置具(パピロトミ
ーナイフ等)の挿入は、患者のぜん動や脈動の動きや、
内視鏡先端部や処置具のフラツキなどによって、狙いが
定まらないのと、患者の乳頭位置に個人差があるなどす
るため、熟練を要する技が必要な手技の一つとなってい
る。
【0003】このため、術者は、パピロトミーナイフの
先端部近くのシースに曲がり癖をつけたり、患者の体位
を変えたり、ベットサイドで患者に対する自分の立ち位
置を変えたり、挿入部を捻ったりと様々な工夫を凝らし
ている。
【0004】また、内視鏡についても、処置具を術者の
所望の位置に移動させるため、処置具の起上機構に関し
ては、これまでも様々な創意工夫・提案がされている。
【0005】しかしながら、思い通りの方向に処置具が
向かず、挿入できずに、乳頭の周囲を処置具の先端で幾
度も突っつき、周囲が腫れて、乳頭を塞ぎ、ますます挿
入できなくなってしまったり、挿入できるにはできて
も、ナイフの向きが、血管の通っている方向に向いて、
切開の際、大出血を起こしてしまうなど、上手にできな
いことがたびたびあった。
【0006】そこで、処置具起上台にヒンジを設け、起
上操作に伴って、視野中心と平行に起上させるのではな
く、視野中心方向に斜めに傾けて処置具台を起上させる
提案が特開平7−23900号公報にされている。また
実公平3−30081号公報では起上台に斜め方向の案
内溝を形成し処置具を視野中心に向ける提案がされてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記2
つの公報は処置具台を起上させることにより処置具の先
端側の導出方向を変更できるが、起上量を変えても殆ど
1つの平面内に沿って移動するため、導出方向が制限さ
れ、目標とする部位への誘導が困難であった。
【0008】このため、狙いを定めて処置具を進め、も
う少しで乳頭に挿入できそうな所まで進めても、処置具
の先端が乳頭から僅かに外れてしまい易い。
【0009】この場合、前記平面内に沿った方向への移
動或いは変更しかできないので、乳頭に誘導することが
困難で、何度もやり直すことが必要となることがしばし
ばであった。
【0010】(発明の目的)本発明は、この問題点を解
決するもので、十二指腸の乳頭等、目的部位への導入或
いは誘導を容易にでき、患者に時間的に負担をかけない
で、処置具の案内ができる内視鏡を提供する事を目的と
する。
【0011】処置具起上台の上げ下げによる処置具の観
察像内での並行移動と、処置具挿入口近傍での押し引き
操作による、処置具先端の乳頭への進退の2つの従来の
動きに、処置具台の案内溝を起上方向に対してほぼ直角
方向に移動させることで、処置具を変形させ、その先端
を乳頭に向けて横に振る動きを、もう1つ加えて、乳頭
への挿入性を向上するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】処置具を挿通する処置具
チャンネルと、この処置具チャンネルに挿通して、内視
鏡先端より突き出した処置具を、所定の位置に案内する
案内溝を設けた処置具台と、この処置具台を遠隔的に起
上する処置具台起上操作装置とを有する内視鏡におい
て、前記案内溝の少なくとも一部を含み、起上方向に対
し略直角方向への移動部と、この移動部の移動手段を設
けることにより、乳頭への処置具挿入時等に、処置具を
横方向に僅かに曲げて、先端位置の微調整が可能にな
り、乳頭等目標部位への処置具の先端を確実に導くこと
が可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。 (第1の実施の形態)図1及び図2は本発明の第1の実
施の形態に係り、図1は第1の実施の形態の内視鏡先端
部の構成を示し、図2は処置具台起上機構を示す。
【0014】図1に示すように本発明の第1の実施の形
態の側視型で十二指腸用の内視鏡1は細長の挿入部2を
有し、この挿入部2の先端に先端部3が設けられ、この
先端部3の後端には湾曲自在の湾曲部4が設けられ、こ
の湾曲部4は挿入部2の後端に形成さられた操作部67
(図11(A)参照)に設けられた湾曲操作ノブ69
(図11(A)参照)を操作することによって上下、左
右の任意の方向に湾曲することができる。
【0015】上記先端部2はステンレススチール(SU
Sと略記)で形成された硬質の先端部本体(或いは硬質
部本体)5と、この先端部本体5の先端側に被せるよう
に設けられたプラスチック材からなるキャップ6とによ
り略直方体形状の収納空間7が形成され、この収納空間
7には処置具台起上機構8を形成する処置具台9が収納
されている。
【0016】この処置具台起上機構8は処置具28(例
えば図2(B)参照)の導出方向を規制する処置具台9
と、この処置具台9をその後端の回りで回転させる(よ
うにしてその前部側を起上或いは上げ下げする)操作を
遠隔的に行う処置具台起上操作機構とを有する。
【0017】本実施の形態の処置具台9は可撓性と弾性
回復力を有する高分子材料としてのポリテトラフルオロ
エチレン(PTFEと略記)で形成され、この処置具台
9の後端(基端)には側部に突出する回転軸11が設け
られ、この回転軸11は対向するキャップ6に形成した
凹部により回転自在に支持されている。また、この処置
具台9の先端側の一方の側壁(後述する視野側の側壁)
にはワイヤ12の先端が回転可能に係止され、このワイ
ヤ12を牽引或いは弛緩(押し引き)することにより、
処置具台9を回転軸11の周りで回転できるようにして
いる。
【0018】このワイヤ12は先端部本体5に設けられ
たワイヤ挿通孔13を通り、さらにその奥のワイヤチュ
ーブ14を通って挿入部2内を挿通され、操作部67に
設けられた図示しない遠隔的な起上操作手段としての起
上操作レバーに接続され、この起上操作レバーを操作す
ることによって、このワイヤ12を牽引或いは弛緩(押
し引き)して、処置具台9を回転軸11の周りで回転し
て起上(図1では起上方向は上方向)等できる処置具台
起上機構8を形成している。
【0019】この処置具台9は側面形状が長方形を対角
線に沿って切ったような斜面を有し、その斜面の中央部
を船底型にした処置具案内溝15(図2(A)参照)が
形成されている。この処置具案内溝15の基端側は処置
具チャンネル16における先端部本体5の先端面で開口
する開口部17に対向している。この処置具チャンネル
16は挿入部2を経てその後端側は操作部67の基端付
近の処置具挿入口(図示略)と連通し、この処置具挿入
口に挿入された処置具はその後端側を繰り出す操作を行
うことによりその先端側を開口部17から突出させるこ
とができる。
【0020】図2(A)に示すように収納空間7は先端
部3の一方の側に(先端部3の)長手方向に沿って形成
され、この収納空間7に隣接する他方の側には照明窓1
8と観察窓19とが設けられ、それぞれ照明レンズ21
及び対物レンズ22が取り付けられている。
【0021】なお、図2(A)は先端部3を(図1の上
方向から、つまり)視野方向から見た平面図を示し、図
2(B)は図2(A)のE矢視方向からキャップ6を外
して処置具28をガイドした状態での処置具台9を先端
部本体5との相対的な位置関係で示し、図2(C)及び
図2(D)はワイヤ12を引っ張る操作を行った場合に
おける図2(A)及び図2(B)に相当する図をそれぞ
れ示す。また、図2(B)及び図2(D)における1点
鎖線は視野中心軸29を示す。
【0022】照明レンズ21の奥にはライトガイド86
(図12(A)参照)が配置され、光源装置から供給さ
れる照明光を伝送し、先端部3内で屈曲されて挿入部2
の側方側に開口する先端面からさらに照明レンズ21を
経て出射し、十二指腸の乳頭等の被写体を照明する。
【0023】照明された被写体は対物レンズ22及びプ
リズム82(図12(A)参照)等を経てその結像位置
に配置されたCCD等の固体撮像素子の撮像面に結像さ
れ、光電変換されて撮像信号として出力される。この固
体撮像素子から出力される撮像信号は図示しない信号処
理装置(或いはビデオプロセッサ)に入力され、標準的
な映像信号に変換された後、表示手段としてのカラーモ
ニタに出力され、内視鏡画像が表示される。
【0024】図1に示すように先端部本体5の後端には
湾曲駒23が回動自在に連結されて湾曲部4が形成され
ている。また、湾曲駒23の外周はゴムチューブ等の可
撓性の外皮24で覆われている。
【0025】本実施の形態では図2(A)に示すように
処置具台9の前方(先端)寄りの途中位置にこの処置具
台9の視野側の側方から他方の側に薄肉の部分を残すよ
うに切り込んで、略楔形状の切り込み空間部25を設
け、この切り込み空間部25の前側の処置具台前部9a
を薄肉の部分のヒンジ部(屈曲部)26で屈曲できるよ
うにしてヒンジ部26の後側の処置具台後部9bに一体
的に連結している。
【0026】つまり、切り込み空間25は観察窓19等
が設けられた視野側の切り込み量が大きく、他方の側の
切り込み量は小さくなっており、かつ処置具台前部9a
における視野側の側部にはワイヤ12の先端が回転自在
に取り付けられたワイヤ取付部27が設けてある。
【0027】そして、このワイヤ12を引っ張る操作を
行うと、処置具台9は回転軸11の回りで回転(つまり
起上)すると共に、処置具台前部9aはヒンジ部26の
長手方向(図2(A)では紙面に垂直方向)の回りで切
り込み量が大きい視野側に図2(C)の矢印Fで示すよ
うに円弧を描くように屈曲されるようにして移動するよ
うにしている。
【0028】この屈曲により処置具台前部9aは起上方
向(図2(A)或いは図2(C)では紙面に垂直方向)
と略直交する視野側の方向に移動する移動部を形成して
いる。このように本実施の形態では、ワイヤ12を引っ
張る操作を行うことによって、処置具台9を起上方向に
起上させる機構の他に、ヒンジ部26の回りで処置具台
前部9aを(起上方向とは略垂直な方向となる)回転的
移動する移動部を形成してしている。
【0029】この場合、処置具案内溝15の先端側の一
部を横方向にずらすように移動する構造にすると、処置
具をS字に曲げることになるので座屈させてしまい易く
なるのと、処置具の弾性に逆らって移動する際の力が多
く必要となることことがあるので、上記のように屈曲さ
せて横方向に移動させる構造にしてそのようなことを解
消している。
【0030】なお、処置具台前部9aは少なくとも処置
具案内溝15の一部(具体的には処置具案内溝15の先
端側)を含む。また、処置具案内溝15における視野側
と反対側の壁は先端に向かうにつれ、盛り上がった案内
壁30を形成し、処置具28が処置具案内溝15から外
れるのを防止している。
【0031】このように本実施の形態では可撓性と弾性
回復力を有する高分子材料としてのPTFEからなる処
置具台9の前寄りの途中位置に視野側の切り込み量が他
方のヒンジ部26より大きい切り込み空間25を設け、
弾性回復力を有するヒンジ部26で視野側に屈曲自在に
連結し、かつ切り込み空間25の前側の処置具台前部9
aにおける視野側の側部にワイヤ12の取付部27を形
成していることが特徴となっている。
【0032】なお、処置具案内溝15を屈曲させるの
に、従来の形状のままにした場合には、移動のための力
が必要であり、材料が非常に軟らかいゴムなどに限られ
てしまう。このため、本実施の形態では切り込み空間2
5を形成すると共に、可撓性と弾性回復力を有する高分
子材料で処置具台9を形成し、かつ薄肉のヒンジ部26
で屈曲自在にしてそのような制限を解消している。
【0033】また、処置具台を少なくとも2つ以上の部
分に分けて、これらを連結する構成にすると、構造が複
雑になり、洗滌性が劣り、高価になるので、本実施の形
態では一体的に形成している。
【0034】また、屈曲部が弾性回復力のない構成であ
ると、屈曲させた後に戻す操作が必要になり煩雑で面倒
になることと、いちいち戻さないと、起上を下げたとき
に、先端が収納空間7に引っかかってスムーズに収納で
きなくなることが考えられるので、可撓性と弾性回復力
を有する高分子材料で(ヒンジ部26を含む)処置具台
9を形成し、そのような面倒な操作を不必要とすると共
に、収納空間7にスムーズに収納できるようにした。
【0035】また、本実施の形態では処置具台前部9a
を横方向に移動する移動手段を処置具台起上操作装置と
別個に設けると、挿入部2が太くなること、及び既存の
装置より構造の変更部分が多くなり高価になることから
共通の起上操作装置により横方向の操作も行えるように
している。
【0036】次に本実施の形態の作用を以下に説明す
る。十二指腸乳頭に処置具28を導入する場合で説明す
る。処置具挿入口から処置具28を挿入し、処置具28
を前進させて開口部17から処置具28の先端側を突出
させると、この開口部17に対向して配置された処置具
台9の処置具案内溝15に規制され、その処置具案内溝
15に沿って先端側が突出されるようになる。
【0037】起上操作レバーを起上させない操作状態に
対応する図2(B)ではその処置具28の進行方向(或
いは導出方向)は符号31で示すように視野中心軸29
と平行な方向となる(但し、図2(A)のE矢視から見
た状態)。
【0038】起上操作レバーを操作してワイヤ12を引
っ張る操作を行うことによって、図2(C)或いは図2
(D)のように、処置具台9がワイヤ12によって引っ
張られて斜め上方向に上がって行き、収納空間7から処
置具台9の前方の処置具台前部9aが出始めると、ワイ
ヤ12の引っ張りの力によって処置具台9および処置具
台9に形成された処置具案内溝15が、ヒンジ部26の
所でくの字の形に曲がり始め、ヒンジ部26を回転の中
心軸にして図2(C)の黒の太い矢印Fに沿って、円弧
を描いて処置具台前部9aが移動する。
【0039】従って、処置具案内溝15に案内された処
置具28の進行方向31は視野中心方向29と交差する
角度方向に向く。処置具28を進める(繰り出す)操作
を行うと、案内壁30があるため、処置具28の先端側
は処置具案内溝15から外れることなく、処置具案内溝
15に沿ってガイドされ、処置具台前部9a側の屈曲し
た処置具案内溝15によって僅かに変形しつつ、視野側
に突出される。この場合、処置具台2は滑り性に優れた
PTFEで形成されているので、引っかかりなく処置具
28をスムーズに進めることができる。
【0040】観察画面上では、予め、視野中心近くにと
らえていた十二指腸乳頭に処置具28の先端が近づいて
いくことになる。この際、従来の、起上方向だけに処置
具台を起上させるもの、視野中心方向に斜めに傾けて処
置具台を配置したもの、或いは処置具台に斜め方向の案
内溝を設けたものでは、処置具の動きが観察画面上で
は、1つの平面内での移動なのに対し、本実施の形態で
は、起上操作レバーを動かすと処置具先端が1つの平面
から外れて斜め方向に変形し動くため、乳頭への挿入の
間際での処置具の先端位置の微調整ができ、挿入が容易
となる。
【0041】つまり、起上量或いは起上回転角が小さい
状態では回転軸11の軸に垂直な平面内での導出方向3
1aとなるが、さらに起上量を大きくして処置具台前部
9aが収納空間7の上部側に露出する状態になる付近か
らヒンジ部26を回転中心とするように処置具台前部9
aが回動或いは屈曲するので、前記平面から外れてこの
平面に垂直な方向(横方向と略記)にずれる導出方向3
1bとなる。
【0042】起上量に応じてこの横方向への移動量を可
変できるので、十二指腸乳頭への導入のように目的部位
への誘導が困難な場合にも、従来例に比べて導出方向の
微調整が可能であるので、容易に誘導することができ
る。
【0043】従って、十二指腸乳頭に処置具28の先端
を導入することを容易かつ短時間にに行うことができ
る。また、導入した後の処置具28による切開処置等も
容易かつ短時間に行うことができる。このため、患者に
苦痛を強いる処置時間を大幅に短縮でき、その負担を軽
減できると共に、術者の負担も大幅に軽減できる。
【0044】処置が終了して、起上操作レバーを元に戻
すと、ワイヤ12の押す力とヒンジ部26の弾性回復に
より処置具台前部9aは元の位置に戻り収納空間7に収
納され、処置具台9が上がったままになってしまい、患
者の体腔壁に当たってしまうようなことはない。
【0045】本実施の形態によれば、処置具28の乳頭
への挿入性の向上、挿入までの時間の短縮による患者の
負担軽減、習熟を要さないので新人の術者の場合でも挿
入が容易にできる。これまでよりも挿入が楽なのでパピ
ロトミー(切開)の角度も正確になりより的確な処置が
でき、安全性の向上にも寄与する。
【0046】なお、図2(C)及び図2(D)では回転
軸11とその軸受け部との係合部分が小さいような場合
で示している。つまり、処置具台後部9bも少し横方向
に回動されるように示している。
【0047】これに対し、例えば、回転軸11を処置具
台9の両側壁から突出し、軸受けもこれに対応して両側
に設けるようにして、処置具台前部9a側のみを横方向
に回動するようにしても良い。
【0048】(第2の実施の形態)図3は本発明の第2
の実施の形態における処置具台起上機構の構成を示す。
図3(A)は処置具台起上機構の平面図、図3(B)は
図3(A)のG矢視方向からの背面図を示す。
【0049】第1の実施の形態とは異なり、図3(A)
に示すように本実施の形態における処置具台9は、2つ
の比較的硬質で滑り性に優れ耐摩耗性を有する高分子材
料としてのポリエーテルイミド(PEIと略記)製の2
部材からなる処置具台前部9cと処置具台後部9dが、
切り込み空間部25を挟んで、片端同士を円筒型の回転
可動の蝶番33が形成されるように射出成型して嵌合し
ている。そして、スナップフィットになっていて回動自
在ではあるが、容易には外れない。
【0050】更に視野側に移動される移動部を形成する
処置具台前部9cと処置具台後部9dの上に、薄く変形
可能なPTFE製の熱収縮チューブからなる変形被覆材
34を被せて処置具台9を形成している。そして、この
変形被覆材34により切り込み空間部分25以外は水密
的に密着している。例えば、処置具案内溝15はこの変
形被覆材34の外表面の凹部形状により形成されること
になる。
【0051】また、この変形被覆材34は切り込み空間
部25に対しては屈曲可能且つ弾性回復可能に、変形時
のシワが内側に入り込むよう緩めに被覆している。本実
施の形態では切り込み空間部25に汚れが入ると、不衛
生なばかりでなく、使用しているときや経時的に体液な
どの汚れがついて移動が阻害される等のおそれがあるの
で、屈曲及び弾性回復可能な(処置具台9とは)別の変
形可能な材料で水密的に覆うようにしてそのような不利
の面を解消している。
【0052】なお、処置具台前部9cと処置具台後部9
dは、基本的には第1の実施の形態における処置具台前
部9aと処置具台後部9bと同様の機能を有し、さらに
後述する利点を備えたものとなっている。
【0053】なお、本実施の形態では図示しない収納空
間の横方向の幅は処置具台9の幅より僅かに大きくして
あり、従ってワイヤ12を牽引して処置具台9を起上さ
せた場合、処置具台9が収納空間内にある場合には回転
軸11の回りで起上方向に起上する。そして、回転角が
大きくなり、蝶番33が収納空間の上部に露出すると、
この蝶番33部分から前の処置具台前部9cが視野側に
屈曲されるように移動可能となり、一方処置具台後部9
dは収納空間を形成する側壁で視野側に屈曲される移動
は規制されるようにしている。その他の構成は第1の実
施の形態と同様である。
【0054】次に本実施の形態の作用を説明する。この
ように構成しているので、ワイヤ12を引っ張る操作を
行うことにより、処置具台9は回転軸11の回りで回転
し、起上する。さらにワイヤ12を牽引すると、処置具
台9は起上し、蝶番33が収納空間の上部に露出する
と、この蝶番33部分から前の処置具台前部9cは起上
方向に起上すると共に、視野側に屈曲されるように移動
可能となる。一方、処置具台後部9dは収納空間を形成
する側壁で視野側に屈曲される移動は規制され、起上方
向にのみ回動する。
【0055】また、第1の実施の形態と異なり、変形被
覆材34で処置具台9が被覆されているので体液等の汚
れが切り込み空間部25へ侵入しないし、変形被覆材3
4を形成するPTFEは滑り性に優れているので変形被
覆材34の外表面で形成される処置具案内溝15により
処置具8の進退の抵抗を小さくでき、処置具28のガイ
ドに適したものとなる。その他は第1の実施の形態と同
様の作用となる。
【0056】本実施の形態によれば、汚れが蝶番33に
入り込まないので作動がいつまでもスムーズとなり、第
1の実施の形態によるヒンジ部26が疲労によって折れ
るようなことを解消でき、かつ長持ちする。変形被覆材
34を形成するPTFEは撥水性に優れるので洗滌性が
向上する。
【0057】さらに蝶番33が万一壊れても、変形被覆
材34によって被覆されているので、形状が大きく変化
してしまうことがなく、収納空間部7に入らなくなるこ
とがない。その他は第1の実施の形態で述べたように目
的部位への導入、或いは誘導を容易に行うことができる
等の効果を有する。
【0058】また、処置具台9と一体に形成される蝶番
33は、PEI製なので、滑り性に優れるため、蝶番3
3の回転抵抗が少なく、回転力が少なくて済む。また、
耐磨耗性に優れるので、寿命が長い。同様に、処置具台
9と一体に、回転軸11を成形しているので、同じ効果
がある。なお、例えば第1の実施の形態に対して、その
処置具台9を変形被覆材34で覆うようにして切り込み
空間部25に汚れが入らないようにしていも良い。
【0059】(第3の実施の形態)図4は本発明の第3
の実施の形態における処置具台起上機構の先端側の構成
を示す。第1,第2の実施の形態とは異なり、本実施の
形態における処置具台9は、高分子材料としてポリプロ
ピレン(以下、PPと略記)製で2つの切り込み空間2
5a,25bがこの処置具台92の視野側及びその反対
側の側壁からに一つずつ設けてあり、各切り込み空間2
5a,25bには処置具台9を形成している材質(具体
的にはPP)より軟らかく弾性回復力のあるシリコンゴ
ム系の接着剤(例えば信越シリコーン社製KE−45)
からなる充填材35が充填してある。この充填剤35は
処置具案内溝15の面より僅かに低く、充填されてい
る。
【0060】第2の実施の形態では少なくとも切り込み
空間部25を変形被覆材34で覆ったのに対し、本実施
の形態では各切り込み空間25a,25bを変形及び弾
性回復可能な充填材料で覆うことにより、各切り込み空
間25a,25bに汚れが入らないようにして洗滌性を
向上している。また、被覆の場合には、長い間用いてい
る間に、屈曲疲労で被覆が破けてしまうようなことが考
えられので、充填によりそのようなことが発生しないよ
うにしている。
【0061】一方の切り込み空間25aの頂部に隣接す
る薄肉の部分でヒンジ部26が形成されている。その他
は第1の実施の形態と同様の構成である。次に本実施の
形態の作用を説明する。
【0062】充填剤35によって妨げられる屈曲性は、
両側の切り込み空間25を設けることにより、処置具台
9の屈曲性を上げることで相殺して、全体としての屈曲
性を第1,第2の実施の形態レベルにしている。
【0063】換言すると、切り込み空間25aに充填さ
れた充填剤35が屈曲移動を妨げるが、両側面に切り込
み空間25a,25bを形成してあるため、他方の切り
込み空間25bに充填された充填剤35側が伸張して屈
曲を促進させる働きをするので変形し易くなっており、
トータルでの屈曲性が確保されている。
【0064】また、第2の実施の形態と同様、汚れが切
り込み空間25a,25bに入らない。また、切り込み
空間25aを形成した際の切り込みの残部となるヒンジ
部26のみの弾性回復力に充填剤35による弾性体の回
復力が加わるので、移動後の元に戻る力が強い。また、
充填剤35の充填面は処置具案内溝15より低いため、
移動により圧縮され膨らんでも、処置具案内溝15の表
面には出てこない、このため処置具28の進退を妨げな
い、また、処置具案内溝15より僅かに低くなっている
だけなので汚れは殆ど残らない。
【0065】本実施の形態は以下の効果を有する。ワイ
ヤ12を引っ張る操作を行うことによって、第1の実施
の形態と同様に処置具台9の前寄りの部分を視野側に屈
曲移動することができる。構造が簡単で、ヒンジ部26
が仮に疲労によって破壊しても、充填剤35で接着され
ていて、処置具台9の一部が体腔内に脱落する危険性を
回避できる。また収納空間7に収納できるため内視鏡を
引き抜くときに体腔壁を傷つけない。
【0066】PPは繰り返し屈曲耐性つまりヒンジ性に
優れている材料なので、長く使用できる。但し、接着性
は劣るので、シリコン系の接着剤を充填する前にプライ
マーによる表面処理は必要になる。
【0067】なお、図4ではワイヤ12の取付部27が
設けられた視野側(図4では紙面の上側)からの切り込
み空間25aは他方の切り込み空間25bより大きい切
り込み量で形成されているが、同じにするなどしても良
い。また、視野側から切り込み量の大きい切り込み空間
25aを1つ設け、充填剤35で充填したものにしても
良い。
【0068】(第4の実施の形態)図5は本発明の第4
の実施の形態における処置具台起上機構の先端側の構成
を示す。図5(A)は処置具台起上機構の先端側の平面
図、図5(B)は図5(A)の背面図を示す。
【0069】本実施の形態における処置具台9はその先
端側における視野側の側壁にワイヤ取付部27で回転自
在に取り付けられたワイヤ12の他に、視野側と反対側
の側壁にも第2のワイヤ12′がワイヤ取付部27′で
回転自在に取り付けられている。
【0070】また、本実施の形態では処置具案内溝15
の裏側に三角形を2つ並べ一部を重ね合わせたような断
面形状を持つ切り込み空間25を設けている。この場
合、三角形を2つ並べ一部を重ね合わせた薄肉になった
底面部分が変形或いは屈曲可能な変形部(或いは屈曲
部)41を形成し、この底面部分は視野側に形成され、
この部分に対向する2つの三角形の頂点側が視野の反対
側に形成されている。
【0071】また、処置具台9の材料は比較的軟らかく
耐薬品性に優れるウレタン系の熱可塑性エラストマから
なる。
【0072】そして、視野側のワイヤ12を引っ張る操
作を行うことにより、切り込み空間25に隣接し、薄肉
になった視野側の変形部41を収縮させるように屈曲変
形させて処置具台9の前側部分の移動部42を視野側に
屈曲移動させることができるようにしている。
【0073】また、ワイヤ12′を引っ張る操作を行う
ことにより、このワイヤの取付部27′側には薄肉の部
分は少ないので、この処置具台9を回転軸11の回りで
回動、つまり起上させることができるようにしている。
【0074】本実施の形態はこれまでの実施の形態と大
きく異なる点は、ワイヤ12、12′が処置具台9の前
側の部分、つまり移動部42の両側面に2本、回転自在
に接続されている点で、それぞれ、処置具案内溝15の
先端側移動用(より具体的には処置具案内溝15の先端
側を視野側に移動する横方向変形移動用)と起上作動用
の機能を有するものである。
【0075】これらは、それぞれ別個の遠隔操作手段と
なる操作部に配置された第1の操作レバー及び第2の操
作レバーに接続されており、独立して作動可能である。
第1の実施の形態等では共通の起上操作装置により、起
上と(横方向の)移動とを操作するので、起上を最大近
くまで上げてから、更にワイヤ12を引っ張ることで、
移動に移行することになる。本実施の形態ではそれぞれ
を専用の、つまりの別の操作レバーを設けることによっ
て、それぞれの操作を独立して行うことができるように
して微調整をより容易にできるようにした。なお、処置
具案内溝15の表面には親水加工のコート43が施され
ている。
【0076】次に本実施の形態の作用を説明する。起上
操作用の第2の操作レバーを操作して処置具28の先端
を乳頭近くに誘導したら、第2の操作レバーの操作に加
え、横方向変形移動用となる第1の操作レバーを操作し
て、横方向への誘導との双方向の動きを微調整をして挿
入及び処置をスムーズに行うことができる。
【0077】変形部41は側面にあり変形時にシワにな
るが、処置具案内溝15の部分は厚めに形成してあるの
で、変形時に横方向には、縮んで変形するが処置具案内
溝15の面はシワにはならず、処置具28の進退を妨げ
ない。また処置具台9の材料そのものが滑り性が悪い
が、処置具案内溝15の表面に滑り性の良い親水加工の
コート43が施されているので、処置具28の進退の抵
抗は少ないものになっている。
【0078】本実施の形態によれば、微調整がより高度
にできる効果がある。また、処置具台9の材料そのもの
が軟らかく変形力量を低くできる。その他は第1の実施
の形態と同様の効果を有する。
【0079】処置具案内溝15を切断する形で、切り込
み空間25を設けた第1、第3の実施の形態に比べて処
置具台9を柔軟な材料で形成し、処置具案内溝15の裏
側に切り込み空間25を設けているので、第2の実施の
形態と同様、処置具案内溝15表面に段差がなく、処置
具28は、スムーズに進退でき、また、汚れも洗い易
い。
【0080】(第5の実施の形態)図6及び図7は本発
明の第5の実施の形態に係り、図6(A)は処置具台起
上機構の先端側の平面図、図6(B)はその概略斜視図
を示し、図7は先端部の断面図を示す。
【0081】本実施の形態は、処置具台9を取り外し自
在にすることにより、移動部42の洗滌性の向上と、耐
久性の劣化の問題を解消している。
【0082】本実施の形態における処置具台9は、材料
をテフロンの中のパーフロロアルコキシ樹脂(以下、P
FAと略記)とし、両側面からU字形の切り込み空間2
5が、ほぼ中央に薄肉のヒンジ部26を形成するように
設けられている。また、処置具案内溝15の裏側と後端
は四角に空間が彫り込まれていて、処置具台9は図7に
示すように略コの字形の断面形状で、下側に延出された
足部45が設けられ、この足部45の後端には外側に突
出する回転軸11が形成されている。
【0083】また、本実施の形態では、図7に示すよう
に、キャップ6と先端部本体5の一部に着脱ガイド溝4
6が回転軸11の先端間の幅より僅かに狭く、足部45
が変形できる幅で収納空間7の上面から回転軸穴47ま
で連通するように各側壁に設けられている。
【0084】ワイヤ12は回転可能且つ着脱自在にスナ
ップフィット方式で処置具台9の移動部42の部分に係
止可能に設けられている。その他は第1の実施の形態と
同様の構成である。
【0085】次に本実施の形態の作用を説明する。この
ように構成したので、例えば第1の実施の形態の場合と
ほぼ同様に処置具のガイドを行うことができる。
【0086】さらに本実施の形態では内視鏡検査後に起
上を一杯にかけて、切り込み空間25に親指と人差し指
の爪を掛けて引っ張ると処置具台9は変形して、洗滌担
当者により容易に取り外し可能である。
【0087】また、収納空間7に処置具台9を取り付け
るときは図7の白抜き矢印で示すように、収納空間7上
面の着脱ガイド溝46の位置に回転軸11を合わせて、
指先で押し込むと足部45が内側に挟まって変形し、着
脱ガイド溝46に填まる、そのまま押し込んで行くと、
回転軸穴47に回転軸11が入り、外側に足部45は広
がって、元の形に戻り回転可能に収納される。
【0088】本実施の形態は以下の効果を有する。処置
具台9を収納空間7より、外に引っ張り出して洗滌する
事ができる、このため収納空間7内も洗滌し易くなる。
また使用していくうちにヒンジ部26に曲がり癖がつい
たり、戻りが悪くなって収納空間7に収納するとき引っ
かかったり、回転軸11が摩耗してガタツクようになっ
たら、ワイヤ12を取り外して新しいものに容易に交換
できる。
【0089】処置具台9はプラスチックモールド成形に
よる一体品であるので、射出成形等により大量に安価に
作れるので、ディスポ(使い捨て)にもでき、その場合
には毎症例ごとに交換することも可能である。
【0090】ワイヤ12を付けたまま再使用のために洗
滌する際も、切り込み空間25はU字形なので洗滌し易
いし、処置具台9の裏側は彫り込まれて空間になってい
るが、裏返して歯ブラシ等で洗えるので洗滌し易い。
【0091】また、この空間があるため少々処置具台9
が汚れても空間に汚れが流れてしまうため、切り込み空
間25に残らず屈曲の支障にならない。また、足部45
は変形し易く装着及び取り外しが容易であるし、処置具
台9の材料はPFAなので動摩擦係数が小さく処置具2
8の進退が容易にできる。
【0092】(第6の実施の形態)図8は本発明の第6
の実施の形態における処置具台起上機構の先端側の構成
を示す。図8(A)は処置具台起上機構の先端側の平面
図、図8(B)は図8(A)の背面図を示す。
【0093】本実施の形態は図2に示す第1の実施の形
態において、処置具台9をPFEで形成し、切り込み空
間25に隣接して屈曲される(ヒンジ部26として機能
する)部分を処置具台9とは異なるSUS製の板バネ5
1をインサート成型によって、埋め込むようにして形成
している。
【0094】また、処置具案内溝15の表面には、PF
Aより滑り性で若干優れるPTFEの案内溝コート材5
2を溶融により接着して設けている。その他は第1の実
施の形態と同様の構成である。
【0095】本実施の形態は、処置具案内溝15に要求
される特性(処置具がスムーズに挿通できるよう滑り性
がよい、キズ・汚れがつきにくい)を持つ材料、例え
ば、SUS、テフロン(PTFE)、と、屈曲部に適し
た特性(可撓性、弾性回復力、繰り返し曲げの耐久性と
か)を持つ材料たとえばポリプロピレン、板バネ材が必
ずしも一致しないため、処置具台9と一体に形成する
と、どちらかの性能を犠牲にせざる負えないので、処置
具案内溝15及び屈曲部に対しそれぞれの特性に合致し
た別の材料で形成することにより、どちらかの性能も犠
牲にしないようにしたものである。
【0096】本実施の形態の作用として、ヒンジ部26
として機能する板バネ51のバネ弾性によって、変形
後、元の形に戻る機能を大きい。その他は第1の実施の
形態と同様の作用である。
【0097】本実施の形態によれば、第1の実施の形態
の効果の他に、ヒンジ部26を板バネ51で形成してい
るので、その寿命を向上できるし、ヒンジ部26が疲労
破壊しにくいので処置具台9の破損、脱落の防止、接合
部への汚れの侵入のない等の効果を有する。
【0098】なお、ヒンジ部26を上記のように板バネ
51で形成する代わりに、屈曲耐性に優れるPPにし、
処置具台9をSUS材で形成し、互いを熱熔着するよう
にしても良い。
【0099】(第7の実施の形態)図9は本発明の第7
の実施の形態における処置具台起上機構の先端側の構成
を示す。図9(A)は処置具台の一部を切り欠いた側面
図、図9(B)は図9(A)のI矢視図を示す。
【0100】処置具台9におけるワイヤ12が取り付け
られる取付部27には、処置具台9のPTFE材と一体
に、その周囲にR面取り部54が形成してあり、しかも
処置具台9の側壁からdだけ突出している。さらに、ワ
イヤ12の外径より僅かに大きい内径を有するワイヤ挿
通孔55によりワイヤ取付穴58と連通している。この
ワイヤ挿通孔55の周囲には、図9(B)に示すように
3箇所に切り込み57が形成してある。
【0101】また、ワイヤ12の先端はL字に曲げられ
ていて、この先端には砲弾形状でワイヤ挿通孔55の内
径より大きく、切り込み57の頂部を外挿する円より小
さい外形を有するSUS材の差し込み体56がろう付け
されている。勿論、この差し込み体56の外径はワイヤ
取付穴58より小さく、その内部に収納される。
【0102】このワイヤ取付部27より少し後方側に切
り込み空間25が形成されている。次に作用を説明す
る。上記の構成によれば、処置具台9に対して差し込み
体56を押し込むと、切り込み57が広がって差し込み
体56はワイヤ挿通孔55を通過してワイヤ取付穴58
内に挿通される。
【0103】また、逆に引けば取れる。しかもワイヤ取
付穴58の内径より差し込み体56の外径は小さく回転
可能である。取付部27が処置具台9の側壁から突出し
ているため、ワイヤ3と処置具台9の側壁との間にはd
のクリアランスが確保できる。
【0104】本実施の形態は以下の効果を有する。術者
によって、処置具台9とワイヤ12の着脱が容易にでき
るので、処置具台9をディスポ(使い捨て)にできる。
また、リユース(再利用)の場合にも外して洗滌ができ
る。
【0105】R面取り部54とdのクリアランスがある
ためワイヤ12と処置具台9の当接面が小さく、しかも
処置具台9はPTFEで形成されているので、滑り性に
優れるので抵抗力が小さく、引っかかり・飛びなどの作
動不良が生じにくい。
【0106】(第8の実施の形態)図10は本発明の第
9の実施の形態に係り、図10(A)は先端部本体に設
けられた撮像手段及び照明光学系の構成を示す断面図、
図10(B)は図10(A)のJ−J断面図を示す。従
来例では内視鏡先端に設けられる撮像装置或いは撮像ユ
ニットを、先端部本体に撮像装置用取り付け孔を貫通す
るネジ孔に固定ネジを螺合係止し、先端部本体壁面に押
しつけて固定していたので、水密を保持するために、シ
リコンゴム系の接着材を塗布するなどしなければならず
作業が面倒なのと、水密を維持するためには、それなり
の長さのネジが必要であり、先端部本体を大きくせざる
負えないので、先端部が大形化してしまう問題があっ
た。本実施の形態はこの問題を解消するものである。
【0107】SUS材からなる先端部本体5には撮像手
段と照明光学系が設けてある。つまり、側方に開口する
観察窓19には対物レンズ22(より厳密には対物第1
レンズ或いは対物前群レンズ)が取付けられ、その奥に
挿入部2の長手方向に沿って設けられた正方形の断面形
状の取付穴81(図10(B)参照)にプリズム82が
配置され、対物レンズ22を経た光線を90度曲げてこ
のプリズム82の後方に配置される撮像ユニット83に
導く。
【0108】この撮像ユニット83はその先端側の図示
しない対物後群レンズと、光学フィルタと、結像位置に
配置されたCCD等の固体撮像素子と、その裏面側に配
置された電子回路等からなる。そして、この撮像ユニッ
ト83の後端から電子回路等に接続されたケーブル84
が延出され、このケーブル84は挿入部2内を挿通され
ている。
【0109】また、この取付穴81の下側の先端部本体
5の底面にはその前方側で屈曲して照明窓18に連通す
るライトガイドファイバ取付溝85が設けられ、挿入部
2内を挿通されたライトガイドファイバ86の屈曲され
た先端側がこのライトガイドファイバ取付溝85内に収
納される。
【0110】先端部本体5におけるライトガイドファイ
バ取付溝85からその上方の取付穴81に向けてネジ穴
が設けてあり、取付穴81に収納された撮像ユニット8
3はネジ穴に螺合する固定用ビス87によって固定され
る。
【0111】また、ライトガイドファイバ86の先端に
は、L字に曲がった超弾性合金または形状記憶合金から
なるライトガイド口金88が取り付けてあり、このライ
トガイドファイバ86の先端側は照明窓18に固定され
る照明レンズ21に先端面が接触する状態で先端部本体
5の先端面に設けたネジ穴に螺合する固定用ビス89に
よって固定される。
【0112】ライトガイド口金88はライトガイドファ
イバ86を先端部本体5に固定用ビス89で締め付け固
定する際にライトガイドファイバ86が折れないように
保護している。
【0113】また、図10(B)から分かるようにライ
トガイドファイバ86の断面形状は略正方形となってお
り、台形の断面形状のものでは鋭角な部分が折れ易かっ
たが略正方形にすることによりそれ(鋭角な部分が折れ
易かったこと)が無いようにしている。もちろん略長方
形の断面形状にしても良い。
【0114】また、ライトガイドファイバ取付溝85に
は蓋部材90が嵌合し、接着により先端部本体5に固定
出来るようにしている。
【0115】次に本実施の形態の作用を説明する。ま
ず、撮像ユニット83の取付構造に対する作用を説明す
る。撮像ユニット83とプリズム82を予め接合し、先
端部本体5の後方より取付穴81へと挿入する。次にラ
イトガイドファイバ取付溝85から固定用ビス87とド
ライバ先端を入れて、この固定用ビス87をライトガイ
ドファイバ取付溝85内のネジ穴にねじ込み、撮像ユニ
ット83に当接させると、固定用ビス87は撮像ユニッ
ト83を先端部本体5へ押しつけるので、撮像ユニット
83は先端部本体5に固定される。
【0116】このようにして固定することにより以下の
効果を有する。外側に固定用ビス87を設けると、撮像
ユニット83は僅かな水や湿気の侵入でも故障してしま
うにも関わらず、固定用ビス87による固定部は水密的
に固定することが必要になり、シリコンゴム系の接着剤
を用いて水密を保つには、少なくとも、3山程度のネジ
山が必要で、そのために薄肉にするのが難しいし、接着
剤を塗る必要もあり、固定の作業が面倒になる。
【0117】これに対して本実施の形態では、水密にさ
れた内側部分で固定するので簡単になり、ネジ山は2つ
もあれば十分で撮像ユニット83とライトガイドファイ
バ86との間の壁という元々あった薄いデットスペース
を有効利用できる。このため、取付穴81と外面との壁
を薄肉にできるため、先端部3を細径化できる。
【0118】次にライトガイドファイバ86の取り付け
構造の作用を説明する。ライトガイド口金88は変形性
に優れる材料からなるので、真直なパイプ形状の状態で
接着剤を塗布したライトガイドファイバ86を挿入し、
その後にL字形状に曲げたり断面を4角に加工して硬化
させることができる。そして、固定用ビス89によって
固定し、さらに蓋部材90を接着する。この場合には水
密的に固定する。
【0119】このようにしてライトガイドファイバ86
をL字形状にするため、従来のように接着剤で硬化した
ライトガイドファイバ86に弾性部材の保護板を接着
後、保護板を介してトルクを管理して慎重にビス固定す
るのに比べ、全面を保護しているので、誤って力を込め
て締め付けてしまっても折れにくい。
【0120】なお、より安全を見込むには、緩衝材とし
て弾性体例えばゴム板や、剛体例えばSUS材の保護板
を介しても良い。
【0121】なお、撮像ユニット83を外すときは、ラ
イトガイドファイバ取付溝85とライトガイドファイバ
86を取り外す必要がある。
【0122】(第9の実施の形態)図11(A)は本発
明の第9の実施の形態の内視鏡を示し、本実施の形態の
内視鏡が既存の内視鏡と異なる部分を明確にするために
図11(B)に従来例の内視鏡を示す。
【0123】本実施の形態は、処置具台9に横方向の移
動機構を設けることにより従来例に比べ視野方向に処置
具を誘導し易くなったものの、患者を横に寝かせ、術者
が、内視鏡の操作のし易い患者の正面に立って、観察像
の中心に乳頭を捉えるには、右手で挿入部を少し捻る必
要があり、長時間だと右手が疲れるのと、うっかり捻る
力を緩めると、挿入部が元に戻る力によって、せっかく
捉えた乳頭が観察像の中心位置から外れてしまうので、
この不都合を解消するものである。
【0124】このためにまず、図11(B)に示すよう
に従来例の内視鏡61を説明する。この内視鏡61は挿
入部62の先端に設けられた先端部63にはほぼ側視方
向(より詳しく述べると、側視方向より少し後方側を向
く斜視方向)を視野方向の中心軸Sとする観察窓64と
照明窓65とが隣接して設けられ、さらにこれらに隣接
して処置具台66が設けられている。
【0125】また、挿入部62の基端には操作部67の
把持部68が設けられ、その後方側に湾曲操作ノブ69
が設けてあり、この湾曲操作ノブ69を操作することに
よって、先端部63の後端に隣接して形成された湾曲部
70を湾曲することができる。
【0126】従来例では挿入部62の中心軸Oを紙面内
に配置した状態で、側方から内視鏡61を見ると、図1
1(B)に示すようになる。つまり、把持部68を掌で
把持した把持面Pが側方の正面に位置し、湾曲操作ノブ
69の回転軸は紙面内で側方を向く。
【0127】これに対して、本実施の形態の内視鏡1は
上記内視鏡61の挿入部62を操作部67に対して挿入
部62の中心軸Oの回りに(操作部67側から見て、)
時計回り方向に約10度から45度回転(この回転角を
αと記す)した位置にして固定してある。
【0128】換言すると、この内視鏡1は、従来例の内
視鏡61と同様に挿入部2の挿入方向に対し後方側とな
る斜め方向の視野方向Sを有し、さらにこの従来例の内
視鏡61に対し、その挿入方向の中心軸Oと視野方向の
中心軸Sを含む面を、術者が操作部67を把持したとき
に親指と親指を除く、人差し指などの4指とを結ぶ方向
の面(つまり把持面P)に対して操作部側から見て時計
回り方向に、回転して設けた構造にしている。
【0129】このため、図11(B)と同じ方向となる
ように操作部67の方位を設定してこの内視鏡1を見る
と図11(A)に示すように視野方向Sは中心軸Oの回
りで回転角αだけ回転した方向を向くようになる。な
お、図11(A)の内視鏡1での構成要素は図1等で図
示したものと同じ符号で示し、まだ図示していない構成
要素に対しては図11(B)と同じ符号で示し、その説
明を省略している。
【0130】このように設定された本実施の形態の内視
鏡1の作用を説明する。このように構成したので図12
に示すように術者71は、左側臥位の患者72の正面に
立った場合、予め、湾曲方向が回転して設けてあるの
で、従来のように挿入部2を右手で10度から45度、
捻って保持しなくとも、挿入・湾曲操作をして、観察像
の中央に乳頭を捉えるだけで、観察・処置が出来る。
【0131】本実施の形態によれば、捻って保持しなく
て良いので、疲れない、従来例であると少し手を緩める
と、観察画像の中心に捉えた十二指腸乳頭が、挿入部6
2が元に戻ろうとして、自然に回転してしまうので、観
察像から消えてしまうか、中心からずれるようことがあ
ったが、そのようなことを解消できる。
【0132】また、患者72の正面に立つことができる
で、挿入部2の進退がやり易くなる。なお、図11
(A)に示すように斜め後方側を視野方向の中心軸Sと
する斜視型の内視鏡1の光学系の構造は、例えば図10
(A)において、対物レンズ22の前に台形状のプリズ
ムを(プリズムの厚みが後方側が厚くなるように)配置
した構成にすれば良い。これに伴って、照明レンズ21
の前にも同様のプリズムを配置して、その方向に有効に
照明光を出射できるようにすると良い。
【0133】(第10の実施の形態)図13は本発明の
第10の実施の形態に係り、図13(A)は第10の実
施の形態における挿入部の先端側の処置具台起上機構の
構成を示し、図13(B)は図13(A)のK−K線断
面を示す。
【0134】本実施の形態の内視鏡1では先端部本体5
により収納空間7が形成され、この先端部本体5の開口
する先端を含む周囲をキャップ6で覆っている。また、
収納空間7に収納される処置具台9の基端には図13
(B)に示すように横方向に貫通する孔を設けてスプリ
ング91によりその両端が連結されたボール92が収納
されている。
【0135】孔の両端はボール92の直径より僅かに小
さくされ、かつスプリング91は両ボール92を離間す
る方向に付勢している。従って、ボール92は孔からほ
ぼ半分近くが突出する状態となり、突出する両ボール9
2は回転軸11の機能を有する。また、各ボール92に
より孔の端部は閉塞されるので、孔の内部には汚れが入
りにくいようにしている。
【0136】また、収納空間7を形成する視野側の側壁
(つまりワイヤ12の先端が取り付けられ側の側壁)に
は、ワイヤ12が側壁に当たって擦れる等の支障がない
ように、例えば円弧状に切り欠いた切り欠きが形成され
ている。本実施の形態では他方の側壁も切り欠かれてい
る。
【0137】また、先端部本体5における収納空間7を
形成する側壁の後端よりで底部側の位置には、各ボール
92を収納する半球状の凹部93が形成され、かつ、凹
部93の上部側の側壁にはガイド溝94が形成されてい
る。各ガイド溝94はその上端付近ではボール92の半
径近くの深さで凹部93側に近づくにつれ浅くなるテー
パ状に設けられ、凹部93付近で殆ど0の深さになって
いる。
【0138】従って、図13(B)に示すように各ボー
ル92をガイド溝94の上端に対向する位置に合わせて
上方から下方に処置具台9を押す操作を行うことによ
り、各ボール92をガイド溝94に沿って下方に移動さ
せることができ、さらにクリック感が発生する状態にな
るまで押し込むと、各ボール92をそれぞれ凹部93に
収納した装着状態に設定することができる。
【0139】また、処置具台9の上端付近には爪等を引
っかけるための溝95が設けてあり、この溝95に爪を
引っかける等して収納空間7の所定位置に装着された処
置具台9を取り外し易いようにしている。
【0140】取り外す場合には、ワイヤ12を引っ張
り、処置具台9を回転させて起上させ、収納空間7の切
り欠き部分より上部側に溝95が露呈する状態になった
ら、溝95に爪を引っかける等して上方に引っ張る操作
を行うことによって装着状態の処置具台9を取り外すこ
とができる。
【0141】また、処置具台9には第1の実施の形態と
同様に楔状の切り込み空間25とヒンジ部26が設けて
ある。なお、スプリング91の代わりに弾性を有するゴ
ムとかスポンジ状にした弾性部材を用いても良い。な
お、上述した各実施の形態等を部分的等で組み合わせる
等して形成される実施の形態等も本発明に属する。
【0142】[付記] 1.処置具を挿通する処置具チャンネルと、この処置具
チャンネルに挿通して、内視鏡先端より突き出した処置
具を、所定の位置に案内する案内溝を設けた処置具台
と、この処置具台を遠隔的に起上する処置具台起上操作
装置とを有する内視鏡において、前記の案内溝の少なく
とも一部を含み、起上方向に対し略直角方向への移動部
と、この移動部の移動手段を設けてなることを特徴とす
る内視鏡。 (付記1の目的)挿入し易く、患者に時間的に負担をか
けない、ひいては処置の安全性を向上する、処置具の案
内および変形手段を提供する事にある。
【0143】2.前記移動部は、処置具台の少なくとも
一部に設けた、屈曲して移動する屈曲移動部であること
を特徴とする付記1記載の内視鏡。 (付記2の目的)移動による処置具の座屈と移動力量大
の問題を解消することにある。
【0144】3.前記屈曲移動部は、この後方に設けら
れた、処置具台に形成された少なくとも一つの切り込み
空間部と、可撓性と弾性回復力を有する材料からなる処
置具台と一体に形成された少なくとも一つの薄肉の屈曲
部とからなることを特徴とする付記2記載の内視鏡。 (付記3,4の目的)屈曲し易くするのと、構造を簡単
にして、洗滌性を良好にし、安価にすることにある。
【0145】4.前記処置具台の材料は、合成高分子材
料であることを特徴とする付記3記載の内視鏡。 (付記4の目的)合成高分子材料のプラスチックやエラ
ストマが少ない力で変形可能なことと、内視鏡の厳しい
消毒・滅菌条件下にあっても劣化しにくい材料が豊富な
点にあり。また屈曲部や切り込み空間部、処置具案内溝
などの複雑な形状が射出成形によって容易に形成でき安
価なので、ディスポにできるようにすることにある。
【0146】5.前記屈曲移動部は、その後方に設けら
れた、処置具台に形成された少なくとも一つの切り込み
空間部と、処置具台と別体、別材料の屈曲および弾性回
復可能な材料からなる屈曲部からなることを特徴とする
付記2記載の内視鏡。 (付記5の目的)例えば、繰り返し屈曲耐性に優れた材
料のヒンジ材を埋設して、付記3,4の耐性面などの問
題点を解消することにある。
【0147】6.前記切り込み空間部を、屈曲および弾
性回復可能な別の変形可能材料で水密に覆ってなること
を特徴とする付記3又は5記載の内視鏡。 (付記6,7の目的)付記3,5の洗滌性などの問題点
を解消することにある。 7.前記切り込み空間部を、変形および弾性回復可能な
充填材料を埋めてなることを特徴とする付記3又は5記
載の内視鏡。
【0148】8.前記案内溝の移動手段は、案内溝の移
動部と、内視鏡操作部に設けられた遠隔操作手段を接続
する長尺の押し引き手段からなる処置具台起上操作装置
によることを特徴とする付記1記載の内視鏡。 (付記8の目的)煩雑な操作を容易にすることにある。
【0149】9.前記案内溝の移動手段は、処置具台起
上操作装置とは別個に設けられ、案内溝の移動部と、内
視鏡操作部に設けられた遠隔操作手段を接続する長尺の
押し引き手段からなる案内溝移動装置によることを特徴
とする付記1記載の内視鏡。 (付記9の目的)微調整をより高度にすることにある。
【0150】10.前記処置具台は、取り外し可能に設
けられていることを特徴とする付記1〜9記載の内視
鏡。 (付記10の目的)処置具台を症例毎の使い捨てにして
しまうことによって、付記1〜9の洗滌性と耐性面の問
題点を解消することにある。また使い捨てにせずリユー
スで用いる場合、万一、使用の途中で屈曲部が疲労によ
り破断して分離してしまうと、処置具台が収納空間部に
戻せなくなって、体腔壁を傷つけてしまう危険を回避す
ることにある。また取り外しが出来ることにより洗滌が
楽にできるようにすることにある。
【0151】11.前記内視鏡は、内視鏡の挿入部の挿
入方向に対し後方且つ斜め方向の視野方向を有し、この
挿入方向の中心軸と視野方向の中心軸を含む面を、術者
が内視鏡の操作部を把持したときに親指と親指を除く、
人差し指などの4指とを結ぶ方向の面に対して操作部側
から見て時計回り方向に、回転して設けたことを特徴と
する付記1〜10記載の内視鏡。 (付記11,12の目的)付記1〜10に比べ、TVモ
ニタを正面視できるので、内視鏡の手技をやり易いよう
にすることにある。 12.前記回転の角度は、10°から45°であること
を特徴とする付記11記載の内視鏡。
【0152】13.撮像装置の先端硬質部本体への固定
ビスを、撮像装置以外の接続孔を介して固定することを
特徴とする付記1〜12記載の内視鏡。 (付記13の目的)付記1〜12に比べ内視鏡先端径を
細くして、挿入性能を向上し、患者の苦痛を低減するこ
とにある。
【0153】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、処
置具を挿通する処置具チャンネルと、この処置具チャン
ネルに挿通して、内視鏡先端より突き出した処置具を、
所定の位置に案内する案内溝を設けた処置具台と、この
処置具台を遠隔的に起上する処置具台起上操作装置とを
有する内視鏡において、前記の案内溝の少なくとも一部
を含み、起上方向に対し略直角方向への移動部と、この
移動部の移動手段を設けているので、処置具台の起上方
向とは異なる方向へ、案内溝を移動出来き、乳頭への処
置具挿入時等に、処置具を横方向に僅かに曲げて、先端
位置の微調整が可能になり、乳頭等目標部位への処置具
の先端を確実に導くことが可能となる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の内視鏡の先端側の
構成を示す断面図。
【図2】処置具台起上機構を示す図。
【図3】本発明の第2の実施の形態における処置具台起
上機構を示す図。
【図4】本発明の第3の実施の形態における処置具台起
上機構を示す平面図。
【図5】本発明の第4の実施の形態における処置具台起
上機構を示す図。
【図6】本発明の第5の実施の形態における処置具台起
上機構を示す図。
【図7】処置具台の収納部の構造を示す断面図。
【図8】本発明の第6の実施の形態における処置具台起
上機構を示す図。
【図9】本発明の第7の実施の形態におけるワイヤ取付
部の構成を示す図。
【図10】本発明の第8の実施の形態の内視鏡の先端側
の構成を示す断面図。
【図11】本発明の第9の実施の形態の内視鏡等を示す
図。
【図12】第9の実施の形態の内視鏡の使用例を示す
図。
【図13】本発明の第10の実施の形態の内視鏡の先端
側の構成を示す断面図。
【符号の説明】
1…内視鏡 2…挿入部 3…先端部 5…先端部本体 6…キャップ 7…収納空間 8…処置具台起上装置 9…処置具台 11…回転軸 12…ワイヤ 15…案内溝 16…処置具チャンネル 17…開口部 18…照明窓 19…観察窓 21…照明レンズ 22…対物レンズ 25…切り込み空間 26…ヒンジ部(屈曲部) 27…ワイヤ取付部 28…処置具 29…視野中心軸
【手続補正書】
【提出日】平成9年4月3日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】この屈曲により処置具台前部9aは起上方
向(図2(A)或いは図2(C)では紙面に垂直方向)
と略直交する視野側の方向に移動する移動部を形成して
いる。このように本実施の形態では、ワイヤ12を引っ
張る操作を行うことによって、処置具台9を起上方向に
起上させる機構の他に、ヒンジ部26の回りで処置具台
前部9aを(起上方向とは略垂直な方向となる)回転的
移動する移動部を形成してる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0093
【補正方法】変更
【補正内容】
【0093】本実施の形態は図2に示す第1の実施の形
態において、処置具台9をPFで形成し、切り込み空
間25に隣接して屈曲される(ヒンジ部26として機能
する)部分を処置具台9とは異なるSUS製の板バネ5
1をインサート成型によって、埋め込むようにして形成
している。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 処置具を挿通する処置具チャンネルと、
    この処置具チャンネルに挿通して、内視鏡先端より突き
    出した処置具を、所定の位置に案内する案内溝を設けた
    処置具台と、この処置具台を遠隔的に起上する処置具台
    起上操作装置とを有する内視鏡において、 前記案内溝の少なくとも一部を含み、起上方向に対し略
    直角方向への移動部と、この移動部の移動手段を設けて
    なることを特徴とする内視鏡。
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