JPH1097374A - 足用ポインティングデバイス - Google Patents

足用ポインティングデバイス

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Publication number
JPH1097374A
JPH1097374A JP8271286A JP27128696A JPH1097374A JP H1097374 A JPH1097374 A JP H1097374A JP 8271286 A JP8271286 A JP 8271286A JP 27128696 A JP27128696 A JP 27128696A JP H1097374 A JPH1097374 A JP H1097374A
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JP
Japan
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moving
foot
moving unit
unit
movement
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Pending
Application number
JP8271286A
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English (en)
Inventor
Isamu Kato
勇 加藤
Yoshinori Ikeda
芳則 池田
Tatsuo Ogawa
辰男 小川
Minoru Inamoto
稔 稲本
Nobuyuki Ueno
伸行 上野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
EJIKUN GIKEN KK
Original Assignee
EJIKUN GIKEN KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画面上の矢印等を快適に、かつ優れた操作感
をもって操作することのできる足用ポインティングデバ
イスを提供すること。 【解決手段】 床面6に置かれるベース12と、床面6
とほぼ平行に、2次元的に移動可能な状態でベース12
に取り付けられた左右移動部16と、左右移動部16に
対して、回転軸19を中心として回転可能に取り付けら
れ、足20が置かれる足置き部18と、左右移動部16
のベース12に対する2次元的な移動量を検出する可変
抵抗器22、24と、足置き部18が回転したときに接
点が切り替わるスイッチ26、28と、左右移動部16
の移動量に応じて画面上において矢印等を移動させる信
号を発生する移動信号発生手段30、32、34、3
6、38、40、42とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンピュータの画
面上に表示される矢印、カーソル等の表示物を、足によ
って操作する際に使用される足用ポインティングデバイ
スに関するものである。
【0002】
【従来の技術】パーソナルコンピュータ等のコンピュー
タにおいて、コンピュータの画面上に表示された矢印や
カーソル等を動かすためには、いわゆるマウス等のポイ
ンティングデバイスが用いられている。このポインティ
ングデバイスとして各種のものが実用化されているが、
いずれも手で動かすのを前提としている。
【0003】一方、足で操作するポインティングデバイ
スは、各種のものが考えられており、例えば、特開昭6
2−37731号公報、特開昭63−255727号公
報、特開昭64−25233号公報、特開平3−220
618号公報、特開平4−242818号公報、特開平
5−73205号公報、特開平7−84722号公報、
特開平7−141100号公報、特開平7−28181
6号公報、特開平8−63281号公報、実開平2−2
7226号公報、実開平4−58755号公報、実開平
4−108243号公報、実開平4−123431号公
報等に記載されている。
【0004】これらのうち、最も良く構成されていると
考えられるのは、特開平7−84722号公報に記載さ
れたものである。このポインティングデバイスは、図6
に示すように、マウスを足に装着する構成となってい
る。スリッパ状の本体2の底部にはマウスと同様のボー
ル4が組み込まれている。本体2をマウスと同様に床面
6上で前後左右に動かすと、ボール4が回転し、画面上
の矢印等を上下左右に動かすことができる。また、つま
先が入る部分の上方及び下方には、それぞれスイッチ8
及び10が配置されており、つま先を上または下に動か
すと、それぞれスイッチ8または10の接点が切り替わ
る。スイッチ8及び10は、マウスに設けられた2つの
ボタンと同一の信号を発生する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特開平7−84722
号公報に記載された前述の足用ポインティングデバイス
は、本体2がスリッパあるいはサンダルの形状をしてい
るため、各使用者の足に合わせた大きさ及び形状に構成
する必要がある。従って、量産に向かない、あるいは量
産が高コストになるという問題点がある。また、裸足あ
るいは靴下を履いた状態の足がこの足用ポインティング
デバイスに直接触れるため、非衛生的であるという問題
点があり、靴やスリッパを脱いでから装着する必要があ
るため、使用開始までに時間がかかり面倒であるという
問題点もある。
【0006】さらに、画面上の矢印等を大きく動かすた
めには、マウスと同様に、この足用ポインティングデバ
イスを足で持ち上げてから別の場所に下ろし床面6上で
動かすという動作を繰り返す必要がある。マウスの場合
は手を持ち上げればよいが、足を持ち上げるのは力を必
要として疲れるものであり、使用中及び使用後の疲労、
特に足の疲労が大きいという問題点がある。
【0007】また、ボール4がうまく転がるには、床面
6が平坦であって適当な摩擦を有する必要があり、しか
も床面6上にゴミがあってはならない。このため、床面
6をそのような材質のものに改造するか、専用のマット
を床面6上に敷かなければならず、手間やコストがかか
るという問題点もあった。さらに、床面6やマットの上
にゴミを落とすことができないため、常にそれを意識し
ながら作業をしなければならず、その分だけストレスが
多くなるという問題点もあった。
【0008】上記の公報に記載されたもののうち、特開
昭62−37731号公報に記載されたものは、図6に
示したものと同様、マウスを足に装着するタイプであ
り、図6に示したものが有する問題点のうちのいくつか
を有する。さらに、足を持ち上げてもボールを床面から
離すことができない構成であるため、画面上の矢印等を
大きく動かすことができないという問題点がある。
【0009】特開昭63−255727号公報、特開平
5−73205号公報及び実開平2−27226号公報
に記載されたものは、図6に示したものとほぼ同一の構
成となっており、図6に示したものが有する問題点のう
ちのいくつかを有する。さらに、マウスのボタンに相当
するスイッチを備えていないため、手や他方の足によっ
て操作される装置を別に備える必要があり、操作感が悪
く、特にいわゆるドラッグ等の操作が困難であるととも
に、コストがかかるという問題点もある。
【0010】特開昭64−25233号公報に記載され
たものは、図6に示したものとほぼ同一の構成となって
おり、図6に示したものが有する問題点のうちのいくつ
かを有する。さらに、マウスのボタンに相当するスイッ
チの位置が適当でないため、スイッチの操作がしにくい
という問題点もある。
【0011】特開平3−220618号公報に記載され
たものは、図6に示したものとほぼ同一の構成となって
おり、図6に示したものが有する問題点のうちのいくつ
かを有する。さらに、マウスのボタンに相当するスイッ
チを別の足で操作する構成となっているため、操作感が
悪く、特にドラッグ等の操作が困難であるという問題点
がある。また、両足を床面から離す必要があるため、操
作の際の体の安定が悪くなり、使用中及び使用後の疲労
が大きくなるという問題点もある。
【0012】特開平4−242818号公報に記載され
たものは、両足で操作する構成になっているため、操作
感が悪く、特にドラッグ等の操作が困難であるという問
題点がある。また、両足を床面から離す必要があるた
め、操作の際の体の安定が悪くなり、使用中及び使用後
の疲労が大きいという問題点もある。
【0013】特開平7−141100号公報に記載され
たものは、両足で操作する構成になっているため、操作
感が悪く、特にドラッグ等の操作が困難であるという問
題点がある。また、両足を床面から離す必要があるた
め、操作の際の体の安定が悪くなり、使用中及び使用後
の疲労が大きいという問題点もある。さらに、足の位置
を測定するためのセンサを数多く必要とするため、コス
トがかかるという問題点もある。
【0014】特開平7−281816号公報に記載され
たものは、マウスのボタンに相当するボタンを1つしか
もっていないため、手や他方の足によって操作される装
置を別に備える必要があり、操作感が悪く、特にドラッ
グ等の操作が困難であるとともに、コストがかかるとい
う問題点がある。
【0015】特開平8−63281号公報、実開平4−
108243号公報及び実開平4−123431号公報
に記載されたものは、画面上の矢印等を移動させるため
に両足を必要とする構成になっているため、画面上の矢
印等を上下左右に自在に動かすのが困難であり、その他
の操作感も悪いという問題点がある。また、マウスのボ
タンに相当するスイッチを全くもっていないか、または
1つしかもっていないため、手や他方の足によって操作
される装置を別に備える必要があり、操作感が悪いとと
もに、コストがかかるという問題点もある。さらに、両
足を床面から離す必要があるため、操作の際の体の安定
が悪くなり、使用中及び使用後の疲労が大きいという問
題点もある。
【0016】実開平4−58755号公報に記載された
ものは、並べて配置された複数のペダルを片足または両
足で操作する構成になっているため、画面上の矢印等を
上下左右に自在に動かすのが困難であり、その他の操作
感も悪いという問題点がある。また、マウスのボタンに
相当するスイッチをもっていないため、手や他方の足に
よって操作される装置を別に備える必要があり、操作感
が悪いとともに、コストがかかるという問題点もある。
【0017】そこで、本発明の目的は、コンピュータの
画面上に表示される矢印、カーソル等の表示物を快適
に、かつ優れた操作感をもって操作することができる足
用ポインティングデバイスを提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る発明は、コンピュータの画面上に表
示される矢印、カーソル等の表示物を足によって操作す
る際に使用される足用ポインティングデバイスに関する
ものであり、床面に置かれるベースと、床面とほぼ平行
に2次元的に移動可能な状態で、ベースに取り付けられ
た移動部と、移動部に対して、床面にほぼ平行に設けら
れた回転軸を中心として回転可能に取り付けられ、足が
置かれる足置き部と、移動部の、ベースに対する2次元
的な移動量を検出する検出手段と、移動部に対して足置
き部が回転したときに接点が切り替わるスイッチと、検
出手段によって検出された移動部の移動量に応じて、画
面上において表示物を移動させる信号を発生する移動信
号発生手段とを備える。
【0019】請求項1に係る足用ポインティングデバイ
スにおいては、床面に置かれたベースに対して、足置き
部を介した足の力によって、移動部を床面とほぼ平行に
2次元的に移動させる。ベースに対する移動部の2次元
的な移動量は、検出手段によって検出される。また、足
で踏みつけることによって、移動部に対して足置き部を
回転させて傾ける。このとき、スイッチの接点が切り替
わる。そして、移動信号発生手段が発生する信号の作用
によって、コンピュータの画面上の矢印、カーソル等の
表示物は、検出手段によって検出された移動部の移動量
に応じて移動する。このようにして、画面上に表示され
る矢印、カーソル等の表示物を足によって操作すること
ができる。
【0020】請求項2に係る発明は、コンピュータの画
面上に表示される矢印、カーソル等の表示物を足によっ
て操作する際に使用される足用ポインティングデバイス
に関するものであり、床面に置かれるベースと、床面と
ほぼ平行な第1の方向に沿って、中立位置から両方の向
きに移動可能な状態で、ベースに取り付けられた第1の
移動部と、床面とほぼ平行でかつ第1の方向にほぼ垂直
な第2の方向に沿って、中立位置から両方の向きに移動
可能な状態で、第1の移動部に取り付けられた第2の移
動部と、第2の移動部に対して、第1及び第2の方向の
一方にほぼ平行に設けられた回転軸を中心として回転可
能に取り付けられ、足が置かれる足置き部と、足置き部
を介した足からの力に対抗して、第1の移動部を中立位
置に戻す向きの力を第1の移動部に与える第1の弾性体
と、足置き部を介した足からの力に対抗して、第2の移
動部を中立位置に戻す向きの力を第2の移動部に与える
第2の弾性体と、第1の移動部の、中立位置からの移動
量を検出する第1の検出手段と、第2の移動部の、中立
位置からの移動量を検出する第2の検出手段と、第2の
移動部に対して足置き部が一方の向きに回転したときに
接点が切り替わるスイッチと、画面の上下方向及び左右
方向の一方の方向における表示物の移動速度の成分が、
第1の検出手段によって検出された第1の移動部の移動
量に応じた大きさになるとともに、画面の上下方向及び
左右方向の他方の方向における表示物の移動速度の成分
が、第2の検出手段によって検出された第2の移動部の
移動量に応じた大きさになるように、表示物を移動させ
る信号を発生する移動信号発生手段とを備える。
【0021】請求項3に係る発明は、移動信号発生手段
から発生する信号は、第1及び第2の移動部の少なくと
も一方の移動量が第1のしきい値より小さいときに、表
示物の移動速度の対応する方向における成分をゼロにす
ることを特徴とする。
【0022】請求項4に係る発明は、第1及び第2の移
動部の少なくとも一方の移動量が第2のしきい値より小
さい場合における、移動量の増加に対する表示物の移動
速度の対応する方向における成分の増加の割合が、移動
量が第2のしきい値より大きい場合における、移動量の
増加に対する表示物の移動速度の対応する方向における
成分の増加の割合よりも小さくなるように、移動信号発
生手段から発生する信号は表示物を移動させることを特
徴とする。
【0023】請求項5に係る発明は、コンピュータの画
面上に表示される矢印、カーソル等の表示物を足によっ
て操作する際に使用される足用ポインティングデバイス
に関するものであり、床面に置かれるベースと、床面と
ほぼ平行な第1の方向に沿って、位置指定範囲を含む範
囲内を移動可能な状態で、ベースに取り付けられた第1
の移動部と、床面とほぼ平行でかつ第1の方向にほぼ垂
直な第2の方向に沿って、位置指定範囲を含む範囲内を
移動可能な状態で、第1の移動部に取り付けられた第2
の移動部と、第2の移動部に対して、第1及び第2の方
向の一方にほぼ平行に設けられた回転軸を中心として回
転可能に取り付けられ、足が置かれる足置き部と、足置
き部を介した足からの力に対抗して、第1の移動部を位
置指定範囲内に戻す向きの力を第1の移動部に与える第
1の弾性体と、足置き部を介した足からの力に対抗し
て、第2の移動部を位置指定範囲内に戻す向きの力を第
2の移動部に与える第2の弾性体と、ベースに対する第
1の移動部の位置を検出する第1の検出手段と、第1の
移動部に対する第2の移動部の位置を検出する第2の検
出手段と、第2の移動部に対して足置き部が一方の向き
に回転したときに接点が切り替わるスイッチと、第1の
移動部が位置指定範囲内にありかつ第2の移動部が位置
指定範囲内にあるときは、画面の上下方向及び左右方向
の一方の方向における表示物の位置を第1の移動部の位
置に対応させるとともに、画面の上下方向及び左右方向
の他方の方向における表示物の位置を第2の移動部の位
置に対応させ、第1の移動部が位置指定範囲の外にある
ときは、一方の方向における表示物の移動速度の成分
が、位置指定範囲を超えて第1の移動部が移動した範囲
外移動量に応じた大きさになり、第2の移動部が位置指
定範囲の外にあるときは、他方の方向における表示物の
移動速度の成分が、位置指定範囲を超えて第2の移動部
が移動した範囲外移動量に応じた大きさになるように、
表示物を移動させる信号を発生する移動信号発生手段と
を備える。
【0024】請求項6に係る発明は、第1及び第2の移
動部の少なくとも一方の範囲外移動量が第2のしきい値
より小さい場合における、範囲外移動量の増加に対する
表示物の移動速度の対応する方向における成分の増加の
割合が、範囲外移動量が第2のしきい値より大きい場合
における、範囲外移動量の増加に対する表示物の移動速
度の対応する方向における成分の増加の割合よりも小さ
くなるように、移動信号発生手段から発生する信号は表
示物を移動させることを特徴とする。
【0025】請求項7に係る発明は、表示物が画面上で
ほぼ停止しているときにのみ、スイッチの接点の切り替
えが有効になることを特徴とする。
【0026】請求項8に係る発明は、第2の移動部に対
して足置き部が他方の向きに回転したときに接点が切り
替わるスイッチをさらに備えたことを特徴とする。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に沿って本発明の
実施の形態について説明する。なお、図面において同一
又は相当部分には同一符号を用いるものとする。
【0028】近年、パーソナルコンピュータいわゆるパ
ソコンが、オフィスや家庭に急速に広まっている。この
パソコンを含むコンピュータにおいては、GUI(グラ
フィカル・ユーザー・インターフェース)が一般的にな
っており、コンピュータの出力装置であるブラウン管や
液晶表示装置等の画面上に表示される矢印、カーソル、
アイコン等の表示物を動かすために、マウス等のポイン
ティングデバイスが用いられている。このポインティン
グデバイスとして各種のものが実用化されているが、い
ずれも手で動かすのを前提としている。
【0029】ところで、パソコンの急速な普及に伴っ
て、手の不自由な人がパソコンを操作する状況も急速に
増えると考えられる。このような人にとって、手で動か
すのを前提としている現状のポインティングデバイス
は、非常に使いにくいもの、あるいは使用不可能なもの
である。
【0030】一方、手が不自由でない人であっても、キ
ーボードを打つ等の他の作業のために手がふさがってい
る場合には、現状のポインティングデバイスを使用する
のは容易でない。また、机の上が書類等でいっぱいにな
っている場合には、スペースがないためマウスを動かす
ことができない。
【0031】本発明は、このような状況を鑑みて、手の
不自由な人がコンピュータを操作する際には不可欠であ
り、手が不自由でない人にとっても有益である、足で操
作するポインティングデバイスを提供するものである。
【0032】(第1の実施形態)図1は、本発明の第1
の実施形態に係る足用ポインティングデバイスを横方向
から見たときの外観構成を模式的に示す側面図である。
このポインティングデバイスは、基本的には4個の要
素、すなわち床面6の方から順に、ベース12、前後移
動部14、左右移動部16、足置き部18から構成され
ている。ベース12は床面6の上に置かれ、床面6に対
して動かない。足置き部18には、この足用ポインティ
ングデバイスを操作する人の足20が置かれる。足置き
部18の上面は、平坦な形状になっており、足20の底
面との間で適当な摩擦が存在するように構成されてい
る。なお、左右移動部16は移動部を構成する。また、
前後移動部14は第1の移動部を構成し、左右移動部1
6は第2の移動部を構成する。
【0033】前後移動部14は、床面6とほぼ平行な方
向である第1の方向、ここでは前後方向(図1の矢印A
1の方向)に移動可能となるように、リニア型のころが
りガイドやすべりガイド等(図示せず)によって、ベー
ス12に取り付けられている。前後移動部14は、足2
0を前後方向に動かすことにより、中立位置(図1の位
置)から両方の向き、すなわち前向き(図1の左向き)
及び後ろ向き(図1の右向き)に移動する。ベース12
と前後移動部14との間には、弾性体を用いた機構(後
述する)が配置されており、前後移動部14が中立位置
から大きく移動するほど大きな反力が足20に加えられ
るようになっている。ベース12と前後移動部14との
間には可変抵抗器22(図2参照)が設けられており、
ベース12に対して前後移動部14が移動すると可変抵
抗器22の抵抗値が変化する。
【0034】左右移動部16は、床面6とほぼ平行でか
つ第1の方向にほぼ垂直な第2の方向、ここでは左右方
向(図1の紙面に垂直な方向、すなわち矢印A2の方
向)に移動可能となるように、リニア型のころがりガイ
ドやすべりガイド等(図示せず)によって、前後移動部
14に取り付けられている。左右移動部16は、足20
を左右方向に動かすことにより中立位置から両方の向
き、すなわち左向き(図1の紙面の奥から手前に向かう
向き)及び右向き(図1の紙面の手前から奥に向かう向
き)に移動する。
【0035】前後移動部14と左右移動部16との間に
も、弾性体を用いた機構(後述する)が配置されてお
り、左右移動部16が中立位置から大きく移動するほど
大きな反力が足20に加えられるようになっている。前
後移動部14と左右移動部16との間には可変抵抗器2
4(図2参照)が設けられており、前後移動部14に対
して左右移動部16が移動すると可変抵抗器24の抵抗
値が変化する。
【0036】なお、可変抵抗器22及び24は検出手段
を構成する。また、可変抵抗器22は第1の検出手段を
構成し、可変抵抗器24は第2の検出手段を構成する。
検出手段、第1の検出手段、第2の検出手段としては、
可変抵抗器以外に、リニア型のエンコーダやリニア型の
ポテンショメータ等を用いてもよい。
【0037】足置き部18は、ほぼ中央に設けられた回
転軸19を中心として、左右移動部16に対して矢印A
3及び矢印A4の両方の向きに回転するようになってお
り、足20のつま先またはかかとを踏み込むことにより
中立位置(図1の位置)から傾く。図1では、足置き部
18の回転軸19の方向は、矢印A2の方向と平行であ
るが、矢印A1の方向と平行であってもよい。すなわ
ち、足置き部が第2の移動部に対して回転するときの回
転軸は、第1及び第2の方向の一方の方向にほぼ平行で
あればよい。なお、回転軸19は、足置き部18の中央
に配置されていなくてもよく、かかと寄りまたはつま先
寄りに配置されていてもよい。
【0038】左右移動部16と足置き部18との間には
非線形特性のばね(図示せず)が取り付けられており、
足置き部18を踏み込んだときに足20に対して反力及
びクリック感が伝えられるようになっている。つま先を
踏み込んだとき及び解放したときにスイッチ26の接点
が切り替わり、かかとを踏み込んだとき及び解放したと
きにスイッチ28の接点が切り替わる。スイッチ26ま
たは28の接点が切り替わると、マウスのボタンを押し
たときあるいは離したときと同様の信号が発生する。な
お、スイッチは1つでもよい。すなわち、スイッチ2
6、28のうちのどちらか一方はなくてもよい。
【0039】スイッチ26及び28を、図1に示した位
置に配置されたリミットスイッチによって構成した場合
には、左右移動部16と足置き部18との間に取り付け
られる非線形特性のばねとして、これらのリミットスイ
ッチに組み込まれた非線形特性のばねをそのまま用いる
ことができる。リミットスイッチに組み込まれたばねの
力が足らない場合には、別の非線形特性のばねを追加し
てもよい。
【0040】なお、本明細書において、「ほぼ平行」と
は、2つの方向あるいは直線のなす角度が、20度以
下、好ましくは10度以下、さらに好ましくは5度以下
であることをいう。この角度が10度以下になると良好
な操作感が得られるという効果があり、5度以下になる
とさらに良好な操作感が得られるという効果がある。ま
た、「ほぼ垂直」とは、2つの方向あるいは直線のなす
角度が、70度以上110度以下、好ましくは80度以
上100度以下、さらに好ましくは85度以上95度以
下であることをいう。この角度が80度以上100度以
下になると良好な操作感が得られるという効果があり、
85度以上95度以下になるとさらに良好な操作感が得
られるという効果がある。
【0041】本実施形態に係る足用ポインティングデバ
イスは以上のように構成されているため、これを操作す
るために必要な動作は、足20を前後左右に動かす動作
と、つま先やかかとを踏み込む動作である。このため、
この足用ポインティングデバイスを操作する際には、足
20は常に足置き部18に置かれた状態になっており、
足置き部18から足20を離す動作が必要ない。従っ
て、重い足を持ち上げるために大きな力を使うことがな
く、疲労が小さくて済む。
【0042】また、図1に示すように、足20は靴を履
いたままの状態になっている。このように、本実施形態
に係る足用ポインティングデバイスを靴やスリッパを履
いたままの足20によって操作することができるのは、
足置き部18の上面が平坦な形状になっており、適当な
摩擦を有するためである。従って、裸足あるいは靴下を
履いた状態の足が本実施形態に係る足用ポインティング
デバイスに触れることがないため、衛生的である。ま
た、靴やスリッパを脱ぐ必要がないため、使用開始まで
に時間がかからない。
【0043】なお、図1では、床面6の方から、ベース
12、ベース12に対して前後方向に移動する前後移動
部14、前後移動部14に対して左右方向に移動する左
右移動部16、足置き部18の順で、これらの要素が配
置されているとしたが、ベース12に取り付けられた第
1の移動部の移動方向は、床面6とほぼ平行な第1の方
向であればよく、第1の移動部に取り付けられた第2の
移動部の移動方向は、床面6とほぼ平行でかつ第1の方
向にほぼ垂直な第2の方向であればよい。
【0044】従って、前後移動部と左右移動部の順番を
入れ替え、床面6の方から、ベース12、ベース12に
対して左右方向(図1の矢印A2の方向)に移動する左
右移動部、この左右移動部に対して前後方向(図1の矢
印A1の方向)に移動する前後移動部、足置き部18の
順で、これらの要素が配置されているとしてもよい。な
お、ベース12と左右移動部との間には、弾性体を用い
た機構、及び可変抵抗器が設けられ、左右移動部と前後
移動部との間にも、弾性体を用いた機構、及び可変抵抗
器が設けられる。
【0045】また、図1においては、足置き部18は1
枚の板状の部材から構成されているが、つま先を踏み込
んだときに左右移動部16に対して矢印A3の向きに傾
く部分と、かかとを踏み込んだときに左右移動部16に
対して矢印A4の向きに傾く部分とに分割されていても
よい。これら2つの部分の一方を傾けることにより、ス
イッチ26または28の接点が切り替わる。
【0046】次に、図2は、本実施形態に係る足用ポイ
ンティングデバイスの回路構成を示すブロック図であ
る。可変抵抗器22に設けられた抵抗体の両端の端子
は、一定の電圧源、例えば電源電圧とグランドとに接続
されている。このため、可変抵抗器22の摺動する端子
からは、ベース12に対する前後移動部14の移動量に
対応する電圧が出力される。例えば、電源電圧が5Vで
あって、摺動する端子が抵抗体のちょうど真ん中にある
ときに、摺動する端子から出力される電圧は2.5Vに
なる。
【0047】この電圧はA/D変換器30によってデジ
タル値に変換され、さらに非線形演算部32に伝達され
る。なお、A/D変換器30において、前後移動部14
が中立位置にあるときに、非線形演算部32の入力がゼ
ロになるように、一定値(前述の例では2.5)が減算
される。そして、画面上に表示される矢印等の移動速度
の画面の上下方向における成分は、非線形演算部32の
出力に対応し、この出力が大きいほどその成分も大きく
なる。
【0048】非線形演算部32の入力が増加したとき
に、非線形演算部32の出力が減少することはない。ま
た、入力が増加したときに出力のグラフの傾きが減少す
ることはない。すなわち、前後移動部14の中立位置か
らの移動量が増加したときに、その増加に対する、画面
上の矢印等の移動速度の対応する方向における成分の大
きさの傾きが減少することはない。
【0049】非線形演算部32の入力があるしきい値X
1(X1>0)よりも小さいとき、非線形演算部32の
出力はゼロになるように設定されている。しきい値X1
は、前後移動部14の移動量の第1のしきい値Q1(Q
1>0)に対応する。すなわち、前後移動部14の中立
位置からの移動量がQ1であるとき、非線形演算部32
の入力はX1になる。このとき、画面上の矢印等の移動
速度の対応する方向における成分、すなわち画面の上下
方向における成分はゼロになる。これは、ベース12に
対する前後移動部14の移動量が小さいときは、例え
ば、足置き部18を踏み込んでスイッチ26または28
から切り替え信号を発生させようとした際に前後移動部
14が過って動いてしまったような場合が多いからであ
る。
【0050】非線形演算部32の入力がしきい値X1を
超えたときに、非線形演算部32の出力は小さな傾きで
増加する。この状態では画面上の矢印等の移動速度が小
さいため、その矢印等を画面上のボタンやアイコン等の
上に容易に位置決めすることができる。非線形演算部3
2の入力がさらに大きくなって、別のしきい値X2(X
2>X1)を超えると、非線形演算部32の出力はより
大きな傾きで増加する。この状態では、画面上の矢印等
をすばやく動かすことができる。しきい値X2は、前後
移動部14の移動量の第2のしきい値Q2(Q2>Q
1)に対応する。すなわち、前後移動部14の中立位置
からの移動量がQ2であるとき、非線形演算部32の入
力はX2になる。
【0051】このような機能を有する非線形演算部32
が存在することによって、画面上の矢印等の位置決め容
易性と高速移動とを両立させることができる。従って、
本実施形態に係る足用ポインティングデバイスによっ
て、画面上の矢印等を優れた操作感をもって操作するこ
とができる。
【0052】前後移動部14を移動させた場合の対応す
る方向、すなわち画面の上下方向における矢印等の移動
速度の成分は、換言すると、次のようになる。すなわ
ち、前後移動部14の移動量が第2のしきい値Q2より
小さい場合における、移動量の増加に対する成分の増加
の割合は、移動量が第2のしきい値Q2より大きい場合
における、移動量の増加に対する成分の増加の割合より
も小さくなる。
【0053】このことを、図2に示した非線形演算部3
2のグラフを用いて言い換えると、次のようになる。す
なわち、前後移動部14の移動量が第2のしきい値Q2
より小さい場合における、入力の増加に対する出力の増
加の割合(Y2/(X2−X1))は、移動量が第2の
しきい値Q2より大きい場合における、入力の増加に対
する出力の増加の割合((YF1−Y2)/(XF1−
X2))よりも小さくなる。
【0054】これは、非線形演算部32の入力が正の場
合だけでなく、負の場合であっても同様である。つま
り、前後移動部14を前向きに移動させたときに非線形
演算部32の入力が正になって画面上の矢印等が画面の
上向きに移動すると仮定すると、前後移動部14を後ろ
向きに移動させた場合についても同様である。すなわ
ち、前後移動部14の後ろへの移動量が第2のしきい値
Q2より小さい場合における、移動量の増加に対する移
動速度の下向きの成分の増加の割合は、後ろへの移動量
が第2のしきい値Q2より大きい場合における、移動量
の増加に対する移動速度の下向きの成分の増加の割合よ
りも小さくなる。
【0055】このことを、図2に示した非線形演算部3
2のグラフを用いて言い換えると、次のようになる。す
なわち、前後移動部14の後ろへの移動量が第2のしき
い値Q2より小さい場合における、負の向きへの入力の
増加(X2−X1)に対する負の向きへの出力の増加
(Y2)の割合(Y2/(X2−X1))は、後ろへの
移動量が第2のしきい値Q2より大きい場合における、
負の向きへの入力の増加(XF1−X2)に対する負の
向きへの出力の増加(YF1−Y2)の割合((YF1
−Y2)/(XF1−X2))よりも小さくなる。
【0056】非線形演算部32の出力はパルス発生部3
4に伝達され、パルス発生部34は、非線形演算部32
の出力に比例した周波数のパルスを発生する。このパル
スの作用によって、画面上の矢印等が移動する。
【0057】可変抵抗器24、A/D変換器36、非線
形演算部38、パルス発生部40は前述の場合と同様に
構成されており、前後移動部14に対して左右移動部1
6を移動させると、画面上の矢印等の移動速度の画面の
左右方向における成分は、左右移動部16の移動量に応
じた大きさになる。
【0058】前述と同様に、非線形演算部38の入力が
あるしきい値X3(X3>0)よりも小さいとき、非線
形演算部38の出力はゼロになる。このとき、画面上の
矢印等の移動速度の対応する方向、すなわち画面の左右
方向における成分はゼロになる。また、非線形演算部3
8の入力がそのしきい値X3を超えたときに、非線形演
算部38の出力は小さな傾きで増加する。非線形演算部
38の入力がさらに大きくなって、別のしきい値X4
(X4>X3)を超えると、非線形演算部38の出力は
大きな傾きで増加する。しきい値X3は、左右移動部1
6の移動量の第1のしきい値Q3(Q3>0)に対応
し、しきい値X4は、左右移動部16の移動量の第2の
しきい値Q4(Q4>Q3)に対応する。
【0059】以上においては、非線形演算部32、38
のグラフの傾きが変化するのは1回だけであったが、2
回以上変化してもよい。また、非線形演算部32、38
のグラフは、直線には限らず、2次関数、3次関数、三
角関数等の曲線であってもよい。非線形演算部32、3
8のグラフがこれらの場合においても、入力が増加した
ときに出力が減少することはない。また、入力が増加し
たときに出力のグラフの傾きが減少することはない。す
なわち、前後移動部14または左右移動部16の中立位
置からの移動量が増加したときに、その増加に対する、
画面上の矢印等の移動速度の対応する方向の成分の大き
さの傾きが減少することはない。
【0060】図2に示した非線形演算部32のグラフに
おいては、グラフは原点について点対称に設定されてい
る。すなわち、前後移動部14を前向きに移動させたと
きの第1及び第2のしきい値は、前後移動部14を後ろ
向きに移動させたときの第1及び第2のしきい値とそれ
ぞれ同じ値に設定されている。しかし、前後移動部14
を前向きに移動させたときの第1のしきい値を、前後移
動部14を後ろ向きに移動させたときの第1のしきい値
とは異なるように設定し、前後移動部14を前向きに移
動させたときの第2のしきい値を、前後移動部14を後
ろ向きに移動させたときの第2のしきい値とは異なるよ
うに設定してもよい。図2に示した非線形演算部38の
グラフについても同様である。また、非線形演算部3
2、38のグラフの傾きが2回以上変化する場合、非線
形演算部32、38のグラフが曲線である場合も同様で
ある。
【0061】また、前後移動部14及び左右移動部16
の少なくとも一方の移動量が第1のしきい値Q1、Q3
より小さいときに、対応する方向における画面上の矢印
等の移動速度の成分がゼロになればよい。すなわち、入
力がしきい値X1、X3よりも小さいときに出力がゼロ
になる機能は、非線形演算部32及び非線形演算部38
のうちの一方だけが備えていてもよい。また、この機能
を非線形演算部32及び非線形演算部38の両方が備え
ている場合においても、X1とX3とは同じでもよいし
異なっていてもよく、Q1とQ3とは同じでもよいし異
なっていてもよい。
【0062】また、前後移動部14及び左右移動部16
の少なくとも一方の移動量が第2のしきい値Q2、Q4
より小さい場合における、移動量の増加に対する画面上
の矢印等の移動速度の対応する方向における成分の増加
の割合が、移動量が第2のしきい値Q2、Q4より大き
い場合における、移動量の増加に対する画面上の矢印等
の移動速度の対応する方向における成分の増加の割合よ
りも小さくなればよい。すなわち、入力がしきい値X
2、X4より小さいときに出力が小さな傾きで増加し、
入力がしきい値X2、X4より大きいときに出力が大き
な傾きで増加する機能は、非線形演算部32及び非線形
演算部38のうちの一方だけが備えていてもよい。
【0063】また、この機能を非線形演算部32及び非
線形演算部38の両方が備えている場合においても、X
2とX4とは同じでもよいし異なっていてもよく、Y2
とY4とは同じでもよいし異なっていてもよく、Q2と
Q4とは同じでもよいし異なっていてもよい。
【0064】パルス発生部34、40、スイッチ26、
28の出力信号は、シリアル信号発生部42に伝達さ
れ、シリアル信号発生部42は、これらの信号を合成し
たシリアル信号を発生してパソコンに出力する。なお、
このようなシリアル信号への合成が必要なのはパソコン
がいわゆるDOS/V機のときであり、パソコンがいわ
ゆるPC−98シリーズのときには、シリアル信号発生
部42を省略することができる。
【0065】なお、A/D変換器30、36、非線形演
算部32、38、パルス発生部34、40、シリアル信
号発生部42は、ワンチップマイコン及びソフトウェア
によって構成される。このワンチップマイコンに含まれ
るハードウェアの一部または全部を個別の電子部品で置
き換えてもよい。また、A/D変換器30、36、非線
形演算部32、38、パルス発生部34、40、及びシ
リアル信号発生部42によって移動信号発生手段が構成
される。
【0066】次に、前述の「弾性体を用いた機構」、す
なわち前後移動部14または左右移動部16を中立位置
に戻すための機構について、図3を用いて説明する。図
3は、本発明の第1の実施形態に係る足用ポインティン
グデバイスにおいて使用されている、「弾性体を用いた
機構」を模式的に示す図である。
【0067】先ず、ベース12と前後移動部14との間
に配置された「弾性体を用いた機構」について説明す
る。図3(a)、(b)において、下部ストッパ44、
46はベース12に固定されている。上部ストッパ4
8、50は前後移動部14に固定されていて、前後移動
部14とともに移動する。2つの下部ストッパ44、4
6の外側の間隔と、2つの上部ストッパ48、50の外
側の間隔とは等しくされている。
【0068】ストッパ44、46、48、50の両側に
は、可動片52、54が配置されている。2つの可動片
52、54の間には弾性体56が取り付けられており、
2つの可動片52、54は、相互の間に弾性体56によ
る引っ張り力を与えられている。弾性体56としては、
図3(a)、(b)に示したようなばねのほか、ゴム、
プラスチック等も用いることができる。可動片52、5
4は、図示しない機構によって並進運動しかできないよ
うにされており、ストッパ44、46、48、50に対
して傾かない。このような機構としては、例えば、パイ
プとこのパイプに嵌め込まれたシャフトの組み合わせ、
溝とこの溝に填めこまれた凸部の組み合わせ、リンク機
構、リニア型のころがりガイド、リニア型のすべりガイ
ド等がある。
【0069】ベース12と前後移動部14との間には、
前述の可変抵抗器22も配置されている。可変抵抗器2
2の本体58はベース12に固定され、摺動してスライ
ドする端子60は前後移動部14に固定されている。従
って、ベース12に対して前後移動部14が移動する
と、その移動量が可変抵抗器22によって検出される。
例えば、可変抵抗器22の抵抗体の両端を電源電圧及び
グランドに接続しておけば、摺動する端子60の電圧に
よって前後移動部14の移動量を検出することができ
る。
【0070】前後移動部14に足20からの力が加えら
れていない場合には、弾性体56の引っ張り力のため
に、上部ストッパ48、50の位置が下部ストッパ4
4、46に揃っている図3(a)の状態になる。この状
態では、可動片52は下部ストッパ44及び上部ストッ
パ48の両方に当接し、可動片54は下部ストッパ46
及び上部ストッパ50の両方に当接している。従って、
足20が力を出していないときには、上部ストッパ4
8、50とともに移動する前後移動部14は、図3
(a)の状態に対応する中立位置にくる。
【0071】可変抵抗器22が前述の例のように接続さ
れていて、このように前後移動部14が中立位置にある
とき、可変抵抗器22の摺動する端子60の電圧は、電
源電圧の半分の値になる。
【0072】足20が力を出して、前後移動部14を図
3(a)の左向きに移動させると、上部ストッパ48、
50も同じ向きに移動し、図3(b)のような状態にな
る。この状態では、可動片52は上部ストッパ48にの
み当接し、下部ストッパ44からは離れており、可動片
54は下部ストッパ46にのみ当接し、上部ストッパ5
0からは離れている。
【0073】従って、弾性体56による引っ張り力は、
下部ストッパ46と上部ストッパ48の距離を狭めよう
とするが、下部ストッパ46はベース12に固定されて
いて移動できないため、上部ストッパ48が図3(b)
の右向きに移動しようとする。このため、上部ストッパ
48とともに移動する前後移動部14も同じ向きに移動
しようとし、図3(a)の状態すなわち中立位置に戻ろ
うとする。このとき、足20には、足置き部18の上面
と足20の下面との間の摩擦力を介して、反力が伝達さ
れる。
【0074】足20が反対向きの力を出して、前後移動
部14を図3(a)の右向きに移動させた場合には、可
動片52は下部ストッパ44にのみ当接し、上部ストッ
パ48からは離れており、可動片54は上部ストッパ5
0にのみ当接し、下部ストッパ46からは離れている。
従って、弾性体56による引っ張り力は、下部ストッパ
44と上部ストッパ50の距離を狭めようとし、上部ス
トッパ50が図3(a)の左向きに移動しようとする。
このため、上部ストッパ50とともに移動する前後移動
部14も同じ向きに移動しようとし、中立位置に戻ろう
とする。
【0075】なお、前後移動部14が中立位置から大き
く移動するほど、弾性体56の伸びが大きくなって、大
きな反力が足20に伝達される。また、図3(a)に示
された弾性体56の長さ、すなわち前後移動部14が中
立位置にある場合の弾性体56の長さを、弾性体56の
自然の長さよりも長く設定しておくことにより、足20
が一定以上の力を出さないと、前後移動部14は中立位
置にある状態を保つようにすることができる。このよう
にすることにより、足置き部18を踏み込んでスイッチ
26または28から切り替え信号を発生させようとした
際に、前後移動部14が過って動いてしまい、画面上の
矢印等が動いてしまうという事態を防止することができ
る。
【0076】前後移動部14と左右移動部16との間に
配置されている「弾性体を用いた機構」も、前述と同様
に構成されている。この場合は、下部ストッパ44、4
6は前後移動部14に固定されていて、左右方向には動
かない。上部ストッパ48、50は左右移動部16に固
定されていて、左右移動部16とともに左右方向に移動
する。
【0077】ベース12及び前後移動部14の間に設け
られた弾性体を用いた機構が発生する反力と、前後移動
部14及び左右移動部16の間に設けられた弾性体を用
いた機構が発生する反力とは、同一であってもよいが、
異なっていることが好ましい。2つの反力を異ならせる
ことにより、一般に異なる大きさである足20を前後方
向に動かす力と左右方向に動かす力とに、2つの反力の
大きさをそれぞれ対応させることができる。
【0078】床面6の方から、ベース12、左右移動
部、前後移動部、足置き部18の順で、これらの要素が
配置されている場合における、ベース12と左右移動部
の間に配置される「弾性体を用いた機構」、左右移動部
と前後移動部の間に配置される「弾性体を用いた機構」
も前述と同様に構成される。
【0079】(第2の実施形態)次に、第2の実施形態
について説明する。本実施形態に係る足用ポインティン
グデバイスの外観構成は、図1と同様であるから、その
説明は省略する。また、本実施形態に係る足用ポインテ
ィングデバイスの回路構成は、図2とほぼ同様であり、
非線形演算部32、38及びパルス発生部34、40だ
けが後述するように異なっている。
【0080】図4は、本実施形態に係る足用ポインティ
ングデバイスにおいて使用されている「弾性体を用いた
機構」を模式的に示す図である。図3においては、2つ
の上部ストッパ48、50の外側の間隔は、2つの下部
ストッパ44、46の外側の間隔と等しくされていた
が、図4においては、2つの上部ストッパ62、64の
外側の間隔は、2つの下部ストッパ44、46の外側の
間隔よりも狭くされている。上部ストッパ62、64
は、図3の場合と同様、前後移動部14または左右移動
部16に固定されている。
【0081】前後移動部14または左右移動部16が、
図4の状態から図4の左向きに移動した場合、上部スト
ッパ62が可動片52に当接するまで、すなわち図4中
の距離D1を進むまでは、前後移動部14または左右移
動部16は、弾性体56から反力を受けない。同様に、
前後移動部14または左右移動部16が、図4の状態か
ら図4の右向きに移動した場合、上部ストッパ64が可
動片54に当接するまで、すなわち図4中の距離D2を
進むまでは、前後移動部14または左右移動部16は、
弾性体56から反力を受けない。
【0082】従って、前後移動部14または左右移動部
16は、距離(D1+D2)の範囲においては、前後移
動部14とベース12との間、または左右移動部16と
前後移動部14との間に設けられたリニア型のころがり
ガイド等が有する摩擦力だけを主に受け、弾性体56か
らの反力を受けない状態で移動することになる。
【0083】図5(a)は、前後移動部14のベース1
2に対する移動、及び左右移動部16の前後移動部14
に対する移動にともなって、足置き部18上の1点P
(例えば、足置き部18の上面の中央の点)が動く領域
を上方(図1において足20がある方)から見たところ
を示した図である。図5(a)において、横方向は、前
後移動部14がベース12に対して移動する方向(図1
の矢印A1の方向)に一致し、縦方向は、左右移動部1
6が前後移動部14に対して移動する方向(図1の矢印
A2の方向)に一致するものとする。
【0084】図5(a)中の境界線L1は、前後移動部
14が前向き(図5(a)の右向き)に移動した場合
に、弾性体56から反力を受け始めるときの点Pが存在
する位置であり、境界線L2は、ベース12と前後移動
部14との間に設けられたリニア型のガイド等のストロ
ークいっぱいまで、前後移動部14が前向きに移動した
ときの点Pが存在する位置である。また、境界線L3
は、前後移動部14が後ろ向き(図5(a)の左向き)
に移動した場合に、弾性体56から反力を受け始めると
きの点Pが存在する位置であり、境界線L4は、ベース
12と前後移動部14との間に設けられたリニア型のガ
イド等のストロークいっぱいまで、前後移動部14が後
ろ向きに移動したときの点Pが存在する位置である。
【0085】境界線L5は、左右移動部16が左向き
(図5(a)の上向き)に移動した場合に、弾性体56
から反力を受け始めるときの点Pが存在する位置であ
り、境界線L6は、前後移動部14と左右移動部16と
の間に設けられたリニア型のガイド等のストロークいっ
ぱいまで、左右移動部16が左向きに移動したときの点
Pが存在する位置である。また、境界線L7は、左右移
動部16が右向き(図5(a)の下向き)に移動した場
合に、弾性体56から反力を受け始めるときの点Pが存
在する位置であり、境界線L8は、前後移動部14と左
右移動部16との間に設けられたリニア型のガイド等の
ストロークいっぱいまで、左右移動部16が右向きに移
動したときの点Pが存在する位置である。
【0086】図5(a)において、「位置指定範囲」と
書かれている距離、すなわち境界線L1とL3との距離
は、弾性体56からの反力を受けずに前後移動部14が
移動できる距離(D1+D2)に一致する。点Pがこの
位置指定範囲にあるとき、「前後移動部14が位置指定
範囲にある」というものとし、このとき、画面上の矢印
等の画面の上下方向における位置は、ベース12に対す
る前後移動部14の位置に対応させられる。同様に、左
右移動部16が、境界線L5とL7との間の位置指定範
囲にあるとき、画面上の矢印等の画面の左右方向におけ
る位置は、前後移動部14に対する左右移動部16の位
置に対応させられる。
【0087】従って、前後移動部14及び左右移動部1
6の位置がそれぞれ位置指定範囲にあるときは、画面上
の矢印等の位置をマウスの位置に対応させるのと同様
に、画面上の矢印等の位置を足置き部18の位置に対応
させることができる。すなわち、画面上の矢印等の位置
を足置き部18の位置によって指定することができる。
【0088】ところで、マウスの場合には、マウスを持
ち上げてから別の場所に下ろす操作を加えることによ
り、画面上の矢印等を大きく動かすことができる。本実
施形態に係る足用ポインティングデバイスにおいては、
画面上の矢印等を大きく動かすために、位置指定範囲の
外側に画面上の矢印等の移動速度を指定する領域が設け
られている。
【0089】例えば、境界線L1を超えることにより位
置指定範囲を超えて前後移動部14を前向き(図5
(a)の右向き)に移動させた場合には、画面上の矢印
等の画面の上下方向における速度成分は、上向きにな
り、前後移動部14が位置指定範囲を超えて移動した範
囲外移動量、すなわち境界線L1からの距離に応じた大
きさにされる。また、境界線L3を超えることにより位
置指定範囲を超えて前後移動部14を後ろ向き(図5
(a)の左向き)に移動させた場合には、画面上の矢印
等の画面の上下方向における速度成分は、下向きにな
り、前後移動部14が位置指定範囲を超えて移動した範
囲外移動量、すなわち境界線L3からの距離に応じた大
きさにされる。
【0090】同様に、位置指定範囲を超えて左右移動部
16を移動させた場合には、画面上の矢印等の画面の左
右方向における速度成分は、左右移動部16が位置指定
範囲を超えて移動した範囲外移動量に応じた大きさにさ
れる。
【0091】前後移動部14または左右移動部16の範
囲外移動量が増加したときに、対応する速度成分が小さ
くなることはない。また、前後移動部14または左右移
動部16の範囲外移動量が増加したときに、その増加に
対する、画面上の矢印等の移動速度の対応する方向にお
ける成分の大きさの傾きが減少することはない。
【0092】なお、図4に示された弾性体56の長さ、
すなわち前後移動部14が位置指定範囲にある場合の弾
性体56の長さを、弾性体56の自然の長さよりも長く
設定しておくことにより、足20が一定以上の力を出さ
ないと、前後移動部14は位置指定範囲内にある状態を
保つようにすることができる。このようにすることによ
り、位置指定範囲内のぎりぎりの所で前後移動部14を
動かして、画面上の矢印等を位置決めしようとしたとき
に、前後移動部14が位置指定範囲の外に動いてしまい
画面上の矢印等の位置が大きくずれてしまうという事態
を防止することができる。
【0093】図5(b)は、前後移動部14が位置指定
範囲を超えた場合における、画面上の矢印等の移動速度
の画面の上下方向における成分の大きさを示すグラフで
ある。このグラフの横軸は非線形演算部の入力、縦軸は
非線形演算部の出力になっている。ただし、入力が−X
5とX5の間にある範囲、すなわち位置指定範囲に対応
する範囲においては、非線形演算部及びパルス発生部は
前述のように画面上の矢印等の位置を制御するため、こ
の範囲内にグラフは存在せず、書かれていない。
【0094】なお、ここで説明された非線形演算部及び
パルス発生部は、図2に示された非線形演算部32及び
パルス発生部34と置き換わるものである。
【0095】非線形演算部の入力がしきい値X5を超え
たときに、非線形演算部の出力は小さな傾きで増加す
る。非線形演算部の入力がさらに大きくなって、別のし
きい値X6(X6>X5)を超えると、非線形演算部の
出力はより大きな傾きで増加する。しきい値X6は、前
後移動部14の範囲外移動量の第2のしきい値Q5に対
応する。すなわち、前後移動部14の範囲外移動量が第
2のしきい値Q5に一致するとき、非線形演算部の入力
はX6になる。このとき、図5(a)において、前述の
点Pは境界線L9上にくる。
【0096】以上のような機能を有する非線形演算部及
びパルス発生部が存在することによって、画面上の矢印
等の位置決め容易性をさらに高めることができる。従っ
て、本実施形態に係る足用ポインティングデバイスによ
って、画面上の矢印等をさらに優れた操作感をもって操
作することができる。
【0097】前後移動部14を移動させた場合の対応す
る方向、すなわち画面の上下方向における矢印等の移動
速度の成分は、換言すると、次のようになる。すなわ
ち、前後移動部14の範囲外移動量が第2のしきい値Q
5より小さい場合における、範囲外移動量の増加に対す
る成分の増加の割合は、範囲外移動量が第2のしきい値
Q5より大きい場合における、範囲外移動量の増加に対
する成分の増加の割合よりも小さくなる。
【0098】このことを、図5(b)に示した非線形演
算部のグラフを用いて言い換えると、次のようになる。
すなわち、前後移動部14の範囲外移動量が第2のしき
い値Q5より小さい場合における、入力の増加に対する
出力の増加の割合(Y6/(X6−X5))は、範囲外
移動量が第2のしきい値Q5より大きい場合における、
入力の増加に対する出力の増加の割合((YF3−Y
6)/(XF3−X6))よりも小さくなる。
【0099】これは、非線形演算部の入力が正の場合だ
けでなく、負の場合であっても同様である。つまり、前
後移動部14を前向きに移動させたときに非線形演算部
の入力が正になって画面上の矢印等が画面の上向きに移
動すると仮定すると、前後移動部14を後ろ向きに移動
させた場合についても同様である。すなわち、前後移動
部14の後ろへの範囲外移動量が第2のしきい値Q5よ
り小さい場合における、範囲外移動量の増加に対する移
動速度の下向きの成分の増加の割合は、後ろへの範囲外
移動量が第2のしきい値Q5より大きい場合における、
範囲外移動量の増加に対する移動速度の下向きの成分の
増加の割合よりも小さくなる。なお、前後移動部14の
後ろへの範囲外移動量が第2のしきい値Q5に一致する
とき、図5(a)において、前述の点Pは境界線L10
上にくる。
【0100】このことを、図5(b)に示した非線形演
算部のグラフを用いて言い換えると、次のようになる。
すなわち、前後移動部14の後ろへの範囲外移動量が第
2のしきい値Q5より小さい場合における、負の向きへ
の入力の増加(X6−X5)に対する負の向きへの出力
の増加(Y6)の割合(Y6/(X6−X5))は、後
ろへの範囲外移動量が第2のしきい値Q5より大きい場
合における、負の向きへの入力の増加(XF3−X6)
に対する負の向きへの出力の増加(YF3−Y6)の割
合((YF3−Y6)/(XF3−X6))よりも小さ
くなる。
【0101】以上においては、非線形演算部のグラフの
傾きが変化するのは1回だけであったが、2回以上変化
してもよい。また、非線形演算部のグラフは、直線には
限らず、2次関数、3次関数、三角関数等の曲線であっ
てもよい。非線形演算部のグラフがこれらの場合におい
ても、入力が増加したときに出力が減少することはな
い。また、入力が増加したときに出力のグラフの傾きが
減少することはない。すなわち、前後移動部14の範囲
外移動量が増加したときに、その増加に対する、画面上
の矢印等の移動速度の対応する方向の成分の大きさの傾
きが減少することはない。
【0102】図5(b)に示した非線形演算部のグラフ
においては、グラフは原点について点対称に設定されて
いる。すなわち、前後移動部14を前向きに移動させた
ときの第2のしきい値は、前後移動部14を後ろ向きに
移動させたときの第2のしきい値と同じ値に設定されて
いる。しかし、前後移動部14を前向きに移動させたと
きの第2のしきい値を、前後移動部14を後ろ向きに移
動させたときの第2のしきい値とは異なるように設定し
てもよい。非線形演算部のグラフの傾きが2回以上変化
する場合、非線形演算部のグラフが曲線である場合も同
様である。
【0103】図2のA/D変換器36の後段にくるべ
き、非線形演算部38に置き換わる非線形演算部も、以
上で説明した非線形演算部と同様に構成されている。左
右移動部16の左への範囲外移動量が第2のしきい値に
一致するとき、図5(a)において、前述の点Pは境界
線L11上にくる。また、左右移動部16の右への範囲
外移動量が第2のしきい値に一致するとき、図5(a)
において、前述の点Pは境界線L12上にくる。
【0104】また、前後移動部14及び左右移動部16
の少なくとも一方の範囲外移動量が第2のしきい値より
小さい場合における、範囲外移動量の増加に対する画面
上の矢印等の移動速度の対応する方向における成分の増
加の割合が、範囲外移動量が第2のしきい値より大きい
場合における、範囲外移動量の増加に対する画面上の矢
印等の移動速度の対応する方向における成分の増加の割
合よりも小さくなればよい。すなわち、入力がしきい値
X6等より小さいときに出力が小さな傾きで増加し、入
力がしきい値X6等より大きいときに出力が大きな傾き
で増加する機能は、非線形演算部32に置き換わる非線
形演算部と、非線形演算部38に置き換わる非線形演算
部のうちの一方だけが備えていてもよい。
【0105】また、この機能を非線形演算部32に置き
換わる非線形演算部と、非線形演算部38に置き換わる
非線形演算部の両方が備えている場合においても、図5
(b)のグラフの形状と、左右移動部16を移動させる
場合の図5(b)に対応するグラフの形状とは、同じで
もよいし異なっていてもよい。
【0106】左右移動部16が位置指定範囲内にある状
態で、前後移動部14が位置指定範囲を超えた場合の、
画面上の矢印等の画面の左右方向における位置は、前後
移動部14が位置指定範囲を超えた瞬間の位置と同一で
あってもよいし、左右移動部16の現在の位置に対応す
る位置としてもよい。前後移動部14が位置指定範囲内
にある状態で、左右移動部16が位置指定範囲を超えた
場合についても同様である。
【0107】第1及び第2の実施形態において、足置き
部18を傾けてスイッチ26、28の接点を切り替える
のは、画面上の矢印等を画面上のボタンやアイコン等の
上に位置決めして、その矢印等が画面上でほぼ停止して
いるときである。従って、画面上の矢印等が画面上でほ
ぼ停止しているときにのみ、スイッチ26、28の接点
の切り替えを有効にするのが好ましい。このようにする
ことにより、足置き部18を前後左右に動かして画面上
の矢印等を位置決めしているときに、足置き部18が過
って傾けられた場合のスイッチ26、28の誤動作を防
止することができる。なお、画面上の矢印等が画面上で
ほぼ停止しているときにのみ接点の切り替えが有効にな
る機能は、スイッチ26及びスイッチ28のうちの一方
だけが備えていてもよい。
【0108】ここで、「ほぼ停止している」には、通常
の視力を有する者が見たときに停止しているように見え
る程度の速度(秒速数ミリメートル以下)で画面上の矢
印等が画面上を移動している状態を含むものをする。
【0109】第1の実施形態において、前後移動部1
4、左右移動部16の移動量が第1のしきい値Q1、Q
3より小さいときに、画面上の矢印等の移動速度の画面
の上下方向または左右方向における成分がゼロになるよ
うにされている場合には、非線形演算部32の入力がし
きい値X1よりも小さく、かつ非線形演算部38の入力
がしきい値X3よりも小さいときにのみ、スイッチ2
6、28の接点の切り替えを有効にすればよい。
【0110】次に、第1及び第2の実施形態に係る足用
ポインティングデバイスを用いたドラッグのやり方につ
いて説明する。ドラッグとは、画面上に表示されたアイ
コン等を引きずって、その表示場所を移動させる操作の
ことである。まず、足置き部18を前後左右に移動させ
ることによって、画面上の矢印等をアイコン等の上に移
動させる。続いて、つま先またはかかとを踏み込み、踏
み込んだ状態のまま足置き部18を前後左右に移動さ
せ、そのアイコン等を移動させたい場所に引きずってい
く。そして、踏み込んでいたつま先またはかかとを元に
戻すことにより、ドラッグが完了する。このようなドラ
ッグのやり方は、アイコン等を引きずって運んでいくと
いうドラッグのイメージと非常によく一致するものであ
る。従って、第1及び第2の実施形態に係る足用ポイン
ティングデバイスによってドラッグを行う際の操作感
は、非常に優れたものである。
【0111】なお、第1及び第2の実施形態に係る足用
ポインティングデバイスは、パソコンの他に、ワークス
テーション、大型計算機、電子手帳等の携帯用装置、ワ
ープロ専用機、インターネット専用端末等にも同様に使
用することができ、これらもコンピュータに含むものと
する。
【0112】
【発明の効果】以上のように、本発明の足用ポインティ
ングデバイスは、コンピュータの画面上に表示される矢
印、カーソル等の表示物を足によって操作する際に使用
される足用ポインティングデバイスに関するものであ
り、床面に置かれるベースと、床面とほぼ平行に2次元
的に移動可能な状態でベースに取り付けられた移動部
と、移動部に対して床面にほぼ平行に設けられた回転軸
を中心として回転可能に取り付けられ足が置かれる足置
き部と、移動部のベースに対する2次元的な移動量を検
出する検出手段と、移動部に対して足置き部が回転した
ときに接点が切り替わるスイッチと、検出手段によって
検出された移動部の移動量に応じて画面上において表示
物を移動させる信号を発生する移動信号発生手段とを備
えるので、表示物を快適にかつ優れた操作感をもって操
作することのできる足用ポインティングデバイスを得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る足用ポインティ
ングデバイスを横方向から見たときの外観構成を模式的
に示す側面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る足用ポインティ
ングデバイスの回路構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る足用ポインティ
ングデバイスにおいて使用されている、弾性体を用いた
機構を模式的に示す図であり、(a)は前後移動部が中
立位置にある状態、(b)は前後移動部が一方の向きに
移動した状態を示している。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る足用ポインティ
ングデバイスにおいて使用されている、弾性体を用いた
機構を模式的に示す図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る足用ポインティ
ングデバイスの機能を説明するための図であり、(a)
は、前後移動部及び左右移動部の移動にともなって、足
置き部上の1点が動く領域を示した図であり、(b)
は、前後移動部が位置指定範囲を超えた場合における、
画面上の矢印等の移動速度の画面の上下方向における成
分の大きさを示すグラフである。
【図6】従来の技術に係る足用ポインティングデバイス
を横方向から見たときの外観構成を模式的に示す側面図
である。
【符号の説明】
6…床面、12…ベース、14…前後移動部、16…左
右移動部、18…足置き部、19…回転軸、20…足、
22、24…可変抵抗器、26、28…スイッチ、3
0、36…A/D変換器、32、38…非線形演算部、
34、40…パルス発生部、42…シリアル信号発生
部、56…弾性体。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンピュータの画面上に表示される矢
    印、カーソル等の表示物を足によって操作する際に使用
    される足用ポインティングデバイスであって、 床面に置かれるベースと、 前記床面とほぼ平行に2次元的に移動可能な状態で、前
    記ベースに取り付けられた移動部と、 前記移動部に対して、前記床面にほぼ平行に設けられた
    回転軸を中心として回転可能に取り付けられ、足が置か
    れる足置き部と、 前記移動部の、前記ベースに対する2次元的な移動量を
    検出する検出手段と、 前記移動部に対して前記足置き部が回転したときに接点
    が切り替わるスイッチと、 前記検出手段によって検出された前記移動部の移動量に
    応じて、前記画面上において前記表示物を移動させる信
    号を発生する移動信号発生手段とを備えた足用ポインテ
    ィングデバイス。
  2. 【請求項2】 コンピュータの画面上に表示される矢
    印、カーソル等の表示物を足によって操作する際に使用
    される足用ポインティングデバイスであって、 床面に置かれるベースと、 前記床面とほぼ平行な第1の方向に沿って、中立位置か
    ら両方の向きに移動可能な状態で、前記ベースに取り付
    けられた第1の移動部と、 前記床面とほぼ平行でかつ前記第1の方向にほぼ垂直な
    第2の方向に沿って、中立位置から両方の向きに移動可
    能な状態で、前記第1の移動部に取り付けられた第2の
    移動部と、 前記第2の移動部に対して、前記第1及び第2の方向の
    一方にほぼ平行に設けられた回転軸を中心として回転可
    能に取り付けられ、足が置かれる足置き部と、 前記足置き部を介した足からの力に対抗して、前記第1
    の移動部を前記中立位置に戻す向きの力を前記第1の移
    動部に与える第1の弾性体と、 前記足置き部を介した足からの力に対抗して、前記第2
    の移動部を前記中立位置に戻す向きの力を前記第2の移
    動部に与える第2の弾性体と、 前記第1の移動部の、前記中立位置からの移動量を検出
    する第1の検出手段と、 前記第2の移動部の、前記中立位置からの移動量を検出
    する第2の検出手段と、 前記第2の移動部に対して前記足置き部が一方の向きに
    回転したときに接点が切り替わるスイッチと、 前記画面の上下方向及び左右方向の一方の方向における
    前記表示物の移動速度の成分が、前記第1の検出手段に
    よって検出された前記第1の移動部の移動量に応じた大
    きさになるとともに、前記画面の上下方向及び左右方向
    の他方の方向における前記表示物の移動速度の成分が、
    前記第2の検出手段によって検出された前記第2の移動
    部の移動量に応じた大きさになるように、前記表示物を
    移動させる信号を発生する移動信号発生手段とを備えた
    足用ポインティングデバイス。
  3. 【請求項3】 前記移動信号発生手段から発生する信号
    は、前記第1及び第2の移動部の少なくとも一方の移動
    量が第1のしきい値より小さいときに、前記表示物の移
    動速度の対応する方向における成分をゼロにすることを
    特徴とする請求項2に記載の足用ポインティングデバイ
    ス。
  4. 【請求項4】 前記第1及び第2の移動部の少なくとも
    一方の移動量が第2のしきい値より小さい場合におけ
    る、前記移動量の増加に対する前記表示物の移動速度の
    対応する方向における成分の増加の割合が、前記移動量
    が前記第2のしきい値より大きい場合における、前記移
    動量の増加に対する前記表示物の移動速度の対応する方
    向における成分の増加の割合よりも小さくなるように、
    前記移動信号発生手段から発生する信号は前記表示物を
    移動させることを特徴とする請求項2または3に記載の
    足用ポインティングデバイス。
  5. 【請求項5】 コンピュータの画面上に表示される矢
    印、カーソル等の表示物を足によって操作する際に使用
    される足用ポインティングデバイスであって、 床面に置かれるベースと、 前記床面とほぼ平行な第1の方向に沿って、位置指定範
    囲を含む範囲内を移動可能な状態で、前記ベースに取り
    付けられた第1の移動部と、 前記床面とほぼ平行でかつ前記第1の方向にほぼ垂直な
    第2の方向に沿って、位置指定範囲を含む範囲内を移動
    可能な状態で、前記第1の移動部に取り付けられた第2
    の移動部と、 前記第2の移動部に対して、前記第1及び第2の方向の
    一方にほぼ平行に設けられた回転軸を中心として回転可
    能に取り付けられ、足が置かれる足置き部と、 前記足置き部を介した足からの力に対抗して、前記第1
    の移動部を前記位置指定範囲内に戻す向きの力を前記第
    1の移動部に与える第1の弾性体と、 前記足置き部を介した足からの力に対抗して、前記第2
    の移動部を前記位置指定範囲内に戻す向きの力を前記第
    2の移動部に与える第2の弾性体と、 前記ベースに対する前記第1の移動部の位置を検出する
    第1の検出手段と、 前記第1の移動部に対する前記第2の移動部の位置を検
    出する第2の検出手段と、 前記第2の移動部に対して前記足置き部が一方の向きに
    回転したときに接点が切り替わるスイッチと、 前記第1の移動部が前記位置指定範囲内にありかつ前記
    第2の移動部が前記位置指定範囲内にあるときは、前記
    画面の上下方向及び左右方向の一方の方向における前記
    表示物の位置を前記第1の移動部の位置に対応させると
    ともに、前記画面の上下方向及び左右方向の他方の方向
    における前記表示物の位置を前記第2の移動部の位置に
    対応させ、前記第1の移動部が前記位置指定範囲の外に
    あるときは、前記一方の方向における前記表示物の移動
    速度の成分が、前記位置指定範囲を超えて前記第1の移
    動部が移動した範囲外移動量に応じた大きさになり、前
    記第2の移動部が前記位置指定範囲の外にあるときは、
    前記他方の方向における前記表示物の移動速度の成分
    が、前記位置指定範囲を超えて前記第2の移動部が移動
    した範囲外移動量に応じた大きさになるように、前記表
    示物を移動させる信号を発生する移動信号発生手段とを
    備えた足用ポインティングデバイス。
  6. 【請求項6】 前記第1及び第2の移動部の少なくとも
    一方の前記範囲外移動量が第2のしきい値より小さい場
    合における、前記範囲外移動量の増加に対する前記表示
    物の移動速度の対応する方向における成分の増加の割合
    が、前記範囲外移動量が前記第2のしきい値より大きい
    場合における、前記範囲外移動量の増加に対する前記表
    示物の移動速度の対応する方向における成分の増加の割
    合よりも小さくなるように、前記移動信号発生手段から
    発生する信号は前記表示物を移動させることを特徴とす
    る請求項5に記載の足用ポインティングデバイス。
  7. 【請求項7】 前記表示物が前記画面上でほぼ停止して
    いるときにのみ、前記スイッチの接点の切り替えが有効
    になることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに
    記載の足用ポインティングデバイス。
  8. 【請求項8】 前記第2の移動部に対して前記足置き部
    が他方の向きに回転したときに接点が切り替わるスイッ
    チをさらに備えたことを特徴とする請求項2ないし7の
    いずれかに記載の足用ポインティングデバイス。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005008468A1 (ja) * 2003-07-22 2005-01-27 Itsuo Kumazawa データ入力装置、情報機器、情報機器の制御方法およびコンピュータプログラム
JP2006140872A (ja) * 2004-11-15 2006-06-01 Canopus Co Ltd 操作器を用いた制御システム
US20170083112A1 (en) * 2015-09-17 2017-03-23 Edikun Technology Inc. Foot-operated pointing device

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