JP2002229731A - 入力装置および電子装置 - Google Patents

入力装置および電子装置

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JP2002229731A
JP2002229731A JP2001396350A JP2001396350A JP2002229731A JP 2002229731 A JP2002229731 A JP 2002229731A JP 2001396350 A JP2001396350 A JP 2001396350A JP 2001396350 A JP2001396350 A JP 2001396350A JP 2002229731 A JP2002229731 A JP 2002229731A
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Esa-Sakari Maatta
マーッタ エサ−サカリ
Marko Eromaki
エロマキ マルコ
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Nokia Oyj
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    • H01H36/0066—Permanent magnet actuating reed switches magnet being removable, e.g. part of key pencil

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハンドヘルド型装置のディスプレイ上でのカ
ーソル移動、ページスクロール、または機能選択を行う
ための小外形入力装置を提供する。 【解決手段】 ディスプレイ上でカーソルを動かすため
に使用される平面ジョイスティック（４０２，９４０）
は、第１の磁石Ｍ１が中に埋め込まれた可動スライドボ
タンを有し、前記ボタンは、ユーザの指によって第２の
磁石Ｍ２上をスライドされ、これは磁束４１８を歪ま
せ、この歪みが複数の磁束センサ４２０により検出され
る。ディスプレイ上でのカーソル移動の方向および大き
さは、スライドボタンの動きにより引き起こされた磁束
変化に対応する。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般に入力ポイン
ティング装置に関し、より詳細には、カーソル移動と、
スクロールと、ディスプレイ上のオブジェクトのナビゲ
ーションおよび選択と、を行うためのハンドヘルド型装
置での使用に適したコンパクトな小外形入力装置に関す
る。
【０００２】
【従来の技術】例えばオブジェクトの一般的な、ナビゲ
ーションおよび選択手段を提供することにより、コンピ
ュータオペレーティングシステムと関連したグラフィカ
ルユーザインタフェースでユーザインタラクションを容
易にするため、ポインティング装置がコンピュータと共
に長い間使われてきた。一般的に言って、ポインティン
グ装置は、カーソルをディスプレイ上の所望の位置に迅
速かつ正確に移動させるために用いられる入力装置であ
る。専用ポインティング装置により、例えばキーボード
上の矢印キーを押すよりもカーソル移動がはるかに容易
になる。最も一般的なポインティング装置のいくつかに
は、マウス、トラックボール、タッチパッド、ジョイス
ティック、およびライトペンが含まれる。マウスは、明
らかにコンピュータと共に最も一般的に使用されている
入力装置である。典型的には、マウスはコンピュータに
接続された外部装置であり、これがユーザの手の動きを
信号に変換し、この信号をコンピュータが理解して、カ
ーソルを画面上の所望の方向へ移動させるものである。
機能面で同様なトラックボールは、比較的大きい球体で
あり、これをユーザが指で回転してカーソルを動かすと
いう入力装置である。これらはとりわけ、ＣＡＤ（コン
ピュータ支援設計）ユーザの間で精密作業用に普及して
きたが、素人のユーザにとっては習熟曲線が比較的高い
ことがよくある。
【０００３】コンピュータと共に広く用いられる別のタ
イプのポインティング装置はタッチパッドである。タッ
チパッドはユニットに容易に組み込めるので、主にラッ
プトップで用いられてきたが、デスクトップコンピュー
タと共に使用されることも一般的になってきている。カ
ーソル移動は、タッチパッド面を指先でドラッグするこ
とおよびパッド面をタップしてオブジェクトをクリック
することにより実行される。タッチパッドの使用にも若
干の習熟曲線がある。なぜならば、触覚フィードバック
が欠けている、すなわち、特にタッチパッドの縁に近づ
く時に、ユーザを手助けするためのアナログ的な力のフ
ィードバックがまったく提供されないからである。例え
ば、ポインティング装置でより多くまたはより少なく押
すか動かすことにより、カーソル移動速度を増大または
減少させることによってカーソルの動きを制御すること
について、触覚フィードバックはしばしば、ユーザの役
に立つ。さらに、タッチパッドの性質上、指を動かすた
めに一定の面積が必要とされ、従って小型のハンドヘル
ド型装置用の使用には適さない。タッチスクリーンの場
合には、ペンまたはスタイラスなどのポインティング装
置に応答するスクリーン上の位置をユーザが指し示す
が、この入力方法も触覚フィードバックが欠けており、
ユーザが持ち歩かなければならない外部のスタイラスが
必要とされる。
【０００４】ジョイスティックはゲーム用途に広く用い
られ、カーソル移動は、一端が軸受けされたジョイステ
ィックの自由端を動かすことにより行われる。ジョイス
ティックにより、スクリーンを動き回る直観的手法がも
たらされるけれども、ジョイスティックは、比較的大き
いという欠点（すなわち、張り出したシャフトおよびノ
ブ）がある。このような状況により、ジョイスティック
は、ＰＤＡ（PersonalDigital Assistant）などのより
小型の装置は言うまでもなく、ラップトップなどのコン
パクトな環境での使用にとりわけ不向きである。さら
に、ジョイスティックを普通に使用していても、はんだ
付けされたパッドおよびローラ部に機械的応力がかかる
結果になり、時間の経過と共に信頼性が低下する。ライ
トペンは、ナビゲーションまたは選択のために、スクリ
ーン上の所望の位置を指し示すだけであるから、使用は
非常に直観的かつ容易である。しかしながら、ライトペ
ンの有効性は、スクリーンサイズに大きく依存するもの
であり、例えば、小型スクリーンを有するハンドヘルド
型装置と共に使用するのはより難しくなる。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来技術のポ
インティング装置の各々にはある観点で利点があるけれ
ども、新世代のコンパクトなハンドヘルド型装置での使
用には適さない。タッチスクリーンはこれらのより小型
の装置において用いられ成功してきたが、触覚フィード
バックが欠けており、また装置のハウジング内にしまい
込まねばならないので容積を増やしてしまうことになる
スタイラスを使用するという不便がある。留意すべきこ
とは、本明細書中で用いられるハンドヘルド型装置とい
う用語は、パーソナル・ディジタル・アシスタントなど
の携帯型装置とＮｏｋｉａ９１１０コミュニケータおよ
びその後継機などの無線通信装置とを指すことである。
これらの装置の多くは、典型的には、ディスプレイと、
キーボード（典型的には、より便利な文字入力をユーザ
に提供するＱＷＥＲＴＹ型式キーボード）と、ポインテ
ィング装置とが、別々に取り付けられるのではなくて、
メインユニット中に組み込まれていることを、特徴とし
ている。ハンドヘルド型装置の重要な属性は、その形状
が小さいという要因により、それらの装置が便利、軽量
かつ持ち運び容易になっているということである。この
ことが今度は、ポインティング装置が占め得るスペース
量に厳しい制約を課すことになる。
【０００６】今日、携帯電話の共通の特徴はショート・
メッセージング（ＳＭＳ）であり、ユーザは、電話の従
来型キーパッドを用いて短いテキストメッセージをタイ
プし、次にそれを別の携帯電話に送る。ショート・メッ
セージングおよび電子メールなどのユーザ間のやりとり
と典型的に関連した他の用途が開発されかつ広く使用さ
れるにつれて、携帯電話の従来型キーパッドはユーザの
要求を満たすことができないことがある。１つの代表的
要因は、メッセージのタイプの容易さとスピードであ
る。メーカー数社がこのことを予期して、携帯電話に取
付け可能な付加的な別個のキーパッドユニットを提供し
た（Ericsson Chatboardなど）。これらの装置は好まし
くは小型かつ軽量であり、前述のメールおよびＳＭＳな
どの共通機能用の付加的なアクセスキーならびに、好ま
しくはカーソル移動用キー１組も備えた、アルファベッ
ト式キーボードを有するものである。携帯電話の機能の
進化と共に、カーソルを動かすための低プロファイル装
置に対するニーズが、この種の補助ユニットにも予期さ
れる。
【０００７】従来型キーまたは米国意匠第４２３，５１
５号に開示されたキーパッド構成あるいは米国意匠第４
１５，７７０号に開示された他のタイプのキーパッド構
成を備えた携帯電話が一般的に使われている。ゲーム、
インターネットアクセス、カレンダー機能などの、携帯
電話の付加機能および特徴を使用することが増大してお
り、携帯電話のメーカーは、スクロール装置を装置内に
組み込むことが要求されることがある。そのような装置
の１例がヨーロッパ特許第９０１２６２号に開示されて
いる。このナビゲーションキーにより、比較的小型の装
置向けにかなりコンパクトな構造が提供され、ユーザ
は、例えばメニューのスクロール、機能の選択などが可
能になる。しかしながら、ローラーキーの形態が示唆す
るように、このローラーキーは装置内にいくらかのスペ
ースを必要とし、従って、非常に小外形のハンドヘルド
型装置用には好まれず、特にクラムシェルタイプの装置
には好まれない。さらに、これらのナビゲーションキー
は典型的には、カーソルまたは選択の移動が２方向だ
け、すなわちアップ／ダウン、右／左だけ可能であり、
従って自由なカーソル移動を必要とする機能用には効果
的に使用できない。
【０００８】米国特許第５，５０４，５０２号には、ラ
ップトップコンピュータでの使用に適したポインティン
グ制御装置が記載されている。装置の構成には、磁気抵
抗検出装置により検出される磁石を含む可動式作動部材
の詳細が記載されており、該部材はスプリングにより中
心位置に戻される。しかしながら、この構成は比較的複
雑であるという欠点があり、そのため支持構造とスプリ
ングは装置のハウジング内に作り込まなければならな
い。これによって、装置は高さの点でよりコンパクトで
はなくなり、従って、比較的より大型のラップトップコ
ンピュータでの使用はうまくいくけれども、比較的小型
のハンドヘルド型装置、とりわけ折り畳み式クラムシェ
ルデザインを用いているものではあまり有用ではない。
さらに、記載された装置において用いられる単一の磁石
が作り出す磁場は比較的弱い。従って、磁気抵抗検出器
は非常に鋭敏でなければならず、それによって構成の全
容積がさらに増加する。また、スプリング力のため、こ
の装置は指１本または親指で使用するのがかなり面倒で
あり、それによりユーザはより長時間の使用にこの装置
が適さないことが容易に分かるであろう。
【０００９】図１には、設置面積が小さい多くの装置に
固有の、空間配置の制約を例示する、ハンドヘルド通信
型装置を示している。この装置はメインユニット１００
で構成され、キーボードを形成する複数のキー１０４が
メインユニットの表面１０８に組み込まれている。コン
パクト化の改善のため、この装置は、ヒンジ１１６のま
わりで枢動する２ピースの折り畳み式クラムシェル設計
にて構成されており、これはメインユニット１００と、
ディスプレイ１２０を含む上部１１８と、から成ってい
る。設置面積が小さいため、上述の種類のポインティン
グ装置用スペースは表面１０８上にはほとんどない。カ
ーソルの動きを制御するために、４つの矢印キー１１２
のグループが矢印の対応する方向への動きに使用され
る。ＰＣキーボード上の矢印キーと機能的に同様の矢印
キーの使用は、カーソルの基本的な動きについては、ス
ペース節約の解決手段としてうまく機能する。しかしな
がら、矢印キーを押すと、カーソルの移動またはスクリ
ーンのスクロールが離散的ステップになってしまい、他
のポインティング装置で得られる滑らかで効率的な動き
は得られない。さらに、矢印キーでは、ナビゲーション
またはスクロールの間にユーザを支援するのに必要な触
覚フィードバックが得られない。
【００１０】前述の欠点に鑑み、コンパクトで効率的か
つ小型ハンドヘルド型装置での効果的な使用のための適
切な触覚フィードバックを提供する入力装置およびスク
ロール機構を提供することが本発明の目的である。
【００１１】
【課題を解決するための手段】簡単に説明すれば、本発
明の実施形態および関連した特徴によると、ディスプレ
イスクリーン上でカーソルを移動するための入力装置が
提供され、該装置は、装置のハウジングと、第１の強磁
性要素が取り付けられた可動スライド部材と、前記第１
の強磁性要素に対して固定位置に置かれた第２の強磁性
要素と、前記スライド部材の相対的な動きを測定するた
めの少なくとも２つのセンサと、からなる。
【００１２】機器の面からは、装置の操作中にカーソル
を表示するためのディスプレイスクリーンを有する電子
装置が提供され、該電子装置は、ディスプレイ上でカー
ソルを動かすための入力装置を含むものであって、第１
の強磁性要素が取り付けられた可動スライド部材と、前
記第１の強磁性要素に対して固定位置に置かれた第２の
強磁性要素と、前記スライド部材の相対的な動きを測定
するための少なくとも２つのセンサと、からなることを
特徴としている。
【００１３】さらなる入力装置の面では、電子装置上で
機能を選択するために第１の固定位置と第２の固定位置
との間を離散的ステップで動くスライド入力装置が提供
され、該入力装置は、第１の磁石が取り付けられた可動
スライド部材と、前記第１の固定位置に固定された第２
の磁石と、前記第１の固定位置に近い距離にある前記第
２の固定位置に固定された第３の磁石と、前記第２およ
び第３の磁石をそれぞれの固定位置で支持するための支
持層と、前記可動スライド部材の位置を検出するための
少なくとも２つのセンサとを含む。
【００１４】方法の面では、固定位置に置かれた第２の
磁石の上を、第１の磁石に取り付けられたスライド要素
をスライドさせ、それによってスライド要素の相対的な
動きが少なくとも２つのセンサにより測定されてカーソ
ルの動きに変換されるようにした、入力装置によりカー
ソルを表示スクリーン上で動かす方法が提供される。
【００１５】
【発明の実施の形態】本発明は、そのさらなる目的およ
び利点と共に、添付図面に関連してなされる以下の説明
を参照することにより最もよく理解され得る。
【００１６】上述したように、従来のポインティング装
置を用いると、かなりのスペースを取ったり、ハンドヘ
ルド型装置と共に快適に使用するには大きすぎる構成要
素を含むことがしばしばある。かさばる第１の理由は、
例えば、装置のハウジング内に組み込まれなければなら
ないジョイスティックおよびトラックボールにおけるロ
ーラ部品などの機械的動作部品である。タッチスクリー
ンに関しては、一般に付加的容積がいる。なぜならば、
装置のハウジングは通常、外部ポインティング装置（ス
タイラス）を不使用時に収納するように設計されている
からである。装置の物理的な動きを検出してこれをカー
ソルの動きに変換するために、メインユニット内に組み
入れる必要がある比較的かさばる機械的センサがこの問
題の一因になっている。ハンドヘルド型装置のサイズが
減少するにつれ、従来の機械的解決策ではよりいっそう
手におえなくなる。本発明により提起されるように、ハ
ンドヘルド型装置での使用にとりわけ適した小外形磁気
入力装置を以下の実施形態において説明する。
【００１７】図２は、本発明に従って、入力装置をその
均衡した中心位置に戻すために、磁石をどのように使用
し得るかの原則を示すものである。この図は、２つの円
筒形（または環状）永久磁石およびそれらの結果として
生じる磁束密度を表す側面図である。永久磁石は、２１
０で示されるような磁束を放射する、分極荷電粒子から
成る。磁束線は楕円形に放射され、常にＮ極から出て、
通常は磁石の他端にあるＳ極に向かう。この図に示され
るように、磁石１（Ｍ１）のＮ極が、隣接する磁石２
（Ｍ２）のＳ極に常に面するように永久磁石を積み重ね
ると、磁石は互いを引き付け合い、磁束密度が最大にな
る。引き付け合う２つの磁石は、最大結合磁束の状態に
戻る傾向を示し、従って、どのような外部の力がかかっ
ても、これらの磁石はこの中心位置へ戻る傾向がある。
【００１８】図３には、Ｍ２が固定されたままで、側方
への外力Ｆ１がＭ１にかかったときの状況を示してあ
る。力Ｆ１が磁気引力すなわち復帰力Ｆ２より大きくな
ると、Ｍ１は横方向にスライドできる。前記復帰力は、
磁石が中心に集まったまま留まろうとする傾向である。
Ｍ１が平衡状態から押しやられるにつれ、磁束密度２１
０、２１２は、Ｍ１が中心から離れるにつれて歪む。結
果として、Ｍ１が中心から離れるにつれ、Ｍ１の移動に
必要な力Ｆ１が増大する。とはいえ、ある地点におい
て、Ｍ１があまりに遠くへ動かされると、磁石間の引力
Ｆ２は消失する。力Ｆ１が解除されかつ引力が消失する
前であれば、Ｍ１は図２に示す元の中心位置に素早く戻
る。
【００１９】磁石がそれらの平衡した中心位置から動く
につれ、磁束場は上述のように歪む。磁場におけるこの
歪みは、ホールセンサなどの磁場センサで検出し得る。
ホールセンサは、それを通過する磁場（すなわち、磁束
密度）の強さに比例する電圧を生み出す電磁変換器であ
る。磁束密度は、永久磁石または電流から生じる得るも
のであり、従って、それらを電流測定にも適したものし
ている。ホールセンサは、磁場を、磁石の相対的位置を
正確に求めるために用い得る電圧に、変換する。
【００２０】図４には、磁場センサと共に示した図２の
積み重ねた環状磁石の平面図を示している。中心位置に
ある時は、磁石３００はＮ極からＳ極に磁束３１０を発
する。磁石がｘ−ｙ平面内を動く際に、磁束のどのよう
な変化も測定する、正確に配置された４つのホールセン
サ３２０〜３２３によって、磁束３１０が検出される。
中心位置では、磁束は、４つのホールセンサすべてにお
いて等しい電流を発生させ、平衡状態を示し、例えばカ
ーソルが全く移動していないことを意味する。図５に
は、力Ｆ１が上部磁石に加えられたときのこの磁石の動
きを示している。ｘ方向の位置変化により、磁束は最も
近くに置かれたホールセンサ３２０に向かって歪む。こ
れにより、このセンサ中により大きい電流が発生し、こ
の電流は、計算装置に動きを知らせる電気信号に変換で
きる。上述の原理が、本発明に従って動作する磁気入力
装置のための基礎となっている。
【００２１】図６には、本発明により例証されるような
磁気入力装置の第１の実施形態を示している。ハンドヘ
ルド型装置のハウジング内に組み込まれた２次元磁気平
面ジョイスティックの側面図が例示されている。１対の
磁石Ｍ１およびＭ２は、平衡中心位置で積み重ねてあ
る。平面ジョイスティックはプラスチック製ボタンであ
り、これを指でｘ−ｙ平面をどの方向にでも動かせる。
ボタンは、ボタントップ４０２に載せた指で、Ｍ１を所
望の方向へスライドできるように形成されている。ボタ
ンはＭ１上からその下方に延びてリップ４０４を形成し
ており、このリップは、ボタンが動かされるにつれて装
置のハウジング４００の下側をスライドする。リップに
よって、ボタンがハウジングから不意に脱落することも
防止される。中心位置では、Ｍ１はＭ２の上に積み重ね
てあり、摩擦を減らすことによりスライドを容易にする
スライド要素４１０によって分離されている。スライド
要素４１０は、ポリテトラフロオロエチレン（ＰＴＦ
Ｅ）ポリマーなどの、磁場をさえぎらない任意の丈夫な
低摩擦素材で作ることができる。スライド要素４１０
は、例えば接着剤でＭ２に取り付けられている。Ｍ２は
固定されかつプリント回路基板４１６に取り付けられて
いる。回路基板４１６には、Ｍ１の動きに起因する磁束
４１８の変化を測定するためのホールセンサ４２０も固
定されている。
【００２２】図７には、第１の実施形態の磁気平面ジョ
イスティックの平面図を示している。ボタントップ４０
２は、ユーザがカーソルを動かしたい方向へ指でスライ
ドされる。ボタンの動作は、ハウジング壁４０１によっ
て全方向に制約される。Ｍ１が動かされるにつれ、埋め
込まれたホールセンサ４２０により磁束変化が感知され
る。さらに、ボタンが中心からより遠い方向にスライド
するにつれ、ボタンを中心に戻そうとするより多くの力
が働く。この形式のアナログ的なフィードバック（ａｎ
ａｌｏｇ ｆｅｅｄｂａｃｋ）は、ボタンがより遠くへ
スライドされた時に、カーソルがより速く動いているこ
とをユーザに示す。
【００２３】図８には、本発明の第２の実施形態による
平面ジョイスティックの側面図を示してある。この実施
形態には２つの円筒形磁石が使われており、Ｍ１上にプ
ラスチック製のボタントップ５０２が被せてある。スラ
イド要素５１０がＭ１とボタン５０２の底面に取り付け
てあり、装置のハウジング５００内の凹部５０１内をユ
ニット全体がスライドするようになっている。凹部内の
ボタンの動きは凹部壁５０４により制約される。プリン
ト回路基板５１６には、第２の円筒形磁石Ｍ２とホール
センサ５２０とが取り付けてある。フィラー層５１４
は、単に空気またはハウジング５００を取り付けるため
の支持材となる部材とすることができる。Ｍ１を含むボ
タンのスライドにつれて、磁束場５１８がそれに応じて
歪み、この歪みはホールセンサ５２０により検出され
る。磁石Ｍ１とＭ２との間の磁力は、磁石Ｍ１が凹部５
０１から脱落するのを防止する（さらに、従って、磁石
Ｍ１をうっかり紛失することを回避するのに役立つ）程
度に強いものであることが好ましい。例えば、リング磁
石は非常に強力な磁力を有している。
【００２４】図９には、第２の実施形態の磁気平面ジョ
イスティックの平面図を示してある。ボタン５０２が凹
部表面５０１内をスライドすると、Ｍ１とＭ２の磁束が
歪み、凹部周囲に設置されたホールセンサ５２０がこの
歪みを検出する。ハンドヘルド型装置のスクリーン上で
の表示のために、カーソルの動きはＭ１の動きから翻訳
される。この実施形態により、使用中に十分なアナログ
的なフィードバックもユーザに提供される。
【００２５】図１０には、本発明の第３の実施形態によ
る、２つのリング磁石を用いた２Ｄ平面ジョイスティッ
クの側断面図を示している。ボタンの構造は、ベース６
０６に取り付けられたシャフト６０４に取り付けられた
ボタントップ６０２から構成される。このベースによっ
て、ボタンがハウジングから脱落することが防止され、
ジョイスティック用の確実なスライド面を提供する。ベ
ース６０６はリング磁石Ｍ１の内側に嵌め込んであり、
この磁石はボタントップ６０２がスライドする時にスラ
イド要素６１０上を横方向に動く。リング磁石Ｍ２は、
ホールセンサ６２０と共にプリント回路基板６１６に固
定されており、ホールセンサはリングＭ２の内側に設置
されている。ホールセンサ６２０は、ボタンがスライド
する際に磁束６１８、６１９の変化を検出するために設
置されている。ボタンの動作は、装置のハウジング壁６
０８に当接するシャフトによって制限されており、ボタ
ンがどのような方向にスライドしても、ボタンの動きに
より磁束密度６１８が歪む。Ｍ１とＭ２との間の磁気引
力は、ボタンに対して自然なセンタリング効果を提供す
る。
【００２６】図１１には、代替構造における、そして本
発明の第３の実施形態による、２つのリング磁石を用い
た２Ｄ平面ジョイスティックの側断面図を示してある。
この実施形態は、リング磁石Ｍ１を完全に覆うボタント
ップ７０２を有している。リング磁石Ｍ１の底部にはス
ライド要素７１０が取り付けられており、装置のハウジ
ング７００の凹部内をユニット全体がスライドするよう
になっている。ボタンアセンブリの動きは装置のハウジ
ング壁７０４によって制約される。リング磁石Ｍ２は、
Ｍ２の内側に配置されたホールセンサ７２０と共に、プ
リント回路基板７１６に固定されている。ボタンがどの
方向にスライドしても、磁石からの磁束密度７１８、７
１９が歪む。ボタンが凹部から脱落するのを防止する手
段を用いないという点で、この実施形態はより単純な構
造である。ボタン７０２がどの方向にスライドしても、
ボタンの動きにより磁束密度７１８が歪み、Ｍ１とＭ２
との間の磁気引力により自然なセンタリング効果がボタ
ンに提供される。
【００２７】１つの変更形態において、第５の実施形態
である２次元平面ジョイスティックは、２次元平面ジョ
イスティックと同様な構造を用いた１次元スクロール装
置を有している。この構造は図６に基づくものとするこ
とができ、溝またはレールに沿ったボタンのスライド移
動により磁束歪みが生じ、これが２つのホールセンサに
より検出される。この構成の例示的な用途は、ハンドヘ
ルド型装置におけるページスクロール用の２方向スクロ
ール装置である。
【００２８】図１２には、本発明の第５の実施形態によ
る１次元スクロール装置の平面図を示している。スクロ
ールボタン８０２は磁石Ｍ１に取り付けてあり、装置の
ハウジング８００内に形成された溝８０４に沿ってスラ
イドする。Ｍ１は、溝の中心位置にある磁石Ｍ２の上を
スライドし、それによって、ボタンがスライドする時に
磁束の歪みを引き起こす。磁束の歪みは、スライドパス
の両端部近くに設置された１対の埋め込み型ホールセン
サ８２０によって検出される。
【００２９】連続的なアナログ的フィードバックを提供
する入力装置に加え、ディジタル的フィードバックが有
益となり得る用途がある。一例として、テキストを自動
的に上下にスクロールするために、ハンドフリースクロ
ールスイッチを実装できる。このスイッチは少なくとも
３つの位置を含み、中央位置ではスクロールが全く行わ
れず、上部位置では上方スクロールが行われ、下部位置
では下方スクロールが行われる。いずれかの方向にいく
つかの付加的ステップを設けることにより、スクロール
をより速くすることができる。ディジタル的な力のフィ
ードバックは、スライド磁石を１つの固定磁石から別の
固定磁石へ「ホッピング」（ｈｏｐｐｉｎｇ）させるこ
とにより達成される。
【００３０】図１３には、ディジタル的な力のフィード
バックがどのように実行されるかの原理を示してある。
Ｍ１とＭ２とからの磁束が結合して、図示された積み重
ね位置で磁石を平衡状態に保つ。側方の外力Ｆ１がＭ１
にかかるにつれて磁束が歪み始め、その結果、戻し力Ｆ
２がＭ１をＭ２方向へ引き戻そうとする。図１４に示す
ように、Ｍ１がＭ２とＭ３との間の中間位置に達する
と、磁束密度はＭ２とＭ３との間で分割されるようにな
り、その結果、Ｍ３からの引力はＭ２からの引力と正確
に釣り合う。Ｍ１がＭ３により近づくにつれて、Ｍ３か
らの引力はＭ２からの力を上回り始め、それによって、
図１５に示すように、Ｍ１がＭ３上の中心位置へ素早く
移動する。最も単純な形状において、このディジタル的
移動は、ボタンが溝内またはレール上を離散的ステップ
の動きを提供するように進むような構造の場合に実装し
得る。
【００３１】図１６には、本発明に従って動作する、離
散的スクロール式の１次元入力装置を示してある。ボタ
ン９０２は、溝９００に沿って位置Ａまで上方へまたは
位置Ｂまで下方へスライドできる。ボタン選択位置を指
定する位置ＡおよびＢの直下には永久磁石が固定されて
いる。ボタンが所定位置にカチッと入った時にある機能
が選択されたとユーザが確信するという点で、この入力
装置の離散的性質はポジティブな力のフィードバックを
提供する。留意すべきは、この実施形態が１次元の動き
に限定されるものでないことおよび本発明が例えば従来
の４つの矢印キーナビゲーションに取って代わる２次元
の離散的動き用に実装できるということである。
【００３２】図１７には、本発明で説明されたような入
力装置を実装した具体的なハンドヘルド型装置が例示し
てある。従来技術で用いられた４つの矢印キーに代え
て、２次元平面ジョイスティック９４０が実装されてい
る。この平面ジョイスティックは、（矢印で示されるよ
うに）ｘ−ｙ平面内をどの方向へも自由に動くことがで
き、それにより、平面ジョイスティックの動作によって
装置ディスプレイ上のカーソルが対応して動く。本発明
により、小外形装置のカーソルを迅速、容易かつ直感的
に動かすための方法が提供される。さらに、この平面ジ
ョイスティックはその小外形ボタン構成のため、特にコ
ンパクトなハンドヘルド型装置での使用に適している。
【００３３】ハンドヘルド型装置における本発明の第２
の例示的な実装は、溝９５０に沿って動くスライドボタ
ン９５２である。このボタンは、一度に表示するには大
きすぎるページのスクロールに用い得る。スクロール装
置は、第５の実施形態で説明されたような、中心で平衡
しているアナログスライダーとし得る。ボタンが上方ま
たは下方へスライドされるにつれて、表示されたページ
がそれに応じて上方または下方にスクロールされる。離
散的スライドボタンの使用は、前に概要を説明したスク
ロール機能に加え、例えばディスプレイのコントラスト
設定またはメニュー機能の選択などの多くの機能のため
に、ハンドヘルド型装置に実装し得る。この用途におい
て、ボタンの種々の位置は種々のコントラストレベルと
一致し、あるいは電話帳、電子メール、またはインター
ネットなどのメニュー機能を起動し得る。
【００３４】本発明をその特定の実施形態に関連してい
くつかの面から説明してきたが、変形および修正は当業
者には明白なものとなるであろう。例えば、本発明はデ
ィスプレイと共に使用することを意図していることが明
らかなので、本発明の装置をディスプレイと同じ装置に
組み込む必要はないが、ディスプレイに、またはディス
プレイを有する装置に取り付け得る。すなわちマウスと
して取り付け得るか、あるいは取り付け可能なキーボー
ドに組み込み得る。従って、前述の特許請求の範囲は限
定的に解釈されるべきでなく、開示された本発明の主題
から導き出される変形および修正を含むものと理解され
るべきである。
【図面の簡単な説明】
【図１】設置面積が小さい装置のスペース的制約を例示
するハンドヘルド型装置を示す図である。
【図２】積み重ねた２つの円筒形磁石を集中させる磁気
引力の原理を示す図である。
【図３】側方からの力が上部磁石にかかった場合に、結
果として生じる動きを示す図である。
【図４】図２の積み重ねた円筒形磁石の平面図である。
【図５】側方からの力がかかった場合の上部磁石の移動
の平面図である。
【図６】本発明の第１の実施形態による磁気平面ジョイ
スティックの側断面図である。
【図７】第１の実施形態の磁気平面ジョイスティックの
平面図である。
【図８】本発明の第２の実施形態による磁気平面ジョイ
スティックの側断面図である。
【図９】第２の実施形態の磁気平面ジョイスティックの
平面図である。
【図１０】本発明の第３の実施形態による、２つのリン
グ磁石を用いた２Ｄ平面ジョイスティックの側断面図で
ある。
【図１１】本発明の第４の実施形態による、２つのリン
グ磁石を用いた２Ｄ平面ジョイスティックの側断面図で
ある。
【図１２】本発明の第５の実施形態による１Ｄスクロー
ル装置の平面図である。
【図１３】離散的ステップでの動きについてのディジタ
ル的な力のフィードバックの原理を示す図である。
【図１４】２つの磁石間の変遷中の磁気中間点の磁束を
示す図である。
【図１５】磁石が第２の磁石に引き付けられたことによ
る離散的ステップの完結を示す図である。
【図１６】本発明の第６の実施形態による、離散的ステ
ップで動く１Ｄスライド式装置を示す図である。
【図１７】本発明の入力装置を実装している具体的なハ
ンドヘルド型装置を示す図である。
【符号の説明】
１００…メインユニット １０４…キー １０８…メインユニットの表面 １１２…矢印キー １２０…ディスプレイ ３１０…磁束 ３２０〜３２３…ホールセンサ ４０２…ボタントップ ４１０…スライド要素 ４２０…ホールセンサ ５０２…ボタントップ ５１０…スライド要素 ５１４…フィラー層 ５１６…プリント回路基板 ５２０…ホールセンサ ６０２…スクロールボタン ６１０…スライド要素 ６２０…ホールセンサ ７０２…ボタントップ ７２０…ホールセンサ ８２０…ホールセンサ ９０２…ボタン ９４０…２次元平面ジョイスティック ９５２…スライドボタン Ｍ１，Ｍ２，Ｍ３…磁石
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マルコ エロマキ フィンランド国，エフイーエン−33210 タンペレ，コルテラーデンカトゥ 19 エ ー 94 Ｆターム(参考） 5B087 AA09 AE09 CC32

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 ディスプレイスクリーン上でカーソルを
    動かすための入力装置であって、 装置のハウジングと、 第１の強磁性要素が取り付けられた可動のスライド部材
    と、 前記第１の強磁性要素に関連して固定位置に置かれた第
    ２の強磁性要素と、 前記スライド部材の相対的な動きを測定するための少な
    くとも２つのセンサと、 を備える入力装置。
  2. 【請求項２】 前記第１の強磁性要素と第２の強磁性要
    素とが組み合わさって、前記スライド部材のためのセン
    タリング効果を提供する請求項１に記載の入力装置。
  3. 【請求項３】 前記第１の強磁性要素および前記第２の
    強磁性要素は環状リングとして成形される請求項１に記
    載の入力装置。
  4. 【請求項４】 前記センサは、検出された磁束密度と比
    例する電流を発生させる磁束センサであり、前記電流は
    信号に変換され、該信号は入力装置によってカーソルの
    動きに変換する請求項１に記載の入力装置。
  5. 【請求項５】 前記スライド部材の動作は、溝内または
    レール上を移動することによって、１次元の動きに制限
    される請求項１に記載の入力装置。
  6. 【請求項６】 前記スライド部材は、前記装置のハウジ
    ング内の凹部内にスライド可能に係合される請求項１に
    記載の入力装置。
  7. 【請求項７】 操作中にカーソルを表示するためのディ
    スプレイスクリーンを備える電子装置であって、ディス
    プレイ上でカーソルを動かすための入力装置を含んでお
    り、該入力装置は、 第１の強磁性要素が取り付けられた可動のスライド部材
    と、 前記第１の強磁性要素に関連して固定位置に置かれた第
    ２の強磁性要素と、 前記スライド部材の相対的な動きを測定するための少な
    くとも２つのセンサと、を有することを特徴とする電子
    装置。
  8. 【請求項８】 前記第１の強磁性要素と第２の強磁性要
    素とが組み合わさって、前記スライド部材のためのセン
    タリング効果を提供することを特徴とする請求項７に記
    載の電子装置。
  9. 【請求項９】 前記第１の強磁性要素および第２の強磁
    性要素をなす第１の磁石および第２の磁石は、環状リン
    グ永久磁石であることを特徴とする請求項７に記載の電
    子装置。
  10. 【請求項１０】 前記センサは検出された磁束密度と比
    例する電流を発生させる磁束センサであり、前記電流は
    信号に変換され、該信号は前記電子装置によってカーソ
    ルの動きに変換されることを特徴とする請求項７に記載
    の電子装置。
  11. 【請求項１１】 前記スライド部材の動作は、溝内また
    はレール上を移動することによって、１次元の動きに制
    限されることを特徴とする請求項７に記載の電子装置。
  12. 【請求項１２】 前記スライド部材は、前記装置のハウ
    ジング内の凹部内にスライド可能に係合されることを特
    徴とする請求項７に記載の電子装置。
  13. 【請求項１３】 電子装置上で機能を選択するために、
    第１の固定位置と第２の固定位置との間で離散的ステッ
    プで動くスライド式入力装置であって、 第１の磁石が取り付けられた可動のスライド部材と、 前記第１の固定位置に固定された第２の磁石と、 前記第１の固定位置に最も近い距離の前記第２の固定位
    置に固定された第３の磁石と、 前記第２の磁石および第３の磁石を各々の固定位置で支
    持するための支持層と、 前記スライド部材の位置を検出するための少なくとも２
    つのセンサとを備えるスライド式入力装置。
  14. 【請求項１４】 前記スライド部材は、前記第１の固定
    位置と前記第２の固定位置との間で、溝内またはレール
    上を１次元で動く離散的動作の請求項１３に記載のスラ
    イド式入力装置。
  15. 【請求項１５】 前記スライド部材が、離散的ステップ
    で２次元的に動く離散的動作の請求項１３に記載のスラ
    イド式入力装置。
  16. 【請求項１６】 固定位置に置かれた第２の磁石上で第
    １の磁石に取り付けられたスライド要素をスライドさせ
    ることによって、入力装置でカーソルをディスプレイス
    クリーン上で動かす方法であって、前記スライド要素の
    相対的な動きが少なくとも２つのセンサにより測定され
    かつ前記カーソルの動きに変換される方法。
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