JPH1096172A - 繊維処理組成物 - Google Patents

繊維処理組成物

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JPH1096172A
JPH1096172A JP26796896A JP26796896A JPH1096172A JP H1096172 A JPH1096172 A JP H1096172A JP 26796896 A JP26796896 A JP 26796896A JP 26796896 A JP26796896 A JP 26796896A JP H1096172 A JPH1096172 A JP H1096172A
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JP
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silicone
film
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composition
fiber
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JP26796896A
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Yuichi Suzuki
裕一 鈴木
Daisuke Kato
大介 加藤
Susumu Sakurai
進 桜井
Kentarou Kiyama
健太郎 貴山
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Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 カチオン性の膜形成成分による二分子膜
多層構造にシリコーンを重量比として上記膜形成成分/
シリコーン=0.35〜1の割合で封入した小胞体分散
液を含有することを特徴とする繊維処理組成物。 【効果】 本発明の繊維処理組成物によれば、シリコー
ン本来の特性を損なうことなく繊維に対する吸着性を向
上させることができるので、例えば一般家庭用洗濯機を
使用する場合に最終すすぎ行程ですすぎ水中に添加する
だけで熱処理を行わなくても繊維に十分量のシリコーン
が吸着し、簡便な方法で繊維処理を行なうことができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維に対して高い
シリコーン吸着能を有する繊維処理組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
一般家庭で衣類等に例えば柔軟仕上剤などによる繊維処
理を行なう場合、洗浄工程後の最終的なすすぎの段階で
柔軟仕上剤(繊維処理剤)をすすぎ液に添加して、最終
すすぎを行ないながら処理剤成分を布に吸着させるとい
う方法が行われている。一方、従来より、シリコーン
は、布にすべり性、なめらかさ、撥水性などを付与し、
布の風合いを改善する繊維処理剤成分として使用されて
いるが、例えばジメチルシリコーン油等のように電荷を
ほとんどもたないシリコーンは布に吸着しにくく、この
ようなシリコーンを用いて繊維処理を行なうには、シリ
コーンを溶剤や水に分散させた液を布に吹き付けたり、
塗布した後に、熱処理等を施すことによってシリコーン
を繊維に強制的に付着させる必要がある。しかし、この
ような熱処理等を伴う処理方法は、一般家庭用の洗濯機
を使用して行なうことは難しく、シリコーンの布への吸
着率を向上させて一般家庭用の洗濯機を使用して上記の
ような簡便な手段で繊維処理ができるようにする技術が
望まれていた。
【0003】このようなシリコーンの吸着率を向上させ
る技術として、ジメチルシリコーン油の一部を変性した
様々な変性シリコーン油を用いた繊維処理剤が種々提案
されており、特に特開平6−220777号,特開平7
−305278号公報等に記載されているように、近年
は、アミノ変性シリコーン油について多くの検討がなさ
れている。
【0004】しかし、変性シリコーン油は、上記のよう
な撥水性付与や風合い改善等のシリコーン本来の特性が
低下してしまうという問題があり、また、アミノ変性シ
リコーン油の場合、高価である上に、布が黄変してしま
うという別の問題についても完全に解決されるには至っ
ていない。
【0005】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、シリコーンの特性を低下させることなく、繊維に対
するシリコーン吸着率を向上させることができる繊維処
理組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、
シリコーンを膜形成成分からなる二分子膜多層構造に封
入し、この多層構造を有する小胞体として繊維処理剤に
配合すると、シリコーンの繊維に対する吸着性が向上し
得ることを見い出し、更に鋭意検討したところ、膜形成
成分として特にカチオン性のものを使用すると共に、こ
の膜形成成分とシリコーンとの配合比率を所定範囲に制
御することによって、シリコーンの種々の繊維に対する
吸着性が非常に良くなることを知見し、本発明をなすに
至った。
【0007】即ち、本発明は、カチオン性の膜形成成分
による二分子膜多層構造にシリコーンを重量比として上
記膜形成成分/シリコーン=0.35〜1の割合で封入
した小胞体分散液を含有することを特徴とする繊維処理
組成物を提供する。この場合、上記小胞体分散液が、カ
チオン性の膜形成成分とシリコーンと水相の一部とから
なる系を、膜形成成分の相転移以上の温度下において混
練して液晶組成物を形成させ、該液晶組成物に水相の残
部を添加・混練することにより、形成されたものであれ
ば、より好適である。
【0008】以下、本発明につき更に詳述すると、本発
明の繊維処理組成物は、シリコーンを、カチオン性の膜
形成成分からなる二分子膜多層構造に膜形成成分に対し
て所定の割合で封入した小胞体分散液として配合するも
のである。ここで、カチオン性の膜形成成分としては、
繊維処理組成物に使用され、二分子膜多層構造を形成し
得るカチオン性の界面活性剤を使用することができ、そ
の種類は特に制限されないが、下記一般式(1)で示さ
れる第4級アンモニウム塩、第3級アミン塩、イミダゾ
リン塩、イミダゾリニウム塩、アミノ酸カチオン界面活
性剤などのカチオン界面活性剤から選ばれる1種又は2
種以上が好適に使用され、これらの中でも第4級アンモ
ニウム塩、イミダゾリニウム塩、特にジアルキル型第4
級アンモニウム塩が好適である。
【0009】
【化1】 (但し、式中R1は炭素数10〜20のアルキル基又は
アルケニル基、R2は炭素数1〜3のアルキル基、又は
炭素数10〜24のアルキル基又はアルケニル基であ
り、R1及びR2はそれぞれ無置換であってもよく、−O
−,−CONH−,−COO−等の官能基で分断もしく
は−OH等の官能基で置換されていてもよい。R3は炭
素数1〜3のアルキル基、R4は炭素数1〜3のアルキ
ル基又はベンジル基であり、Xはハロゲン原子又はモノ
アルキル硫酸基である。)
【0010】上記カチオン性の膜形成成分としては、具
体的に式(1)の第4級アンモニウム塩としてステアリ
ルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジ
メチルアンモニウムクロライド、ドデシルトリメチルア
ンモニウムクロライド、ジ牛脂アルキルジメチルアンモ
ニウムブロマイド、ジオレイルジメチルアンモニウムク
ロライド、オレイルトリメチルアンモニウムクロライド
等、第3級アミン塩としてジステアリルメチルアミン塩
酸塩、ジオレイルメチルアミン塩酸塩、ジステアリルメ
チルアミン硫酸塩等が例示され、これら第3級アミン塩
の場合、アルキル鎖は、−CONH−,−COO−等の
官能基で分断されていてもよい。
【0011】また、アミノ酸系カチオン界面活性剤とし
てヤシ油脂肪酸L−アルギニンエチル−DL−ピロリド
ンカルボン酸、4−グアニジノブチルラウリルアミド酢
酸等が例示され、イミダゾリン塩として1−オクタデカ
ノイルアミノエチル−2−ヘプタデシルイミダゾリン塩
酸塩、1−オクタデセノイルアミノエチル−2−ヘプタ
デセニルイミダゾリン塩酸塩等、イミダゾリニウム塩と
してメチル−1−牛脂アミドエチル−2−牛脂アルキル
イミダゾリニウムメチルサルフェート、メチル−1−ヘ
キサデカノイルアミドエチル−2−ペンタデシルイミダ
ゾリニウムクロライド、エチル−1−オクタデセノイル
アミドエチル−2−ヘプタデセニルイミダゾリニウムエ
チルサルフェート等が例示される。
【0012】上記膜形成成分の配合量は、組成物全体に
対して1〜20%(重量%、以下同様)程度、特に6〜
10%程度とすると好適である。配合量が少なすぎる
と、シリコーンを安定に封入することが困難となる場合
があり、一方、過剰量配合すると、小胞体を形成するの
が困難となる場合がある。なお、本発明の場合、上記膜
形成成分による膜形成を容易にするために、上記膜形成
成分と共に、エチレングリコール,プロピレングリコー
ル,グリセリン等の多価アルコール、エタノール,イソ
プロピルアルコール等の低級アルコールなどの有機溶
剤、ステアリン酸,オレイン酸等の脂肪酸及びポリオキ
シエチレンアルキルエーテル,ソルビタン脂肪酸エステ
ル,ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等の
各種乳化剤などの添加剤が必要に応じて、通常の使用量
で適宜配合される。
【0013】次に、シリコーンとしては、特にその種類
は限定されず、従来より繊維処理剤に配合されているも
のを使用することができるが、本発明の場合、その目的
の点から変性されていないものが望ましく、通常このよ
うなシリコーンとしては、主としてシリコーン油が使用
されており、シリコーン油として、例えばメチルシリコ
ーン油、フェニル置換メチルシリコーン油、水素置換メ
チルシリコーン油、フェニルシリコーン油等が挙げられ
るが、コストを考慮すれば、これらの中でも特にメチル
シリコーン油が好適に使用される。なお、これらは、1
種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用される。
また、シリコーン油の動粘度は、特に限定されるもので
はなく、シリコーン油の種類、使用量等によって適宜選
定することができるが、通常25℃における動粘度(2
種類以上を組み合わせて使用する場合は混合物)が5,
000〜1,000,000cs程度のものが好適に使
用される。
【0014】上記シリコーンの配合量は、組成物全体に
対して10〜50%程度、特に10〜20%程度とする
と好適である。配合量が少なすぎると、シリコーン配合
による繊維処理効果が十分に得られない場合があり、一
方、過剰量配合すると、二分子膜多層構造に安定に封入
するのが困難となる場合がある。
【0015】また、上記膜形成成分に対する比率は、重
量比で膜形成成分/シリコーン=0.35〜1であり、
好ましくは0.6〜1である。膜形成成分の比率が小さ
すぎると二分子膜多層構造での包含が不十分となる。一
方、シリコーンより膜形成成分が多くなると、組成物の
粘度が高くなり、小胞体分散液のハンドリングが困難と
なる。なお、シリコーンと膜形成成分との比率とシリコ
ーンの繊維に対する吸着率との相関関係は、繊維の種類
によって異なり、例えば綿繊維とアクリル繊維の場合、
カチオン性の膜形成成分/シリコーン比率を変化させた
上記繊維処理組成物をシリコーン濃度が通常の繊維処理
液程度の一定濃度となるように調製した場合、上記比率
が0.35〜1の範囲において綿繊維に対するシリコー
ン吸着率の特に顕著な向上が認められるが、アクリル繊
維に対しては、上記範囲のみならず上記比率が0.1以
上、0.35未満の範囲においても高い吸着率が認めら
れる。
【0016】本発明の繊維処理組成物は、上記シリコー
ンが上記カチオン性の膜形成成分からなる二分子膜多層
構造に包含された小胞体分散液を含有するものであり、
小胞体は、通常、水性液(水相)中に分散される。この
小胞体分散液の製造方法は特に制限されるものではない
が、本発明の場合、このような小胞体分散液を、上記膜
形成成分とシリコーンと水相の一部とからなる系を、膜
形成成分の相転移以上の温度下において混練して、液晶
組成物を形成させた後、該液晶組成物に水相の残量を添
加・混練することによって、二分子膜多層構造にシリコ
ーンが内包された小胞体分散液として調製すれば、シリ
コーンを二分子膜多層構造に安定性よく封入することが
できるので、より好適である。
【0017】ここで、水相成分としては、水に乳化剤、
分散安定剤、低温安定化剤及びその他の各種水溶性成分
などを必要に応じて適宜加えた水性液を使用することが
でき、具体的には、乳化剤としてポリオキシエチレンノ
ニルフェニルエーテル,ポリオキシエチレンオクチルフ
ェニルエーテル,グリセリン脂肪酸エステル,ポリオキ
シエチレンソルビタン脂肪酸エステル,ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル,脂肪酸ポリエチレングリコー
ル,ポリオキシエチレンアルキルアミン等の非イオン界
面活性剤など、分散安定剤としてポリアクリル酸、カル
ボキシメチルセルロース、カルボキシビニルポリマーな
ど、低温安定化剤としてエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、グリセリン等の多価アルコールなど、そ
の他の水溶性成分としてエタノール,イソプロピルアル
コール等の低級アルコールなどが挙げられる。
【0018】上記製造方法の場合、上記膜形成成分とシ
リコーンと上記水相の一部とを混合しながら混練するこ
とによって液晶組成物を形成するものであるが、この液
晶組成物の形成温度は、膜形成成分の相転移温度(T
c)以上であることを必要とする。この温度がTcに満
たないと、液晶が形成されない。なお、液晶組成物の形
成温度は、Tcより通常5〜20℃、特に10〜15℃
程度高いことが望ましい。また、液晶組成物の形成の際
の水相量は、適宜選定されるが、通常、膜形成成分に対
して重量比で0.1〜2倍となる量であって、液晶組成
物中における膜形成成分とシリコーンとの合計量に対し
て重量比で0.01〜1倍となる量が好適である。そし
て、上記膜形成成分とシリコーンと水相の一部とを混合
する場合、容器内に添加する順序は特に制限されず、全
部を同時に添加してもよいが、膜形成成分と水相とを混
合した後にシリコーンを添加して、全体を混練すること
が好ましい。
【0019】上記各成分を混合、混練する装置は、通常
の混練装置を使用することができるが、系の粘度が液晶
組成物が形成されるに従って高くなることを考慮すれ
ば、高粘度物を全体混合できるものが望ましく、このよ
うな装置として、例えばニーダー、パドルミキサー、ス
クリューミキサー、スパイラルミキサー、ナウターミキ
サー、ダブルヘリカルリボンミキサー、コンティニュア
スニーダー等を挙げることができる。
【0020】上記製造方法は、上記混練工程によって、
膜形成成分とシリコーンと水相の一部とからなる混合液
から液晶組成物を形成するものであるが、かかる工程に
おいて液晶組成物が形成されたか否かは、液晶組成物が
形成された場合、系の粘度が例えば3,000〜20,
000P(ポイズ)と高くなるので、この粘度変化を利
用して確認することができる。
【0021】そして、上記製造方法は、上記液晶組成物
と水相の残部とを混合して、目的とする小胞体分散液を
得るものであるが、この場合、混合温度は、上記膜形成
成分の相転移温度以下でも製造可能であるが、膜形成成
分が固まってくることを考慮すれば、上記相転移温度以
上で行なうことが好ましい。ここで、水相残部の量は、
分散液の安定性、分散液を繊維処理組成物としてそのま
ま、又は適宜希釈して使用する等の分散液の配合方法な
どを考慮して適宜選定することができる。また、液晶組
成物と残りの水相との混合・分散工程に使用される装置
は、通常の乳化分散に使用される装置を用いることがで
きる。この時の添加順序は、特に問わず、例えば同時に
添加してもよいが、液晶組成物の粘度が高いという点を
考慮すれば、上記混練装置と同様の装置を使用する場
合、分割添加することが望ましい。
【0022】本発明の繊維処理組成物は、上記のように
して得られた小胞体分散液をそのまま、又は組成物全体
に対するシリコーン等の配合量が上記範囲となるように
適宜希釈して使用することができるが、例えば柔軟剤基
剤や他の処理剤等に添加して使用することもできる。ま
た、本発明の効果を損なわない範囲でその他の成分とし
て、通常の柔軟仕上剤等の繊維処理剤に配合される界面
活性剤、高分子化合物等を適宜配合することもできる。
【0023】本発明の繊維処理組成物は、組成物中のシ
リコーンの繊維に対する吸着性が向上したものであり、
例えば本発明の繊維処理組成物を適宜希釈して、繊維を
その希釈水に適宜時間つけておいたり、衣類を洗濯する
際に最終すすぎ工程のすすぎ水に本発明の繊維処理組成
物を添加してすすぎを行うことによって、繊維処理を行
なうことができる。但し、本発明の繊維処理組成物は、
その使用方法(繊維処理方法)が制限されるものではな
く、例えばアイロンや乾燥機等を使用して熱処理を施す
こともできる。
【0024】
【発明の効果】本発明の繊維処理組成物によれば、シリ
コーン本来の特性を損なうことなく繊維に対する吸着性
を向上させることができるので、例えば一般家庭用洗濯
機を使用する場合に最終すすぎ行程ですすぎ水中に添加
するだけで熱処理を行わなくても繊維に十分量のシリコ
ーンが吸着し、簡便な方法で繊維処理を行なうことがで
きる。
【0025】
【実施例】以下、実験例及び実施例を示して本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限される
ものではない。なお、表中の%は重量%を意味する。
【0026】[実験例1〜5]表1に示す膜形成成分と
水相成分の一部とを、あらかじめ50℃に加温してお
き、これらをナウターミキサーで5分間混合(剪断力
0.8m/s)した後、50℃に加温したシリコーンを
添加し、更に30分間混練して、液晶組成物を得た。次
いで、あらかじめ50℃に加熱した残りの水相をナウタ
ーミキサーの容器内に仕込み、これらを分散させて、所
定の小胞体分散液(繊維処理組成物)を得た。得られた
分散液を用い、市販の柔軟仕上剤と同様の方法(シリコ
ーン濃度が20ppmとなるように各組成物を希釈した
溶液を繊維1kgに対して30リットル使用して、一般
家庭用洗濯機を用いて3分間すすいだ後、脱水機で3分
間脱水)で、表1に示す繊維を処理した後、繊維に吸着
したシリコーンを抽出、定量して、下記式により繊維に
対するシリコーン吸着率を求めた。結果を表1に併記す
ると共に、カチオン性の膜形成成分/シリコーン比率と
繊維に対するシリコーン吸着率との相関関係を示すグラ
フを図1に示す。なお、処理を行った繊維は、市販の洗
濯用洗剤(商品名:ダッシュ、ライオン株式会社製)を
用い、通常の洗濯方法によって洗濯した後、すすぎを十
分に行って風乾したものを使用した。
【0027】シリコーン吸着率(%)=繊維吸着シリコ
ーン量÷処理液中シリコーン含量×100
【0028】[実験例6、7]表1に示す乳化剤と水相
成分の一部とを上記ナウターミキサーで5分間混合した
後、シリコーンを添加し、更に30分間混練し、次い
で、残りの水相をナウターミキサーの容器内に仕込み、
これらを分散させて、所定のO/W型乳化液(繊維処理
組成物)を得た。得られた乳化液につき、繊維に対する
シリコーン吸着率を上記実験例と同様の方法で求めた。
結果を表1に併記する。
【0029】
【表1】 ※ライオンアクゾ アーカード218P
【0030】表1及び図1に示すグラフによれば、本発
明の繊維処理組成物(実験例3〜5)は、熱処理を行わ
なくても市販の柔軟仕上剤と同様の使用方法によって、
アクリル繊維及び綿繊維に対して添加したシリコーンの
50%以上を吸着させることができるのに対して、シリ
コーンを二分子膜多層構造に封入しないでO/W型乳化
物として配合した繊維処理組成物は、同様の使用方法で
は、アクリル繊維及び綿繊維に対してシリコーンをほと
んど吸着させることができないことが認められる。ま
た、処理液中のシリコーン濃度が20ppmの一定濃度
であって、小胞体分散液のカチオン性の膜形成成分/シ
リコーン比率が異なる場合、0.35〜1の範囲で綿繊
維に対して特に顕著な吸着率の向上が認められ、アクリ
ル繊維に対しては、0.35〜1の範囲で吸着率の向上
が認められると共に、0.1以上、0.35未満の範囲
においても高い吸着率が認められる。
【0031】[実施例]上記実験例3の小胞体分散液
(繊維処理組成物)をシリコーン無配合の市販の柔軟剤
(商品名:ソフラン、ライオン株式会社製)に、全液体
に対するシリコーン濃度が3重量%となるように添加し
たものにつき、綿繊維に対するシリコーン吸着率を上記
と同様の方法で求めたところ、そのシリコーン吸着率は
60%であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実験例におけるカチオン性の膜形成成
分/シリコーンと繊維に対するシリコーン吸着率との相
関関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 貴山 健太郎 東京都墨田区本所1丁目3番7号 ライオ ン株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カチオン性の膜形成成分による二分子膜
    多層構造にシリコーンを重量比として上記膜形成成分/
    シリコーン=0.35〜1の割合で封入した小胞体分散
    液を含有することを特徴とする繊維処理組成物。
  2. 【請求項2】 上記小胞体分散液が、カチオン性の膜形
    成成分とシリコーンと水相の一部とからなる系を、膜形
    成成分の相転移以上の温度下において混練して液晶組成
    物を形成させ、該液晶組成物に水相の残部を添加・混練
    することにより形成されたものである請求項1記載の繊
    維処理組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003105091A (ja) * 2001-09-27 2003-04-09 Lion Corp 小胞体分散液の製造方法、小胞体分散液、及び衣料用柔軟仕上げ剤
US7003834B2 (en) 2000-05-25 2006-02-28 Kao Corporation Color-recovering agent

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