JPH1095991A - 潤滑剤及びこの潤滑剤を用いた磁気記録媒体 - Google Patents

潤滑剤及びこの潤滑剤を用いた磁気記録媒体

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JPH1095991A
JPH1095991A JP25426096A JP25426096A JPH1095991A JP H1095991 A JPH1095991 A JP H1095991A JP 25426096 A JP25426096 A JP 25426096A JP 25426096 A JP25426096 A JP 25426096A JP H1095991 A JPH1095991 A JP H1095991A
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lubricant
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magnetic
fluorine
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JP25426096A
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Takahiro Furuya
隆博 古谷
Sayaka Sasamoto
さやか 篠本
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Maxell Holdings Ltd
Original Assignee
Hitachi Maxell Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 含フッ素ポリエ−テルブロック、 −(CH2CF2CF2O)l− −(CHFCF2CF2O)m− (但し、式中 lまたはmのいずれかは1以上であり、
かつ、2≦l+m≦200である。)を含有する潤滑剤
であって、少なくとも一つの末端にアンモニウム塩基を
有する潤滑剤によって、高速、低速、高負荷、低負荷に
拘わらず接触する2固体間を低摩擦、低磨耗で摺動させ
る潤滑剤を得、化1の一般式で表される含フッ素ポリエ
−テルを潤滑剤として用いて耐久性に優れる磁気記録媒
体を得る。 【解決手段】 含フッ素ポリエ−テルブロック、 −(CH2CF2CF2O)l− −(CHFCF2CF2O)m− (但し、式中 lまたはmのいずれかは1以上であり、
かつ、2≦l+m≦200である。)を含有する潤滑
剤、およびこの潤滑剤を用いた磁気記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高速、低速、高負
荷、低負荷にかかわらず、接触する2固体間を低摩擦、
低摩耗で摺動させる潤滑剤とこの潤滑剤を潤滑剤として
用いた磁気記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】接触する2固体間を低摩擦、低摩耗で摺
動させ、機器、装置の使用期間を延ばす目的のため、固
体表面の硬質化と潤滑剤の開発が行われている。得にO
A機器の分野ではサイズダウンの要求が強く、摺動部位
には年々精密な機構が採用されている。精密部品が幅広
い環境下で継続的あるいは断続的に摺動する将来の機器
ではこれまで以上に摺動開始時、終了時あるいは摺動時
の摩擦、摩耗を低下させ、モーター等の負荷を低下させ
る必要がある。
【0003】これまで保護潤滑系では摺動部位に硬く摩
耗しにくい表面層を設け、潤滑剤としてグリースあるい
はオイル状の半固体または液体潤滑剤等が用いられてい
る。しかし、接触部位の平滑化が進んだ、精密機器にお
いては、未だ高速、低速、高負荷、低負荷にかかわらず
接触する2固体間を低摩擦低磨耗で摺動させる潤滑剤は
得らておらず、起動不良や摺動時に偶発的に摩擦力が急
増する問題が回避できなかった。
【0004】例えば、強磁性金属またはそれらの合金な
どを真空蒸着などによって非磁性支持体上に被着してつ
くられる強磁性金属薄膜型の磁気記録媒体においては、
それは塗布型の磁気記録媒体に比べて、磁性層の高抗磁
力化や薄膜化を図りやすく高密度記録特性に優れる反
面、靭性のある結合剤樹脂を用いず、また強磁性金属薄
膜層や保護膜層の表面平滑性がよいため、磁気ヘッドと
の摩擦係数が大きくなって磨耗や損傷を受けやすく、耐
久性や走行性に劣るという難点がある。
【0005】そこで、例えば、特開昭62−23611
8号、特開平1−308242号、特開平2−2106
15、特開平7−65352号などの公報において、パ
ーフロロポリエ−テル系潤滑剤、フッ化カルボン酸系潤
滑剤、部分フッ化カルボン酸系潤滑剤などの各種の潤滑
剤を強磁性金属薄膜層上に存在させて、耐久性および走
行性を改善することが提案されている。また、磁性粉を
結合樹脂で結合させた塗布型の磁気記録媒体において
も、記録の高密度化が進み、従来の炭化水素系潤滑剤や
シリコン系潤滑剤に代わる優れた潤滑剤として上記のよ
うな潤滑剤の使用が望まれている。
【0006】また、これらのフッ素系潤滑剤を磁性層中
に含有させ、また磁性層表面や保護膜表面に付着させる
には、この潤滑剤をフッ素系有機溶剤に溶解させて、塗
布、浸積、噴霧などの操作を行わなければならない。と
ころが、フッ素系有機溶剤はオゾン層の破壊などの環境
破壊につながり、また、溶剤が高価なため回収の費用が
必要などの問題点が多い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、接触部位
の平滑化が進む将来の精密機器においても、高速、低
速、高負荷、低負荷に拘わらず接触する2固体間を低摩
擦、低磨耗で摺動させ、かつ、環境にやさしい潤滑剤を
得、またこの潤滑剤を磁気記録媒体に利用することによ
り、耐久性に優れた磁気記録媒体を得ることを目的とし
ている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために鋭意検討した結果、下記の含フッ素
ポリエ−テルブロックを含有する潤滑剤であって、少な
くとも一つの末端にアンモニウム塩基を有する潤滑剤を
用いると、非フッ素系溶剤にて塗布、浸積、噴霧などの
操作が可能となって、フッ素系溶剤の使用による環境破
壊などの弊害を招くことなく、接触する2固体間を低摩
擦低磨耗で摺動させることができることを見いだした。
【0009】−(CH2CF2CF2O)l− −(CHFCF2CF2O)m− (但し、式中 lまたはmのいずれかは1以上であり、
かつ、2≦l+m≦200である。) この発明において用いる潤滑剤は、分子内に水素を含む
ブロックを繰り返し単位構造として有する含フッ素ポリ
エーテルからなるため、ヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン、ノナン、デカン、アセトン、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メ
タノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、シ
クロヘキサノン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、フェノール、ジエチルエーテル、ジグラ
イム、トリグライム、テトラヒドロフラン、ジメチルス
ルホキサイド、ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリ
ドン等の非フッ素系溶剤に可溶である。そのため、トリ
クロロフロロエタン等のフッ素系溶剤を用いることな
く、潤滑剤を磁性層中に含有あるいは磁性層表面や保護
膜表面に付着させることが可能となる。
【0010】この潤滑剤における各含フッ素ポリエ−テ
ルブロックの構成単位数、l、mはいずれかが1以上で
あるのが好ましく、非フッ素系溶剤に可溶であるために
は、3以上あることがより好ましい。
【0011】また、フッ素特有の潤滑性を得るためには
l、mの総和は2以上200以下が好ましく、3以上1
00以下がより好ましく、10以上50以下が最も好ま
しい。 l、mの総和が200より大きいとその効果は
飽和しあまり意味を持たない。また、分子量が大きすぎ
ると粘度が高くなり、磁気記録媒体用の潤滑剤として用
いる場合に、ヘッドと媒体間で貼り付き現象を起こしや
すくなるのであまり好ましくない。
【0012】また、この潤滑剤は少なくとも1つの末端
にアンモニウム塩基を有している。末端にアンモニウム
塩基を有することにより、磁気記録媒体に利用する場合
に、磁性層表面や保護膜表面に対し潤滑剤が安定に存在
することができる。その結果、高速、低速、高負荷、低
負荷に拘わらず、接触する2固体間を低摩擦低磨耗で摺
動させることができる。アンモニウム塩基以外にアミド
基、ウレタン基、ウレア基、リン酸基等の極性基を有し
ていてもかまわない。
【0013】また、本発明の潤滑剤は、上記の各含フッ
素ポリエ−テルブロック以外に、−(CF2CF2CF2
O)n−の含フッ素ポリエ−テルブロックを含有させる
ことも可能である。この場合、各含フッ素ポリエ−テル
ブロックの構成単位、l、mのいずれかは1以上であ
り、nは1以上であって、l、m、nの総和は2以上2
00以下が好ましく、3以上100以下がより好まし
く、10以上50以下が最も好ましい。 l、mの総和
が200より大きいとその効果は飽和しあまり意味を持
たない。また、分子量が大きすぎると粘度が高くなり、
磁気記録媒体用の潤滑剤として用いる場合に、ヘッドと
媒体間で貼り付き現象を起こしやすくなるのであまり好
ましくない。
【0014】本発明の潤滑剤は、例えば、特開昭60−
137928号公報および特開昭60−202122号
公報に記載されている方法により合成することができ
る。また、末端がアンモニウム塩基であるアンモニウム
塩化合物は、アミノ基を有する化合物とカルボキシル基
を有する化合物とを融点以上の温度で加熱撹拌すること
により合成することが可能である。
【0015】この発明においては、上記の化合物を潤滑
剤としてとして用いることを特徴としているが、必要に
より、これ以外の潤滑剤として、脂肪酸またはその金属
塩、脂肪族エステル、脂肪族アミン、脂肪族アミド、脂
肪族アルコ−ル、モノサルフアイド、パラフィン類、シ
リコ−ン化合物、脂肪族とフッ化物のエステル、パ−フ
ルオロポリエ−テル、ポリテトラフルオロエチレンなど
の他の一般潤滑剤を併用してもよい。
【0016】また、トリオレイルホスフェート等のリン
系極圧剤、二硫化ベンジル等のイオウ系極圧剤、臭化ア
リル等のハロゲン系極圧剤、および、ジイソブチルジチ
オリン酸亜鉛等の有機金属系極圧剤などを併用してもよ
い。
【0017】この発明において、潤滑剤を磁性層および
保護膜層上に設けるには、潤滑剤をアメチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、アセトン等のケトン系、
酢酸エチル等のエステル系、ジエチルエーテル、テトラ
ヒドロフラン等のエーテル系、イソプロピルアルコー
ル、オクチルアルコール等のアルコール系、その他、ジ
メチルスルフォキサイド、ジメチルホルムアミド、トル
エン、ヘキサン、ヘプタン等などの汎用の有機溶媒やに
溶解させ、この溶液を非磁性支持体上にあらかじめ形成
された磁性層あるいは保護膜層上に、塗布または噴霧し
て乾燥するか、あるいは逆に上記の溶液中に磁性層ある
いは保護膜層を浸積して乾燥すればよい。
【0018】磁性層が強磁性金属薄膜からなる場合、そ
の薄膜上に真空蒸着、スパッタリング、プラズマなどで
炭素(ダイヤモンド状あるいはアモルファス状)、酸化
硅素、酸化ジルコニウム、酸化クロムや有機化合物など
からなる保護膜を設けてもよいし、また、それらにフッ
素や硅素などを含ませた保護膜を設けてもよいし、ま
た、強磁性金属薄膜は表面に微量の水分が付着したもの
であってもよいし、また、ベンゾトリアゾ−ル系などの
防錆剤を塗布したものであってもよい。
【0019】また、DLC(ダイヤモンドライクカ−ボ
ン)保護膜等の表面にアルゴン、酸素、フッ素、窒素お
よびアンモニアプラズマ処理等を施してもよい。プラズ
マ処理を施すことにより、保護膜表面を清浄化しつつ、
プラズマ中の化学活性種を堆積させることができ、保護
膜の硬度を低下させることなく潤滑剤をより安定に存在
させることが可能となる。また、グロー放電処理、紫外
線照射処理、熱処理などを行うことによっても、潤滑剤
を安定に存在することが可能である。これらの処理は潤
滑剤を付着させる前に行ってもよいし、潤滑剤を付着さ
せた後に行ってもよいし、また、潤滑剤を付着させた
後、余分な潤滑剤を洗浄した後におこなってもよい。
【0020】また、塗布型の磁気記録媒体においては、
前記の塗布、噴霧、浸積などによる付着形成以外に、汎
用の有機溶剤を用いた磁性塗料中に潤滑剤を一緒に混合
し、これを非磁性支持体上に塗着して、潤滑剤含有の磁
性層を形成するようにしてもよい。また、このように形
成した磁性層上にさらに前記の塗布、噴霧、浸積などに
て再度付着形成してもよい。また付着後、余分な潤滑剤
などを溶剤により洗浄してもよい。また、磁性層の反対
側に潤滑剤を含有させておき、磁性層側に転写させても
よい。
【0021】強磁性金属薄膜上への潤滑剤の塗布量は、
薄膜表面に対し0.5〜20mg/m2の範囲とするの
が好ましい。また、塗布型磁気記録媒体の場合、磁性層
中の潤滑剤の含有量は、10〜100mg/m2の範囲
とするのが好ましい。過少では、薄膜表面に潤滑剤を均
一に付着させにくく、スチル耐久性を十分に向上させる
ことができない。また、過多では、磁気ヘッドと強磁性
金属薄膜とが貼り付いたりするため、好ましくない。
【0022】潤滑剤の付着量および含有量は、例えば、
潤滑剤を塗布したテープを汎用溶剤に一晩浸漬し、潤滑
剤を溶剤抽出した後、液体カラムクロマトグラフィある
いはガスクロマトグラフィ等により求めることができ
る。塗布型の磁気記録媒体の場合、磁性層表面および内
部の空孔中に潤滑剤が保持されるが、潤滑特性を示すの
は上記溶剤の浸漬によって抽出されてくる潤滑剤が主成
分であるため、この量を塗布型の磁気記録媒体の含有量
ということができる。
【0023】この発明の磁気記録媒体において、非磁性
支持体としては、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリエ
チレンナフタレ−ト、ポリアミド、ポリカ−ボネ−ト、
ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィンなどのプ
ラスチックや、アルミニウム合金、チタン合金、ガラス
などが好適に使用される。また、この非磁性支持体は、
テ−プ、シ−ト、、ディスク、カ−ドなどのいずれの形
態でもよく、表面に突起を設けたものでもよい。
【0024】強磁性金属薄膜型の磁気記録媒体では、上
記の非磁性支持体の片面または両面に、Co、Ni、F
e、Co-Ni、Co-Cr、Co-P、Co-Ni-P、
Fe-Co-B、Fe-Co−Ni、Co-Ni-Fe-B、
Fe-Ni、Fe-Co、Co-Pt、Co-Ni-Ptま
たはこれらに酸素を加えたものなどからなる種々の強磁
性材が、真空蒸着、イオンプレ−ティング、スパッタリ
ング、メッキなどの方法で、薄膜形成される。このよう
に形成される強磁性金属薄膜の膜厚は、通常0.03〜
1μmの範囲にあるのが好ましい。
【0025】塗布型の磁気記録媒体では、上記の非磁性
支持体の片面または両面に、磁性粉および結合剤樹脂を
含む磁性塗料が塗着されて、厚さが通常0.05〜10
μm程度の磁性層が形成される。磁性塗料には、充填
剤、帯電防止剤、分散剤、着色剤などの従来公知の各種
の配合剤を、任意に含有させることができる。
【0026】磁性粉としては、γ-Fe23、Fe
34、γ-Fe23とFe34との中間酸化状態の酸化
鉄、Co含有γ-Fe23、Co含有γ-Fe34、Cr
2、バリウムフェライトなどの酸化物系磁性粉や、F
e、Co、Fe-Ni-Cr合金などの金属磁性粉、窒化
鉄のような窒化物系磁性粉など、従来公知の各種の磁性
粉が広く使用される。針状の磁性紛では、平均粒子径
(長軸)が通常0.05〜1μm程度、平均軸比(平均
長軸比/平均短軸比)が通常5〜10程度であるのがよ
い。板状の磁性紛では、平均長軸径が通常0.07〜
0.3μm程度であるのが好ましい。
【0027】結合樹脂としては、例えば、塩化ビニル-
酢酸ビニル系共重合体、繊維素系樹脂、ポリウレタン系
樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルブチラ−ト系樹
脂、ポリアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノ−ル
系樹脂、ポリイソシアネ−ト化合物など、磁気記録媒体
の結合剤として通常用いられれるものが、いずれも好適
に用いられる。
【0028】この発明の磁気記録媒体において、非磁性
体の一面側のみに磁性層を形成したものでは、その反対
面側にバックコ−ト層を設けてもよい。このバックコ−
ト層は、カ−ボンブラック、炭酸カルシウムなどの非磁
性粉を、塩化ビニル-酢酸ビニル系共重合体、ポリウレ
タン系樹脂、繊維素系樹脂などの結合剤樹脂および有機
溶剤と共に混合分散して、バックコ−ト層用塗料を調製
し、これを非磁性支持体の反対面側に塗布、乾燥して形
成される。
【0029】本発明の潤滑剤は、上記の磁気記録媒体用
の潤滑剤のほか、塗料用樹脂(防食ライニング、非接着
コーティング、耐候性塗料)、繊維処理剤(撥水、撥油
加工)、離型剤、耐油紙、リベリング剤、接着剤、消化
剤、消泡剤、光ファイバー(鞘成分として)、光学レン
ズ、医用高分子材料などにも使用することかできる。
【0030】
【実施例】次に、この発明の実施例について説明する。
なお、ここでは代表的なものとして磁気記録媒体に応用
した例について述べるが、用途、製造方法、物質等が限
定されるものではないことは言うまでもない。
【0031】実施例1 末端カルボキシル基の含フッ素ポリエーテル(F−(C
2CF2CF2O)l−CH2CF2COOH:l=12)
1モルとステアリルアミン 1モルとを100℃で8時
間反応させ、下記の構造式化1で表わされる潤滑剤を得
た。
【0032】
【化1】
【0033】実施例2 実施例1のステアリルアミンの代わりにオレイルアミン
1モルを用い、実施例1と同様に反応させて、下記の
構造式化2で表される潤滑剤を得た。
【0034】
【化2】
【0035】実施例3 実施例1のステアリルアミンの代わりにオクチルアミン
1モルを用い、実施例1と同様に反応させて、下記の
構造式化3で表される潤滑剤を得た。
【0036】
【化3】
【0037】実施例4 実施例1のステアリルアミンの代わりにトリエチルアミ
ン 1モルを用い、実施例1と同様に反応させて、下記
の構造式化4で表される潤滑剤を得た。
【0038】
【化4】
【0039】実施例5 実施例1のステアリルアミンの代わりに1H、1H−ペ
ンタデカフルオロオクチルアミン 1モルを用い、実施
例1と同様に反応させて、下記の構造式化5で表される
潤滑剤を得た。
【0040】
【化5】
【0041】実施例6 実施例1のステアリルアミンの代わりに 4−フェノキ
シアニリン 1モルを用い、実施例1と同様に反応させ
て、下記の構造式化6で表される潤滑剤を得た。
【0042】
【化6】
【0043】実施例7 実施例1のステアリルアミンの代わりにピペロニルアミ
ン 1モルを用い、実施例1と同様に反応させて、下記
の構造式化7で表される潤滑剤を得た。
【0044】
【化7】
【0045】実施例8 実施例1のステアリルアミンの代わりに 4−メトキシ
アニリン 1モルを用い、実施例1と同様に反応させ
て、下記の構造式化8で表される潤滑剤を得た。
【0046】
【化8】
【0047】実施例9 実施例1のステアリルアミンの代わりに 4−トリフル
オロメチルアニリン1モルを用い、実施例1と同様に反
応させて、下記の構造式化9で表される潤滑剤を得た。
【0048】
【化9】
【0049】実施例10 実施例1のステアリルアミンの代わりにジフェニルアミ
ン1モルを用い、実施例1と同様に反応させて、下記の
構造式化10で表される潤滑剤を得た。
【0050】
【化10】
【0051】実施例11 実施例1のステアリルアミンの代わりにアンモニア1モ
ルを用い、実施例1と同様に反応させて、下記の構造式
化11で表される潤滑剤を得た。
【0052】
【化11】
【0053】実施例12 末端カルボキシル基の含フッ素ポリエーテル(F−(C
HFCF2CF2O)m−CHFCF2COOH:m=1
2)1モルとステアリルアミン1モルとを100℃で8
時間反応させ、下記の構造式化12で表される潤滑剤を
得た。
【0054】
【化12】
【0055】実施例13 末端カルボキシル基の含フッ素ポリエーテル(F−(C
HFCF2CF2O)m−(CF2CF2CF2O)n−CF2
CF2COOH:m=8、n=4)1モルとステアリル
アミン1モルとを100℃で8時間反応させ、下記の構
造式化13で表される潤滑剤を得た。
【0056】
【化13】
【0057】実施例14〜26 厚さ6μmのポリエチレンテレフタレ−トフィルム上
に、Coを酸素雰囲気下で斜め蒸着して、上記フィルム
上に厚さ0.15μmのCo−Oからなる強磁性金属薄膜を
形成し、その後、13.56MHzのRFを用い、モノ
マ−ガスとしてエチレン、キャリアガスとして水素を用
いて、プラズマ重合法により上記強磁性金属薄膜上にD
LC(ダイアモンドライクカ−ボン)保護膜20nmを
形成し、その後、8mm幅に裁断した。
【0058】次に、実施例1ないし13で製造した潤滑
剤を、それぞれ、メチルエチルケトン:エタノール:n-
ヘキサン:=6:3:1に0.2重量%濃度となるように
溶解させ、それぞれの潤滑剤の溶液中に、上記のテ−プ
を浸積し、乾燥した後、 DLC保護膜上に下記の表1
に示す実施例1ないし13で得られた潤滑剤からなる被
膜を形成し、実施例14〜26のビデオテ−プをそれぞ
れ作製した。
【0059】実施例27〜39 厚さ10μmのポリエチレンテレフタレ−トフィルム上
に、Co−Niを酸素雰囲気下で斜め蒸着して、上記フ
ィルム上に厚さ0.15μmのCo−Ni−O[Co:Ni
(重量比)=80:20]からなる強磁性金属薄膜を形成
し、その後、8mm幅に裁断した。
【0060】次に、実施例1ないし13で製造した潤滑
剤を、それぞれ、メチルエチルケトン:エタノール:n-
ヘキサン:=6:3:1に0.2重量%濃度となるよう
に溶解させ、それぞれの潤滑剤の溶液中に、上記のテ−
プを浸積し、乾燥した後、強磁性金属薄膜上に下記の表
1に示す実施例1ないし13で得られた潤滑剤からなる
被膜を形成し、実施例27〜39のビデオテ−プをそれ
ぞれ作製した。
【0061】実施例40〜52 α-Fe磁性紛(保磁力1500エルステッド、飽和磁
化120emu/g)100部、塩化ビニル-酢酸ビニル-ビ
ニルアルコ−ル共重合体(UCC社製のVAGH)20
部、多官能イソシアネ−ト化合物5部、カ−ボンブラッ
ク3部、α-Al2O3粉3部、ミリスチン酸2部、シ
クロヘキサノン150部およびトルエン130部からな
る配合組成物を、ボ−ルミル中で72時間混合分散し
て、磁性塗料を調整した。この塗料を、厚さ15μmの
ポリエチレンテレフタレ−トフィルム上に乾燥後の厚さ
が5μmとなるように塗布し、乾燥して、磁性層を形成
し、カレンダ−処理後、8mm幅に裁断した。
【0062】次に、実施例1ないし13で製造した潤滑
剤を、それぞれ、メチルエチルケトン:エタノール:n-
ヘキサン:=6:3:1に0.2重量%濃度となるよう
に溶解させ、それぞれの潤滑剤の溶液中に、上記のテ−
プを浸積し、乾燥した後、下記の表1に示す実施例1な
いし13で得られた潤滑剤を含有させた実施例40〜5
2のビデオテ−プをそれぞれ作製した。
【0063】
【表1】
【0064】比較例1 末端カルボキシル基パーフロロポリエ−テル化合物デム
ナムSH−1(ダイキン製 :平均分子量約2200)
を1、1、2−トリフロロ−1、2、2−トリクロロエ
タンに0.2重量%濃度溶解させて、フッ化エ−テル化
合物溶液を調整した。
【0065】次いで、得られたフッ化エ−テル化合物溶
液を使用し、実施例14と同様にして、DLC保護膜上
にフッ化エ−テル化合物からなる被膜を形成し、ビデオ
テ−プを作製した。
【0066】比較例2 末端水酸基パーフロロポリエ−テル化合物デムナムSA
−1(ダイキン製 :平均分子量約2200)を1、
1、2−トリフロロ−1、2、2−トリクロロエタンに
0.2重量%濃度溶解させて、フッ化エ−テル化合物溶
液を調整した。
【0067】次いで、得られたフッ化エ−テル化合物溶
液を使用し、実施例14と同様にして、DLC保護膜上
にフッ化エ−テル化合物からなる被膜を形成し、ビデオ
テ−プを作製した。
【0068】比較例3 比較例1で得られたフッ化エ−テル化合物溶液を使用
し、実施例27と同様にして、強磁性金属薄膜上にフッ
化エ−テル化合物からなる被膜を形成し、ビデオテ−プ
を作製した。
【0069】比較例4 比較例2で得られたフッ化エ−テル化合物溶液を使用
し、実施例27と同様にして、強磁性金属薄膜上にフッ
化エ−テル化合物からなる被膜を形成し、ビデオテ−プ
を作製した。
【0070】比較例5 比較例1で得られたフッ化エ−テル化合物溶液を使用
し、実施例40と同様にしてフッ化エ−テル化合物を含
有するビデオテ−プを作製した。
【0071】比較例6 比較例2で得られたフッ化エ−テル化合物溶液を使用
し、実施例40と同様にしてフッ化エ−テル化合物を含
有するビデオテ−プを作製した。
【0072】各実施例および比較例で用いた潤滑剤の汎
用溶剤に対する下記の方法で溶解性を調べた。これらの
結果を表2に示す。また、各実施例および比較例で作製
したビデオテ−プについて、下記の方法でスチル耐久性
および摩擦係数を調べた。これらの結果を表3に示す。
【0073】<溶解性>汎用溶剤としてメチルエチルケ
トン:エタノール:n-ヘキサン:=6:3:1を使用
し、各潤滑剤をこの溶剤に少量ずつ加えてよく攪拌し
た。0.05重量%以上溶解するものを○、それ以下の
ものを×、として評価した。
【0074】<スチル耐久性>20度、50%RHの条
件下で、各ビデオテープを直径 4cmの8mm用シリ
ンダに220度の巻き付け角でセットし、テープ/磁気
ヘッド間相対速度11.3m/s、テープ張力12.5
gf/cmの条件で波長1.6μmの正弦波を記録し、
スチルモードで再生出力およびスチル時のシリンダ負荷
を測定した。スチル寿命は再生出力が初期値から6dB
低下するまでの時間とした。
【0075】<摩擦係数>20度、50%RHの条件下
で、摺動速度1m/min、摺動距離5cm、テープ張
力20gの条件下で、対ステンレスピンに往復摺動試験
を20往復行い、20往復目の摩擦係数を求めた。
【0076】
【表2】
【0077】
【表3】
【0078】上記の表2の結果から明らかなように、こ
の発明の潤滑剤は非フッ素系溶剤に可溶であり、また表
3の結果から明らかなように、この発明の実施例で使用
した潤滑剤はビデオテ−プに用いたときのスチル時間、
摩擦係数が従来のフッ素系潤滑剤に対し、同等ないしそ
れ以上であり、この発明により得られるビデオテ−プ
は、優れた潤滑性を示すことが分かる。
【0079】
【発明の効果】以上の結果から明らかなように、この発
明により得られるビデオテ−プは優れた潤滑性を示して
おり、このことからこの発明の潤滑剤は、潤滑性が良好
で、高速、低速、高負荷、低負荷に拘らず接触する2固
体間を低摩擦、低摩耗で摺動させ、かつ環境にやさしい
潤滑剤を得ることができ、この発明で得られた潤滑剤を
用いると、耐久性に優れた磁気記録媒体が得られること
が分かる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の含フッ素ポリエ−テルブロック、 −(CH2CF2CF2O)l− −(CHFCF2CF2O)m− (但し、式中 lまたはmのいずれかは1以上であり、
    かつ、2≦l+m≦200である。)を含有する潤滑剤
    であって、少なくとも一つの末端にアンモニウム塩基を
    有することを特徴とする潤滑剤。
  2. 【請求項2】 含フッ素ポリエ−テルブロックとして、
    さらに下記の含フッ素ポリエ−テルブロック、 −(CF2CF2CF2O)n− (但し、式中 nは1以上であり、かつ、2≦l+m+
    n≦200である。)を含有する請求項1記載の潤滑
    剤。
  3. 【請求項3】 非フッ素系溶剤に可溶な含フッ素ポリエ
    ーテルからなる請求項1または2記載の潤滑剤。
  4. 【請求項4】 非フッ素系溶剤がヘキサン、ヘプタン、
    オクタン、ノナン、デカン、アセトン、メチルエチルケ
    トン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチ
    ル、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノー
    ル、シクロヘキサノン、シクロヘキサン、ベンゼン、ト
    ルエン、キシレン、フェノール、ジエチルエーテル、ジ
    グライム、トリグライム、テトラヒドロフラン、ジメチ
    ルスルホキサイド、ジメチルホルムアミド、N-メチルピ
    ロリドンからなる群から選択される請求項1記載の潤滑
    剤。
  5. 【請求項5】 非磁性支持体、および該支持体の少なく
    とも片面に磁性層を有する磁気記録媒体において、磁性
    層がその内部または表面に、請求項1または2記載の潤
    滑剤を有することを特徴とする磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 磁気記録媒体が強磁性金属薄型磁気記録
    媒体であり、潤滑剤の付着量が、0.5〜20mg/m
    2である請求項5に記載の磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】 強磁性金属薄膜上に炭素、酸化硅素、酸
    化ジルコニウムまたは酸化クロム保護膜を有する請求項
    6に記載の磁気記録媒体。
  8. 【請求項8】 磁気記録媒体が塗布型磁気記録媒体であ
    り、磁性層中の潤滑剤の含有量が、10〜100mg/
    2である請求項5に記載の磁気記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2005003075A1 (ja) * 2003-07-02 2005-01-13 Daikin Industries, Ltd. フルオロアルキルカルボン酸誘導体、含フッ素重合体の製造方法及び含フッ素重合体水性分散液
WO2015025875A1 (ja) * 2013-08-21 2015-02-26 デクセリアルズ株式会社 潤滑剤及び磁気記録媒体

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