JP3428970B2 - フッ素化ポリエ−テル - Google Patents

フッ素化ポリエ−テル

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JP3428970B2 JP2001104061A JP2001104061A JP3428970B2 JP 3428970 B2 JP3428970 B2 JP 3428970B2 JP 2001104061 A JP2001104061 A JP 2001104061A JP 2001104061 A JP2001104061 A JP 2001104061A JP 3428970 B2 JP3428970 B2 JP 3428970B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】この発明はフッ素化ポリエ−
テルに関し、さらに詳しくは、有機溶剤に対する溶解性
および耐加水分解性にすぐれたフッ素化ポリエ−テルに
関する。 【0002】 【従来の技術】一般に、パ−フルオロアルキルポリエ−
テルは優れた潤滑剤として種々の用途に用いられてお
り、たとえば、磁性粉末、結合剤成分、有機溶剤および
その他の必要成分からなる磁性塗料をポリエステルフィ
ルムなどの基体上に塗布、乾燥するか、あるいは強磁性
材を真空蒸着等によって基体上に被着してつくられる磁
気記録媒体などに使用され、磁気ヘッド等と接触しなが
ら走行する磁性層などの摩擦係数を低減し、摩耗を少な
くして、走行性および耐久性を改善している。 【0003】しかしながら、パ−フルオロアルキルポリ
エ−テルは磁性層表面との化学的相互作用が十分でない
ため磁性層表面から離脱し易い欠点があり、これを改善
するためパ−フルオロアルキルポリエ−テル分子末端に
ヒドロキシル基、カルボキシル基などの極性官能基を賦
与することが試みられているが、パ−フルオロポリエ−
テル類はフロン系溶媒にしか溶解しないものが多く、プ
ロセスのコスト及び安全性の両面で大きな問題になって
いる。そこで、近年、有機溶剤に対する溶解性の改善が
図られ、有機溶剤に対する溶解性に優れたパ−フルオロ
ポリエ−テルとして、パ−フルオロポリエ−テルの分子
末端に一級長鎖脂肪族アミドを含む化合物が提案されて
いる(特開平2−78016号)。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところが、このパ−フ
ルオロポリエ−テルの分子末端に一級長鎖脂肪族アミド
を含む化合物におけるアミド基は、水素結合が高いため
粘度が高くなりがちであり、また、磁気記録媒体に使用
するときは、磁性層表面に触媒活性があり、かつ摺動時
に高温となるため、加水分解反応が起こりやすく、走行
性および耐久性の改善が不充分で、長期的信頼性の点で
問題がある。 【0005】 【課題を解決するための手段】この発明は、かかる現状
に鑑み種々検討を行った結果なされたもので、−CF 2
O−単位と−CF 2 CF 2 O−単位を基本骨格とする分
子量が500〜10000のフッ素化ポリエ−テルの少
なくとも一つの末端に、一般式 −CON(R1 )R2 〔但し、R1 およびR2 は脂肪族炭化水素基、末端に水
酸基を有する炭化水素基、末端に−OCOR3 基を有す
る炭化水素基(但し、R3 は炭化水素基である。)から
選ばれる何れかである。〕で表される極性基を有するフ
ッ素化ポリエ−テルを得、有機溶剤に対する溶解性およ
び耐加水分解性を充分に向上させたものである。 【0006】 【発明の実施の形態】この発明において、前記の極性基
を有するフッ素化ポリエ−テルは、少なくとも一つの末
端に脂肪族炭化水素基などを有しているため、有機溶剤
に対する溶解性が良好で、使用が容易となる。また、ア
ミド基の水素原子が位置する部分がかさ高い脂肪族炭化
水素基などで置換されているため、粘度上昇が抑制さ
れ、さらにたとえ高温下でも加水分解反応しにくい。ま
た、基本骨格が分子量500〜10000のフッ素化ポ
リエ−テルであるため、すぐれた潤滑効果を有する。 【0007】この種のフッ素化ポリエ−テルを磁気記録
媒体に潤滑剤として使用すると、有機溶剤や結合剤成分
との親和性がよく、磁性層中への均一分散化が容易であ
る。また、強磁性金属薄膜層表面に強固に吸着するなど
磁性層表面との相互作用もよく、磁性層表面に長期間良
好に保持される。したがって、磁気ヘッドとの強い摺接
に耐えて、そのすぐれた潤滑効果が充分に発揮され、走
行性および耐久性が充分に向上されて、繰り返し走行や
スチルなどの過酷な使用条件下での長期安定性が向上さ
れる。 【0008】このような極性基を有するフッ素化ポリエ
−テルは、たとえば、通常入手できる−CF 2 O−単位
と−CF 2 CF 2 O−単位を基体骨格とし、少なくとも
一つの末端に−COOH基を有するフッ素化ポリエ−テ
ルに、一般式 HN(R1 )R2 (但し、R1 およびR2 は脂肪族炭化水素基である。)
で表されるアミンを反応させて分子末端をアミドとする
などして合成される。また、この一般式中のR1 および
2 の少なくとも一方が末端に水酸基を有する炭化水素
基であるものや、さらにこの末端水酸基に種々のカルボ
ン酸を反応させてエステル化したものなども好適に使用
されて合成され、こうすることによって一般に使用され
る有機溶剤に対する溶解性が向上する。 【0009】ここで、R1 およびR2 の炭素数は多いも
のが好ましく、炭素数が少ないとフッ素化ポリエ−テル
の有機溶剤に対する溶解性に劣る。しかしながら、炭素
数が多すぎると融点が高くなり、低温における特性が悪
くなることがある。なお、脂肪族炭化水素基は分岐や不
飽和結合が含まれていてもよい。また、末端に水酸基を
有する炭化水素基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれの
炭化水素基であってもよく、不飽和結合を含んでいても
よい。 【0010】このように、少なくとも一つの末端に−C
OOH基を有する分子量が500〜10000のフッ素
化ポリエ−テルと、たとえば、アミンとを反応させて得
られるフッ素化ポリエ−テルを、磁気記録媒体の潤滑剤
として使用するには、この種のフッ素化ポリエ−テル
を、メチルエチルケトン、n−ヘキサン、イソプロピル
アルコ−ルなどの有機溶剤に溶解し、この溶解によって
得られた溶液中に磁性層を浸漬するか、もしくはこの溶
液を磁性層上に塗布または噴霧して磁性層上に被着する
などの方法で使用される。また、この他、この種のフッ
素化ポリエ−テルを、磁性粉末、有機溶剤およびその他
の必要成分とともに混合分散して磁性塗料を調製し、こ
の磁性塗料をポリエステルフィルムなどの基体上に、吹
き付けもしくはロ−ル塗りなどの任意の手段で塗布し、
乾燥して磁性層を形成するなどの方法でも使用される。 【0011】ここで、磁気記録媒体の潤滑剤として使用
する場合、この種のフッ素化ポリエ−テルを単独で潤滑
剤として用いてもよいが、他の従来公知の潤滑剤と併用
してもよく、たとえば、脂肪族エステル、フッ素化脂肪
族エステル、パラフィン類、シリコ−ンオイル、脂肪酸
またはその金属塩、脂肪酸アミド、脂肪族アルコ−ル、
モノサルファイド、パラフィン類、シリコ−ン化合物、
パ−フルオロポリエ−テル、ポリテトラフルオロエチレ
ンなどの樹脂粉末などが、好適なものとして併用され
る。 【0012】磁気記録媒体の潤滑剤として使用する場合
のこの種のフッ素化ポリエ−テルの使用量は、磁性層上
に被着する場合、被着量が0.05mg/m2 より少なくて
は所期の効果が得られず、 5.0mg/m2 より多いと出
力低下やドロップアウトの原因になるため、0.05〜5.0
mg/m2 の範囲内で被着させるのが好ましい。また、
磁性層中に含有させる場合は、磁性粉末に対して 0.1重
量%より少なくては所期の効果が得られず、10重量%
より多いと磁性層の塗膜強度の低下や磁気ヘッド汚れが
生じやすくなるため 0.1〜10重量%の範囲内にするの
が好ましい。 【0013】磁性層の形成は、強磁性金属薄膜層の場
合、Fe、Co、Ni、Co−Ni、Co−Cr、Fe
−Ni、Fe−Co、Co−P、Co−Pt、Fe−C
o−B、Co−Ni−Fe−B、Fe−Co−Ni、C
o−Ni−Pt、Co−Ni−Pなどの強磁性材、さら
にこれらに微量の希土類金属を含ませた強磁性材を、真
空蒸着、イオンプレ−ティング、スパッタリング、メッ
キ等の手段によって基体上に被着するなどの方法で形成
され、このようにして形成される強磁性金属薄膜層は、
厚さを0.03〜1μmの範囲内にするのが好ましい。 【0014】このようにして形成される強磁性金属薄膜
層上に前記の潤滑剤を被着させる場合、強磁性金属薄膜
層は、表面に微量の水分が付着していてもよく、さら
に、ベンゾトリアゾ−ル系等の防錆剤を塗布したもの
や、真空蒸着、スパッタリング、プラズマなどで有機化
合物や炭素や酸化珪素などからなる保護膜層を強磁性金
属薄膜層上に設けたものであってもよい。 【0015】この他、磁性層は、磁性粉末を、結合剤樹
脂、有機溶剤およびその他の必要成分とともに混合分散
して磁性塗料を調製し、この磁性塗料をポリエステルフ
ィルムなどの基体上に塗布、乾燥してつくられる。 【0016】この場合、使用される磁性粉末としては、
γ−Fe2 3 粉末、Fe3 4 粉末、γ−Fe2 3
とFe3 4 との中間酸化状態の酸化鉄粉末、Co含有
γ−Fe2 3 粉末、Co含有Fe3 4 粉末、CrO
2 粉末の他、Fe粉末、Co粉末、Fe−Ni合金粉
末、Fe−Ni−Cr合金粉末などの金属粉末およびバ
リウムフェライト粉末、窒化鉄の如き窒化物系磁性粉末
など、従来公知の各種磁性粉末が広く使用される。 【0017】また、結合剤樹脂としては、塩化ビニル−
酢酸ビニル系共重合体、繊維素系樹脂、ポリウレタン系
樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルブチラ−ル系樹
脂、ポリアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノ−ル
系樹脂、ポリイソシアネ−ト化合物など、通常、磁気記
録媒体の結合剤樹脂として使用されるものが、いずれも
好適に使用される。 【0018】さらに、有機溶剤としては、メチルイソブ
チルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、
トルエン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン、ジメチルホルムアミドなど、一般に磁気記録媒体に
使用されるものが単独もしくは二種以上混合して使用さ
れる。 【0019】なお、磁性塗料中には、通常使用されてい
る各種添加剤、たとえば、研磨剤、帯電防止剤、分散剤
などを任意に添加使用してもよい。 【0020】また、表面に磁性層を形成した非磁性支持
体の裏面にバックコ−ト層を設けてもよく、このバック
コ−ト層は、カ−ボンブラック、炭酸カルシウムなどの
非磁性粉末を、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、ウ
レタン系樹脂、繊維素系樹脂等の結合剤樹脂および有機
溶剤等とともに混合分散してバックコ−ト層用塗料を調
製し、このバックコ−ト層用塗料を表面に磁性層を形成
した非磁性支持体の裏面に、塗布、乾燥して形成され
る。 【0021】非磁性支持体としては、ポリエチレンテレ
フタレ−ト、ポリエチレンナフタレ−ト、ポリカ−ボネ
−ト、ポリイミド、ポリ塩化ビニル等のプラスチックや
アルミニウム合金、チタン合金などが好適に使用され
る。また、この非磁性支持体の形状は、テ−プ、シ−
ト、ディスク、カ−ドなどのいずれであってもよく、表
面に突起を形成していてもよい。 【0022】 【実施例】つぎに、この発明の実施例について説明す
る。 【0023】実施例1 厚さ10μmのポリエチレンテレフタレ−トフィルムを
真空蒸着装置に充填し、酸素ガス圧5×10-5ト−ルの
残留ガス圧の下で、Co−Ni合金を加熱蒸発させ、連
続的に斜め入射蒸着して、ポリエチレンテレフタレ−ト
フィルム上に、Co−Ni−O(Co:Ni=80:2
0)からなる厚さ 0.2μmの強磁性金属薄膜層を形成し
た。 【0024】一方、一般式 HOOC(CF2 O)
m (CF2 CF2 O)n CF2 COOHで示される平均
分子量が約2200のフッ素化ポリエ−テル(モンテフ
ルオス社製;フォンブリンZ−DIAC)と、このフッ
素化ポリエ−テル中のCOOH基に対し当量のメチルス
テアリルアミンとを混合し、130℃で反応させてフッ
素化ポリエ−テルアミド化合物を得た。 【0025】このようにして得られたフッ素化ポリエ−
テルアミド化合物をイソプロピルアルコ−ルに溶解し
て、フッ素化ポリエ−テルアミド化合物の 0.2重量%イ
ソプロピルアルコ−ル溶液を得、この溶液を前記のポリ
エチレンテレフタレ−トフィルム上に形成された強磁性
金属薄膜層上に塗布し、乾燥して、フッ素化ポリエ−テ
ルアミド化合物からなる保護層を形成した。フッ素化ポ
リエ−テルアミド化合物の被着量は 1.5mg/m2 であ
った。しかるのち、8mm幅にスリットしてビデオテ−
プを作製した。 【0026】実施例2 実施例1と同様にしてポリエチレンテレフタレ−トフィ
ルム上に強磁性金属薄膜層を形成し、この上にベンゾト
リアゾ−ルの 0.1重量%イソプロピルアルコ−ル溶液を
塗布し、乾燥した。ベンゾトリアゾ−ルの被着量は1m
g/m2 以下であった。ついで、実施例1で用いたフッ
素化ポリエ−テルアミド化合物と、1,1,2,2−テ
トラヒドロパ−フルオロオクチルリノレ−トとを、同時
にイソプロピルアルコ−ルに溶解して、フッ素化ポリエ
−テルのアミド化合物と1,1,2,2−テトラヒドロ
パ−フルオロオクチルリノレ−トとの混合物の 0.2重量
%イソプロピルアルコ−ル溶液を得、この溶液を実施例
1で使用したフッ素化ポリエ−テルアミド化合物の 0.2
重量%イソプロピルアルコ−ル溶液に代えて使用した以
外は、実施例1と同様にして保護層を形成し、ビデオテ
−プを作製した。フッ素化ポリエ−テルアミド化合物の
被着量は 1.5mg/m2 であり、1,1,2,2−テト
ラヒドロパ−フルオロオクチルリノレ−トの被着量は
1.5mg/m2 であった。 【0027】実施例3 実施例1で得られたフッ素化ポリエ−テルアミド化合物
を使用し、 α−Fe磁性粉末 100 重量部 MR−110(日本ゼオン社製;塩化ビニル系樹脂) 15 〃 N−2309(日本ポリウレタン工業社製;ポリウレタン 10 〃 樹脂) カ−ボンブラック 1 〃 α−Al2 3 0.5 〃 フッ素化ポリエ−テルアミド化合物 3 〃 コロネ−トL(日本ポリウレタン工業社製;三官能性低分 6 〃 子量イソシアネ−ト化合物) シクロヘキサノン 150 〃 トルエン 150 〃 の組成物をボ−ルミル中で100時間混合分散して磁性
塗料を調製した。この磁性塗料を厚さ11μmのポリエ
チレンテレフタレ−トフィルム上に、乾燥後の厚さが3
μmとなるように塗布、乾燥して磁性層を形成した。し
かるのち、8mm幅にスリットしてビデオテ−プを作製
した。 【0028】実施例4 一般式 HOOC(CF2 O) m (CF2 CF2 O)n CF2 COOH で示される平均分子量が約1000のフッ素化ポリエ−
テルと、このフッ素化ポリエ−テル中のCOOH基に対
し当量のジ(2−エチルヘキシル)アミンと、触媒とし
ての少量のSnOとを混合し、130℃で反応させフッ
素化ポリエ−テルアミド化合物を得た。ついで、このよ
うにして得られたフッ素化ポリエ−テルアミド化合物を
メチルエチルケトンに溶解して、フッ素化ポリエ−テル
アミド化合物の 0.2重量%メチルエチルケトン溶液を
得、この溶液中に実施例1でポリエチレンテレフタレ−
トフィルム上に形成された強磁性金属薄膜層を浸漬し、
乾燥して、フッ素化ポリエ−テルアミド化合物からなる
保護層を形成した。フッ素化ポリエ−テルアミド化合物
の被着量は 1.5mg/m2 であった。しかるのち、8m
m幅にスリットしてビデオテ−プを作製した。 【0029】実施例5 実施例3における磁性塗料の組成において、フッ素化ポ
リエ−テルアミド化合物に代えて、実施例4で得られた
フッ素化ポリエ−テルアミド化合物を同量使用した以外
は、実施例3と同様にしてビデオテ−プを作製した。 【0030】実施例6 一般式 HOOC(CF2 O) m (CF2 CF2 O)n CF2 COOH で示される平均分子量が約2200のフッ素化ポリエ−
テル(モンテフルオス社製;フォンブリンZ−DIA
C)と、このフッ素化ポリエ−テル中のCOOH基に対
し当量のN−(2−ヒドロキシエチル)ドデシルアミン
と、触媒としての少量のSnOとを混合し、130℃で
反応させフッ素化ポリエ−テルアミド化合物を得た。つ
いで、このようにして得られたフッ素化ポリエ−テルア
ミド化合物をメチルエチルケトンに溶解して、フッ素化
ポリエ−テルアミド化合物の 0.2重量%メチルエチルケ
トン溶液を得、この溶液中に実施例1でポリエチレンテ
レフタレ−トフィルム上に形成された強磁性金属薄膜層
を浸漬し、乾燥して、フッ素化ポリエ−テルアミド化合
物からなる保護層を形成した。フッ素化ポリエ−テルア
ミド化合物の被着量は 1.5mg/m2 であった。しかる
のち、8mm幅にスリットしてビデオテ−プを作製し
た。 【0031】実施例7 実施例3における磁性塗料の組成において、フッ素化ポ
リエ−テルアミド化合物に代えて、実施例6で得られた
フッ素化ポリエ−テルアミド化合物を同量使用した以外
は、実施例3と同様にしてビデオテ−プを作製した。 【0032】実施例8 実施例6で得られたフッ素化ポリエ−テルアミド化合物
と、このフッ素化ポリエ−テルアミド化合物中の−OH
基に対し当量のカプリン酸と、触媒としての少量のSn
Oとを混合し、130℃で反応させフッ素化ポリエ−テ
ルアミドエステル化合物を得た。ついで、このようにし
て得られたフッ素化ポリエ−テルアミドエステル化合物
をメチルエチルケトンに溶解して、フッ素化ポリエ−テ
ルアミドエステル化合物の 0.2重量%メチルエチルケト
ン溶液を得、この溶液中に実施例1でポリエチレンテレ
フタレ−トフィルム上に形成された強磁性金属薄膜層を
浸漬し、乾燥して、フッ素化ポリエ−テルアミドエステ
ル化合物からなる保護層を形成した。フッ素化ポリエ−
テルアミドエステル化合物の被着量は 1.5mg/m2
あった。しかるのち、8mm幅にスリットしてビデオテ
−プを作製した。 【0033】実施例9 実施例3における磁性塗料の組成において、フッ素化ポ
リエ−テルアミド化合物に代えて、実施例8で得られた
フッ素化ポリエ−テルアミドエステル化合物を同量使用
した以外は、実施例3と同様にしてビデオテ−プを作製
した。 【0034】比較例1 実施例1におけるフッ素化ポリエ−テルアミド化合物の
合成において、メチルステアリルアミンに代えて、ステ
アリルアミンを同量使用した以外は、実施例1と同様に
してフッ素化ポリエ−テルアミド化合物を得た。つい
で、このようにして得られたフッ素化ポリエ−テルアミ
ド化合物をイソプロピルアルコ−ルに溶解して、フッ素
化ポリエ−テルアミド化合物の 0.2重量%イソプロピル
アルコ−ル溶液を得、この溶液を実施例2と同様にして
ベンゾトリアゾ−ルを塗布し、乾燥した強磁性金属薄膜
層上に、塗布し、乾燥してフッ素化ポリエ−テルアミド
化合物の保護層を形成した以外は、実施例2と同様にし
てビデオテ−プを作製した。フッ素化ポリエ−テルアミ
ド化合物の被着量は 1.5mg/m2 であった。 【0035】比較例2 比較例1における強磁性金属薄膜層上の保護層の形成に
おいて、さらに1,1,2,2−テトラヒドロパ−フル
オロオクチルリノレ−トをフッ素化ポリエ−テルのアミ
ド化合物と同時にイソプロピルアルコ−ルに溶解して、
フッ素化ポリエ−テルのアミド化合物と1,1,2,2
−テトラヒドロパ−フルオロオクチルリノレ−トとの混
合物の 0.2重量%イソプロピルアルコ−ル溶液を得、こ
の溶液を比較例1で使用したフッ素化ポリエ−テルのア
ミド化合物の 0.2重量%イソプロピルアルコ−ル溶液に
代えて使用した以外は、比較例1と同様にして保護層を
形成し、ビデオテ−プを作製した。フッ素化ポリエ−テ
ルアミド化合物の被着量は1.5mg/m2 であり、1,
1,2,2−テトラヒドロパ−フルオロオクチルリノレ
−トの被着量は 1.5mg/m2 であった。 【0036】比較例3 実施例3における磁性塗料の組成において、フッ素化ポ
リエ−テルアミド化合物に代えて、比較例1で得られた
フッ素化ポリエ−テルアミド化合物を同量使用した以外
は、実施例3と同様にして磁性層を形成し、ビデオテ−
プを作製した。 【0037】比較例4 実施例4における極性基を有するフッ素化ポリエ−テル
の合成において、ジ(2−エチルヘキシル)アミンに代
えて、ドデシルアミンを同量使用した以外は、実施例4
と同様にしてフッ素化ポリエ−テルアミド化合物を得
た。ついで、このようにして得られたフッ素化ポリエ−
テルアミド化合物をメチルエチルケトンに溶解して、フ
ッ素化ポリエ−テルアミド化合物の 0.2重量%メチルエ
チルケトン溶液を得、この溶液中に実施例1でポリエチ
レンテレフタレ−トフィルム上に形成された強磁性金属
薄膜層を浸漬し、乾燥して、フッ素化ポリエ−テルアミ
ド化合物からなる保護層を形成した。フッ素化ポリエ−
テルアミド化合物の被着量は 1.5mg/m2 であった。
しかるのち、8mm幅にスリットしてビデオテ−プを作
製した。 【0038】比較例5 実施例3における磁性塗料の組成において、フッ素化ポ
リエ−テルアミド化合物に代えて、比較例4で得られた
フッ素化ポリエ−テルアミド化合物を同量使用した以外
は、実施例3と同様にしてビデオテ−プを作製した。 【0039】比較例6 実施例6における極性基を有するフッ素化ポリエ−テル
の合成において、N−(2−ヒドロキシエチル)ドデシ
ルアミンに代えて、6−ヒドロキシヘキシルアミンを同
量使用した以外は、実施例6と同様にしてフッ素化ポリ
エ−テルアミド化合物を得た。ついで、このようにして
得られたフッ素化ポリエ−テルアミド化合物をメチルエ
チルケトンに溶解して、フッ素化ポリエ−テルアミド化
合物の 0.2重量%メチルエチルケトン溶液を得、この溶
液中に実施例1でポリエチレンテレフタレ−トフィルム
上に形成された強磁性金属薄膜層を浸漬し、乾燥して、
フッ素化ポリエ−テルアミド化合物からなる保護層を形
成した。フッ素化ポリエ−テルアミド化合物の被着量は
1.5mg/m2 であった。しかるのち、8mm幅にスリ
ットしてビデオテ−プを作製した。 【0040】比較例7 実施例3における磁性塗料の組成において、フッ素化ポ
リエ−テルアミド化合物に代えて、比較例6で得られた
フッ素化ポリエ−テルアミド化合物を同量使用した以外
は、実施例3と同様にしてビデオテ−プを作製した。 【0041】比較例8 比較例6で得られたフッ素化ポリエ−テルアミド化合物
と、このフッ素化ポリエ−テルアミド化合物中の−OH
基に対し当量のカプリン酸と、触媒としての少量のSn
Oとを混合して、130℃で反応させフッ素化ポリエ−
テルアミドエステル化合物を得た。ついで、このように
して得られたフッ素化ポリエ−テルアミドエステル化合
物をメチルエチルケトンに溶解して、フッ素化ポリエ−
テルアミドエステル化合物の 0.2重量%メチルエチルケ
トン溶液を得、この溶液中に実施例1でポリエチレンテ
レフタレ−トフィルム上に形成された強磁性金属薄膜層
を浸漬し、乾燥して、フッ素化ポリエ−テルアミドエス
テル化合物からなる保護層を形成した。フッ素化ポリエ
−テルアミドエステル化合物の被着量は 1.5mg/m2
であった。しかるのち、8mm幅にスリットしてビデオ
テ−プを作製した。 【0042】比較例9 実施例3における磁性塗料の組成において、フッ素化ポ
リエ−テルアミド化合物に代えて、比較例8で得られた
フッ素化ポリエ−テルアミドエステル化合物を同量使用
した以外は、実施例3と同様にしてビデオテ−プを作製
した。 【0043】比較例10 実施例1における強磁性金属薄膜層上の保護層の形成に
おいて、フッ素化ポリエ−テルアミド化合物の 0.2重量
%イソプロピルアルコ−ル溶液に代えて、両末端ヒドロ
キシ変性パ−フルオロポリエ−テル(モンテフルオス社
製;フォンブリンZ−DOL)の 0.2重量%フレオン溶
液を使用した以外は、実施例1と同様にして保護層を形
成し、ビデオテ−プを作製した。両末端ヒドロキシ変性
パ−フルオロポリエ−テルの被着量は 1.5mg/m2
あった。 【0044】比較例11 実施例1における強磁性金属薄膜層上の保護層の形成に
おいて、フッ素化ポリエ−テルアミド化合物の 0.2重量
%イソプロピルアルコ−ル溶液に代えて、1,1,2,
2−テトラヒドロパ−フルオロオクチルリノレ−トの
0.2重量%フレオン溶液を使用した以外は、実施例1と
同様にして保護層を形成し、ビデオテ−プを作製した。
1,1,2,2−テトラヒドロパ−フルオロオクチルリ
ノレ−トの被着量は 1.5mg/m2 であった。 【0045】比較例12 実施例2における強磁性金属薄膜層上の保護層の形成に
おいて、フッ素化ポリエ−テルアミド化合物と1,1,
2,2−テトラヒドロパ−フルオロオクチルリノレ−ト
との混合物の 0.2重量%イソプロピルアルコ−ル溶液に
代えて、両末端ヒドロキシ変性パ−フルオロポリエ−テ
ル(モンテフルオス社製;フォンブリンZ−DOL)を
フレオンFC−77に溶解した両末端ヒドロキシ変性パ
−フルオロポリエ−テルの 0.2重量%フレオン溶液を使
用した以外は、実施例2と同様にして保護層を形成し、
ビデオテ−プを作製した。両末端ヒドロキシ変性パ−フ
ルオロポリエ−テルの被着量は 1.4mg/m2 であっ
た。 【0046】比較例13 比較例12における強磁性金属薄膜層上の保護層の形成
において、さらに1,1,2,2−テトラヒドロパ−フ
ルオロオクチルリノレ−トを両末端ヒドロキシ変性パ−
フルオロポリエ−テル(モンテフルオス社製;フォンブ
リンZ−DOL)と同時にフレオンFC−77に溶解し
て、両末端ヒドロキシ変性パ−フルオロポリエ−テルと
1,1,2,2−テトラヒドロパ−フルオロオクチルリ
ノレ−トとの混合物の 0.2重量%フレオン溶液を得、こ
の溶液を比較例12で使用した両末端ヒドロキシ変性パ
−フルオロポリエ−テルの 0.2重量%フレオン溶液に代
えて使用した以外は、比較例12と同様にして保護層を
形成し、ビデオテ−プを作製した。両末端ヒドロキシ変
性パ−フルオロポリエ−テルの被着量は 1.4mg/m2
であり、1,1,2,2−テトラヒドロパ−フルオロオ
クチルリノレ−トの被着量は 1.5mg/m2 であった。 【0047】各実施例および比較例で得られたビデオテ
−プについて、20℃、50%RHの条件下で、下記の
要領で摩擦係数を測定し、またジッタ−特性、実走行耐
久性およびスチル耐久性を試験した。 【0048】<摩擦係数>表面粗度 0.2s、外径4mm
の円筒ピンに、ビデオテ−プを巻き角150°で巻きつ
け、荷重21gをかけて送り速度 1.4cm/秒で送り、
同じところを繰り返し測定して、100回目の摩擦係数
を求めた。 【0049】<ジッタ−特性>ビデオテ−プをビデオデ
ッキに装填してビデオ信号を記録再生し、その再生信号
の 15.75KHzの水平同期信号の間隔を読み取り、その
ときの1秒間の水平同期信号の間隔のずれを測定して行
った。 【0050】<実走行耐久性>ビデオテ−プをビデオデ
ッキに装填してビデオ信号を記録し、再生状態で繰り返
し走行させて、再生出力が初期に比べて3dB低下する
までの走行回数を測定した。 【0051】<スチル耐久性>ビデオテ−プをビデオデ
ッキに装填してスチルモ−ドで再生し、再生出力レベル
が初期出力レベルの1/2に低下するまでに要した時間
を測定した。下記表1および表2はその結果である。 【0052】【0053】 【0054】つぎに、上記の実施例および比較例で得ら
れた各ビデオテ−プについて、8モ−ドシャトル耐久性
を試験した。試験法は、記録済のビデオテ−プ13mを
採り、これを「早送り→早送りサ−チ→巻き戻しサ−チ
→(再生)ポ−ズ→早送りサ−チ→(録画)ポ−ズ→早
送り→巻き戻し」という一連の動作を1パスとして繰り
返し行い、100回パス、200回パス、300回パ
ス、400回パス、500回パス毎に再生出力を測定
し、初期出力に対する出力低下値を測定して行った。
下記表3および表4はその結果である。 【0055】【0056】 【0057】 【発明の効果】上記表1ないし表4から明らかなよう
に、この発明で得られたビデオテ−プ(実施例1〜9)
は、いずれも従来のビデオテ−プ(比較例1〜13)に
比べて、摩擦係数が小さく、ジッタ−特性も小さくて、
実走行耐久性がよく、さらにスチル時間が長くて、8モ
−ドシャトル耐久性が格段によく、このことからこの発
明で得られるフッ素化ポリエ−テルは、有機溶剤に対す
る溶解性および耐加水分解性にすぐれ、またこのフッ素
化ポリエ−テルを使用して得られる磁気記録媒体は、走
行性および耐久性が良好で、長期安定性にすぐれている
ことがわかる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C10N 30:00 C10N 30:00 Z 40:18 40:18 (56)参考文献 特開 平2−245024(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 65/329 - 65/337 CA(STN)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】−CF 2 O−単位と−CF 2 CF 2 O−単
    を基本骨格とする分子量が500〜10000のフッ
    素化ポリエ−テルの少なくとも一つの末端に、一般式 −CON(R1 )R2 〔但し、R1 およびR2 は脂肪族炭化水素基、末端に水
    酸基を有する炭化水素基、末端に−OCOR3 基を有す
    る炭化水素基(但し、R3 は炭化水素基である。)から
    選ばれる何れかである。〕で表される極性基を有するフ
    ッ素化ポリエ−テル。
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